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Goldthioglucose肥満マウスのインスリソ抵抗性と肝インスリソ受容体に関する研究

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(1)

原 著

〔書鷹樽41第犠、鱗〕

Goldthioglucose肥満マウスのインスリン抵抗性と

肝インスリン受容体に関する研究

東京女子医科大学 第3内科学教室(主任

書 爵 簿 手

平田幸正教授) (受付 平成元年12月18日)

Alteration of Insulin Receptors in the Liver of the Goldthioglucose

Obese Mouse with Insulin Resistance

Hiroko YOSHINO

Department of Medicine III(Director:Prof. Yukimasa HIRATA) Tokyo Women’s Medical College

In order to understand the mechanism of the insulin resistance in obese animals,the alterations of insulin binding and phosphorylation of the insulin receptor purified from livers of goldthioglucose (GTG)一induced obese mice were studied.

After the injection of GTG, the mice became hyperphagic and weighed more than 120%of the control. The obese mice had fasting hyperinsulinemia and showed poor response to the exogenous insulin, but evidenced no remarkable glucose intolerance. The insulin receptor was purified from the mouse liver by the use of a wheat germ agglutinin affinity column. Insulin binding to the receptor from the obese mouse hver showed no significant change compared to the contro1. However, an almost 50% decrease in the insulin stimulated autophosphorylation and the tyrosine kinase activity of the insulin receptor extracted from obese mouse Iiver was observed when compared to the control.

These results suggest that the defective insulin receptor kinase of the obese mouse liver may account for the insulin resistance in obese animals.

緒 言 従来,糖尿病はインスリン作用の低下に基づく 疾患と考えられていたが,特に肥満者では高イン スリン血症を示すにもかかわらず高率に糖尿病が 発生することが認められている.この肥満におけ るインスリン抵抗性すなわちインスリンの作用低 下の機序を研究することは,肥満症とインスリン 非依存型糖尿病の関係の解明上,重要であると考 えられる.インスリンの作用はインスリンが標的 細胞におけるインスリン受容体に結合することか ら始まるが,肥満におけるインスリン抵抗性はこ のインスリン受容体の異常およびインスリン受容 体以降の異常に起因することが想定される.イン スリン受容体Dはαとβの2種のサブユニット よりなる四量体で,インスリン分子がα一サブユ ニットに結合した後,速やかにβ一サブユニットが 自己燐酸化されチロシンキナーゼとして働くとさ れている2).この経路はインスリン分子の持つ情 報が細胞内へ伝達され,インスリン作用が発現さ れるための重要な段階であると考えられてい る2>∼7).肥満やインスリン非依存型糖尿病におけ るインスリン受容体の異常や受容体以降の異常は 各種の臓器について検討されつつある8)∼14).今回, 私共はgoldthioglucose(以下GTG)によって 作った視床下部性肥満マウスの肝よりインスリン 受容体を精製し,この受容体のインスリン結合能,

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受容体β一サブユニットの自己受酸化およびチロ シンキナーゼ活性の変化について検討した, 実験材料および方法 1.材料 γ一32P一アデノシンー5〆一3燐酸(γ一32P−ATP)は ICN社(米国),1251一モノ炉心ドヒトイソスリンは Amersham社(イギリス)のものを使用した.ブ タインスリンはNovo社(デンマーク)のもの(lot

