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第 1 章 株式上場の意義 1. 株式上場とは株式の上場とは 広く一般投資家から資金調達を行うことを目的とし 証券市場で株式を自由に売買できるようにすることです 具体的には 経営者の同族や特定の限られた者に保有され 株式の譲渡が制限されていた自社の株式について 不特定多数の一般投資家に開放し 証券市

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Academic year: 2021

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たな卸資産の評価に関する会計基準

株式会社 脇坂公開企画

本レポートは、新日本有限責任監査法人の 「週間:経営財務」の掲載記事から転記した ものです。

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第1章 株式上場の意義

1. 株式上場とは 株式の上場とは、広く一般投資家から資金調達を行うことを目的とし、証券市場で株式を自由に 売買できるようにすることです。 具体的には、経営者の同族や特定の限られた者に保有され、株式の譲渡が制限されていた自社の 株式について、不特定多数の一般投資家に開放し、証券市場において自由に売買できるようにする ことをいいます。 2. 株式市場の仕組み 株式会社は、広く一般投資家から資本参加を求めることで大規模な事業を営むことが可能ですが、 他方で一般投資家に資本参加を求める場合、一般投資家がいつでも投下した資本を回収できる仕組 みが必要となります。 また、資本参加したものの、換金することが容易でなければ、資本参加する一般投資家は限られ てしまうことから、一般投資家がいつでも株式を売買できる市場が設けられており、これが証券取 引所です。 日本国内には、日本取引所グループの東京証券取引所とともに、名古屋・札幌・福岡の計4カ所 の証券取引所があり、各取引所が証券市場を開設しているほか、先物市場には日本取引所グループ の大阪証券取引所があります。 証券市場には、「本則市場」と称される市場と「新興市場」と称される市場があり、本則市場に 関しては東京と名古屋の証券取引所に各々1部市場と2部市場があり、札幌と福岡には1つの市場 が開設されています。 新興市場とは、成長する新興企業のための市場であり、「マザーズ(東京)」・「JASDAQ スタ ンダード(東京)」・「JASDAQ グロース(東京)」・「セントレックス(名古屋)」・「アンビ シャス(札幌)」・「Q-Board(福岡)」が各証券取引所に開設されているほか、プロ投質家向け の「TOKYO PRO Market」が東京証券取引所に開設されています。

これらの新興市場は、既存の市場と比較すると、上場基準が緩和され、上場審査も短期間で済む ようになっていますが、上場基準が緩和されている分、投資家にとって新興市場は「ハイリスク・ ハイリターン」の市場であるといえます。 3. 株式上場のメリットと社会的責任の発生 会社は、株式を上場して資金調達を多数の一般投資家に求めれば、資金調達の多様化が図られ、 更なる会社の成長が期待できます。 しかしながら、一方で株式を一般投資家に開放して証券市場に流通させることで、会社にとって は見ず知らずの株主が参加してくるため、投資者保護の見地から「上場会社としての適格性」が問 われることになります。 会社は、株式を証券市場に上場することで、パブリックカンパニーとしてタイムリーな企業内容 の開示とともに、より高いコンプライアンスが要求されることになり、より高い社会的責任を負う ことになります。 −1−

