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雑誌名 大手前大学論集

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教育におけるメディア利用の変遷 : データベース を利用したメタ研究報告 (1980年‑2010年)

著者 石毛 弓, 合田 美子

雑誌名 大手前大学論集

巻 12

ページ 1‑15

発行年 2012‑03‑31

URL http://id.nii.ac.jp/1160/00000034/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止

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大 手 前 大 学 論 集 第12号(2011)pp.1‑15

教 育 に お け る メ デ ィ ア利 用 の 変 遷

デ ー タベ ー ス を利 用 した メ タ研 究 報 告(1980年 一2010年)

石 毛 弓

1

合 田 美 子

要 旨

今 日、 メ デ ィア が もつ 影 響 力 につ い て さ ま ざ ま な方 面 か ら調 査 が 行 わ れ 、 膨 大 な 資 料 が 公 開 され て い る。 本 稿 で は 、 こ れ らの 研 究 結 果 を テ ー マ を決 め て比 較 検 証 す る こ と で、

先 行 研 究 に対 す る メ タ研 究 を行 う。 テ ー マ は 「メ デ ィ ア が 子 ど もの教 育 に対 して お よ ぼ す 影 響 」 で あ り、 対 象 とす る文 献 の年 代 は1980年 か ら2010年 、 対 象 とす る子 ど もの 年 齢 は6歳 か ら15歳 、 文 献 を収 集 す る デ ー タ ー ベ ー ス はNII論 文 情 報 ナ ビゲ ー タ と した 。 上 記 の 年 代 を三 つ に区 分 し、 そ れ ぞ れ の 文 献 で あ つ か わ れ て い る メ デ ィア の 種 類 や研 究 対 象 、 研 究 方 法 な ど を比 較 分 析 す る こ とで 、 年 代 ご との 特 徴 を描 き出す こ とが 本 稿 の ね ら い で あ る。

キ ー ワ ー ド メ デ ィ ア 、 教 育 、 子 ど も 、 デ ー タ ベ ー ス 、 メ タ研 究

1.は じ め に

情 報 を伝 達 ・記 録 す る 手段 と して の メ デ ィア は 、 人 類 の歴 史 と と も にあ っ た とい う こ とが で き る 。 古 く は 口 語 メ デ ィ ア か ら現 代 の 電 子 メ デ ィ ア ま で 、 わ れ わ れ は 多 くの メ

デ ィア にか こ まれ て 暮 ら して き た。 さ ら に20世 紀 に入 り電 気 ・電 子 メ デ ィ ア が 台 頭 す る とそ の 種 類 は飛 躍 的 に増 加 し、 そ れ に と も な っ て メデ ィ ア とい う枠 組 み を意 識 した う え で そ の 意 義 や 意 味 を 問 う研 究 が み られ る よ う に な った 。

こ うい っ た メ デ ィ ア そ の もの が もつ 影 響 力 に つ い て は、 た と え ば マ ク ル ーハ ン に よ る 提 言 の よ う に、 今 日 で は さ ま ざ ま な 方 面 か ら調 査 が 行 わ れ膨 大 な資 料 が 公 開 さ れ て い る。

1熊 本大 学大 学教 育機 能 開発総合 研 究 セ ンター准教 授

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これ ら多 種 多 様 な研 究 を、 テ ー マ を定 め て 収 集 しそ の 結 果 を 比 較 検 証 す る こ とは 、 メ タ 研 究 と して 有 効 で あ ろ う。 本 稿 で は、 この 仮 定 を も と に先 行 研 究 の 調 査 を行 っ た 成 果 を 報 告 す る 。 当研 究 の テ ー マ は 「メ デ ィア が 子 ど もの 教 育 に対 して お よぼ す 影 響 」 で あ り、

この 枠 組 み に基 づ い た メ デ ィア お よ び子 ど もへ の教 育 の 考 察 を行 っ て い る文 献 を抽 出 し 検 証 した 。

最 初 に 本 稿 の概 略 を示 す 。 次 の 第 二 章 で は、 調 査 の 方 法 や そ の 対 象 に つ い て説 明 す る。

対 象 と した 年 代 や 文 献 収 集 の 手 段 、 「子 ど も」 の 年 齢 の 設 定 な どが こ れ に あ た る。 第 三 章 で は調 査 の 結 果 を数 量 的 に示 し て そ の 解 説 を行 い 、 第 四章 で 結 論 を提 示 す る。 本 調 査 の 結 果 は さ ら に詳 細 な分 類 や分 析 が 可 能 で あ る と考 え られ る が 、 本 稿 に お い て は 、 収 集 した文 献 を メ デ ィア の 種 類 や そ の 研 究 目的 ・方 法 な どで 分 類 した 結 果 を ま と め る こ と を 主 眼 と した 。 こ れ らの デ ー タ を検 証 す る こ とで 、 時代 ご との メデ ィ ア の特 徴 を み い だ す こ とが 主 なね らい と な る。

2.調 査 方 法

ま ず 、 本 研 究 で 対 象 と し た 年 代 を 明 記 す る 。 年 代 は 、 文 献 の 公 開 年 が1980年 か ら2010 年 の も の と し、 そ れ を 第 一 期(1980年 〜1993年)、 第 二 期(1994年 〜2003年)、 第 三 期 (2004〜2010年)に 区 分 し た 。 こ れ ら 三 つ の 区 分 で あ る が 、 第 一 期 は 日 本 に お い て パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ(以 下PCと す る)が 一般 に 利 用 さ れ 始 め た 時 期 で あ り、 第 二 期 は

