「在宅ホスピスを語る会」

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(1)2013 年度（前期）. 完了報告書. 在宅ホスピスを語る会. 北九州ホスピスの会代表. 林. 利津子. 北九州市小倉南区上石田 2-15-42. （小倉記念病院. 医療ソーシャルワーカー）.

(2) １．はじめに私たち、北九州ホスピスの会は、「最期まで住み慣れた町ですごしたい・・」をテーマにたちあがったボランティア組織で、緩和ケアの研修会やボランティアの講座を市民の啓蒙として開催していくとともに、デイホスピスや在宅でのボランティアができないかを模索している。それらの活動の一環として、在宅での良さを市民の皆さんに知っていただくために、在宅で看取った経験のあるご家族とその担当医、医療スタッフをお招きし、「在宅ホスピスを語る会」を開催している。２．内容最初に、ゴスペルクワイヤー「エンジェリックシャウト」１０名によるコーラスから始まった。「A HAPPY DAY」などのコーラスが会場の雰囲気を和らげてくれた気がする。在宅でご家族を看取られたご家族が２家族とその担当医、それぞれの訪問看護、ケアマネージャーのお話が座談会形式で行われた。医師による病状の説明、ご家族の紹介から、病院や在宅でのエピソードが話された。「家に帰りたい、家で死にたい」という本人の強い希望があり、その希望にそって在宅での看護がなされている。２家族の立場は異なり、実の父親を看取った娘さんと義理の母親を看取ったお嫁さんという立場ではあったが、本人の意思を尊重したいというお気持ちは変わりなく自宅に連れて帰られている。実の父を看取った娘さんは在宅スタッフとの交換日記のように、在宅介護の様子を絵をいれて、ノート３冊にもつづられていた。趣味がカメラとプラモデル作りというお父さんの好きなことを最期までやってあげたいとぎりぎりまで努力をされていた。そこには深い親子関係が感じられた。その中で在宅ではないが、私の印象に残ったのは急性期病院の若い医師のお話で、告知を受けて落ち込んでいるお父さんをみて、娘さんに「お父さんの好きなものは何ですか?」と聞き、ある店のコーヒーと話したら、その医師はそのコーヒー店に行き、コーヒーを飲み、コーヒー豆を買ってきて、病室でお父さんのためにいれてくださったそうだ。その気持ちにお父さんは感動され、生きる意欲を持ちなおされたと話されていた。そういう若い医師がいらっしゃることは大変うれしく感じた。生きる意欲が帰りたいという希望にもつながったと思われる。また、もう一家族のお嫁さんも、次男の嫁という立場で同居の義理のお母さんが家に帰りたいと言われ、家で看取ろうと思ったが、兄と姉の気持ちを確かめることができないままだったそうだ。これでいいのかなという思いが最後まであったと言われていた。最期の急変時にかかりつけの急性期の病院に救急車で運んでしまい、その救急室で亡くなられたそうで、本当にお母さんは病院には行きたくなく、家で亡くなりたかったんだな、と思ったと言われていた。救急車で運んだ行為を後からいろいろに悔いていたそうだが、周りから、長男さんのお気持ちがはっきりしないままの状態であったのだから、病院に運んだこ.

(3) とは間違ってなかったといわれ、気持ちが落ち着いたと言われていた。さまざまな看取りの中にもご家族の葛藤はある。でも、在宅でなければ感じられない喜びも多く、本人の満足もあり、皆さんの表情は晴れ晴れとしていた。座談会終了後は. 波紋音という鉄で作られている鐘のような感じの楽器をお部屋を暗く. して、静かに味わった。座談会の余韻とともに心に深くしみる音だった。. ３．まとめこのようなご遺族をお招きしての「在宅ホスピスを語る会」は３回目であるが、広く市民の方に在宅の良さを知っていただくということを目的としているので、いつも音楽の演奏をいれて、柔らかい感じの雰囲気になるように努めている。ご遺族の方も話すことによって、自分の気持ちの区切りもつけられたという言葉もあり、お話をしていただくという意味あいは大きいと思える。また、質問もかなりあり、「どういうアドバイスがあれば看取れるのか？」とか「自然死というのはどういう形で亡くなっていくのか」とかなかなか聞ける機会がない質問が寄せられた。. ４．感想「住み慣れた町で最期まですごしたい・・・」というテーマで取り組んで３年目になるが、年々関心のある方が増えている印象を受ける。緩和ケアという大きなくくりの中で、在宅ホスピスの市民への啓蒙とボランティアという２本の柱で日々活動しているが、「在宅ホスピスボランティア養成講座」という年５回のシリーズで緩和ケア、在宅について、ボランティアについての研修も現場の看護師さんや介護士さん、一般の方々含め、多くの受講者が来られる。その中で感じるのは、まだまだ、どこに聞いたらいいかわからないという一般の方々が多くいらっしゃるのだなということだ。そういう在宅をするためにはどうしたらいいのか？どこに聞いたらいいのか？. とい. う質問も多く受ける。啓蒙ということもとても必要であり、また在宅を担う医師、訪問看護の存在をしらせるべくネットワークも大切であるように思う。急性期病院に勤務するソーシャルワーカーという立場からは今後は施設での看取りももっと増えていく必要があると感じている。どういう最期がいいか、個々人に考えてもらえるようなアドバイスが大事であると思う。また、現在の高齢介護、一人暮らしの多さを考えると、今後はボランティアの存在も大変重要になってくると感じている。私たち北九州ホスピスの会はボランティア組織という微力ではあるが、継続して活動をしていくことが大きな力になると信じている。今回は勇美記念財団から助成金をいただき、開催でき会一同大変感謝をしています。. 「公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の助成により開催した」.

