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聾の心理学的考察

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(1)

聾  の  心  理  学  的  考  察

 (The

psychological approach of Deafness)

岡   本   一  ・平

 (高知大学教育学部教育学研究室)

   (聾と心理学的過程)  人間は三つの主要な側面において,それぞれ成熟発達を一定年令迄続けて行く.これらの側面の それぞれの成熟について,豊富な研究成果が累積されているが,情緒的な成熟にかんする知識は身 体的成熟や知能的成熟にかんする知識に比較して相当に後進性をもっている.知能成長(Mental

Growth)はBinet, Terman, Thurstone. Piaget, Wechslerらの研究者によって広く研究され

てきたが,知的能力の発展に影響する諸要因は. Benda, Doll, Masland, Strauss らによって調

査研究されてきた.身体的成熟はBaldwin, Spitz, Kanner, Jersild, Hallのような研究者によ

ってなされてきている.異常児,障害児の研究が知能の本質や知能発達の方法にかんする重要な資 料源であったことは興味のあることである.聾心理学研究者の一つの課題は聴力損失と人間が成熟 するこれらの基本的側面のそれぞれとの間の相互連関の範囲と本質をたしかめることである.こう した研究は正常者と異常者の双方の心理学的過程の理解を増すものと推測される.心理的過程の成 長に与・える影響は発達する生物有機体においてもっともよく研究されるものであるので,先づ第一 に必要なことは児童における聾の影響を究明することである,.  更にそれとともに,考え得られる相関性は成熟がなされた後に聴力損失を続けている成人におい て追求されねばならない.感覚損傷の影響は成人期の場合と児童期の場合とそれぞれ相異するもの である.人間の成熟分野のそれぞれが感覚欠損(Sensory deprivation)で一様な損害を同じよう にうけるものではな’い.この考えのささえとしてMykelbustは,坐ること及び歩くことのできる 年令の聾児と正聴児の間に差異は見出されないことを発見している.しかし一方, Macmillanと Brunerは正常児と聾児の身体発達のある側面において差異を発見している.彼らの発見は社会経 済的要因及び他のこれに類似の要因によって説明され得る可能性がある.さて,ここで,身体的成 熟と運動的行為の区別をすることは必要である.聾と運動機能の相関が存在するようにみうけられ る.聴力欠損の影響は知的機能及び性格(Personality)の領域において,より大きなものがあると

思われる.感覚欠損(Sensory Deprivation)と知的資質(Intellectua! capacities)の成長発達の

間に相関性のあることに次第により多くの注意が向けられている. Hayesは最初,このことの可能

性を盲児で追究したが, Pintnerは,ろう児において,そうした相関性をあきらかにした.当然,

予想されることだがこの研究の初期のものは感覚欠損の一般知能への影響究明で正常者との数量的

比較に限られていた.爾後相当後になって, Heider, Oleron, Fiedler, Myklelustは,抽象

 (Abstraction),記憶(Memory),学習(Learning)のごとき,知的過程に及ぼす聾のより特殊的

影響の問題を追求した.いまここではDeafnessが知能発達に影響するか,どうかを問題として追

求する.これは,聾心理学の領域であってもっとも広く研究されてきたものである.こうした研究

は1900年を中心に始まった.初期の研究作業は主として, Pintner及びその門弟たちによってなさ

れたのである.このためにPintnerはThe father of the psychology of deafness と呼ばれてい

る. Pintnerは自分の研究を重ねて,幼少期からの聾児は,知能において平均以下(Below Average)

であることを結論した.換言すると, Pintnerの主要な結論の一つは聾児の一般知能水準は正常児

(2)

66 高知大学学術研究報告  第15巷.’人文科学  第6号

 Pintnerの調査によると,聾をひきおこす諸疾病はまた脳にも影響を与え知能遅たいを引きおこ・

すのである.若子の事例にみられるこのような関連性(

Relationship)は容易に検証され得るので

ある.脳膜炎のため’に聾と心った児童,と成人はと・もに大脳マ1ニの状態とな,り, Mentally Retarded

となっているのである.  この推定とはまた別の可能性も考慮されねばならない,若干の研究者り,内因性聾(Endogenous Deafness)がみられるならば,知能遅たい(Mental‘Retardation)のような,聾以外の欠陥は,ろ うの家系でない家系の家族におけるよりもより屡々みられやすいものであることを示唆しているの である.  内因性ろうと,内因性知能遅たいが同一個人に一定の頻数で惹起されるであろうという推測があ る.この推測は今のところ完全に検証或は否定もされてはいないよそのような一般化を無批判的に 受け入れることは問題を最小限に評価することになる.聾,知能,知的機能との間の相関の本質は もっと複雑なものである.経験を重ねた現場教師,心理学者.医師は,聾と知能ちたいとを共にも う個人がいることを認めている.このような結論は.聾及び難聴者にとっても彼らを研究する人々 にとぅても極めて重大である.このグループの知能資質にかんする一般化は,病因に対する関連の 推定にもとづいて,単に内因,外因の基底にもとづいでなされ得ないのである.  恐らく,疾病要因と遺伝要因とは,聾のない知能遅滞をびきおこすものと思われるがこれと同様 の頻数で両要因は聾をともなう知能遅たいを引きおこすであ・ろう.それ故,知能低下者の発現りつ は等しいもののようである.聾と知能の間の相関の問題は,現実に知能発達と知的能力の本質にか んする基本的論争をひきおこすものである.例証するために, Myklebust, H. R,らは出生時か

ら或はLanguage Age 以前から顕著なDeafnessをもう児童を考察するがそのような児童の知能

の成長のための経験と機会は正常児のそれらと比較されねばな・らない.もしも,聾児の知能発達と

いうものが正常児のそれと類似したものであるならば聴覚経験の知能発展過程における重大性は否

定され得ることになるのである.しかし,聴覚経験がそうした心理的発達に無関係であるとは先づ

考えられないことである.

 正常な感覚能力の児童の知能発達の際の刺戟と経験の重要性は多くの研究者の強調しているとこ

ろである. Schilder, Soddy, Spitz, Kanner, Bow!t)yだちは初期の生活経験と知的行為との間の

関連性(Relationships)を示している. Piagetは殊に知能の蕃底として聴力,視力,象徴主義の 重要性を強調している.  幼児から聾をもつ児童は聴覚経験と言語的象徴主義を欠如している.  非言語的聴覚経験はおそらく知能発達において重大であろう.・しかしながら,もっとも屡々おき る疑問は知能と言語の間の連関にかんするものである..−r般にいわれる原理的なことからは,言語 がなければ思考は存在せず,人間にかかわりあっているような種類の知能も恐らく存在しないであ ろうとい.うことである.もし言語発達が疎止されるならば↓,知能発達はその影響を蒙るであろうこ とをこのことは意味するのである.もしも,正常な言語発達が心理的な過程と学習の正常な発展に 必要であれば,聾児の知能発達と知的な機能は,正聴児のそれには:比敵しないであろう.幼少期以来 の聾児の言語以前の経験すらも正聴者とは相異している.幼児以来の聾児の非言語的行為(Non-Verbal-behavior) (例えば知覚過程)は正常児とは違って定着化され,’構造化されているので,彼 の経験はAudition,聴力を含まないのである.幼少期からの聾児の言語的経験及び非言語的経験 を考察すると,真実の知的資質の現実化をそうした障害が阻外する可能性を否定することはできな い.この結論は極めて重大であるが,聾と知能遅滞は別個の違った実体として存在するものである という推測とは顕著に相異するものである.,も.しも,知能発達が言語習得上の制約にょって主とし       ● ・w      7

