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微分
【No.1】 正解5 重要度C (解1) グラフから解く 図Iを組み合わせて図IIIを作る。すると,次のように引き算すれば作れることが分かる。 そこで,その解についても引き算すればよいことになる(重ね合わせの原理)。上図の左側の温度に対する解をF1, 右図に対する解をF2とすると,次のように重ねることができる(F1− F2を図示する)。 (解2) 計算する (解1と同様のことを式で計算すると), Φ2(t) = Φ1(t)− Φ1(t− ∆t)= Φ. ′1(t)∆t = (−1.5e−0.5t− 2.4e−4t− 2e−10t)∆τ < 0 したがって,t > ∆τ ではΦ2(t) < 0となり,lim t→∞Φ2(t) = 0となる。これを満たすのは5のみである。 ポイント 重ね合わせの原理を使った問題で,計算はほとんどいらないのですが,何をすべきなのか全く見えず,非常に難 しい問題です。正解を得る最も簡単な方法は,0 < t < ∆τ では,図Iと変わりませんので,図IIと同じ形になる 2,3,5のどれかであり,その後温度を下げたのですから,最終的には吸熱量は0に収束するはずと物理的に考 えることで,3のように急激に下がることは考えにくいですから,5に絞ることができるかもしれません。 しかし,上の解答のように数学的に考えることは難しいでしょう。 【No.2】 正解2 重要度C x,yは人数なのでx,y > 0である。これを考えると, dx dt =−axy < 0 であるので,xは単調に(0に向かって)減少する。 次に, dy dt = ay(x− b a) であることを考える。この右辺の符号を考えると,x > b a = 100のときには dy dt > 0よりyは増加し,x < b a = 100のときにはdy dt < 0よりyは減少する。 したがって,xが初期値から減少を続けることを考えると,x = 50が初期値の場合には,yは0に単調に収束し, x = 1000が初期値の場合には,x = 100までは,yは単調に増加し,それ以降単調に減少して0に収束する。 なお,収束する場合にはdy dt = 0であることから,x = y = 0になることを利用している(x = 0では, dx dt = 0)。 ポイント 以前は良く出題された微分方程式の符号を考える問題です。このテキストでも9,10で扱っています。 考え方を知っていれば難しくありませんが,そもそもこのような問題に触れる機会が少ないのではないかと思い ます。 なお,微分方程式を解く方向はうまくいかないと思われます(解くことはできますが,そこからグラフを書くこ とはまた大変です)。 【No.3】 正解4 重要度B (解1) 近似公式を使う 一般に,微小な数xに対して, (1 + x)n= 1 + nx. が成立する。 このことから, k = 4π2m T2 に対して,Tの誤差をdT,mの誤差をdmとすると, k + dk = 4π2 m + dm (T + dT )2 = 4π2m T2 1 +dmm (1 +dT T ) 2 . = 4π2m T2(1 + dm m )(1− 2 dT T ) . = 4π2m T2(1 + dm m − 2 dT T ) ここで,dm m =±0.1%, dT T =±0.2%なので,kの誤差は,0.1 + 2× 0.2 = 0.5%である。 (解2) 対数微分を使う 与えられた式は, k = 4π2m T2 となる。この対数を取ると,
log k = log(4π2) + log m− 2 log T
ここでこの両辺を微分すると, dk k = dm m − 2 log dT T 以下,解1と同じ。 (解3) 誤差伝播の法則を使う 誤差伝播の法則によると,積の誤差は,誤差の和に,常数の誤差は,誤差の積になるので, 0.1 + 2× 0.2 = 0.5%
