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セルフケアによる一次予防に重点を置いた職場のメンタルヘルス対策 : 従業員向けセルフケア研修とオリジナルストレス調査票の活用(修士論文要約)

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Academic year: 2021

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セ ル フ ケ ア に よ る 一 次 予 防 に 重 点 を 置 い た

職 場 の メ ン タ ル ヘ ル ス 対 策

一従業員向けセルフケ ア研修と オリジナルスト レス調 査票 の活用 −

臨床心理学専修P11609 枚田 香 (指導教員 森下高治教授)

【目 的 】 職場 の メ ン タ ル ヘ ル ス対 策 に 関 し て は, 体 制づ くり , スト レ ス 調 査, 教育 研 修 な ど が多 く の先 行 研究 の対 象 と な っ て い る。 本 研 究 で は, ① スト レ ス 調 査票 の開 発 ② セ ル フ ケ ア 研 修 の 効果 測定 を 研 究対 象 と し, セ ル フ ケ ア に よ る一 次予 防を 中 心 に, 効果 的 な 職場 の メ ン タ ル ヘ ル ス対 策 に つ い て 考察 す る こ とを 目 的 と し た。 【 研 究 1 方 法】 対 象 者 :予 備 調 査を2 回 行 い ,1回 目 は 社 会 人277 名 , 大 学 生338 名 の計615 名 ,2 回目 は大 学 生179 名 , 追 跡 調 査 は大 学 生210 名 , 大 阪 府 下 の心 療 内 科 通 院 者68名, 社 会 人76 名 。 期 間: 平 成23 年11 月 か ら平 成24 年12 月 。 調 査票 :予 備 調 査 は,1 ) スト レ ス反 応 調 査 票:60 項 目4 件 法 ,2) フ ェ イ ス シ ー ト : 生 活 状 況 , 就 労 環 境 に 関 す る 質 問 など ,3 )SDS : 大 学 生 の1 回 目 調 査 対 象 者 の約 半 数, 4) CES-D : 大 学 生 の1回 目 調 査 対 象 者 の約 半 数, 5) STAI 状 態 性 不 安 尺 度 : 大 学 生 の2回 目 調 査対 象 者 の 約 半 数, 6) MAS : 大 学 生 の2回 目 調 査対 象 者 の 約 半 数 に 配 布 。 追 跡 調 査 は ,1) ス ト レ ス 反 応 調 査 票:26 項 目4 件 法を 使用 。 【 研 究 1 結果 】 因 子 分 析:615 名 を 対 象 と し た ス ト レ ス反 応 調 査票60 項 目 に主 因 子 法・ プ ロ マ ッ ク ス回 転 に よ る 因 子 分 析 を 行 い ,3 因 子 が 抽 出 さ れ 83 た。 第 1因 子 (10 項 目) を 「 身 体 」, 第 2因 子 (9項 目 ) を 「 精 神 」, 第3因 子 (7項 目) を 「生 活 」と命 名 し た。 信 頼 性・ 妥 当 性 の検 討: ス ト レ ス反 応調 査票 と既 存尺 度 と の相 関 係 数 は, SDS, CES-D, MAS, STAI の得 点 と有 意 な関 係 が み ら れ た。 再 調 査 を実 施 し た ス ト レ ス反 応調 査票 の1回 目 と2回 目調 査 の 得点 に 有 意 な関 係 が み ら れ た。 スト レ ス反 応 調査 票 26項 目 版 と60項 目版 の得 点 に有 意 な関 係 が み ら れ た。 社 会人 を健 常 群 , 心 療 内 科受 診 者 を う つ 群 , 不 安 神 経 症 群 に 分 類 し ,1 要 因 の 分 散 分析 を行 っ た と こ ろ, す べ て の下 位 尺度 で 有 意 な差 が み ら れ た。 【 研 究 1 考 察 】 ス ト レ ス 反 応 調 査 票60 項 目 版 の 因 子 分 析 で 「身 体 」,「 精 神 」,「生 活 」 の3つ の 下 位 尺 度 が 抽 出 さ れ た。1 回 目 と2 回 目 調 査 の 得 点 に 相 関 が み ら れ, 本 調 査 票 とSDS, CES-D, STAI 状 態 性 不 安, MAS の得 点 間 に相 関 が み ら れ た こ と か ら, 本 調査 票 は 信頼 性・ 妥当 性 と も に 問題 は な い と 考え た。 60項 目版 と26 項 目 版 の 得点 に相 関 が み ら れ た こ と か ら,26 項 目 版 も同 様 に信 頼性 ・妥 当 性 と も に問 題 は な い と 考え た。 引 き続 き 臨床 群 へ の 調査 を継 続 し, カ ット オ フ ポ イ ント を設 定 す る こ とを 今 後 の課 題 と し た。 【 研 究 2 方 法】 対 象 者 ・ 期 間 : 第1 グ ル ープ は1)実 験群 :

