• 検索結果がありません。

第3章_視点別の取組 文京区 文京区教育振興基本計画(平成26年度~30年度)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "第3章_視点別の取組 文京区 文京区教育振興基本計画(平成26年度~30年度)"

Copied!
24
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

4 視点別の取組

 少子高齢化、情報化、グローバル化の急速な進展など、社会が急速に変化を遂げている中、 未来を担う子どもたちは、社会において自立して生きていく力を身に付ける必要があります。  現行の学習指導要領等は平成20年3月に告示され、子どもたちの「生きる力」をより 一層育むことを目指し、幼稚園では平成21年度、小学校では平成23年度、中学校では 平成24年度から全面実施されています。

 この学習指導要領等の理念である「生 きる力」とは、「知」(確かな学力)・「徳」(豊 かな人間性)・「体」(健康・体力)のバラ ンスのとれた力のことであり、右図のよ うにあらわされています。

視点1 学校教育における知・徳・体のバランスのとれた力の育成

生きる力

確かな学力

基礎・基本を確実に身に付け、 自ら課題を見付け、自ら学び、 自ら考え、主体的に判断し、行動し、

よりよく問題を解決する資質や能力

豊かな人間性

自ら律しつつ、 他人とともに協調し、 他人を思いやる心や 感動する心など

健康・体力

たくましく 生きるための 健康や体力

 学校教育においては、「生きる力」を育むため、学習指導要領等に示される教科等の指導 のほか、キャリア教育、伝統や文化に関する教育、国際理解教育、防災教育など、社会の 進展に伴い顕在化する様々な教育課題への対応が求められています。

学校に求められる様々な教育課題(イメージ)

人権教育 心の教育

キャリア教育 環境教育

体力向上・健康教育

シチズンシップ教育 伝統文化理解教育

特別支援教育

国際理解教育 福祉教育

安全教育

食育 法教育

情報教育

いのちの教育 消費者教育

防災教育

(2)

 【現状・課題】

 学習指導要領等では、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これらを活用 して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力その他の能力を育むとともに、 主体的に学習に取り組む態度を養うことを目指しています。各学校・園では、この趣旨や 各種法令等を踏まえ教育課程を編成し、教育活動を実施しています。

 区立小・中学校の児童・生徒を対象とした学力・学習状況の各種調査結果によると、学 力に関しては、各教科とも概ね国及び都の平均を上回る傾向にあります。教科別では、国語、 算数・数学において良い結果が得られています。理科・社会については、全国平均を下回 る年も見られましたが、各校における授業改善等の取組の結果、改善が見られ、現在では、 国語、算数・数学には及ばないものの、全国平均を上回るようになっています。また、授 業以外の勉強時間は長い傾向にあり、読書が好きである割合も、国及び都の平均と比較す ると高い傾向にあります。

(1)確かな学力の定着

※グラフの数値は、全国の平均正答率とのポイント差を示しています。各科目とも、0 が全国平均を表しています。  (グラフは左側■が東京都、右側■が文京区)

<例 .20 年度小6国語Aでは、全国 65.4%、東京都 68.5%、文京区 76.3%のため、文京区 10.9 としています。> ※ 23 年度は調査を実施していません。

小 6 国語 A(知識)(全国調査)

小 6 国語 B(活用)(全国調査)

中 3 数学 A(知識)(全国調査)

小 6 算数 A(知識)(全国調査)

小 6 算数 B(活用)(全国調査)

中 3 数学 B(活用)(全国調査)

中 3 国語 A(知識)(全国調査)

中 3 国語 B(活用)(全国調査)

15 15 15 15 15 15 15 15 10 10 10 10 10 10 10 10 5 5 5 5 5 5 5 5 0 0 0 0 0 0 0 0 -5 -5 -5 -5 -5 -5 -5 -5 20 年度

20 年度

20 年度

20 年度

20 年度

20 年度

20 年度

20 年度 22 年度

22 年度

22 年度

22 年度

22 年度

22 年度

22 年度

22 年度 21 年度

21 年度

21 年度

21 年度

21 年度

21 年度

21 年度

21 年度 24 年度

24 年度

24 年度

24 年度

24 年度

24 年度

24 年度

24 年度 25 年度

25 年度

25 年度

25 年度

25 年度

25 年度

25 年度

(3)

※グラフの数値は、全国の平均正答率 とのポイント差を示しています。各科 目とも、0 が全国平均を表しています。 < 例 .21 年 度 小 4 社 会 で は、 全 国 77.8%、文京区 82.3%のため、文京 区 4.5 としています。>

