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"265,000kW 火力発電プラントの概要とプラント機器"

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2る5′000kW火力発電プラントの概要とプラント機器

Outlineofthe265,000kW・ThermalPowerPlantandthePlantEquipmentUsed

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ToshiakiHoriucbi Akira Sakai Yasul山tsu Oda

東京電力株式会社五井火力発電所納2号,4号それぞれの265,000kW発電設備は圧九温度,容量の点で わが匝1における記録■17】であり,UPポイラ(貫流ポイラ)ならびにクロスコンパウンド形タービンを採用してお り,プラントの計画の細部に至るまで多くの新しい技術が導入されている。本文はこれらの点に閲し,熱サイ クル,全体配罠,起動ならびにクリーソアップ系統,主要プラント機器,給水ポンプなどについてその概要を 紹介するものである。 第1表 プ ラ ント 計画要

1.緒

日 義近の世界的な蒸気条件の向上ならびに大容量化にともなって貫 流形ボイラが逐次採用される気運にあるが,ここに述べる東京電力 株式会社五井火力発電所の2号底,および4号基ほわが国最大容量 でしかも最初に貫流形UPボイラならびにクロスコンパウンド形タ ービンを採用した発電所である。2ぢ・基についてはタービン,発電 機,給水復水装置,電気設肺などを口立製作所が製作し,ボイラの 圧力部,給水ポンプは輸入によるもので現在据付試運転中である。 4号基についてほ全設備を日jl頂斐作所が一括受托し日下 製作中である。かかる記録的製品の製作に当たっては提 携会社の技術導入はもとより,日立製作所の有する豊富 な研究設備と技術員を動員してこれにあたり,万全を期 している。 本プラントの設計上の特長は次のようである。 (1)貫流形(UP)ボイラの採用 (2)クロスコンパウソド形タービンの使用 (3)簡単な起動バイパス系統 (4)復水バイパス脱塩装置を採川したクリーソアッ プ系統 (5)高圧給水加熱掛こ鋼管チューブを採用 (6)単流形大容量復水器 (7)流体継手による給水ポンプの回転数制御 本論にはこれらの観点から,熱サイクル,全体配置,起 動およびクリーソアップの系統,給水復水装置,給水ポン プなどについてプラントの概要を紹介するものである。 最 大 定 格 出 力(発電機端) 発 電 鏡 最 大 容 量 ボ イ ラ 量 損気条件 気 圧(主塞止弁前) 気 温(主基山弁前) 再熱気温(再熱塞止弁前) 其 l望J 抽 気 給 水 空 (265,000kW時) 転 数 段 温 度 /7(7βJJ∂'D 265,000kW 339,200kVA 907t/h(2,000,0001b/b) 169kg/cm2G(2,400psig) 566℃(1,0500F) 566℃(1,050DF) 722mmHg(水温21℃) 3,000rpm 8段 277.1℃ 高圧タービン 低圧タ ̄ビンプライマリ 発電機1「 ボ ‡ フ

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2.熱サイクルの構成

本プラソトの計画条件は第1表に示すとおりで,蒸気条件として わが国における最高の圧九温度を採用し,特に再熱蒸気温度も 566℃とした。またタービンにほクロスコンパウソド形の4流排気 を採用しており,プラント効率の向上をはかっている。再熱蒸気温 度が538℃の場合に比べて566℃の場合にほ,相対的に約0.7%, サイクル効率が上昇する。なおボイラにほUPボイラを採用してい るので高温水のブローを行なわないのでこれによる効率上昇も期待 される。第l図は265,000kWにおける熱平衡緑園で図に示すよう に高圧給水加熱器,低圧給水加熱器にはいずれも2系列を採用し た。抽気段数は8段で高圧4段,脱気器1段,低圧3段よりなり, 最終給水温度ほ265,000kW,722mmHgにおいて277.1℃である。

