生活単元学習学習指導案
指導者 庄原市立東城小学校 指導教諭 掛 照子(T) 特別支援教育支援員 美能 順子(S) 1 日時,場所 平成25年9月27日(金) 第5校時 もみじ教室 2 学 年 もみじ学級(知的障害特別支援学級) 第2学年1名 第5学年3名 計4名 3 単元名 秋を楽しもう 4 単元設定の理由 ○ 児童観 本学級は第2学年1名,第5学年3名合計4名の児童が在籍する。知的障害があり,道徳や各 教科等の一部を合わせた指導として,生活単元学習を行っている。児童は,学習の見通しがもて 自分のすることが明確になると,意欲的に活動することができる。特に手順カードの活用は有効 で,写真等の視覚的支援を行うと,主体的に活動することができる。しかし,目と手の協応動作 等に課題があり,指先を使っての細かい作業が苦手である。 児童は日常生活において,遠方への移動手段はほとんどが自家用車で,公共交通機関を利用す る機会は少ない。お金を使う経験もあまりない。毎年10月に校外学習で「りんごがり」に行っ ており,公共交通機関を利用したり金銭を扱ったりする貴重な機会となっている。今年も「りん ごがり」に行くことを児童はとても楽しみにしている。 また,児童はクッキングやお店やさんごっこが好きで,毎年,「わくわくクッキング」や「秋 ショップ『もみじ』をひらこう」の活動に意欲的に取り組んでいる。しかし,食べ物を取り扱う お店での接待は,D児以外は今回が初めてである。 個々の児童の実態は次の通りである。 児童 実態 A ・知的な遅れを伴う自閉症がある。 ・会話はできるが,時々,相手に言われた言葉を繰り返すことがある。 ・初めてのことには抵抗があるが,事前にスケジュールを確認し,終わりを明確にして おくと,安心して活動できる。 B ・軽度知的障害がある。本年度より知的障害特別支援学級に入級した。 ・聴覚が過敏なため,周りの音が気になるが,環境を整えることで学習に集中しやすく なる。 ・友だちに注意されると,ひどく自分を非難されているように感じ,パニックになるこ とがある。 ・細かいことによく気が付き,社交的である。 C ・軽度知的障害がある。 ・周囲の様子や音等が気になり,集中しにくいことがある。また,一度注意がそれると, すぐには切り替えられないことがある。 ・人と関わることが好きで,初対面の人とも会話をすることができる。 D ・中度知的障害がある。 ・自分の思い通りにならないときや困ったときには,寡黙になる。 ・顔見知りの人には笑顔であいさつをすることができるが,初対面の人と会話を行うこ とは恥ずかしく,声が小さくなる。○ 単元観 本単元「秋を楽しもう」は,「りんごがりに行こう」と「りんごカフェ『もみじ』をひらこう」 の二つの小単元で構成されている。前半の小単元「りんごがりに行こう」は,公共交通機関を利 用して東城町内のりんご園にりんごがりに出かけ,東城の秋を満喫するという内容である。後半 の小単元「りんごカフェ『もみじ』をひらこう」は,りんごを使ったおかしとお茶でお客さんを もてなすカフェを開くという内容である。どちらの小単元も児童が大好きな内容なので,意欲的 に活動することが期待できる。 「りんごがりに行こう」は,秋という季節を満喫できるとともに,公共交通機関の利用の仕方 や公共の場におけるマナーを学ぶのに適している。「りんごカフェ『もみじ』をひらこう」は,商 品作りやお店に必要なもの(看板,飾り,のれん,広告等)作りを通して目と手の協応等を高め る活動を仕組むことができる。また,店の店員として自分の役割を責任をもって行ったり,必要 な接客の仕方を学習したりできる単元でもある。さらに,両小単元とも,金銭を取り扱う場面が あるので,児童の生活の自立に必要な力を養うことができる単元である。 ○ 指導観 指導に当たっては,次の3点について力を入れていきたい。 1点目は,「目的意識や学習の見通しをもって学習をすすめていくこと」である。最初に,「り んごがりに行く」ことと「りんごカフェ『もみじ』をひらく」というゴールを明確にしておくこ とで,意欲的に学習に参加できると考える。児童は今までに「りんごがり」に行ったり,「秋ショ ップ『もみじ』」を開いたりした経験がある。そこで,そのときの写真を提示することにより,今 までの経験を生かして活動ができるように支援していきたい。そうすることで,自分に自信をも って主体的に活動できると考える。また,単元全体の活動が一目でわかる単元構想図を作成する とともに,1時間の学習の流れを毎時間提示するようにし,何をすればよいかが常に明確に把握 できるように支援していきたい。