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第55回プログラミング・シンポジウム開催に際して

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回プログラミング・シンポジウム開催に際して

2013 年 3 月コンピュータ将棋が現役のプロ棋士に勝利した。チェスの場合は恐らく小 生が生まれた頃にプログラムが作られ始め、人間に勝利したのは、見方によれば早くて 1996 年、そして多分 2006 年頃だったと思う。この時期に対する歯切れの悪さは対局のや り方に依っている。コンピュータ将棋は、多分 1970 年代に始まり、40 年の年月を経てプ ロ棋士に勝利したのである。この間のプログラミング技術とコンピュータそのものの発展 によるものと思うが、とうとう人工知能がトッププロに勝利するかということが見えてき たのではないだろうか。プログラマの健闘を讃え、そして今後に期待したい。 このごろ歩きながらスマートフォンの画面に見入っている人をよく見かける。所謂歩き スマホというものだが、何をそんなに熱中しているのか知らぬが危ないこと甚だしい。た またま電車の中でやっている人のが目に入ったが、ゲームをやっている。何年か前のプロ シンでゲームプログラム制作のセッションがあった際、戦闘することが目的のゲームは仮 想世界の出来事とはいえ感覚を麻痺させるから注意して欲しい旨コメントしたことがあ る。チェスや将棋も戦争ゲームであるといえるが抽象化されている。一方、最近のゲーム は音、画像ともに相当リアリティを増してきている。おまけにやられた方がきれいに消 える。 これが現実になるともっといけない。無人爆撃機などは最たるものの一つだ。操作をす る人間は遠く離れたところの室内から、実際に人々が生活しているところを爆撃する。人 類史上、戦闘はだんだん体の近くから遠くになってきている。拳骨、刀剣、弓鉄砲、大砲、 ミサイル、そして大陸間弾道弾や無人爆撃機。鉄砲までは自分の目にみえるところに人が いるが、大砲になるとものは見えていても人は見えないことが多かろう。ミサイル以降に なると攻撃対象の人は見えない。体から遠くなるに従って印象が希薄になることだろう。 人口知能の発展は一方では喜ばしいことなのだが、悲劇を創造してきてもいることに注意 したい。 無人爆撃機を作るぐらいなら、原発事故現場で働くロボットを作るべきだと思うが、現 場は α 線 β 線 γ 線の飛び交う過酷な所だろう。電子回路など正常に働くのはどのくらい なのか検討もつかぬ。去年の巻頭言に「福島第一の事故は未だ収束したとは思えない。事 故処理が終わってないからだ。」と記した。やっと今月、4号機の燃料プールから使用済 み核燃料の取り出しに着手したとの報道である。事故処理がやっと手についたかというと ころだ。先は長い、というか、終わるのかどうか心配だ。 放射能といえば、大陸間弾道弾で核攻撃をすれば被爆地で起こっていることは目に見え なくても、放射能物質が地球を巡って自身に降りかかってくることは明白だ。それでも核 の準備をするというのは、目先のことしか考えていないからだろうか。昨年の巻頭言で目 先のことしか考えていないコストのことを書いた。原発事故の被害とコンピュータウィル スの被害、コスト重視という観点から起きる被害というと、似ていると思うのは筆者の偏 見なのだろうか。もっと総合的にものごとを見ることが必要に思われる。 ところで話がコンピュータ将棋に戻るが、近頃のものにはコンピュータを何百台もつ ないで計算するものがあるという。小生が院生の頃、即ち、マイコンが発売された頃に、

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1000 台つないで計算させたらという話をされた先生がいた。1000 台では場所も大変でしょ うという問いに、縦横高さ 10× 10 × 10 に配置すればどうということはないということ であったが、本当にその時代になってきていると関心するところだ。これはハードとソフ トにわたるコンピュータ技術の進歩と廉価化が進んでいるということによる。また、計算 能力の進歩は取り扱える事柄を広げた。そのおかげで、今や計算機科学の対象は多岐に亘 り、そのためのプログラムも多様になってきていると思われる。今後、皆さんによって興 味ある成果が挙ることを期待するものである。 夏のシンポジウムは「ビューティフルデータ」と題して今回も日帰りで行った。また、 冬のシンポジウムをここに無事開催する運びとなった。幹事は開催の日程だけでなく、一 年中準備のため働いて貰っている。幹事の方々の努力に感謝する。 冬は去年からラフォーレでの開催だが、昨年が強羅、今年は伊東と、一昨年から毎年開 催場所が変わっているので参加者の皆さんにご迷惑をおかけしていて心苦しい。前回は全 館貸し切り状態であったのでプログラミングシンポジウムの参加者しかいなかったが、今 回は1フロアの貸し切りである。 幹事長は並木さんが前回迄で今回から岩崎さんが担当している。また幹事は笹田さんと 疋田さんが山田さんと交代となった。並木さん、笹田さん、疋田さん、ご苦労様でした。 2013 年 11 月 プログラミング・シンポジウム委員会 委員長 辻 尚史

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