ポイント どの解法をとるにしても「知っていないと」無理があります。3つの中で,その場で思いつく可能性があるのは 解1で,これは他の問題でも応用できます。この近似公式を使う場合には,1 + xの1を強引に作り出すことが大 切になります。解2,解3は知らないととれない解法でしょう。 【No.4】 正解5 重要度B (解1) 収束値を直接求める ガス濃度Kが収束しているのであれば,dK = 0である。したがって与えられている微分方程式から, W− Q(K − K0) = 0 となる。これを解いて, K = K0+ W Q = 0.04 + 4× 0.02 60 × 100 = 0.173% (解2) 微分方程式を解く(参考) 与えられた微分方程式は, dK dt = W V − Q(K− K0) V =− Q V ( K− K0− W Q ) ここで,K− K0− W Q = Fとおくと,K0,W,Qが定数なので, dK dt = dF dt となるので, dF dt =− Q VF この一般解は, F (t) = A exp ( −QVt ) である。 これより, K(t) = A exp ( −Q Vt ) + K0+ W Q が解となる。 ポイント 微分方程式の収束値を求める問題で,工学の基礎というより,職種によって,専門対策として見ておいてもらい たい問題です。収束したのであれば,グラフの傾きが0になるはずですから,微分値は0になるはずです。そこ で早速これを代入するのが,ポイントです。 なお,参考までに微分方程式を解きましたが,工学の基礎で微分方程式を解く必要がある問題は,過去にはあま り出題は少ないです。 【No.5】 正解2 重要度C まず, dx dt = ax− bxy を変形して, dx x = (a− by)dt とする。この式をt = 0∼ T で積分すると, ∫ T 0 dx x = log x(T )− log x(0) = ∫ T 0 (a− by)dt = aT − b ∫ T 0 y(t)dt
となる。ここで,周期性からx(T ) = x(0)であり,さらに与えられた式より, ∫ T 0 y(t)dt = T Y なので, aT− bT Y = 0 ∴ Y =a b 同様にして,2番目の式より, dy y = (−c + dx)dt を一周期で積分すると,
log y(T )− log y(0) = 0 = −cT + dXT = 0 ∴ X = c d となる。 ここで捕獲を行うと,xもyも捕獲を行った分だけ減少するため,微分方程式は, dx dt = ax− bxy − rx = (a − r)x − bxy dy
dt =−cy + dxy − ry = −(c + r)y + dxy
したがって,全く同じように考えれば(文字を置き換えれば), X′=c + r d > X Y ′=a− r b < Y となる。 ポイント この章の中でも,No.1と難易度を争う難問で,これを時間内に解くことは相当に困難です。 解くための鍵は,本文に与えられた微分方程式が変数分離できるということと,与えられた平均の定義です。し かし,これを読み取ることはかなり難しいと思います。 なお,この微分方程式は変数分離して,x,yの関係式を求めることができます(ただし,時間の関数として求め ることは無理です)。 【No.6】 正解3 重要度C 投与直後の濃度の収束値をy∞とする。ここから時間Tだけ経過した後の濃度を求めると, dy dt =−ky より, y(t) = A exp(−kt) y(0) = y∞(投薬直後)とすると, y(t) = y∞exp(−kt) となるので, y(T ) = y∞exp(−kT ) これは投薬直前の濃度であり,投薬によって濃度がy∞になるので, y∞exp(−kT ) + y0= y∞ ∴ y∞= y0 1− exp(−kT )
ポイント 最近,この手の問題は出題されていないので,今出題されたらかなり難しく感じてしまうでしょうね。 ポイントは,収束値は収束する状況で求めよ,ということです。そうでないと漸化式をたてて解くという面倒な 作業が必要になります。 なお,この微分方程式は最も基本的なものですので,解が指数関数になることは覚えておいてもよいでしょう。 【No.7】 正解5 重要度A (解1) サイクロイドの式を使う 与えられた式を2回時間で微分すると, ¨ x = rω2sin(ωt) ¨ y = rω2cos(ωt) したがって,x方向の加速度が最大となるとき, sin ωt =±1, cos ωt = 0 このときy = rとなるが,これはBである。 一方,y方向の加速度が最大となるとき, cos ωt =±1, sin ωt = 0 となるが,このとき, y = 0, 2r つまり,A,Cとなる。なお,加速度の大きさは, ¨ x2+ ¨y2= r2ω4 で一定である。 (解2) 物理的に考える サイクロイドは,円が滑らずに移動する場合で,物理的には,円がその場で等速円運動する運動と,円の中心が等速 直線運動する運動を合成したものである。