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大形高速電子計算機の主記憶装置に用いられる16ミル2与D方式コアスタックを開発した。従来の3D方 式コアスタックと異なり,プレーナアレー構造を探用していること,プレソ間接続にテープ電線を用いること など,新構造,新部品をとり入れている。高速で使用されるため,駆動電流パルス幅を縮めたときの特性やコ ア自己発熱について検討した。また駆動電流,周囲温度が変化したときの特性変化を調べ,その概要を述べて いる。  ̄ 「 【】64ン(9=576コ了' ̄-一 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄一1l.緒
言 電子計算枚の高速化,大形化に伴い,その主記憶装置も高速化, 大容量化をたどっている。フェライトコアメモリにて高速化を図る ためには,コア形状を小さくしなければならないが,小形化により スタック原価は高くなり,記憶装置原価にしめるスタック原価の割 合も上昇する。コアスタックを高性能化しながら原価低減を行なう ことが必要となってきた。このような状況のもとで注目を浴びてき たのが2与D方式(1)である。2喜D方式スタックは従来一般にと られている3D方式の編組線4本式に比べ,インヒビット線を用い ない3線式であるため,同一コアを使用した場合には低原価で製作 でき,高速で動作させうること,またより小さいコアも使用できる ことなど多くのすぐれた点をもっている。回路も含めた記憶装置全 体としてみた場合でも,大容量においては3D方式よりも低原価で あり(2),大形電子計算撥の主記憶こ装置として期待されるところ大で ある。 ここに述べるスタックは16ミルLi系準広温度域コアを使用した 記憶容量32KBの2喜D方式スタックで,サイクルタイム0.45/JS 以下で使用することができる。プレーナアレー構造をとり,駆動線 選択ダイオードマトリクスを組み込んでいるので,実装密度が高 く,高速で,信煩性が高い特長をもっている。2.プレン,スタック構造
2.1スタック構成 スタックは16K語18ビット(32KB)の記憶容量をもち,サイ クルタイム0.45/上S以下の高速で使用されるため,2主D方式を採 用した。スタックは図1に示すように,512×576のコア記憶面の まわりに,Ⅹ線,Y線とも駆動線選択ダイオードマトリクス(SDM), および選択スイッチコモン部(SW)を取り付けた構成をとって いる。1個のコアにはⅩ線,Y線のほかにセンス線が貫通する3 線式である。コア記憶面はY方向に9分割され,1ブロック512× 64内に16Kx2ビットを収容している。さらにⅩ方向は4分割さ れ,128×64のマットに2本のセンス線が編組されている。 ダイオードマトリクスとスイッチコモン部は,(ⅩSDMA-ⅩSWA), (ⅩSDMB一ⅩSWB),(YSDMA-YSWA),(YSDMB-YSWB)がそれ ぞれ対をなしている。Ⅹ側は16ドライバ×16スイッチ2観で,Y 側は2ビットごとに4ドライバ×8スイッチ2組で駆動される構成 になっている。4ドライバ×4スイッチで駆動されるときの駆動 * 日立製作所茂原工場理学博士 ** 日立製作所茂原工場ト.ト[岩⊥+×賀■l■L
R∧-0 ¶▲-2 くー昌∽± 1'SJ〕1Ⅰ.1 YSll′R Jl肌一rr一一てJ一一-1「一--1「---1「---・jr---rr---:「一一淵 l ト li く (乃 H 【王】 :… ⊂〕 (/) × r▲ ̄▲「「 ̄ ̄ ̄1「【 ̄ ̄1「 ̄ ̄-1「 ̄【「「 ̄▲▲〉r ̄+ ̄て「 ̄「 ̄1「 ̄【▼ l 【】 .【】 】 L一二上さ一川+し---JL---・L一丁】亡-「。-川++_▲++ 丁 ̄ ̄【1「 ̄ ̄1「 ̄ ̄ ̄l「▲】 ̄1「】▲▲1「▲ ̄一1「「 ̄▼1「 ̄ ̄ ̄l「`▼「 l l ll J l ___JL_【_++_■_ 1'sl)ト】H 図1 スタック構成 と≧≧≧ ■h 「---+d 【キ ̄J 蜘一二:+ 「 ̄-米】 1\\ っ下 C十・J 「一一一一十] 仁● ̄--J L寸l 「---+勺 「一丁--★】 ⊃u Pト ̄--J r一一+勺 【十+ 「 ̄ ̄ ̄【 ̄▼H Lt_ +---一一--1汁一二二+ ▲ L{l 蟹+甥溢へヽ一もぺ (SDMA)(SWB) (SWA)(SDMB) 注:RWはリードドライバ,ライトドライバに 接続されることを示す。 図2 4×4駆動マトリクス マトリクスを例にとり図2に示した。(SDMA-SWA)と(SDMIi-SWB)は2本おきに構成されており,あとで述べるセンス線編鼠 方式とあわせて,1ブロック内の2ビットの区別が可能となって いる。 2.2 構 造 512×576のコア記憶面は256×576のプレソ2枚で構成される。 図3はプレンの写真である。高速動作を行なわせること,センス線 ー40-t・_l、ヽヽ 6 1 ル