て対応的に変化するならば,その言語印雌ト(The language limitation) i^軽減されるとより正常

(3)

聾 の 心 理 学 的 考卜察   ダ ご'(岡本) 67 果論的問題,或は制約された言語のために生じた知能資質の現実化の困難の原因結果の問題など は,聾心理学の主要な研究課題である.聾がどの程度迄,影響力をもつが,・聾が幼児期におきたと きは,どう,かといったこ・とは,聾心理学の基本的な問題である;疾病,事故,或は遺イ云的要因が知 能遅滞をひきおこすご・と以外は,聴力夫聴が成人期に発生したときに,..聾と知能の間に関連を推定 すべき理由は存在しない.  このことは感覚欠損が成人期におきたときすら,あ心種の影響が思考過程におきることを否定す るものではない.ノ      \

   (聾と知能Deafness and intelligence)・ l       ・ `.‘

       d   ゝ  .        ■  ←    ㎜a f   ● .聾と知能の間の相関性の問題は他の考慮すべき問題を含んでいる.・その多くの問題の中でも重大・ なものの一つは知能か測定される方法である.知能の論及の場合,確認のために用ひられな方法. 技術の分析と批判が含まれねばならない.この問題は特に聾者の場合,深刻になってくる.非言語 的に知能を測定する際にみられる諸困難は複雑であって,それ自体に問題を含んでいる.もしも, 聾が言語習得における聴力の使用を阻害するのであればPre-Speech Ageヵ嘔の聾K対しては,

Non-Language Mental Tests が用ひられねばならない.この種の聴力損傷者は生涯を通じて

Language Handicap をもち続ける特長があるので研究対象の年令にかかわらずNdh-Language

Mental Testsを用ひねばならない.ある caseにおいては,言語が確実に確立し二定年数間正 常に用ひられた後に聾となった,人々に対してもNon-Verbal Tests を用ひるごとが必要である. そうした経過で聾となった者は読話(Speをch Reading)と.読むことぺReading)によって教授  (Instruction)を理解することができ,彼らはSpeech, Writing で容易に彼ら自身を表現するこ とかできるという推測は多くの事例において支持されていな’い. Nonverbal Test ・(非言語テスト) が,普通よく用ひられるがその場合, VerbaトTestsとNon・verbal Testsダとの間の類似と差異の 問題は充分理解されてな・ければならない.これらのテストは相当関連度は高いかまた本質的に・は知 能の連った側面を測定するごとはあきらかである.言語的才能を要求するテス・卜は, Academic Material卜の学習に要求される諸能力ともっとも密切に関連してい・る/’非言語的デストモNon・ Test)はこの種の学習の予診には有効ではない.この制約は聾及び難聴の研究にあたる心理学者に とって複雑な問題を与えるものとなる.こめ問題はテスト結果の解釈に考察問題として・あらわれて くる.言語制約をもつ聾及び難聴者に知能テストを実施するととに重大な問題が存在するのみでな ぐ,彼らに心理テストを用ひることに大きな問題がみられるめである.・即ち,所定めテストの使用 め場合め推測に問題かある.    /      \  ∧   l・・・・・・    ・  一

 例えば,.・すべてのNon-verbal Tests は等しく, Non-verbal・であるという洪通な推測がある.

しかしレこの推測は真実でないことが一般にあきらがにされているぺ若干のMental Testsで,゛

Non-verbalとして分類されたものの中にも斉しく, Verb‘al Ability (言語的能力)とされる能力

がなければとけない問題がある.更にまた,聾者と正聴者の同点の点数或は類似の点数をどめ程度 迄同一の意味をもっものとして解釈され得るかレま’だ,どの程度迄学習及び適応の成功或は失敗を 予診し得るかという問題がある/この問題は幼児期以来の聾及び柑当程度の難聴をもつ人々’の一切 の心理テスト研究にみられる困難である.若干の例にみられる’が,聴力欠損者が正聴者と同じテス ト点数を獲得したときもそれらの点数は特別な解釈を要求する‘ものである.テス,ト便覧を基礎にし ての解釈は必らずしも適切でない.普遍的な実例は知能テスト点数と学問的教科成績(Academic Achievement)の間の低い相関が聾の場合,正聴者に比しでみられるという゛ことである.あきらか に,顕著な言語制約をもつ人は正聴者と同じ点数を獲得する場合です.ら正聴者とは違うた心理過程 によって,テスト問題を解くのである.聾者も正聴者もともに同一問題を附与される時も,’その知

(4)

68 高知大学学術研究報告  第15巻  人文科学  第6号

-能作業(The Mental

Task)はそれを解くために利用される能力の基礎の上に違った問題となる

のである.このことは正聴者への利用と標準化から演綜されたテストの推測というものはかならず

しも同一テストが聴力欠損者に用ひられたときに妥当しないものであることを意味する.この一般

化(Generalization)はVerbal

Tests 又は Non-verbal Test

の両方に適用できるように思われ

る.それ故,心理テストはもっとも有効なものであるためには,聾,難聴者についてもまた標準化

されねばならない.

 のみならず,この特殊化された領域のこれら諸テストを用いる心理学者は科学的で臨床的に妥当

な仕事をするためには特殊な訓練と経験を必要とする.

 聾及び難聴者の知能の考察に際して考慮すべきは聴力欠損者の知能水準の拡がりは正聴者と同じ

ように帳広いということである.

 このことは,聾の程度或は発病年令のいかんにかかわらず事実である.多様性と個人差は考慮さ

れねばならない.丁度,普通の正聴者にみられるように優秀児,優秀難聴,普通聾,遅たい児など

の区別がみられる.

   (初期の研究)―Early

Studies

 Macmillan およびBrunnerの研究は別であるか聾及び難聴者の知能の初期の研究の大部分は

Pintnerによってか或はPintnerの共同研究によってなされた.

 Pintner時代の研究調査の特長はGroup

Tests を用ひることであった.

Pintnerは主として彼

自身のGroup

Tests のPintner

Non

Language

Mental

Test を主として用ひだ.この点は初期

の諸研究と近年の研究の重要な差異点である.近年の諸研究は主として,個人動作テスト型式の使

用によってなされてきたのである.個別テストは臨床的で科学的であるとして好んで用ひられるが

団体テスト(GroupTest)は大きなサンプルの使用か可能というすぐれた点がある.個別テスト

 (Individual Tests)を用ひる研究の多くは必然的に単独の学校からの小範囲のサンプルに限定さ

れたものであるが,このこと自体が聴力欠損児の知能にかんするあやまった考えの源泉ともなった

のである.聴力欠損児童の知能及び学力のもっとも包括的な調査はPintnerとReamerによって

なされた.この調査は全米の26のDeaf

Schoolの2,172名の児童を含んでいる.知能と聾の間の

相関の問題にもっとも深刻な批判をおこしたのはこの調査である.