したがって,等速直線運動の加速度は0であるので,等速円運動のみを考え ればよい。 等速円運動の加速度は,中心方向にrω2で一定なので,x方向の加速度が最大になるのは,中心方向がx方向になる Bで,y方向の加速度が最大になるのは,中心方向がy方向になるA,Cである。 ポイント 加速度が位置の時間の2回微分になることを利用したいのでしょうが,物理的には明らかですね。最近出題が 減っていますが,似たような問題は過去の国家2種でも出題されていますので,考え方は知っておいて下さい。 【No.8】 正解1 重要度B Taylorの定理によると,任意の関数は, y(x + h) = y(x) + hy′(x) +h 2 2y ′′(ξ) とおける。h2が十分小さいとして無視すれば,与えられた漸化式となる。本問の場合,
となる(xi= 0.1i)。ただし,Y0= 1である。これより, Y1= 1.1 + 0 = 1.1 Y2= 1.21 + 0.01 = 1.22 Y3= 1.1× 1.22 + 0.02 = 1.362 Y4= 1.1× 1.362 + 0.03 = 1.5282 真の解は,y = 2e0.4− 1.4なので,その差は, 2e0.4− 1.4 − 1.5282 = 2e0.4− 2.9282 ポイント Taylorの定理は知っているかどうかだけです。それ以降はいわゆる「オイラー法」についての問題ですが,よ く説明を見て代入していけば確実に解くことができます。最近は見かけなくなりましたが,本文の説明を理解して 解くタイプの問題です。 【No.9】 正解2 重要度B dx dt = f (x) > 0 のときに,xは単調に増加する。そして,その増加率はf (x)が最大のときである。 また,収束値はf (x) = 0の時であるから,初期値が0 < x < x0なら,x = x0となる。これを満たすのは2しか ない。 ポイント この手の微分方程式の問題としては基本的な問題で,以前は繰り返し出題されていましたが,最近は微分方程式 自体が出題されなくなってきました。微分した値は傾きを表すこと,まずは正負に注目することがポイントとなり ます。 なお,もしf (x)が放物線ならば,この曲線はロジスティック曲線と呼ばれるものになります。たとえば,ある 電化製品の普及率のグラフなどで登場する曲線です。 【No.10】 正解1 重要度B (解1) 微分値の正負を確認する dP0(t) dt =−aP0(t) < 0 (P0(t)は確率であることに注意すること)であるので,P0(t)は単調減少である。よって,肢4,5は合わない。 次に, dP1(t) dt = a(P0(t)− P1(t)) であるので,P0 > P1つまり,P0のグラフより下にある部分では,P1のグラフは増加となり,交わるところで極値 (dP1(t) dt = 0)となる。これに合うのは肢1のみである。 (解2) 微分方程式を解く dP0(t) dt =−aP0 の解は,P0(0) = 1に注意して(最初は事故は起きていないので), P0(t) = e−at
次に,これを代入すると, dP1(t) dt =−aP1(t) + ae −at となる。これを定数変化法で解く。そのために,まずは, dP1(t) dt =−aP1(t) を解くと,一般解は, P1(t) = Ce−at となる。このときの積分定数であるCを改めて関数C(t)とみて, P1(t) = C(t)e−at を微分方程式 dP1(t) dt =−aP1(t) + ae −at に代入する。 dP1(t) dt = C
′(t)e−at− aC(t)e−at=−aC(t)e−at+ ae−at
したがって, C′(t) = a ∴ C(t) = at + C1 これと,P1(0) = 0よりC1= 0であることから, P1(t) = ate−at ポイント 最初の解法1が実践的な解法です。この考え方は以前はよく出題されていたもので,一応見ておくと良いで しょう。 解法2では一般解を求めてみました。ただ,求めてもそれだけでグラフが書けるわけではありません。ですの で,あまり解く方向はうまくいかないことを知ってもらえればと思います(以降,上の式を微分して極値を求める ことになります)。 【No.11】 正解2 重要度A 微分方程式 d2y dx2 = e −ax をxで積分して, dy dx =− 1 ae −ax+ C 1 ここで,x = 0として, −2 = −1 a+ C1 ∴ C1=−2 + 1 a 次に, dy dx =− 1 ae −ax− 2 +1 a をxで積分して, y = 1 a2e −ax+(−2 +1 a ) x + C2