2与D
方
式
コ ア ス タ ッ ク 245 板 ス 一 ア 板 基 ス ン セ口…
_39。___+
図3 プ レ ン 図4 センス線編組図 蓑1 コ 規 格 測 定 条 件 出 力 規 格 ア 寸 法 全駆動電流(み) 読出し妨害花流 書込み妨害電流 (J∂r) り古び) ′くルス立上り・(fγ=g∫) 立下り時間 パ ル ス 幅(′細) 妨害パ′レス数 rβ∧r.) 640mA 390mA 400mA 30ns 500r)S 64個 "1”出 力(βn) 34mV以上 "0” 出 力(■刀lち「〉F13mV以下 ピーキングタイム(Jp)【87±10nsスイチンブタイムけβ)弓190ns以下
外径(。β、,巨。.。9。mm
】 内径!.′上D〕 厚さ r。打) 0.245mm 0.105mm 0 0 0 00 7 6 5 (L′E) 芯 =V U 0 (芸) ご 胡 ご 0 爪U 2 0 ハリ l l 史U 図5 ス タ ッ ク の減衰を小さくすること,スタック寸法を小さくすることなどの目 的で,コア配列はコアの向きを一定とし,コアピッチも部乱 作業 上可能な最小寸法0.45mmまで小さくLた。セン′ス線についてほ, レクトアンギュラ(ポウタイ),ダイアゴナルの両編粗方式を検討 Lたれ レクトアンギエラ方式ほ高速においてノイズに問題がある ので,ダイアゴナ・ル方式を採用することにした。編組作業時間を短 縮させるために,128×64のマットに図4のように2本のセンス線 を編み込んだ。2本のセンス線はいずれも往復線が平行に編まれて おり,同一Ⅹ線上のコアについて,n番目のY線と(n十2)番 目のY線上のコアほ,互いに別のセンス線に属している。Y線は 2本おきに別の駆動マトリクスに属しているので,Y側駆動マトリ クスの区別,あるいは2本のセンス線の区別いずれかにより,128× 64=8Kのコアを4Kずつ2ビットに分けて使用することができ る。またセンス線がマットの周辺で折り返されるとき,平行往復線 が一方の周辺では交さし,他方の周辺でほ交さしない編組方式をと り入れて,スイッチノイズを最小に押えている。 プレソサイズが256×576と大きいので,磯枕的感度の向上と電 気的特性の改善のため,コアをアルミニウム製アース板の上にシリ コーン樹脂で固定している。シリコーン樹脂はマグネット線をもお おうので,マグネット線の電食,化学腐食に対しても低減効果をも つとともに,コアの自己発熱による温度上昇を抑制する効果ももっ ている。 16ミルコアを使用し,コアを高密度に実装したので,プレンフレ ームの端子間ピッチが狭く,従来の3D方式スタックのようなス タッキング方法がとれなくなった。プレン間の接続にはテープ電線 を使用L,2枚のプレソをちょうつがいで折りたたみ,開放自在な構 造とした。プレンから駆動マトリクス部への接続にも,ほぼ同様な 80 iOO 30 20 1() 1)V、 +⊥ 120 140 160 180 20() =Lス小1(ns) 図6 HFC182パルス幅依存性 構造を採用Lた。ダイオードマトリクスほ,保守性を良くするため に,64個のダイオードを1枚のプリント基板にのせ,コネクタを 介して抜き差し可能な構造とした。図5はスタック外観写真を示し たものである。3.電気的特性
このスタックを開発するにあたり,電気的特性上特に重要視した ことがらは次のとおりである。 (1)スタック周囲温度15∼35℃のもとで,駆動電流を補正す ることなく動作すること。 (2)サイクルタイム0.45′′S以下で動作すること。 (3)駆動電流変動±5%(回路素子によるもの±3%,電源電圧 変動によるもの±2%)のもとで動作すること。 以下これら3項目を中心に,本スタックの電気的特性について説 明する。 3.1コ ア の特性 高速メモリに使用するコアとしてほ,スイッチング時間が早いこ と,自己発熱による温度上昇に対して安全であることなどが必要で ある。これらを考慮して16ミルLi系準広温度域コアHFC182を 開発した。表1はコア規格を示Lたものである。出力が大きく,パ ーシャルスイッチングに強いという特長をもっている。 