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お な じ く 日本 にお い て イ ン ター ネ ッ トの 利 用 が 普 及 し始 め た 時 期 と さ れ て い る 。 した が っ て こ れ ら の 時 代 区 分 は 、PCや イ ン ター ネ ッ ト とい っ た新 しい メ デ ィ ア が 教 育 の 分 野 に な ん らか の影 響 をあ た え た か ど うか を検 証 す る た め に適 切 で あ る と考 え られ る 。 ま た 第 三 期 は、 第 二 期 以 後 か ら現 在 ま で と した 。

上 記 の 年 代 設 定 は 、 本 稿 の 先 行 研 究 と して 参 照 した メ ドウ ク ロ フ トとマ ク ドナ ル ドの

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論 文 を踏 ま え て の こ とで もあ る。 メ ドウ ク ロ フ トとマ ク ドナ ル ドは、 マ ス メ デ ィア が 子 ど もに お よ ぼす 影 響 につ い て 、1911年 か ら1980年 に か け て 主 に ア メ リカ合 衆 国 で発 刊 さ れ た研 究 報 告 を対 象 と して メ タ分 析 を行 っ た 。 本 研 究 の 年 代 を1980年 以 降 に設 定 した の は、 メ ドウ ク ロ フ トとマ ク ドナ ル ドの後 続 研 究 と して の 位 置 づ け を意 識 した もの で あ る。

さ らに 、 日本 に お け る メ デ ィア の 教 育 利 用 に対 す る研 究 は 、 少 な く と も後 述 す る デ ー タ ベ ー ス で の 調 査 に お い て は、1980年 よ り以 前 は まっ た く活 発 で は な く言 及 す る ほ どの 件 数 が な い とい う 点 も理 由 の ひ とつ で あ る 。

次 に 文 献 の 収 集 に つ い て だ が 、 対 象 とな る文 献 は 子 ど もの教 育 へ の メ デ ィ ア の 影 響 を な ん らか の か た ち で研 究 も し くは 考 察 して い る も の と し た 。 メ タ研 究 を行 う さ い に は 、 サ ンプ ル と な る 文 献 を適 切 に抽 出 す る フ レー ムが 重 要 と な る た め 、 学 術 系 の 雑 誌 等 を幅

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教 育 に お け る メデ ィア利 用 の変 遷

広 くか つ 一 律 の 基 準 で選 出 す る必 要 が あ る。 メ ドウ ク ロ フ トとマ ク ドナ ル ドは 、 該 当 す る文 献 を最 初 に洗 い 出す 手 法 と して 図 書 館 の コ ン ピ ュ ー タ検 索 シ ス テ ム を用 い た 。 同 様 に本 稿 で は、 日本 語 で 出 版 され た教 育 系 の 学 術 雑 誌 や 大 学 の 紀 要 等 を も っ と も よ く網 羅

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して い る デ ー タベ ー ス と して 、NII論 文 情 報 ナ ビ ゲ ー タ(以 下CiNiiと す る)を 利 用 した。

CiNiiで 、 上 述 の 三 期 そ れ ぞ れ にお い て 「メ デ ィ ア」、 「教 育 」、 「子 ど も」 の キ ー ワ ー ド で検 索 をか け、 抽 出 さ れ た 文 献 をサ ン プ ル と した 。

さ ら に 「子 ど も」 の対 象 年 齢 だが 、 本 稿 で は6歳 〜15歳(義 務 教 育 で あ る小 学 生 か ら 中学 生)を タ ー ゲ ッ トと した 。 こ れ は キ ー ワ ー ド検 索 で は 絞 りこ む こ とが 不 可 能 な た め、

収 集 した 文 献 の 中 身 か ら判 断 した。 な お 上 記 の 年 齢 が 含 ま れ て い れ ば 、 他 の年 齢(た え ば 高 校 生 の調 査)を 含 む もの も調 査 の 範 ち ゅ う と し た。

3.調 査 結 果

3‑1.年

調 査 対 象 とな る文 献 の収 集 結 果 を 表1に 示 す 。 第 一 期 は検 索 結 果 が31件 で あ り、 そ の う ち 今 回 の研 究 対 象 とな る文 献 数 は23件 で あ っ た。 第 二 期 は検 索 結 果 が205件 で対 象 文 献 数 は147件 、 な ん らか の事 情 に よ り未 入 手 の 文 献 数 は10件 で あ る 。 第 三 期 は検 索 結 果 が199件 、 対 象 文 献 数 は119件 、 未 入 手 は14件 とな っ た。 また 調 査 対 象 か ら は外 して い る が 、1979年 以 前 の 検 索 結 果 は1件 で あ った こ とを 参 考 と して 記 す 。

調 査 対 象 か ら除 外 した 文 献 は、 以 下 三 点 の い ず れ か に あ て は ま る もの で あ る 。① 年 齢 が 対 象 外(乳 幼 児 や 大 学 生 以 上 な どが 対 象 と な っ て い る)、 ② 内 容 が 対 象 外(子 ど もへ の教 育 や メ デ ィ ア の 影 響 な どが 論 じ られ て い な い)、 ③ 他 の 検 索 結 果 と重 複 して い る 。

③ は 、 た と え ば雑 誌 の特 集 な どで 、 特 集 全 体 で1件 と し、 さ ら に特 集 の 個 別 記 事 ご と に 1件 ず つ 登 録 され て い る ケ ー ス が あ っ た 。 こ の場 合 は個 別 記 事 を対 象 と し、 特 集 全 体 と して の 検 索 結 果 は 対 象 外 と した 。 また 、 ま っ た く同 様 の 内 容 が 複 数 の雑 誌 に投 稿 され て