 今迄の結論は概して普通の聾児は知能的には2年遅滞し,学業面では5年の遅滞がみられるとい・

うことであった.また2年の知能遅滞が存在しているので学業遅滞の5年のうちの2年は知能劣等

 (Mental Inferiority)に由来すると解釈されるといわれた.残りの3年の学業遅滞は幼児期に罹

患した聾がもたらした言語制約に帰せられた.しかし,こうした結論は基本的問題は主として,知

能劣弱の問題ではないという客観的証拠の増大とともに論及批判され始めた.即ち,聾児及び難聴

者の全体としての能力に知能以上に切実な意義をもつと思われる諸要因をあきらかにすること,客

観的事実を再検討することが必要である,とされた.

 Pintner の調査研究が聴力損傷児童の心理学的研究に拍車をかけたことはあきらかで,

Pintner

と他の協力研究者は他のテスト技術が必要であることを認識するにいたった.

 井言語動作テスト(Non・verbal Performance

Tests)が発展したのは少くとも個別非言語テスト

に対する必要に一部よるものであった.

 PintnerとPatersonはアメリカの最初の一組のNon-verbal

Performance

Tests を考案した.

 そしてこのTestは相当長年月,聾及び難聴者の知能研究に用ひられた.同時に,イギリスにお

いてDrever,

Collinsは Pintner,

Paterson と類似のTestを考案している.

1930年には別の

Performance

ScaleのGrace

Arthur

Point Scale of Intelligence がアメリカにおいて考案せら

(5)

       聾 の 心 理 学 的 考 察       (岡本)      69

れた. Drever, Collinsの調査か聾児はテストを基礎にすると知能的に劣っていないことをあきら

かにしたので, MacKaneは利用可能な3つのNon-verbal Performance Tests を用ひ調査を実施

した.彼の調査結果によると, Pintner―Paterson Scale とGrace Arthur Scales は聾児が正聴者

より約12点下位の点数であることを示し, Drever-CoUins Scale の点数は聾児,正聴者ともに高い

ものであった. MacKaneはDrever―Collins Scale は標準化か適切でなく,そのために,不当に

高い点数が結果したと結論している.このことはSchickの調査で更に実証されている.別の動作

知能テスト(Performance test of intelligence)は Ontario School Ability Examination であ

る.このテストはOntario Deaf School のAmossによって考案され学校の聾児について標準化

されたものである.このTestを用ひてのその後の調査はMorrisonによってなされた.

 Brownは団体検査のChicago Non-Verbal Examination を考案し数多のDeaf children の研

究に用いた.

 Brownは更にGrace Arthur Test の結果と, Pintner Non-Language Test の相関の調査を行

なった.

 数多の初期の研究者は, Draw・A・Man, Porteus Maze Test の如き単独テストを用いた,こう

した聾児の知能評価のための研究は組み合せテストを用ひてのテスト結果と比較対照されている.

PetersonとWilliamsは最初Draw-V-Man Test を用ひ,このテストは数名の研究者によって数

年間継続研究のかたちで続けられた.この種のテストは近年臨床的にも科学的にも有用性を増して

いる.しかし,種々違った多くの結果か聴力欠損児童に用ひられた場合に報告されている. Peterson

とWilliamsはI. Q 80 段階をShirley Goodenough 88 Springer 96 段階を報告している.し

かし,これらの諸研究に用ひられた見本(Samples)が余りに限られていて. Deaf School の

Random Samples の一般知能水準を示すものと考えられないことは今日一般’に認められている. 稀らしいことではないが,単独の学校でこのようなTest Survey が,なされた場合に,知能にか んする多くの研究にはこの種の批判は屡々みられるところである.この研究初期の時代において は,学校によって入学基準(Admission Standards)の点て差異が目立っていた.このような多様 な入学基準は得られた諸結果にあきらかに関係するものであった.基準の幅がある場合に幅広いサ ンプル設定を調査に必要とすることは勿論であるが今日は入学手順,入学資格要件の画一性か以前

に比して遥かに多く一般化,共通化している. Zeckel‘ Van der Kolk ほ先天聾と正聴者の比較研

究にPorteus Maze Test を用ひて,聾児は知能的に遅滞しており,聾少女は聾少年よりもより劣

等であると結論している. ZeckeL Van der Kolk らの説明によると,出生以来の聾は概して心理

過程にある種の衝迫をうけ,顕著な言語制約は知能発達に恒及的な影響を結果するものである.  これら初期の研究者が聾と知能の連関を強調したことは興味のあることである.彼らは劣弱な知 能と聾の2つが存在するとはいってないが知能欠損は聾それ自身の相互規制的影響に帰せられると なしている.  この考へ方は重大であって,後の研究にもこの種の関連性は大きく扱われている.  PintnerとPatersonは種々異った型の調査を行なっているがこれらは注目すべきものである.

この調査は聾児の学習能力の調査であってDigit-Symbol Test とSymbol Digit Test を用ひた

のである.これらのテストはシンボルとアラビヤ数字を,次にアラビヤ数字とシンボルを結びつけ

ることを学習する迅速さを測定するものであった.この種の調査を聴力欠損児に試行するのは初め

てのことであった.爾後少数のこの種の調査がなされた.こうした調査の重大性はそれらが引き出

した結果によって示唆されている. Digit-Symbol Test のSampleは992名, Symbol-digit Test

のSampleは1,049名であった.彼らは,聾児は聴力児童(正聴児)の平均より2年内至3年下で あることを発見した.

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 70         高知大学学術研究報告  第15巻  人文科学  第6号

単にこれらの結果を見ることは充分正当化されない紅のヵ俤る.

Chicago Non-verbal Examination

は29のSymbol-Digit

Tests を含むがそれらは更にこの種の聾児の学習を研究するために用ひら

れた.これらのテスト結果について討議でもあきらかにされているように,これらのテストの点数

はDeaf

child の一般的遅滞の客観的証拠とみなされ得るにはいえこないよう痩ヽある.むしろ.これ

らのテストは象徴的言語的学習を具体的に測定するもめ]で幼児期から蛍大な聴力欠損をもつ児童に

この種の能力の予診に自信をもって用ひ得られるものであ'る,

 近年の諸研究;感覚欠損が学習及び適応に対してもづ意味連関は近来の多くの研究者の心をとら

えた問題であった.こうした研究を通して,われわれは感覚欠損の複雑な交錯にかんして多くのこ

とを学びとるだけでなく,同時に,すべての人間の行動ノ(Human

Behavior)に・かんしても,学び

とることが多いのである.

Wechsler

Ad‘ultIntelligence ScaleとWechsler

Intelligence Test

for Children の広汎な使用以前はもっとも広く用ひられた行動テストは Grace

Arthur

Point

Scale of Intelligence. Form

l. The Leiter International Performance

Scale, Wechsler Belleue

であった.その他のPerformance

TestはThe

Grace Arthur Point Scale of Intelligence Test,

      i  l・

Revised Form

II. Hiskey による年少聾児学習適性Nebi・aska

Test である.

