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正則曲線と直線分が混在した平面閉曲線の2重接線について

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Academic year: 2021

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(1)2005−AL−101(4)   2005/5/19. 社団法人 情報処理学会 研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 正則曲線と直線分が混在した平面閉曲線の2重接線について 仁尾 都 明星大学経済学部経営学科 正則平面閉曲線が持つ2重接線と2重点および変曲点の数については,一定の規則があるこ とを Fabricius と Bjerre が示した.今回,有限個の正則曲線及び直線分がその端点において非 接線連続で繋がった平面閉曲線に対しても,2重接線,2重点,変曲点,ならびに端点の数の 間に一定の規則があることを示した. この関係式は Fabricius と Bjerre の定理の拡張になって いる.. On the double tangents of plane closed curves composed with regular curve segments and straight line segments Misato Nio Meisei University, Faculty of Economics Fabricius and Bjerre showed the relations between the number of double tangents, double points and inflection points on a regular plane closed curve. Here, we have showed the new relations between the number of double tangents, double points, inflection points and vertices on a plane closed curves composed with regular curve segments and straight line segments. The relations are an extension of Fabricius and Bjerre’s. 1.はじめに Fabricius と Bjerre は一本の正則曲線よりなる平面閉曲線が持つ2重接線(共通接線,共通 支持線)と2重点および変曲点の数に関しては一定の関係式が成立することを示した〔1〕 . 変曲点を持たない正則閉曲線に対しては,2重接線タイプⅠの数には上限が存在することを Halpern が予測した〔2〕が,小沢がその予想を証明した〔3,4〕 .非正則平面閉曲線に関 するものとして,直線分より構成される閉曲線,すなわちいわゆる多角形に対しては,同様の 関係式〔5,6〕が存在する事が知られている.今回,有限個の正則曲線と直線分が端点(以 降結合点と呼ぶ)で接線非連続に接続された平面閉曲線(図1,以降,区分正則・直線分閉曲 線と呼び,直線分を含まないものを区分正則閉曲線と呼ぶ)の2重接線,2重点,変曲点,な らびに結合点に関して一定の関係式が成立することを示した.この関係式は Fabricius と Bjerre の定理の拡張になっている.2章では,正則閉曲線に対する Fabricius と Bjerre の定 理を説明し,3章では区分正則・直線分閉曲線に関する定理とその証明を示し,4章では結果 の検討を行う.. −25− −1−.

(2) 正則閉曲線 図1. 区分正則・直線分閉曲線 正則閉曲線と区分正則・直線分閉曲線の例. 2.従来の研究成果――区分正則閉曲線に対する2重接線の数に関する関係式 可微分写像 u(s)=(x(s) ,y(s) ) , (0≦s≦a,s∈R, (x,y) ∈R2)で du(s)/ds≠0である写像 C を正則曲線と呼ぶ.0≦∃ t≦a, u(s+t)=u(s)の時, Cを正則閉曲線と呼ぶ.2重点は正則閉曲線Cが自分自身と交わる点D(C)を指し,その数 を#D(C)とする.Cの2重接線のうち,Cの2つの接点の近傍がともに2重接線が二分す る半平面の一方だけに属する2重接線をTⅠ(C)と呼び,その数を#TⅠ(C)とし,そう ではない2重接線をTⅡ(C)と呼び,その数を#TⅡ(C)とする.Cの変曲点F(C)の 数を#F(C)とする. 〔Fabricius と Bjerre の定理〕 正則閉曲線Cが一般の位置にあるとき,次の関係式が成り立つ. #TⅠ(C)−#TⅡ(C)=#D(C)+0.5#F(C) ・・・・ (1) 図2の例では,3−1=2+0.5×2の等式が成り立つ. タイプⅡの2重接線. タイプⅠの2重接線. 変曲点 2重点. 図2. 正則閉曲線の2重接線. 3.区分正則・直線分閉曲線に対する2重接線の数に関する関係式 まず,用語の定義を行う. ・区分正則・直線分閉曲線C:正則曲線及び直線分の集合{ci } (i=1,2, ・・・,n, n>1)であり,ciの終点は隣のci+1 の始点とだけ非接線連続で互いに繋がっているとす る(iはnを法とする) . ・結合点DⅠ,Ⅱ,Ⅲ:ci の終点(s=ai)とci+1の始点(s=0)が一致する点を結合点 と呼ぶ.ci のs=tにおける曲率をκ(ci ,t) ,接線ベクトルをv(ci,t)とする. −26− −2−.