※ 20 年度は小 4 社会の調査を実施し ていないため、空欄になっています。 ※ 22 年度は小 4・中 1 の調査を実施 していません。

読書は好きですか(平成 25 年度全国調査、小 6)

平日の勉強時間(平成 25 年度全国調査、小 6)

<「全国学力・学習状況調査」及び「文京区学習内容定着状況調査」より> 小 4 社会(文京区調査)

中 1 社会(文京区調査)

小 4 理科(文京区調査)

中 1 理科(文京区調査)

15 15 15 15 10 10 10 10 5 5 5 5 0 0 0 0 -5 -5 -5 -5 20 年度

20 年度

20 年度

20 年度 23 年度

23 年度

23 年度

23 年度 21 年度

21 年度

21 年度

21 年度 24 年度

24 年度

24 年度

24 年度 25 年度

25 年度

25 年度

25 年度 % % % % 0% 0% 50% 50% 100% 100%

全国 全国

東京都 東京都

文京区 文京区

4.5 4.6 7.5 6.1 -4.9 0.4 -3.2 -1.4 2.1 -2.5 3.0 2.3 2.2 5.3 5.1 4.2 6.1 2.4 2.4

1. 当てはまる 2 時間以上、3 時間 より少ない 3 時間以上

2. どちらかといえば、 当てはまる 1 時間以上、2 時間 より少ない

3. どちらかといえば、 当てはまらない 30 分以上、1 時間 より少ない

4. 当てはまらない 30 分より少ない

(4)

 正答率の度数分布を見ると、国と比較して全体的に高い学力が認められる一方で、基礎 的な学力の定着が図られていないと思われる正答率50%未満の児童・生徒もいます。今後、 これらの児童・生徒に対する指導をさらに充実させていく必要があります。

 また、平成24年8月から9月にかけて、保護者、地域団体を対象に実施した、「平成 24年度…文京区…教育に関する区民意識調査(以下、「区民意識調査」という。)」では、「知」 「徳」「体」の3分野のうち、「知」の分野に関する関心の高さがうかがえる結果となりました。

 これまで、学力向上への高いニーズに応えるため様々な施策を展開し、成果を上げてき ましたが、今後は、すべての児童・生徒の基礎的・基本的な知識及び技能の確実な習得が 図られるよう、適切な指導を行っていく必要があります。また、引き続き思考力・判断力・ 表現力などを身に付けることや、子どもたちが好奇心をもって、自ら楽しみながら学ぶ姿 勢を身に付けることが求められています。さらに、今後の更なる科学技術の発展や高度情 報化、グローバル化の進展した社会で活用できる力の基礎を身に付けることも大切です。 『2020年東京オリンピック・パラリンピック』の開催決定を契機として、外国語による

コミュニケーション能力の重要性は一層高まるものと考えられます。 ※グラフは正答率及びその分布を表しています。

(例:小 4 算数の場合、文京区では 80%以上 90%未満が最も多く、34.1%)

「1. 思考力・判断力・表現力の育成」、 「6. 外国語教育」など、「知」の分野

に関する項目が上位に

文京区 文京区

全国 全国

<問4/学習指導要領等の改善・充実ポイントのうち、重要と思うこと>

1.思考力・判断力・表現力の育成 3.道徳教育

6.外国語教育 7.体験活動の充実 4.健やかな体の育成 5.理数の力の育成 9.家族と家庭に関する教育 12.情報教育

2.伝統や文化に関する教育 8.環境教育

10.食育 13.特別支援教育 11.消費者教育   無回答

<「平成 24 年度…文京区…教育に関する区民意識調査」より> <正答率の度数分布/「平成 25…年度文京区学習内容定着状況調査」より>

小 4 算数 中1数学

40 40

30 30

20 20

10

0 20 40 60 80 100(%) 10

0 0

0% 10% 0%

未満

10% 未満 20%

未満

20% 未満 30%

未満

30% 未満 40%

未満

40% 未満 50%

未満

50% 未満 60%

未満

60% 未満 70%

未満

70% 未満 80%

未満

80% 未満 90%

未満

90% 未満 100%

未満

100% 未満

100% 正答率(%) 100% 正答率(%)

% %

83.0 55.9

(5)

