Title
Increased activity of oleate-dependent type phospholipase D
during actinomycin D-induced apoptosis in Jurkat T cells( 内容の
要旨(Summary) )
Author(s)
葛西, 武司
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第407号
Issue Date
1999-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14725
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 葛 西 武
司(岐阜県)
博 士(医学) 甲第 407 号平成11年
3 月 25 日学位規則第4条第1項該当
Increased activity of o(eate-dependent type phospho暮ipase D during actinomycin D-induced apoptosisinJurkat T ce=s
(主査)教授 近 藤
直
実 (副査)教授 野 澤 義 則 教授 藤 原 久 義 論 文 内 容 の 要 旨 アポトーシスは,生命現象の多くの場面で重要な役割を果たしており,サイトカイン,酸素ストレス,抗生物 質などの化学的因子,あるいは勲,紫外線などの物理的因子によって誘導される。免疫系は生体防御に重要な役 割を果たしており,外来抗原に対して適切に反応し,除去する。しかし.外来抗原への過剰な反応や自己成分へ の反応は様々な疾患の原因となる。このように,正常な免疫系を維持するためには,リンパ球のアポトーシスの 誘導とその抑制が重要な役割を果たしていると考えられている。現在.リンパ球の増殖および分化に関して多く の知見が得られているのに比べて,アポトーシスの詳細な分子メカニズムについては不明な点が多く残されてい る。 ところで.細胞膜脂質を介する情報伝達システムにおいては.ホスホリパーゼ系と脂質キナーゼ系が重要な役 割を果たしている。ホスホリパーゼD(PLD)は細胞膜の主要構成成分であるホスフォチジルコリン(PC)を 主に加水分解し,セカンドメッセンジャーであるホスファチジン酸(PA)やジアシルグリセロール(DG)を産 生する膜リン脂質分解酵素であり,様々な細胞応答への関与が示唆され,情報変換分子として重要視されている。 現在,その活性化様式からPLDには2種類のアイソザイムの存在が示されており,GTP結合タンパク質依存型 PLDは低分子旦GTP結合タンパク質ArfやRhoファミリ,あるいはプロテインキナーゼCによる活性調節機構が 解明されており,また分泌,細胞増殖・分化などへの関与が示唆されている。一方,オレイン酸などの不飽和脂 肪酸により活性化されるオレイン酸型PLDの活性調節機構や細胞機能は,今だ十分には明らかにされていない。 そこで本研究では,アポトーシスの誘導剤として主にアクチノマイシンDを用い,ヒト急性丁細胞白血病株であ るJurkat細胞のアポトーシス過程におけるPLDの関与について検討した。 1方法・結果 1)Jurkat細胞のアポトーシスについて検討するために.蛍光色素であるへキスト33258を用いて核染色を行っ た。コントロール細胞では核に変化は見られないが,5〟g/mlアクチノマイシンDで9時間処理した細胞ではア ポトーシスに特徴的な核の断片化や凝縮が認められた。さらにJ可溶化DNAのアガロース電気泳動ではエチジ ウムブロマイド染色により顕著なDNAの断片化(1adder)が観察され,アクチノマイシンDによるアポトーシス 誘導が確認された。 2)PLDは一級アルコールであるブタノール存在下ではホスファチジル基転移反応を触媒し,PAの代わりに活 性の特異的指標となるホスファチジルブタノール(PBut)を産生する。このPBut産生をPLD活性化の指標とし た。[3H]パルミチン酸で標識したJurkat細胞に種々のアポトーシスの誘導剤(アクチノマイシンD,過酸化水 素,TNFa)を作用させてアポトーシスを誘導すると,ブタノール存在下でPBut産生が上昇し,PLDの活性化 が認められた。血rkat細胞では,アクチノマイシンD処理により時間依存的にアポトーシス細胞の数が増加し, それに伴いPLDの活性化が見られた。一一方,ヒト前骨髄性白血病細胞株であるHL60細胞では,5FLg/mlアクチ ノマイシンD処理により同様に経時的にアポトーシス細胞の数が増加したが,PLDの活性化は認められなかった。-33-3)Jurkat細胞,HL60細胞におけるPLDアイソザイムをin uitr・0系を用いて検討した。Jurkat細胞のライセート ではオレイン酸添加によってPLDの活性化を認めたが.GTPγSによっては活性化されずオレイン酸型PLDが主 要であることが示された。-一一方,HI.60細胞では逆にGTPγSにより活性化されるGTP結合タンパク質依存型PLD が主要であった。さらに,アクチノマイシンD処理しアポトーシスを誘導したJurkat細胞のライセートではPLD 活性がコントロール細胞ライセートにオレイン酸を添加したレベルにまで上昇しており,オレイン酸添加によっ てもそれ以上のPLD活性の上昇は認められなかった。従って,オレイン酸型PLDがアポトーシス過程において 活性化されることが明らかになった。 4)オレイン酸型PLDの活性化因子であるオレイン酸およびアラキドン酸の遊離を.それぞれ〔さH]オレイン酸 あるいは[3H]アラキドン酸で標識したJurkat細胞を用いて検討した。アクチノマイシンDによるアポトーシス 誘導により,それぞれの遊離が経時的に促進された。 5)カスバーゼ阻害剤(z-DEVD.FMK,Z-VAD.FMK)を用いて,カスバーゼのJurkat細胞のアポトーシスお よびPLD活性化への影響を検討したところ,それぞれ著明な抑制がみられた。従って,カスバーゼの活性化が オレイン酸型PLDの活性化に関与していることが示唆された。 2 考察 本研究により,Jurkat細胞ではアクチノマイシンDによるアポトーシス誘導の際にオレイン酸型PLDが活性化 されることが示された。また,アポトーシス誘導によるオレイン酸およびアラキドン酸の遊離,カスバーゼの活 性化がオレイン酸型PLDの上流シグナルとして機能していることが示唆された。オレイン酸型PLDの存在はす でに1970年代より記載されていたが.その実体,生理機能については今だ不明な点が多い。アポトーシスとの関 連を明らかにしたのは本研究が最初であり.今後オレイン酸型PLDの実休,および活性化制御メカニズムの解 析が,アポトーシスの分子機構の理解に有用な知見をもたらすものと推測される。 論文審査の結果の要旨 申請者 葛西武司は,ヒト急性丁細胞白血病株であるJ∬kat細胞を用いてアクチノマイシンDによるアポトー シス誘導について検討し,アポトーシスに伴いオレイン酸型PLDが活性化されることを初めて見い出し,この 過程においてオレイン酸型PLDの活性化因子である不飽和脂肪酸の遊離およびカスバーゼの活性化が関与して いることを示した。これらの知見は.リンパ球のアポトーシスシグナtjングの解明に少なからず寄与するものと 考えられる。 [主論文公表誌]
Increased activity of oleate-dependent typephospholipase D during actinomycin D-induced apoptosis inJurkat T cel】s
1998年JImmunol161:6469∼6474