Remarkable Activation and Stabilization of Thermolysin by Solvent Engineering and Exploration of the Microenvironment of Its Active Site

全文

(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Remarkable Activation and Stabilization of Thermolysin by Solvent Engineering and Exploration of the Microenvironment of Its Active Site( Abstract_要旨 ) Wakai(Kuzuya), Keiko. 京都大学. 2002-03-25. http://hdl.handle.net/2433/149891. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 【5 1 4】 わか. 氏. 名. 若. い くずや. 井( 暮谷) 士. こ. 桂. 子. 学位( 専攻分野). 博. 学 位 記 番 号. 農. 学位授与の 日付. 平 成 1 4 年 3 月 25 日. 学位授与の要件. 学 位 規 則 第 4 条 第 1項 該 当. 研 究 科 ・専 攻. 農 学 研 究 科 応 用 生 命 科 学 専 攻. 学位 論文題 目. Re ma r kabl eAc t i vat i on and St abi l i z at i on ofThe r mol ys i n by Sol ve nt Engl ne e r i ng a nd Expl or at i on oft heMi c r oe nvi r onme ntofl t sAc t i ve Si t e. 博. ( 農. けい. 学). 第 1 227号. ( 溶媒工学 によるサーモライシンの顕著 な活性化 と安定化お よび活性部位微 小環境の探査) ( 主 査). 論 文調査 委員. 教 授 井 上 囲 世. 論. 文. 内. 教 授 松 野 隆 一. 容. の. 要. 教 授 伏 木. 亨. 旨. サーモライシン ( TLN)は,中等度好熱菌 Baci l l ust he r mo pr ot e ol yt i c us由来の耐熱性の中性金属 プロテイナーゼである。 アミノ酸配列,Ⅹ線結晶解析 による三次構造が知 られ,広範 に研究 されている。 TLN は高濃度の中性塩の存在下で特定の 基質に対する活性が顕著 に増大す ることが知 られている。人工甘味料 アスパルテーム前駆体の合成など工業的に広 く利用 さ れてお り,中性,低 イオン強度 における溶解度が極めて小 さいことが工業的利用 における難点 となっている。 本論文では,TLN の好塩性 に着 目し,溶媒 に高濃度 (1-5 M)の塩 を添加することにより溶媒工学的に反応系 を改変 し,. TLN の活性化お よび安定化 を図 った。 また,活性部位微小環境の探査 を目的 として,塩の添加 により生ず る TLN の U V 吸収差スペク トルを解析 し,活性 中心の亜鉛 イオンのコバル ト置換効果 を検討 した。その主な内容は以下の とお りである。. 1.TLN の活性お よび溶解度 に対す る塩類 の添加効果 :TLN による合成ペプチ ド基質の加水分解活性 は,塩の種類お よび濃度 に依存 して増大 した。Na Clが特 に効果的であ り,塩濃度上昇 に伴い活性 は指数関数的に増大 し,Na C14 M では 塩のない時の1 3-1 5 倍 に達 した。 また,TLN の溶解度は塩の添加 により約 1 mg/ mlか ら最大 7 0 mg/ mlまで増大 した。溶 解度増大効果 は低温で より大 きく,カオ トロピックイオン系列 に従 っていた。0-3 M Na Cl存在下で TLN は単量体 として 存在 してお り,塩 による活性増大お よび溶解度上昇 は TLN の凝集や分散 を伴 わないことを確認 した。塩 による活性化 と溶 解度増大 による酵素濃度増大 を総合す ると,塩のない時に比べて反応速度が数百倍 にも増大することが示 され,本酵素の工 業的利用 における塩類 の有用性が示唆 された。. 2.TLN の熱安定性 に対す る Na Clの添加効果 :TLN を 0-4 M Na Cl存在下6 0-85 ℃ で加熱 し残存活性 を測定 した結 果,Na Cl添加 によ り熱失活速度が小 さ くなることを見出 した。熱失活速度定数のアレニウスプロッ トか ら算出された熱失 活の活性化エネルギーを熱安定性 の指標 とすると,TLN は 0. 5-1. 5 M Na Cl存在下で塩のない時に比べて熱安定性が約 2 倍 に高め られることが示 された。 以上の ように,TLN の好塩性酵素 としての特性 を明 らかにすると共 に,活性克進剤,安定化剤 としての塩類の有用性 を 示 した。高濃度の塩の存在下では解離 したイオンに水分子が水和 し溶液中の 自由水が極めて少 な くなっていると考 えられ, この ような溶媒系 を目的酵素の活性化,安定化 に利用することは溶媒工学の有用 な手法 にな り得 ると期待 される。. 3. トリプ トファン ( Tr p)残基の吸収変化 を利用する TLN 活性 中心の探査 ‥TLN は 2 7 7 nm に極大 を持つ紫外部吸収 スペ ク トルを示す。TLN に高濃度の Na Clを添加すると微小 の差スペク トルが観察 され,塩の添加に よりTyrや Tr p残基 の存在状態 に微小 の変化が生 じることが示 された。Tr p残基 に特有の 2 9 3 mm の ピークに着 目して解析 した結果, この ピー クが TLN の活性 中心 を括抗 的阻害剤 ( phos pho r a mi do nお よび z i nc o v)で覆 った状態では消失す ること,Na Brを添加 し た場合 は現れない ことが認め られた。 したが って,Na Cl添加 による 2 9 3 mm の U V 吸収変化 は活性 中心 に位置する Tr p1 1 5 への負電荷 の接近 によるレッ ドシフ トであ り, この Tr p1 1 5は塩化物 イオンと臭化物 イオー ンの0. 2Åの水和 イオン半径 の差. -1 2 1 5-.