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第2章 たな卸資産の会計基準

1.はじめに 企業会計基準「たな卸資産の評価に関する会計基準」(以下「たな卸資産会計基準」という。) が平成20年4月1日以後に開始する事業年度から適用され、平成20年9月に改正され、たな卸資産 の評価方法から後入先出法が削除されています。 これは、国際財務報告基準における会計基準「たな卸資産」において、後入先出法が認められて いないことを受け、会計基準の国際的なコンバージェンスを図るため、選択できるたな卸資産の評 価方法から後入先出法が削除されたものです。 2.たな卸資産会計基準が設定された経緯および基準適用の範囲 たな卸資産会計基準は、近年整備されてきた他の会計基準の整合性およびたな卸資産の評価基準 として、低価法を原則とする国際的な会計基準とのコンバージェンスの観点から、これまでの原価 法と低価法の選択適用を見直し、収益性の低下による簿価引き下げという考え方に基づいた評価基 準や開示方法に関して整備したものです。 本会計基準の適用範囲は、たな卸資産を「通常の販売目的で保有するたな卸資産」と「トレーデ ィング目的で保有するたな卸資産」に区分し、前者については収益性の低下によって帳簿価額を切 り下げること、後者については市場価格に基づいて評価することを定めています。 3.トレーディング目的で保有するたな卸資産の評価基準 トレーディング目的で保有するたな卸資産については、市場価格に基づく価額をもって貸借対照 表価額とし、帳簿価額との差額(評価差額)については、当期の損益として処理します。 また、トレーディング目的で保有するたな卸資産として分類するための留意点とともに、保有目 的の変更の処理については、「金融商品に係る会計基準」における売買目的の有価証券の取扱いに 準ずるものとされています。 トレーディング目的で保有するたな卸資産に係る損益の表示は、原則として関連損益を純額で売 上高の計上区分に計上します。ただし、当該金額の重要性が乏しい場合には、営業外収益または営 業外費用として計上することができます。 4.たな卸資産に係る損益計算書の表示 たな卸資産の収益性の低下による簿価切り下げ額は、売上原価として処理しますが、たな卸資産 の製造に関連し不可避的に発生すると認められるときには、製造原価として処理します。 また、収益性の低下に基づく簿価切り下げ額が臨時の事象に起因し、かつ、多額であるときには 特別損失に計上します。この場合の具体的な例としては、重要な事業部門の廃止または災害損失の 発生等があげられますが、これは限定的なケースです。 たな卸資産会計基準が適用になる前の実務では、費用計上した品質低下や陳腐化による評価損と 低価法評価損との間にはその発生原因やたな卸資産の状態、販売価額の回復の可能性について相違 があると考えられていましたが、たな卸資産会計基準ではたな卸資産の収益性の低下という考えに 基づき、会計処理上の取扱いに相違を設ける意義は乏しく、また、特に経済的な劣化による収益性 低下と市場の需給変化等に基づく正味売却価額の下落による収益性の低下は、実務上では明確に区 分できないため、これらの取扱いについて相違がないものと考え、当該収益性の低下は原則として 売上原価として処理することにされました。 −2−

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なお、たな卸資産評価額の計上区分は次のとおりです。 たな卸資産評価損の計上区分の比較 区 分 品質低下評価損 陳腐化評価損 低価法評価損 発 生 要 因 物理的な劣化 経済的な劣化 市場の需給変化 たな卸資産の状態 欠 陥 正 常 売価の回復可能性 な し あ り 従 来 の 会 計 処 理 製造費用・売上原価・販売費または営業外費用 売上原価または 営業外費用 たな卸資産会計基準 原則として、すべて収益性の低下とし、売上原価として処理する。 5.平成20年改正たな卸資産会計基準 (1)たな卸資産会計基準 従前のたな卸資産会計基準では、先入先出法等のたな卸資産の評価方法については取扱って いませんでしたが、改正たな卸資産会計基準においては、たな卸資産の評価方法に関して新規 条項が追加され、改正たな卸資産会計基ではたな卸資産の評価方法としては、個別法・先入先 出法・平均原価法および売価還元法の定めはありますが、後入先出法の定めはありません。 また、最終仕入原価法は、期末たな卸資産の大部分が最終の仕入価格で取得されているとき のように、期間損益の計算上から弊害がないと考えられる場合のほか、期末たな卸資産に重要 性が乏しい場合にのみ容認されています。 (2)後入先出法がたな卸資産の評価方法から削除された経緯 ①たな卸資産の価格水準の変動時には、後入先出法を用いる方が他の評価方法に比べ、たな 卸資産の購入から販売までの保有期間における市況の変動により生じる保有損益を期間損益 から排除することができます。 このため、後入先出法は、当期の収益に対し、これと同一の価額水準の費用を計上すべき という考え方と整合している評価方法と考えられ、実際にわが国において後入先出法は、主 として原材料の仕入価格が市況の変動による影響を受け、この仕入価格の変動と製品の販売 価格の関連性が強い業種に多く選択される傾向がありました。 ②後入先出法では、たな卸資産が過去に購入した時からの価格変動を反映しない金額で貸借 対照表に繰り越され続けるため、その貸借対照表価額が最近の再調達原価の水準と大幅に乖 離する可能性があります。 この場合では、たな卸資産の貸借対照表価額は、たな卸資産の受払いが生じているにも関 わらず、市況の変動を長期間にわたって反映しない可能性があります。 ③たな卸資産の期末の数量が期首の数量を下回る場合には、期間損益計算から排除されてき た保有損益が当期の損益に計上される結果、期間損益が変動することになり、企業がたな卸 資産の購入量を調整することにより、当該保有損益を意図的に当期の損益に計上することが できてしまうという指摘があります。 −3−

