第6学年 国語科学習指導案
1 単元名 筆者の考えを受け止め,自分の考えを伝えよう(教材「平和のとりでを築く」) 2 単元観 (児童の実態) (教材について) 本学級の児童は,「生き物はつながりの 本単元では,筆者の平和に対する主張を読み取り, 中に」の学習において,文章構成の工夫を 「平和」に対する認識を広げたり,自分の考えを深 とらえて筆者の伝えたい内容(要旨)をま めたりして,それを発信していくことをねらいとし とめる学習や題名読みから生まれた問題意 ている。本教材文は,広島の原爆ドームが世界遺産 識を連続発展させながら,自分の考えを深 に登録されるまでの道のりについて説明しながら, める学習をしてきた。これらの学習を通し 「核兵器廃絶」「戦争放棄」「平和な社会の実現」 て,段落のまとまりを意識して文章構成か を願う筆者の主張が述べられている。文章構成とし ら筆者の主張を読み取ったり,筆者の考え ては,大きく4つの意味段落に分けられ,I話題提 に対して自分なりの考えを持ったりする力 示,Ⅱ説明①(歴史的背景),Ⅲ説明②(世界遺産 を徐々に身につけてきた。しかし,筆者の 登録までの動き),Ⅳ筆者の考え,というこれまで 主張を読み取り,自分なりの意見をまとめ に児童が学習してきた説明文の基本的な構成にのっ ていく力の個人の能力の差は大きい。また, とっており,児童にとって,筆者の伝えたい内容を 文章構成を意識しながら説明文全体を要約 つかみやすい構成になっている。本教材を読むこと することに苦手意識を持つ児童は多く,文 で,自分自身の心の中の「平和のとりで」の有無や 章の要旨をつかんで自分の考えを表現して 強固さについて見つめなおし,その「とりで」を強 いく力は十分育っているとは言えない。 く,確かなものにしていきたいという気持ちを持つ ことができると考える。 (指導にあたって) 指導にあたっては,教材文を読むことによって「心に平和のとりでを築くこと」の必要性,重要 性に気付かせ,「自分の心の中の『平和のとりで』を強く確かなものにしていく」という視点で読 んでいきたい。読み取ったことをもとに自分の考えを深め,最終的には「平和の大切さ」を発信す る側として行動できるように高めていきたい。 そのために,「つかむ」段階では,題名読みや,初読し読み取ったことを交流する中から,読み のとおしのめあて【「平和のとりでを築く」の意味について考え,筆者の主張を読み取ろう。】を 持たせる。初読の感想カードを整理し,話し合う活動を仕組むことで,読みとおしのめあてに沿っ た学習計画を立てさせる。 「よむ」段階では,原爆ドームが見る人の心に平和のとりでを築くことができると筆者が考える 訳について詳しく読み取っていく。その際,文章構成の工夫〔話題提示~説明(歴史的事実)~考 え・主張〕についても合わせて読み取り,筆者の効果的な主張の述べ方を自分が考えを発信する際 の参考にさせたい。そして,「原爆ドームは戦争を許さず,平和を守っていく意志を築くための世 界の遺産なのだ。」という筆者の主張の真意をまとめる。 「つなぐ」段階では,筆者の考え(主張)についてどう思うか一人ひとりの考えを尋ねることで,賛 成はできるがもっと他にも平和のとりでを築くための方法はあるはずだという問題意識を持たせ, 今までの自分達の経験を振り返りながら,「平和のとりでを築くいろいろな方法」について考え,話 し合わせる。そして,戦争を知らない自分達が平和のとりでを築いていくためにはまず,戦争や平 和について知ることが必要なのだというまとめへとつなぐ。 「いかす」段階では,他の人の心にも「平和のとりで」を広げる第一歩として,まずは○○小学校 のみんなに向けて,自分達が見たり,聞いたり,読んだりしたことを伝える「平和アピール集会」 を開こうという活動ヘつなげたい。その際,修学旅行で見聞きしてきたことも盛り込んで内容を充 実させ,3時,4時で学んだ効果的に主張するための文章構成の工夫を参考にしながら,「平和」 に対する自分の考えをまとめさせ,本単元をまとめる。3 単元の指導目標 (1) 筆者の考えに対して自分なりの考えを持ち,「平和」について興味を持って読んだり,話し 合ったりしようとしている。 (関心・意欲・態度) (2) 書かれている内容について,事象と筆者の意見・訴えたいことの関係を押さえ,自分の考え を持ちながら読むことができる。 (読むこと) (3) 「平和」に対する自分の考えをわかりやすく伝えるために全体の組み立てを考えて意見文に 表すことができる。 (書くこと) (4) 文章にはいろいろな構成があることを知り,適切なものを考えることができる。 (言語事項) 4 評価基準 関心・意欲・態度 読む能力 書く能力 言語事項 ・「 平 和 」 に つ い て の 考 ・事実と意見の違いを ・「平和」に対する自分 ・文末表現に着目して, えを深めるために意欲的 押さえながら筆者の主 の考えが明確になるよ 事実と意見・感想の関 に読んだり,話し合った 張を読み取っている。 うに全体の組み立てを 係をとらえている。 りしようとしている。 考えて書いている。 5 指導計画 (総時間数13時間) 段階 時 主な学習活動 支援・指導の留意点 形態 評価基準と方法 つ 1 ○題名読みや,初読し読み取っ ・題名に着目させ,題名読み 全体 ・ 最 後 の一 文 に 問 か たことを交流する中から,読み を行う。特に「とりで」とい 題 意 識 を持 ち , 読 む のとおしのめあてを持つ。 う言葉の意味から「どこに」 み の め あて を 作 り 平和のとりでを築けばよいの 出している。 かを考えながら初読させる。 (関・意・態) 【読み通しのめあて】 「平和のとりでを築く」の意 味について考え,筆者の主張 を読み取ろう。 ○初読の感想をカードに書く。 ・全体で学習計画を立てるこ とができるように,もっと知 りたいことや,疑問に思った こと,論の展開の仕方で分か らないことを色別にカードに 書かせる。 ○新出語句の意味を調べたり, ・予め新出単語や難語句を提 形式段落分けをしたりする。 示しておき,辞典で調べさせ る。 2 ○初読の感想から,読みの具体 ・前時に書いた感想カードを 全体 ・ 教 材 文に 興 味 を 的なめあてをつかみ,学習計画 分類・整理し,学習計画表を 持 っ て 読み , 具 体 を立てる。 作成させる。 的 な 読 みの め あ て 【学習計画】 を持っている。 1 ・読み通しのめあてを (読) つかもう。 【ワークシート】 2 ・ 学 習 計 画 を 立 て よ う。
3 【学び方学習】 ・ 文 末 表 現 に 着 目 し て,事実と意見・感想 の関係をとらえよう。 4 ・文章構成をとらえよ う。 5 ・原爆ドームがたどっ た歴史を読み取ろう。 6 ・原爆ドームの世界遺 産への歴史を読み取ろ う。 7 ・筆者の伝えたいこと 8 を読みとろう。 9 ・文章を要約して,筆 者の考えをまとめよ う。 10 筆者の考えに対する自 分 の 考 え を ま と め よ う。 11 ・「平和」に対する自 12 分 の 考 え を 発 信 し よ 13 う。 3 学び方学習 ・教材文以外の説明文を用意 全体 ・ 文 末 表現 に 着 目 よ ○文末表現に着目して,事実と し,事実と意見を区別して読 し て , 事実 と 意 見 む 意見・感想の関係をとらえる。 むことで筆者の考えや主張を ・ 感 想 の関 係 を と つかむことができることに気 らえている。 付かせる。 (読) 【ワークシート】 4 ○大まかな内容を話し合い,文 ・ 意 味 段 落 ご と の 要 点 を 考 全体 ・ 教 材 文の 全 体 を 章構成を考える。 え,事実と意見の関係や全体 意 味 段 落ご と に 分 の文章構成をつかませる。 けている。 (読) 【ワークシート】 5 ○形式段落②~⑧を読み取る。 ・「産業奨励館」が「原爆ド 全体 ・ 原 爆 ドー ム が た 形式段落の要点をまとめ,原爆 ーム」と呼ばれているのはな ど っ た 歴史 を 読 み ドームのたどった歴史と人々の ぜか,どうして保存されるこ 取っている。(読) 思いから,自分の感じたこと・ とになったのかを読み取るこ 【ワークシート】 考えたことをまとめる。 とができるように,内容を事 実と意見・考えに分類・整理 させる。 6 ○形式段落⑨~⑪を読み取る。 ・規模が小さいうえ,歴史も 全体 ・ 原 爆 ドー ム の 世 形式段落の要点をまとめ,原爆 浅い遺跡である原爆ドームが 界 遺 産 への 道 の り ドームが世界遺産となったのは 世 界 遺 産 に な っ た の は な ぜ を読み取っている。 なぜかを自分の感じたこと・考 か,世界の人々の思いを読み (読) えたことをまとめる。 取らせる。 【ワークシート】
