Title
The RING-Finger Protein, RNF8, Interacts with Retinoid X
Receptor α and Enhances Its Transcription-Stimulating Activity(
内容の要旨(Summary) )
Author(s)
高野, 幸彦
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第587号
Issue Date
2004-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14552
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 高 野 幸 彦(岐阜県) 博
士(医学)
甲第 587 号 平成16 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当The RING-Finger Protein,RNF8,Jnteracts with Retinoid X Receptor a
and Enhanceslts Transcription-Stimulating Activity
(主査)教授 森 脇 久 隆 (副査)教授 岡 野 幸 雄 教授 武 田 純 論文内容の要旨 核内受容体の1つであるレチノイドⅩレセプター(RXRα)は,種々の核内受容体と二量体を形成して標的遺 伝子の発現を調節する。肝細胞癌では,RXRaのErkによる恒常的リン酸化により細胞増殖の調節に異常を来 しており,これが肝発癌の一機序であると考えられる。このように,RXRαは肝細胞の増殖調節において重要 な役割を果たしている。今回,RXRaの転写活性を調節する1因子として,ユビキチン(Ub)化酵素の1つの基 本構造と考えられているRING-finger構造を持っRNF8の機能について解析した。 方法 1)両蛋白の相互作用を解析するために種々のRXRaあるいはRNF8のm叫tantを用いたyeasttwo-hybridassay を行い,両者の結合の強さをyeastのgrowthにて定性的に,β-galactosidase assayにて定量的に測定した。 またin uitroの解析では,RXRaのWTやmutant蛋白を大腸菌で生成し,RNF8のWTやmutant蛋白をサル の腎細胞株であるCOS7で生成し,両者をin vitroで反応させてIP/Western法にてassayした。更に,生きて いる細胞内での結合を観察するため,GFP-RXRaとBFP-RNF8をCOS7に導入し,r蛍光共鳴エネルギー移
動法(fluorescence resonance energy transfer,FRET)にて観察した。
2)mutantを含めたRNF8の局在と,RXRaの局在に与える影響については,異なったtagの付いたRXRaと RNF8とをCOS7に導入し,蛍光抗体法で免疫染色を行った。 3)IP/Western法を用いて,RNF8によるRXRaのUb化の有無を調べた。 4)RXRa依存性の転写活性への影響は,Luciferase(Luc)assayにより検討した。 5)RNF8の生物学的関連性を示すため,RXREをプロモーター領域に含むCRBPII(ビタミンAの代謝に関係) と,RAREをプロモーター領域に含むRARβ(細胞増殖抑制や分化に関与)の発現に与える影響についてヒ ト大腸癌細胞株であるCaco-2にRNF8のWTあるいはmutantを導入し,CRBPII・RARβのprimerを用いて RT-PCRを行った。 結果 1)各binding assayにより,RNF8のN末側とRXRaのN末側(リガンド非依存性転写活性部位/AF-1)がそれ ぞれ結合に重要であることが判った。
核に局在出来なかった。また,RNF8はRXRaの局在に影響を及ぼさなかった。 3)RNF8はRING-finger構造を持っにも関わらず,予想に反してRXRaのUb化には関与しなかった0 4)Lucassayでは,WildtypeRNF8はRXRaの転写活性を(RXRaの内在性リガンドである)9cRA非存在下 で容量依存性に上げたのに対し,mutantは上げず,免疫染色の結果と一致した。 5)上記の結果を反映して,CRBPII・RARβの転写も完進させた。 考察 近年,多くのRING-finger蛋白がユビキチンリガーゼ(E3)活性を有することが報告されている。RNF8も同じ くRING-finger構造を持ち,E3活性を有することが判っているが,RXRaがユビキチン化の基質ではなく,逆 にRXRα依存性の転写活性を上昇させるという新知見を得た。このような性質の蛋白としては,アンドロゲン レセプター(AR)に対するRNF4(Snurf)やARA54,グルココルチコイドレセプタp(GR)に対するTIFlβ等が報 告されている。しかしRNF8が更に特徴的な点は,RXRaのN末に結合してリガンド非依存性に転写を増強して いる点であり,AF-1依存性のco-aCtivatorとも考えられる。また,RING-finger構造を破壊したmutant RNF8 では核局在が不能となったが,これはRING-finger構造が蛋白の細胞内局在にも関与する可能性を示唆した興味 深い知見である。このように,RNF8はRXRaに対してco-aCtivator様に作用し,RXR/RXRあるいはRAR/ RXRといったdimerにおける下流の遺伝子の転写を調節して,肝細胞を含めた細胞の増殖抑制や分化等の生物 学的活性を有する蛋白である可能性が示唆された。 論文書査の結果の要旨 申請者高野幸彦はRING-finger構造を持っRNF8がRXRa結合蛋白であり,従来考えられていたUb化因子で はなく,RXRa依存性の転写活性を増強する一種のco-aCtivator様の機能を持っことを明らかにした。本研究は, 細胞増殖調節因子RXRaに結合するRING-finger蛋白がUb化以外の機能を有するという新たな知見をもたらし, 消化器病学の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]
The RING-Finger Protein,RNF8,Interacts with Retinoid X Receptor a and EnhancesIts
Transcription-Stimulating Activity.
TheJournalof BiologicalChemistry2004;in press