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第3章 たな卸資産の評価基準および評価方法

1.通常の販売目的で保有するたな卸資産の評価基準 (1)たな卸資産の評価基準 通常の販売目的で保有するたな卸資産は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末にお ける正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対 照表価額とします。 なお、この場合には、取得原価と当該正味売却価額との差額は当期の費用として処理します。 (2)正味売却価額とは 期末に保有するたな卸資産の収益性が低下した場合は、正味売却価額を貸借対照表価額とし、 正味売却価額は以下のように算定されます。 ①正味売却価額 = 売価 −(見積追加製造原価 + 見積販売直接経費) 正味売却価額とは、売却市場における売価から見積追加製造原価および見積販売直接経費 を控除したものをいい、見積販売直接経費は一般的には販売手数料および物流関連費など販 売のつど把握できる費用が考えられ、企業の実態に合わせて判断することになります。 ②内部統制の観点からは、期末時点におけるたな卸資産の評価については、決算財務報告プ ロセスのひとつとして、たな卸資産の正味売却価額が低下している事実を把握し、集計する 仕組みを構築することが課題となります。 (3)収益性が低下していないことが明らかである場合 ①実務上の事務負担を配慮して、収益性が低下していないことが明らかであり、かつ、事務 負担をかけて収益性の低下の判断を行うまでもない場合には、正味売却価額を見積る必要は ないとされています。ただし、これに該当する場合は、過去からの販売が好調で将来も安定 的に十分な粗利率が高いたな卸資産の品目に限定されるものと考えられます。 ②内部統制の手続として、収益性の低下していることが明らかか否かについては、たな卸資 産を管理する製造部門または営業部門の損益の状況とともに、品目別の損益管理を行ってい る場合における当該損益の発生状況等により判断することになることから、自社で収益性が 低下している事実として、どのような資料が利用できるかを把握しておく必要があります。 (4)正味売却価額が観察できない場合 売却市場において市場価格が観察できない場合には、合理的に算定された価額を売価としま すが、これには期末前後での販売実績に基づく価額を用いる場合とともに、契約により取り決 められた一定の売価を用いる場合を含みます。 (5)正味売却価額に代わる方法 営業循環過程から外れた滞留または処分見込等のたな卸資産について、合理的に算定された 価額によることが困難な場合には、正味売却価額まで切り下げる方法に代えて、当該状況に応 じて次頁のような方法により、収益性の低下の事実を適切に反映するように処理します。 −4−