No。 S8391272)を使用した. Wheat germ agg−

lutinin(以下WGA)アガ・一スはE−Yラボ社,

Hepesは和光純薬, goldthioglucose(GTG)およ びインスリン受容体精製に用いたショ糖,pheny1− methyl sulfonyl且uoride(PMSF), aprotinin, N−acetylglucosamineはSigma社のものを使用 した.パンソルビンはCalbiochem社(米国),ヒ トγ一グロブリンはミドリ十字社,牛血清アルブミ ン(以下BSA)は半井化学社, SDSポリアクリル アミドゲル電気泳動に用いたacrylamide, N, N’一methylene bisacrylamide(BIS), N, N, N’, N’一tetramethylethylenediamine(TEMED), arnmonium persulfateはBio−Rad社,ピストン H2BはWorthington社のものを使用した.抗ホ スホチロシン抗体(以下αPty)および抗インスリ ン受容体抗体(以下αIR)は, Dr. C. R. Kahn, Dr. M。F. White(ボストン,米国)より提供を受け た. 2.動物 4週齢のICR雄マウスの腹腔内に注射用蒸留 水で溶かしたGTG(Sigma)を500mg/kg投与し, 経時的に体重,血糖,血漿immunoreactive insu− 1in(IRI)を測定した.対照として生理食塩液を腹 腔内に投与したものを用いた.飼育は,陽圧式ク リーンラックで温度22±2℃,明暗周期12時聞(点 灯8時,消灯20時)の環境下で固形飼料はオリエ ンタル酵母株式会社製,成分は358kcal/100g中水 分8%,蛋白質24。6%,脂肪5。6%,灰分6.4%,繊 維3.1%,炭水化物52.3%を用い水は自由に摂取さ せた.対照群と比較して120%以上の体重増加群を 肥満群としGTG投与後体重が最大となった16週 から24週齢でエーテル麻酔下に採血および肝臓の 摘出を行った.肝摘出の1週間前に糖負荷試験と 332 インスリン負荷試験を行った.糖負荷試験では, overnight fastingの状態で!g/kgのグルコース を腹腔内に投与し,投与前,投与後30分,60分, 120分,180分の時点で血糖値を測定した.インス リン負荷としては0.4u/kgのレギュラーインスリ ンを腹腔内に注射し,前,30分,60分,120分,180 分の時点で血糖採血を行った.これらの実験は室 温25℃で行った. 3.インスリン受容体の精製 インスリン受容体の精製は岡本らの方法に従っ た4).すなわち,摘出した肝臓を脱血後,250mM

ショ糖,2mM phenylmethyl sulfonyl Huoride

(PMSF),0.1mg/ml aprotininを含むpH 7.45の 50mM Hepesバッファー中でelectric homogen− izerを用いて4℃下で粉砕掩拝し,4℃8000回転に て15分間遠心した.その上清を1%Triton X−100 で可溶化後,4℃にて90分間100,000Gで超遠心し, 上清をWGAアフィニティカラムにかけた.カラ ムを0.1%Triton X−100を含む50mM Hepesバッ ファーでよく洗い300mM N−acetylglucosamine にて糖蛋白を抽出し,インスリン受容体として実 験に用いた。蛋白濃度は蛋白定量試薬(Bio・Rad 社)を用いて測定した. 4.インスリン受容体結合 インスリン受容体結合は3μgのインスリン受容 体を0.1%BSAと0.1%Triton X−100を含むpH 7.45の25mM Hepesバッファー中で12‘1一モノ ヨードインスリンと種々の濃度の非標識インスリ ンと共に4℃16時間インキュベートした後,1%ヒ トγ一グロブリン,25%polyethylene glycolを加え て遠心し,沈殿中の放射活性をγ一シンチレーシ・ ンカウンターを用いて測定した.10−6Mの非標識 インスリン添加時の125Lモノヨードインスリンの 結合を非特異的結合として総結合量より差し引 き,特異的結合率で結果を表現した. 5.インスリン受容体自己燐酸化 インスリン受容体の自己燐酸化アッセイは,春 日らの方法に従い15)対照群と肥満群で同じインス リン受容体結合を示す蛋白量を用いて行った.す なわち,5mM Mn+2の存在下で100nMインスリン を加え22℃にて60分間インキュベートした後,30

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μMγ一32P−ATPを添加し10分間燐酸化を行った.

燐酸化反応は100mMフッ化ナトリウム,!0mM

ピロ燐酸ナトリウム,5mM EDTA,2mM・ミナジ ン酸ナトリウム,0.1%Triton X−100を含むpH 7.45の冷却した50mM Hepesバッファーを加え ることによって終了させ,αPty(1:100)ある いはαIR(!:200)を加え4℃2時間免疫沈降 させた.さらに!0%パンソルビンを加えることに よって抗原一抗体複合体を沈殿させ,1時間後沈 殿を1%Triton X−100と0.1%SDSを含む50mM

Hepesバッファーで3度洗浄し,100mMジチオ

スレイトール(以下DTT)を含むLaemmliの

バッファー16)を加え,蛋白を可溶化し煮沸してす べての反応を停止させた.32P標識蛋白はSDS一ポ リアクリルアミド電気泳動(以下SDS−PAGE)に よって分別した(2%stackingゲル,7.5%resolv− ingゲル).オートラジオグラムは乾燥したゲル を一80℃でKodak−Omat AR5フィルムに5∼7 日間暴露して得た.オートラジオグラム上,分子 量95,000蛋白に一致したβ・サブユニットの濃さ はナートラジオグラムをscanning densitometer (LKB UItra−scan XL)にかけることによって解 析した.

