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Title
Fibroblast growth factor-2 promotes healing of
surgically created periodontal defects in rats with
early, streptozotocin-induced diabetes via
increasing cell proliferation and regulating
angiogenesis
Author(s)
備前島, 崇浩
Journal
歯科学報, 116(5): 412-413
URL
http://hdl.handle.net/10130/4143
Right
Description
博士(歯学)・第2080 号(甲第1293号)・平成
27年3月31日
412 歯科学報 Vol.116,No.5(2016) び ぜん じま たか ひろ 氏 名(本 籍)
備 前 島
崇
浩
(群馬県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 2080 号(甲第1293号) 学 位 授 与 の 日 付 平成27年3月31日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当学 位 論 文 題 目 Fibroblast growth factor-2 promotes healing of surgically created periodontal defects in rats with early,
streptozotocin-induced diabetes via increasing cell proliferation and regulating angiogenesis
掲 載 雑 誌 名 JournalofClinicalPeriodontology 第42巻 62-71頁 2015年 論 文 審 査 委 員 (主査) 井上 孝教授 (副査) 片倉 朗教授 齋藤 淳教授 山本 仁教授 論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 糖尿病は歯周病の重大なリスクファクターである。コントロールされていない糖尿病患者では,歯周組織の 治癒に問題があることが指摘されている。一方,線維芽細胞増殖因子(FGF)-2は,わが国における新規歯周 組織再生療法としての臨床応用が期待されている。しかし,糖尿病患者における再生療法の効果については未 だ不明な点が多い。そこで本研究では糖尿病モデルラットに形成した歯周組織欠損に FGF-2を応用し,治癒 に及ぼす影響について検討した。 2.研 究 方 法 10週齢の雄性 Wistar ラット50匹を使用した。ストレプトゾトシン(STZ)を筋肉内投与した群を糖尿病群, 生理食塩水のみの群を非糖尿病群とした。発症確認後,両側の上顎第一臼歯部に外科的に歯周組織欠損を作成 し,ルートプレーニングを行った。対照側には hydroxypropyl cellulose(HPC)を,実験側には0.3%FGF-2+ HPC を応用した。術後2週,4週で安楽死させマイクロ CT 撮影後,検体を採取し,通法に従い固定,脱灰 した。その後厚さ5µm のパラフィン切片を作成し,H-E 染色,PCNA および血管内皮細胞増殖因子(VEGF) による免疫染色を行い,光学顕微鏡で観察した。 3.研究成績および結論 組織学的観察では糖尿病群で上皮の深行増殖が認められたが,FGF-2の応用により抑制された。FGF-2応 用群では,骨欠損部の根面に対し,斜走する歯根膜様のコラーゲン線維束が観察された。しかしセメント質新 生は健常群にのみ限局的に観察された。PCNA による免疫染色では糖尿病群に比べて健常群で新生骨周囲の 結合組織に陽性細胞が多く観察された。また FGF-2を応用すると健常と糖尿病の両群で,HPC 群に比べて陽 性細胞の割合が有意に増加した(p<0.05)。糖尿病の HPC 群と FGF-2群において,歯根膜様の新生結合組織 中の血管内皮細胞や線維芽細胞などに VEGF 陽性細胞の発現が認められた。マイクロ CT による骨梁構造解 析では FGF-2応用により糖尿病群でも骨体積,骨梁幅は HPC 群に比べて有意に増加していた(p<0.05)。 以上の結果より,今回の FGF-2応用は STZ 誘発糖尿病ラットにおいて,細胞増殖の促進や血管新生の制 ― 68 ―
413 歯科学報 Vol.116,No.5(2016) 御により歯周組織の治癒を促進するが,再生は限定的であることが示唆された。 論 文 審 査 の 要 旨 本研究は,ストレプトゾトシン(STZ)投与による糖尿病ラットに形成した歯周組織欠損に線維芽細胞増殖因 子(FGF-2)を応用し,治癒に及ぼす影響について検討した。その結果,FGF-2応用は糖尿病ラットにおいて 新生結合組織中の細胞増殖を促進し,血管新生を制御することにより歯周組織の治癒を促すことが示唆され た。 本審査委員会では,1.STZ 投与後1週間で糖尿病状態であるとする妥当性,2.細胞増殖の評価に PCNA を選択した理由,3.FGF-2と使用した HPC は足場または担体として捉えているのか,4.生きたま まの状態でマイクロ CT 撮影を行わなかった理由,5.VEGF 陽性細胞はどのような種類が考えられるか,と いった質問および指摘があった。これらに対して,1.今回用いた STZ 投与のプロトコールは1型糖尿病モ デルとして確立されており,外科治療の時期についても先行研究を参考にしたが,あくまで短期の高血糖状態 の影響下における評価であることを考察に追記する,2.当講座および他の先行研究で PCNA 免疫組織化学 染色が使用されており,これらと比較する意図があった,3.あくまでも基剤(vehicle)と考えており,特に 足場としての性質は有さないと考える,4.生きたままの撮影も試みたが糖尿病ラットは死亡する例もみられ たので断念した,5.歯根膜様の新生結合組織中の血管内皮細胞のほか,線維芽細胞および骨芽細胞などに発 現していると考えられる,と概ね妥当な回答が得られた。さらに用語の統一や論文の構成,図の提示や図説の 表現について指摘があり,修正論文が再度確認された。 以上より,本研究で得られた結果は今後の歯学の進歩,発展に寄与するところ大であり,学位授与に値する ものと判定した。 ― 69 ―