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入退院を繰り返す慢性心不全患者の病状憎悪の体験とその意味 : 心不全憎悪への対応策と新たな自己価値をA氏自らの生活へと編み込むプロセス

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Academic year: 2021

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(1)79. 原. 著. 入 退 院 を繰 り返 す慢性 心 不 全患 者 の. 病状増悪 の体験 とその意味 ―一 心不全 増悪 へ の対応策 と新 たな 自己価値 を A氏 自らの生活 へ と編 み込 むプロセスーー. 月風 部. 容. 子 ・前. り ││. 幸. 子. The]Experience of a Patient Repeatedly Hospitalized for Aggravating(Condition of Chronic Hcart Failure and its Mcaning 一一――Patient A's Process of Working out Mcasures to lDeal with Chronic Hcart Failure and Bring New Self―. Worth into His Life―. HATTORI Yoko and MAEKAWA Yukiko Abstract: To improve thc health management of patients who are repeatedly hospitalized for aggravating condition of chronic heart failure,nurses must understand patients' individual methods for maintaining their own health and the tendency for the condition to become aggravated.The purpose of this research was to fo― cus on Patient A,who had been repeatedly hospitalized for chronic heart failure,and on Patient A's experi― encc and rcsponsc to his aggravating condition,to structure the mechanislttis of that experience. A senli― structured interview was used to collect data for qualitative research based on methods developed. by Giorgi.F]ron■ the results, 18 central meanings and the three following common meanings were extracted:. being constantly besct by fatiguc; inescapably aggravating heart failure; and coping measures worked out. from experienceo Patient A experienced many kinds of fatiguc, and experienced various emotions while working out methods for “ for attusting his act市 ity"。 Also,Patient A excreting iuids from the body" and “ came to terlms with the physical sensation of being unable to escape■. on■ the feclings of fatigue in the expe―. riencc of being repeatedly hospitalized for aggravating chronic heart failure 一一 a process of working out measures to deal with aggravating heart failure and to bring new self―. worth into his life。. Key Words: chronic heart failure,cxperience of aggravating condition,rebuilding one's life. 抄 録 :看 護 師 は ,病 状 増 悪 に よ り入 退 院 を繰 り返 す 慢 性 心 不 全 患 者 の 健 康 管 理 能 力 を高 め る た め に. ,. 患 者 個 々 の 健 康 管 理 方 法 や 病 状 増 悪 の 傾 向 を把 握 す る必 要 が あ る 。 そ こ で 本 研 究 は ,入 退 院 を繰 り返. す慢性心不全患者. A氏 の,病 状増悪 とい う体験 とその受け とめに着 目し,そ の経験 の成 り立ちを構. 造化する ことを目的 とした。 半構成的面接法 によリデー タ収集 を行 い,Giorgiの 手法 を参考に した質的記述的研究 を行 った。そ の結果 ,18の 中心的意味 ,お よび 【 常 につ きま とうしん どさ】,【 さか らい よ うのない心不全 の増 悪 】,【 経験か ら編み出 した対応策】 とい う 3つ の共通的意味が抽 出され た。A氏 は,様 々な しん ど さを感 じる中で,『 身体 の水分排泄法』や 『活動 の調整法』 を編み出 しなが ら様 々な感情 を抱 い てい た。そ して,A氏 の入退院を繰 り返す心不全の増悪の経験 は,自 分か ら切 り離す ことので きない し んどさとい う身体感覚 に折 り合 い をつ け,心 不全増悪へ の対応策 と新 たな 自己価値 を自分の生活に編 み込んでい くプロセスであ った。 キーワー ド :慢 性心不全,病 状増悪 の体験 ,生 活 の再構築.