サイクルタイム0・45/1Sで動作するためにほ,駆動電流の立上り 時間,立下り時間ほ30ns,パルス幅ほ120ns程度でなければなら ない。標準的なコアについて,パルス立上り,立下り時間を30ns とし,パルス幅とコア出力の関係を示したのが図dである。全駆動 電流と妨害電流の比(β々=ん/ん=ま電流変動±5%を考えて, かガ=0・5(1十0,05)/(1-0.05)≒0.55に選んだ。図るよりパルス幅 120nsで余裕をもって動作することがわかる。 コア自己発熱によるコア温度上昇は,あとで述べるように30℃で-41-246 昭和45年3月 立 評 論 第52巻 第3号 25■(二 (う5一し: 【/二コリn$ t  ̄=121)r】く
壬…ミミ・軍㌫山こ
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25QC (∽亡) J増ご / 620 660 700 740 7と10 82〔〉 860 月咋血り芯誠亡(mA) 図7 HFC182電流,温度特性 表2 電 流,温 度 係 数 打Vl電 流 係 数 びyl温 度 係 数 キ 温 度 係 数 0.24mV/mA O.4 mV/℃ 1.55mA/℃ 表3 電流変動とプレン,スタック出力の関係 電 流 変 動 読出し電流 書込み電流 プレン,スタック出力 "1” "0‥ 回路素子 電源変動 回路素子 電源変動 記 号 による変動 による変動 による変動 による変動 +3% 0 -3% +2プ才 一3% 0 0 -2% +3% +2% 0 -2% HL+ NN LH一 最大 標準 最小 最大 漂準 最′j、 あるので,スタック最高温度35℃と合わせて,65℃まで安定な動 作が保証される必要がある。HFC182コアほ図7に示すように,標 準駆動電流ん=700mAにて,65℃の温度に対してブレークするこ となくじゅうぶんに安全である。図7より電流,温度係数を求めて 示すと表2のようになる。 3.2 プレン,スタック特性 高速で同一番地が連続してアクセスされた場合,コアはヒステリ シス損により自己発熱する。連続アクセスのサイクルタイムとコア 上昇温度の関係を示すと図8のようになる。アース板にコアをシリ コーン樹脂で固定すると,そうでない場合に比較し上昇温度が半分 に下がり,0.45/ノSにおいて約25℃温度上昇する。コア出力のばら つき,塗布作業のばらつきを考慮しても,30℃の温度上昇に対して コア出力特性を保証すればじゅうぷんである。 プレン,スタック特性に与える電流変動の影響については,読み 出し電流と書き込み電流が電源電圧変動により,ともに増大あるい は減少する場合と,使用回路素子の特性のばらつきによるランダム な電流値分布をする場合とを考える必要がある。これら二つの変動 要因の組合せとその変動範囲内での"1,,,"0”出力の関係ほ表3の ようになる。表3に示した三つの場合について,電流と出力の関係, 温度と出力の関係を示すと図9,10のようになる。Y例のデルタ雑 音を避けるために,Y読出し電流はⅩ読出し電流より30ns早く立上 り,同時に立下るスタガ駆動によっている。コア自己発熱はアクセス されているコアのみにかかわるものであるが,プレソ"0”の主体を なすデルタ雑音については平均温度が関係し,図10には15℃から -42-(U.)咄叫∼味→ 10 0 00 ハU O n】0 6 5 4 3+11ノ11√
IxR=IYR=ⅠⅩW=IYW=350InA t,=t/=30rlS t,。=120ms 周閏i忘_度35凸C \ \▲■l \ \ シリコン酎脈,アース枚ありl
托机アース板ともになし 0.4 0.60.81 2 3 4 5 810 20 サイクルタイム(〃S) 図8 連続アクセスされたときのコア上昇温度 Hい 1\ し=一 0 0 20 10 (>∈) 「、 召\ニニーー
STR STR lp 牡 男ヰ 利 一!瑛 /札 、0■ノmaxw.c.pHL← 0′′maxヱ・f且塑+-巴聖二二盟リL_ノ′ 320 34(1 360 380 400 420 440 (lx二IY)(mA) 図9 スタック電流特性 80 70 60 宅50 40 30 20 10 -・-\1 ----+一11 【  ̄1 1 l 【.二【■訓IS t.=120n5 1爪:7Dn51 プt′三て2口 中r 5TR-115、】 】-ト!■ l.____、、 、 ・ \ _ s牡ツニ主三旦∴〔