さらに,人による支援が最小限で活動できるようにするために, 活動の際には手順カードを作成していきたい。 2点目は,「個の能力に応じた目標や役割を設定すること」である。今年度は,第2学年の児童 には五百円玉を出しておつりを受け取る体験,第5学年の児童にはバスの中で千円札を両替する 体験をさせ,金銭の扱い方の目標のレベルアップを図りたい。さらに,第5学年の児童には,バ スや列車の時刻と料金,そして,りんご園の入園料を調べる活動を今回新たに体験させ,電話で 相手と応答する力を身に付けさせたい。また,「りんごカフェ『もみじ』」の活動では,実態の異 なる4名が集まって一つの集団を作っているよさを生かし,それぞれの実態に合った仕事(看板 係・のれん係・会計係・おもてなし係等)を設定し,自分の役割を果たすことができるようにす るために,個の実態に応じた支援を工夫していきたい。 3点目は,「秋という季節感を味わわせること」である。「りんごがり」に行ったときには,り んごはもちろんのこと,それ以外の秋の草花見付けをさせ,東城の秋に気付かせたい。また,「り んごカフェ『もみじ』」を開くに当たっては,秋らしい飾りの工夫を考えさせ,秋を意識して活動 させたい。 本単元では,さまざまな体験活動を行いながら,道徳の内容のねらいとして,主として自分自
身に関すること,1-(2)「自分がやらなければならない勉強や仕事は,しっかりと行う。」,主 として他の人とのかかわりに関すること,2-(1)「気持ちのよいあいさつ,言葉遣い,動作な どに心掛けて,明るく接する。」,主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること,3-(2) 「身近な自然に親しみ,動植物に優しい心で接する。」,主として集団や社会とのかかわりに関す ること,4-(1)「約束や社会のきまりを守り,公徳心をもつ」を重点に学習していく。特に, 自分の役割を最後まで責任をもってやり切らせることにより,集団の一員としての自覚を高めて いきたい。 5 単元の目標 ○ 秋の自然に興味をもって活動することができる。 ○ 「りんごカフェ『もみじ』」に向けての準備を意欲的に行うことができる。 〇 公共交通機関の利用の仕方が理解でき,公共の場でのマナーを守ることができる。 ○ 自分の仕事を最後まで責任をもってやりとげることができる。 ○ 場に応じた適切なあいさつや応答をすることができる。 ○ 作品作り等を通して,作業を円滑に遂行する能力を高めることができる。 ○ 料金を正確に支払ったり,代金を正確に受け取ったりすることができる。 6 指導計画(全29時間) 次 指導内容 時 間 評価規準 評価 方法 A児 B児 C児 D児 第 一 次 ・秋クイズを する。 1 ・実物や写真を使った「秋」クイズに意欲的に取り組み,いう季節に関心をもっている。 「秋」と 行動観察 ・単元の見通 しをもつ。 1 ・昨年の「りんごがり」と「秋ショップ『もみじ』や作品を見て, 本単元への意欲をもっている。 」の活動の写真 発言 第 二 次 ・りんごがり に 行 く 準 備をする。 2 ・必要な持ち物 の カ ー ド を 選んでいる。 ・電話でバスの 時 刻 と 料 金 を 調 べ て い る。 ・電話で列車の 時 刻 と 料 金 を 調 べ て い る。 ・電話でりんご 園 の 入 園 料 を 調 べ て い る。 行動 観察 ・りんごがり に 行 く 練 習をする。 (本時 2/3) 3 ・相手に聞こえ る 声 で 話 し ている。 ・運賃や入園料 を 正 確 に 支 払っている。 ・ていねいなこ とばづかいで 話している。 ・運賃や入園料 を正確に支払 っている。 ・相手の方を向 いて話してい る。 ・運賃や入園料 を 正 確 に 支 払っている。 ・相手に聞こえ る声で話して いる。 ・運賃や入園料 を 正 確 に 支 払っている。 行動 観察 ・りんごがり に行く。 5 ・公共の場での マ ナ ー を 守 っている。 ・運賃や入園料 を 正 確 に 出 している。 ・秋の草花を見 付けている。 ・公共の場でのマナーを守っている。 ・両替機で 1000 円札を両替することができてい る。 ・運賃や入園料を正確に出している。 ・秋の草花を見付けている。 行動 観察 ・振り返りを する。 2 ・写真を見なが ら 活 動 し た こ と を 思 い 出して,支援 ・写真を見なが ら活動したこ とを思い出し て振り返り感 ・写真を見なが ら 活 動 し た こ と を 思 い 出 し て 振 り ・写真を見なが ら活動したこ とを思い出し て,簡単な文 振り 返り カー ド