(2) 甲南女子大学研究紀要第 4号. 80. 看護学 ・ リハ ビリテー シヨン学編 (2010年 3月. ). とめ る こ とを 目的 と した。. は じめ に 研 究 方 法 在宅療養 生 活 を送 る慢性心不 全患者 の 治療 ,管 理 に ヽ 亡 お い て重要 な要素 の一 つ は,患 者 が ′ 不全 の症 状 や 身. 1.研 究 デザ イ ン. 体所 見 を自ら管理 し,病 状増悪 の リス クを軽減で きる. 入退 院 を繰 り返す慢性心不全患者 の病状増悪 の体験. よ うにす る ことで あ る。それに対 し看護 師 は,慢 性心. に関す る語 りを通 して ,そ の体験 の 意味 と構 造 を探 索. 不全患者 が 自身 に よる健 康管理が行 える よ う知識提供. す る質的記述 的研 究 であ る。. を行 い ,患 者が 自らの運 動耐容能 に応 じた 日常生活 を 送 る こ とがで きる よ う支援 して い る。患 者 の 多 くは. ,. 2.研 究協 力者. それ を受 けて心不全症状 の 出現 に注意 を払 った り,体. 兵庫県下 にあ る総 合病 院 の循環器 内科 に通 院中 で. 重 や血圧 な どの 身体所 見 の 変化 を把握す るな ど,自 ら. 心不 全増悪 に よる入退 院 を繰 り返 し,過 去 1年 以内 に. の体調管理 を 日々の生活 で実 践 して い る。 しか しなが. も再入 院 を経験 した慢性心不 全患 者. ら,不 適切 な健康管理 や病状増悪 の 兆候 に対す る気 づ. 者 とす る ことと した。. きの 遅 れ な どに よ り,再 入 院 に至 る患 者 は 少 な くな い い。 そ の ため ,患 者 自身 に よる健康管理 能力 を向上. ックにお い て ,治 療 の効果が最大 限 になる よう退 院後. A氏 は 45歳 の男性 で ,H年 前 に労作 時 の虐、 切れ と 動悸 を自覚 し,拡 張型心筋症 と診 断 され ,通 院治療 中 で あ る。高血圧 ,糖 尿病 な どの副疾患 は何 もない 。 H 年 前 の 診 断 か ら心 不 全 の 増 悪 に よ り,5年 前 ,2年 前 ,半 年前 に 3回 の入退院 を繰 り返 して い る。現在 の. ヽ 亡 の 訪問看護 を導入 した り,セ ル フケア を促す教育 と′. 心不全の程度 は NYHA(New York Hcan Assosiation). 3,日 本 に 理 的援 助 を行 う取 り組 みが 行 われ て い るが. の 分類 で Ⅱ度 (安 静 時 の 心拍 出量 は正 常 に保 た れ る. ヽ お い ては慢性 ′ と 不全 に対す る疾病管理 は確 立 されてお. が ,通 常 の 身体 活 動 に よって 代 償 機 序 の 破 綻 を来 た. し,心 事故 を防止 で きる よ うにす る こ とが 課題 とされ て い る2。 また ,欧 米 で は看護 師主導 の心 不 全 ク リニ. 4,身 近 な存在 で あ る臨床看護 師が病状増 悪 を予 らず. ,. A氏 を研 究協 力. し,疲 労 ,動 悸 ,虐 、 切 れ な どの心 不全症状 が生ず るた. ヽ 亡 防 で きる よ う慢性 ′ 不全患者 の療 養生活 を支援 す る こ. め ,身 体 活動 が軽 度か ら中等 度 に制 限 され る状 態 ),. とが 非常 に重 要 であ る とい える。. 左 室 駆 出率 が. 現在 ,入 退院 を繰 り返す患者 の急性増悪 の 原 因 は. ,. 16%,BNPが. 212で あ つ た 。 そ の た. め ,平 地の歩行や 身 の 回 りの生 活動作 は 自覚症状 な く. 塩分 ,水 分制限 の不徹底 が一番 多 く,次 いで過労 や治. 行 えるが ,階 段 を上が る動作 で労作性 の呼吸 困難 を生. 療 薬 服 用 の 不徹 底 な どに よる ものが 多 い と され て い. じやす い状態 であ る。社会 的 には工業 系会社 の事務作. 5。. る. 入退 院 を繰 り返す患 者 の 健康 管理 能力 を高 め る. ため には ,一 般 的 な留 意事 項 に関す る知 識 提 供 に加. 業 を担 ってい る会社員 で ,妻 と 2人 の子 どもと暮 らし て い た。. え,看 護 師が患者個 々の 自己管理方法や病状増悪 の傾 向 を把握 し個別的 な療養生活支援 を実践す る こ とが必. 3.デ ー タ収集方 法. 要 で あ る と考 え られ る。 そ の よ うな個 別 的 な支援 に. 半構 成 的面接 法 に よ リデ ー タを収 集 した。 A氏 が. は,患 者 の病状増悪 の体験 や ,そ の体験 に対す る患者. 通 院 中 の 外 来担 当医 師 ,看 護 師長 に調 査 の 依 頼 を行. の受 け とめ とい う患者 の主 観的 な視点 に着 目す る こ と. い ,医 師か ら A氏 の 紹介 を得 た。 面接 は プ ライバ シ. が重要であ る。 しか し,現 在 の ところ患 者 の心 不全増. ー が守 られ る個室 の 診 察室 で 行 い ,内 容 は. 悪 の成 り立 ち を構 造化 す る取 り組 み は 行 わ れ て い な. 意 を得 て ICレ コー ダー に録音 した。面接 で は「 病状. い。. 増悪 を どの よ うに受 け とめて い るのか 」「 日常生 活 で. A氏 の 同. 以上 か ら,未 だ明 らかではない経験 の 成 り立 ち を構. どの よ うな健康管理 を行 ってい るのか」 につ い て 質問. 造化す るにあた り,一 般化 を試み る よ りも個 人の体験. し,そ の他 は 自由 な語 りを尊重 した。面接 時 間 は約 40. を深 く知 り,丁 寧 に解釈 し,積 み上 げる ことが 肝要 と. 分 であ つた。. ヽ い える。 そ こで 本研究 は,入 退 院 を繰 り返 した慢性 ″ 亡 不 全患 者. A氏 の ,病 状 増悪 とい う体験 とそ れ に対 す. 4.分 析方法. る受 け とめ に着 目し,そ の体験 が もた らす意味 を明 ら. 本研 究 の 目的 は,多 様 な看護現象 に存在す る経験 が. か にす る とともに,そ の経験 の 成 り立 ちを構 造 的 に ま. 何 を意味 して い たか をその対 象者 の 知覚 を通 して記述.