表1「 メ デ ィ ア 、 子 ど も 、教 育 」 に よ る検 索 結 果 数(文 献 数) 検 索結 果 研究 対象

第 一 期(1980年 一1993年) 31 23

第 二 期(1994年 一2003年) 205 147

第 三 期(2004年 一2010年) 199 119

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い る場 合 も1件 と して 数 え た 。

単 純 に検 索 結 果 の 文 献 数 だ け を比 較 して も、 第 一 期 と そ れ 以 降 とで は 大 き な差 が み ら れ る 。 そ の 理 由 は 「メ デ ィ ア 」 の 項 目に あ る と考 え られ る 。 図1は 、CiNiiで 「メ デ ィ ア」、 「子 ど も」、 「教 育 」 そ れ ぞ れ 単 独 の 単 語 で 検 索 を した結 果 を前 期 か らの 増 加 率 で 示 した もの で あ り、 図2は 「メ デ ィ ア、 教 育 、 子 ど も」 の 複 合 キ ー ワ ー ドで の 結 果 を 前 期 か らの 増 加 率 で 示 した もの で あ る(図1の 文 献 数 は 表2を 参 照)。 こ れ を み る と、 図1 にお い て 図2の 増 加 率 と似 た か た ち を み せ て い る の は 「メ デ ィ ア」 を キ ー ワ ー ドに した 場 合 で あ る 。 した が っ て 表1の 文 献 の 増 加 は 、 「メ デ ィア 」 とい う キ ー ワ ー ドが 、 教 育 の 研 究 領 域 にお い て 第 二 期 以 降 に多 く用 い られ る よ う に な っ た 影 響 が 大 きい とい う こ と が で きる だ ろ う。

次 に 、 この 「メ デ ィ ア」 の 内 容 を分 類 し考 察 す る 。

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1979年 以 前 第 一 期 第二期 第 三期

図2複 合 キ ー ワ ー ドで の 上 昇 率(前 期 比)

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教 育 に お け る メデ ィ ア利 用 の変 遷 3‑2.メ デ ィア の 分 類

現 在 、 教 育 の分 野 で、 メ デ ィ ア を い か に有 効 に 活 用 で きる か が さ ま ざ ま な角 度 か ら模

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索 さ れ て い る。 そ の よ うな研 究 や 考 察 にお い て 言 及 さ れ る メ デ ィ ア の種 類 や 利 用 の さ れ 方 に 時 代 別 の特 徴 を見 出 す こ とが で き るの で は な い か とい う仮 定 に基 づ き、 三 期 そ れ ぞ れ の 文 献 にお い て 利 用 さ れ て い る メ デ ィ ア を ま とめ た もの が 図3一 図5で あ る。

な お 、 分 類 項 目の 「メ デ ィ ア ミ ッ クス 」 は、 あ る コ ンセ プ トに基 づ い て 複 数 の メデ ィ ア を 比 較 検 証 して い る ケ ー ス を 指 す(た とえ ば 、 メ デ ィ ア リ テ ラ シ ー の 検 証 の た め に 、 テ レ ビ、 ラ ジ オ 、 新 聞、 イ ン タ ー ネ ッ トに お け る 報 道 内容 を比 較 して い る よ うな 場 合 で あ る)。 ま た 「マ ル チ メ デ ィ ア 」 は 、 ひ とつ の コ ンセ プ トを実 施 す る た め に複 数 の メ デ ィア を統 合 す るか た ち で 使 用 して い る ケ ー ス を指 す(た と え ば、Webペ ー ジ を作 成 す る た め にPC、 ビ デ オ カ メ ラ 、 イ ン タ ー ネ ッ トな ど複 数 の メ デ ィア を利 用 して い る よ う な場 合 で あ る)。

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図3メ デ ィア の 分 類(第 一 期)

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図4メ デ ィア の 分 類(第 二 期)

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図5メ デ ィア の 分 類(第 三 期)

第 一 期 で も っ と も 出現 頻 度 が 高 か っ た メ デ ィ ア は 「テ レ ビ」 で あ る。 この 「テ レ ビ」

と は 、 な ん らか の か た ち で の 放 送 を含 む 使 用 を 意 味 す る。 次 に 「マ ル チ メ デ ィ ア」 と

「メ デ ィア ミ ッ クス 」 が 同率 と な っ て い る 。 な お 第4位 の 「映像 メ デ ィ ア」 は ビ デ オ 撮 影 な ど を指 し、 「テ レ ビ」 との 違 い は 放 送 とい う手 段 を と って い る か ど うか で あ る。

こ の 期 の特 徴 は 、 テ レ ビ と い う メ デ ィ アへ の 注 目度 の 高 さ に あ る 。 そ の 原 因 と し て 、 こ の 年 代 に は テ レ ビが 教 育 的 利 用 に お い て 比 較 的 新 し くか つ ポ ピ ュ ラ ー な メ デ ィ ア で あ っ た こ と、 ま た 「メデ ィア」 と い う単 語 に よ っ て 喚 起 さ れ る ツー ル の イ メ ー ジ が 豊 富 で は な か っ た の だ ろ う こ とが 挙 げ られ る 。 第 二 期 、 第 三 期 に な る と、 た と え ば メ デ ィ ァ リ テ ラ シー の 概 念 と と もに新 聞 や ラ ジ オ な どの 媒 体 を と りあ げ る文 献 が み ら れ る よ う に な るが 、 第 一 期 に そ れ は な い 。 こ れ は新 聞 が 第 一 期 の 教 育 に お い て用 い られ て い な か っ た の で は な く、 そ れ を メ デ ィア と い うカ テ ゴ リー で 論 じる風 潮 が 育 成 され て い な か った こ との 表 れ で は な い か と考 え られ る。 この 点 を逆 か らみ る と、 と くに 第 二 期 以 降 の 教 育 に 関連 す る分 野 に お い て 、 メ デ ィ ア とい う概 念 の拡 大 と浸 透 が 進 ん で い った の だ とい う こ とが で き る だ ろ う。 こ の傾 向 は表2か ら もみ て と る こ とが で き る。1979年 以 前 に キ ー ワ ー ド 「メ デ ィア 」 でciNiiを 検 索 した 結 果 は10,330件 で あ るが 、 第 二 期 で は62,933件 に ま で増 加 して い る 。 こ れ は 他 の キ ー ワ ー ド 「子 ど も」 「教 育 」 と比 較 して 著 し い増 加 率 と な っ て い る。