【今後の方向性】

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】

○知識や技能の習得にとどまらず、思考力・判断力・表現力などを身に付ける教育活動 を進めます。

○子どもたちが学ぶ楽しさを感じ、知的好奇心をもって自ら進んで学習に取り組むとと もに、将来にわたって学び続ける姿勢を身に付ける教育活動を進めます。

○すべての児童・生徒が基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得できるよう、一人 ひとりの個性、習熟や理解の程度を考慮したきめ細かい教育活動を進めます。

○今後の高度情報化社会や科学技術の進展に貢献できるよう、ICT教育や理数教育の 充実を図ります。

○将来の国際社会で活躍していけるよう、英語教育や国際理解教育の充実を図ります。

1 学習状況の調査・分析・評価・改善

3 ICT教育、理数系の力の育成 2 指導方法の工夫

○基礎的・基本的な知識・技能を習得させ、思考力・判断力・表現力を育成するために、 児童・生徒の学力や学習状況に関する調査等を実施し、その結果を分析・作成した「授 業改善推進プラン」をもとに、各学年・教科の具体的な指導方法の工夫・改善を図っ ていきます。

○児童・生徒の学力・学習状況等を踏まえ、非常勤講師や区内大学・NPO等の人材を 効果的に活用しながら、授業改善の方策についてさらに検討し、学校全体としての授 業改善の取組を一層推進していきます。

○児童・生徒が情報化社会に主体的に参加できるよう、情報通信機器等を活用し、情報 の収集・活用能力、情報の科学的理解、情報社会に参画する態度を養います。

○指導員による科学教室等や出前授業等を行い、子どもたちが観察や実験などの体験型 の学習をすることで、科学・自然に対する興味・関心や創造力を高め、将来への夢や希望、 生きる力を育みます。

(6)

4 英語教育

5 学習支援

○中学校においては、英語検定等の積極的な活用や外国人英語指導員(ALT)による 実践的な指導により、生徒の英語に対する学習意欲を高め、英語を通じたコミュニケー ション能力の向上につなげていきます。

○外国人英語指導員(ALT)を活用した指導等により、外国の言語や文化について体 験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するなど、 国際理解教育を充実します。

(再掲あり→P30)

○小学校の英語活動に関する国の動向を踏まえ、中学校における英語教育に円滑につな げられるよう、小学校におけるカリキュラムを検討していきます。 

○区内大学との連携をさらに進め、大学生等のボランティアを区立小・中学校に学習指 導補助員として派遣し、学級担任・教科担任の指導補助を行います。

○区立図書館から学校図書館に司書を派遣し、児童・生徒の調べ学習やレファレンス等 の支援を行うほか、蔵書や図書データの整理、利用しやすい図書配列等により、児童・ 生徒が多くの時間を過ごす学校における読書環境の整備を進め、多様な本に出会う機 会を増やすことで、児童・生徒が自ら学び、考え、表現する力を育みます。

○理科教育の充実を図るため、区立中学校全校の1・2年生の理科授業に非常勤講師を 配置して、少人数指導やティーム・ティーチングを実施します。

(7)

 【現状・課題】

 将来、子どもたちがより良い社会生活を送っていくためには、他者とのコミュニケーショ ンが極めて重要です。そのためには、自らを律する心や相手を尊重し、思いやる心、人間 関係を築く力を養っていく必要があります。また、素晴らしいものや美しいものに感動す ることで、豊かな情操や創造力を育んでいくことも大切です。

 学校教育では、教育活動全体を通じて、子どもたちの発達段階に応じた道徳教育を行っ ています。学習指導要領等では、教育課程編成の一般方針として、子どもたちがかかわる人々 との人間関係を深めるとともに、生き方についての考えを深め、家庭や地域社会との連携 を図りながら、豊かな体験を通じて道徳性が養われるよう配慮しなければならないとして います。また、基本的な生活習慣や社会生活上のきまりを身に付け、善悪を判断し、人と してしてはならないことをしないようにすることなどに配慮しなければならないとも示さ れています。

 区立小・中学校の児童・生徒を対象に実施した「全国学力・学習状況調査」によると、 “人の役に立つ人間になりたいと思う”、“いじめはどんな理由があってもいけないことだと

思う”などの設問に対して、“当てはまる”または“どちらかといえば、当てはまる”と回 答する児童・生徒の割合が国及び都の平均と比較して低いことが課題となっていましたが、 平成25年度調査では、小学校で国及び都の平均を上回る結果となりました。中学校では 国及び都の平均と比較すると依然として低いものの、改善傾向にあります。