(3) 服 部容子. 他 :入 退 院 を繰 り返す慢性心不全患 者 の病状増悪 の体験 とその意味. す る こ とで あ る。入退 院 を繰 り返す慢性心不全患者 の 病状増悪 の体験 の 意味 を解釈す る本研 究 の具体 的 なデ ー タ分析 は,Giorgiの 手法°を参 考 に した。 手順 は ,. 1)経 験 全体 の 意味 を とらえるため 逐語録 全体 を丹 念. をあがると息苦 しくなる」 とい う時の “ 息苦 しさとは 違 った元気がない とい う感覚"で あ り,年 のせい なの か,病 気 のせいなのか 自分 では特定 で きない,“ 自覚. 症状 とは無関係 な気力のなさ"で あ った。そのため. ,. に再 読 し,A氏 の体験 世 界 に浸 る,2)全 体 的 な様相. 「普通 の人 なら旅行 に行 きたい とか思 うで しょ。それ. が つ かめた ら,語 りの 内容 ご とにデ ー タを区切 り,意. が,し ん どさが常 に一定 に存在す るか ら思わない」. 味単位 を明 らか にす る,3)意 味単位 が 明 らか に な っ. 「旅行行 こ うか とい われて も邪魔 くさい な,億 劫 だな. た ら,そ れ らを特徴 づ ける語 りを要約 し,中 心 的意味. と思 うことが多 い」 とい う。そ う感 じるようになった. を明 らか にす る,4)明 らか になった 中心 的意味 を経. 背景 につい て,「 薬 の影響 で トイ レば っか りい くか. 時的 な関連 と意味 の 関連 に沿 って並 べ ,共 通す る意 味. ら,み んなによう トイレ行 くと笑 われる」,「 薬 のせい. 内容 の ま とま りを作 り共通 的意味 を見 出 し,体 験世界. か寝不足 なのか よ くわか らんけ ど,午 前中にす ごい眠. を 1つ のス トー リー と して構 造 的 に ま とめ る,と い う. 気が襲 って くる」 とい うことが あ り,「 病気がなか っ. 段 階 を踏 む もので あ る。. た ら全 く気 にす ることではないんだろ うけ ど,そ うい. ,. うことも気 になる」 と,“ 薬物 の影響 で億劫 になる生 活 の営 み"が あることを語った。. 5.分 析 の厳密性 ヽ 質的記述 的研 究 に関す る研 究 の経験者 とノ 亡 不全患者. また,日 常生活において,平 地の歩行は健康 な人 と. の看護 に関す る研 究 の経験 者 で ,体 験 の構 造化 と結果. 変 わらな くて も,階 段 では高齢者 に追い抜かれ ること. の解釈 を行 い ,分 析結果 の妥 当性 と真 実性 を高 め る努. があ り,「 トラウマ とい うか,恥 ずか しい」 と,病 気 のために “ 身体がついていかない とい う自党 と自己否. 力 を した。. 定"を 感 じていた。 さらに,健 康 な人が暑 い なと言っ. 6.倫 理 的配慮 研 究者 は,研 究協 力者 に対 して調査 協 力 の依頼書 を 用 い て説 明 を行 い ,研 究 へ の協力 は 自由意思 で あ る こ と,協 力 の諾否 は今後 の 医療者 との 関係 や治療 に無 関 係 で あ る こ と,得 た個 人情報 は厳密 に管理 し,調 査結 果 をま とめ るにあた り個 人が特定 され る こ とが な い よ. てい る程度で も,「 自分 は太ってい るせ いか,ふ らふ らして くる感 じがある」 と “ 気候 に左右 される身体 の 自覚"を 感 じてい た り,「 体重 が増 えると寝 る時 に上 を向いて寝 れな くなることがある」 と “ 体重 の増加 に 伴 う圧迫感 と限定 される体位"を 感 じてい るなど,し んどさにつ きまとわれる日常 を送っていた。. う配慮す る こ とを伝 え,協 力 の 同意 を得 た。. 2.さ か らいようのない心不全の増悪 Ⅲ。結. これ まで経験 した心不全の増悪 につい て,A氏 は. 呆. 分析の結果,18の 中心的意味が明らかになった。 それを分類した結果,【 常につきまとうしんどさ】 さからいようのない心不全の増悪】 【 ,【 経験から編み 出した対応策】という3つ の共通的意味が抽出され た。そのうち 【 経験から編み出した対応策】は,『 身 ,. 体 の水分排泄法』 と 『活動 の調整法』 の 2要 素 に整理. 「心不全 が悪化す る時 ,自 分 の身体 に水分がたまって くるのがわかる」 と語 った。その始 まりは “ 突然現れ る身体 のむ くみ"で ,む くみが生 じた後,肺 炎か風邪 の よ うにな り,「 風邪 か な と思 ってルル飲 んで ま し た。で もなおれへ んで,コ ンコン咳が出て,痰 が出て 止 まらない」 とい う1犬 態 になるとい うことであ った。 「咳 とかで,こ れ風邪 とはちゃうな」 と,“ 心不全悪化. された。. の予感"を 感 じ始 め,1週 間で「腕 だけは動かせ るけ. 対象者が語 った言葉 は「 」,分 析 で明 らかになっ "で た中心的意味は “ 示 し,上 記 3つ の共通的意味. ど,動 けない,歩 けない,寝 ることもで きない」 とい 部分 として感 じる身体感覚"の 状態 に陥 り,“ 自 う “. の内容 を以下に提示す る。. 分 では手 の打 ちようが ない水分 の貯留 "に 至 ってい た。A氏 は,医 師 の指示 に従 い,適 切 に内服 して も. 1.常 につ きまとうしんどさ. 生 じる心不全増悪 につい て,「 ち ょっ と症状 が 出れ. A氏 は,日 常 の体調 につい て「元気 な時に比 べ る. ば,節 制 して復 1日 しようと思 うけ ど,全 然復旧 しない. とち ょっとしん どい」 とい う自覚 を持 っていた。それ. し,悪 化 を止めようがない」 と感 じていた。増悪後 の 状態 については,「 入院すれば 2,3日 で苦 しいの はお. は,心 不全増悪時の「死 にそ うな息苦 しさ」や「階段.