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①帳簿価額を処分見込価額(ゼロまたは備忘価額を含む。)まで切り下げる方法 ②一定の回転期間を超える場合、規則的に帳簿価額を切り下げる方法 従前の実務でも、たな卸資産に関する社内規程を設け、一定の回転期間を超えるたな卸資産 については、規則的な簿価切り下げを行い、収益性の低下を財務諸表に反映させてきたものと 思われます。 また、社内規程がたな卸会計基準に照らして収益性の低下を反映しているといえない場合に は、現状の社内規程を見直す必要があります。 なお、内部統制の手続としては、当該取扱いがたな卸資産会計基準にしたがったものである か、当該取扱いを変更する必要があるか否かの確認を行うべきであると考えます。 (6)再調達原価の適用 製造業における原材料等に見られるように、再調達原価の方が把握しやすく、正味売却価額 が当該再調達原価に歩調を合わせて動くと想定される場合には、継続して適用することを条件 として、再調達原価や最終仕入原価を正味売却価額の代理数値とすることができます。 なお、再調達原価が正味売却価額として把握しやすい場際には、実務に配慮して最終仕入原 価を用いることも認められています。 (7)小売業において売価還元法を採用している場合の留意点 スーパーおよび百貨店等の小売業界では、たな卸資産の評価については、売価還元法を採用 している場合が多いと考えられます。 たな卸資産会計基準においては、売価還元法を採用している場合においても、正味売却価額 が帳簿価額よりも下落しているときには、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とするこ とが必要であるとされます。 他方で、値下げ額および値下げ取消し額を除外した売価還元低価法を採用している企業では、 売価還元低価法の算式により算出した帳簿価額をもって、収益性の低下に基づく簿価引き下げ 額を反映したものとみなすことができるとしています。 売価還元低価法の算式により算出した帳簿価額は、収益性の低下に基づく簿価引き下げと必 ずしも整合するものではありませんが、たな卸資産会計基準においては実務上の取扱いを考慮 し、値下げ額等が売価合計額に適切に反映されている場合には、収益性の低下に基づく簿価引 き下げ額を反映したものとみなすことができるとされています。 2.収益性低下の判断および簿価切り下げの単位 (1)個別品目で行う方法 たな卸資産会計基準では、収益性の低下の有無に係る判断および簿価引き下げは、原則とし て個別品目ごとに行います。 これは、たな卸資産に関する投資の成果は、通常では個別品目ごとに確定するため、収益性 の低下を判断し、簿価切り下げを行う単位も個別品目単位であることが原則と考えられます。 ただし、企業の状況によっては、収益性の低下の有無に係る判断および簿価の切り下げについ て、グルーピングした単位で行うことが認められており、複数のたな卸資産をひとつのくくり とした単位で行う方が投資の成果を適切に示すことができると判断されるときには、グルーピ ングを行った単位で収益性の低下を認識することができます。 −5−

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(2)複数のたな卸資産をひとつのくくりとした単位で行う方法 収益性の低下を認識するたな卸資産の単位は、個々の企業の状況によって十分な検討が必要 です。 たな卸資産会計基準では、以下に示すようなものは複数のたな卸資産をひとつのくくりとし た単位で行う方が、投資の成果を適切に示すことができると判断されるため、これらをひとつ のくくりとして取扱うことが適切とされています。 ①補完的な関係にある複数商品の売買を行っている企業の場合は、いずれか一方の売買だけ では正常な水準を超えるような収益は見込めないが、双方の売買で正常な水準を超える収益 が見込める。 ②同じ製品に使われる材料、仕掛品および製品を1グループとして取扱う企業の場合は、実 務上では粗利を管理している単位等をひとつのくくりとして扱う方法はどうかという指摘も あります。 しかしながら、結果として正味売却価額が低下している事実を見失うようなことがあって は、財務諸表の信頼性が損なわれることから、グルーピングを検討する際には個別品目単位 で行った場合と比較して会計処理が相違することになるかどうか、投資の成果を適切に示す ことができるか否かを十分に検討する必要があります。 3.洗替え法と切放し法の選択適用 たな卸資産会計基準においては、継続適用を原則としてたな卸資産の種類ごとに簿価の切り下げ の要因ごと(物理的な劣化・経済的な劣化・市場の需給変化に起因する売価の低下)に前期の簿価 切り下げ額の戻し入れを行う方法(洗替え法)と行わない方法(切放し法)が選択適用できます。 内部統制の観点からは、たな卸資産の一部を切放し法または一部を洗替え法とする場合、新しい たな卸資産が発生するつど当該たな卸資産について、切放し法を適用するのか、または洗替え法を 適用するのかを決定し、製品入庫の手続等の業務フロー(内部統制の整備)を整備することも必要 であると思われます。 −6−