 一方、“自分にはよいところがある”、“将来の夢や目標を持っている”などの設問に対し て、“当てはまる”または“どちらかといえば、当てはまる”と回答する児童・生徒の割合 は国及び都の平均と比較して高くなっています。

(2)豊かな人間性の育成

人の役に立つ人間になりたいと思いますか(平成 25 年度全国調査)

いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか(平成 25 年度全国調査) 全国

全国 全国

全国

小学校

小学校 中学校

中学校 東京都

東京都 東京都

東京都 文京区

文京区 文京区

文京区

1.当てはまる 2.どちらかといえば、  当てはまる 3.どちらかといえば、  当てはまらない 4.当てはまらない その他 1.当てはまる 2.どちらかといえば、  当てはまる 3.どちらかといえば、  当てはまらない 4.当てはまらない その他

0%

0%

50%

50%

100%

100%

無回答

(8)

 また、“自分が住んでいる地域が好きである”という設問に対して、“当てはまる”また は“どちらかといえば、当てはまる”と回答する児童・生徒の割合は、国の平均と比較し て高い結果になっており、地域に対する愛着は高いと考えられます。しかし、“地域の行事 に参加している”という設問に対して、肯定的な回答(“よく参加する”または“たまに参 加する”)をする児童・生徒の割合は、国の平均と比較して小学校ではやや高く、中学校で はほぼ同じ結果になっています。地域に対する愛着の高さが、必ずしも地域活動への参加 という行動に結びついていない現状がうかがえます。

自分には、よいところがあると思いますか(平成 25 年度全国調査)

自分が住んでいる地域が好きである(平成 25 年度文京区調査)

地域の行事に参加している(平成 25 年度文京区調査)

将来の夢や目標を持っていますか(平成 25 年度全国調査) 全国

全国

全国 全国

全国 全国 全国

全国

小学校

小学校

小学校 中学校

中学校 小学校 中学校

中学校 東京都

文京区

文京区 文京区

文京区 東京都 東京都

東京都 文京区

文京区 文京区

文京区

とても当てはまる

肯定的 まあ当てはまる

否定的 あまり 当てはまらない まったく 当てはまらない その他 0%

0%

0% 0%

50%

50%

50% 50%

100%

100%

100% 100%

<「平成 25 年度文京区学習内容定着状況調査」より> <「平成 25 年度全国学力・学習状況調査」より>

1.当てはまる 2.どちらかといえば、  当てはまる 3.どちらかといえば、  当てはまらない 4.当てはまらない

その他 無回答

(9)

 一方、区民意識調査によると、道徳教育全般に対する関心が高いことがうかがえます。

 区では、これまでも道徳教育に関する様々な取組を実施してきましたが、全国学力・学 習状況調査等では、設問によっては、児童・生徒の意識が国及び都の平均と比較して低い 結果も表れており、区民意識調査では、保護者の道徳教育への関心も高くなっています。  また、最近では、深刻ないじめや、教員による児童・生徒への体罰など、全国的に問題 となる教育課題が顕在化している状況にあります。本区においても、これらの実態を的確 に捉え、個別のケースに応じた適切な対応を行うとともに、こうした事態を未然に防ぐた めに、道徳の授業だけではなく日頃の教育活動全般を通して、子どもたちが将来の生き方 やあり方を自ら考えていくための資質、能力を育んでいくための取組が必要です。

 さらに、「2020年東京オリンピック・パラリンピック」開催決定を契機として、いか なる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解し合う 「オリンピック精神」や目標に向かって努力を重ねるアスリートの力強い生き方などを子ど