(4) 甲南 女子大学研究紀要 第 4号. 82. 看護学. リハ ビリテー シヨン学編 (2010年 3月. ). さま り,体 調 は戻 って くる」 とい う一 方 で ,「 普 通 の. ら病 院 を適 切 に受 診 した り,「 人 に何 か を い わ れ て も. 生 活 に戻 る まで は 2,3カ 月か か る」 と語 り,“ 時 間 の. 無理 をしないでゆつ くりやる」 とい う,無 理が きかな. ヽ 亡 不 全 の増悪 には伴 う こ とを かか る生活 へ の復帰 "が ″. い 自分 の身体 に必要な行動 を実践 していた。 また,そ. 感 じて い た。 しか しなが ら,そ の増悪 に対 して「逆 ら い よ うが な い 」 と感 じつつ ,「 ′ 1布 くは な い 」 とも感 じ. れがで きる自分 を「病気の悪化 を自分でわか って病院. て い た。 そ の 背景 には ,“ 自分 で はわか らな い 病 気 の 悪化 に一 緒 に立 ち向か って くれ る医師へ の 信頼. "が あ. った。. 3.経 験 か ら編 み 出 した対応策 1)身 体 の水分排泄法. A氏 は ,心 不 全増 悪 の 経験 か ら「お しつ こ を い っ ぱ い 出す と軽 くな って 楽 だ 」 と感 じて い た。 そ して 「疲 れ て きた りす る と (尿 が )出 な くな って 余計 しん ど くな る」,「 体重が重 くな る と しん ど くて ,軽 くな る. に来れてい るか らいい」 と肯定的 に受け とめていた。 ふたつ は,階 段 を上る時の “ 予期的 に身体が固まる ヽ 亡 的負担 "で あ った。A氏 は,階 段 で こ 自己防衛 と′ れ以上 は無理 だ とい うことを身体 で感 じとり,「 防衛 本能で しんどくなる前 に動かな くなる」 とい う自己防 衛 を身 につ け,活 動 の調整法 の頃合 い を心得ていた。 それ と同時 に,「 大丈夫 かなと思 い なが ら階段 を少 し ずつ上がることで,余 計 しんどさが増す」 とい う心的 負担 も感 じていた。 もうひ とつ は,“ 入院周期 の早 ま りに伴 う体 の動 き 加減 と不安"で あ った。A氏 は,自 分 の再入院 に至. と楽 になる」 と,“ 尿量 の 減少 と身体 の 重 みが知 らせ る水 分 の 貯 留状 況 "を 把 握 しなが ら 日常 を送 って い. る周期が 5年 前 ,2年 前,半 年前 と早 まっていること. た。 また ,尿 量 を確保 し,体 を軽 くして楽 になるため. の対応策 を「 しんどいことは仕事 で も何で も途中でや. の方策 を編 み出 して い た。それ は「お しつこが 思 う よ. める。命が大事。 しょうもないこ とで死んだ らたまら. うに出な い 時 は,動 か な い よ うに して疲 れ を取 る」 と. ん」 とも述べ た。「無理 は しない」 とい う活動 の調整. い う もので ,“ 余分 な水分 で大 変 になる身体 の 自覚 と. 法 で 日常生活 の負荷 を調整で きる ようになって も,再. "で あ った。そ の背景 に 水分 を排 泄す るための 自衛策. を捉 え,「 何 か怖 い なと思 う」 と語 った。一方 で,そ. 入 院 の 不 安 を拭 い 去 る こ とはで きな い で い た。. は,「 お しっ こが よ く出 な い 日が 1,2週 間 に 1回 くら. Ⅳ .考. い あ って ,そ うい う時 に ち よつ と無理 して頑 張 った. 察. ら,そ んなに食べ て い ないの に体重 が急 に増 えて しま う こ とが あ る」 とい う 日 々の 体 調 の 変 化 に対 す る知. A氏 は様 々 な しん どさを感 じなが ら,心 不 全 増 悪. 覚 ,お よび 「 (尿 が )出 な い と しん ど くな る。 そ れ で. の経験 か ら 『身体 の水分排泄法』 や 『活動 の調整法』. 休憩 して体力 を蓄 える と出る よ うにな って ,出 た ら元 気 になる」 とい う水分 が 身体 に及 ぼす影響 へ の 認知 が. とい う対応策 を編 み 出 し,そ れ と同時 に様 々 な感情 を 抱 い て い た。 また ,A氏 の 体験 の構 造 か ら,し ん ど. 存在 して い た。. さとい う身体感覚 ,お よび 自分 の価値 とい う自己感覚. 一 方 ,水 分摂取 につ い ては「水 分 を飲みす ぎと先生. にお い て ,そ れぞれ相異 なるふ た つ の意味 を見 出 して. にいわ れ る」 と語 り,飲 水制限 の必 要性 を理解 して い. い る こ とが 推 察 され た。 そ こで ,A氏 の しん ど さの. た。 しか し,「 分 か って い て も飲 まなか った ら尿 が濃. 構 造 ,心 不全増悪 の経験 か ら編 み 出 された対応策 の構. くな って しまう し,飲 まないでい られ ない。周 りも飲. 造 ,お よび病気 と共 に生活す る中で生 じる感情 の構造. んで い る し」 と飲水量 を抑 え よ う と思 い なが らも「頑. に焦 点 をあ て る と と もに ,A氏 が 見 出 して い る 身体. 張 っては い るけ どお さま らな い」 とい う現実 を抱 えて. 感覚 と自己感 覚 の両義性 に焦点 をあて ,考 察す る。. い た。 そ の よ うな中 で ,“ 体重 を指標 に した 自分 な り の健康管理 "を 編 み 出 し,心 不 全増悪 を回避 しよう と して い た。. 1.心 不全 の増悪 に よ り入退院 を繰 り返 す A氏 の体 験 の構 造. A氏 は ,日 常 生 活 にお け る しん どさの感覚 や心 不. 1)A氏 を取 り巻 く様 々 な しん どさ A氏 の 感 じて い る しん どさは ,も と も と拡 張 型 心. 全増悪 の経験 を踏 まえた 日常生活 を送 る うち に,い く つ かの行動 と感情 を抱 くよ うになった。 ひ とつ は “ 適. 気 筋症 に よる心 不 全 とい う病態 か ら始 ま ってい る。 “ "や “ 体重 の増加 に伴 う圧 候 に左右 され る 身体 の 自覚. 2)活 動 の調整法. 切 な受診 や 日常生活 で無理 を しない とい う対処行動 と. 迫感 と限定 され る体位 "を 感 じるの は,身 体各器官 の. 自己肯 定 "で あ った。 A氏 は ,悪 化 の 予 兆 を感 じた. 血流 や酸素 の需要 に心臓が応 え られ な くな った時 に生.

