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昭和63年3月18日学位規則第5条第1項該当

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(1)

氏名・(本籍)

学位の種類 学位記番号 学位授与の目付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

野 村 恵 美 子(三重県)

工  学  博  士

工博甲第  35  号 昭和63年3月18日 学位規則第5条第1項該当

電子科学研究科 電子応用工学専攻 保守手順に適合する文事情報の編成法

(委員長)

教 授 阿 部 圭 一

教 授 関 本 彰 次  教 授 堀 部 安 一 助教授 宮 尾 正 大  助教授 落 水 浩 一 郎

論 文 内 容 の 要 旨

計算機ソフトウェアは,利用環境の変化に適合させるため,長期にわたって変更され続ける特徴を もつ。このような作業をソフトウェアの保守と呼ぶ。保守を効率よく実行するためには,保守対象シ ステムについての十分な理解が必要である。ところが,ソフトウェアの理解には,かなり長期にわた る学習期間が必要となる一方で,保守に与えられる期間が短いため,学習の必要がない開発者を除い ては,事実上,保守できない状況である。

本論文は,開発者以外でも保守が行えるようにするために,保守作業支援に必要となる情報構造を 明らかにし,それを用いた保守支援の方式についての研究結果をまとめたものである。本研究は,以 下のような環境で行われる保守を対象とした。すなわち,1)保守対象システムは事務処理システム であり,2)保守要求の内容は,システムの機能に対する小規模な変更であり,3)保守要求を提出 するユーザは,システムが実現する事務処理業務上の機能に関する知識は十分にあるが,その実現方 法に関する知識はほとんどない。

まず上記のような環境において,実際に発生した保守要求に基づいて保守技術者が行う保守過程を 調査することにより,保守要求の記述内容とそれを受けて行われる保守作業の内容を明らかにした。

一般に,保守要求には,ユーザが変更したいと考えているもの(変更対象)とそれに対する変更方法 が示される。変更対象は,計算方法等の機能記述,または入出力帳表の項目名を使って示されること が多く,また,変更方法は,変更対象のデータを計算するために使われる現在の計算方法と変更後の

− 91−

(2)

計算方法を対比させることで示されることが多い○このような要求に基づいて,保守者は以下のよう な作業を実施する0まず一変更すべき機能を明らかにし,ユーザの要求を確認する。次に,要求を実 現するために変更しなければならないプログラム(変更対象プログラム)を特定し,変更結果を確認 するために行うテストを計画する0最後に,変更対象プログラムのソースリストを取り出し,保守要 求で指示された変更方法にしたがってプログラムの変更を行い,テストを実行する。

以上の作業を行うとき,保守要求に示される変更要求記述をソフトウェアシステムの保持する機能 に対応づける情軋機能をプログラムに対応づける情軌およびプログラムの実行環境に関する情報 が必要になる。このような情報は,一般には,開発時に作成される文書中に含まれていると考えられ ている0開発時文書の記述内容を調べた結果,プログラムの実行環境に関する情報は開発時文書より 容易にわかるが,保守要求を機能に対応させる情報と,機能を変更対象プログラムに対応させるため の情報を開発時文書における情報の編成から開発者以外の技術者が理解することが困難であることが わかった。その理由は,開発時文書では上記機能の定義および構成が不十分なためである。

次に,保守要求に基づいて変更対象プログラムの特定とテスト計画が行なえるような保守用情報モ デルを編成した。開発時文書では明らかにされない機能に関する情報を明示化するために,ソースプ ログラムから入力項目を出力項目へ接続するデータの流れを抽出し,この上で機能を定める方法を定 義した0このようにして抽出した機能と抽出の基になったプログラムとの対応関係を中心にして,入 出力帳表の項目と機能の対応関係,およびプログラムの実行環境に関する情報を付加した。以上の結 果を一般化し,保守用情報スキーマをデータモデルを使って定式化した。

最後に′作成した保守用情報モデル中に含まれる情報内容が十分であることを確認するために,保 守用情報モデルを関係データベーススキーマに変換し,実データを投入した上で,保守要求から変更 対象プログラムを特定し,テスト計画を生成する実験を行った。その結果,作成したデータベースを 使うことにより′熟練した保守者が保守時に必要であると考えている作業を行うことができ,したがっ て′作成した保守用情報モデルがこの作業を行うために十分な情報を保持していることがわかった。

また,この保守実験で明らかにされた作業を支援する機能を持つ保守支援システムを作成することに より′保守支援の方式も示した0以上のように,本研究で考案した方式の有効性が確認され,実用的 なシステム開発への基盤が作られた。

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参照

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