もたちの豊かな人間性の育成に活かしていくことも大切です。

「6. あいさつなどの礼儀や ルールを身に付け、善悪を 判断し、節度を持って振る 舞うこと」が第 1 位に

 <問3.(2)子どもたちの将来のため、必要となる力や心構えのうち、

特に重要と思うことを3つ選び、番号をご記入ください。>

6.あいさつなどの礼儀やルールを身に付け、  善悪を判断し、節度を持って振る舞うこと

7.自分と他人の違いを認め、いじめを許さない強い心を持ち、  周りの人に対する思いやりや感謝の気持ちを忘れないこと

3.自ら考えたことを実現するため、一歩踏み出して行動・  発信し、やり抜こうとすること

12.危険を予測し、自分の身を守ったり、正しい情報を  周囲に知らせたりできること

8.様々な体験を通じ、自然や命の尊さを深く理解して、  大切にすること

11.集団での遊びやスポーツなどで体を動かすことを楽しみ、  しなやかな身体をつくること

2.夢を持って生き生きとし、自ら好奇心を持って、  楽しみながら学ぶこと

4.年齢の違う人、障害のある人、高齢者、外国人など多くの人々との  交流を通じて、豊かな人間関係を築き、社会性を身に付けること

1.基礎・基本の学力や真剣に学習に取組む態度を  身に付けること

5.自分を大切にして自己肯定感を高め、感性を大事にし、  個性を伸ばしていくこと

9.早寝・早起き・朝ご飯など規則正しい生活のリズムを  身に付け、健康でたくましい心と体を養うこと

10.食への関心を持ち、バランスを考えて何でも  おいしく食べること

  無回答

<「平成 24 年度…文京区…教育に関する区民意識調査」より>

0 20 40 60(%)

44.4

33.8

30.8

25.6

20.2

4.4

39.6

32.1

27.5

22.3

14.8

2.7

(10)

【今後の方向性】

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】

○自他の違いを認め、自分も他者も大切にできる心の教育、いのちの教育を進めます。

○様々な教育活動を通じ、年齢の違う人、障害のある人、高齢者、外国人など、異なる 文化や意識、価値観等をもった人々との交流を進め、共に生きるための豊かな心と行 動力を育みます。

○家庭や地域社会との連携を図りながら、社会の一員としての規範意識、倫理観やすべ ての人への思いやりの心、生命を尊重し自然を慈しむ心をもつ子どもを育てる取組を 進めます。

○地域への理解と愛着をさらに深め、地域活動への積極的な参加を促すなど、子どもた ちが将来、地域の一員としての役割と責任を自覚し、行動できるようになるための取 組を進めます。

  

○我が国や郷土の伝統や文化を尊重するための教育を充実させ、体験活動を重視した学 習活動を展開します。

1 心の教育の推進

2 いのちの教育の推進

○各学校において「道徳授業地区公開講座」を実施し、道徳の授業を保護者、地域住民 に公開するとともに「心の教育」のあり方について、学校・家庭・地域社会が意見交 換等を行い、連携・協力して児童・生徒の道徳教育を推進します。

○様々な自然体験や飼育栽培活動、社会体験を通して、生命を尊重する心、美しいもの に感動する心、他者を思いやる心、規範意識など、「生きる力」の礎としての「心の教 育」を充実させます。

○感情表現やコミュニケーション能力を育てる「いのちと心のアサーションプログラム」 を各学校で実施し、自他の生命を尊重する心を育み、自尊感情や自己肯定感を高める ことで、生命にかかわる重大な事故やいじめ・不登校の未然防止を図っていきます。   

○年2回、5月及び12月を「いのちと人権を考える月間」とし、各学校・園において 「いのちの教育」、「人権教育」への取組状況の総点検を行い、現状や課題、取組の効果

(11)

3 視野を広げ、感性を育てる豊かな体験

4 社会の一員としての意識向上と態度の育成

○自然・文化に親しむとともに、共同生活を通じ、人間関係力を高め、仲間との連帯感 を深めていく機会として、各学校において宿泊を伴う校外学習を実施します。

○小学校及び中学校の連合行事として、良質な演劇や音楽の鑑賞教室、技能の向上を目 的とした音楽会・展覧会を実施するほか、日頃の成果を発揮する場として、吹奏楽コ ンクール等の都行事への参加や連合演奏会を実施します。

○文京区の伝統や文化、ゆかりの人物等にふれ、学習する機会の充実を図るため、小学 校社会科副読本「わたしたちの文京」、中学校社会科副読本「わがまち文京」を発展さ せた新たな副読本を作成する等、「文京ふるさと学習プロジェクト」を推進し、ふるさ と文京を愛する心、感動する心の醸成に取り組みます。

○豊かな人間関係を築く力や活動への自主的、実践的な態度を育成するため、クラブ活 動や部活動を充実させます。中学校の部活動支援のために、外部指導員を活用した取 組を進めます。

 

○地域人材や資源等を活用した日本の伝統・文化を理解するための教育を各学校・園で 実施します。

○インターネットを利用したハイテク犯罪や、インターネット上の誹謗中傷やいじめ等 の様々なトラブルから子どもたちが自らの身を守り、また、周りの人々を助けること ができるよう、家庭や警察等の関係機関との連携を図りながら、情報モラルに関する 教育を進めます。

(再掲あり→ P 57)