(5) 服部容子. 他 :入 退 院 を繰 り返す1曼 性 心不 全患者 の病状増悪 の体験 とその 意味. じる心不全 の 自覚症状であ り,(体 調 の不良 を伴 うし ん どさ〉 で ある とい える。A氏 は,そ れ を日常生活 で生 じる心負荷 に伴 って 自党 していた と伺 える。 その一 方 で,A氏 は “自覚症状 とは無関係 な気力. うがない水分 の貯留"を 生ず る経過 を辿 っていた。 こ の経過 は,心 不全増悪 のメカニズム,す なわち心負荷 に対 して必要な心拍出量 を維持する代償機能の破綻 に よ り浮腫 などの うっ血症状が現れる過程に合致す るも. の なさ"や ,“ 虐、 苦 しさとは違 った元気がない とい う "を ヽ 感覚 常 に一 定 な状態 で 自覚 し,(″ 亡 的 な しん ど. のであ り,そ の水分貯留 はまさに 自分 では手 の打 ちよ. さ)も 感 じていた。 これは病気 を発症する前 の「元気. 経験 か ら編み 出 した のは,『 身体 の水分排 泄法』 と. な時」や,病 気がない健康 な「普通の人」 と自分 を比 べ ,他 者 の 目を気 に しなが ら出来ることと出来ないこ. うが ない もの とい える。その対応策 として,A氏 が 『活動 の調整法』 であ った。. (1)身 体 の水分排泄法. とが ある特異 な自分 を浮 き彫 りに し,“ 身体 がつい て. 慢性心不全患者に とって 自己管理が難 しい ものの一. いかない とい う自覚 と自己否定"を 感 じるようになっ た結果 と推察 される。 また,“ 薬物 の影響 で億劫 にな. つ に水分管理があ り,水 分制限の不徹底 は心不全増悪 による再入院の誘因に挙 げ られてい る鱒。A氏 も水分. る生 活 の営み"も ,(心 的な しん どさ)を 助長 してい. 制限について,「 頑張 ってはいるけ どお さまらない」. た。 小 島"は ,心 不全 を繰 り返す患者 は 日常生活 の. と,そ の難 しさを語 った。そ して,「 分 かってい て も. 様 々な制限や,病 状悪化お よび身近 に迫る死へ の恐怖. 飲 まなかった ら尿が濃 くなって しまうし,飲 まないで. か ら気持 ちが不安定 にな りやす い こと指摘す る。A. い られない」 と,身 体 の欲求か ら生 じる飲水 と,「 周. 氏 も自分のおかれた状 況へ の様 々な思 いか ら心の不安. りも飲 んでい る」 と,他 者 との比較か ら生 じる飲水が. 定 さを生 じ,(心 的な しん どさ)を 自覚 してい た と伺. あ ることを示唆 した。一般的に活動量や代謝 の多い人. える。. は飲水 の欲求が強 く,飲 水制限の重要性 を認識 し,そ. さらに A氏 は,(究 極 の しん どさ)も 自覚 して い. れを守る工夫 を行 っていて も,利 尿剤 の使用や夏 の暑. た。 この しんどさは心不全増悪に よ り生 じるものあっ. さのために飲水の欲求が強 くな り,そ れに打 ち勝つ こ. た。それに至 る過程では,自 分 の身体 の異変 を克明に. とは とて も困難 な傾向にある"。. 感 じ取 りその復旧に努めるが,破 綻 した心臓の代償機. 抑制 に苦慮 してい ることが伺 える。それに加 え,周 囲. 能を自ら復旧する ことはで きず,逆 らい ようがない状. の人 々 と異なる行動 の取 りに くさも飲水制限を難 しく. 況 で生 じてい た。従 って,〈 究極 の しん どさ〉 に陥 る と入院を余儀 な くされ,同 時に “ 時間のかかる生活へ. してい る様子 であ った。. の復帰"に も至 って しまう特徴があ った。. A氏 も飲水の欲求の. しか し,A氏 はその ような困難状況 の 中で,“ 尿量 の減少 と身体 の重みが知 らせ る水分 の貯留状況"を 感. 以上の よ うに,A氏 が感 じる しん どさは,(体 調 の. じ取 ることを身 につ け,“ 余分 な水分で大変になる身. 不良 を伴 うしんどさ),(心 的な しんどさ),(究 極 の し ん どさ),の 3つ で構成 されていた。 この 3つ の しん. 体 の 自覚 と水分 を排泄す るための自衛策"を 修得 し “ 体重 を指標 に した 自分 な りの健康管理"を 自ら編み. どさの構造 は,(心 的な しん どさ〉が常 に持続 し,心. 