表2「 メ デ ィア 」、 「子 ど も 」、 「教 育 」 に よ る 検 索 結 果 数(文 献 数)

メデ ィア 教 育 子ども

(‑1979年) 10,330 193,310 11,803

第 一 期(1980年 一1993年) 26,474 163,610 12,120 第 二 期(1994年 一2003年) 62,933 295,524 30,044 第 三 期(2004年 一2010年) 52,315 282,090 ...

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教 育 に お け る メデ ィア利 用 の変 遷

次 に 文 献 の 内容 の 特 徴 に つ い て み て ゆ く。 第 一 期 に は、 テ レ ビ の視 聴 時 間 が 子 ど も に お よぼ す 影 響 に つ い て論 じた 文 献 が 多 くみ られ た 。 次 点 は テ レ ビ番 組 の 内 容 が もつ 影 響 力 の 考 察 で あ り、 ど ち ら もテ レビ とい う媒 体 を 無 制 限 に子 ど もが 利 用 す る こ とへ の 危 惧 を 論 じて い る 。 そ の他 、PCや テ レ ビ ゲ ー ム な ど従 来 一 般 的 で は なか っ た 電 子 機 器 の 社 会 へ の 浸 透 を受 け 、 そ れ らニ ュ ー メ デ ィ ア の教 育 利 用 へ の 期 待 と不 安 を示 す 文 献 が 散 見 さ れ た 。

第 二 期 で もっ と も よ く言 及 され て い た メ デ ィア は 「メ デ ィ ア ミ ック ス 」 で あ る 。 次 点 が 「マ ル チ メ デ ィ ア 」 で 、 第 三 位 が 「PC」 と な っ て い る 。 も ち ろ ん 第 四 位 の 「イ ン タ ー ネ ッ ト」 もPCの 利 用 を 前 提 と し て い るが 、 イ ン タ ー ネ ッ トの 利 用 は第 三 期 の 結 果 を み て も わか る よ う に ひ とつ の メ デ ィ ア と して特 化 して あ つ か う に足 りる だ け の 件 数 が 認 め ら れ る た め 、 「マ ル チ メデ ィ ア 」 とせ ず に 「イ ン ター ネ ッ ト」 単 独 で 一 つ の項 目 と

した 。 この 期 に な る と、 第 一一期 で は トッ プ だ っ た 「テ レ ビ」 が 第 五 位 まで 落 ち 込 ん で い る こ とが わか る 。

第 二 期 の メ デ ィ ア の分 類 で 一 位 だ っ た 「メ デ ィ ア ミ ック ス 」 に属 す る文 献 は 、 複 数 の メ デ ィ ア を と りあ つ か っ て い る と い う以 外 に ま と ま っ た傾 向 を見 出 しに くい 。 しか し、

そ れ が こ の 時 期 の 特 徴 で あ る とい う こ と が で き る だ ろ う。90年 代 に入 り、PCや イ ン タ ー ネ ッ ト、 携 帯 電 話 や 電 子 ゲ ー ム な どが 一 般 に 普 及 す る よ う に な っ て き た。 時代 の こ の新 しい 動 向 を 受 け て、 メ デ ィ ア とい う認 識 の も と に、 とに もか くに も複 数 の ツ ー ル を 検 証 し よ う とい う風 潮 が 高 ま っ て い た こ とが うか が え る。 さ ら に政 府 の 方 針 と して 電 子 メ デ ィ アの 活 用 教 育 が 推 奨 され 、2005年 度 末 に は 全 て の普 通 教 室 に コ ン ピ ュ ー タ を整 備

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す る こ と と、 学 校 の イ ン ター ネ ッ ト接 続 の 高 速 化 を推 進 す る こ とが 決 定 さ れ た 。 これ を 受 け て 情 報 活 用 力 を育 成 す る カ リキ ュ ラ ム の設 計 が 火 急 性 を帯 び、 と りわ け電 子 メデ ィ ア に注 目が 集 まっ た と い う こ とが で き るだ ろ う。

こ の 「メ デ ィア ミ ック ス 」 と い うカ テ ゴ リー で どの よ うな テ ー マ が あ つ か わ れ て い る の か を、 参 考 と して 記 す 。 「ITを教 育 現 場 で 使 用 し た実 践 例 の 比 較 」、 「児 童 が どの よ う な メ デ ィ ア を利 用 し て い る か の 実 態 調 査 」、 「メ デ ィ ア リテ ラ シー につ い て 」、 「メ デ ィ ア 論 や メ デ ィ ア ・ヒス トリー 」、 「現 代 的 な メ デ ィ ア の 利 用 と コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの 関係 」 な ど、 内 容 は多 岐 に わ た っ て い る。 この 多 様 性 が 、 第 二 期 を特 徴 づ け る要 因 の ひ とつ だ