○「文京区地域学習人材バンク」等を活用し、幼児・児童・生徒が地域の方々から伝統・ 文化を学ぶ機会の充実を図ります。

○東日本大震災の経験から、児童・生徒に命の大切さを改めて考え、災害から自分の命 を守る力を身に付けさせるとともに、協力して身近な人を助け、さらに地域に貢献で きる人間を育てるため、学校防災宿泊体験を実施します。

(再掲あり→ P 36、57)

○外国人英語指導員(ALT)を活用した指導等により、外国の言語や文化について体 験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するなど、 国際理解教育を充実します。

(12)

○社会に奉仕する精神を育むため、各学校において地域の清掃活動、保育園や幼稚園、 高齢者在宅サービスセンターとの交流等のボランティア活動など、地域の実態を踏ま えた活動を行います。

  

(13)

 【現状・課題】

 健やかな身体と充実した体力は、人が豊かな生活を送るための活力の源であり、「生きる 力」の重要な要素でもあります。

 学習指導要領等では、学校における体育・健康に関する指導は、子どもたちの発達の段 階を考慮して、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとされています。特に、学校 における体力の向上に関する指導並びに食育の推進、安全に関する指導及び心身の健康の 保持増進に関する指導については、体育科、保健体育科の時間はもとより、家庭科、特別 活動などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとなっています。  また、それらの指導を通して、家庭や地域社会との連携を図りながら、日常生活におい て適切な体育・健康に関する活動の実践を促し、生涯を通じて健康・安全で活力ある生活 を送るための基礎が培われるよう配慮しなければならないとされています。

 都が実施する、「平成25年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査(東 京都統一体力テスト)」によると、区立小・中学校の児童・生徒の体力・運動能力について は、小学生の50m 走で国及び都の平均を上回っているほかは、概ね全国平均を下回る結 果となっています。

(3)健康・体力の増進

※グラフにおける文京区及び東京都の数値は、全国平均の数値との差を表しています。各種目とも、0が全国平均を 表しています。(グラフは左側■が文京区、右側■が東京都)なお、50m 走・持久走については、数値(秒)が少な いほど結果が良いことになるため、軸を反転させています。

(小学校)

50m 走(男子) ソフトボール投げ(男子)

ソフトボール投げ(女子) 握力(男子)

握力(女子) 50m 走(女子)

-0.4 0.5 0.5 0.5 0.5 -0.4 -0.3 0 0 -0.3 -0.2 -1 -1 -0.5 -0.5 0 0 -0.2 -0.1 -2 -2 -1.5 -1.5 -0.5 -0.5 -0.1 0 -2.5 -2.5 -3 -3 -1 -1 0 0.1 -3.5 -3.5 -1.5 -1.5 0.1

1 年 1 年

1 年 1 年

1 年 1 年

2 年 2 年

2 年 2 年

2 年 2 年

3 年 3 年

3 年 3 年

3 年 3 年

4 年 4 年

4 年 4 年

4 年 4 年

5 年 5 年

5 年 5 年

5 年 5 年

6 年 6 年

6 年 6 年

6 年 6 年

秒 m

m kg

kg 秒

-0.14 -0.77 -0.17 -0.38 -0.19 -0.19 -0.05 -0.34 -0.10 -0.29 -0.13 -0.35 -0.02 -0.38 -0.10 -0.23 -0.08 -0.20 0.03 -0.10 -0.03 -0.19 0 -0.26

-0.13 -0.15 -0.13

-0.04

-0.11 -0.12

-0.04 -0.07

-0.03

0 0 0

-0.79 -0.22 -0.38 -0.46 -0.77 -1.07 -0.40

(14)

 また、最近では、全国的に学校給食における食物アレルギー事故の発生が増加していま す。本区においても、学校給食で食物アレルギー対応をしている児童・生徒数は増加傾向 にあります。食物アレルギーについては、症状のある子どもや家族、教職員だけではなく、 保護者の同意がある場合には、個人情報の取扱には十分配慮しつつ、身近にいる児童・生 徒一人ひとりが情報を共有し、「誰がどのような食物アレルギーをもっているのか」等、そ の特徴や重要性・緊急性等を理解しておくことが重要です。

(中学校)

<「平成 25 年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査」より>

<「学校給食における食物アレルギー対応調査」より>

50m 走(男子) 握力(男子) ハンドボール投げ(男子)

握力(女子) ハンドボール投げ(女子) 50m 走(女子)