低圧給水加熱器のドレンは独辛のドレソクーラを通した後復水バイ

* 日立製作所口立工場 ** 日立製†′ド所亀有工場 第1図 265,00DkW 牽きモ パス脱塩装置を通して復水器にもどるサイクルとしてある。 3.全

発電所の全体配置ほ弟2図,第3囲および弟4図に示すようにタ ービン発電枚,復水,給水加熱装置,汽缶給水ポンプならびに缶前 ほ屋内に設置し,ボイラ本体は屋外形としたいわゆる半屋外形式で ある。クロス・コンパウソド形タービンに対し,タービン発電棟架 f†は第1軸および第2軸架台を一体に接続した形をとった,復水器 ほ単流式であり,第1軸および第2軸タービン軸に直角にタービン の下に配置されている。この配置ほ高低圧復水加熱器を立形として 1階床面のタービン前部に設置したことと相まって,抽汽管の設計 を容易にした。また4段2系列合計8基の高圧給水加熱器を,各加 熱器間の仕切弁を廃し,小さい据付面積内にまとめたことは機器配 置上の一つの特長である。 貫流式ボイラプラントの特長である起動バイパス系統の計画に当 たっては,同配管系統内を流れる流体性状の複雑性にかんがみ,熱

(2)

-110-265,000kW火力発電プラ

の概要

ント機器

応力ほもとより異常な振動やウォ】タ,ノ、ソマなどの 発生のないよう,特に慎重を期し要所に均庁配管ある いはドレン抜き配管を取り付けドレンの滞留を防ぐこ とにした。本プラントにおいてほフラッシュタンク設 置位吊の選定についても,数種の案を比較検討の上脱 気器設置床面に決定した。起動バイパス系統配管のう ち,フラッシュタンクから復水器に導入される蒸気お よぴドレン配管ほ配管子羊も太く,狭い空間に性能上の 支障なく収めることに ̄努力を払った。 貫流ボイラプラントに特有なもう一つの装荘引ま復水 脱塩装置であるが,タービン牢1階面の機器配置を合 理的に設計することにより運転取F)抜いの便宜を図っ た。

4.起動バイパス系統

貫流ボイラにはいずれの形式のボイラでも起動時タ ービンをバイパスして水,蒸気を循環する起動系統が あるが,UPボイラを採用したこのプラソトの起動系 統ほ第5図に示すように過熱器バイパス弁,タービン バイパス弁,過熱器減圧装匠,フラッシュタンク関係 などより構成されており,数多くの運転上有利な特長 を有している。 過熱器減日ミ弁を採用しているため次のような特長を 有している。 (1)低圧蒸気でタービンの起動をするので熱応力 を減少できる。 (2)過熱器がホットポットルできるので再起動が 速い。 (3)再起動時,長時間にわたり高温のグランドシ ール用蒸気を取り出すことができる。 (4)起動時のプロッペソ量が少ない。 (5)過熱器でのガス温度と蒸気の温度差を大きく でき,熱貫流量を大きくとることができる。 (6)減圧弁により主蒸気再熱管のスチームブロー イングができる。 すなわち起動時過熱器減圧装置により減圧した低圧蒸 気をタービンに送気できるのでタービンの熱応力を減 少できる。第る図に示すように減圧装置のない場合に ほタービン入口温度を425℃まで上げてもタービンの 弁後では290℃まで下がるが,減圧袋帯のある場合に はcdeのようになり400℃まで上げただけで330℃に しか降下しないのでタービン高圧部の調整弁チェスト などの温度差を少なくして熱応力を減少することがで きる。また(2)のように再起動時には織庁装羅を閉じ て二次過熱器に冷たい流体が入らないようにできる, すなわちホットポットルできるのでボイラの再起動が 容易である。一方タービン/ミイパス弁と相まって二次 過熱器を通る蒸気量と燃料を加減することにより羊蒸 気の温度をドラム式ボイラでほ得ることのできない高 水量 然患

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スラリ槽 ′′′′ 無交換巻 フリコート槽 第2図 全 体 配 置 図 f一 苛性ソ一夕貯槽 ロロ 犀 ニ/2 再生用ポンプ (1階床面) .2

