Title
全国県間産業連関表をデータベースとしたSCGEモデルの応
用可能性に関する研究( はしがき )
Author(s)
宮城, 俊彦
Report No.
平成15年度-平成16年度年度科学研究費補助金 (基盤研究
(C)(1) 課題番号15560458) 研究成果報告書
Issue Date
2004
Type
研究報告書
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/745
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。はじめに
研究の目的 交通網の発達した現代甲経済活動は各地域間で密接に結ばれており,都道府県なJ 域内だけで完結する取引は極めて少ない.このような地域間の交易を明示的に捉え,孝 析や産業構造分析に利用可能なツールとして地域間産業連関表がある.しかし,我が 入手可能な地域間産業連関表は,全国を9地域に分割した9地域間産業連関表のほ: 県レベルでは東京都,大阪府など-増βの都道府県に限られ,複数の都道府県間の交j まえた産業構造分析や産業連関モデルまたはCGEモデル等による各種政策分析は巨 にある.-・方,近年我が国においては,都道府県の行政区域を広域的に再編する道州 ら地方への税源委譲,都道府県を結ぶ地域間交通整備など都道府県を対象とした政男 発に議論されており,これらの政策分析を効率よく行うための都道府県間産業連関表β するニーズは非常に高い. 本研究の第一▲の目的は、現存する各都道府県の地域内産業連関表からこれらを結f 47都道府県間産業連関表の構築である.地域間表の構築にあたっては,地域間交易侶 が不可欠となるが,本研究では利用可能なデータを極力用いて信頼性の高い産業連関 ために,地域間交易係数の把握にあたっては,物流センサスデータなどの既存の交易陛 を活用する方法を検討する. 地域間産業連関表が整備されれば、これを基準均衡データとしてSCGEモデルのノ ヤリプレーションが実施できる。ただし、分析を意図している対象地域の地域廟産業連】 に利用可能とは限らない。そこで、本研究の第二の目的は、利用可能な基準均衡デー SCGEモデルのキャリブレーション手法を構築することである。これら2つの主要な目的 おして、より実用の高いSCGEモデルを構築することが本研究の目標である。 研究の特色 地域間産業連関表を作成する手法としては,一般にSurvey,Non-Survey,Sem卜Surl Hybrid手法)と呼ばれる3つの手法がある.Survey手法によって作成される産業連関表 生産に関する調査やその他のデー・タを用いて作成され,精度は高いもののその作成費」 労力が膨大であるといった問題がある.Survey手法による地域表の例に米国ワシントン小 関表があるが,産出高,ワシントン内外の購入比率などがアンケート調査によって把握さ 産業の総産出高,付加価値,産業別労働所得などの各種統計データが利用されてい の9地域間産業連関表の場合は,各地方経済産業局による地域内産業連関表と独自 商品流通調査の結果を用いて作成されている.L一方,Non-Survey手法は,国レベル0 妻かダく‖rl′亡いけ壬姓乙アナ/「て j旦L弟.ブン在堂ミ宙邑日番え■丑訂∴ネす1.あ′訂L九ゝの一片姓え.舟すスナシにバランシング・ファクター法を改良した手法を提案している.Non-Survey手法による推計には,S CGEモデルの応用が一つの方法として考えられるが,あくまでモデルによる推定であるため,信頼 性が問題になる。本研究ではこれらの点を考慮し,地域間交易係数の推計にあたっては,物流セ ンサスデータ等の交易関連デー・タを用いることを基本とするが、SCGEモデルによる地域間産業連 関表の作成の精度についてもわが国9地域間産業連関表を用いて検証する。 SCGEモデルに関しては、本研究では空間的比較優位性を表わす指標として空間ポテンシャル という概念をモデルに導入している。産業連関表で用いられる輸送マージンは地域間輸送コストを 表わすが、しかし、輸送マージンは貨物料金であり、すべての輸送コストを表現するわけではない。 また、輸送コストがたとえゼロでも地域間の空間的障害は存在し、そこに地域間交易における空間 配置の比較優位が存在する。これを表現するために空間ポテンシャルを導入するが、地域間産業 連関表が存在しない場合は、通常、空間ポテンシャルの計測は困難になる。本研究では次元の縮 小という手法を使ってこの問題を解決している。 研究組織 研究代表者 宮城俊彦 (岐阜大学地域科学部・教授) 研究分担者 石川良文 (南山大学総合政策学部・助教授)