6.ピストンH2Bの燐酸化

インスリン受容体の外来性基質としてピストン H2Bを使用し,受容体チロシンキナーゼ活性を検 討した17)18).1.5μgのインスリン受容体に5mM

MnC12と100nMインスリンを加えて50分間室温

でインキュベートした後,0.1ng/mlのピストン H2Bを加え,10分後に30μMγ一32P−ATPを添加 し15分間燐酸化を行った.燐酸化反応はDTTを 含むLaemmliのバッファーを加え煮沸すること により終了させた.蛋白は.12%のresolvingゲル を用いたSDS−PAGEにて分別した. 7.統計 結果はすべて平均±SEで表し,統計学的解析 にはStudent’s t testを用いた. 結 果 1.肥満マウスの特徴

GTG接種後3∼4週より体重増加を認め

12∼19週で最大となり対照の120%以上の体重増 加を示したものを肥満群(n=16)とした.表1に は対照(n=8)と比較した肥満マウスの特徴を示 している.肥満群の体重は73±11.3gと対照群 42.3±4.Ogに比し有意に増加しており,空腹時血 糖は対照群が82±28mg/dl,肥満群では109±30 mg/d1であり両群の間に差はなかったが,空腹時 IRIは対照群の3.2±1.9μU/mlに対し肥満群で は30.6±!.9μU/m1と=有意に高値であった.肝重 量は対照群の1.5±0.17gに対し,肥満群は3.65± 0.96gと有意に増加していた. 1g/kgのブドウ糖を腹腔内に投与してグルコー ス負荷試験を施行した.図1に示すごとく糖負荷 後30分の血糖値は対照群の217.8±47.2mg/dlに 比し肥満群で348.5±114,8mg/d1と上昇し,60分 値,120分値,180分値も肥満群は対照群に比し高 い値であったが,有意差とはならなかった. 次にインスリン感受性を検討するためにインス 表1 Goldthioglucose肥満マウスの特徴 Contro1(11=8) Obese(n=16)

Initial body weight(9) 21,7±1.5 22.5±2.4

Final body weight(9) 42,3±4.0 73.0±11.3*

Blood glucose(mg/d1) 82 ±28 109 ±30

Fasting IRI(μU/ml) 3.2±1.9 30,6±14.6* Liver weight(9) 1.5±0.17 3,65±0,96卓

Values are means±SE,*p<0.01 vs. controls,

400 ミ3。。 8 § 蓋200 塁 m 10 Glucose lg/kg i.p. 毒 ’ 1

/\↓

o:Control (n;6) ●:Obese (n=6) \工一 一一一一一 黶D

v

0 30 60 120 180 Time(mln) 図1 ブドウ糖負荷試験 1g/kgのブドウ糖をマウスの腹腔内に投与し0分, 30分,60分,120分,180分に尾静脈より採血し血糖値 を測定した.各点は対照(○)および肥満(●)それ ぞれ6例の平均±SEで示した.

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15 書 喜 喜10 § ぷ 蒼50 面 nsulin O.4u/kgi.P. O :Control (n =4) ●:Obese (n=4) \ユ_L..一一一......ユ.._,.._一工 、冨 盆蒼 .≡ミ 事訳 £3

要肩

璽δ §乱4可 ≡要3.O 02、D 0 30 60 120 180 Time(mih) 崇p〈0.01 vs controls. 図2 インスリン負荷試験 0.4u/kgのインスリンをマウスの腹腔内に投与し0 分,30分,60分,120分,180分に尾静脈より採血し血 糖値を測定した。各点は対照(○)および肥満(●) それぞれ4例の平均で示した. リソ負荷試験を施行した結果を図2に示した.対 照群の血糖値は前信94±17mg/d1,負荷後30分で 37±16mg/dlと前値の一60%の値を示し,60分で. 27±131ng/dlさらに下降しているが180分では 63±31mg/dlと回復した.一方,肥満群では前値 は107±15mg/dlであり対照群と有意差はなかっ たが,インスリン投与後の血糖の変動は前値の 12%以内にとどまったのみで著しいインスリン感 受性の低下が示された. 2.インスリン受容体結合に関する検討 対照群および肥満群の肝臓より精製したインス リン受容体に種々の濃度の非標識インスリンを加 えた場合の125Lインスリンの受容体に対する特異 的結合率を図3に示した.肥満群では対照群と比 較しインスリン受容体の特異的結合率の増大する 傾向が認められたが両者間に有意な差はなく Scatchard解析にても受容体の数および親和性に 大きな差はないことがわかった(図3). 3.インスリン受容体β・サブユニットの自己燐 酸化に関する検討 インスリンがインスリン受容体に結合した後, 引き続いて起こるインスリン受容体β一サブユ ニットの自己燐酸化につぎ検討し,代表的なオー トラジオグラムを図4に示した.図4のlane A τ,