(3) v(ci,ai)からv(ci+1,0)への角度増分をθ(ci,ci+1)とする(−π<θ<π) . ci とci+1 の結合点をκ(ci ,ai)*κ(ci+1 ,0)およびκ(ci ,ai)* θ(ci ,ci+1 )の値の正負により,表1のように分類する.DⅠの数を#DⅠ,DⅡの数 を#DⅡ,DⅢの数を#DⅢとする.DⅠ,DⅡ,DⅢの例を図3に示す.なお,Cに直線分 のciが含まれるときは,もしci−1の終点においてciが左側に折れる場合は正を,そうでな い場合は負の符号を与え,Cのすべての直線分に共通の,かつ下記の条件を満たすように決定 された充分小さな正の実数wをその絶対値とする曲率を持たせた正則曲線でもある円弧ci’ をci の代わりに置きなおして以下の議論を進める. wを設定する際は,ci ’を,ci’の曲率の絶対値wをw≧∀ε>0であるεに変更した円 弧ci ’’に変更しても,下記の3つの条件を満たすようにする. (a)κ(ci−1,1)*κ(ci’ ’ ,0) ,κ(ci ’ ’ ,1)*κ(ci+1,0) ,κ(ci−1, 1)*θ(ci−1,ci ’ ’ ) ,κ(ci ’’ ,1)*θ(ci ’ ’ ,ci+1)の符号は変化させない. (b)ci ’ ’の始点と終点以外では,cj(i≠j) ,cj ’ ’ (i≠j)とは2重接線を持たせ ない. (c)ci ’ ’は,cj (i≠j) ,cj’’ (i≠j)とは本来のCの持つ2重点の総数を増減さ せない. 以上のようなwを設定できるのは,wを小さくすることによりci’をciに限りなく高精度 に近似できるからである.なお,このように,Cのすべての直線分を円弧に置きなおした直線 分を含まない区分正則閉曲線C’の変曲点の総数は,円弧には変曲点がないのでCの変曲点の 総数に等しい. 表1.ci とci+1 の結合点の分類方法 κ(ci ,1)*θ(ci,ci+1) κ(ci ,1)*κ(ci+1 ,0). +. −. +. DⅢ. DⅠ. −. DⅡ. DⅡ. ・ ループLⅠ,LⅡ,LⅢ:ci とci+1 を連結する結合点DⅠを始点,終点とし,ciと ci+1とはC∞ 接続する正則曲線のうち,自分自身あるいはciあるいはci+1との間に2重点 を持たず,自分自身上の2点間に2重接線を持たず,また変曲点を持たないループをLⅠと呼 び,その数を#LⅠと呼ぶ.同様に,DⅡの位置に,自分自身あるいはci あるいはci+1と の間に2重点を持たず,自分自身上の2点間に2重接線を持たず,変曲点を1つだけ持つルー プをLⅡと呼び,その数を#LⅡと呼ぶ.同様に,DⅢの代わりに,自分自身あるいはciあ るいはci+1との間に2重点を持たず,自分自身上の2点間に2重接線を持たず,変曲点を2 つだけ持つループをLⅢと呼び,その数を#LⅢと呼ぶ.なお,各ループはその始点,終点と して結合点を含むものとする.LⅠ,LⅡ,LⅢを付加されたciとci+1 とループは一本の 正則曲線を新しく生成する(図3) .. −27− −3−.