出 した。それは医学的に診ると,水 分 の貯留 と尿量 の. 不全症状 の 出現 に伴 って (体 調 の不良 を伴 う しん ど. 減少 との関係,お よび疲労 と尿量 との関係 を自らの身. さ〉が,そ の増悪 に伴 って (究 極 の しんどさ)が 現れ. 体 で知覚 し,安 静 により心負荷 を軽減 し,心 拍出量 と. るとい うもので,そ れ らの違 いは度合 いであった。そ. 腎血流量 の回復 を促 して乏尿 と浮腫 を軽快 させるもの. してその度合 い は,A氏 の 中で心不全の増悪 お よび. とい える。 一 方 で,A氏 は「お しっ こが思 う よ うに. 再入院の リス クと平行 に存在 し,し んどさの度合 い を. 出ない時 は,動 かないように して,疲 れを取 ると出て. 増 さない ようにする ことが病状増悪 を食 い止める手立. くる」 との経験 を裏づ けに,尿 量 とい う客観的指標 と. てになるとい う関係性 にあった。. 体 の重みや しんどさとい う主観的指標 か ら水分の貯留. ,. 2)心 不全増悪の経験か ら編 み出 された対応策. 状況 を把握す る術 を導 き出 し,尿 量 を確保 して身体 を. A氏 の経験 した心不全の増悪は,“ 突然現れる身体. 軽 くし,水 分貯留 を解消する自衛策 を実践 していた。. のむ くみ"に 始 まり,風 邪 の ように咳 と痰が止 まらな. (2)活 動 の調整法. い状態 へ と移行す る中で “ 心不全悪化 の予感 "を 感. ヽ 心機能が低下 した状態 にある場合 ,残 されたノ 亡 機能. じ,1週 間 くらいで「腕だけは動かせ るけ ど,動 けな. に見合 う身体活動 を維持 した生活 を送る ことが求め ら. い,歩 けない,寝 ることもで きない」 とい う “ 部分 と. れる。A氏 は,日 常生活 にお け る しん どさの感覚 や. して感 じる身体感覚 "に 陥 り,“ 自分 では手 の打 ち よ. 心不全増悪の経験か ら,自 分に見合 った身体活動 とし.

(6) リハ ビリテーシヨン学編 (2010年 3月. 甲南女子大学研 究紀要 第 4号. て「人に何かをいわれて も無理 をしないでゆつ くりや る」,と い う対処行動 を編み出 してい た。それ らを医 拍出 学的 に捉 える と,身 体活動 などの心負荷 により花ヽ. ). 2.身 体感覚 と自己感覚 の両義性 1)し ん どさの中 にある身体感覚 の両義性. A氏 の しん ど さは 日常 に様 々 な影響 を及 ぼ し,A. 切れや倦怠感,動 悸 などの心不全症状 量が減少 し,虐 、 が生 じて しまうのを回避す る対処行動 とい える。 しか. 氏 に重 くの しかか る もので あ った。 しか し,そ の しん. し,A氏 は単 に心負荷 を避けて い るばか りで な く 「防衛本能で しん どくなる前 に動かな くなる」 とい う. 分排 泄 法』 や 『活 動 の 調 整 法』 を実践 す る指 標 に な. 自らの身体感覚 で,こ れ以上は無理 だと自分の限界を. な って い た。 A氏 は ,日 常 生 活 にお け る心 不 全 症 状. 感 じとり,意 識 とは異なる反射的な自己防衛を導 き出. とは異 なる (心 的 な しん どさ〉 か ら,心 不全増悪 時 の. していた。患者の多 くが身体症状 に合わせて活動量 を. (究 極 の しん どさ)ま での全 て を知 った こ とで ,し ん. 調整す る必要性 を承知 していて も,身 体 の事 ばか りを 気 に してい られない 日常生活では,そ の注意 を持続 さ. どさとい う受 け入れが た い苦痛 を自分の体調 の指標 と. せ る ことは困難 で あるのに対 し,A氏 はそれ を意識 す るだけでな く,身 体 で反射の ように身につ けてい る. 、 る。何年 間 も′ 亡 疾患 を もって生 活す る中で ,も う嫌 だ. ことが伺えた。. そ こにあ り続 け,そ れ に折 り合 い をつ け て い か なけれ につ きま ばな らない Ю も 痛 を もた ら し. ,. 3)病 気 と共に生活する中で生 じる感情 A氏 は語 りの端 々で ,自 分 を元気 な頃や病気 の な い健康な人と比較 していた。