中世都市リューベックの法典類における不動産関係条文とその特徴(一)
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(2) るものが引き出 しうるのではないかという 予 見が存在する。 それゆえ、 どのような結論が最 終的に登 場するのであ. れ、 それは、基本的に筆者の観点からの―つのま とめであ って、法典が妥当していた 時期 の人々も同様の立 場に立 っ. ていたとは断 言できない。 筆者が本稿で明らかにしたいのは、 彼らが意 識するにせよ、しないにせよ、 それらの法文. が持 っている固 有の論理を析出することにある。 従って、ここでの結論は―つの仮説 の域を出 るものではないし、筆. 者とは別の銭点から法史 料に取り組むならば、別 の結論が出 て来る可能性も否定はできない。. 本稿では、 リュ ーベ ック法、特に不動産法の持つ「固 有の論理」あるいは、 その独自性をできるだけ多角 的観点か. ら検討し、 その結論を集約させて一定の結論へ 導きたいと考 えている。論述の過程で、 その「固 有の論理 」が必然的. に背負 わなければならなかった 「 正 と負」 の側面 や、 その限界性についても言及 する予定である。 なお、本来なら. ば、ここで筆者と同様の研究を跡づけ、 その研究の意 義を再確 認しなければなるまいが、この検討 は前稿までに一応 ( 1. ). 果たしておいたつもりであるから、 それらを参照さ れたい。. 以下において、本研究を進めていく上 での幾 つかの基本的な事項と約束事について述べ ておく。. 第一に、ここでの検討の対象となる法典類につ いてであ る。「法典類」 という表現を使用するのは、厳密に言うな. I ). 」、十三世紀 末から十四世紀 前半にかけて作 成され. 法典類」 は、具体的には、十三世 らば、研究対象の中に私的な法書に近い性格の「法典」も含まれるか らである。 「 紀後 半のラテン語法典であ る「ハ ッハ 第一法典( Hac h Kodex. I). 」と「オルデンプルク法典( Ol de nbur ge r. た中世低地ドイ ツ語法典の「キール法典( Ki e l e r Kodex x )」、これとほぼ同じ内容の「ハ ッハ 第二法典( Hach Kode x I)」 、十 四世紀 中に作 成された「プロッケ ス第一法典( B roke s Kode. )」、 十六世紀 半ばの 「プロッケ ス第二法典 ( B Kode x )」 、十五世紀 前半の「ハッハ第三法典( Hach Kode x ill roke s. -2-. 近畿大学法学 第39巻第 3·4号.
(3) Kode x II ) 」 と「 ブロ ッケス第三法典( B r oke s Kode 」、そして中世低地 ドイツ語ではなく高地 ドイツ語で編簗 x m). ir された一五 八六年の「校 訂リ ュー ベック都 市法典( Das Revi de t eSta dt r e chtv on Lubec k) 」 ( 以下 、校 訂法典と. (2. ). 略す )である。な お、最初のラ テン語法典のハッハ第一法典をよ り的確に理解するために 、ほぼ同時期の「 トンデ ル. ン法典( Tonde rne rKode x ) 」 と「 レフ ァル法典( Re v a l e r Kode x ) 」 を参考史料として利用 する 。 この二法典には、. 幸いなことに、後の時 代の中世低地 ドイツ語の翻訳本があるので、これらの史料も必要に応じて引用する。ただし、. (3. ). 上述の法典類の内、 キー ル法典については、筆者は既に別の拙 論でーー' 現時点から見れば 、 不十分ではあるがー—ム躊 及しているので、本稿での具 体的な論述の対象とはしない。. -3-. 五 八六年の校 訂法典を除 いて、 いずれも原本ではなく、本来の法典の写本 第二に、 筆者が管 見した法史料は、 一. 従 っている。従って、筆者自 身は法典類 の年代画 定を検証 してはいないから、 ひょっとして、通 説による作成年代の. 稿での検討の対象となるのは、活字化 された法史料であり、 その原本の作 成年代についても、 エー ベルまでの通 説に. ただし、この点で注意 されねばならないことがある。 それはこれらの法典類の作成年代である。 上述のように、本. の作業はこの時点では断念 し、他の研 究者の手に委ねたいと思 う。. 題であるリ ュー ベック法の法構造の分析はますます 筆者の手の届かな い場 所に追いやられてしまうであろうから、 こ. り、たとえ そのような史料が管 見できたとしても、 その解読作業にかなり多くの時間を費やす必要があり、当面の課. る限 り、原本に近い史料に基づ いて研究がなされるべきであるが、 そのような 史料の多くは既に入手困 難とな ってお. 料であり、 それらは今日でもリ ュー ベック法に関心のある人 々には容易に入手可能なものである。本来ならば、でき. の、しかも、さらに活字によって印 刷された史料である。従って、 ここで対象となる法史料は、少なくとも第二次 史. 中世都市リユーベックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (1).
(4) (4 ). 画定に誤りがあれば、筆 者の研究も少なからずダメージ を受 ける可能性がない訳ではない。 しかし、一人の研究者が. す べての研究上の要 件を満 たせる訳ではないのであ るから、ここでは、今後も そのような事態 も生じる可能性がある. ことを指摘す るにとどめておきたい。. 第三に、本稿での論述の方法についてである。個々の法典が登 場す る年代に従って、 古い法典から順次新しい法典. へと、 その不動産関 係条文の変遷をたどることになるが、 それぞれの法典では、まず、 その原 本の作成年代と今日 我. 我が管見しうる写本の書写年代に言及 し、 そして、 その原 本の作成者、彼の作成動機、 その時代背景についても概観. する。 その際、市内外の権 力者、 特に市参事会、 そして市の権 力とは一線を画している教会や近隣の領主 層にも注意. を払うつもりであ る。 その後、法典全体の構 成と その特徴、特に本稿では十分 論じえない公法的な特徴を、 そして法. 典の中での不動産関 係条文の位 置と一般的な特徴を述ぺ る。 以上の概観の後、我々の主 たるテーマである「不動産関. 係条文」の分析に移 る。. ここでは、筆 者の基本的な、「いかなる人が 、いかなる不動産を対象として、 いかなる権 限に基づいて、 いかなる. 手続きを踏んで 、いかなる法行 為をす ることができたのか、あ るいは制限あ るいは禁止された のか」という問題設定. に基づいて具体的に不動産関 係の条文を概観す るが、この問題設定では論述が困難 であ るから、これを、キール法典. の関 係条文の 分 析の 際 に使用した「人」、「不 動産」、「所 有と制限」、「処分行 為」、「借 地・借 家関 係と定期 金関 係」、. 「不動産登 記」 の区分に従って検討し、 それらの結 論を最後にまとめるという手法を利用す る。 ただし、す べての法. 典でこの方法が均等に適用される訳ではなく、 個々の法典の内容によって省略 せざるをえない部分や、逆に一層 細分. 化して論述せざるをえないこともあ りうる。. -4-. 近畿大学法学 第39巻第3·4 号.
(5) 第 四 に、 本 稿 で の 筆 者 の 独 自 の 用 語 法 に つ い て お 断 り し て お きた い こ と が あ る 。 それ は 、 個々 の 法 典 間 で の 不 動 産. 関 係 条 文 の 系 統関 係 に つ い て の 記 述 方法 で あ る 。 リ ューベ ッ ク 法 は 数 百 年 に わた る 、 その 発 展 に お いて 、 新 し い 法 原. 則を導 入す る に際 し て も 、 従来 の 法 的な枠 組 み を で きる 限 り 崩 す こ と なく 維 持 し た の で 、法 典 類 全 体 を見 渡 し て も 、. 個々 の 法 典 間 の 不 動 産 関 係 条 文 の 関 連性 は 高 い 。し か し 子 細に 検 討 し て い く と 、 それ ぞ れ の 法 典 に お い て か な り 変 化. 通常は 、 作 成 年代 の 古 い 法 典i. で の 同 様 の 内 容の 条 文 と 比 較 す る. が 生 じて い る こ と が 分 か る 。 そこ で 、 その 関 連性 を示 す 際 に 、 その 関 辿性 の 度合 い に 応 じて 異 な る 表現 を利 用 し た い. あ る 法典 の ―つ の 条文 と 、 その 他 の 法 典 類. 時 、前 者 と 後 者 が 内 容の み な ら ず 、 文 型 的に も ほ と ん ど全 く で あ る 場合 、 前者 の 条 文 を後 者 の 条 文 の 「 呼 応 条 文 」 ー. ー場合 に よって は 、 「符合 条 文 」 あ る い は 「対 応 条 文 」 —ー' と 表現 し よう と 思 う 。 し か し 、 前 者 と 後 者 が 内 容的に 類. 似す る に も か か わ ら ず 、 どち ら か に 書 き直し や 追 加 、 削除 が な さ れ る こ と に よ って 、 上 述 の 場合 より も 、 両者 の関 係. 関 連条 文 」 と す る 。 本 稿 で は 、 こ の 表 現 が 最 も 頻 繁 に 利 用 さ れ る で あ ろ う 。 な ぜ な が 薄 弱 な 場 合 、 前 者 を後 者 の 「. ら 、「 呼応 条 文 」 に つ い て は 、 通常 の 場 合、 特 に 言及 す べ きこ と は な い か ら で あ る 。な お 、 本 文 中 で 「 関 係 条 文 」 と. いう 表現 も登 場す る が 、 こ れ は 他 の 条 文 と の 関 連を表示 し て い る の で は な く 、 当該 条 文 と 、 その 条 文 の 具 体 的な規 定. の 対 象 と の 関 係 を表示 し て いる 。 即ち 、 当該 条 文 が 不 動 産 と 関 係 す る 場合 、 それ は 不 動 産 「 関 係 条 文 」 と 表示 さ れ る. こ と に なる 。. さ て 、 当 該 条 文 が 、 他 の 法 典 類 に 関 連条 文 を 見 出 せ な い 場 合 に は 、 こ れ は 「 新 し い 条 文 」 と 表 記 す る 。 こ の 「 新 し. い 」 と い う形 容詞 は 、 当該 条 文 が 採 録 さ れ た 法 典 の 作 成 時 期 に 、 こ の 条 文 が 「 新 た に 」規 定さ れ た こ と を意 味す る の. -5-. と思っ°. 中世都市リユーベツクの法典類における不動産関係条文とその特徴 (1).