(4) LⅠ. DⅡ. LⅡ. LⅢ. DⅠ. 変曲点. 変曲点 変曲点 ci+1. ci 図3. DⅢ. DⅠ,Ⅱ,Ⅲの代わりにLⅠ,Ⅱ,Ⅲを加えた例の例. ・スコープ:ciの終点における接線の右半平面とci+1の始点における接線の右半平面との 共通集合,およびciの終点における接線の左半平面とci+1の始点における接線の左半平面 との共通集合の和集合をその結合点のスコープと呼ぶ(図4) ・ TⅠ(*,*) ,TⅡ(*,*) :*はC,ループ、結合点である。前者は*と*の間のタイ プⅠの、後者はタイプⅡの2重接線と呼び,その数を#TⅠ(*,*) ,#TⅡ(*,*) と呼ぶ.例えば TⅠ(C,C)は2章で述べたTⅠ(C)に一致する。ただし、2つの接 点の一方が結合点ではなく,他方が結合点の場合,2重接線のC側の接点がDjのスコー プに含まれる場合はこれを数えないとする(図4) .. スコープ. TⅠ(C,Dj) カウント対象 図4. TⅠ(C,Dj) カウント非対象. TⅠ(Dj,Dk) TⅠ(Dj,Dk) カウント対象. カウント非対象. 結合点のスコープと TⅠ(C,Dj) ,TⅠ(Dj,Dk)のカウント対象の例. ・DⅠ(*) ,DⅡ(*) ,DⅢ(*) :*の中の結合点DⅠ,DⅡ,DⅢの数を指す.*は区 分正則閉曲線,ループである. ・D(*、*) :*と*の間の2重点の数を指す.*は区分正則閉曲線,ループである。例え ばD(C,C)は2章で述べたD(C)に一致する。 ・F(*):*(区分正則閉曲線,ループ)の変曲点の数の合計である.例えばF(C)は2 章で述べたF(C)に一致する。LⅠ,LⅢの定義によりF(LⅠ)=0、F(LⅢ)=0で ある。 〔定理〕 区分正則・直線分平面閉曲線Cが一般の位置にあるとき,下記の関係式が成り立つ. −28− −4−.

(5) #TⅠ(C)−#TⅡ(C) =#D(C)+#DⅠ(C)+0.5#DⅡ(C)+0.5#F(C) ・・・・・・ (2) 〔証明〕 区分正則・直線分平面閉曲線Cは正則曲線{ck } (k=1,2, ・・・,n)がkの順序に従 って繋がっているとする.以降,Cに含まれている直線分は,上で述べたような絶対値wと符号 を持った曲率の円弧に置き換えた区分正則閉曲線を再びCとして議論を進める.ここで,C’’ をCから結合点を除いたCの部分集合と定める.まず,C’ ’に対して,すべてのDi(i=Ⅰ, Ⅱ,Ⅲ)のあった場所には,任意に定めた一定値r(>0)よりも小さな最大径を持つLiをc の終点と,およびck+1の始点と接線接続となるように挿入する.この結果,C’ ’が一つの正. k. 則閉曲線C’になるので, Fabricius と Bjerre の定理により,下記の式が成立する.なお,以 降は,式表示の簡素化のため,式中の#は省略する. (TⅠ(C’ ’ ,C’ ’ )+Σi TⅠ(C’’ ,Li)+Σi,j TⅠ(Li,Lj) ) −(TⅡ(C’ ’ ,C’ ’ )+Σi TⅡ(C’ ’,Li)+Σi,j TⅡ(Li,Lj) ) =(D(C’ ’ ,C’ ’ )+Σi D(C’ ’ ,Li)+Σi,j D(Li,Lj) ) +0.5(F(C’ ’ )+DⅡ(C’ )+2DⅢ(C’ ) ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 以下に,rを十分小さくしたときに下記の(3)から(8)式が成立することを示す. なお, rを小さくするときは,円弧とループとの間に円弧の始点,終点以外の点で新たな2重接線や2 重点が発生する場合は,その発生を避けるように各円弧の曲率の絶対値wを再度充分に小さくす ることとする.なお,TⅠ(C’ ’ ,C’ ’)とD(C’ )はrの変化には不変である. Σi D(C’’ ,Li)=0・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (4) Σi,jD(Li,Lj)=DⅠ(C’ )+DⅡ(C’ )+DⅢ(C’ ) ・・・・・・・・・・・(5) TⅠ(C’’ ,LⅠ)−TⅡ(C’ ’ ,LⅠ)=TⅠ(C’ ’ ,DⅠ)−TⅡ(C’ ’ ,DⅠ) ・・・・ (6) TⅠ(C’’ ,LⅡ)−TⅡ(C’ ’ ,LⅡ)=TⅠ(C’ ’,DⅡ)−TⅡ(C’ ’,DⅡ)+DⅡ(C’) ・・・・・・・(7) TⅠ(C’’ ,LⅢ)−TⅡ(C’ ’ ,LⅢ) =(TⅠ(C’ ’ ,DⅢ)−TⅡ(C’ ’ ,DⅢ) )+2DⅢ(C’ ) ・・・・・・ (8) Σi,j TⅠ(Li,Lj)−Σi,j TⅡ(Li,Lj) =Σi,jTⅠ(Di,Dj)−Σi,j TⅡ(Di,Dj) ・・・ (9) (4)式:∃δ>∀r>0の時は,ループとC’ ’の間の交差がなくなる事は自明である. (5)式:∃δ>∀r>0の時は,ループと他のループの間の交差もなくなるのは自明である が,自分自身のループの交差(結合点のこと)は残る. (6)式:ある一つのDⅠのLⅠに着目しよう.rが大きな値をとる範囲ではLⅠとC’ ’の #TⅠと#TⅡは増減をする可能性があるが, ∃δ>∀r>0の時は増減はしなくなり, しかも, −29− −5−.