-0.1 0.5 0.5

0.5 0.5 -0.1 0 0 0 0 0 -0.5 -0.5 -0.5 -0.5 0

0.1 -1 -1

-1 -1 -1.5 -1.5 -1.5 -1.5 0.1 0.2 -2 -2 -2 -2 0.2

0.3 -2.5 -2.5

-2.5 0.3

1 年 1 年 1 年

1 年 1 年

1 年

2 年 2 年 2 年

2 年 2 年

2 年

3 年 3 年 3 年

3 年 3 年

3 年

秒 kg m

kg m

持久走(男子) 持久走(女子)

-5 -5 0 0 5 5 15 15 10 10 20 20 25 25 30 30 35 35

1 年 2 年 3 年 1 年 2 年 3 年

秒 秒

学校給食で食物アレルギー対応をしている児童数 学校給食で食物アレルギー対応をしている生徒数

200 200 114 20 130 21 118 20 143 35 170 37 184 43 179 37 173 40 180 180 160 160 140 140 120 120 100 100 80 80 60 60 40 40 20 20 0 0

18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度

人 人

(15)

 また、区民意識調査では、健康・体力の増進について、区民の関心が、知・徳・体の3 項目の中では、相対的に低い結果となりました。

 幼児期から学齢期にかけては、生涯にわたる健康・体力や生活習慣の基礎を確立する大 切な時期であり、学校 ・ 家庭 ・ 地域が連携して適切な支援を行っていく必要があります。  また、東日本大震災や通学途中の事件・事故などの教訓から、自然災害や交通事故のほか、 不審者など、子どもたちの身の回りに潜む様々な危険から自ら身を守る、危機回避能力を 育てることも重要です。

 さらに、『2020年東京オリンピック・パラリンピック』の開催決定を契機に、体力向上・ 生涯スポーツへの関心を高めるとともに、子どもたちが何らかの形でオリンピック・パラ リンピックに貢献する態度を育成していくことも大切です。

「体」に関する 選択肢 (9,10,11) は 下位に

 <問3.(2)子どもたちの将来のため、必要となる力や心構えのうち、

特に重要と思うことを3つ選び、番号をご記入ください。>

6.あいさつなどの礼儀やルールを身に付け、  善悪を判断し、節度を持って振る舞うこと

7.自分と他人の違いを認め、いじめを許さない強い心を持ち、  周りの人に対する思いやりや感謝の気持ちを忘れないこと

3.自ら考えたことを実現するため、一歩踏み出して行動・  発信し、やり抜こうとすること

12.危険を予測し、自分の身を守ったり、正しい情報を  周囲に知らせたりできること

8.様々な体験を通じ、自然や命の尊さを深く理解して、  大切にすること

11.集団での遊びやスポーツなどで体を動かすことを楽しみ、  しなやかな身体をつくること

2.夢を持って生き生きとし、自ら好奇心を持って、  楽しみながら学ぶこと

4.年齢の違う人、障害のある人、高齢者、外国人など多くの人々との  交流を通じて、豊かな人間関係を築き、社会性を身に付けること

1.基礎・基本の学力や真剣に学習に取組む態度を  身に付けること

5.自分を大切にして自己肯定感を高め、感性を大事にし、  個性を伸ばしていくこと

9.早寝・早起き・朝ご飯など規則正しい生活のリズムを  身に付け、健康でたくましい心と体を養うこと

10.食への関心を持ち、バランスを考えて何でも  おいしく食べること

  無回答

<「平成 24 年度…文京区…教育に関する区民意識調査」より>

0 20 40 60

44.4

33.8

30.8

25.6

20.2

4.4

39.6

32.1

27.5

22.3

14.8

2.7

0.5

(16)

【今後の方向性】

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】

○子どもたちの基礎的な体力・運動能力を向上させるとともに、健康づくり・体力づく りの基本的習慣を身に付ける取組を推進します。

○体に関する正しい知識を身に付けさせるとともに、食育を推進し、体力向上、健康維 持への意識の啓発に努めます。

○子どもたちの基本的生活習慣を確立し、健康でたくましい心と体を養うため、家庭へ の意識啓発活動を行い、学校・園と家庭が連携した取組を進めます。

○放課後や休日等の時間帯を活用し、家庭や地域との連携による体力向上を図るための 取組を進めます。

○子どもたちの身の回りに潜む危険や、交通事故・自然災害などから自らの身を守る力 を育てます。

1 体力向上

○各学校・園に「体力向上アドバイザー」を派遣し、東京都統一体力テストの結果等を もとに、幼児・児童の体力・運動能力や生活・運動習慣等の現状と課題を分析把握し、 各学校・園の「体力向上プラン」の作成・実践にあたり助言指導を行います。