(4) 自分の住み慣れた場所へ帰りたい大切な人と最後まで過ごしたい、最後まで看取りたいそして自分の最期の時は…… 日頃避けて通りがちな「その日」について話してみませんかあなたの気持ちを聴かせてください。. 日時プログラム. 平成 26 年 2 月 15 日（土） 14：00～16：00 ゴスペルクワイア「エンジェリックシャウト」. 平成 26 年 3 月 15 日（土） 14：00～16：00 弦楽アンサンブル「守恒ストリングアンサンブル」. 座談会・在宅でご家族を看取られた方・関わった医療、介護などの関係者波紋音演奏. 場所. 黒崎ひびしんホール 2Ｆ大練習室. ムーブ内大手町練習場 10Ｆ大練習室. 住所：八幡西区岸の浦 2 丁目 1-1 （厚生年金病院近く）駐車場あり電車：JR 黒崎駅から徒歩 5 分. 住所：小倉北区大手町 11-4 （北九州ソレイユホール前）駐車場近隣にもあり. ※スリッパをご持参ください. 問合せ. 北九州ホスピスの会清原：080-1769-4670. 佐藤：080-7018-9847. 林：090-5746-8363. 主催：北九州ホスピスの会共催：ふくおか在宅ホスピスをすすめる会後援：北九州市教育委員会助成：公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団.

(5) 自分の住み慣れた場所へ帰りたい大切な人と最後まで過ごしたい、最後まで看取りたいそして自分の最期の時は…… 日頃避けて通りがちな「その日」について話してみませんかあなたの気持ちを聴かせてください。. 日時プログラム. 平成 26 年 2 月 15 日（土） 14：00～16：00 ゴスペルクワイア「エンジェリックシャウト」. 座談会・在宅でご家族を看取られた方・関わった医療、介護などの関係者ご家族： 2 家族担当医：井手消化器・呼吸器・外科医院訪問看護：ひまわり訪問看護ステーションケアマネ：ケアプランセンターいぶき訪問看護：八幡医師会訪問看護ｽﾃｰｼｮﾝ. 井手廣重原口有川. 誠一郎先生啓子富美子美紀. 波紋音演奏磯部久子. 主催：北九州ホスピスの会共催：ふくおか在宅ホスピスをすすめる会後援：北九州教育委員会助成：公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団.

(6) ＊当日配布資料. A さん. 71 歳男性. 【現病歴】平成 19 年１月急性心筋梗塞時に肺癌と診断された。ステント挿入後に化学療法を 2 クール受けるも、効果がなく６月には急性膵炎を発症、56 キロだった体重が 49 キロに減少し自宅で療養中だった。【在宅での経過】当初は食欲がなく、自宅で点滴を施行、８月のお盆以降はモルヒネ製剤の使用を開始し、訪問看護を行った。11 月と１月に済生会病院の外科外来を受診し、緊急時等はいつでも外来受診をして下さいと指示された。. B さん. 78 歳女性. 【現病歴】平成 20 年６月 15 日に喘息の発作治療後に新日鐵八幡記念病院を退院、在宅での療養を開始した。【既往歴】22 歳時卵巣嚢胞にて手術、35 歳時胆石にて手術、39 歳時肺結核にて左上葉切除術、52 歳時頚部脊椎症にて手術、58 歳時多発性脳梗塞、左膝の手術、左腎腫瘍にて手術【在宅での経過】平成 23 年 2 月に血尿（凝結塊）にて新日鐵に入院、輸血治療後に尿道カテーテル留置のまま退院となる。3 月 15 日血圧低下、頻呼吸、低酸素状態となり心不全の診断で新日鐵に救急搬送となる。.

(7) エンジェリックシャウト. 座談会風景. ゴスペルクワイア.

(8) 会場風景. 波紋音の演奏.

(9)