(6) で はな く 、 そ の 他 の ー ー 前 述 の よ う に 、 作 成 時 期 の 古 い ー. 法 典 には、関連 条文 すら も 見 出せ な いと いう こ と を意 味. す る に す ぎ な い 。 な ぜ な ら 、 当 該 条 文 の 内 容 は、 筆 者が 管 見 し え な か っ た 、よ り 古 い 法 典 に登 場 し て い る か も し れ な. い か ら で ある 。 た だ し 、 そ の 検 討 の 結 果 、 当 該 条 文 の 内 容 が 新 た に 規 定 さ れ 、 収 録 さ れ た 条 文 で あ る こ と が 判明 す る. こ と も あり う る で あろ う 。. 最 後 に 「 総括」 作 業 に つ い て で あ る 。 個 々 の 法 典 類 で は 、 上 述 の 個 々 の 検 討 課 題 に つ い て 、 総合 的 な 結 論 を 導 き 出. す こ と は せ ず 、 差 し 当 た り 簡 単 な 要 約 と し て の 「 小括 」 を 付 け る に と ど め る つ も り で あ る 。 な ぜ な ら 、 ―つ の 法 典 で. 、 すぺ て の主 要 な 法 典 類 の検 討 の後 、 従っ て 本 稿 の最 後 にお い て すべ て 集約 さ ま r , . 『. の 結 論 は 、 当 該 法 典 の 登 場 し た ― つ の 時 期 の リ ュー ベ ッ ク 法 の ― つ の 存 在 形 態 を 示 す も の で し か な い か ら で あ る 。 そ. れ ら の 個 々 の 法 典 類 で の 「 小括」. れ 、 そ こ か ら 中 世 リ ュー ベ ッ ク の 法 典 類 に お け る 不 動 産 法 に つ い て の 、 き わ め て 凝 縮 さ れ た 、 ―つ の 全 体 的 な 結 論 を. 引き 出 すこ と にした い と 思 う 。. 註. 以上 の法典類 は、 校訂 法典 を除いて、 固有 の名称 を持ってはいない。 ここでの名称 は、 後 の研究 者によって慣 用的 に呼 び慣 らされてき たも のであり、本稿 では、邦語 に馴 染むよう にそ れ を多 少変 更し たも のもある。. ). 、第 三八巻、 第 一l 四合併 号。 「 、「近畿大学 法学 」 ( リ ューベ ック法」研究 のため の―つ の覚書 」 1)拙 稿 「「 十 九・ニ0世紀 にお 、第 三九巻、第 一・ニ 号。 、「近畿大学法学」 ける リュ ーベ ック不動産 法研究 の展開 」 ( 2. ( 3 )拙 稿 「中世末 期 リ ューベ ックの都 市法典 における 不動産 に関する条文 について」、「近畿大学 法学 」 、第 一 二七巻、第 一・ニ 号。 ( 4)か つて指 摘しておい たよう に、十 九世紀 前半 のハ ッハ によ る 法典類 の年代画定 は今 日 では否 定 されている。ま た、 後 述する よう に、今 日 でも、すべて 法典類 の作成 時期 について意見 の一致がある訳 ではない。例 えば、 オル デンプ ル ク法典 の作成 年代 を参 照されたい。. -6-. 近畿大学法学 第39巻第3·4号.
(7) 第 一章. 概観. ハッ ハ第 一法 典 にお け る不 動 産 関 係 条文 の特 徴. このラテン語法典が作 成されたのは、通説 によれば、 最 初の中世低地ドイツ語による法典が作 成されたとされる一. ( 1. ). 二六七年の数 年前、 ―二 六三年と推定されている。 その原 本はもはや存 在しない。今日 では、ハッハの「 古リュ ーベ. I). 」と呼ばれるのはこのためである 。ハッ ハが利用した写 本には―二 六三年のダンツィヒ市宛の授与 文書が. )」を通じてのみ 、その内 容を概観しうる。この法典が「ハッハ第一法典(Hach eLii ック法 (Das Alt bi s cheRe cht. x Kode. 付け られていたので、彼はこの法典の作 成年代を―二 六三年と判断 した。この作 成年については今日 でも異論はない. は ヽ この 法 典 が 、. (2 ). ―二 四三年の. が 、この法典がダンツィヒ市宛に作 成されたとは考 えられてはいない。 なぜなら同市にはクルム ( Kul m) 法が妥当. しており、 リューベック法が付与 される可能性はないからであ る。. .am Ende この法典の作 成者は当然のことながら不明である 。 アム ・ エンデ( B ). ラテン語法典のトンデルン法典と、 ―二 八二年の中世低地ドイツ語のレ ファル法典と類似していることを指摘する。. プ ラウンシュヴ そうであるとすると、この法典も、トンデルン法典の作 成者である市書 記のハインリッヒ ・フォン ・. (3. ). ) によって 、 あ るいは彼に近い人物 によって作 成されたということ 59 42 c任 期 12 wi runs usde B nric ァイ ク (He. になるであろう。. さて、 前述のように、 このラテン語法典の登 場後、 間もなく最 初の中世低地ドイツ語法典が 作成されたのである. -7-. (1). 中世都市リユーベックの法典類における不動産関係条文とその特徴.
(8) が 、 なぜ ‘ こ の 時 期 に 、 こ の よ う な 「 書 き 言 葉 」 か ら 市 民 の 日 常 語 で あ る 「 話 し 言 葉 」 へ の 変 更 が 生 じ た の で あ ろ う. ‘ カ•o. 筆 者 に は 、 それ が 、市 参 事 会 が こ の 時 期 に 市 内 で の 権 力 基 盤を 確立 さ せ 、法 に つ い て の 決 定権 を 掌 中に し 始 め たこ. と と 無 縁 で は な い よ う に 思 わ れ る 。 ラ テ ン語 は 普 遍 的な 言 語 で は あ る が 、 当時 の 多 く の リ ュー ベ ッ ク 市 民 に と っ て 馴. 染 み の あ る 言語 で は な か っ た で あ ろう 。も し 市 参 事 会 が 都 市 法 の 内 容を 、 市 参 事 会 員 自 身 も 含 めて 被 適用 者 で あ る 市. 民に 周 知 徹 底 せ し めよ う と し た の で あ れ ば 、 ラ テ ン語 よ り も む し ろ 中世 低 地 ド イ ツ語 が は る か に 簡 便 で あ っ た は ず で. ある 。 こ れ が 中世 低 地 ド イ ツ 語 法 典 の 登 場 を 促 し た 原 因の よう に 思 わ れ る 。 そし て 、 市 の 公 的な 文 書 で の 使用 言語. も 、 十 三世 紀 の 半 ば か ら 徐 々 に ラ テ ン語 か ら 中世 低 地 ド イ ツ語 に 取 っ て 代わ ら れ る よ う に な っ て い る 。さ ら に 、 ラ テ. ン語 法 典 の 不 便 さ は 、 ―二 六七年 を 最 初と す る 、 他 の リ ュー ベ ッ ク 法 都 市 か ら の リ ュー ベ ッ ク 法 の 内 容に つ い て の 中. 世 低 地 ド イ ツ語 に よる 問 い合 わ せ か ら も 明ら か で ある 。. 第 三 者に 、 つ ま り 対 外 的に 、 宣 言する た めに 作 成. 従っ て 、 最 初 の 頃 の ラ テ ン語 法 典 は 、 市 民 に 向 か っ て リ ュー ベ ッ ク 法 を 理 解さ せ る た めに 作 成 され た と い う より. � ラ テ ン語 に 書 き 換 え て 1 も 、 む し ろ実 際 の リ ュー ベ ッ ク 法 を '. さ れ た 、 言 わ ば 「 外 交 的 な 」 文 書 と し て の 性 格 が 強 か っ た の で は な か ろ う か 。こ の 限 り で 、 ラ テ ン 語 法 典 の 作 成 者 に. は 対 内 的な影 響 を 考 慮 す る こ と なく 、自 由に 条 文 を 編 成 する 余 地 が あ り 、 こ の こ と が 後 の 中世 低 地 ド イ ツ語 法 典 と の. (4 ). 違 い を 産 み 出 し た よ う に 思 わ れ る 。 エー ベ ル に よ れ ば 、 ラ テ ン語 法 典 間 で は 条 文 構 成 が ほ ぼ 一 致 する に も か か わ ら. ず 、 それ は 中世 低 地 ド イ ツ語 法 典の 条 文 構 成 と は 基 本 的に 異 なっ て い る 。た だ し 、 両 者 の 基 本 的な 相 違 は 、こ の よう. な 構 成 方法 や 条 文 数 に 限 ら れ 、 後 述 す る よ う に 、 両 者 の 条 文 間 で の 関 連 性 は 決 し て 低 い も の で は な い 。. -8-. 近畿大学法学 第39巻第3·4号.