 HiskeyはDeaf

School

の学童について標準化を行ぴに近年は普通児の・ための知能発達規準が

用ひられるようになった.動作テスト(Performance

‘ Tests)か今やすべての臨床心理研究に用ひ

られるようにな・つたのは意義深いことであるレ    よ       ご

 知能テストの初期の研究と対照して.

I. Q.の平均点は特別重大な結果とはみなされないのであ

る. Rapaport, Weschlerの研究はSub-Testの分析と解釈の重要性をあきらかにした.

 この強調は聾児と難聴児の知能の研究にも適用され名ことになうた.総合動作テストが聴力欠損

      ●      1  °j    i

児童に初めて用ひられるようになったときも,聾児の一般知能段階の更なる探索を実践することが

必要であったので依然として一般I.

Q. の重視は続いたのである.

 心理学者・は強度の聴力欠損児は知能遅滞であるという可能性を研究し続けた.この種の研究は,・

Schick, Sreng, Kirk, Myklebustと Burchard・によってな岑れた.これらの研究調査の結果は

個別行為テストが用ひられた時にDeaf

School Childrenは平均知能Average-Intelligenceであ

るということであった.こうしたテスト結果め発見事項はPintnerめそれらとは矛盾するもので

あ・つた.聾児は知能的に劣等でないという発見事項について,は多く・の他聾心理研究者め疑問を誘発

した.現場教師の多ぐの人々は,聾児にがんし七関心をいだくようになってきたが,彼らの発見し

たことは,聾児たちは,知能的資質は普通或は普通以上めものをもっととが見出されるが,然し,

瓜々・知能的能力に対応して教科的学習巡成を示す能力は示どないということである.次第に,聾児

は聴児に知能において数量的には等じ・い・ものをもつものと考えられるが聾児の知能的機能(Mental

functioning)において重大な質,的差異が種々みられ,.これらの差異か究明さるべぎであることがあ

きらかとなってきたのである.

 Verbal

Test に比較される勁作テストめ測定結果はいかなる!ものかという問題が重要な研究問題

どしてとりあげられるようになっ゛だ.      卜・      , . ‥   こ

 Grace

Arthur Test は Academic

Achievement

の予診に特記有効ではないことはあきらかに

されている.その上,このようなTest・では平均値の範囲内の点数を獲得することができるがより

複雑な知的行動を要求するTestでは平均値以下の点数しか習得できないことがあきらかになって

きた.このことは,

Birchの研究において特に実証された.彼らはAcademic.

Learningで著しい

制約を示すDeaf

School Child はGrace

Arthur, Form

Iでは平均値範囲内の点数やHiskey,

Wechslerを獲得,したがLeiter

Scale 及びGoodenough

Draw-A・Man

Test では平均以下の点数

であった.これら2つのTest

Scoreの間の一致度は極めて高いものであった.各種類型の知能検

査が聾児にかんして示した多様な幅のある発見結果ば本質的な問題を心理学者や教育者に提示した

(7)

聾 の 心 理 学 的一考 察      (岡本) 71

のである.聾児か平均値以下に位置するテストは知的資質の程度をあきらかにするには適切であろ

うが,聾児には不適切な評価方法であると研究者に結論させるにいたったのである/しかし一方で

は,他の研究者は各種の違ったテスト結果が,若しも聾というものが他の要因よりもより多く特定

の心理的過程の発展に形響するとすれば当然期待され名こ・とを強調したのである.

 幼少期より顕著な聾をもった児童は,それ故もっとも影響されると思われる心理過程を測定する

これらのテストで劣悪な結果を示すことは当然予想されるところである.

Heider, Oleron. Templin,

Myklebustは,聾児は抽象化及び推理過程の型式の作業を要求するテストでは平均値以下に位置す

ることをあきらかにした.

   (性格発展と情緒の適応)  文献及び民間伝承から,身体的要因と情緒的要因の間の相関性について数世紀の間にわたって,・ ある種の推測が生き続いていることを知っている.ギリシャ,ローマ帝国時代を通じて秀れた体格 ということが最重要と考えられていた.身体的欠陥に対しては苛こくな扱いがなされ,歪んだ肉体 には歪んだ精神か宿るという推測が一般化して行きわたっていた.身体的障害(Physical Handicap) と精神の異常性の連合という考へは感覚欠陥をもつ人々にまたかかわり合うものであった.聾児及 び盲児は屡々小説家によって典型的に秘密へきのある,疑感心の強い残忍な性格として描かれたの である. Brunschingは文献においてそのようなcaseについて調査を行っている.大半の正常者 の集団とは相異する人々に対する一般公衆の感情と態度はそれ自体研究対象領域である.この種の 問題の考察において, Minority Group としての聴力欠損者につ.いて考えてみることが便利である. 彼らは,普通人とは違った特異なものであるので偏見の対象とされるのである.彼ら’は就職や生活 の場所などまで差別されがちであったし,今日も全然そうした差別がなくなったというわけではな い.このような態度や考へ方一般というものは人間に害毒を与え心を低劣にさせるものである.聾 と人格適応との間の相関性は存在するであろうが客観的研究のみがそうした現象(Phenomenon) を適切に記述説明できるものである.のみならず,そうした限定並に客観化の後に初めて効果的な 適応計画が展開され得るのである.感覚欠損の人格性に及よぼす影響の研究はあらゆる人々の理解 に際しても重大な意義をもつものである.  聾と精神病理学の関連にかんする知識は,ヒステリー,幻覚,心因性聾(Psychogenic Deafness) 不安神経症(Anxiety Neurosis)及び精神分裂(Schizophrenia)にかんするわれわれの理解に役 立ち得るのである.  人格性(Personality)との関連においてなされる聾の研究は人間の行為の重要な側面にかんして 多ぐの問題を提起するものである.      ..  幼児よりの聾者は人間が直面する問題の中で最も困難な問題即ち言語聴手ができないで文化の言 語を獲得するという問題に直面させられるのである.伝達不能のPersonality Development C人格 性発展)への影響はどのようなものであるか,この問題はPersonality Theoryの展開の上,緊要 な分野に関係するもので,言語の自我の発展及び性格の一般構造に及ぼす影響にかんする知識の必 要を求めるものである.       べ  しかしながら,’聾心理学において,問題は言語制約に限られない,聾の嬰児は母親の・baby talk cooingをきかない.自分自身の或は他人の笑い声も叫びもきかない.屡々言葉自体よりもより多 くの意味を荷担う屈折や抑揚のある言語をきくことはできない.たとえば, Motherということば は腱々話されるが,・そのことばの話されかたによって,それぞれの場合違った意味をになってい る.偏見が普通,父から息子に伝えられるのは,恐らく暗示やあてこすりなどを通じてであろう. 科学的な証拠は欠如しているか,‘聾の経験ある教師は幼児からの聾者は屡々,普通人を特長づける

(8)

 ア2         高知大学学術研究報告  第15巻  人文科学  第6号

Taboo(禁忌)と同じ偏見並に感情を身につけないことを看取している.また,次に騒音と称せら

れる無数有声音でない音をきこえないことの情緒的意味はどのようなことであるか,大の吠える声

をきかないということは恐怖感を刺戟するものか,それとも恐怖感をなくするものか,やわらげる

ものか?,こうした問題は,聾心理学のみならず人格心理及び社会心理学にも重大である.これら

の諸問題は性格発展や精神分析の同一化の基本的側面への考察にわれわれを導くもので,もともと

それらの問題は精神病理学に興味をいだいた心理学者や精神分析学者の注意を集めていたものであ

る.精神分析でいう同一化(Identification)は友だち特に同性グループの諸感情および態度の無意

識な発展をさしていうのである.性格の変調は例えば,女性が男性に同一化する場合とかに生じる

case もある.同一化の現象にその他の多くの要因が含まれていて,自分の家族,地域社会,・同社

会,世界,人類などに対する態度が含まれている.