(3) を認識 していることが示唆 された。Tr p1 1 5は酵素一基質問結合 の安定性 に寄与す ると言われてお り,活性部位探査 のため の有用 なプローブにな り得 ると期待 される。. 4.活性部位亜鉛 のコバ ル ト置換 による TLN 活性 中心の探査 :活性 に必須 の亜鉛 イオンをコバル ト置換 した TLN を作 製 し,諸性質 を亜鉛 TLN と比較 した。 コバル ト置換 TLN の活性 は亜鉛 TLN の 3倍 に増大 し,Na Cl添加 によりさらに指. 0 倍 まで増大 数関数的に増大 した。金属置換 と塩添加の効果は相乗的に作用 し,両者 を同時 に作用 させた ときの活性 は最大4 i nc o vは亜鉛 TLN より した。活性の pH 依存性 を比べ ると酸性側解離基の挙動 に多少の変化が認め られた。括抗的阻害剤 z 8 倍強 く結合 し, コバル ト置換 による活性化 には酵素基質複合体の安定化が寄与 している可能 もコバル ト置換 TLN に 2-1 性が示唆 された。 コバル ト置換 TLN は亜鉛 TLN に勝 る活性 と同様 の好塩性 を示 し, コバル トの内部 プローブとしての有 用性が示 された。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 好熱性 プロテイナーゼ,サーモ ライシン ( TLN)は,人工甘味料 アスパルテーム前駆体 の合成 など工業的 に広 く利用 さ れている。 高濃度の中性塩の存在下で特定の基質 に対する活性が顕著 に増大することが知 られてお り,好塩性酵素 として も 注 目されている。 本論文 は,TLN の好塩性 に着 目し,溶媒 に高濃度の塩 を添加す ることにより溶媒工学的な反応系の改変 V吸収差スペ ク トルの解析や活性 中心亜鉛 イオ ンの金属置換効果の検討 を試みる と共 に,塩 の添加 により生ずる TLN の U により活性部位微小環境 の探査 を試みた ものであ り,評価すべ き点は以下の とお りである。. 1.TLN の活性お よび溶解度 に対す る塩類 の添加効果 を検討 し,TLN による合成ペ プチ ド基質の加水分解活性が塩の 5 倍 まで増大すること,TLN の溶解度が塩 の添加 によ り最大7 0 倍 まで増大す ることを示 し 種類 お よび濃度 に依存 して最大 1 た。塩 による活性化 と溶解度増大 による酵素濃度増大 を総合す ると,塩のない時 に比べ て反応速度が数百倍 にも増大する可 能性 を示 し,本酵素の工業的利用 における塩類の有用性 を示 した。. 2.TLN の熱安定性 に対す る Na Clの添加効果 を検討 し,6 0-8 5 ℃ で Na Cl添加 によりTLN の熟失活速度が小 さ くな ることを見出 した。熱失活の活性化エネルギーを熱安定性の指標 とす る と,TLN は0. 5-1. 5 M Na Cl存在下で塩のない時 に比べ て,熱安定性が約 2倍 に高め られることを示 した。高濃度の塩 を添加 して溶媒の物理化学的性質 を溶媒工学的に改変 することにより, 目的酵素の活性化や安定化 に利用 し得 る可能性 を示 した。. 3.高濃度 の Na Cl添加 によ り生 じる TLN の極めて微小 な紫外部吸収差スペ ク トルを利用 して TLN と塩類の相互作用 を解析 した。差スペ ク トルが活性 中心 Tr p1 1 5に起 因することを示 し, この Tr p1 1 5が塩化物イオンと臭化物 イオンの0. 2A の水和 イオン半径 の差 を認識 していることを推察 した。Tr p1 1 5は酵素 と基質の結合 を安定化す ると考 えられている残基で あ り,活性部位探査 におけるプローブとしての有用性 を示 した。. 4.活性 に必須の亜鉛 イオンをコバル ト置換 した TLN を作製 し,活性部位微小環境 に対する金属置換効果 を解析 した。 コバル ト置換 TLN は亜鉛 TLN と同様 の好塩性 を保持 しつつ,活性増大 と pH 依存性の変化 を示す ことを確認 した。 以上の ように本論文は,TLN の好塩性 を利用 した溶媒工学的手法 によ り本酵素の活性化 と安定化 を達成 し, さらに本酵 素の活性部位微小環境 に関 して多 くの重要な知見 を得た ものであ り,酵素化学,食品工学,栄養化学の分野 に寄与す るとこ ろが大 きい。 よって,本論文は博士 ( 農学)の学位論文 として価値 あるもの と認める。 なお,平成 1 4年 1月1 7日,論文 ならびにそれに関連 した分野 にわた り試問 した結果,博士 ( 農学)の学位 を授与 される学 力が十分あるもの と認めた。. -1 2 1 6-.

(4)

Updating...

参照

Updating...

関連した話題 :