これがx→ ∞で極限値を持つためには, −2 +1 a = 0 ∴ a = 1 2 ポイント 微分方程式といっても,実質的には,y(x)を2回微分したらe−axになったというのですから,ただの積分の問 題です。ただ,極限の条件が出てくるため,これを処理することが大切になります。 なお,最後のところでは,x→ ∞で極限を持つのであれば dy dx = 0でなければならないとしてa = 2を求める こともできます。 【No.12】 正解4 重要度B (解1) 増加率(微分係数)の問題として解く 燃料をFとする。走行距離を最大にするためには,単位距離あたりの燃料消費量である dF dx を最小にすればよい。 ところで,単位時間当たりの消費量は, dF dt = f = f0+ aV 3 であるから, dF dx = dF dt 1 dx dt =f0+ aV 3 V = f0 V + aV 2 したがって,これを最小にするためには, d dV ( dF dx ) =−f0 V2 + 2aV = 0 ∴ V = 3 √ f0 2a (解2) 条件付きの最適化の問題とする 走行時間をtとする。このとき,一定の燃料をFとおくと, F = (f0+ aV3)t が一定となる。このとき,距離をLとすると, L = V t が最大になればよい。 そこでLagrangeの未定乗数法を使って,次の関数gを考える。 g(t, V ) = V t + k((f0+ aV3)t− F ) これを偏微分すると, ∂g ∂V = t + 3kaV 2 t = 0 ∂g ∂t = V + k(f0+ aV 3) = 0 この2式を互いに割って, t V = 3kaV2t k(f0+ aV3) ∴ f 0+ aV3= 3aV3
これを解いて, V = 3 √ f0 2a ポイント 設定が単純な割にはなかなか難しい問題です。しかし,解き方が色々あるのは面白いところです。 最初の方法では,いわゆる「燃費」というのが,単位時間当たりの燃料消費量ではなく,単位距離当たりの燃料 消費量(の逆数)であることに注目しています。言われてみればそうでしょうが,なかなか気づかないのではない でしょうか。 次の解法では,分からない問題では,とにかく分からないものを文字で置け,というのを徹底しています。 Lagrangeの未定乗数法を使っていますが,一文字消去でも解くことができます(ただし,微分計算は面倒になり ます)。 なお,この問題は,H.7にも出題されていました。 【No.13】 正解3 重要度A 連続な関数なので,最大値,最小値は極値か端点かである。また,条件も式も対称的なので,x≤ yのみで考えても よい。ここでLagrangeの未定乗数法を考えて, f (x, y) = x3+ y3+ k(x2+ y2− 3) とおく。 これを偏微分して, ∂f ∂x = 3x 2 + 2kx = 0 ∂f ∂y = 3y 2 + 2ky = 0 これを解くと,x = 0またはy = 0またはx = yとなる。このうち最初の2つは区間の端点なので,対称性から x = 0とx = yのときだけ調べる。 x = 0のとき,y =√3なので, x3+ y3= 3√3 x = y = √ 3 2のとき, x3+ y3=3 √ 6 2 ポイント 非常にそっけない問題です。上のように条件付き最適化の問題として解くのが普通でしょう。 しかし,この問題では,条件も目的関数も対称的ですので,明らかに極値も端か中央だと分かるのではないかと 思います。ときどき,このような問題も見られますね。 【No.14】 正解1 重要度A (解1)xy座標に直して解く
動点Pの座標は,(r cos θ, r sin θ) = (aωt cos ωt, aωt sin ωt)
これを時間で微分して,
vx=
dx
dt = aω cos ωt− aω
2
t sin ωt
vy=
dy
dt = aω sin ωt + aω
2