Myklebust及びMowerrが強調したように,

同一化は基本的には言語習得それ自体に関係しているように思われる.もっと,概括的にいえば,

聴覚は同―化の感情の全体としての発達において重大な役割を果たすものと決定的にいえるのであ

る. 逆に,個人と個人の間の関係(Relationship)を強める多くの音かき・かれないときにそうした

感情を発展することがより困難であると推測することができる.同一化か制限される場合に,それ

が自我の発展(Ego Development)において特に何らかの反映があることまた Bowlby,

Spitz.

Golafarb, Ribbleの研究で示されているように乳幼児期のPersonality

Deve】opmentと人格構造

にも重大な影響を与えるものである.彼らは言語以前の経験は爾後の情緒の安定に重大であること

を強調している.彼らは孤立化,刺戟の欠如,幼児と両親め間の相互作用の欠如は児童の情緒的成

長に破かい的影響を及よぽすことをあきらかにしている.この重大な関連は乳幼児から聾のものに

は顕著である.

Pelletがのべているように,そうした聾児は長い言語以前の期間をもっていて,手

話を身につげるがそれ迄相当長期間Non

Verbal である.しかも尚,同一化すること,一致する

こと,衣服を身につけること,自立すること,自分の環境と適切な情緒的関係を維持することを学

ばねばならない.平衡が確立され維持されねばならない.聾者は社会の要求と期待について学習す

る重大な器官を奪われているか,自分の環境事情と内面的な要求との間の適応をなさねばならな

い.聴覚欠損者の情緒的適応において孤独(Isolation)程重大な要因は存在しない.

 このことから,われわれは孤独は聴覚欠損から結果するといえる.

Antennaeのような,距離感

が欠損されている.多くの分脈(Ramifications)が心理学者によって明示されている.

 個人の聴手内容の把持,吟味の機能の損傷や環境の状況及び変化にかんする知識を自動的に聴覚

が提供する仕方にも多様性がみられる.聴党は単に外部的なできごとにかんする知識を提供するの

みならず,それは,われわれの思考と感情を方向づける手段を提供する.

 Hebbはこの聴覚の機能の重要性を人工的な感党欠損の実験によって強調している.即ち,正常

な人間を孤立化し,感党的刺戟を奪い,他の人々と隔離した状況にすると神経の乱れと幻覚発生の

状況に陥入ることか示された.自分自身の感情並に思考を統御し吟味する手段をもたないことにな

る.明らかに,情緒の安定(Emotional

Stability)の維持のための基本的な規準は,要するに持続

的に自分の思考と感情とを他人のそれらと比較できることであるといえる.この種の刺戟受容は現

実を的確に把持し続けて自閉症的行動に逃避しないためには緊要不可欠のことがらのように思われ

る.聾がみられる時,特に幼児期より継続して聾である場合,人間の諸感情,態度,思考の受容,

育成はより困難である.そうした聾者は正常者に比してより隔離され,自閉症的状況におかれると

いう意味で正聴者よりもより孤独である.大半の聾者はその程度が中度程度の聾者の場合ですら正

聴者とは他の手段,特に視ること,接触することを通して,事象の受容と現実的な接触をしなけれ

ばならない/難聴者の研究から補聴器の使用はこの問題を緩和はするが決して除去はしないという

ことを示している.明白に中度難聴の成人の場合も若干程度の孤立化の結果がみられる.

 このような事実からしても,知党表象受容器官の欠損,或は障害は聴力欠損者の人格の力陽性

(9)

       聾 の 心 理学 的 考察      (岡本)        ア5

(Personality Dynamics)への実質的な結果の要因と推定される.聾は多様な様式の孤独をもたら

す.聾児の家族との親密な接触は聴力欠損児童に日常的できごと並に環境事情について報道知を与

えることは極端に困難であることをあきらかにしている.現象,事態の実体を的確に説明すること

はそれ自体,聾児の両親の側に忍耐と成熟が要求されるのである.

 誕々,意志伝達交流(Communicate)する能力の制約の故にそのような事実説明は与えられ得な

い. このことは窮局的には聴覚を通して,現実の世界を把握省察し得ないことから結果する問題で

ある.さまざまの感情,態度,性格の基底を形成する全体的な経験の欠陥が存在する.聾と性格発

展と情緒上の適応との間に相関性(Relationship)が存在するということは仮設として従来いわれ

てきたところである.現在,聾は経験を変更し,経験受容の障害を惹起し,聾者を隔離,孤独化に

追やるという推測が存在している.更にまた言語は個人的社会的接触と相互交渉の発展における重

大な要因とみなされている.言語はそれによって,経験が内在化し,結晶化し構造化される主要な

手段であると推測される.それ故,言語が制約されるとき,経験を統合する能力において相互対応

的な制約が考えられ,また,性格の構造や成熟度やデリカシーなどが正聴者に比して未分化で抵劣

なものとなり,病的意識がより相対的には多くなることも考えられる.この問題は聾心理学の基本

的な研究課題である.聾の心理的結果の研究において,2つのもっとも緊要な変数要因は罹患年令

と聴力損傷度である.不幸にして調査の客観的証拠は,これらの要因の特殊な影響に比較して乏し

い.

   (性格の研究)

Studies

of Personality

 幼年期からの聾児の情緒適応の研究は困難にして科学的な問題を提供している.

 過去においてよりもより初期の年令段階において,聾児の聾の発見はなされるようになったが,

診断される平均年令は約2年児である.感覚欠損は,聾児が研究対象としてとりだされる以前に相

当期間存続していたものと思われる.この問題点のみならず,更に,困難な問題は年少の非言語的

児童の性格発展研究の技術の不適切性である.投影法(Projective

Techniques)を含む情緒的要

因の評価のためのテストは,人々に周知されているように,言語的な容易さに依存している.言語

期以前の年令(Preverbal

Age)からの幼聾児のための二つのもっとも有用な手法は自由遊びテス

トと抽画テストである.不幸にして,この年令集団の客観的研究は限られている.初期幼児期の聾

の羅患兄の調査研究は今までなされてきたが,しかし,そうした・調査研究はある程度の言語習熟

(Verbal Facility)を習得した聾児にして初めて可能である.苓が中度或はもっと軽度の場合とか

羅患が言語習得後の場合とかはこの手続きの問題はその重大性がより緩和されるがしかし聾の相対

的な影響度を探索するには.