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およぴポンプD センタ 交換蓋 炉過畳 ラック 第4図 全 体 配 置 図(立面図) 温まで上げ調節することができて,再起動時のメタルマ、ソチソグが 容易である。またタービン再起動時にほグランドシールに高温蒸気 を必要とするが,この(3)項のように弟7図に示すクレーンNo.1 ユニットの実続のように長l邸宅寸減圧弁を徴回しながら二次過熱器の メタル保有熱で高温に上げ,取り出すことができる。一般の貫流ボ イラにほ弟8図がノJミすように給水量の4倍くらいを一時的に突出す る現象があるこれをプロ、ソペソ(Pfropfen)現象と称しているが, この現象ほ過熱器バイパス弁を一次過熱器の前からとり出している のでほとんど生じない(1)。また第5項で述べているように二次過熱 器人口で減圧すると蒸気温度が下がるため管外のガス温度との差を 大きくすることができて熱貫流量が増す,逆に起動時ガス温度を低 くして起動できる特長がある。 過熱器バイパス弁は起動時給水,汽水,混合物または蒸気を通し減

圧してフラッシュタンクへ導く装置で,非常過醍な使用条件にも耐

(3)

540 昭和38年3月 ボイラ ー:女過熱基 一過熱意八イパス弁 第/高圧力口熱暴 過舛蓋1r衣庄卓f 二二大辿如蓋 槻気蓋 一一⊥一三)+ ボイラ結氷ポンプ 低圧力口熱蓋 一議気管 一冶〉ト配管 -■乎盲_配管 =一・竜三i配管

タービン莞忘一浩_

ダイヤプラム弁 ㊥圧ノ]スイ・ソチ ¢萄圧乃トランス三・ソタ ¢や水也トランて三1ソタ ③温度トラニスミ・ソタ iた′水芸 バイパス 睨塩装置 第5図 起動バイ パス系統図 超動減圧弁 蒸発部 一次過熱星 過熱長 バイパス 二;欠過熱暴 タービン バイパス ⊥1領水 しl力ごンブ 領水 ブースタポンプ 高圧タービン わ。 ∩> nU rJ ガ イT 仰 脚 (P) 一喝 鎖 Jα7 2甜 濾W bO詮00h叫べ

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.ガβ JJ♂ 4J♂ 4好 Jββ 〟♂ 虎材 仰 符♂ W 占仇フ 工ンクルピー(片付レk∫) 第6図 減 圧 装 置 の 効 えられるような構造をもっており,弁を出たのちの高速流体のエネ ルギーを殺すため特殊なターゲットチューブが使用されている。な おこの過熱器バイパス弁ほ常時運転小に圧力が児常上昇する場如こ 安全弁より先んじて開き安全弁の吹くのを防ぐように佐 用される。したがってこの弁自体ならびに/ミイパス系統 ほバイパス弁が急閲したときに熱衝撃を受けないように 常時一定温度にウオーミソグしてある。 一方タービンバイ/ミス弁ほ起動時タービン入口より蒸 気綾取り出し過熱器を通る流量を加減してタービンメタ ル温度にマッチするよう主蒸気札度を調節するのに使用

へ払にて)只 出 〟 脚 棚 減 (0し 咄 絹 2α7 /♂♂ β 加 〃 即 〃 〃♂ 2β /主粛気温度

第45巻

第3号 圭蒸気圧力 ♂ /2 /♂ 2β 24 【時 間 (カ)・ 第7図 UPボイラ消火後の圧力,温度降下曲線例 (補助蒸気を取りながら) 叫 盲 愛 ∩八 ハし 〃 柏