これより, v = √ v2 x+ v2y= √ a2ω2+ a2ω4t2= aω√1 + ω2t2 (解2) 極座標の公式を使う 半径方向の速度成分は, vr= dr dt = aω 円周方向の速度成分は, vθ= r dθ dt = aω 2 t これを合成して, v2= √ v2 r+ vθ2= aω √ 1 + ω2t2 ポイント 理工IV(化学,生物)では極座標の速度の計算公式が与えられていました。これを知っていれば簡単ですが, 知らない場合にも,最初の方法で計算力さえあれば解くことができますね。 【No.15】 正解2 重要度C 微分方程式 d2g(x) dx2 + g(x) = 0 の解をg(x) = sin ωxとおいて代入すると, −ω2 + 1 = 0 ∴ ω = 1 これより一般解は, g(x) = A sin x + B cos x となる。これと与えられた特解の和として,微分方程式の解は, f (x) = A sin x + B cos x−1 3sin 2x となる。 f (0) = 0を代入して, B = 0 次に, f′(x) = A cos x−2 3cos 2x なので, f′(0) = A−2 3 = 1 3 ∴ A = 1 これより,求める解は, f (x) = sin x−1 3sin 2x = sin x− 2
3sin x cos x = sin x ( 1−2 3cos x ) となる。 これより,f (x) = 0となるxは,x = 0,±π, ±2π · · · である。これを満たすグラフは2しかない。
ポイント グラフを選ぶ問題にはなっていますが,これは解を求めるしかありません。そこで,この微分方程式をどう解く のかということになりますが,基本的に,微分方程式の解法というのは(2次方程式の解の公式と同様に)覚える しかありません。ここで与えられた微分方程式は2階の線形の微分方程式とよばれるもの(物理的には,減衰のな い強制振動)で,解き方が決まっています。 まず,どのような方法でもよいので,解を1つ見つけます。ここではf (x) =−1 3sin 2xが与えられています。 これが与えられていない場合には,微分方程式の形から,f (x) = C sin 2xとでもおいて代入して強引に求めるこ とになります。 次に特解が見つかったら,斉次解を求めます。これは,右辺の関数をないものとしたときの一般解です。本問で はg(x)の満たす微分方程式ですね。この場合,解はg(x) = ekxになることを覚えておいて代入してkを求める ことになります。ただし,本問の場合には,g(x) = sin ωxを代入する方が簡単です。いずれにしても,何を代入 するのかは覚えておくことになります。 最後に以上の2つの解をたして,初期条件を代入すれば終わりです。 いずれにしても,解き方を知っていれば(機械系の人は知っていた人も多いでしょう)ただの計算問題ですし, 知らなければ正解不可能な難問です。さらに本問の場合,解を求めても,さらにその後にグラフを選ばなければい けません。その意味ではかなり難しいと言ってよいでしょう。 【No.16】 正解5 重要度B (解1)2次方程式の解の配置の問題にする 与えられた方程式は, x3− (4m + 1)x2+ 2(m + 3)x + 2(m− 3) = x3− x2+ 6x− 6 − 2m(2x2− x − 1) = (x − 1)(x2+ 6− 2m(2x + 1)) と変形できるので,必ずx = 1を解にもつ。したがって,2次方程式 x2− 4mx + 6 − 2m = 0 がx = 1以外の異なる2つの正の解を持てばよい。 そこで, f (x) = x2− 4mx + 6 − 2m とおく。 これらが正の2解を持つ条件は,判別式より, D/4 = (2m)2− (6 − 2m) = 4m2+ 2m− 6 = (2m + 3)(m − 1) > 0 したがって, m <−3 2, m > 1 また, 4m > 0, 6− 2m > 0 0 < m < 3 ただし,x = 1を解にもってはいけないので, f (1) = 7− 6m ̸= 0 以上をまとめると, 1 < m < 7 6, 7 6< m < 3 (解2) 変数を分離する
まず,x = 1が必ず解になることを確認する。その上で,与えられた式を次のように変形する。 m = x 3− x2+ 6x− 6 4x2− 2x + 6 = (x2+ 6)(x− 1) 2(2x + 1)(x− 1) = x2+ 6 2(2x + 1) ここで, y = g(x) = x 2+ 6 2(2x + 1) とy = mがx = 1以外のx > 0の部分の2カ所で交わればよい。(以下はy = g(x)を微分してグラフをかけばよい) ポイント 大学入試としてはメジャーですが,公務員試験としては珍しい出題です。 最初のポイントは,x = 1が解になることに気づくことです。