Presbycusicを合めてあらゆる年令段階のものを研究する必要がある.

知能の領域においてと同様に聾との関連における情緒的要因にかんする初期の仕事は Pintnerに

よって着手された. Pintnerの指示の下になされた諸研究は児童と成人の両者を含むものであった.

 Brunschwigと共に彼は聾者用の特別性格検査を創案したのである.これらの性格テストは言語

制約を克服するこころみで簡単な用語の質問紙法であった.これらのテストは正聴児の統制群を標

準化したものであった.

 Pintnerは用ひられた教授法,家庭における他の聾者の存否,羅患年令,その他の変数要因など

を基底として,聾集団の比較を行なった.

Pintnerは正聴者に有利な差異点を多く発見したが,性

格適応(Personality

Adjustment)の.点においては聾児と正聾児の類似性を強調している.家庭に

他の聾者例えば,聾両親がいる通学児は他の聾児よりもよりよく適応していることが見出された.

恐怖の研究において,正常者との差異は極めてわずかなものであったが,しかし,聾児の恐怖は正

常者に比して,より非現実的である傾向が看取された.

(10)

  ・74      高知大学学術研究報告  第15巻  人文科学  第6号

  更にまた,聾児は後のより大きな報酬よりもむしろ現在の直接的な満足の方を選びとるものであ.

 る.このことから,彼は聾は情緒の未成熟をもたらすことを結果すると結論した.

  springerとRos!owはBrowu

Personality Inventory を用ひて,聾児の情緒安定を調査してい

るが,その調査では知能と社会経済的状況のー対比較を行なった.それらの調査で彼らは聴力欠損

者において情緒障害的傾向が正聴者に比して遥かに高いものであることが見出された.

  SpringerはHaggerty・Wickman

Olson Behavior Rating Schedulesを用ひて.

377名の聾児

 と415名の疋聴者の比較研究を行っている.この研究でも聾児はより多くの問題傾向をもっている

 ことがあきらかにされた.

  MyklebustとBurchardも同一の技術を用ひて寄宿舎学校(Residential

School)の187名の学

章調査を行ったかその結果も聾児が高い問題行為の顕現率を示すということにおいて,

Springerの

調査結果を確証したのである.

  生来聾グループと,後天聾グループの間,或は4年以上学校の寮舎にいたものも,或は4年以下

 のものも間にも差異は見出されなかった.

GregoryとNa石nは聾の社会集団と相互関連性(Social

 grouping and Relationships)に及ぼす影響調査を研究した.

Nafinの報告によると言語の制約は

 青年期以前において劣等社会集団構成を生じる傾向がみられるが青年期以後は正聴者とその点では

 差異はみられない.しかしながら,聾児は遊び友だちとして,他の聾児を求めることを強調してい

 る.

 Gregoryは正聴者と比較して,聾児は適切な社会的人間関係の形成で劣るものであると結論して

 いる. Pelletは幼年期からの聾者にかんして興味のある調査を行っているが先づ聾者の思考過程を

 分類し,聾者と正聴者のそれとの比較研究をPiagetの研究方式に従って実施している.

Pelletは

 聾者は正聴者よりより進攻的で競争的であること,聾者の指導者は組織及び活動の指示よりもより

 賞讃(admiration)に依拠することを発見している/更に亦,彼は,聾者は正聴者に比して情緒的

 により未成熟であること,このことは言語の制約に関連していることなどを発見した.更にまた

 Pelletは,聾者は正聴者に比して,情緒的により未成熟であること,そしてこれは,言語の制約に

 関連していることなどを発見した.その後の実験結果も,これらの観察と一致する傾向を示してい

 る.Lyonは,聾青年の情緒成熟を研究したが彼の実験対象は87名の男女を含み,寄宿舎制聾学校

 の平均年令19才のものたちであった.彼は,

Thurstone Personality Schedule を用ひて調査した

 が普通のものに比して,2倍多くの適応不充分の聾者か存在するようにみえた.聴力欠損の成人に

 ついての調査は極めて少いか,

PintnerはFusfeld,

Brunschwigらと共にBemreuter

Personality

 Inventoryを用ひて,聾大学生と,正聾成人の比較調査を実施した.その調査で,聾者は正聴者に

 比して,わずかによりNeuroticであり,またより,内向的で,より服従的であることが発見され

 た.

 Wellesは,亦B・ernreuter

Testを用ひて,難聴者の情緒適応の調査を行ったが,これは正聴者

の成人を(Control

Group)含んだものであった.彼は難聴者は正聴者に比してより内向的であり

Neurotic Type

の問題をより多くもつものであることを報告している.

Heiderは成人聾の社会的

及び情緒的適応を研究する目的で質問紙法を用ひだ.調査対象の個人は正聴児童との初期の生活経

・験や聾となることによって,失ったものや社会的人間関係は卒業後,どのようなものであったかな

 どについて記入を求められたHeiderは聾者の若干のものは正聴者との接触を回避することを発

 見し,これはある種の聾者の現実的な適応であると結論し,ている..

  これらの初期の諸研究は,聾は情緒の成長の障害,不安定,不適応の誘因となるということでは

一致している.しかしながら,これらの関連性(Involvements)の本質は明確ではない;用ひられ

る技術(Techniques)によって,恐らく解釈されるものである.

Minnlseat

Multiphasic

Per-sonality Inventory のような少数の調査表を除去して,

cの種のI Test は性格障害の諸領域を明確

(11)

       聾 の 心 理 学 的 考 察      (岡本J      75

化したり,性格障害以外の要因を診断的に明確化するものではない.むしろ,調査目的は普通人と

比較しての障害度を主としてあきらかにしようとしたものである.これらの調査方法のもう一つの

限界は,それらが言限的資質(Verbal

Facility)を要求していて,幼少期から聾をもつ大部分の個

人に適用する場合丿えれら.の使用と妥当性を制約するものであるということである.しかし,‘また

一面,これらの結果を無視することは他の方法を用ひての最近の調査は,これらの調査者によって

示された諸傾向と不一致ではないので,決して妥当なことではない.更にまた,性格の研究の他

の諸方法は特に聾者に用ひだ場合,限界をもっている.現在,性格投影テスト(Proiective

Tests

of Personality)は共通に用ひられていて,この方法は聴力欠損者にも次第に適用されつつある.

McAndrewは聾者と正聴者の比較研究において,

Rorschachを用いた.

McAndrewの調査対象

は聾寄宿舎学校の25名の学童で,聾は行為において,正聴者よりより融通の利かないものであると

結論しているi

LevineはまたRorschachを31名の聾児のGroupに用いた.しかし,その調査結

果によると,聾児は概念的思考において劣り,興味も限られ,正聴者に比して情緒的に未成熟であ

った. Rorschach

Testは聾児の調査に有効であるが,このテ不トはまた高度に言語的能力に依

存している.

Rorschach

Test

は適切な言語か獲得された後に初めて用ひられ得るものである.