(9) それゆえ、ラテ ン語法典に対する我々の主たる関 心は、市内での話 し言葉であった中世低地ドイ ツ語の法用語が、. 普遍 的で、 市民にとって書き言葉であ った ラテ ン語によって、 どのように表現されて いた のかということになる。. さらに、法典作成者のラテ ン語の知識はローマ・カ ノン法学の知 識を伴 っていたであろうから、 リュ ーベックの現実. る。. 以下において、 ハッ ハ第一法典の不動産関 係条文について概観するが、 同法典の内容をより正 確に理 解するため. に、この他に二つのラテ ン語法典を補 助的な史 料として活 用する。 ―つは、 ―二五七年のレフ ァル市宛に書かれた 「. レフ ァル法典(Re x ) 」であ る。 な お 、 同法典には、 一三四七年に完 成された とされる中世低地ドイツ語 v al e r Kode. (5. ). .G.v .B の翻 訳法典(全部で一0 三条) があ るので、 これも利用す る。 これらの法史 料はフ ォン・ブ ンゲ ( F unge ー. ) が一 八四四年にドル。ハッ トで出 版したrレフ ァル都市法史 料•第一巻 」に収 録さ れ ている。 その序文の 7 9 0218 18. 四二i 三頁には、同法典とハッ ハ第一法典の条文間での対照表も備えられている。もう―つの史 料は、―二四三年ト. rne r Kode x )」(10 四条)と 、十 六世紀 半ばに完 ンデルン市に送 付されたラテ ン語法典の「トンデルン法典( Tonde. 成されたとされる同法典の中世低地ドイツ語の翻 訳「条文」 であ る。法典とは呼ばず、「条文」 としたのは、それが. (6. ). 断片 的に残されているにすぎず、法典の体裁 をとっていないからであ る。 前者の法典は一九五一年にコペ ンハーゲン. で出 版された「 古デンマーク商業都市法一 」に、後者の条文は「 シュ レ スヴィヒ11ホルシュ タイン歴史 協会雑誌 」の. 第三八巻 ( -九 0 八年)に収 録されている。なお、 以下において、 これらの法史 料とハッ ハ第一法典の条文とを混同. しそうな場 合には、 レフ ァル法典 の条文にはReを、 トンデルン法典の条文にはTeを、 閉係条文の前に付してハッハ第. -9 -. の法関 係が多少なり ともローマ・カ ノン法の用語によって表現されているのではないかという期 待 も抱かせるのであ. 中世都市 リ ユー ベ ックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (1).
(10) 一法典の条文と は区別す る。. 法典 の特徴. ッ ハは税規則. ハ. (Die. Zoll or dnung) の ニ ―力条と 、 その他の法 源から. ハッ ハの 前掲書の 一八 五頁に 、 まず 短いダンツ ィヒ市宛の文書が登場し、その 後に 全部で 一OO力条 からな る条文. が印 刷されている 。この条文の後に 、さらに. の 条文八 カ条を追録と して 収録して いる。. 豚小屋と 便所の 設置基 ここで は、本来の条文であ る一0 0 カ条が研 究対象となるが、追録の中に は、 第 ―二六条 (. 準)のよ うに 、 不動産と関係す る条文もあるので、 この追録も 必 要に 応 じて言及す る。 これらの条文構 成の特徴 は、. 前述のよ うに、中世低地 ドイツ語法典の条文構 成と は異な るが、し かし決して特 定の 体系に 基づくもので はな い。 キ. 第 一法典と キー ル法典. ハ. ー ル法典との関 連性に つ いて は、個々の条文の右脇にロ ー マ数字で、 キール法典と同様の内 容を有する 「ハッハ第二. ) の関 連条文の番号が指示されて おり 、 これらの番号に よ って ハッ Hach Kodex II」 法典 (. ( 9. ). 典の関 連性を確認す る ことができる。 キー ル法典に 関 連条文を持たず、 ハッ ハ第一法典にの み登場 する条文は十三 カ. 条である。. 広義で 不動産に 関 係す る条文 は 二四カ条程度である。 具体的に は、 第一l六条、 第 十 五l十六条、第 二Ol. 条、第 二六条、第 四八条、第 五三 条、第六〇条 、第六 二条、第六五条、第六七条、第 七八条、第八七条、第九一条、. 第 九 三l 九五条、 第 九八条である。 この内、 キー ル法 典に 関連条文を持たな い条文 は第二 条 ( 市民集会と その 出席権. 者)、第 三条 ( 市民集 会の管轄)、第 四条 ( 相続財産の 処分)、第二 〇条 ( 市外に赴 く者の 財産の 処分 禁止)、第 五 三条. - 10 -. 近畿大学法学 第3 9巻第3 · 4 号.
(11) ( 殺人罪) 市民の貢租、 10分 の一 税の免除特権 ) の六カ 条である。 なぜこれらの条文がキー ル法典で 、第九 八条 (. 脱落し たのか判然としない。ラテ ン語法典にのみ 登場する条文は、 その内容が市民にと ってあ まりに も当 たり前のも. のであ ったが、対 外 的に宣明にしておかなければならないと判断 されたからであろうか。あ るい は、キ ー ル法典で脱. 落し た条文は、 それが市の法慣行 に そぐわ ぬ内容であ ったた めであろうか。 これらを確 証す る根拠は手 元にないが、. いずれの可能 性もあ り そうであ る。. 最後に、市内での権 力関 係にと って 重要な市参事会関 係の条文について言及 しておきたい。この法典で広義で市参. 事会 ( 員)と 関係する条文は、第 二 八l三一条、第五O条、第八一条、第九 0条の八カ 条であ る。この内、キー ル法. 典の関係条文と内容的にほ ぼ符号す るのは第二 八条 ( 市参事会の立法権 と裁判権 )と第五〇条 ( 市 参 事会員の証言). のみ であり、 その他の条文には何らか の相違が存在する。. 第 二八条から第三〇条までの三カ 条は、市参事会の、都市法 違反者に対する裁 判に関 するものであ る。第二八条と. 第二九条はキー ル法典では第 三一 条 ( 市参事会員の立 法権 と裁判権 )に一括されているが、 前者の第二九条 ( 罰金の. 裁 判人と市 への帰属)か らは以下の文言が脱落している。「もし誰かが銀一0マ ルクと ―フ ーダ ーの ワイ ン ( に相当. する)犯罪を 犯し たな らば(Siquii queri i sarge t i )」 uedeli と aus ntieti n.X.marc t rat aui e nde n pl ri nioff ts. いう 犯罪の額につ いての部分 であ る。また第三0条 ( 市参事会の判決に対する非難 )では、判 決非難 者が 勝訴した場. 合で も、判決を下した市参 事会員には贖罪金の支払いの必要のな い ことが最 後に規定されているが 、 この部分もキー. ( II. 被害者)が 、彼の過失な しに ひどく扱われた ことを証明しえたのであ れば (Sihocpr tq ue obar ri epot uod. ル法典の関 連条文であ る第 三二条 で は 脱落している。第 八一条 ( 市の役人に対する暴行 )で も、最 後の部分の 「もし. 後者. - 11 -. (1). 中世都市 リ ユーベックの法典類における不動産関係条文 とその特徴.
(12) 木. (市 参 事 会 の 貨 幣 検 査 権 ) と 第 九 〇 条. ne cul si e tractatus fuerit)」 ぶゲ土’ー ル 辻i曲〖の 竿R十心二 冬 で は 脱 苓心し て い る 。 pa sua m al. キ ー ル 法 典 に 採 録 さ れ な か っ た 条 文 は 、 第 三 一条. 裁 判 で の 二 人 の 市 参 事 会 員 の陪 席 義 務 ) で あ る 。. (フ ォ ー ク ト (aduocatus). 以 上 の 市 参 事 会 に 関 す る 条 文 の 変 遷 か ら も 明 ら か な よ う に 、 市 参 事 会 に 対 し て 一定 の 義 務 を 課 し て い る よ う な 拘 束. で の権 力 構 造 を 前 提 にし て い る た. 的 な 法 文 と 、 市 内 に 市 参 事 会 以 外 の権 力 の存 在 を 看 取 せ し め る よ う な 法 文 が キ ー ル法 典 で は 脱 落 さ せ ら れ て い る こ と. 0 年 代 の市 内. が う か が わ れ る 。 こ れ は 、 お そ ら く ハ ッ ハ第 一法 典 が 基 本 的 に ― 二 四. ( 10 ). め で あ ろ う 。 換 言 す れ ば 、 キ ー ル法 典 の 作 成 者 は 、 こ れ ら の 条 文 を 当 時 の 法 慣 行 に そ ぐ わ ぬ も の と 判 断 し て 脱 落 さ せ. ハ ッ ハが 見 た 同 法 典 も ド ラ イ ヤ ー が ゲ ッ テ ィ ン ゲ ン 図 書 館 に 寄 贈 し た も の であ り 、 当 時 既 に 原 本 は 失 わ れ て い た よ う で あ る. た の では な か ろう か。. 註 ( 同 杏 、 二 八 頁 以 下 )。. (1 ). , Lubeck,1975, S. 47-48. en zur Verfassungsgeschi udi e Lii cht becks i m 12. und 13. Jahrhundert (2 ) B. am Ende,St. , (3 ) F.Bruns D i e L ii b e c k e r S y n d i n Zeit k e r schri u n d R a b t i s s s e k r e t Verfassungsanderung von 1851, i a r e z u r ft des Verei ns fur Lii becki sche Geschi cht e und Alt ert umskunde (� ft. 'ZLG と 成H9)•Bd.29, 1938, S.119.. ,1er Band,hrsg.,F.G.v.Bunge、Dorpat , 1844. (5 ) Di en des Reval e Quell adt recht er St s. (4 ) W.Ebel.Lii bi sches Recht ! er Bd.,Lubeck,1971, S.202—203.. . (6 ) Danmarks gaml e K�bst adl ovgi vni ng,Bd. l, hrsg.von E.Kroman und P.J�rgensen,S.215ff. (7 ) L. Andresen,Act a,i a Tunderensi n der Zei t schri ft der Gesell schaft fur Schl eswi g,Hol st ei ni sche Geschic ht e( � . 下 NSHG と 略 す )`38 Bd`s.37lff. 文 の内 容 を 的 確 に 示 し て い な い 場 合 が あ る か ら で あ る 。 以 下 の 括 弧 内 の 見 出 し も 同 様 で あ る 。. (8 ) 括 弧 内 の 見 出 し は 憎 者 が 独 自 に つけ た も の で あ り 、 本 来 の 条 文 の 見 出 し と は 異 な る 。 な ぜ な ら 、 後 者 の 見 出 し が 必 ず し も条. - 12 -. 第 39巻第 3 · 4 号 近畿大学法学.