7 ○形式段落⑫⑬を読み取る。筆 ・形式段落⑫⑬の段落相互の 全体 ・ 筆 者 の伝 え た い / 者の考えを読み取る。 関係を考え,筆者の主張を読 こ と を 読み と っ て 8 み取らせる。 いる。 本 (読) 時 【ワークシート】 9 ○教材文を通して読み取ったこ ・筆者の考えの道筋がたどれ 全体 ・ 文 章 全体 を 要 約 とをもとに筆者の考えをまとめ る よ う に 「 話 題 提 示 」,「 考 し , 筆 者の 考 え に る。 え・主張」の意味段落を中心 対 す る 自分 の 考 え に,要約させる。 を書いている。 (書) 【ワークシート】 つ 10 ○筆者の考えに対する自分の考 ・これまでの学習で深めてき 全体 ・平和のとりでを な えをまとめる。平和のとりでを た「平和」に対する自分の考 築 く 方 法に つ い て ぐ 他に広げるために,これまでの えを意見文に表して,全校の 考えている。 学習で培った「平和」に対する みんなに伝えようという展開 (関・意・態) 自分の考えをまとめて,発信し につなぐ。 【ワークシート】 よう。という新たな課題を持つ。 い 11 ○自分の意見に説得力を持たせ ・意見文を書くために必要な 全体 ・文章構成を考え か 12 る工夫をし,文章構成を考え, 資料から情報収集させ,読む て , 意 見文 を 書 い す 意見文を書く。 段階で学んだ効果的な主張の ている。 仕方や文章構成を参考にしな (書) がら意見文を書かせる。 【ワークシート】 13 ○「平和」に対する自分の考え ・自分の主張との共通点や相 全体 ・自分の考えを発 を発信する。 違点に気を付けながら聞くこ 表している。 とで話し手の主張の中心点を (関・意・態) とらえさせる。 【自己評価シート】
6 本時 (1)主眼 形式段落⑫⑬の意味を対比したり段落相互の関係を考えたりすることにより,「原爆ド ームは,戦争を許さず,平和を守っていく意志を築くための世界の遺産なのだ。」とい う筆者の主張(要旨)をとらえることができるようにする。 (2)準備 拡大教材文,ワークシート (3)展開 学習活動 指導上の留意点 評価 1 前時学習を想起し,本時学習の,○前時学習を想起させるために,原爆 めあてをつかみ,学習範囲である ドームがユネスコの世界遺産への仲間 形式段落⑫⑬を音読する。 入りを果たすまでの年月を確認させる。 ○めあてをつかませるために,学習計 画表を確認させる。 ○学習範囲を確認するために形式段落 ⑫⑬を音読させる。 2 形式段落⑫⑬の段落を通して筆 者・大牟田稔さんが主張したいこ とは何かについて話し合う。 (1)形式段落⑫と⑬を対比して違 ○⑬段落に筆者の主張が表れているこ ・叙述から形式段落 いや共通点をワークシートにまと とに気付かせるために⑫⑬段落を比べ,⑫,⑬を対比してい める。 文末表現や内容の共通点や違いをワー る。 【構成活動】 クシートにまとめさせる。 (読む) ○筆者の主張がより強く表れた段落が 【ワークシート】 (2)形式段落⑫と⑬の違いや共通 ⑬段落であることをつかませるために, 点について話し合う。 形式段落⑫⑬を対比し,⑬段落の必要 【交流活動】 性や⑫,⑬段落の役割を考えさせる。 ・形式段落⑫と⑬を対比して違いや 共通点を話し合う。 3 筆者の主張をまとめ,自分の考 ○筆者の主張をまとめた上で,自分の えを見直す。 考えを作らせる。 【再構成活動】 ○「心に平和のとりでを築くことが大 切」という筆者の一番の主張をおさえ る。 ・筆者の主張に対して自分の考えを ○原爆ドームは自分にとって何なのか, 作る。 考えを整理させるためにワークシート にまとめさせる。 4 学習計画表をもとに次時の学習 ○自己評価を行う。 の見通しを持つ。 ・筆者の主張を読み 取り,自分の考えを 書いている。 (書く) 【ワークシート】 めあて 筆者の主張を読み取ろう。 ⑫段落 原爆ドームがたどった歴史のまとめ ⑬段落 筆者の主張が述べられた文全体の結び