Nephusによ゛つて示されたように,言語能力は,

Rorschach及びRotter

Incomplete

Sentences

Testの作業に関連しており,言語が良ければそれだけ,性格ヒナ型(Personality

Pattern)はよ

り正常化するのである.この種のTestの類は聾者に用ひる時に充分にこの相関性は考慮されねば

ならない.のみならず,正聴者に比して,聾者は屡々実質的にわずかの反応しか示さないものであ

る. このことは,Levineによって発見されなかったが,彼女の調査は小規模見本(Small

Sample)

であって,選択的要因が作用していると思われる.

 臨床的にRorschachを用いる際の多くの問題のうちの一つは普通の成人聾の場合においてす

ら,妥当性と信頼性を保証す名に充分な反応を入手することが困難であるということである.更に

また,聾者は屡々現実に自分か見るものをのべることはよりは,むしろ自分が知っていることばを

用いるように強ひられることはあきらかである.それ故に,

Rorschachは・,聾の性格への影響の研

究及び聴力欠損者の臨床的研究に有効であるが■

Rorschach以外の技術か発見されねばならない.

このこ・とは特に,年少の聾児や言語的習熟が年令に比して貧弱であるものには事実緊要なことであ

る. Bindonは興味の・ある可能性を示唆している.

RorschachとともにBindonは言語的能力に

よらない描画物語テスト(Make

A Picture Story Test)を用いた.被験者は各種の背景の上に人

形を置くことによって,描画するのである.換言すると,被験者は背景を用意しているcardに人

間を選定し登理することによって物語をなすのである.従って,被験者はPicture

Story をなすの

である.

 採点は,客観的である.

Bindonは風疹聾児の性格特長と他の病因による聾児のそれとの比較研

究のTestの一つとして■MAPSを用ひだ.・Bindonは両グループの間の差異は発見しなかったが,

しかし, Rorschachでは強い硬直性を示したが,

MAPSは精神分裂症的徴標を示した.年少聾に

用ひられる別のProiective

Techniques

はSzondiである.このTestの課題はもっとも類似し

ているものと,もっ’とも類似していないもの(絵画)を選定することである.大半の他の投影法

ダ(ProiectiveTechniques)の場合においてよりは,

MAPS・及びSzondi≒Testsの場合において,

言語上の習熟はそれ程,重大な役割を果さないのである.聴力欠損の情緒の成長及び情緒的適応へ

の影響の科学的評価の有効性をたしかめる方法の評価が実験的に現在なされている.

 聾者と難聴成人の情緒的適応; これ迄の研究は聾と性格要因の間の相関性を示唆している.し

かしながら,これは広汎な探求がなされた上でのものでなかった.しかも,多くの推測は主観的性

格のものである.心理学者と精神医学者は屡々聾をもつ人々は疑ひ深く,偏執病的傾向をつのらせ

ていると推測してきたのである.これは真実かそれとも単なる仮定か,教育者の中には幼少期から

(12)

 76         高知大学学術研究報告  第15巻  人文科学  第6号

聾のものは聴手内容の意味の自党,認識か欠如しているために,情緒適応はよりよいと主張するも

のもいる.しかし又別の現場教師は難聴となった人々は,聾でもなく,又,正聾者でもないという

あいまいな状態であるためにもっとも大きい情緒障害をもつと主張ずるのである.これらの現場教

師の観察事項を検証し,他の方法で,聾の情緒的影響を探求するために,成人の研究か始められて

いる.調査対象は二群で,−群は成人期に聴力損失の始まった難聴者であり,他の群は初期の生活

に罹患した聾である.

   (難聴者)

 読話と話しことば; 読話は憲味と唇の動きとの連合によって話し手のことばを理解する過程で

      ¬■ −

ある.読話はある程度迄,あらゆる人々によって用ひられる受容的な言語過程(A

receptive

Lan-guage

Process)であるか,しかし,重度の聾をもつ人々にとって,切実な問題である.話言葉

 (Spoken Word)が普通の受容器官(経路)を通して受容されない場合(聴覚)ある種の他の手段

が用ひられることが緊要となる.読話(Speech

Reading)は視覚によるものである.聾及び難聴

の教育と社会復帰のこの種のcommunicationの強調は多くの世紀の歴史をもっている.

 言語能力を発展させるための基本的な方法として視覚手段以外の方法に訴えたものは,極めて稀

であって, Gaultの仕事はその例外の中の一つである.

Gaultは,話し言葉を発展させる主要な感

覚器官として触党器官を使用することの可能性を実験した.この研究方法(Approach)は再び科

学的な研究者から注目をうけつつあり,おそらく,事実特に補助的感覚通路としてより効果的に用

ひられるであろう.いまここでは今迄発達してきた各種の方法を批判しようとするのではなく,む

しろ,読話過程の本質にかんする問題を考察しようとするのである.そして,今日,この言語体系

の発達において含まれると思われる心理学的な要因を分析するために,種々のこころみがなされて

いる.

Kitsonの初期の仕事は総合する能力のような諸要因はこの技術を達成するに重大である.

これらの能力は聴力欠損者の多くの教師によって推測されている.

 しかしながら,読話技術を達成するに重大な諸能力はその発見がまだ充分効果的になされてはい

ない.読話の技術を達成することは,言語体系の技術を発達させることであり,また,言語的行為

 (Verbal Behavior)の類型の技術を発達させることである.読話は話し手の唇の運勁からシンボ

ルをまた他の雲気的手掛りから符号を発見したり,

Symbolを適切な経験のまとまりに内面化した

り,その符号に正しい意味を附与したりすることにおいて手早さ,習熟性をもつことを当然,予想

するものである.この過程は話し手が話している間の唇の迎動(Lip

Movement)を知的に把持し

記憶する能力やこれらのロ唇の動きを系列化し,順序づけ,適切にまとめたりする能力や,それら

を経験と結びつける能力を含むものである.言語が聾に関係するので,言語に関心をもつ心理学者

はこれらの諸能力を客観的に測定する課題にとりくんでいる.こうした方法によってのみSpeech-Reading

Processの知識は深かめられ,視党一言語Communicationの組織を獲得せしめるにも

っとも効果的である方法論(Methodologies)を指示したり,学習成功を予診したりすることを可

能にするものである.

 受容的言譜体系(Receptive

Language

System)であるが,これを分析するのみならず,言語を

習得し使用する器官としての視党器官(The

Visual Avenue)を分析することが必要である.言語

を獲得する様式(Modalities)としての視力と聴力の間の重大な差異は存在しない.聴力は命令受

任者的のものであって,直接の注意を要求するものではない.聴覚は同時にあらゆる方向に投影さ

れる感覚器官であるので,正聴児童は意志的に,話し言葉に注草していても,いなくても聴力範囲

内の話言葉をきくのである.のみならず,正聴児は暗黒の中や壁を通してもきくことができるので

ある.このことに,比べると,言語の獲得のために視力は遥かに効果性の低い用具であるというべ

(13)

       聾 の 心理学 的考察      (岡本         77 きである.  読話の為に,顔をむけていなければならない.若干の点において,それはReadingに比較され るが,しかし,読話はこの点において,より大きな問題を提示している.読書の場合は,個人そ れ自身のみにかかわる問題であるが,読話者は読話者の要求に話し手が適応しようという意志をも. つことに依拠するものであり,話し手がそうした適応をなし得る事態にあるか,否かということに も依存するものである.このかたちのCommunicationは視力によっているために,それは近接  (Proximity) 'M切な採光,両者の間に遮断物のないことなどの必要によって更に制約されている のである.丁度,人が多くの他の種類の仕事を遂行しながら読書できないように,読話による聾  (難聴者)は他の活勁に従ひながら,他の人々とCommunicateはできないのである.  本質的には,このことは視覚の本質によるものであって,基本的な言語体系(LanguageSystem) を獲得するに器官として必要な要件を容易には充足しないからである.