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第4章 たな卸資産の四半期決算の会計処理

1.四半期決算におけるたな卸資産の収益性の低下による簿価引き下げの方法 (1)簿価引下げの原則的な方法 四半期決算においても、原則としてたな卸資産会計基準が適用されます。 すなわち、通常の販売目的で保有するたな卸資産は、取得価額をもって貸借対照表価額とし、 期末における正味売却価額が取得価額より下落している場合には、当該正味売却価額をもって 貸借対照表価額とするとされています。 (2)簡便的な会計処理の採用の検討 四半期決算の開示の迅速性の観点から、簡便的な会計処理が認められています。 すなわち、収益性の低下が明らかなたな卸資産のみ正味売却価額等を見積り、簿価の引き下 げを行うことができます。 収益性が低下することが明らかであるかどうかは、たな卸資産を管理する製造部門または営 業部門の損益の状況のほか、品目別の損益管理を行っている場合における当該損失の発生状況 等により判断することになります。 簡便的な会計処理を採用する場合は、「収益性の低下していることが明らかなたな卸資産」を 特定する社内の仕組みが整備されているかが実務上の留意事項となります。 また、営業循環過程から外れた滞留または処分見込み等のたな卸資産であって、前年度末に おいて帳簿価額を処分見込価額まで切り下げている場合には、当該四半期会計期間において前 事業年度から著しい状況の変化がない限り、前年度末における貸借対照表価額を引き続き計上 することができます。 2.たな卸資産の簿価引き下げに係る洗替え法または切放し法の採用 年度決算において、たな卸資産の簿価切り下げに当たっては、洗替え法または切放し法のいずれ かを選択適用することができます。 四半期会計基準では、原則として年度決算で選択する方法と同様の方法を採用することになりま す。ただし、年度末においてたな卸資産の簿価引き下げ額の戻し入れに関して洗替え法を適用して いる場合には、四半期会計期末においても洗替え法によりますが、年度末において切放し法を適用 している場合には、継続適用を条件として洗替え法と切放し法のいずれかを選択適用をすることが できるとされています。 なお、たな卸資産の簿価引き下げに係る洗替え法と切放し法の採用区分は次のとおりです。 年度決算において採用する方法 四半期決算で採用できる方法 洗替え法 洗替え法 切放し法 洗替え法または切放し法(継続適用が条件) 3.たな卸資産の実地棚卸の省略 四半期決算においては、前年度に係る実地たな卸高を基礎として合理的な方法により算定するこ とができるとされ、実地たな卸の省略が認められています。ただし、当該簡便法の採用は、たな卸 資産の受払記録が整備されていることが前提とされています。 −7−

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受払記録が整備されてなく、実地たな卸によらなければたな卸資産残高が確定しないような場合 は、前事業年度の実地たな卸高を基礎とし、合理的な方法で四半期末のたな卸資産残高を算定する ことは困難と考えられます。 4.原価差異の処理方法および原価差異の配賦方法についての検討 (1)原価差異の処理方法として四半期特有の処理である繰延処理 四半期財務諸表の作成に当たっては、原価差異の処理に関する四半期特有の処理として原価 差異を繰延べる方法を採用することができます。 製造業で標準原価計算を採用している場合では、四半期決算においても、原則的には通常の 決算と同様の方法により原価差異を配賦することになりますが、原価差異が操業等の季節的な 変動に起因して発生したものであり、かつ、原価計算期間末までにほぼ解消が見込まれるとき には、継続適用を条件として原価差異を繰延処理することが許容されています。 (2)原価差異の配賦方法に関する簡便的な方法の検討 原価差額の繰延処理を採用しない場合には、四半期会計期間末までに発生した原価差異につ いて、「原価計算基準」にしたがって処理することになります。 また、四半期決算の開示の迅速性の観点から、原価差異の配賦方法については、年度決算と 比較して簡便的な方法によることが許容されています。ただし、簡便的に年度末における原価 差異の配賦方法よりも大きな区分による配賦計算を行う場合であっては、財務諸表利用者の判 断を誤らせないように、例えば事業の種類別セグメントを超えない程度の区分による配賦計算 を行うことが考えられます。 なお、たな卸資産の評価方法として後入先出法を採用している場合においては、四半期特有 の会計処理として認められていた繰延処理の特例は、平成20年の改正によって廃止されました。 ■□■〶451-0043■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 愛知県名古屋市西区新道一丁目11番11号 エスポアビル702号 株式会社 脇 坂 公 開 企 画 代表取締役社長 脇 坂 博 明 TEL(052)446-7610(代表) FAX(052)446-7620 E-mail : wkk-h.wakisaka@globe.ocn.ne.jp ■株式上場■企業広報■内部統制■商事法務■M&A■CSR■ISO■ −8−

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