はじめに
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百日咳は百日咳菌によって起こる、特有の痙攣性の 咳発作を特徴とする急性気道感染症で、咳にともなう 飛沫感染および接触感染で感染します。百日咳菌は、 麻疹ウイルスと並んで高い感染力を有し、春から初夏 にかけて最も多く発生します。 従来、百日咳は乳幼児の疾患とされていましたが、近1
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臨床経過は次のように 3 期に分けられます。 1)カタル期(約 1-2 週間):通常 7-10 日間程度の潜伏 期を経て、通常発熱はなく、鼻汁と軽い咳で始まり、 次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。実は この頃が菌の排出が多く周囲を感染させやすい時期な のですが、カタル期に百日咳を診断することは難しく、 感染が拡大しやすいのです。 2)痙咳期(約 2-3 週間持続):次第に特徴的な発作性、 痙攣性の咳(痙咳)となります。発作は夜間に多く、 年、成人での感染例の報告が多くなっています。2007 年には、大学などで大規模な集団感染が発生し、感染 者が 300 名を超える大規模な集団感染事例も報告され ました。その後も、15 歳以上の患者さんの占める割合 が増加する傾向が続いています(下図)。 (国立感染症研究所) 短い連続性の咳の後に、1 回の吸気が続き、この時に ヒューという音が聞かれ(笛声:whoop)、しばしば嘔 吐を伴います。発熱はないか微熱程度ですが、反復性 の激しい咳漱発作のため、顔面浮腫、点状出血、眼球 結膜出血、鼻出血などが見られます。年齢が小さいほ ど症状が非定型的で、乳児期早期では特徴的な咳がな く、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノ ーゼ、けいれん、呼吸停止と進展することがあります。 合併症としては肺炎や、脳症など(乳児期)に注意が必 滋賀大学保健管理センター(2010.6)百
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要です。1992-94 年の米国での調査によると、致命率 は全年齢児で 0.2%、6 カ月未満では 0.6%とされてい ます。 3)回復期(2, 3 週以降):激しい発作は次第に減衰し ますが、その後も時折忘れた頃に発作性の咳が出ます。 全経過約 2-3 カ月で回復します。 4)成人百日咳の症状 百日咳の症状は、成人では比較的軽微で、長引く咳 が唯一の症状であることが多いとされています。しか しながら、連続する咳発作や夜間咳嗽が 50%以上の症 例に認められ、咳込みにより覚醒することもあります。