低線量放射線リスクの定量評価と放射線防護への反映
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(2) 培養日数 5. 7. 9. 12. 緑:幹細胞 赤:幹細胞からつくられた機能細胞. 図1 腸管幹細胞オルガノイド培養実験系 マウス小腸から分離した幹細胞を含む小腸組織細胞を 試 験 管 内で培 養して得られたオルガノイド。緑は幹 細 胞、赤は幹細胞が分裂してつくられた細胞。培養日数が 進むにつれて、金平糖状になり、小腸の絨毛の根元に存 在するクリプトに類 似した突 起 が 生じた。さらに、生 体 内における分布と同様に、その底部に緑色の幹細胞が 存在することが確認できた。. * *. 100 80 60 40 20 0 0. 7.25 29. 101 304 1000 2000 4000. 二次オルガノイド数. * 䛵⤣゛ᏕⓏ䛱᭯ណᕣ䛒䛈䜑䛙䛮䜘⾪䛟 * *. 12 10 8 6 4 2 0. 重点課題. オルガノイド数. * 120. 0. 7.25 29. 101 304 1000 2000 4000. 線量 (mGy). 線量 (mGy). 図2 オルガノイド実験系による放射線影響評価 放射線照射後に形成されたオルガノイドの数(左)。オルガノイドは幹細胞からできるため、オルガノイド形成効率は幹 細胞の放射線照射後の生存率を表す。非照射群と比べて1000 mGy以上で有意に減少することが分かった。 また、放射線照射後に傷ついた組織を修復するため、生き残った幹細胞は活発に組織再生すると考えられるが、これを 定量的に評価したデータはこれまでなかった。そこで、照射後に形成された一次オルガノイドを細胞に分解し、再度培養 して二次オルガノイドを形成させて、幹細胞の組織再生能を評価した(右)。1個の一次オルガノイドから形成された二 次オルガノイドの数を計測し、照射線量が大きいほど増加することを定量的に明らかにした。. 図3 さびによる放射線計数効率の低下(試験結果及 び理論値). 図4 原子力関連施設倉庫内の実環境におけるさび 発生試験結果. 炭素鋼にα核種である241Amを滴下した試験結果を、例と. 炭素鋼とステンレス鋼を原子力関連施設倉庫内の実環. して示す。試験結果はほぼ理論値と一致した。. 境に設置し、経年変化によるさびの発生量を観測した。. このことから、エネルギーの違いによる理論式の傾きの違. 図3の評価から、238 Uで汚染した炭素鋼では500日経. 238. いを考慮することで、さびによる. Uの放射線計数効率. 低減度を推定することが可能となる。. 過後には放射線計数効率が0.4∼0.5程度に低下する と推定できる。. 17. 研究年報_P06-P33-課題01.indd 17. 14/05/26 12:43.
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