口,

時 間

兵 火 ンシ

0水循環

起動時 過熱喜八イパス弁 水 蒸気

Q)常用時

第8図 プロッペソ現象原理図 レベルトロール座 乗気入口 安全弁室 蒸気出口

討1

サイクロンヒバ される。この弁の構造ほ過熱器ノミイパス弁と介く同じ椛 造である。 フラッシュタンクは過熱器/ミイ/ミス弁エり入ってくる 汽水混合物より蒸気を分離して給水加熱掛こさ導くようにするので, 弟9図に示すようにこのタンクの中には自然循環ボイラのドラムと 同じ構造のサイクロンを装備してある。起動の過程においてフラッ シュタンクの蒸気ほ順次脱気器,給水加熱器へと導き熱回収を行な うが,さらに圧力が_卜舛する場合,余剰蒸気を復水器ヘダンプす る。このダンプ弁はフラッシュタンクの旺力を検出して作劇するが 復水器真空がある一定以_Lに上昇していない場如こは開かないよう 】 レ一夕 疏水出口 第9図 フ ラ ッ シ ュ タ ンク にインターロックされている。

5.クリーンアップ系統

このプラントは弟10図に示すような役水バイパス脱塩装瞑を主 体としたクリーソアップ系統を抹用してある〔この復水バイパス脱 塩装琵別封攻州ベンソソでほ冷却水が河水を使用しているなどでほと

んど設けていないが,特に次に述べるようなR的で採用した。なお

ー112

(4)

265,000kW火力発電

ラ ント

の概要

と ラ ント

枚器

スウィ【トタンク ビタータンク 復水蓋 ■ ̄「 [ 汚染復水ポンプ 復水ポンプ 樹月 塔 ストレ【ナ ブ ドレンタンク 第10図 グリーンアップ系統図 この復水脱塩装置は第(1)項の臼的で拉近アメリカでほ数個所のト ラム形プラントにも採用されている。 (1)建設時の系統のクリーソアップ (2)海水リークの際の給水汚損を防ぐ (3)常時運転中の腐食生成物の除去 (4)補給水およびドレンの処理 策10図に示すクリーソアップ系統計画の基本的な考 え方ほ次に示す5項目である。この場合系統の使用方法 に7通りあり,その運転方法は後述する復水器の海水リ ーク検出の電導計を見ながら中央操作室より1個のスイ ッチを遠隔制御することにより行なうことができる。 (1)低圧ヒータドレンなどは常時脱塩装置を通す。 (2)海水リーク時には復水の全量を短時間通水す る。 (3)起動時などに復水の一部をバイパスして脱塩装 置を通す。 第2表 バイパス脱塩装置計画純度 常 用 時 危 急 時 処 理 脱 塩 装 置 水 全 じ 入 脱塩装置f】1口水田 節以器入U水ア王 遺 物 形 固 物 形2 鯛Si。FeCu敢

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iぎ㌘物

ぃいぃい度 p p p p p P p p (ppb) (ppb) (ppb) (ppb) 度 柏復水見 350ppb以下 5 2 1 2 第3表 復水バイパス脱塩装置概要 全復水立 80ppm 250 10 5 5 0 5 2 1 2 誠躍如過一器 台 数 形 式 常用通水こをiモ 滋大通水鼓 ポイラ (4)補給水ほ脱塩装置を通す。 (5)補給水,低圧ヒータドレソは常時復水器に導き 復水器脱気が行なわれる。 このクリーンアップ系統の主体をなす脱塩装置そのも のの容量ならびに出口純度については弟2表に示すようであり,述 転時間としては常時は約1週間海水リーク時ほ約1時間と決めてあ る。 脱塩塔の前にほ懸濁物を取F)除くようにプレフィルタを設けてあ る。このフィルタほ横形リーフ形でろ過面に助剤としてセルローズ パウダをプレコートしてある。 プレフィルタおよび脱塩塔の概略仕様を弟3表に示す。 脱塩塔はいわゆる混床式イオン交換樹脂塔である。この装置構造 は補給水純水製造用に用いられるものと同じであるが処理を水量が大 である点に特に設計上考慮が払われている。この脱塩塔で最も大き な特長ほ再生方式に外部再生方式を採用した点であり,この方式が 従来用いられていた内部再生方式と比べて次のような有利な特長を 有している。すなわち (1)再生薬品が主回路にはいる心配がない〔 (2)樹脂停止期間が短縮されるr (3)樹脂塔,再生塔がそれぞれの目的のために効率のよい設計 ができる。 次に常時運転中の缶水の二次処理について筒中に.訪己明を加える。