者 と 一 緒 に 感 想 を 書 い ている。 想を書いてい る。 返 り 感 想 を 書いている。 で感想を書い ている。 第 三 次 ・お店の準備 をする。 4 <看板係> ・支援者と一緒 に て い ね い に 看 板 作 り をしている。 <飾り・のれん係> ・秋らしい飾りを作っている。 ・下書きの線からそれないように針をさしてのれ ん作りをしている。 行動 観察 作品 ・お店の練習 をする。 ○調理の練習 ○会計の練習 ○接客の練習 ○リハーサル 6 ・自分の担当の仕事を理解して活動している。 ・友だちと協力して活動している。 行動 観察 作品 ・注文の取り方が理解できてい る。 ・レジスターの使い方が理解で きている。 ・安全と清潔に気を付けて活動 している。 ・食べ物や飲み物を出し方を理 解している。 ・ 商 品 を 作 る。 2 ・手順カードを 手掛かりに, 支 援 者 と 一 緒に,安全に 気 を 付 け て 調 理 を し て いる。 ・手順カードを手掛かりに,安全に気を付けて調 理をしている。 ・友だちと協力して活動している。 行動 観察 作品 ・りんごカフ ェを開く。 1 <注文・会計係> ・お客さんを見 て 注 文 を 正 確 に 聞 い て いる。 ・代金を正しく 受 け 取 っ て いる。 <注文・会計係> ・お客さんの目 を 見 て 注 文 を 正 確 に 聞 いている。 ・代金やおつり を正しく受け 取ったり渡し た り し て い る。 <おもてなし係> ・安全,清潔, 配 膳 に 気 を つ け て 食 べ 物 や 飲 み 物 を 出 し て い る。 ・お客さんの顔 を見て,笑顔 で 接 客 し て いる。 <おもてなし係> ・安全,清潔, 配 膳 に気 を つ け て食 べ 物 や 飲み 物 を 出 して い る。 ・お客さんの顔 を見て,笑顔 で 接 客 し て いる。 行動 観察 ・振り返りを する。 2 ・写真を見なが ら活動したこ とを思い出し て,支援者と 一緒に感想を 書いている。 ・写真を見なが ら活動したこ とを思い出し て振り返り感 想を書いてい る。 ・写真を見なが ら活動したこ とを思い出し て振り返り感 想を書いてい る。 ・写真を見なが ら 活 動 し た こ と を 思 い 出して,簡単 な 文 で 感 想 を 書 い て い る。 発言 作文 7 本時の展開 (1)本時の目標 ① 全体の目標 ○ 相手に聞こえる声で話すことができる。 (道徳の視点 2-(1)「気持ちのよいあいさつ,言葉遣い,動作などに心掛けて,明るく接する。」) ○ 運賃や入園料を正確に支払うことができる。 ② 個々の目標 児童 これまでの様子 目 標 A ・自分から話しかけることは少ない。 ・話型があると,適切に話すことができる。 ・6種の硬貨の弁別や3桁の金額のマッチ ングができる。 ・相手に聞こえる声であいさつをしたり話を したりすることができる。 ・運賃や入園料を正確に支払うことができる。
B ・話好きである。時々,言葉遣いが雑にな ることがある。 ・6種の硬貨を使って3桁の金額を支払っ たり受け取ったりする練習をしている。 ・ていねいな言葉遣いであいさつをしたり話 をしたりすることができる。 ・運賃や入園料を正確に支払うことができる。 C ・初対面の人とでも会話ができる。 ・6種の硬貨を使って3桁の金額を支払っ たり受け取ったりすることができる。 ・相手の方を向いてあいさつをしたり話をし たりすることができる。 ・運賃や入園料を正確に支払うことができる。 D ・自信がないときは,話す声が小さくなっ たり,話せなくなったりする。 ・6種の硬貨を使って3桁の金額を支払っ たり受け取ったりすることができる。 ・相手に聞こえる声であいさつをしたり話を したりすることができる。 ・運賃や入園料を正確に支払うことができる。 (2)準備物 各種支援カード お金 さいふ 赤白帽子 評価カード シール PC 電子黒板 学習の流れカード 単元の流れ表 料金箱 振り返り絵カード 振り返りの話型 (3)学習の展開(後掲) 8 板書計画 9 教室内配置図 < 各自のめあて > < 各自の振り返り > りんごがりに行く練習をしよう。 ① 相手に伝わるように話そう。 ② お金を正かくに払おう。 振り返り の 話型 単元の 学習 の流れ 時計 め あ て
A児 C児 D児 B児
黒 板
電子黒板
PC乗
り
物
コ
ー
ナ
ー
準備物コーナー
りんご園コーナー