(6) C’’側の接点がDⅠのスコープ内に入る2重接線と入らない2重接線とのグループに分かれ, そのグループ内の数も一定の値を保つようにすることができることは自明である.今,C’ ’側 の接点がDⅠのスコープ内に入るタイプⅠの2重接線の数をs,C’ ’側の接点がDⅠのスコー プ内に入るTⅡの数をtとすれば, s=tであることを説明する. rが十分小さければ, TⅠ (Ⅱ) のスコープ内にあるC’ ’側の接点uから,uが属しているスコープ内のC’ ’の近傍内のu’か らループLⅠへのTⅡ(Ⅰ)を描くことは可能である.したがって,このような状態ではTⅠと TⅡの2重接線は常にペアになって,相殺するので(図5) ,s=tであり, TⅠ(C’ ’ ,LⅠ) −TⅡ(C’’ ,LⅠ)の数の中には,C’ ’側の接点がスコープ内にあるような2重接線は含ま れない.一方, TⅠ(C’ ’ ,DⅠ)−TⅡ(C’ ’ ,DⅠ)の数の数え方は,結合点を通りスコー プ内を通る2重接線は数えないことと定められている.. 図5. スコープ内のタイプⅠとタイプ2の2重接線のペア. したがって,(6)式の左辺には,結合点とその結合点のスコープ外のC’ ’間の2重接線のみが 残るので,(6)式が成立する. (7)式:ある一つのDⅡのループⅡに着目しよう.∃δ>∀r>0の時は,C’ ’側の接点 がスコープ内に存在するTⅠとTⅡは常にペアになっていることは,上記の議論と同様である. それでも,r>0である限り, TⅠ(C’ ’ ,LⅡ)−TⅡ(C’ ’ ,LⅡ)=TⅠ(C’ ’ ,DⅡ) −TⅡ(C’’ ,DⅡ)とはならない.なぜなら,DⅡの両側の正則曲線のどちらか一方に,その 結合点の近傍の曲率の符号が正の正則曲線aが存在するが, aとループとの間に存在する一本の TⅠはr>0である限り残る(図6) .その総数はDⅠにつき1本であるから(7)式を得る. (8)式:ある一つのDⅢのループⅢに着目しよう. (7)の議論とほとんど同じであるが, 異なるのはr>0である限り,DⅢの両側の正則曲線の両方に,ループからC’ ’へのTⅠが必 ずそれぞれ1本ずつ残ることである(図6) .そのすべてのTⅠの数はDⅢにつき2本であるか ら(8)式を得る.. 変曲点 変曲点 ループⅡ 図6. 変曲点 ループⅢ. r=0の時に初めて消滅するループⅡ,ⅢのタイプⅠの2重接線. (9)式:i≠jとし,ある一つの結合点pのループlに着目しよう.∃δ>∀r>0の時は, 相手のループ側の結合点をpのスコープ内に入れることができるかどうかを定常的に判定でき −30− −6−.