この二次処理には固形物を残さないいわゆるNo Solid Treatment

を行なっており,弗11図にその系統を示す。すなわちpH調整用 プラ・ソシュ タンク 復水蓋ヽ 高圧給水加熱蓋 ヒドラジン 溶解槽 ヒドラジン 貯 槽 3 燐挺リーフ形 78t/b/台 230t/h/台 中値圧タービン 海原用復水 アンモニア 溶解槽 アンモニア 貯 槽

薫製0

仙Z 脱 塩 堵 fi 数 形 式 再生方式 常用通水音詩 最大通水罷 低圧ドレンタンク 復水暴 復水ポンプ〔 ⑳-ヰ 低圧給水加熱塞 脱気嵩 ボイラ給水ポンプ 3 況】末 式 外 部 78t/b/台 230t/h/台 俄塩水貯巌タンク 未脱塩水 貯蔵タンク 復水熱菜換毒 空気才由出暮 グランドコンデンサ 第11図 薬 液 注 系 統 図 としてアンモニアを低圧給水加熱器入口に注入し,この量を脱気器 入口の電導度によりフィードバック制御を行なっている(この制御 には空気制御方式を採用している)。特にこの制御量に電導度を採 用した理由についてはすでに本誌(2)において述べられている。また 酸素除去剤としてヒドラジンをアンモニアと同じ復水ポソプ出口に 注入し,低圧系統の腐食防止にも役立つ(さ)ようにLてある。この場 合ヒドラジンの注入量は主として主給水量に比例して制御するが節 炭器入l二1のヒドラジソを約20ppbに押えるようにしている。

る.復

全体配置の項で言及したように,この復水器ほターピソ軸に直角 に設置され,上部は第1軸および第2軸タービンの合計2個の排気 口に接続している。このため復水器の長さほ胴体のみで18m余り に及ぶ。弟12図は工場製作中の復水器胴体を示すものである。 菅栄上部には第7段および第8段抽気につながる低圧給水加熱器 が一体に紀み込まれて設吊されているが,このほかバイパス蒸気の エネルギーダソパも収F)付けるように,それらの設琵位粁の選定に 当たってはタービン排気口から復水器管如上部までの排気の流動状 況を解析した。排気胴における抽気管の配管経路の計画もまた重要 で,設計上特に慎重な考慮を払った点である。

(5)

542 昭和38年3月 ボイラ給水の純度との関係で,冷却管の管板への札付方法もi言_貨引 上の重要検討宙項であるが,拡管法の信板度を十分誹柑たの後,この 復水器に対しては払管法を採用した「.冷却管村民は二E休部にアルミ ニウムブラスを採用したが給水処理剤としてアンモニヤ,ヒドラジ ンが使用されるので,牛如こ復水器内においてアンモニヤ濃度の高くて なる空気冷却掛こ対してはアンモニヤ・アタ、ソクに放い70-30キュ プロニッケル管を使用した。 また万一冷却管の穿孔や拡管部のゆるみによる冷却水の揃えいが 発生した場榊こ備えて復水ために区劃を設け冷却水漏えい検汁卜装rJ■ノた を設けた。

7.高圧給水加熱器

高圧給水加熱器の娼人の特長ほこのような大解遠州充ボイラプラ ントに対しスチール・チューブによって設計したことであるr 欣米 の超高托プラントの運転実績によって示された給水純度を見ても少J らかなように,スチール・チューブを使用した場合と銅系合金;ン使 用した場合とではCuの含有量に人幅な芹があF),ボイラの樹食, 第12図 復水器胴体の製作状況 T句 〔ふ…T 丁 評

第45巻 第3号 タービン内部効率の保持などの見地からスチール・チューブの利点 が人きく評価さカLる仁 Lかし実際に.言貨計するむこ当たってほ熱貫流率 の特定JP,腐食防止対策などに未知の要素が多く,設計の基礎デー タをト1柑)るたが)種々の研究を行なったことはさきに報告したとおり である`1'( 弟13図に高旺給水加熱器の製作〕犬況をホす。.