(13) 9) 具体的には第 二l四条、第 二0条、第三 一条、第三三条、第 五三条、第五五条、第八〇条、第九〇条、第九六l九八条であ ( る。 ) このような傾向は、 トンデ ルン、 レファル法典 のド イツ語訳でも看取される。 10 (. 不動 産 法行 為 の当 事 者 と し て の 「人」. ,homo)」、「 誰か ( qui. ui r 市 民 を 念 頭 に置 いた 「人」を 具 体 的 に表示 す る 用 語 は 、キ ール 法 典 の 場合 と 同 様 に 「人 (. ,mascul 」 等 で ある 。 法 典 で の 法 主 体 と さ れ る の は 成 人の 男 性 retmul na) ui mi 夫と 妻 ( am)」、「 usetfe spi qui er i. 婦 人 による 財 産 の 処分 )と 第 で あり 、彼 ら につ いて 特 に言 及 す べき こと はな い。 「婦 人」 は 、わ ず か に第 ニ ―条 (. 二条 ( 寡 婦 による 相 続 財 産 の 処分 ) で 法 主体 と して 規 定 さ れ て いる の み で 、 いず れ の 場合 も 基 本 的 に後 見 人ある いは. 相 続 人の 同 意 を 必要 と して お り 、 その 法 行為 の 自 由は 容 認さ れ て いな い。. 市 民 で な い者 に対 して は、 不 動 産 法 行為 につ いて の 様 々の 制限 規 定 が こ こで も 既 に登 場 して いる 。 例 えば 、 キー ル. 法 典 の 第 三 O条 (トール フ ァッ ハト ・アイ ゲン の 教 会 への 処 分 禁 止)は 第 二六条 に 呼応 条 文 が ある 。 しか し 、 キー ル. 法 典 の 第 二三 四条 以 降 に登 場す る 領 主 層 に対 す る 厳 し い規 制条 文 の 関 連条 文 は こ こには な い。 ま た 、 キ ール 法 典 の 、. 市 外 民 の 滞 在 )も こ こ 市 外 民 の 滞在 期 間 )と 第 二四〇 条 ( 市 に 入来 する 市 外 民 の 市 民権 取 得 と 関 係す る 第 一八七 条 (. には関 連条 文 を 有して いな い。 と は 言え 、 ハッ ハ第 一法 典 が市 外 民 に対 して 必 ず しも 好 意 的で は な か っ た こと は 、第. その 所 七三 条 ( 家 屋 に付 属す る 栂 の崩 壊 による 負 傷 ) で 、負 傷 した 者 が市 外 民 ( ali geni gena, hospes) で ある 場合 、. 有 者 に賠 償 義 務 がな い こと が 定 めら れて いる こと か ら も 明 ら か で ある 。 この 部分 は 、 キー ル 法 典 の 呼応 条 文 で ある 第. 八 一条 にも 存 在 し な い厳 し い内 容で ある 。. - 13-. (1) 中世都市 リ ユー ベ ックの法典類における不動産関係条文とその特徴.
(14) s s e ssorと さて 、不動産法行為の 当事者と しての「人」 を 表す用 語に は注目す べき表現が 登場す る。その表現は po. 借地 料の支払 いと 遅滞) 家屋の 共有関係)、 第 八 七条 ( 市民集会)、第六五 条 ( nusで ある。前者は 第二条 ( domi. 前者)は役人 に 四 ソリ ド ゥスを. ( 11. ( 1. ). のは前者の 宮 ssessorで あ るからで ある。即ち、第 二条 ( 市民集会)では 「 固有 の かま どの 『 持ち主」で ある者はす. し かし、 この解 釈は 全而的に は肯定されな い。 なぜなら 、他の条文で 不動産の 所有者と して一般に利用 されて いる. され る ことに な る。. 所有権者」と 見 なされ、 ロー マ法の「所有権と 占有の 分 離」 が ここで 看取 占有者」、 後者は 「 この限 りで、前者は 「. 後者) が それを 望むので あれば 、彼は善良な人 々の 評価に 従 って購入す べし」 ここ 示す る場合を除 く。 も し彼 。 賃 貸人」と 「所有者」 に 相当す るのは domi orで ある。一 方 、「 s es nusで ある。 s 「賃借人」に 相当す るの は 宮 s で、 ( 11. nusに ( 買取りを) 第一に提 売却す る こと も 、 それ を 破壊す る こともできな い。た だし、彼が、土地の 属す る domi. 支 払い、地代を 二倍 支払うべし。もし彼が その 土地に 何 か建築して いたのであれば、彼は その 建築物を いかなる者に. で 訴追す る ことを 欲す るので あれば 、定められた期 日に地 代を支払わなか った者. が地代を復活 祭の 後 十 四 日、聖 ミハ エル祭の後 十 四 日以内 に支 払わず 、土地の domi nusが 役人(aduo c at us)の 面前. echt e) 有し、 地代が 毎年支払われ 、そし て 、も し土地の pos り。 「誰で あれ 土地を 借地権で( t owi c hbel der s es s or. この第八七条 は キー ル法典の第九六条 ( 借地 料の支払 いと 遅滞)に ほぽ対 応す る条文で あ る。 その内 容は以下 の 通. る。 即ち、第八七条で は両者が同時に 登場して いるの で あ る。. 負傷を 与えた家畜の飼 い主の 責 任)と 第八七条に現れ 船舶税) に 登場 し、 後者は第六 三条 ( 三カ条と第 一0 四条 (. の. べて(omni s es s orestpro i s ) 」 ..\) � 距さh ‘士 出民集会出i 症去 pri icaumat EP 、七 町 岬 一 、古出民蜘岱者は 、白口 s quipos 己の かま. - 14 -. 近畿大学法学 第39巻第 3 · 4 号.
(15) ど、 従 って 不 動 産を 有 し て い る者で あ ると さ れ る。 こ の 条 文 は キ ー ル法 典 に 関 連条 文 を 有さ な い が、 レ フ ァル法 典に. は、 よ り 詳細 な 条 文 が あり ( Re第 二条 )、 その ド イ ツ語 訳で は 「 不 動 産を 有 す るすべ て の 人 々 ( all e de genen de. egendom hebben 」 と 訳さ れ て い る 。 トン デ ルン法 典 の 同 一条 文 ( TC第 十六条 ) の 十 六 世 紀 半 ば の ドイ ツ 語 訳の 第. る者 は 誰で も ( eyn Jderde Egendome t ho Besi t t en heff t )」 と 訳 さ れ 、 宮 ssessor が 不 動 産の 所有 者 で あ るこ と. が 再 確 認さ れ て い る。 こ の egendom に つ い て も な お 言 及の 余 地 が あろ う が 、 こ こ で は 「 不 動 産」 と い う 言 葉 を 当. 大Lれ、 ロー マ法 的 な 占 有者 の 意 味は な い 。 こ れ ら の 条 文 で は 、 possessor 苧i. uni us domus suntpossessores )」、 竿 R-O 四〗 冬 本 ( 鉛呪叩字碗) で も 「 も し 誰か が 船舶 の 持ち 主で あれ ば. て て お く 。さら に、 ハッ ハ第 一法 典 の 第 六 五条 ( 家 屋の 共 有関 係 ) で は 、 「二人の 者 が 一軒 の 家 屋 の持 ち 主で あれ ば. ( d h u o o mi nes. � 」 ...\) ) s Sihomo possessorestnavi (. 」. と い う こ と に な る。 そう で あ ると す ると 、 こ れ は 土地 の 賃 借 閑 係 が 定 期 金関 係に 移 行し つ つ. は、 その 権 限 に 曖 昧 さ を 残 し て い るも のの、 財 産の 所有 者 な の で あ る。こ の 限 り で 、前 述 の 第 八七条 の possess orも. 「所 有者に 近い 賃 借 人. あ ることを 示 唆 してい るよう に も 見 え る。. domi nus に つ い て は 所有 権 者と理 解し て も 不 自 然で は な い 。 第 六三条 で も 「家 屋の 所 有 者 ( nus do, 他 方 、domi. mus)」 と い う 表現 が 使用 さ れ 、 キー ル法 典 の 呼 応 条 文 で あ る第 七O条 で は 、こ の 個 所に は 全 く 同義 の de herredes. busesが 当て ら れ て い るか ら で あ る。さ ら に 、傍 証と な るの は レ フ ァル法 典 の 第 八三条 と その ド イ ツ 語 訳で あ る。こ. (2. ). の 条 文 は 、 前 述の ハッ ハ第 一法 典 の 第 八七条 の 呼 応 条 文 で あ る 。 その ドイ ツ 語 訳に よ れ ば 、domi nusは 、キ ー ル法 典. の 第 九六条 と 同 様に 、 それ ぞ れ 「その 地 代 が 属 す る者」 と 「その 土地 が 属す る者」 と な って い るか ら で あ る。 な お ト. - 15 -. 十六番 目 ( 条 文 番 号が 付 さ れ て い な い の で 、 第 十 六 番 目と 表 記 す る|| 以 下 同 じ) で も 「所 有 に お い て 不 動 産を 有す. 中世都市 リ ユ ー ベ ッ ク の法典類に お け る 不動産関係条文 と そ の特徴 (1).