と考 え るの で あ る。

ま た 「メ デ ィア ミ ック ス 」 の 項 目に 限 らな い 文 献 全 体 の傾 向 と して は 、 新 しい メ デ ィ ア を 教 育 の と くに 現 場 レベ ル で 導 入 し利 用 して ゆ く こ とへ の 挑 戦 と 困惑 が う か が え た 。 こ れ は 教 員 に とっ て も生 徒 に と っ て も同 様 で あ り、 そ れ ら実 験 的 な試 み の 結 果 が 次 の 第 三 期 の と り くみ の 基 盤 に な っ て い っ た の だ とい う こ とが で き るだ ろ う。

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第 三 期 も ま た 第 二 期 と 同様 、 項 目で は 「メ デ ィア ミ ッ ク ス 」 が トップ で あ る。 次 点 は

「イ ン ター ネ ッ ト」、 第 三 位 に 「マ ル チ メデ ィア 」 が位 置 して い る 。 こ の 時 代 の特 徴 は 、 第 二 位 と はい え 「イ ン タ ー ネ ッ ト」 が 「メ デ ィ ア ミ ッ ク ス」 とほ ぼ 同 数 で あ り、 この 電 子 通 信 手 段 へ の 注 目が 高 ま っ て い る点 に あ る 。 「イ ン タ ー ネ ッ ト」 に 関 す る テ ー マ で は、

「イ ン タ ー ネ ッ トを利 用 した 教 育 シス テ ム の構 築 」、 「生 徒 に よ るWebコ ンテ ン ツの 作 成 」、

「メ デ ィア リ テ ラ シ ー を含 む イ ン ター ネ ッ ト論 」 な ど が 多 くみ られ た 。 ま た 「マ ル チ メ デ ィ ア」 で は、 「メ デ ィア 利 用 の 実 態 調 査 」 や 「各 種 メ デ ィ ア の子 ど もへ の 影 響 の 比 較 な どの テ ー マ が 頻 出 して い る 。

第 三 期 の も う ひ とつ の 特 徴 と し て、 第 四 位 に 「そ の 他 」 が 入 っ て い る こ とが 挙 げ られ る。 こ の 項 目 は、 広 義 に考 え れ ば メ デ ィア と して 数 え る こ とが で きる が 、 ほか の項 目 と 比 較 した場 合 そ の あ つ か わ れ 方 や 性 格 が 少 々異 な る もの を含 ん で い る。 た と え ば 「図 書 館 」 が そ の ひ とつ で あ る 。 これ は 、 図 書 館 の 利 用 形 態 や 検 索 方 法 、 図 書 館 と し て の メ デ ィ ア リテ ラ シ ー な ど、 図書 館 自体 を ひ とつ の メ デ ィ ア と して あ つ か う考 え で あ る 。 ま た 「造 形 」 と い う コ ンセ プ トで 、 子 ど もた ちの 表 現 手 段 を分 析 した り鑑 賞 教 室 の 実 践 報 告 を行 っ た ケ ー ス もみ られ た 。 「図書 館 」 も 「造 形 」 も、 そ れ ら を メ デ ィ ア と して と ら え る の は 、 テ レ ビや イ ン ター ネ ッ トを メ デ ィ ア と と ら え る よ りも さ らに 抽 象 的 な把 握 の 仕 方 で あ る。 こ れ は 第 一 期 に は み られ な い と らえ 方 で あ り、 先 に述 べ た よ う に メ デ ィ ア とい う単 語 が よ り柔 軟 に理 解 され 、 広 範 囲 に利 用 され る よ うに な っ た こ との 表 れ と と る こ とが で き る だ ろ う。

以 上 が 、 メ デ ィア 分 類 別 に み た 三 期 の 特 徴 で あ る 。 次 章 か ら は、 調 査 結 果 別 に み た 場 合 の 特 徴 を考 察 す る 。

3‑3.研 究 目 的 、 研 究 手 法 、 デ ー タ分 析 方 法

3‑3‑1.研 究 目的

各 文 献 をそ れ ぞ れ 「研 究 目的 」、 「研 究 手 法 」、 「デ ー タ分 析 方 法 」 の 三 点 か ら分 類 した 結 果 を以 下 に 示 す 。 最 初 に 「研 究 目 的 」 の 項 目 につ い て 説 明 す る 。 「メ デ ィア 」 は 、 そ の 研 究 目的 が 、 メ デ ィ アが 人 にお よ ぼ す 影 響 や 歴 史 的 な変 遷 な ど、 メ デ ィ ア そ の もの を 分 析 対 象 とす る もの で あ る 。 「メ デ ィ ア リテ ラ シ ー 」 は 、 た と え ば新 聞 や テ レ ビ、 イ ン ター ネ ッ トな どで 得 られ る情 報 を い か に 読 み 解 くか の 検 証 や提 唱 を行 っ た 文 献 な どで あ る。 「学 習 活 動 」 は、 な ん らか の メ デ ィ ア を用 い て の 学 習 を行 っ た報 告 が 主 で あ り、 た と え ば初 等 教 育 に お け る総 合 学 習 の 時 間 で の プ ロ ジ ェ ク ト型 学 習 な どの ケ ー ス が これ に 該 当 す る。 「シ ス テ ム 設 計 ・検 証 」 は 、 教 育 に 関 連 す る な ん らか の プ ロ グ ラ ム や シ ス テ ム を 電 子 的 に 設 計 した り、 す で に デ ザ イ ンさ れ た もの を検 証 し た場 合 で あ る。 「教 材 開 発 」 は メ デ ィ ア を用 い て授 業 教 材 の 開発 を 目的 と した ケ ー ス で あ り、 「そ の他 」 は 上 記