そ して,自 分の出来る こ とには限界がある ことを踏 まえ,(自 己否定〉 の 感情 を抱 いてい た。その一方で,『 身体 の水分排泄法』 や 『活動 の調整法』 を獲得 し,受 診 の タイ ミングを見誤 らずに行動で きてい ることで 〈自己肯定〉の感情 にも. どさは,時 に病状増悪 の予兆 とな り,特 に 『身体 の水 ヽ 亡 り,A氏 が ″ 不 全 増 悪 へ と傾 くの を防 ぐ手 立 て に も. して逆 に利 用 す る術 を修 得 し,活 用 して い た とい え と思 つて も病気 はな くな らない し,以 前 と してそれは. ,常. o A氏 ,苦. と う しん どさを受 け入 れ る こ とで ,そ の もつ 意味 を見 出 し,し ん ど さ との折 り合 い を見 つ け た と解 釈 で き る。. 2)抱 く感情 に現 れる自己感覚の両義性 A氏 は ,病 気 を もった 自分 に対 して ふ た つ の 感情 を抱 い て い た。 ひ とつ は,健 康 だった時の 自己や健康. 己肯定〉 は,A氏. な他者 との比 較 か ら生 じる (自 己否 定 〉 の 感 情 で あ. の中で別 々に存在するのではな く,一 つの事象の中に. る。 もうひ とつ は,心 不全増悪 を回避す る行動 を取 れ. 裏表 の関係 で存在 していた。例えば,階 段 を上がる途 中で しん どさを感 じてやめる時,高 齢者に追 い抜かれ. て い る 自分 に対 す る (自 己肯 定 〉 の 感情 で あ る。 人. て恥ず か しい と 〈自己否定)を 抱 くと同時に,こ れ以. な くな る時 ,そ の 時 こそ 自分 の価値観 と向 き合 い ,生. 上は無理 と感 じて防衛本能で しんどくなる前 に動 きを. 活 を編 み 直 して生 きて い くよ うにな る. 包 まれてい た。 (自 己否定)と. (自. は,病 気 に よってそれ まで行 っていた 日常生活が取 れ H。. しか し,そ. 己肯定)を 感 じて. の 編 み 直 しの過 程 には様 々 な葛 藤 の 存 在 が 予 測 され. い る状態である。生 じた事柄 を,病 気 を患 ってい る自. る。 自己 に対 して否定 と肯定 とい うふ たつ の 感情 を抱. 分 目線でみるか,健 康 な他者 と比較 した 目線 でみるか. くこ とは,新 た な 自分 自身 の価値 を見 出す過程 そ の も. で抱 く感情 は変化 し,A氏 はその両面 を揺 れ動 きな. ので あ り,自 己価値 の破壊 と新 たな形成 の繰 り返 しを. が ら自己を提 えていた。. 感情 で 表 した もの と捉 え られ る。 A氏 も,自 分 の生. 止める ことがで きてい る自分に. (自. また ,A氏 は対 処 法 を編 み 出 した ゆ えに生 じる. 活 に病気 の存在 とその 影響 を編 み込 んで い く作業 を行. (心 的負担〉 も抱 い て いた。階段 を上が ろ う とす る. い なが ら,自 己 の 価値 を常 に修正 して いた と解釈 で き. 時,大 丈夫かな,と 思 うことで余計 に しんどさを感 じ るのは,(究 極 の しん どさ〉 を知 っているか らこそ感. る。. じる予期が ,(心 的負担〉 を生み出 してい るか らと考. 3.入 退 院 を繰 り返 す経過 で形成 され た体 験 の構 造 と. え られ る。加 えて ,“ 入 院周期 の 早 ま りに伴 う体 の 動 き加減 と不安. "か ら,病 状管理 に必要 な課題 を克服 し. 両義性 へ の 関心. A氏 は ,日 常 的 につ きま と う しん どさか ら,心 不. たの ちに患者 の抱 く感情が ,単 なる安心 感や 自信 な ど ばか りで はな く,予 期 で きるか らこそ感 じる再 入院ヘ. 全増悪 に伴 う究極 の しん どさまで を体験 した こ とで. の不安 であ り,そ れが さらに (心 的負担 )を 増大 させ. になった。そ して ,そ れは 自分 の 身体 で生 じて い るこ. る循環 を描 い て い る こ とが推 察 された。. とを把握 し,自 分 を究極 の しん どさに至 ら しめ ない た. ,. しん どさの度合 いの微妙 な変化 を感 じ取 る こ とが可能. めの対応策 を実践す る 目安 になって い た。 また,そ の.