(16) ( 3. ). ン デ ル ン 法 典の 第 一0 一条 にも 同じ 法 文 がある が、 そ のド イ ツ 語 訳の 第 九 五 番 目は 簡 略 化さ れ す ぎて いる ので 証 拠 と. は な りえ な い。. 従って 、 この ハッ ハ第 一法 典 の 作成 者 は ロー マ法 的 な 「 所有権 と 占 有 の 分 離 」 に ついて 一定 の 知識を 有 して いた か. も し れ な いが 、 こ こで は 不 動 産 の 持 ち 主の 表 示と し て 一般 に 宮 ssessor が利用 さ れ て お り 、「 所有 権 と 占 有 の 分 離」. の 競 念 は持ち 込 ま れて は いな い。 また 、 これ ら の 条 文の 中 世 低 地 ドイ ツ語 法 典 で の関 連条 文 で も 極 めて 具 体 的な 表現. に変 換 され て お り、 これ ら の ロー マ法 的 な 概 念 が 当時 の 人々 にと って 必ず しも 身 近 な も の で は な か った ことを う か が. わ せ る 。 ひ ょっ と す る と 前 述の 第 八七 条 の domi nus も 、宮 ssessorを 文中 で 先 に使用 し て いた か ら 、 これと 区 別 す. る た め に 用 いら れ た の か も し れ な い。 と は 言え 、 少 な く と も 当時 の リ ュー ベッ ク で の 土 地 の 所有 者 が possessor. にあっ た こと の ―つの 証 拠 と な りう る で あろう 。. ある いは domi nus と いう ロー マ法 的 な 概 念ーー た だし 、 圧 倒 的 に前者|ー が、 使用 可能 な 法 状 況—ー エー ベル が述. べ た 個 人的 な 所有 権 の 存 在 ー. 〔. 〕. 註 ( l) Dewic r e a mt c umqueha be ta owi c hbe l der e c ht eundedat urs hbel de Qui r e e s es s ora ens usannuat i m&s ipos . . . X I II I 0 r p o s t p a s c h a c ens um no X u e I l II I 0 ' d i e b u s d i e b u s p o s t b 0 3 a r e e i t ndeder d i n u s m i c h a e l i s fe s t u m e a t i s i . . i s c e n s u m n o n t e m p o r e s t a t u t o d a , d e d i t c e n s u m a d u o c a t o at o q u i I II I ° ' s o l. & x e quic or am aduoc c o m p o n e t. uul te .ni .& s .ueledi bi tdupl e aqui o ii c quam e di fi c aui tnemi nar niue nde r epot er i tedi fi c i a s t us e s id0 3i no cui s s i par e . li ts t i mat i onem bo no ru m ui ro r um e x hi be at.& s ec undum es i mum e iue a r e apr mat ( 2) 筆者は 「 中世末期リ ューベックの都市法典における不動産に関する条文について」 、「 近畿大学法学」 、 第三七巻、第 一・ニ ロ ゴで、キール法典 の第九六条のこれに相当する二個所 の両方に 「地代が屈する者」という訳を当てていたが、その第二番目は 土地が属する者」とす べき である。訂正をお願いしたい。 「. - 16 -. 近畿大学法学 第39巻第 3 · 4号.
(17) 不 動 産 の表示. 不動 産 法 行 為 の対 象 と し て の不動 産. r ede ( 3) ここでは、土地の所有者に、それぞれ 「 土地の持ち主 ( deHe st o ft e s ) 」と 「 地代権者 ( r e ) 」という表 the deScha 現が使用されており、両者が別人であるかのように記載されている。. ①. ト ール フ ァッ ハト ・アイ ゲ ン ( t orfa chtegen). こ の用語 は ここで は ニ カ条 に登 場 し て いる 。 第 四条 ( 相 続 財産 ) と第 二六条 (不動産 の教 会 へ の処 分 禁 止)で あ. (1 ). で は「 不 動 産 、 即ち ト ー ル フ ァッ ハト ・アイ ゲン ( i mmobil iai orf ei hacht gen)」 と記 載 され 、 トール フ ァッ d estt. ハト ・アイ ゲ ン は 相 続 財 産 あ る いは 不動 産 で あ る ことが 明白 に 定 義 さ れて いる 。同 様 に 、 キ ー ル法 典 の第 七条 ( 妻の. 持 参 した 不 動 産 の処分 ) で 「 不 動産」 を 意 味 した ト ール フ ァッ ハト ・アイ ゲン に 、 こ こで の呼 応 条 文 で あ る 第 七条 で. iaが 当て ら れ て いる 。 は i mmobil. しか し、 キ ール法 典 の関 連 条 文 で ト ール フ ァッ ハト ・アイ ゲ ン の用 語 が 使用 され て いる に もか か わら ず 、 こ こで は. 別 の表記 が な されて いる 条 文 も 三 カ条 存 在 す る。 それ は、 第 四 八条 (証 人資 格)、第 五二 条 (傷 害 罪)、 第 六 七条 (証. 人資 格 )で あ る 。 キ ール 法 典 で の 「 市 内に トール フ ァッ ハト ・アイ ゲ ンを 有 す る 」 ( 第 一八0 条 、 第 二0 四条、 第 七. 四条 ) と いう 表現 が 、 詳 細 な点 で の相 違 はある が 、 ほぼ 「自 ら の住居 の囲 い地 を 市 内 に 有す る ( septasuidomic ili i. i n ci ui es ta )」 に 置 き換え ら れ ている 。 こ の表現 は第 五 三条 (殺 人罪) に もあ る が 、こ の条 文 は キ ール 法 典 t e habent. - 17 -. 四 (1). る 。前 者 で は「 相 続 財 産 、 即ち トー ル フ ァッ ハト ・アイ ゲ ン ( Heredi t ar i a bo品 i d est t orf hachei gen) 」 と 、後者. 中世都市 リ ユ ー ペ ッ ク の法典類における 不動産関係条文とその特徴 (1).
(18) に関 連条 文 を 有し て い な い 。 た だ し 、 レ フ ァル 法 典 の 第 四 九条 には その 呼 応 条 文 が あり 、 その ド イ ツ語 訳 では、「市. 内 に居 住す る ( bynnen der st ad bes et en si n) 」 と い う 訳が 当て ら れ て いる 。 最 後の 事 例を 除 くと 、 い ず れ の トー. ル フ ァッ ハト ・アイ ゲ ン も 固 有 の 土地 と 訳され て い る の である 。 従って 、 この表 現 が 不動 産 、 特 に土地 を 意 味す る 用. 語 であっ た こ と は ま ち が い な い 。 た だ し 、 レ フ ァル法 典 と トン デル ン法 典 の ド イ ツ語 訳 では トー ル フ ァッ ハト ・アイ. ゲン の表現 は 、 す べ て 「市 内 に居 住 す る」 に類 す る 表 現 に変 わ って おり 、 リ ュー ベッ ク では な い と は い え 、 トー レ }フ. ヴ ェー レ ( were). ァッ ハト ・アイ ゲ ン の 用語 は 既 に十 四世 紀 半ば に使 用さ れ な く な った こ と を推 測させ る 。. ②. こ の表現 が キー ル 法 典 の 中 で登 場 す る の は 第 十 二条 、第 一〇 二条 、第 一七 一l 七 三条 、第 二三 五条 の 六 カ条 であっ. た カ3△ ヽこ の内 ハッ ハ第 一法 典 に関 連条 文 を 有す る の は 最 初の 第 十 二条 ( 夫 )と 子 供 によ る 遺 産 分 割 )のみ であ 寡婦 (. る 。 その 関連 条 文 は 第 七条 である 。前 者 では 「 ヴ ェー レにい る 子 供 等 ( e) 」 と い う 風 に書 nder wer den ki nderen.i. か れ て いた の である が 、後 者 では 「子 供 等 ( li ber os)」 と 簡 略 化され て い る 。 興 味深 い の は 、 こ の 条 文 に符 号す る レ. フ ァル 法 典 の ド イ ツ 語 訳の 第 七条や 、 トン デル ン 法 典 の ド イ ツ 語 訳の 第 十 九 番 目 でも 「 子 供 等 ( de ki ndere)」 と 訳. され て いる こ と である 。 こ こ で問 題と な って い る ヴ ェー レは、 不動 産 の 所 有と は 関 係 せ ず 、 子 供た ち が 留ま って い る. 場 所、 ある い は 、 幾 分 抽 象 的 に理 解する と 、 彼ら の合 有 財 産 を 意 味す る 。 それ にも か か わ ら ず 、 ラ テ ン語 法 典 では 、. こ の 用語 自 体 を ラ テ ン語 で表現 し よ う と し て い な い 。ま し て や 不動 産 の 所有と 関 係し そう な 、 それ 以外 の 閑 係条 文自. 体 が 、 ハッ ハ第 一法 典 では 関 連条 文 を 有し て い な い 。 従って 、 法 典 作 成 者 は ヴ ェー レを ラ テ ン語 で表 記す る こと に、. 少なく と も 好意 的 では な い 。 既 に見 て きた よう に、 ラ テ ン 語 に置き換え る こ と の でき な い 不動 産 法 に関 する 中 世 低 地. - 18 -. 近畿大学法学 第39巻第 3 · 4 号.
(19) ドイツ語の 表現が そ っくり そのまま法典に残されている こともあ るから、法典作 成者がローマ 法 的な所 有権 の知識に. 影響され、曖昧な法的表 現が嫌われ たようにも見えるの である。. ) de l chbe ③ 定 期金 (Wi. 定 期金を 表すとされる Wi chbe l de が登 場するのは、前 述の第八七 条 ( 借 地料の支払いと遅滞) のみ である。 その. まま t eとい う 形 で現れている。 法典作 成者 が この表 現をラテン語 に置き 換えなか ったのは 、 こ chbel derecht owi. chbel de の方 が読者により分かりやすい れ がラテン語に置き 換える ことの できない表 現であ ったのか 、あ る いは wi. (2 ). と考え たため であろ うか 。 さ て 、 この Wic l hbe de は 定 期金を 意味すると考 える ことも でき る が、 ここでは 、なお. 「借 地権」 と訳してお い た方 が自 然のよう に思われる。 前 述のように、 ―二 六0 年頃には|ー関 係条文から判断 する. 限りー� 定 期金制 度が借 地制 度か ら次第に成立しつつあ ったの であろ う。 この 下地が、キ ール法典 で見 たように、. 二 七 六年の市の大火災を契機として 、定 期金売買の本格的な 発展、即ち、買戻しの容易な定 期金の 創出を可能 にした. よ うに 見える。. より 具体的な 表示. なお、定 期金を表す 中世低 地 ドイツ語の Rent eはハッハ 第一法典、さらにレフ ァル法典 では全 く登 場しない。 ④. , fu nd) 等 である 。 この 具体的に不動産を表示す るのは 、家 ( us domus )、建築物 (edi fi cia )、土地 (a ell re a,t. 内、 「建築物 」は、 前 述の第八七 条にも登場し たが、 キ ール法典の第九 六条とは異なり、 その建築物 の売却と並んで. 「破壊す る (e di s s i pare ) 」 ことも規定されて いる 。不 必要な建築物 の破 壊は、 その後の法典類 では登 場せず、 どちら. - 19 -. 法文全体は前述の 仮訳のよ うにラ テン 語 で記されているの であ る が、 その法文中に、 この用 語 が中世低 地ドイツ語の. 中世都市 リ ユーベ ッ ク の法典類における不動産関係条文 とその特徴 (1).