\1

4.0 量3, 竜 にユリ 語 1. ま 、 o:Contror (n=8) ●:Obese (n=16) 一■胃「●■一r・幽一一、 、 0 0.5 1.O Insulin bound (nM)

u

\工

0 0.1 1 10 100 1nsulln concentration(nM) 図3 マウス肝インスリン受容体におけるインスリン 結合 WGAレクチンゲルを用いて精製したインスリン受 容体3μgに種々の濃度のインスリンと1251一モノヨー ドインスリンを加え,4℃,16時間インキュベートした 後ヒトγ一グロブリンとポリエチレングリコールを加 えることによりインスリソー受容体複合物を沈殿させ た.特異的結合率は,10−6Mインスリンを加えた時の 結合率を非特異的結合率として総結合率から差し引い て示した.中の小グラフはインスリン受容体結合の Scatchard解析を示した.対照(○)8例,肥満(●) 16例の平均±SEで表した. ∼Dは,αIR(B−9)で免疫沈降した場合である. インスリン刺激をしていないlane A, Cでは燐酸 化された蛋白は認められないがインスリン刺激を 加えるとlane B, Dに示したごとく分子量95,000 に一致した部位にバンドを認め,これはインスリ ン受容体β一サブユニットであると判断された.こ の分子量95,000蛋白の濃さは肥満マウス(lane D) では対照マウス(lane B)と比較し,著しく減少 していた 次に,燐酸化蛋白をαPtyで免疫沈降した場合 を図41ane E∼Hに示した.インスリン刺激をし ていないlane E, Gでは分子量170,000の部位に バンドを認めたのみであり,その濃さは対照マウ ス(1ane E)に比し肥満マウス(lane G)では減 弱していた.インスリン刺激を加えると対照,肥 満のいずれの場合も分子量95,000に一致した部位 にバンドが現れ,その程度はαIRによって免疫沈 一334一

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Control A B Obese

C D Control Obese 一 一 E F G H (MrX10−3) 200一 ←170K 116一 92一

66一 45一 lnsulin(100nM) 一 十 一 十 一 十 一 十 lmmunopr㏄ipitatod 」__________」 」■___一一_■_國____l