8.ボイラ給水ポンプ

ボイラ給水ホンプは両軸形4梅の電動枚の片側に流体継手,増速 磯を介して上給水ポンプを,他端側に電動焼直紙のブースタポンプ を配列したもので,常用371,予備1台より成っているっわが国最高 比カ月量大輔量のUPボイラ用としての高圧条件を満足L,かつポン プ′.ン47こ∼舶伐としたために高速阿転のノミーレル形二重ケーシング構 造の多段タービンポンプを採用した。すなわらポソプの設計点(吐 出旺2391くg/cll12G,給水温度165.5℃給水量333t/h)にたいして第 2シュfli・川(インガーソルランド什築堤)は5段6,200rpmを,また第4 り・抑 ̄刑・よ6段7,200rpmの高速回転を採用した。後者ほパシフィッ クホンナ托との技術提携によるRて絹望ボイラ給水ポンプである。 鼓近のボイラ給水ホンフほ大帝量化の傾向が日ざましく,国外に おいてはボイラの蒸発量にたいして全容量のポンプ1≠ほたほ%容 量のホンフ■2台を設け,一千脈依なしというプラントが多数i設けられ ているr Lたがってボイラ純水ホンプとしては高温,高圧,大容量 になって√二るとともi・こ秘史の信組性がとくに強く要求されるように なってきた「高速回転のボイラ給水ポンプを採用した場合,前払, 高圧のホンブケーシングを凹転軸が賞通する部分の軸封装駅の耐久 性を向_卜L,高度の后椒性を維持させることほ重安な課題の一つで ある丁 軌封装f捌こついては各ボイラ給水ホンプメーカーが各種の構 造を考案L,圧力,弘度,周速に応じて迷走Lているが,このポン プには大容量ボイラ給水ポソプに最も多く採用されているブレーキ ダウンプッシング方式の軸封装置を採川した。これは半径方向にほ わずかに遊動可能なシールリングを圧力差により数段重ねたもの で,軸とシールリングとの間にはわずかのすき間を保ち,漏えい量が 第13国 高圧給水加熱器の製作状況 Tたh+・芸∵-† I‥・ト 崇J㌧.㍉ 1J 【 召 - ̄こ刊: ヲ , カニββ 第14図 ポ イ

て字書

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・邑 ラ ー114-少なく,しかもシールリングには自動詞心作用があり, シ+7フトのたわみや外ケーシングの熱変形に自由に順応 できるので,かじり付きの危険がきわめて少なく,また 回転しゅう動部分がないのでガ命が長く,採寸が容易 で,信棋度がきわめて高いので,高温,高仕,大容量ボ イラ給水ポンプ用軸封装iF二∼として広く採用される傾向に ある。 .七給水ホンプを高速lロj転とし,押込圧力の不足を補う ために低速回転の向吸込形Fil段ポリュートポンプ(4号 fl ̄川])またはタービンホンプ(2ぢイ占・用)をブースタポン プとして使用し,主タービンのトリップ時またほ並列運 転中のポンプの中の17ラがトリップLた場合に過渡的に 発生する利用可能なNPSHの減少またほ所要NPSHの //.イβタ スぺ_スヒ【夕

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(6)