(解2)の場合にはこれに気づかなくても解くこ とができますが,それでも難易度が違ってきます。(x = 1では分母が0となるので,おかしいとおもってしまう かもしれませんが) (解1)では「解の配置」と呼ばれる有名な問題に帰着されます。これは考え方がたくさんあります(放物線の 軸を考えるなど)。 【No.17】 正解3 重要度A ∂ϕ ∂x = 1 2 1 x2+ y2× (2x) = x x2+ y2 もう1回偏微分して, ∂2ϕ ∂x2 = x2+ y2− x · 2x (x2+ y2)2 = −x2+ y2 (x2+ y2)2 xとyを入れ替えると, ∂2ϕ ∂y2 = −y2+ x2 (x2+ y2)2 したがって, ∂2ϕ ∂x2 + ∂2ϕ ∂y2 = 0 ポイント 偏微分するだけの素っ気ない出題ですが,合成関数の微分公式が必要となるため,計算力が必要となります。 一般に,虚数iを用いて,z = x + iy,z = x− iyと表されるとき,f (z)または,f (z)と表される場合には, ∂2ϕ ∂x2+ ∂2ϕ ∂y2 = 0 となります。今回は, ϕ(x, y) = 1 2ln zz = 1 2ln z + 1 2ln z となります。 【No.18】 正解5 重要度A (解1) 合成関数の微分を利用する 球の半径をr,体積をV とする。このとき, V = 4 3πr 3 となる。
ここでこの式を時間で微分すると, dV dt = 4πr 2dr dt いま,r = 4,dr dt = 3であるので, dV dt = 4π· 4 2· 3 = 192π (解2) 時間の関数として表す 球の半径をr,体積をV とすると, r = 1 + 3t なので, V = 4 3π(1 + 3t) 3 =4π 3(27t 3 + 27t2+ 9t + 1) これを時間で微分して, dV dt = 4π 3 (81t 2 + 54t + 9) = 4π(27t2+ 18t + 3) ここにt = 1を代入すると,dV dt = 192πとなる。 ポイント 問題文の意味さえわかれば,どのように解いても易しい問題です。もちろん解1が理想ですが,解2でも短時 間で答えを出すことができます。国家一般職(II種)や地方上級に数多くの類題がありますが,その中でも最も易 しい問題と言え,この頃の国家I種試験の極端な易化傾向を象徴する問題と言えます。 【No.19】 正解5 重要度A (解1) 合成関数の微分を利用する 与えられた式, (x− a)2+ (y− a)2= r2 をxで直接微分して, 2(x− a) + 2(y − a)dy dx= 0 ここで,x = 1,y = 3のときdy dx= 3なので, 2(1− a) + 2(3 − a) · 3 = 0 ∴ a = 5 2 (解2) 直接微分する (x, y) = (1, 3)を通るので, (1− a)2+ (3− a)2= r2 また,与えられた式をyについて解くと(y > 0に注意する), y− a =√r2− (x − a)2 これをxで微分して, dy dx= −(x − a) √ r2− (x − a)2
ここで,(x, y) = (1, 3)ではdy dx= 3となるので, 3 =√ −(1 − a) r2− (1 − a)2 = −(1 − a) |3 − a| = −(1 − a) 3− a ただし,最後で,選択肢のすべてがa < 3であることを使った。この1次方程式を解けば,a =5 2 (解3) 図形的に考える まず,円x2+ y2= r2を考える。この円の接線の傾きが3となる接点を考える。接線と半径は直交するので,この 接点は,y =−x 3と円との交点で,それは,(x, y) = ( ±3r √ 10, ∓r √ 10)である。 これをx及びy方向にaだけ平行移動して(1, 3)となればよいため,(y > xであることに注意して,) −3r √ 10+ a = 1, r √ 10+ a = 3 ここから,rを消去すれば,4a = 10つまり,a =5 2となる。 ポイント 合成関数の微分公式を使いこなせたかどうかが最大のポイントです。解1と解2では計算量に大きな差があり, 実際には解2では解ききれなかった人が多かったのではないかと思います。差が付いた問題と思われ,その意味 でも重要な問題です。国家一般職,地方上級を目指す人にとっても,よい練習問題と言えます。 【No.20】 正解1 重要度A 一般にt > 0であれば,定数rに対して,相加平均,相乗平均の関係から, t +r 2 t = 2 √ t·r 2 t = 2r となる。 