with αIR(8−9) αPty

図4 マウス肝インスリン受容体の自己燐酸化を示すオートラジオグラム

Lane A, B, E, Fは対照マウス肝インスリン受容体, lane C, D, G, Hは肥満マウ

ス肝インスリン受容体を同じ受容体結合率を示す蛋白量を使用し,5mM MnC12の存 在下にて30μMγ一32P−ATPで燐酸化した. Lane A∼Dはインスリン受容体をαIR で免疫沈降し1ane A, C,はインスリンを加えずlane B, Dは100nMインスリンを 加えた結果である.Lane E∼HはαPtyで免疫沈降しており1ane E, Gはインスリ ンを加えず,1ane F, Hは100nMインスリンを加えた結果である.100nMインスリン 刺激下で95,000蛋白に一致したバンドが出現し,その濃さは対照に比し肥満では減少 していた.傾向はαIRおよびαPtyのどちらで免疫沈降した場合も同様であった. αIR:抗インスリン受容体抗体,αPty:抗ホスホチロシソ抗体 降された場合と同様,肥満マウス(1ane H)では 対照マウス(1ane F)に比し著しく劣っているこ とが示された.分子量170,000の蛋白の濃さは対 照,肥満いずれの場合もインスリン刺激による変 動は認めなかった. 図5は8例の対照と肥満の著しい8例より精製 したインスリン受容体の自己燐酸化を,インスリ ン無刺激あるいは100nMインスリン刺激下にお いて行い,分子量95,000の濃さをdensitometer によって解析しβ・サブユニットに取り込まれた 32Pの量を表した結果である.図4に示したごと くインスリンで刺激していない状態では対照群, 肥満群のいずれの場合にも分子量95,000の位置に はほとんどバンドは認めず,この部位の32Pの取 り込みはほぼbackgroundと等しいと考えられ た.100nMのインスリンによって刺激すると対照 群ではインスリン無刺激時の約13倍(0.85±0.12) に32Pの取り込みが増加し,これに対し肥満群の β・サブユニットへの32Pの取り込み量は対照群の 50.5%(0.43±0,1)にとどまり有意に低下してい た(p<0.01). 次に,インスリン受容体を1∼1000nMのイン スリンで刺激し自己燐酸化を行った.図6は図5 と同様に燐酸化された分子量95,000の濃さを densitometerによって解析した結果である.対照 群ではlnMインスリンの刺激を受けてもβ・サブ ユニットの燐酸化は明らかではないが,10nM, 100nMと刺激インスリン濃度が増すに従いβ一サ ブユニットへの32Pの取り込みが増加し,100nM が最大刺激インスリン濃度であった.一方,肥満

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1.0 量 § q 話一 ゆ り 。; 芒> 0.5’;お 3を 田{1 8ε 蓉 三 忌 0 ControI

Obese

個口 二 3⊇1 。5 芒〉 ’;曼 盤・・ さ3 § 呈 o. 阜 /4’一一一一一一.儀 0:C㎝troI ●:Ob8so 亀、 1口8uiln(100nM}一 十 _ 十 〇p<0.Ol v8 cont「ol・ 図5 分子量95,000蛋白への32Pの取り込み 肥満8例,対照8例のインスリン受容体β一サブユニッ トの燐酸化をscanning densitometerで測定し,各々 平均±SEで表した. の場合はインスリン濃度の増加に伴い32Pの取り 込みはわずかに増すがその変動は顕著ではなかっ た. 0 1 10 mO 1000 1nsuhn Co目co[tration(nM) 図6 インスリン受容体自己燐酸化のインスリン用量 反応曲線 0∼1000nMのインスリン刺激時の燐酸化された分 子量95,000蛋白の濃さをscanning densitometerに より解析し,対照(○)と肥満(●)で比較した. 4.インスリン受容体チロシンキナーゼ活性の 測定 ,インスリン受容体のチロシンキナーゼ活性を測 定するために細胞外基質であるピストンH2Bを (MrX10−3) 92一 Control Obeseτ 一 「■■■■冒 A B C D Obese2

F

E F Obese 3

G H 誌・ (一95K 66一 45一 31一 22一 14一 試、 、,6兎 噂一Histone H2B lnsulin(100r湖) 一 十 一 十 一 十 一 十 図7 ピストンH2Bの燐酸化を示すオートラジオグラム インスリン受容体の基質としてピストンH2Bを加えて30μMγ一32P−ATPで燐酸化を 行い,燐酸化蛋白をSDS−PAGEにて分別した. Lane A, Bは1例の対照,1ane C, D,E, F, G, Hは3例の肥満の結果を示した. Lane A, C, E, Gはインスリンを 加えず,lane B, D, F, Hは100nMインスリンを加えた時の結果を示した.

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800 ぞ了oo δ600 ,量5。o § 婁400 §300 5,。。 100 ControI