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2012 年10 月 に 大 学 生20 名 を 対 象 に2 回 の セ ル フ ケ ア 研 修 お よ び 研 修 前 の 質 問 紙 調 査 , 研 修2 ヵ 月 後 に2 回 目 の 質 問 紙 調 査 ( 有 効 デ ー タ16名)。2) 統 制群:10 月 に大 学 生52 名 を 対 象 に1回 目 の 質 問 紙 調 査,2 ヶ月 後 に2回 目 の 質 問 紙 調 査 ( 有 効 デ ー タ24 名 )。 第2 グ ル ー プ は2012 年7月 ∼8 月 に 社 内 公 募 で 申 し 込 み の あ っ た 大 阪 府下 A社 ( 従 業 員 数 : 約400 名 , 業 種:IT 関 連 ) の 従 業 員35 名 を 対 象 に2回 の セ ル フ ケ ア 研 修 お よ び 研 修前 の 質 問 紙 調 査 , 2 ヵ 月 後 に2回 目 の 質 問 紙 調 査( 有 効 デ ー タ 26名 )。 第3 グル ープ は2012 年10 月 に 大 阪 府下 B社 ( 従 業 員 数 : 約80 名 , 業 種 : 教 育 研 修 ) の 従 業 員40 名 を 対 象 に2回 の セ ル フ ケ ア研 修 お よ び 研 修 前 の 質 問 紙 調 査,2 ヵ 月 後 に2 回 目 の 質 問 紙 調 査( 有 効 デ ー タ14名 )。 研 修 内 容 : 認知 お よ び感 情を 整 理, 自 ら の認 知 の 傾 向 に 気 づ き, 気 持 ちを 切 り 替 え る こ とを 目 的 と し た 「 コ コ ロ の フ ィ ッ ト ネ ス」 と, ボデ ィ ワ ー クを 中 心 に リ ラ ク ゼ ー ショ ンを 目 的 と し た 「 カ ラ ダ のフ ィ ッ ト ネ ス 」 と 命 名 し た2 つ の セ ル フ ケ ア 研 修 を 実 施。 調 査 票:1 ) ス ト レ ス反 応 調 査 票( 研 究1 で 作 成 し た も の ) 26項 目4 件 法。2 ) 研 修 当 日 の フ ェ イ ス シ ー ト : 勤 務 状 況 , 職 場 満 足 度 に 関 す る 質 問 な ど。3 )2 ヶ月 後 調 査 のフ ェ イ ス シ ート : ホー ムワ ー ク実 施, 2 ヶ月 前 と の環 境 の変 化 など 。 4) ネ ガ テ ィ ブ な 反 す う 尺 度 ( 伊 藤 ・ 上 里 , 2001 ):6 件 法11 項 目を 使用 し て 仕 事 関 連 ・ 個 人 関 連別 に 回 答を 求 め た。 【 研 究 2 結果 】 大 学 生 の 研 修あ り 群 ・ 研 修 な し 群 で2要 因 ( 群 ) ×2 水 準 ( 時 期 ) の 分 散 分 析 を 行 っ た が, い ず れ の 下 位 尺 度 に お い て も主 効果 お よ び交 互 作 用 は み ら れ な か っ た。 社 会人 の ホー ムワ ー ク あ り 群 ・ ホ ー ム ワ ー ク な し群 で2 要 84 因 ( 群 )×2 水 準 ( 時 期 )の 分 散 分 析 を 行 っ た と こ ろ,「 生 活 」,「 ネ ガ テ ィ ブ 仕 事 」,「 ネ ガ テ ィ ブ 個 人 」 に 研 修 前・ 研 修 後 の 主 効 果 が み ら れ , 研 修 後 の 得 点 が 有 意 に 低 か っ た 。 A 社 ・B 社 で2 要 因 ( 群 ) ×2 水 準 ( 時 期 ) の 分 散 分 析 を 行 っ た と こ ろ ,『 身 体 』,「 生 活 」,「 ネ ガ テ ィ ブ 仕 事 」,「 ネ ガ テ ィ ブ 個 人 」 に 研 修 前 ・ 研 修 後 の 主 効 果 み ら れ , 研 修 後 の 得 点 が 有 意 に 低 か っ た 。 【 研 究 2 考 察 】 大 学 生 を 対 象 と し た 研 修 あ り 群 ・ 研 修 な し 群 の 研 修 前 と 研 修 後 の 下 位 尺 度 の 得 点 に つ い て の 有 意 な 差 が 見 ら れ な か っ た こ と か ら , 研 修 単 独 で の 効 果 は 期 待 で き な い と 考 え た 。 社 会 人 を 対 象 と し た ホ ー ム ワ ー ク あ り 群 ・ ホ ー ム ワ ー ク な し 群 お よ び A 社 ・B 社 別 に お い て は , い く つ か の 下 位 尺 度 の 得 点 が 研 修 後 に 有 意 に 低 く な っ て お り , 研 修 の 効 果 が 要 因 の ひ と つ で あ る と は 考 え ら れ る が , 職 場 や 家 庭 の ス ト レ ッ サ ー の 軽 減 , 周 囲 の サ ポ ー ト な ど の 要 因 も 含 め , 得 点 低 下 に つ い て 総 合 的 に 考 察 す る 必 要 が あ る 。 【 引 用 文 献 】 川 上 憲人 ( 主 任 研 究 者 )(2012 )。労 働者 の メ ン タ ル ヘ ル ス 不 調 の 第 一 次 予 防 の 浸 透 手 法 に関 す る 調 査 研 究 厚 生 労 働省 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 平 成23 年 度 総 括・ 分 担 研 究 報告 書 小 嶋 雅 代 ・ 千 田 嘉 博 ・ 林 博 史 ・ 徳 留 信 寛 (2001 ). 某事 業 所 に お け る メ ン タ ル ヘ ル ス 評 価 手 段 と し て の 定 期 健 康 診 断 問 診 票 の 妥 当 性 の 検 証 産業 衛生 学 雑誌44, 236-241. 池 上 和 範 ・ 田川 宣 昌 ・ 真 船 浩 介 ・ 廣 尚 典 ・ 永 田 頌 史(2008). 積 極 的 傾 聴 法 を 取 り 入 れ た 管 理 監 督 者 研 修 に よ る 効 果 産 業 衛 生 学 雑 誌53 , 120-127. ( ひ ら た  か お り )

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