(20) かと言え ば、周辺の農村社会に特有な 法的処理の仕方である。この限 りで、ハッハ第 一法 典の農村法 的な 性格を感じ. さ せる。. ubs t ant なお、不動産、動産に か か わらず財産を表示す る用語 に は 、s ia `facultas,g na,res 等があり 、これら. )」と翻訳されて いる場 合が多 い。 t gud( は中世低地ド イ ツ語の法典での関連条文では「 財貨 (. 不動産の 区分. ). きま ちが いであ ろう。因 みに 、 レファル、 トンデ ルン の両法典では 、この部分は「彼が売却す べし ( )」 と単 ndat ue. しか し、相続財産を 売却す るのは、文脈からして も 、処分者でな ければならず、お そら くハ ッハ第 一法 典の それ は 書. いのであれば ‘ 「 彼らが 売却す ぺし ( ue ndant ) 」 と な ってお り、 このままでは最近 親相続人が 売主に な って しまう。. 複数)が、 その 相続財産の 購入を 望まな して いる。ただし、ここで は キー ル法典の場 合とは異な り、最近 親相続人 (. edi busと いう表 現である。 この条文は 、 キー ル法典の 第 二六条に ほぽ呼応 提示)に 登場す る。即ち、pr ox i mi sher. ここで の相続人と は処分 者の最近 親相続 人であろう。 彼らは次 の第五 条 ( 相続財産を 売却す る際の 最近 親相続 人 への. し、贈与す ることはで きな い」 である。相続財産と して の 不動産が家族法的な拘束の下 にあることは明らかである。. (3. 第 四条の内 容は、「 相続 財産、即ち トー ル ファッ ハ ト ・アイゲンを いかなる 人も 相続 人の 同意 な く質 入れ し、売却. 産自 体を 定義した条文で あ り、第五 l 六条は その 相続財産の 処分に関する 規定である。. キー ル法典では、 その 法 的意 義が曖昧であった 相続 財産に 関する規 定が第四l 六条に 並 んで いる。第 四条は 相続財. ) bgut Er ① 相続財産 (. (2). 数形で 記載されてお り、売却す るのは最近親相続 人で はな く、 処分者自 身であるとして いる。 最後の 第六条 ( 定期 裁. - 20 -. 近畿大学法学 第39巻第 3 · 4 号.
(21) 猥得財産 ( wol gewonnen Gut ). 判集会 で の 相 続 財 産 につ い て の 年 三 回の 請 求 )は キー ル法 典 の 第 二五条 に呼 応す る 条文 で あ る 。 ②. こ の 獲 得 財産の 定 義が 、 こ こ で は 第 一条 に登 場 して い る 。 その 法文 は 次の よ う で あ る 。「 人は 、 自 ら 獲得 した 財 産. (4 ). す」。 製味深 い の は 、相 続 財 産 に関 す る 条 文 の 前 に、 こ の 条 文 が 位 置 して い る こ と で あ る 。 法典 作 成 者 が 、 リ ュー ベ. ック 法 におい て は 相 続 財 産よ り も 獲 得 財 産を 重 視す べ きで あ る と 考 えた た めで あ ろ う か 。 即ち 、 彼 は 、 財産は で き る. 限 り 処分 の 自 由 に委 ねる ぺき と 判 断 して い た の で あ ろう か 。 こ の 傾向 は レ フ ァ ル、 トン デ ルン 法 典の 場 合 も 同 様で あ. 自ら 獲 得 した 財 産の 所有 権 」 が 「 彼 の 動 的 な 財 産 ( る 。前 者 ( Re第 一条 ) の ド イ ツ 語 訳で は 、 「 )」 と de gut ei nr si. s yne guder) TC第 十 五条) の ド イ ツ 語 訳の 第 十 五番 目で は 「 彼 の 財産 ( 」と 訳 されて い る 。他 方 、 トン デ ルン 法 典 (. 簡 略 に表現 されて い る 。 こ の ハッ ハ第 一法 典 の 第 一条 は キー ル法 典 の 第 九条 に関 連 条 文 を 持 つ と される が、 後 者 の 内. 容は 獲 得 財 産の 市 参 事 会 の 面前 で の 処 分 につ い て規 定 して い る にす ぎず、 前 者 の 法文 は 後 者 には な い 。 その 消 滅 の 理. 由は 、 こ の 法 文が登 場 す る こ れ ら の 法典 が市 民 に向 けて 制 定 された 法 典 と い う よ り も 、 前 述 の よ う に、 外 に対 して 同. 法 を 宣 明 にす る た めの 法 典 で あ った か ら で は な か ろう か 。 お そら く 、 こ の 獲 得 財 産の 定 義 は リ ュー ベ ック 市 民 にと っ. 動 産 化 された ( ende) 不動 産 百r. て 改 めて規 定 す る 必要 の な い も ので あ った ろ う 。. ③. こ れ を 規 定 した キ ー ル法 典 の 第 二0 一条 ( 商 品 と して 持 参 した 妻 の 財 産の 処分 )は 、こ こ で は 関 連条 文 を見 出 さな. い。 レ フ ァ ル、 トン デ ルン の 両 法 典 にも 関 連条 文 は な い 。 た だ し、 レ フ ァル市 の ―二 八 二年 の 中世 低 地 ド イ ツ語 法典. - 21 -. um) $ �望 む 人に質 入れ し 、 売 却 し 、 贈 与 す る 自由を 有 at es si bi conqui arum facult at t et si pri pro の 所有 権 を (. 中世都市 リ ュ ー ベ ッ ク の法典類に お け る 不動産関係条文 と そ の特徴 (1).
(22) (5. ). って、 十 三世 紀 末 に レ フ ァ ル市 民 にも こ の法 制 度 は 知 ら れ よ う る. に な った の で あ り 、 こ の財 産 概 念 が 「相 続 財 産 」、. 「獲 得 財 産 」 の概 念 に 比 べ て、 か な り 新 し く 創 出 さ れ た も の で あ った こと を う か が わ せ る。 註. ). 〔. 〔. 〕. 〕. t busvi i i.t r at et i spro i pr i s nqui o Dec .v . Vi ul yt mus endendi.dandi uspri rl bit ri i ber um,J um habetar gnora ndi mp1 at um . cul i cuic unquevultpropr i et at e o ss nqui bic arum fa si t t. ). 1) この相続財産 ( her edi ( t ar i abona) は第 五条 ( 相 買 条 いての へ 相 続 財 産 最 近 続 親 提 財 取 相 示 産 り 続 の の 人 と 第 六 の ( に つ ) 最近親相続人 の異議) にも現れる。 この二つの条 キー 連条 文 二 文 で 五 t の用 の 条 で は e e で る 関 と 第 第 二 六 条 ru g u あ の ル 法 典 語が当 てられ ているが、 レフ ァル法典 のドイ ツ語訳 トー ト アイゲ ン ( 五 と Do ( 第六条) で r f は h a f e t i g e n ッ 第 ・ 条 フ ァ ル ハ ) の用語が使 用されている。後者は書 き誤りか、 トー ト アイゲ ン 概念が曖昧 、不動産 化 ・ し た ッ た め で あ う の ろ 。 ル 他 フ 方 ァ ハ ( I mmobi li a)に近 い表現は ハッハ第 一法典 の第七八条 ( 不 売買 保証 に登場する。 そ の表現は r mmobi esi li sであ る。 動 産 の ) それは、キー ル法典 の関連条文 である第 八六条 では相続財産と同様 eru egut に変わ っているが、 前述 のレフ ァル法典 のド に イ ツ語訳 ではトー ルフ ァッハト ・アイゲ ンの用語が使 用さ い る ( 第 条 七 ) れ 。 四 て ( 2) 当然 のことながら、 Wi chbel deが他 の意味 で使 用され ている場合を除 いてである。 例 えば、 第 五三条 ( 殺人罪)では Wi , chbel deが市領域を表 し ている。 a bo ar t edi edi t s Her ii sher i ar Deboni es i ne nai r e ueldar d es or f ha chei tt mp1 gen nemopot es gnor t1 a r euende . uent ia m her edum conni ( 3. ( 4. ( 5 ). n)が紹介した法典 の条文構成と フォン ・プ ンゲ の研 究 によれば、 この追録部分 はヴ ェスト フ ァー レン ( .Wes E. J.v t phal e 同じ である。F.G.v .Bunge,a. a. O. ,S•xv'XXI X.後者 の法典 はキー ル法典と同じと考 えてよ いから、 レファル法典 のこの 追録も十 三世紀末と推定し てよかろう。. 不 動 産 の所 有 と 制 限. - 22 -. の追 録 ー — 十 三世 紀 末 に作 成 さ れ た と 考 え ら れ る| ー の第 一九 八 条 に は 、 キ ー ル法 典 と 同 様 の内 容 の条 文 が あ る。 従. 近畿大学法学 第39巻第 3 · 4 号.