小奴可駅コーナー
<学習の流れ> ①めあてのかくにん ②準備(じゅんび) ③練習(れんしゅう) ④ふりかえり ⑤かたづけ 準備物 <順番> バス→リンゴ園→ 列車(3)学習の展開 学習活動 【生徒指導の三機能】 指導上の留意点( 課題 ◇支援 ☆評価) A児 B児 C児 D児 全体への支援 支援者:S 支援者:T 支援者:T 支援者:T 1 学習の流れを確認する。 2 学 習 の め あ て を 確 認 す る。 3 りんごがりに行く準備を する。 4 りんごがりに行く練習を する。 【自己決定の場を与える】 ① バス乗車 ② りんご園 ③ 列車乗車 5 活動の振り返りをする。 6 片付けをする。 ・学習の流れを知る。 ・準備カードを手掛かりに,さいふ,お金, 帽子を準備する。 ・バス乗車,りんご園での入園料の支払い, 列車乗車の練習をする。 ◇自信をもって話せるようにするために,入 園料や切符を買う時の言い方カードを準 備しておく。 ◇正確に支払えるようにするために,お金カ ードを準備しておく。 ◇上級生をお手本に活動できるようにする ために,支払いの順番を最後にする。 ☆相手に聞こえる声で話している。 ☆運賃や入園料を正確に支払っている。 【行動観察】 ・絵カードを選び,理由をつけて活動を振り 返る。 ・手順カードを手掛かりに片付けをする。 ・学習の流れを知る。 ・準備カードを手掛かりに,さいふ,お金, 帽子を準備する。 ・バス乗車,りんご園での入園料の支払い, 列車乗車の練習をする。 ・駅でみんなを整列させる。 ◇電子黒板の画面に入園料や切符を買う時 の話型を映しておき,必要なときに見るこ とができるようにしておく。 ◇車内でお金が落ちないようにするために 両替したお金を入れやすいさいふを準備 しておく。 ☆ていねいな言葉遣いで話している。 ☆運賃や入園料を正確に支払っている。 【行動観察】 ・絵カードを選び,理由をつけて活動を振り 返る。 ・手順カードを手掛かりに片付けをする。 ・学習の流れを知る。 ・準備カードを手掛かりに,さいふ,お金, 帽子を準備する。 ・バス乗車,りんご園での入園料の支払い, 列車乗車の練習をする。 ・バス停でみんなを整列させる。 ◇電子黒板の画面に入園料や切符を買う時 の話型を映しておき,必要なときに見るこ とができるようにしておく。 ◇車内でお金が落ちないようにするために 両替したお金を入れやすいさいふを準備 しておく。 ☆相手の方を向いて話している。 ☆運賃や入園料を正確に支払っている。 【行動観察】 ・絵カードを選び,理由をつけて活動を振り 返る。 ・手順カードを手掛かりに片付けをする。 ・学習の流れを知る。 ・準備カードを手掛かりに,さいふ,お金, 帽子を準備する。 ・バス乗車,りんご園での入園料の支払い, 列車乗車の練習をする。 ・りんご園でみんなを整列させる。 ◇電子黒板の画面に入園料や切符を買う時 の話型を映しておき,必要なときに見るこ とができるようにしておく。 ◇車内でお金が落ちないようにするために 両替したお金を入れやすいさいふを準備 しておく。 ☆相手に聞こえる声で話している。 ☆運賃や入園料を正確に支払っている。 【行動観察】 ・絵カードを選び,理由をつけて活動を振り 返る。 ・手順カードを手掛かりに片付けをする。 ◇学習の流れと予定の時刻を提示し,本時の見 通しをもたせる。(T) ◇それぞれのめあてをはっきりするためにめ あてカードを準備しておく。 (T) ◇準備物と学習の流れを手順カードで提示し, 明確にする。 (T) ◇昨年度のりんごがりの写真を提示し,臨場感 を出す。 (T) ◇振り返りのときの根拠にするために,支援者 は各自の目標が達成できていたら評価カー ドにシールを貼る。 (T・S) ◇絵カードを選んで振り返りができるように しておく。 (T) ◇「今日は,~の勉強をしました。」「~です。」 (主述),「わけは~だからです。」(理由)の 言い方を掲示し課題に沿った振り返りをさ せる。 (T) ①めあてのかくにん ②準備(じゅんび) ③練習(れんしゅう) ④ふりかえり ⑤かたづけ ① 相手に聞こえる声であいさつをし たり話をしたりする。 ② お金を正確に払う。 ① ていねいな言葉遣いであいさつを したり話をしたりする。 ② お金を正確に払う。 ① 相手の方を向いてあいさつをしたり 話をしたりする。 ② お金を正確に払う。 りんごがりに行く練習をしよう。 ① 相手に伝わるように話そう。 ② お金をせいかくに払おう。 ① 相手に聞こえる声であいさつをし たり話をしたりする。 ② お金を正確に払う。