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教 育 に お け る メデ ィ ア利 用 の変 遷

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図8研 究 目的(第 三 期)

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の分 類 にあ て は ま ら な い もの す べ て と した 。

第 一 期 の 主 な研 究 目的 は 「メ デ ィア 」 で あ る 。 そ の 内容 は 、 次 点 の 「教 材 開発 」 の 内 訳 を先 に み た ほ うが 理 解 しや す い だ ろ う 。 「教 材 開 発 」 に お け る メ デ ィ ア の 分 類 項 目

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(図3参 照)は 、 「マ ル チ メ デ ィ ア 」 が3件 、 「PC」 が1件 で あ り、 「テ レ ビ」 は含 まれ て い な い 。 つ ま り第 一 期 で は メ デ ィ ア そ の もの を分 析 す る タイ プの 文 献 が 多 く、 そ こで あ つ か わ れ て い る メ デ ィ ア とは 主 と して テ レ ビ な の で あ る。

第 二 期 に 入 る と項 目 にバ ラ エ テ ィが み られ る よ う に な る 。 ま た こ の 時 期 か ら、 「メ デ ィ ア リテ ラ シ ー」 が 教 育 関 係 の 文 献 にお い て 言 及 され る よ う に な っ て き た 。 第 一 位

「メ デ ィア 」 の 、 分 類 項 目 の 内 訳 は トッ プ が 「メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 で35件 で あ る。 また この 項 目 「メ デ ィア 」 で の 主 な テ ー マ を 要 約 す る と、 電 子 メ デ ィ ア の利 用 に よ る社 会 の 変 容 が 子 ど も た ち に お よ ぼす 影 響 につ い て で あ っ た 。

第 三 期 は第 二 期 と似 た 傾 向 を示 し、 上 位 三 位 は お な じ項 目が 占め て い る。 た だ し、 そ れ 以 外 の 項 目 も文 献 数 は二 桁 代 に上 っ て い る。 これ は第 一 期 、 第 二 期 に 比 べ て メ デ ィ ア に 関す る 実 践 や 考 察 、 研 究 の 目的 や 分 野 が よ り具 体 的 に な り、 テ ー マ設 定 が よ り綿 密 に され る よ う に な っ た 結 果 、 研 究 領 域 の す み わ けが な され る よ う に な っ た か ら で は な い か と推 測 され る。 分 類 項 目の トッ プ は 「メ デ ィ ア ミ ッ クス 」 で20件 、 主 テ ー マ は 第 二 期 と 同 様 で あ る。

3‑3‑2.研 究 手 法

次 に 「研 究 手 法 」 の 説 明 に移 る 。 こ の 項 目は 、 テ ー マ に対 す る調 査 方 法 を示 す 。 「 的 調 査 」 はデ ー タ を数 量 的 に 測 定 す る調 査 法 で あ り、 そ の な か で も状 況 の 文 脈 に応 じて 数 値 に 意 味 づ け を 行 った ケ ー ス に対 して この 語 を用 い た。 「量 的調 査(相 関)」 は 、 異 な る状 況 下 に お け る複 数 の 収 集 デ ー タ の 結 果 を 関 連 づ け て 検 討 した場 合 で あ る。 「量 的 調 査(実 験)」 は 、 あ る 仮 説 を検 証 す る た め に 実 験 を行 い 数 量 的 デ ー タ を得 た ケ ー ス を指 す 。 ま た 「質 的調 査 」 は数 量 的 に表 す こ とが で きな い デ ー タに 基 づ く調 査 法 で あ る 。 上

  

記 どれ に もあ て は ま ら な い場 合 は 「そ の 他 」 と した 。

図9研 究 手 法(第 一 期)

(12)

教 育 に お け る メデ ィア利 用 の変 遷

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図10研 究 手 法(第 二 期)

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図11研 究 手 法(第 三 期)

第 一 期 か ら第 三 期 ま で を 通 して 、 「量 的 調 査 」 が も っ と も大 き な数 値 を示 して い る 。 そ の 原 因 は、 ① 該 当 文 献 に 授 業 実 践 報 告 が 多 くみ られ る 、② 該 当文 献 に質 問票 を 用 い た 調 査 が 多 くみ られ る、 の 二 点 に 由 来 す る と考 え られ る。 ① で は、 あ る メデ ィ ア を 利 用 し た授 業 実 践 に お い て 、 生 徒 た ちが どの よ う な 反応 や 傾 向 を示 した か を 数 値 化 す る とい っ た 内 容 が 多 くみ られ た。 ② は 、 メ デ ィ アの 影 響 や 、 そ の利 用 に対 す る ア ン ケ ー ト調 査 な

どを 含 む 。 本 研 究 は メ デ ィア と教 育 とい う分 野 に 焦 点 を 当 て て お り、 そ の た め 文 献 に は、

教 育 実 践 報 告 と して の① や 、 現 代 の メ デ ィ ア に即 して 子 ど も像 を描 きだ そ う とす る② な どの 調 査 が 多 数 み ら れ た 。 これ らの要 因 か ら、研 究 手 法 と して 「量 的 調 査 」 を 選 択 した ケ ー ス が もっ と も大 き な パ ー セ ンテ ー ジ を 占 め る こ と に な っ た と考 え られ る。

3‑3‑3.デ ー タ分 析 方 法

最 後 に 「デ ー タ分 析 方 法 」 に つ い て 説 明 す る。 これ は 「研 究 手 法 」 の 結 果 を も とに 、 当該 研 究 の 仮 説 の 妥 当性 や そ の 効 果 を検 証 した り、 研 究 の 有 効 性 を検 討 す る方 法 の 分 類

