• 検索結果がありません。

軽水炉高燃焼度燃料の細粒化現象による燃料特性への影響の解明―当研究所が主催する国際共同研究HBRP-NTの成果―

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "軽水炉高燃焼度燃料の細粒化現象による燃料特性への影響の解明―当研究所が主催する国際共同研究HBRP-NTの成果―"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

主要な研究成果

背 景

軽水炉発電では、燃料サイクル費や使用済燃料体数の低減を目的に、単位質量の原子燃料から取り出すエネ ルギー総量を高める計画(高燃焼度化)を段階的に進めている。高燃焼度化を進める過程で、燃料ペレットの 外周部で結晶粒が粒径 1 μm 以下に細粒化し微小な気泡が集積する現象(リム組織形成)が見出された。今後 の高燃焼度化に向けた燃料開発には、この現象および燃料特性への影響を解明し、燃料健全性を確認する必要 がある。当所は平成 4-12 年度に国際共同研究 High Burnup Rim Project(HBRP)を主催・運営し、主にウラ ン燃料におけるリム組織の形成条件および特性(リム組織形成により熱拡散率の低下は加速されない事、等) を明らかにした。それに対し、機械的拘束力の無い HBRP で用いたディスク燃料と商用炉ウラン燃料の違いに よる燃料特性への影響の明確化、高燃焼度化にともない利用頻度が高くなるガドリニウム(Gd)添加ウラン 燃料についてリム組織形成前後の特性解明が課題とされた。当所はこれらの課題を解決するため、平成 14-17 年度に国際共同研究 High Burnup Rim Project - New Technology(HBRP-NT)を主催・運営し、平成 17 年 度に目標を達成して終了した。

目 的

1)商用軽水炉の燃料棒を模擬した条件で加速照射する技術を開発し、リム組織形成にともなう燃料の核分裂 生成ガス(FP ガス)放出などの炉内挙動を解明する。 2)Gd 添加ウラン燃料について、リム組織形成前後の特性、挙動を照射後試験から解明する。

主な成果

1.商用炉で使用したウラン燃料棒から切り出した厚さ 1mm のディスク状の試料(燃料ディスク)を用い、商 用軽水炉の照射環境を模擬し、加速照射する装置(照射リグ、図 1)を設計した。この照射リグを試験炉 (スタズビック原子力・ R2 炉)の高中性子束の同位体生成用位置で照射した結果、短期間(105 日)で燃料 ディスクの燃焼度は約 61 から約 81MWd/kgU へ増加し、リム組織形成の影響が発現する燃焼度に達したこ とを確認した(表 1)。以上から開発した照射リグを用いる事により経済的に加速照射が出来るようになっ た。照射後に核分裂生成ガスの放出量を調査し、HBRP ディスク試料と比較した結果、機械的拘束力を加 えた場合に FP ガス放出率が抑制される傾向にある事が解った。 2.ハルデン試験炉(HBWR)で照射された HBRP の 5 % Gd 添加ウラン燃料ディスクを用いた照射後試験を EU 超ウラン元素研究所にて実施した。電子顕微鏡観察から、リム組織の形成条件、微細組織変化につい て、Gd 添加ウラン燃料とウラン燃料では差が無い事を確認した。また燃焼度がおよそ 55MWd/kgU の燃料 において結晶粒の細粒化が発生している領域と、発生していない領域が混在する、リム領域発生の初期過 程を初めて捉えた(図 2)。炉外での再加熱試験から FP ガス放出挙動を、レーザーフラッシュ法により熱 拡散率(図 3)・比熱を、液浸法により密度(図 4)を、それぞれ測定し、照射後の特性変化を明らかにし た。以上より、高燃焼時の Gd 添加ウラン燃料はウラン燃料とほぼ同様な特性であることが解った。 本研究は当所、三菱重工業株式会社、原子燃料工業株式会社、株式会社グローバル・ニュークリア・フュエ ル・ジャパン、及びフランス電力庁(EdF)の共同研究として実施した。また電気事業連合会より本研究の実 施要請を受けた。 主担当者 原子力技術研究所 発電基盤技術領域 主任研究員 園田 健 関連報告書 「ガドリニア添加燃料のリム組織形成時の物性と挙動の解明 1-3」日本原子力学会 2006 年秋 の大会 予稿集 86

軽水炉高燃焼度燃料の細粒化現象による燃料特性への影響の解明

―当研究所が主催する国際共同研究HBRP-NTの成果―

(2)

5.原子力発電/軽水炉発電の経済性・信頼性向上

87 表1 使用済み燃料を用いた加速照射試験の結果 照射温度(解析値)[℃] 500−950 機械的拘束力 被覆管接触圧、バネ荷重 照射期間[日] 105 燃焼度[MWd/kgU] 約61(照射前)/約81(照射後) 微細組織の変化 FPガス気泡の数密度・寸法の増大 結晶粒の微細化、リム領域の拡大 図1 燃料加速照射用リグの外観図。(a)組立・溶接前の照射リグ、(b)Moペレットに挟まれた燃料ディスク

Ni合金バネ ZrO2ペレット Moペレット 燃料ディスク

(a)

(b)

Ni合金バネ ZrO2ペレット Moペレット 燃料ディスク 0 20 40 60 80 100 80 85 90 95 100 照射温度 400-530℃ 照射温度 610-760℃ 照射温度 770-1060℃ 照射温度 950-1310℃ 燃焼度(MWd/kgU) 0 20 40 60 80 100 80 85 90 95 100 理論密度比 (%) 照射温度 400-530℃ 照射温度 610-760℃ 照射温度 770-1060℃ 照射温度 950-1310℃ (U, Gd)O2 UO2 照射温度 400-530℃ (U, Gd)O2 UO2 照射温度 610-760℃ (U, Gd)O2 UO2 照射温度 770-1060℃ (U, Gd)O2 UO2 照射温度 950-1310℃ 0.000 0.005 0.010 0.015 0.020 0 20 40 60 80 100 燃焼度(MWd/kgU) 熱拡散率 (cm 2/sec) UO2:測定温度400℃ UO2:測定温度600℃ (U, Gd)O2:測定温度400℃ (U, Gd)O2:測定温度600℃ リム組織 通常組織 部分的リム組織 未照射燃料 1μm

(a)

(b)

図3 ウランおよびガドリニア添加燃料の熱拡散率の 燃焼度依存性(ポロシティー補正をしていな い熱拡散率) 図4 HBRP、HBRP-NTで計測したUO2、 (U,Gd)O2試料の燃焼度に伴う理 論密度比の変化 図2 (a)燃焼度53MWd/kgU、照射温度880℃の(U,Gd)O2燃料と、(b)燃焼度51MWd/kgU、照射温度880 ℃のUO2燃料の代表的な走査型電子顕微鏡像

参照

関連したドキュメント

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

核分裂あるいは崩壊熱により燃料棒内で発生した熱は、燃料棒内の熱

性能  機能確認  容量確認  容量及び所定の動作について確 認する。 .

添付資料 4.1.1 使用済燃料プールの水位低下と遮蔽水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮蔽厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

性能  機能確認  容量確認  容量及び所定の動作について確 認する。 .

性能  機能確認  容量確認  容量及び所定の動作について確 認する。 .

使用済燃料プールからのスカイシャイン線による実効線量評価 使用済燃料プールの使用済燃料の全放射能強度を考慮し,使用