(7) るようになり,相手のループ側の結合点をpのスコープ内に入れることができる相手側のループ に対しては, 相手側のループの接点がスコープ内に存在するTⅠとTⅡは常にペアになっている ことは,上記の議論と同様である.したがって(9)式の左辺は,結合点同士を結ぶ線分が相手 側の結合点のスコープに入っている場合はカウントされないので, (9)式が成立するようにな る. i=jの場合,ループ自身がその中に2重接線を持たない.以上から(9)式は成立する. 結局, (3)式の左辺に(6)から(9)を,右辺に(4)と(5)式を代入し,左辺と右辺の 共通項を整理すると(2)式を得る.■ 4.結果の検討 本定理は,当然のことながら,直線分を含まない区分正則閉曲線に対して成立する.同様に, 直線分のみよりなるいわゆる多角形についても本定理は成立する. 図7の(a)の正則曲線が3つの図形では,Dは1つ,DⅠ,Ⅱはそれぞれ一つ,Fは1つ, TⅠ(実線)は5つ,TⅡ(点線)は2つである.正則曲線が2つ,直線分が2つの(b)では,線 分番号を図中の矢印のようにつけた場合,Dは1つ,DⅠはなく,DⅡは3つ,Fは1つ,T Ⅰ,TⅡはそれぞれ5つと2つを持っている.したがって,2図形とも(2)式が成立する. ループLⅢとして,変曲点を持たない代わりに,自分自身に2重接線TⅠを1つだけ持つル ープ(図8)を用いた場合でも, (2)が同様に得られる.この場合,Fが2つ減る代わりに, ループとC’ ’とのDが2つ増え,それに呼応してTⅠが1つ増えている.ループとC’ ’の間 のTⅠが2本であるのは不変である.. 円弧近似により 固有のDⅠ. 直線(正の曲率の円弧近似). 固有のDⅡ. 固有のDⅢ. 直線(負の曲率の円弧近似). 発生するDⅡ. 固有の DⅡ. 円弧近似 により 円弧近似に 発生するDⅢ より発生す 変曲点 変曲点. (a)区分正則閉曲線の例. るDⅡ. (b)2本の直線分を含む区分正則・直線分閉曲線の例 図7. 本定理の検証例. 直線分に対する曲率の正負を一定のルールに従って決定するとしたが,この目的は(2)式の 計算を簡便にするために設けたものであり,本来曲率の正負を直線分ごとに自由に設定しても かまわない.また,線分に番号をつける際,時計回り方向につけるかどうかは任意でかまわな い. −31− −7−.

(8) (2)式は(Ⅰ)式の素直な拡張である.今回得た定理と Fabricius と Bjerre の定理とを見比べ ると,DとDⅠは2重点として見なし,FとDⅡは変曲点と解釈し,結合点Ⅲの数は無視する という数え方をすれば,(2)式の右辺の計算方法は Fabricius と Bjerre の定理と同様になるこ とを2つの定理は示唆している.Fabricius と Bjerre の定理は本定理の正則曲線あるいは直線 分の集合{ci } (i=1,2, ・・・,n,n>1)において,n=1で,ciが正則閉曲線で あ る場 合に相 当す る. 直線分 で構 成される多角形 において, (1 ) 式が成 立するという T.B.Banchoff の定理〔6〕は,本定理のn>1で,すべてのciが直線分である場合に相当す る. ループLⅢ自身の2重接線. 結合点Ⅲ. 図8. ループLⅢ. ループⅢとして自分自身の2重接線を1本持ったループを用いた場合. 5.終わりに 正則曲線と直線分が混在した平面閉曲線に対して,2重接線,2重点,変曲点,ならびに結 合点の数の間に一定の規則があることを示した.この関係式は正則平面閉曲線の数に関する Fabricius と Bjerre の定理の拡張になっている. [1] Fr.Fabricius-Bjerre: On the double tangents of plane closed curves, Math. Scand 11, pp113-116 (1962). [2] B.Halpern : Global theorem for plane closed curves, Bull. Amer. Math. Soc.. 76,. pp96-100(1970). [3] T.Ozawa: On Halpern’s conjecture for plane closed curves, Proc. Amer. Math. Soc. 92, pp554-560 (1984). [4] 小沢哲也:平面図形の位相幾何,培風館,(1997). [5] T.B.Banchoff: Global Geometry of Polygons, Proceedings of Amer. Math. Soc. Vol.45, Number 2, August, pp96-100(1974). [6] B.Halpern: Double normals and tangent normals for Polygons, Proceedings of Amer. Math. Soc. Vol.51, Number 2, pp434-437, September, (1975).. −32− −8−.

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