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で あ る 。 「観 察(記 述 的)」 は 、 収 集 した デ ー タ に対 し て記 述 的 に意 味 づ け を行 い 、研 究 テ ー マ に 関 連 づ け て 成 果 を論 述 す る方 法 とす る。 「分 析(説 明 ・解 説 的)」 は、 収 集 した 量 的 デ ー タ に 対 して 統 計 解 析 法 な ど を用 い た分 析 を行 っ た もの で あ る。 「そ の 他 」 は こ れ ら二 つ の 方 法 に あ て は ま らな い も の 、 「な し」 に は実 践 や デ ー タ収 集 等 は 行 っ て い る もの の そ れ ら の分 析 や 結 論 を客 観 的 に論 じて は い な い 報 告 を分 類 した。

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デ ー タ分 析 手 法(第 一 期)

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図14デ ー タ分 析 手 法(第 三 期)

(14)

教 育 に お け る メデ ィア利 用 の変 遷

三期 を通 じて 「そ の他 」 の 数 値 が 高 い が 、 こ の 項 目 に含 まれ る主 な 文 献 は、 研 究 成 果 を 、 論 理 的 な帰 結 と い う よ りは大 な り小 な り主 観 的 な推 察 に 基 づ い て 報 告 して い る も の で あ る 。 「そ の 他 」 と 「な し」 に属 す る 文 献 に は、 研 究 論 文 や 実 践 報 告 とい う よ り も エ ッセ イ的 な もの が 多 い 。 第 一 期 か ら第 三 期 まで を比 べ る と、 エ ッセ イ 的 な文 献 は ど の 時 代 に も発 表 され て い る が 、 第 一 期 は 全 体 に お け るそ の割 合 が 高 か っ た(表 に は 示 して い な い が 、24件 中14件 が エ ッセ イ 的 な も の とみ な され る)。 しか し第 二 期 と第 三 期 にお い て は そ の 数 は 減 っ て い る 。 そ の か わ りシ ンポ ジ ウ ムや 座 談 会 、 イ ン タ ビ ュ ー な どの 報 告 が み られ る よ う に な っ た 。

ま た 、 す べ て の 時 代 に お け る特 徴 と し て は 、 数 値 を用 い た 分 析 で は な くデ ー タの 意 味 を 記 述 的 に 報 告 して い る 文 献 が 大 多 数 を 占 め る こ とが 挙 げ ら れ る 。 そ の 最 大 の 原 因 は 、

教 育 」 と い う キ ー ワー ドの も と さ ま ざ ま な分 野 の 研 究 者 や 評 論 家 、 有 識 者 た ち が 考 察 を行 っ て い る こ と に帰 す る の で は な い か と考 え られ る。 教 育 の 実 践 に携 わ っ て い る者 が す べ て 教 育 学 や教 育 工 学 を 専 門 と して い る わ け で は な い。 また 研 究 者 で は な く行 政 や 報 道 関係 者 が 原 稿 を執 筆 した り、 シ ンポ ジ ウ ム に 参 加 して い る ケ ー ス もあ る。 した が っ て テ ー マ の 設 定 や そ の 分 析 は 、 特 定 の研 究 領 域 に お け る よ うに 一 定 の方 法 に基 づ い た も の に は な りに くい 。 しか し これ をマ イ ナ ス に とる よ りも、 そ の 多 様 性 が現 時 点 に お い て は 発 言 の 垣 根 を低 くし、 さ ま ざ ま な角 度 か らの ア プ ロー チ を 可 能 に して い る とい うプ ラス の面 を、 今 回 の調 査 に お い て 文 献 を比 較 検 証 した 結 果 と して 強 調 した い 。

4.ま と め

義 務 教 育 の年 齢 に あ る子 ど もへ の教 育 を メ デ ィ アの 利 用 とい う面 か らあ つ か っ た 文 献 に つ い て 、1980年 か ら2010年 ま で に 公 表 さ れ た もの を 対 象 に 検 証 し た 。 第 一 期 で あ る 1980年 か ら1993年 は、 メ デ ィ ア とい う意 識 と教 育 を むす び つ け る ツ ー ル と して は 、 テ レ ビ が も っ と も一 般 的 で あ っ た 。 ま た この 時 期 は 、 少 な く と も使 用 した デ ー タベ ー ス で 検 索 した か ぎ りで は 、 教 育 と メデ ィ ア に 関 連 した 考 察 に は エ ッセ イ的 な もの が 多 か っ た 。 続 く第 二 期 は 、 新 し く台 頭 して きた メ デ ィ ア の 教 育 利 用 に 対 す る過 渡 期 と と らえ る こ とが で き る だ ろ う。 検 索 結 果 の 文 献 数 も、 そ こ で と りあ げ られ て い る メデ ィ ア の 数 も第 一 期 よ り格 段 に増 加 して い る。 しか し なが ら全 体 と して 、啓 発 的 で あ って も総 論 的 で あ

り、 具 体 的 な分 析 や 提 案 まで は い た っ て い な い 文 献 が 多 々 み られ た。

第 三 期 で 、 メ デ ィ ア と教 育 が そ れ まで よ り さ ら に広 が り を も っ て と ら え られ る よ う に な っ た こ と は、3‑2に 記 した とお りで あ る。 また 他 の特 徴 と して、 初 等 教 育 か ら生 涯 教 育 に わ た る 幅 広 い か た ち で の メ デ ィ ア利 用 が 提 案 さ れ る ケ ー ス が み られ る よ うに も な っ た 。 さ らに 、 新 しい メ デ ィ ア に対 し て肯 定 的 ・積 極 的 な 意 見 が 出 て き た こ と も特 徴

(15)