(23) m Propri o eta sと Possessi. ハッ ハ第 一法典 で は 興 味深 いこ と に 、 ロー マ法 で 所 有 権 と 占 有 を 示 す propri et as と possessi o が登 場 す る 。. 前 者 の propri eta sは 第 一条 ( 獲 得 財産 の 定 義)、第 三 条 ( 債 務 拘 束 ) に現 れる 。 第 市 民 集 会 の 管 轄 )、 第 六 九条 (. 一条 に つ いて は 、 狸 得 財産 の 項 で 述べ た が 、 そこ で は 「 自 ら 猥 得し た 財 産 の pr opr i et at es 」と いう 風に 記載 さ れ て い. た 。こ の 場合 propri et asは 複数 形 で 書 か れて いる の で 、 それ が な に か 具 体 的な 特 定物を 示 し て いる か の ごと き 印 象. を 与 える 。 しか し、 こ の 用 語 が 財 産 その 物 を 意味す る と は思 えな い。 な ぜな ら 獲 得 財産 と いう 具 体 的な 財産が、 その. 用 語 の 前に 示 さ れ て いる か らで ある 。 従って 、 こ れ は 抽 象 的 な 権 利 と し て の 所有 権を 意 味す る と 解 釈す る 方 が 妥 当で. -23 -. ッ ヽま、こ の 法 典 の異 本では 、 複数 形 で は なく 、 単数 形 の pr あろ う 。 因みに 、 ヽ opri et as が 使 用 さ れ て いる こ と を ノ ノI t. 指示 して いる 。 た だし、 レ フ ァル、 ト ンデ ル ンの 両 法典 で は、 ハッ ハ第 一法典 と 同 様に 複 数 形 の ま まで ある 。 両者 の. it ドイ ツ 語 訳で は、 残 念な が ら、 こ の propre asに 相 当 す る 部 分 は 翻 訳さ れて いな い。. it 第一 ― 一 条 で も 、propre asは 第 一条 の 場 合 と 同 様に 複数 形 で ある 。 即ち 、 「ces pi t ali t as の propri et at i bus」 で あ. ). 最 後 の 第 六九条 で は 、 ある 者 が 第 三者 に 「 propr i et at em に お いて」与 えられ る と いう 様 に propri et asは 単数 形 で. 」 と 訳さ れ て いる 。 enn) want HuBvor (. が、 こ こ で は む し ろ 不 動 産 と 解すべ き で あろう 。 ト ンデ ル ン法 典 の ドイ ツ 語 訳の 第 十七 番 目で は 単に 「家屋類 似 物. (2 ). 住さ れる べ き ( bes et en s ull en wes en)egendom」 と な って いる 。egendom は 所有 権 の ご と く理 解し えな く も な い. フ ァッ ハト ・アイ ゲ ンの ラ テ ン語 訳 で ある と す る 。な お 、 レ フ ァ ル法 典 の ドイ ツ 語 訳の 第 三条 で は 、こ の 部分 は 「定. ( 1. る 。ces pi t ali t as は 芝 土 、草 地 を 意味す る caes pes に 由来 す る 言 葉 で あろ う 。 エーベ ルは 前 者 の 表現 全体 が トー ル. 中世都市 リ ュ ー ベッ クの法典類に お け る不動産関係条文とその特徴 (1).
(24) 使 用 さ れて い る 。 法 文 は 、 債 務 者 が第 三者 の所有 権 、 即 ち 、 後 者 の支 配 の下 に置 かれる こ とを 意 味する 。 こ れは レ フ. t o eg en) 」 と 訳さ れ 、 トン デル ン 法 典 のド イ ツ語 訳 の第 ァル法 典 のド イ ツ 語 訳 の第 六 五条 で は 「 固 有 のも のと して (. 七 八番 目では i n Egendom と なっ て い る 。 後 者 の場合 、 あえ て 不動 産 と 解釈す る 必要 は な い こ と は 明ら かで ある 。. 従っ て 、こ こ で は Eg endom は 所有 権を 意 味す る と理 解す る こ とも で きる 。即 ち 、十 六世 紀 半 ば の頃 には Egendom. が 不動産 のみ なら ず 、 所有 権 も 意 味する よ う になっ て き た こ と を示 す 例 証と も 言え る 。. as は 、 具 体 的 な 不動 産 で は なく 、 抽 象 的 な権 利 、 お そら く ロー マ法 的 な et 以上 の三 カ条 から 、総 体 的 に 、propri. 所有 権 を 念 頭 にお い て 使 用 さ れて い る 可能 性 が高 い よ う に思 われる 。. 市 民 が市 内 に留 置 して お い た 物 ) の 一カ条 の み に登 場 す る 。即 ち 、彼 が「 彼 こ れ に対 して possessi oは 第 二〇条 (. の possessi o を 」 残し て ( reli nqui d) 市 外 に赴 き 、 そ の間 に「 彼 の 宮 ss es s i o が売 却 さ れて お り ( estuendi t a) 」、. 彼 が帰 還 後 そ の 苫 ssess i o の帰 属を 争 わ ない ので あ れ ば 、と い う具 合 で ある 。こ の 宮 ssessi o が 、た とえ 「占 有物」 l. 占 有 . で は ない こ と は 明ら かで あ ろう 。 レ フ ァル 法 典 で のド イ ツ 語 訳 ( で あっ た と して も 、所 有権 と対 比さ れる 「 第. 二0条 ) では 、 それぞ れ 「 彼 の住 居 と 彼 の所有 物 ( si ne wonynge vnde s i ne geset e) 」、 「 そ の所 有 物 ( de beset -. i ne bes it t i nge) 」 と 訳さ れて い る 。 ま た トン デル ン 法 典 の t i nge) 」、 「 彼 の住 居 と 彼 の所有 物 ( si ne wonynge vnde s. ド イ ツ語 訳 ( 第 三 一番 目) で は 幾 分 簡 略 化さ れ 、 三個 所 の内 、第 二番 目は 脱 落 し 、最 初 と最 後 の部 分 の possessi oが. o は ハッ ハ第 一法 典 にお い て のみ なら 「 彼 の財貨 ( s yne guder )」 と表 現 さ れて い る にす ぎ ない 。 従っ て 、 宮 ssessi. ず 、 そ の後 のド イ ツ 語 訳で も 占 有 の観 念を 表示 す る も のとは見 なさ れず 、 む しろ不 動産 ' � 場 合 によっ て は 動産も 含. む かも しれ ない がーー'の総体 を 意 味して い た と 考 え ら れる 。 こ の条 文 は 残 念 ながら キール法 典 に関 連条 文 を 有 して は. - 24 -. 近畿大学法学 第3 9巻第3 · 4 号.
(25) い ない。. 結論的 に言えるこ とは 、お そらく法典作 成者が pr oというロ ー マ法の知識 にも とづ いて市内 opri et as と po i ss ess. での 所有関係を 表現しよ うとしているよ う に見え るが、ここ で表現されているのは、 せい ぜい所有権的な 権限ま でで. (3. ). 権利概念 はか なり後 になるま で定着する ことは なく、 当時 の人々は、これらの用 語を むしろ物を表示す る概念 として. 理解していたよ う であり 、彼らは、権利関 係を 抽象的 に ではな く、具象的 に把握する 傾向 にあ った と言え る。. 「 共有関係」・「不動 産所有 に対す る制限」. さて、この法典 での、 不動産の 所有 に対す る公法 的、私法 的な 制 限 に関す る条文 と、 キー ル法典 での関 連条文を比. いたよ う に、新しい方法 であ った とい うこと になる であろう。ただし、 これを証 明する証 拠は こ こ には見出 せない。. のかもしれない。 そう である とすれば、 キー ル法典 での土地の貨幣 によ る 評価とその分割の方法は、既に指摘してお. とは 考え られないから、 ひょ っとす ると、土地の場 合も家屋の共有関係の解消の場 合と同様の手続きがとられていた. す る条文の関 連条文が、未だハ ッハ 第 一法典 には存 在し ないのかは不明 である。 このよ うな法関係が存在し なか った. ツ語訳の第七 二番目も 、細か な点 での相違は あるものの、 ほ ぽ同 じ内容 である。しかし、 な ぜ後者の 土地の共 有 に関. は、当事者の数年 毎の交代 によ る居住 である。 レフ ァル法典の ドイ ツ語 訳の 第 五八条、 トンデルン法典の同 じくドイ. の解消) の ニカ条 であ ったが 、 ここ では前者の第六 0条 に 呼応す る条文が第六 五条 に存す るの み である。 その内容. 土地の 共有関 係 家屋の共有関 係の解 消)と第六一条 ( キール法典 での 不動産の 共有関 係 に関す る条文は第六0条 (. (2). 較す ると次 のよ う になる。. - 25 -. あ って 、占 有 ( 権)は考慮されてはいない とい うこと である。ただ し、 その 後の ドイ ツ語訳を見ると、以上のような. 中世都市 リ ュ ー ベ ッ ク の法典類 にお け る 不動産関係条文 と そ の特徴 (1).