 心理的要因と読話能力; 読話を研究した初期の調査者の中には1 Story, Nitchie, Pintner,

Kitson, Heiderがあげられる.

 Utleyによって発展させられたSpeechreading Testsを改訂した研究者もいるが,もっとも広

汎にかつもっとも広く用ひられたものは,このUtleyのものであった.

 Pintnerは読話と知的能力の間の相関は発見しなかった.これはしかし,経験を基礎としても,

非論理的である.言語体系(Varbal System)のような学習は他のTypeの言語行動の研究におい

て発見されたように知能と関連していると推定されるからである. Costells O'Neill, Simmonsら

の研究調査から,今日あきらかなことであるが,測定評価か適切になされる場合,この言語機能は 各種の知的能力に顕著に結びついているのである.  Costelloは受容的言語としての読話の研究では注目すべきDeaf Psychology の秀れた研究者で ある. Costelloは孤立化された単語や文章から成立しているTestを改正し,教師の評定の使用に よって,その妥当性を確立した.  Costelloは,聾学童と正聴学童とを研究し,その評価点数と若干の心理学テストの結果に関係づ けた.その結果では,難聴者は聾者よりすぐれていた.聾者には性差(Sex Differences)は存在し ないが難聴者の婦人は男子より秀れていた.正常学童は言語能力において,女子優秀という性差が

屡々報告されている.(Knox Cube Test, Digit Span, Wechsler ’Picture Arrangement,

Progressive Matrices Test)

 読話とよみの間の相関性を研究するためにGates Reading Test が用ひられた.’

 Memory Tests ではVisual Digit Span が読話の能力に著しく相関している.このTestは

Symbol (Numbers)の記憶から成立している. Knox Cube Test はSymbol ではなくて運動の

順序の記憶をTestするものである. Knox Cube Test の発見事項を基礎に推定すると,要因と

してのSymbolの順序の記憶力は読話能力(Speechreading Ability)に関連している.逆に人が

この種の記憶に欠陥をもつと,このCommunicationの手段を学習するこ・とか困難であることを発

見することが予想される. Wechsler Picture Arrangement Test の点数も聾児及び難聴者の読話

能力に重大な相関性をもっている.このTestは社会的事態を知覚し,理解する能力を測定する.

このテストは社会的知能(Social Intelligence)のTestと考えられる.それは強調したり,他の

人々との関係を洞察する能力を含んでいる.

 このTestの点数と読話能力の点数とは顕著に相関しているので,われわれはWechsler Picture

Arrangement Test によって測定される諸能力は,視覚−言語過程(Visual-Verbal Process)の

中に含まれていると推定せねばならない.更に逆にいえば,社会的事態を認識理解する能力の低い

ものは,読話の学習が困難であることを発見することが予想されるということである. Wechsler

(14)

78 高知大学学術研究報告  第15巻  人文科学  第6号

側面の測定となるものである.自己認識能力,他者認識能力,人間関係維持能力などは読話能力の

母体の一部であるということはPersonality,

Interest Patterns 研究資料によってあきらかにされ

ている.

 Costelloのもうーつの注目すべき発見事項は読話の点数と難聴者のi)漏びessive

Matrices Test

の点数との間の重大な相関である.のみならず,よみの点数と読話の点数の間に相関かあるという

ことは,言語的行動の類型で高い点数をとる個人はまた他の言語的機能においても,習熟性を達成

することを示唆するのである.それ故,主要な決定要因は内部言語のゆたかさである.要するに,

Costelloの発見事項は読話と特定の知能の要因は関道し合っているということを示すものである.

この両者の関連について更に多くの研究が必要とされている.

 読話と知能; 聾児言語発達全米研究会において,教師はExcellent,

Good,

Average,

Fair,

Poor に分かれている.統計的分析を通して,これらの評定はDraw-A-Man

Test, Columbia

Vocabulary

Test, Picture Story Language

Testの点数と比較された.すべての実例において,

Excellent-Good・Averageと評定された被験者はFair一匹oiと評定されたものだちと比較された.

この調査の分析は実質的に男子よりもより多く女子がFxceller!t-Good-Averageの読話能力をもつ

ものと考えられることをあきらかにした.このことは学校類型(通学学校Day

Schools 或は寄舎

学校Residential

Scho01S)による現場教師の評定とは無関係に真実であった.

Costelloの研究に

おいてと同様に多くの特殊心理学の研究結果の発見は強く読話の能力の性差を指示しているのであ

る.おそらく,言語的習熟度においては正聴児においても女子の男子に対する優越性が示される数

多の調査がみられるものと思われる.

 Speechreading

Group

に対する Draw-A-Man

Test Scoresが各学校類型の教師によって評定

されたがその結果には興味ある比較差異があらわれている.通学学校においてExcellent-Good-Average

Categoryにおける女子はFair-Poor・としで評定された男子よりも知能において,すぐ

れていたしその差異は統計的に顕著なものであった.のみならず,通学制学校において,全体とし

てのExcellent-Good-Average

Group

はFair-Poorに評定された全グループにまさっていたので

ある.各カテゴリーの女子の間の重大な差異を資料は示さないが,知能か有力な要因であることは

あきらかである.読話において,教師にExcellent-Good・Averageと評定された児童たちはまたよ

り知的であった.これと同様の結果が寄宿舎学校制度尚(Residential

School) 集団にも得られた.

しかしながら,性差による差異はあらわれず,全体としての集団比較においてのみ顕著な差異がみ

られた.またExcellent・Good・Averageに評定された集団はFair-Poorに評定されたものよりよ

りすぐれていた,これらの調査の発見事項は現場教師はもっとも秀れた学童を,もっともすぐれた

読話者であると評定したりDraw-A・Man

Test によって測定されたように知能は読話能力に関係

しているものであることを示唆している.    `

   (読話,・よみことぱ,かきことぱ)−     ・

 Costelloの調査は,内部言語の豊富さは受容的表現的言語の発達において重大な要因であるこ

とを示唆している.言語的習熟は一般的要因(General

Factor)と思われる.こうした理由で,も

しも人が話しことばの理解ですぐれた能力をもつと思われるならば,その人は,話しことは,よみ

のことば,かきことばにおいてもまた優秀性を示すものと思われる.’

 よみ Reading

; Myklebust,

H. R らは更に言語機能の相互関連性をSurveyするために,

Excellent-Good・Averageと Fa・ir-Poorと評定されたものとの比較研究を行なった.

Columbia

Vocabulary Test がよみの測定方法として用ひられた.この比較結果の統計的分析は性及び全体的

集団によって顕著な差異がみられることをあきらかにした.読話においてGOodと評定された男

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