の ひ とつ と して挙 げ られ る。 た と え ば 、 第 一・期 で は テ レビ視 聴 時 間 を、 第 二 期 で は イ ン ター ネ ッ トや 携 帯 電 話 の 出会 い 系 サ イ トな ど を と りあ げ て 、 子 ど もへ の新 し い メ デ ィ ア の 影 響 を否 定 的 に 表 明 した文 献 が しば しば み うけ られ た。 第 三 期 に もそ うい っ た もの は あ るが 、新 しい メ デ ィ ア を否 定 す る だ け で な く、 そ れ ら とつ きあ っ て ゆ くた め の積 極 的 な提 案 や 工 夫 が 紹 介 され る よ う に な っ た 。 イ ン ター ネ ッ トや携 帯 電 話 の 利 用 に お け る メ デ ィ ア リテ ラ シ ー を例 に とる と、 こ れ ら電 子 メ デ ィ アで の情 報 の 有 用 性 や 危 険 性 の 詳 細 や 具 体 例 、 対 処 法 な どが 、 概 念 的 と い う よ り も実 践 的 に提 唱 され て い る の で あ る 。 た と えエ ッセ イ的 な文 献 の 場 合 で も、 教 育 に 関 す る この よ う に具 体 的 な事 例 や ア ドバ イ ス な どが 示 され る よ うに な っ た こ とが 、 第 三 期 の 特 色 で あ る とい う こ とが で き る だ ろ う。

ま た 第 三 期 に 関 し て い え ば 、 今 回 は 分 類 の 項 目 と し て 挙 げ る こ と は な か っ た が 、

「ICT」 と い う キ ー ワ ー ドが し ば し ば用 い られ る よ う に な っ た 。 さ ら に 、 ゲ ー ム な ど を と りい れ た ワ ー ク シ ョ ップ型 の 実 践 報 告 数 が 増 え た こ と もこ の 期 の 傾 向 とい う こ とが で き る。

以 上 が 、 特 定 の キ ー ワ ー ドと年 代 でCiNiiを 利 用 して 文 献 を収 集 し た 結 果 の 第 一 次 報 告 で あ る 。 本 報 告 に お い て は 、 三 つ の 時 期 にお け る 特 徴 を描 き出 す こ とが ね らい で あ っ た 。 今 後 は こ の結 果 を踏 ま え て 、 テ レ ビや イ ン ター ネ ッ トな ど特 定 の メ デ ィ ア に注 目 し た 場 合 の 変 遷 や 、 各 年 代 を さ ら に詳 細 に 検 証 した場 合 、 ま た研 究 雑 誌 別 の 特 徴 な ど を分 析 して ゆ き た い。 また 、 こ の研 究 成 果 を 「生 活 、 学 力 、 ス キ ル 、 態 度 、 人 間 関係 、 そ の 他 」 の6つ に分 類 して 評 価 す る こ と も行 っ て お り、 そ の 結 果 に つ い て も報 告 をす る 予 定 で あ る 。 メデ ィ ア 利 用 にお け る子 ど もの 教 育 へ の 影 響 を分 析 す る こ と を通 じて 、教 育 界 の さ らな る発 展 に 寄 与 す る こ と を 目標 とす る所 存 で あ る。

謝 辞

本 研 究 は 、 「公 益 信 託 高 橋 信 三 記 念 放 送 文 化 振 興 基 金 平 成21年 度 助 成 」 の助 成 金 に よ る こ と を明 記 し、 こ こ に厚 く御 礼 を 申 し上 げ る もの で あ る。

参考 文献

1 11

1

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V

Ong,Walter.OralityandLiteracy,Routledge;London,2002.

「イ ン タ ー ネ ッ ト 白 書2001』 一 『イ ン タ ー ネ ッ ト 白 書2010』 日 本 イ ン タ ー ネ ッ ト協 会(編)、

イ ン プ レ ス 、2001‑2010年

Meadowcroft,JeanneM.;McDonald,DanielG.Meta.‑AnalysisofResearchonChildrenand theMedia:AtypicalDevelopment?,JournalismQuarterly,v63n3p474‑80Aut1986

ciNiiの ア ド レ ス は 以 下 の 通 り 。 な お 本 稿 に お け る 文 献 収 集 は 、 す べ て2011年11月14日 最 終 閲 覧 日 と す る 。http://ci.nii.ac.jp/

「メ デ ィ ア が 変 わ る 知 が 変 わ る ネ ッ ト ワ ー ク 環 境 と 知 の コ ラ ボ レ ー シ ョ ン 』 井 上 輝 夫 、 梅 垣 理 郎(編)、 有 斐 閣 、1998年:「 変 わ る メ デ ィ ア と 教 育 の あ り か た 』 水 越 敏 行 、 佐 伯 腓

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教 育 に お け る メデ ィア利 用 の変 遷

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(編 著)ミ ネ ル ヴ ァ書 房 、1996年

「ミ レ ニ ア ム ・ プ ロ ジ ェ ク ト(新 し い 千 年 紀 プ ロ ジ ェ ク ト)の 基 本 的 な 枠 組 み と 構 築 方 針 に つ い て(平 成11年10月19日 内 閣 総 理 大 臣 決 定)」

http://www.kantei.go・JA/jp/mille/991020millpro.html:最 終 閲 覧 日 ・2011年12月20日

メ リ ア ム 、S.B.「 質 的 調 査 法 入 門 一 教 育 に お け る 調 査 法 と ケ ー ス ・ス タ デ ィ 』、 堀 薫 夫 、 久 保 真 人 、 成 島 美 弥(訳)、 ミ ネ ル ヴ ァ 書 房 、2004年

参照

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