米 }nsul}n(100nM) 一 十 一 十 崇p<0.05 v.s control 図8 ピストンH2Bへの32Pの取り込み ヒストソH2Bに相当するゲル部分を切り取りβシン チレーションカウンターで32Pの取り込みを測定し, 対照3例,肥満5例の平均±SEを示した. 加えて燐酸化アッセイを自己燐酸化の低下が強い 5例について検討した.図7には対照1例と肥満 3例のオートラジオグラムを示した.図7のlane A,Bは,対照マウスのインスリン受容体を用いた 場合である.インスリン無刺激の状態でも分子量 15,000∼20,000のピストンH2Bのバンドが出現 しているがさらにインスリン添加時には,強く刺 激された.Lane C∼Hは,肥満マウスのインスリ ン受容体を用いた結果である.いずれの場合もピ ストンH2Bのバンドはインスリンにより刺激さ れてはいるが,対照に比しその程度は劣っていた. 次に燐酸化されたピストンH2Bに相当する部分 をゲルより切り取り,βシンチレーションカウン ターにて32Pの取り込みを測定し,3例の対照群 と5回忌肥満群の結果を図8に示した.インスリ ン刺激を受けていない場合は対照群と肥満群の間 にほとんど差を認めなかったが,100nMインスリ ンによって刺激されると対照群ではインスリン無 刺激の2.4倍である612±85.5cpmに32Pの取り込 みが増すのに対し,肥満群では1.4倍である348± 83.5cpmに増加したのみであった(p<0.05) 考 察 臨床的に,著明なインスリン抵抗性を生み出す 原因としては血中にインスリン抗体やインスリン 受容体抗体などのインスリンの作用を妨げる物質 が存在する場合とインスリンの標的細胞における インスリン受容体,およびそれ以降の障害に由来 する場合が想定されてい・る.臨床上,肥満症は, 強いインスリン抵抗性を来すものとして最も普遍 的な疾患の一つであるが,その病態にはインスリ ン受容体,およびそれ以降の細胞内レベルの異常 が深く関わっていると考えられる. 今回,私共はGTGを腹腔内注射し,それによっ て視床下部が破壊されることにより肥満マウスを 作製し,これらのマウスが従来のGTG肥満マウ スに関する報告と19)20)同様にインスリン抵抗性状 態にあることを確認した.このインスリン抵抗性 肥満マウスの肝臓を用いてインスリン受容体を部 分精製し,インスリン受容体結合や燐酸化の変化 が,インスリン抵抗性の発生に何らかの関わりを 持つ可能性について検討した. 肥満した動物あるいはヒトにおけるインスリン 受容体結合の変化については種々の報告21)∼27)が なされている.肥満者のリンパ球24)や単球25),肥満 マウスの単離脂肪細胞においてはインスリン受容 体数が減少しているという報告が多く,このよう な現象は高インスリン血症によるインスリン受容 体のdown regulationで説明されうると考えられ ていた.しかしながら肥満したラヅトの単離脂肪 細胞のインスリン受容体結合は細胞1個あたりで は増加28)29),.単位表面積あたりでは不変とされて おり,さらに同じ肥満動物でも組織によってイン スリン受容体結合への肥満の影響は異なるという 報告もあり29),一定の見解は定めがたい.今回,私 共は肥満マウスの単離肝細胞におけるインスリン 受容体結合の検討は行っていないが,肝より抽出 したインスリン受容体を用いた場合,そのインス リン結合は肥満と対照の間に差を認めなかった. Le Marchand−Bruste1ら8)は, GTG肥満マウスの 腓腹筋のインスリン受容体を用いてインスリン結 合を検討し,肥満マウスでは対照に比し22%の結 合率低下があり,Scatchard解析からインスリン 受容体数が減少していると報告した.彼らの用い た肥満マウスは私共の場合と比較し,より著明な 高インスリン血症を呈しており,また,より明ら

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かな耐糖能障害も加わっていることから,これら の因子がインスリン結合に影響した可能性が考え られるが,彼らは肥満マウスにおけるインスリン 抵抗性の強さはわずかなインスリン受容体数の減 少のみでは説明でぎないとしている. インスリンがインスリン受容体に結合した後, 受容体β・サブユニットが燐酸化し,チロシンキ ナーゼとして働くことが1982年に発見された.イ ンスリン受容体の燐酸化は種々の組織において普 遍的に認められる現象であり30)∼35),インスリンの 情報伝達機構の一環として重要な役割を担ってい ることを示唆する報告は数多い3)∼7)36)∼39).ストレ プトゾトシン糖尿病ラットやBBラット4)などの 糖尿病動物を始めとして,インスリン抵抗性糖尿 病例6)7)やインスリン非依存型糖尿病例1D∼14)など インスリン作用の低下状態における実験動物や 種々の病態における細胞組織において,インスリ ン受容体の自己燐酸二心および,受容体チロシン キナーゼ活性が減弱しており,一方,インスリン 様作用を有することが知られているインスリン受 容体抗体36)37),トリプシン38),バナジン酸ナトリウ ム39)などは,インスリン受容体自己燐酸化能を刺 激し,チロシンキナーゼ活性を高めるということ が報告されている.また,近年,インスリン受容 体のアミノ酸配列が明らかにされ40),受容体を合 成することが可能となったが,この手段により受 容体β一サブユニットの燐酸化部位と考えられる チロシン基を他のアミノ酸に組み替えた変異イン スリン受容体を細胞に植え込み,インスリン作用 や受容体燐酸化を検討すると,正常インスリン受 容体を植えた細胞と比較し,インスリン作用,燐 酸化能共に低下していることが確認された41). 私共の使用したGTG肥満マウス肝のインスリ ン受容体に関してみると,その自己燐酸化能は対 照に比し,約半分の強さに減弱していた.燐酸化 されたインスリン受容体をαIRあるいはαPty の2種類の抗体によって免疫沈降したところ肥満 における自己燐酸化能の阻害の程度はどちらの抗 体で免疫沈降しても同程度であった.受容体の燐 酸化部位の同定は行っていないが,αPtyによっ て免疫沈降した結果から,肥満マウス肝インスリ ン受容体ではβ一サブユニットのチロシン残基の 燐酸化が阻害されていることが示唆された.