(7) 服部容子. 他 :入 退 院 を繰 り返す慢性心不 全患者 の病状増悪 の体験 とその意 味. 85. しん どさの 自覚 と同 時 に 自己否定 と 自己肯定 の 感情 が. 自分 か ら切 り離す こ とので きない しん どさとい う身体. 現 れ ,そ の 挟 間 で 揺 れ動 きなが ら自己価 値 を新 た に. 感覚 に折 り合 い をつ け,心 不 全増悪 へ の対応 策 と新 た. し,心 の バ ラ ンス を保 って い た。 従 って ,A氏 の 心. な 自己価値 を自分 の生 活 に編 み込 んで い くプ ロセス と. 不全 の増悪 に よ り入退 院 を繰 り返す体験 は,自 分 か ら. い う構 造 で あ った。 そ の プ ロセス は,つ きま と う様 々. 切 り離す こ とので きない しん どさとい う身体感覚 に折. な度合 いの しん どさに対応す る健康管理方法 を試行錯. り合 い をつ け,心 不 全増悪 へ の対応 策 と新 たな 自己価. 誤 し,自 己否定 と 自己肯定 に よ り自己価値 の破壊 と新. 値 を自分 の生 活 に編 み込 んで い くプ ロセス とい う構 造. た な形成 を繰 り返 す葛藤 の 連続 で あ った 。 この. を もっていた とい える。. の体験 は,慢 性心不全 とい う病気 を 日常生活 で 自 ら管. A氏. A氏 が しん どさの 度合 い に よ り体 調 の 変化 を語 っ. 理 し,病 状増悪 を予 防す るこ との難 しさと,そ れ に対. た よ うに,心 不全 の病像 は 日々流動 的 で あ り,非 常 に. す る看護 師 の 関心 と理 解 の必 要性 を示唆す る もので あ. 捉 え に くい 。 その上 ,A氏 の よ うに 自分 の 身体 の 現. った。. 象 を把握 し,理 解 し,対 処 で きる よ うになるこ とは容 易 い こ とで はな く,長 い 時間 を要す る もので あ る。加. 引用文献. えて ,A氏 が 自らの対応策 を編 み 出す に至 る まで に 3. 1)仲 村直子 :急 性期か ら始めるセルフモニ タリングの 教育.看 護技術 2008;54(12),p70-73 2)和 泉徹,筒 井裕之監修 :心 不全を予防す る 一発症 さ. 回 の 再 入 院が あ った。 そ の よ うな. A氏 に対 し看 護 師. は,病 態生理 や心不全 の 管理 に関す る知識 を活用 し ,. A氏 の 身体 的 ,心 理 的 ,社 会 的 ,経 済 的側 面 に着 目 しなが ら,残 存す る心機 能 に応 じた生活 を再 構 築 で き るよ う,生 活指導 を行 お う とす るであ ろ う。当然 なが ら,心 不全 に関す る一般 的 な知識提供 や疾病 コ ン トロ ール に関す る生 活指導 は,必 要不可 欠であ る。 しか し. せない再発 させないための診療 ス トラテジーー。中山 書店,東 京,2006,p2-11 3)大 津美香 :慢 性疾患ケアモデル/デ イジーズマネー ヽ ジメン ト「慢性 ′ 亡 不全」 の高齢患者管理 .臨 床看護 2006; 32(4), p544-550 :看 護 師 は慢 性 心 不 全患 者 の 再 入 院 を予 防. 4)池 亀俊 美. で きるか ? Nursing Today 2007;22(2),p46. なが ら,A氏 の よ うに , 自 らの 病状 と生 活 ス タイル. 5)具 茅 み ゆ き :心 不 全 の デ イジ ー ズマ ネ ー ジ メ ン トの. に合 致 した対応 策が長 い経過 を辿 る中で 身 につ い て い. 実践 を探 る 一慢 性 心 不 全患 者 の重 症 化 と合 併 症 予 防 に. く側面 を持 ち合 わせ る ものだ とした ら,看 護 師 は生 活. 向 けた疾病管理 プ ロ グラムの構 築 ―.看 護技術. 指導 を行 い ,傾 きそ うにな る心 不全 の増悪 を阻止す る. (12), p88-92. と同時 に,そ の長 い修得過程 を見 守 り,支 え,助 言す. 2008;54. 6)Honoway.I,Wheeler.S:ナ ースのための 質的研 究入 門 ―研 究方 法 か ら論 文作 成 まで 一。 第 2版 ,医 学 書 院 ,. る姿勢 で 関 わ り続 ける こ とも大切 にす べ き看護 の視 点 とい えるだろ う。 また ,心 不全 は あ らゆる心臓疾患 の 終末像 で あ るため,心 機 能 と日常 生 活 のバ ラ ンス を維 持す るこ とに もいつ か限 界 が訪れ る。 従 って,心 不全 患者が入退 院 を繰 り返す経過 の 中 で 身体 感覚 と 自己感 覚 の両義性 を抱 きなが ら,自 分 の生 活 に しっ くりとあ ては まる対応 策 を模索 した り,自 らの 自己価値 に折 り 合 い をつ けた りす る こ とへ の 関心 と理 解 を深 め る こ と が必 要 とい えるだろ う。. 万て, 2006,p176-184 'こ 7)小 島朗 :フ 亡、不 全 の デ イジ ー ズマ ネ ー ジ メ ン トの実 践 を探 る/回 復 ・慢 性 期 セ ル フモ ニ タ リ ング と症 状 管 理 の支援 ―不 眠 一.看 護技術. and socioenvironmental predictors of hospital readlrlission in. patients with congestive heart failure. Anl Hcart J, 2001 ;. 142; e7. 9)児 玉理 恵 ,土 斐 崎聡 子 ,村 松 智 子. 結. :入 退 院 を繰 り返. す心不 全患 者 の 日常 生 活 の 実 態 調 査 .浜 松 労 災病 院学 ηfl三 幸艮2004; 2003巻 , p139-141. 10)高 田幸 恵 V。. 2008;54(12),p109-lH. 8)Tsuchihashio M,Tsutsui.H,Kodama.K,ct al:Medical. 論. A氏 の 入 退 院 を繰 り返 す心不 全 の 増 悪 の体 験 は. :日 常 生 活 体験 と感情 を知 る とい う こ と 一. 慢 性 心不 全患 者 との か か わ りか ら 一。 日本 循 環 器 看 護 学会誌 2006;2(1),15-18 11)再 掲書 10) ,.

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参照

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