これを使うと, ex+ 1 ex = 2 √ ex· 1 ex = 2 ey+ 9 ey = 2 √ ey· 9 ey = 6 したがって, ( ex+ 1 ex ) ( ey+ 9 ey ) = 12 (等号が成立することもあり得る) ポイント ポイントは2つあります。まず,相加平均,相乗平均の関係の形を見抜けたかです。これが見抜ければ上の解答 に至ることは難しくないでしょう。あるいは,x,yが全く独立な変数で,別々に考えればよいということに気づ いたかです。そうすれば,微分するにしろ何にせよ,ほぼ上と同じ形で解くことができたはずです。 最もまずいのは展開してしまうことです。本問の場合,それでも相加平均,相乗平均の関係を使えば解くことは できますが,遠回りであることは確かですし,難易度も上がります。落ち着いて式の形を見てみなさい,という出 題意図でしょうか。 【No.21】 正解3 重要度A
高さをhとする。このとき体積について, V = πr2h ∴ h = V πr2 したがって,表面積について, S = 2πrh + 2πr2=2V r + 2πr 2 これを微分して, dS dr =− 2V r2 + 4πr = 0 したがって, r = ( V 2π )1 3 ポイント 条件付きの最適化の問題ですが,その中でも国家II種,地方上級を含めて,最も易しい問題の1つになると思 います。計算ミスだけに注意して確実に正解する必要があります。 【No.22】 正解3 重要度A (解1) ロピタルの定理を使う 一般に,ロピタルの定理より,f (a) = g(a) = 0のとき, lim x→a g(x) f (x)= limx→a g′(x) f′(x) となる。 ここで, d dx( √ 9 + x− 3) = 1 2√9 + x d dx( √ 9− x − 3) = −1 2√9− x であるので, lim x→0 √ 9 + x− 3 √ 9− x − 3 = limx→0 −√9− x √ 9 + x =−1 (解2) 近似公式を使う xが十分に小さいとき,(1 + x)n= 1 + nx. の公式より, √ 9 + x− 3 = 3 √ 1 + x 9− 3 . = 3(1 +x 9 ) − 3 =x 3 同様にして, √ 9− x − 3 = 3 √ 1−x 9− 3 . = 3 ( 1−x 9 ) − 3 = −x 3 これより, lim x→0 √ 9 + x− 3 √ 9− x − 3 =−1
ポイント 差が付きそうな問題です。まず,ロピタルの定理を知っていれば,簡単に解くことができます。ただ,この公式 自体あまり出題がないため,忘れていた人もいたことと思います。解2は思いつきにくい公式ですが,光波の干渉 にも出てきますし,近年の平方根の近似の問題でも使うことができた便利な公式ですので,式変形の練習用として 一度変形の練習をしてみるとよいでしょう。無理矢理「1」をつくるところが変形のポイントとなります。 【No.23】 正解4 重要度A (解1) 平方完成する y =−3 4x + 5 2であるので, x2+ y2= x2+ ( −3 4x + 5 2 )2 =25 16x 2−15 4x + 25 4 =25 16 ( x−6 5 )2 + 4 したがって,最小値は4である。 (解2) ラグランジュの未定乗数法を使う f (x, y) = x2+ y2+ k(3x + 4y− 10) と定義する。 このとき, ∂f ∂x = 2x + 3k = 0 ∂f ∂y = 2y + 4k = 0 これより,x : y = 3 : 4である。したがって,x = 3t, y = 4tとおけ,これを条件式に代入すると, 9t + 16t = 25t = 10 ∴ t = 2 5 このとき, x2+ y2= 25t2= 4 (解3) 図形的に考える x2+ y2は図形的に原点との距離の2乗を表す。ところで,3x + 4y− 10 = 0と原点の距離は,点と直線の距離の公 式より, | − 10| √ 32+ 42 = 2 であるので,x2+ y2の最小値は22= 4である。 ポイント さすがに計算量は多いですが,ほぼ国家I種史上最易問とも言える問題です。よほど最近の受験生は数学ができ ていないと思われているのか· · ·。色々な解法を用意しましたが,通常は解1か,あるいは2次式を微分すること になったでしょう。今後のことも考え,解2,解3も研究しておくとよいでしょう。