265,000kW火力発電プラ

ント

の概要と

プラ

ント機器

増加にも十分対応できるものとしノてぁる( 桔引fミの条件の下に給水丁舶言陀l【川甘に子∫なうた捌こボイラのl′一棚制 御の一成として主給水ポンプは流体継手によf)速度制御される。一一・ 般にこれまで給水加減弁による流量調節をするプラントでほボイラ 給水ポンプの締め切り吐き出L圧力は定格点の110∼115%程度で あることが望まれていたが,これを満足するためにはポンプの部分 流量においてほかなり平担な流量一江力特性F「1-†線にならざるを行な い。回転数を制御する場合には低f ̄1何におけるポンプのj臣列運転時 の安定性を考えてポンプの特性をより急こう配のものとする必要が ある。4号缶用ボイラ給水ホンプでは斑高吐汗ばルはポンプ定格托 力の約120%である。 このポンプの特異な構造の一つとしてはアテンペレータスプレー 用水としてポンプの吐抑仁力水の一部を減圧して使I一口する代わりに ポンプの小間段(2一別テ用でほ1段1 ̄14[フィi川】では2段l】)より糸納こ 最の約8%を拙水できる構造としている〔このた∼如こ1段1 ̄1またほ 2段目内ケーシングとバーレルケーシングとの間にほめ飢、部分む 設け,内,外ケーシングの熱膨水差を吸収するためにエラスチック パ、ソキンを一つ多く使用している〔 登録新案第509508号 543 9.結 口 以上,央以`遥ノ_J株式会什丘ル火ノJ充′i網子2り▲拡,4り一基の265,000 kWの乍体計巾,プラント系統,機器について述べたが,rl円和37咋 9バに訪う空転をワニ了Lたテ■【手水一州-J充子E株式会社新打f水発稲所1,2  ̄〉プ▲ノ.に75,000kWプラントの(いずJtもわがl-1ヨ出切の人外「.汀訂流ボイ ラで,口立替竺作所はこのプラントに二}ゴいて十分な研究をなし遂げて いる)経験な生かして,五+-ト火力の設.汁製作にのぞんでいる次節で ある「.完成の暁にほ必ずや優秀なプラントとなること馴酎言する〔. 終わりに,本プラントの完成に当たってご指導,ご激励を賜わっ た肋j稲ノJ株式会社の一抑ぇに深甚なる謝意を表する次椚である〔 柑崎崎崎

参 老 文 献 坂井,細川,機械学会(柊報) 収プト ロ二It評論43,1068(昭36-9) 振れ 日記評論43,1068(昭36-9) 谷岡,椎西,日立評論44,835川円37-6) 木 村 抑 蔵 回

固 定 子

この考案は回転電機の同定十線輪の改良に関するもので,これを 図而により説明する。r削こおいて1は絶紬被磁Lた導体,2ほ被指 を施さない裸の導体,3ほ導体1.の絶縁被紹,4は左ム噂休の隔離 絶縁板,5は線輪の絶縁柵である「. 一般に人容量の回転電機の固定ナ線輪ほ導体のみぞ内横郎芝数が 多くなり,特に各導体の変位を行なうものにおいてほ符噂体絶縁被

∈三∠≡

第1図 バ ー---β ーJ サイ ∠/ 節 2 亨鎚の鉄心みぞ内に占める寸法が大となり,したがって導体の総断而 枇が制約さか電流密度が人となり温度上昇の原因となるをまぬがれ ない( ニの考案では各断面図i・こホすように,絶縁被榎3を施した導体1 と絶縁披綬3を含む断巾iとほぼ同一の断面の裸導体2とを同数使用 L,脂郎絶縁板のみを介して右三石千鳥形に配置Lてなるものである。 この構造によれは,従来のような絶縁被覆した導体1のみを析重し た線輪に比べ,r・ ̄d一鉄心みぞ断面に対いて導体の総断面節を約10% 増大することができる。換言すれば同一電流容-Jコニの線輪製作にあた りその所要断而を10プ左縮少しうるものであり,かつ導体の絶縁勘定 招工数を半減L絶縁材料の節約もできる。 (諸杓) --7 -∠ 一∫ --J オー一月断面図 \、\ 、、\、 、、\㌧・ β-β断面図 節 3 ど-ど断面図 ∠ イ ーJ ク J / イ J

参照

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