αPtyにより免疫沈降した際認められた

170,000蛋白は,1)分子量170,000の糖蛋白であ る,2)αPtyで免疫沈降されるがαIRで免疫沈 降されない,3)インスリンによって刺激されな い,などの理由から上皮成長因子(EGF)受容体 であると考えられるが,抗上皮成長因子受容体に よる免疫沈降を行っていないため断定はしがた い. 種々のインスリン用量による受容体自己燐酸化 の反応曲線をみると従来の報告と同様に37)インス リン濃度が増すにつれ燐…酸化は増強し,100nMイ ンスリンによって最も刺激され1,000nMインス リンでは減弱することが対照マウス肝インスリン 受容体において示された.今回,私共が得たイン スリン用量反応曲線は対照と肥満のいずれの場合 も反応がプラトーを示していないため,刺激イン スリン用量のED5。値を求めることはできなかっ た,しかし,両者の曲線を比較すると,肥満にお いて反応の右方移動は明らかでなく最大インスリ ン刺激に対する反応の低下が顕著であった.この 現象はLe Marchand−Brustelら8>がGTG肥満マ ウスの横紋筋より抽出したインスリン受容体を用 いて行った自己燐酸化のインスリン用量反応曲線 の結果と一致するものであった. 更に肥満マウスインスリン受容体は自己燐酸化 能のみならず,チロシンキナーゼ活性も対照の約 半分に低下していることが示された.インスリン 受容体の外来基質としていくつかの物質が知られ ているが,今回はそのうちの一つであるピストン H2B17)18)を使用した.ピストンH2Bは分子量 15,000∼20,000の幅広いバンドとして検出され必 ずしも純度の高い物質ではない.そのためインス リン無刺激の状態においても燐酸化されたピスト ンH2Bのバンドがみられ,その濃:さは対照と肥 満に差はないがインスリン刺激が加わると明らか な差が認められた. 今回,私共の得た結果から肥満マウスにおける インスリン抵抗性にインスリン標的器官の一つで ある肝のインスリン受容体の燐酸化能の低下が関 一338一

(9)

与する可能性が示された.同様の報告が,GTG肥

満マウスの横紋筋を用いたLe Marchand−

Brustelら8),肥満者の横紋筋を用いたArnerら14) によって成されている.しかしながら,Debant ら42)は肥満.したZuckerラットの脂肪細胞から抽 出したインスリン受容体では自己燐酸化焔,チロ シンキナーゼ活性共にインスリン刺激によりむし ろ過大反応を示すことを報告しており,また自然 発症の肥満および高血圧を呈する8HR/Nラット の肝臓においてはインスリン受容体チロシンキ ナーゼ活性は不変である43)という報告があり,こ れらの動物におけるインスリン抵抗性はインスリ ン受容体キナーゼの変動では説明され得ないとし ている.このような結果の相違は実.験に使用した 動物の種類や臓器の差に由来する可能性があり, 更には肥満の程度やその期間,動物の週期などに 強く影響されうると考えられる. 稿を終えるにあたり,御指導,御校閲を賜りました 平田幸正教授に深く感謝いたします,また,終始,御 助言,御盛燵下さいました荷見澄子博士に心より感謝 いたします.さらにご協力下さった苅部幸代技師に厚 く御礼申し上げます. 文 献

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