SrrR 、---、  ̄ \ ・、 tp 、---■ 0′′max、V_CpHL← STR、、0′maxw.c・PNN (芸) ご喝ご 200 1占0 160 140⊂d 120 100 15 20 25 30 35 周困温度(OC) 図10 スタック温度特性 り しl しl16 ミ ル
2喜D
方
式
コ ア ス タ ッ ク 247 =ヨ旨ト ′一′  ̄ ̄ ̄ ̄L‖■ /一 / ` ′一一一 t∫ 0 (VU 80 70 10 (L■′E) 耳 元 /・/  ̄ tp STR小1′′minw.c.pHL ̄ト =・・-・・・・・・、・-J !生ユニ竺ユ巴望+竺_ STRへ1′ノminlV.叩1-1Ⅰ ̄ ′一一一一一一一一---■■■■-▼ STIミ■、0′ノmaxw.c.pLH \ _旦工旦_ニウニヱ空三_竺二日 80 100 120 140 160 パルス幅(n5) 180 200 図11 スタック/くルス幅依存性 ′ ∈ 60 50 40 召30 20 10 0■m∂X -1壬II ----L= 1二l卜30ns =12nn5 】1・R lOnsプ 十ノブ_iリ㌫21 ブ.トロー7′:ル 1rml….C.pHい35【C 】′mj=・.亡.P 乞空戦牡+主‡_〔ロト如い什
(芸) ご 萄ご 20 40 60 aO lOO 120 140 160 180 200 臥1 川(ns) 図12 スタックストローブ位置裕度 35℃までの出力を示した。この温度範囲でほ出力は温度に対し ゆるやかなこう配の直線関係を示し,準広温度域コアの特長がよく 現われている。また,電流変動,温度変動の組合せが最悪の状態に なったときでも,30mVの"1”出力がでており,この種の高速コ アを使用したスタックとしては出力が大きい。デルタ雑音は駆動電 流パルス幅にも影響されるので,スタックのパルス幅依存性を調べ た。図11がそれである。HL十の条件で駆動されたとき,デルタ 雑音("0''出力)およぴ"1”出力へのパルス幅の影響が顕著で 表4 スタック電気的特性仕様 標 準 駆 動 電 流 条 件 出力規格(標準駆動電流条件25℃) Ⅹ,Y 駆 動 電 流 駆動電流立上り,立下り時間 賢区動電流パル ス 幅 スト ロ ー プ パ ル ス 350ロユA 30ns 120ns(150ns*) 115∼165ns** "1”出力(W.C.p) "0”出力(W.C.p) スイッチングタイム 36mV以上 6mV以下 210ns以下** * Y読出L電流はⅩ読出し電流より30ns早く立上り同時に立 ̄Fる。 ** Ⅹ読出し電流の立上り10%点より測定するり *** センス終端抵抗は200血中点接地。 あるが,本スタックはパルス幅120nsでは,余裕をもって使用可能 である。 以上はストローブ点を固定した場合の出力特性であるが,ストロ ーブ位置を変えた場合について,電流変動HL+,LH ̄,温度15℃, 35℃のもとでの出力特性を示したのが図12である。"1”について は35℃,HL+のときが最も大きく,時間的に早く出力がでて,15℃, LH ̄のときが最も小さく,おそい時点に出力がでる。"0”につい ては35℃,HL+のときが最も大きい値を示している。センスーアン プの弁別限界を"1”について25mV,"0”について12mVとす ると,ストローブ位置裕度としては約30nsをもっている。表4は 開発したスタックの電気的仕様を示したものである。4.緒
言 以上,16ミル2喜D方式高速コアメモリスタックの構造,電気的 特性について述べた。本スタックは準広温度域高出力コアを,プレ ーナアレ一方式によりアース板上にシリコーン樹脂で固定する構造 を採用しているので,実装密度が高く,信顔性にすぐれ,15∼35℃ の温度範囲にわたって駆動電流を補正することなく,サイクルタイ ム0.45/JS以下で安定に動作する。本スタックは工業技術院大型プ ロジェクトのパイロットモデル計算枚の主記憶装置にご試用いただ き,0.45′`Sで動作中である。2喜D方式コアメモリは,パーフォーマン ス/コストが高いので,今後の高速大容量メモリとして期待される。 終わりに,本スタックの開発は日立製作所中央研究所,神奈川工 場,茂原工場の密接な協力のもとに行なわれたものであり,中央研 究所稲館研究員,神奈川工場橋本技師に負うところが大きいことを 付記する。 (1)T.J.Gi11igan Eし15,p.475 (2)D.W.Moore p.267(1966) 参 茸 文 献IEEE Trans.on Electronic Computers,
(Aug.1966)
Proc.Fa11Joint CoI℃puter Conference,