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緑が丘の「緑の丘」/ 建築の構成がつくる風景

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Academic year: 2021

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原稿受理 平成31年2月28日 Received February 28,2019 建築学科 (Department of Architecture) 各賞受賞者等紹介

緑が丘の「緑の丘」/ 建築の構成がつくる風景

若松均

* 1 はじめに・設計コンセプト 敷地は,地形的に大きな丘のちょうど頂きに位置し周 辺よりも小高い場所にある.間口が狭く奥で幅広になる 土地には,かつて古い家屋と広い庭,そして懐かしさと 静寂さが残されていた.この場所に見合う建物は,ラン ドスケープ的・都市的な展開の中で,僅かにでも緑の記 憶を継承し時間を感じさせるものでありたいと考えた. 建築の構成は,住戸の単位ではなく,より小さな単位の ハコを手掛かりにしている.ひな壇状にハコを積み上げ 廻りの「地形」に習って「丘」のような全体像とする. そして地上の緑と上に行くにつれセットバックすること で,テラスの草木や樹木が連なり,小さな「緑の丘」を 連想させる建物とした.大小それぞれ気積の異なる複数 のハコの組み合わせでできた各戸内部は,段差や天井高 さのメリハリのあるひと繋がりの広いワンルーム空間を つくる.同時に一軒家のように複数の庭・テラス・屋上 があり,あちらこちらで内外が関わる計画である.住ま い手の皆が共有する中庭を取り巻くように配置された住 戸は,それぞれオープンな「内」「外」とプライバシーが 保たれた「内」「外」が,グラデーショナルにつながり「中 庭」に向かって生活の場が広がる.お互いが,背を向け るのではなく領域感を保ちつつ程よい距離感で垣間見え, 独立性と連続性を兼ね備えた環境を形成する.地面の庭 はもちろん住人たちのものであるが,隣家や公道にも開 けていて,閉じたコミュニティの場というより,通過動 線であり,街との中間領域でもある「だれのものでもな い中庭」である.樹木や草木が時の経過と共に成長する ように,それぞれ工夫のある生活が共存しつつ時を経て ゆっくりと育まれれば,と考えている. 2 図面・断面図/アクソメ図 3 作品写真・外観 4 受賞 ・ 2018 年日本建築学会作品選奨 ・ 第 19 回 JIA 環境建築賞優秀環境建築選 ・ 2017 年度グッドデザイン賞

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