(26) 第 一に、 家 屋 の建 築 や相 隣 関 係 に つい て のキール 法 典 の第 五九条 ( 壁を 接 する 家 隣 地 へのせ り だし )、 第 六 五条 (. 土 地 の 土 盛り)、 第 六 八条 い ない 。 他 方 、 キー ル 法 典 の第 八条 (. 市 だ し、 後 者 の中 の第 六〇条 で は 、 キ ール法 典 の 場 合 とは 異 な り、 「. 屋 の改築)、 第 六 六 条 ( 改 築 の計 測用 具)、 第 六 九条 ( 隣 地 の上 方 で の建 築 )は こ こ で は 第 九三 条 、第 九 五条 、第 六 〇. 条 、第 六 二条 にほ ぽ 呼応 す る 条文 を 見出す 。 た. の指示 に従っ て 建築す る 」 とい う部 分 は 記載 さ れて. ( 隣 家 の壁 を利 用 した 家 屋 の建 築)、第 二四 一条 ( 既 存 の壁 を利 用 した 倉庫 建 築 )は 、 こ こ には 関連条 文 を 有 して い. ない 。 ま た 、 キー ル 法 典 の第 一0 四条 ( 囲 障 設 置 に対 す る 隣 人 の援 助 囲 障 の設置 基 準 と隣 人 の負 担)、 第 一五0条 (. 義 務 )も こ こ には 関 連条 文 を 有 して い な い。. ま 、 — _ , ·. 本来 の意 味で の ハッ ハ第 一法 典 には 属し て は い ない 。. こ こ で は 前 者 が第 七 三条 に、 後 者 が第 ―二六条 にほ ぼ 同 様 の規定 を 見出す 。 た だし 、 後 者. 次 に、不 動産 の付 属 施 設 につ い て のキー ル法 典 の 便 所と 第 八 一条 (家 屋 に属す る 橋梁 の維 持 義 務 ) と第 一四 一条 ( 豚 小 屋 の設置 基 準 ). は 、 そ の条 文 位 置 から も 推 測さ れる よ う に、. 風 呂屋と 。 ハン 焼 釜 の設 置 につ い て のキ ール 法 典 の第二 四五条 は 、 前 述 のよ う に、 こ こ には 関 連条 文 を 見出 す こ とは で き ない 。. 以 上 の条文 から 見る 限 りで は 、家 屋 の建 築 や 改 築 が法 典 の主た る 対 象 とさ れ 、 既 存 の家 屋間 で の何ら か の造作 に関. と が わ かる 。 そうで ある とす れ ば ‘ こ こ で は なお 、 新 た な建 築 が 容易 で あっ. にあっ た 時 期 を 念 頭 にお いて 法 文 が作 成 さ れ て い た と言 えよ う。 即ち 、 都 市 空間. す る 規定 が余 り問 題 と さ れ て は い ない こ た 時 期 、つ ま り、 都 市 が拡 大 の傾 向. 。. の穫密 化 は それほ ど 進ん で は い な か った よ う に われ る 。 ―二 七 六年 の大 火 災 と そ の後 の市 の再 建 が、 前 述 のよ うな 思 制限 的 な規 定を 産 み 出し た のかも し れ ない. - 26 -. 第39巻第3· 4 号 近畿大学法学.
(27) 註. ,S. 319. . . l,a 0. a ( 1) W.Ebe g e n do m が不動産を意味することは、同ドイ ツ語訳の第二条 ( 市民集会)からも明らかである。 ( 2) e ( 3) ハッハ第 一法典の中にも、そのような傾向がある。例えば、第 三四条 ( 家屋の賃貸借)では家屋の持ち主が 「 家屋が彼のも t ) 」 と表現され、 これはキー ル法典 の呼応条文の第三四条での表現と全く同じである。 のである者 ( ill ec mus es ui us do. 不動 産 の処 分行 為. 自 由 な 処 分 行為 の 前 提 とな る 「領 主 制 にも とづく 拘束」 か ら の 解放を示 す 法 文 が 第 九 八条 に登 場す る 。 即ち 、 「我. (1. ). い ず こ で あ ろう とも で あ る 。 な ぜな ら、 も し 我 々が そこ か ら な にが し か を 支 払って い た の で あ れ ば 、 それ は 自 由で は. この 免除 特 権 が その 後 も 自 明 の 法 原則 で あ っ た と 考 え て ま ち が い な い 。 さ. な い こ と になる か らで ある 」。 こ の 条 文 は その後 の中 世 低 地 ドイ ツ語法 典 に 関 連条 文 を 有 し て い な い が 、 貢 租 と 一〇. の 一税 につ いて のーー' 市 領域内で の i. 獲 得 財 産 の 処分 の 自 由 ) にも 列挙 さ て 、 こ の 法 典 で も 、 キ ール法 典 の 場合 と 同 様 に、 その 法 行為の 種類 は 、第 一条 (. 品 re) で あ る 。 e)、贈 与 ( ar gnor mpi i uendere)、質 入れ ( れ て い る よう に、 売 買 (. 売買. や む を え ざる 事 由」 につ いて は 、 キ ール法 典 の 第 七条 定 し た 前者 の 第 二三 六条 は 関 連条 文 を見 出さない 。 さ ら に、 「. 条 文 を有し て い る 。 し か し 、最 近親 相 続 人へ の 提 示 な く売 却さ れ た 相 続 財 産 の 買主 に対 す る 売 主の 追 奪 担 保 責 任を規. 処分 者 による 彼の 最 近親 相 続 人へ の 相 続 財産 の 買取り を 規 定し た キ ール 法 典 の 第 二六条 は 、 こ こ で は 第 五条 に 呼応. (1). - 27 -. 六. 我が 有す る 諸自 由 によ り 、 我 々は 貢 租 も 一0 の 一税も 決 し て 支 払う こ とは な い 。 それ が 牧場 、 草地 、 魚 場、あ る い は. 中世都市 リ ュ ー ベ ッ クの法典類における不動産関係条文とその特徴 (1).
(28) と同様に 、第十五条(妻の持 参した 財産の処分) で 「 法 的な必要 事が強いるの であ れば ( ec t ta essi o' ma nec i t egi l. gent e)」として登 場し 、不動産の 所有者に その処分 を 認め ている 。従 って、キ ール法典 での結論 である相続財産に対. する家族法的な 拘束 の緩和の方向は、確かにここ でも確 認すること が でき る が、 その拘束はなお厳然と存 在していた. ようにも 思われる。 売買契約と関 係する喜捨料につ いての第七 二 条は、キ ール法典の第八0 条とほ ぼ同 じ である。. 売買の当事者につ いては、 既に 「 人」 の項 でも指摘 してお いたように、 聖職者、領主 層、市外民には その 資格 が認. められていないか、あ るいは制限されている。 ―二 四七 年に市参事会 が決定 した とさ れているキ ール法典の第二 五一. 条(市内にお ける聖職者の住宅変 更の禁 止)はここには登 場していない。いずれにせよ、彼らに対する市参事会の厳. 格な姿勢は明確 である が、 それに もかかわらず、キール法 典 で、このような条文 が繰り返し登 場したことは、 そのよ うな法行 為が実際 には行 われていたことを示すの であ ろうか。. 次に、 アウフラ ッ スン グを 規定 したキ ール法典の第十七 条(不動産の売却と アウフ ラッ スング)と第 一 ―六条(不. 動産の市参事会面 前 での処分 )も、ハッハ第一法典 では関 連条文を有していない。 猥得 財産の市参事会 員の 而前 での. 市 参事会 員の面前」 は存在しな い。 贈与を規定 した キ ール法典の第九条の、ここ での関 連条文とされる第一条 でも、 「. なぜここ でアウフ ラッ スング が登 場 しないのかについて、 二つの可能 性 が考えられる。 ―つには、 キール法 典 では. 市参事会(員)の面前 での アウフ ラッスング」 が意 図的に規定 されていた ということ である。 即ち、 アウ フ ラッス 「. ングは、中世においては、かなり普遍 的な法行 為 であ った と考 えられ、ハ ッハ 第一法典の時 期の リュー ベック でも、. 不動産の法行 為には必ず アウフ ラッ スン グ が随伴したは ず である。 そう であ るとすれば、キ ール法典の関 連条文は、. アウフ ラッ スン グ自体 よりも 、むしろそれ が行 われるべ き 場所 、 即ち、市 参事会 (員)の面 前を 強調するために定め. - 28 -. 近畿大学法学 第39巻第 3 • 4 号.
(29) られた と考 えられるの である。もう ―つは、ローマ 法に 通暁したハッハ第一法典の作 成者が アウフ ラッ スングを 無視. した と考えられる こと である。ローマ法に従えば、不 動産に 関す る法 行為 であ っても当 事者間の 取決め で十分 であっ. たろうから、法典作 成者は アウフ ラッ スングに 重要 性を 認め なかったの では なかろうか。た だし、 この二つの推 測を. さて、 アウフラ ッ スングが 規定 されてい ない のと同様に 、 不 動産登 記に 関係する条文も ここには登場しては い な. 、。. 一年 と一 日後の不 動産法 行為の確定を規定するキー ル法典の第十七 条 ( 売主 の 売主 の 追奪担保責 任 )、 第 八六条 (. ,>. 相続人の異議に対する 追奪担保責 任 )、第八七条 ( 保証人の 保証期 間)も ここでは 関連条文を有してい ない。しか し、. 逆に、ハッハ第一法典にのみ存 在す る関係条文もあ り 、 これは 、苫 s 0 を論 じた際 に 言及 した第 二0条 である。 s es s i. 即ち、市を離れている間に 、財産 ( 宮s s es si o) を売却さ れてしまった者が 、 帰遠後 「一 年 と 一日の間市に いて 、 そ. の財産を争わず 、即ち、異議を 唱えず(exi s t ens i nci ui t at ps e & pos eanno & di am li s es s i oem i t i gi osa m hoc. 正 当に購 入した ことを 証明す れば 、 売買は 有効なもの とさ れ る s pr akenon fa es tbi c it )」、 そー) て齊〖 士が 1 その 財産を. というもの である。確 か に 売買後の一年間の期 間を定めている訳 では ないが、帰還後 の一年 と一 日という規定が、前. 者の原 則を前提 としてい る ことはま ちが い ない。 従って、 この原 則は、 この法典 で規定 されていないものの、効 力を. 質入れ と贈与. 有してい た と言ってよ く、 この限り で、キー ル法典の 場合と同 様 である。 ②. 不 動産に ついての両方の法 行為は 、 例えば、法典の最 初の条文 である第一条 ( 獲得財産の処分 自 由) で一般的に列. - 29 -. 証明するもの は ここには ない。. 中世都市リ ュ ー ベッ クの法典類における 不動産関係条文とその特徴 (1).
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