○放課後、休日、夏休み期間等に保護者や地域ボランティアの協力による遊びや運動を 通じた幼児・児童・生徒の体力づくりの取組を支援していきます。

○連合体育行事や運動部活動を充実させるとともに、中学生「東京駅伝」大会への参加 等を通じて、児童・生徒の体力の向上や健康の増進、望ましい人間関係の育成等、心 と体の健康づくりを目指します。

  

○地域のスポーツ団体等の活動への参加を働きかけ、幼児・児童・生徒が積極的にスポー ツや運動を行うための機会を増やし、体力・運動能力の向上を図ります。

○学校・園、家庭、大学等が連携し、アレルギー疾患に関する取組や、健康教室・健康指導・ 健康相談等の実施など、幼児・児童・生徒の健康増進や疾病予防に取り組む仕組みを 構築していきます。

○幼児・児童・生徒の健康増進のため、学校・園と家庭が連携して、家庭における生活 習慣の改善を進めます。

(17)

3 自らの身を守る取組

○義務教育の9年間は、身体の様々な機能が発達する時期であることを理解させるとと もに、心身の成熟に伴う変化に対応した健全で適切な行動をとることができるための 教育を進めます。

○東日本大震災の経験から、児童・生徒に命の大切さを改めて考え、災害から自分の命 を守る力を身に付けさせるとともに、協力して身近な人を助け、さらに地域に貢献で きる人間を育てるため、学校防災宿泊体験を実施します。      

【再掲】→ P 30

  

○安全への意識を高め、危険回避能力を育てるため、各学校において「セーフティ教室」 や「薬物乱用防止教室」等の安全指導を実施します。

(再掲あり→P57)

(18)

 【現状・課題】

 幼児期は、心情や意欲、態度、基本的な生活習慣など、生涯にわたる人格形成の基礎を 培う重要な時期です。幼児期の教育については、保育所保育指針及び幼稚園教育要領にお いて、「小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに配慮し、幼児期にふさわし い生活を通して、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培うようにすること」が 示されています。

 さらに、子どもの発達や学びの連続性を図る観点から、保育所保育指針及び幼稚園教育 要領、小・中学校学習指導要領において、保育園・幼稚園・小学校・中学校の連携のあり 方についても示されています。子どもの発達や学びの連続性を保障するためには、保育園・ 幼稚園・小学校・中学校における教育が円滑に接続し、体系的な教育が組織的に行われる ことが極めて重要となります。

 

 円滑な接続が行われないと、小学校に就学した第1学年児童が、集団行動がとれない、 授業中に座っていられない、話を聞かないなどの状態が数か月継続する「小1問題」や中 学校に進学した第1学年生徒が、新しい環境での生活や学習にうまく適応できずに、不登 校等の問題を抱えてしまう「中1ギャップ」などを引き起こす原因ともなります。

 東京都教育委員会の調査によると、都内の小学校のうち約2割の学校で「小1問題」と みられる不適応状況が発生しているほか、中学校1年生のうち約7割が入学前に何らかの 不安を抱えています。

(4)保・幼・小・中の連携・接続

<小1問題・中1ギャップの予防・解決のための「教員加配に関わる効果検証」に関する調査 最終報告書(平成 25 年 3 月/東京都教育委員会)> 第一学年児童の不適応状況が発生した学校の割合

入学前の不安の有無

平成 24 年度

平成 24 年度 平成 23 年度

平成 23 年度 平成 22 年度

平成 22 年度

経験した (発生した)

不安が「たくさんあった」 「少しあった」

経験していない (発生していない)

不安が「まったくなかった」 「あまりなかった」

無回答

無回答 0% 10%

10%

20%

20%

30%

30%

40%

40% 0%

50% 60%

60%

70%

70%

80%

80%

90%

90% 50%

100%

100%

69.1% 30.7% 0.2%

68.5% 31.4% 0.1%

66.7% 32.8% 0.5%

21.1% 78.2% 0.7%

19.0% 80.2% 0.8%

(19)

15……アプローチカリキュラム・スタートカリキュラム…小 1 問題、中 1 ギャップの要因となる就学前の保 ・ 幼の教育から小学

校へ、小学校から中学校へと就学、進学するにあたっての段差を解消するためのカリキュラムのこと。保 ・ 幼の修了時期 や小学校卒業時期に行う、次の学校生活を見通したカリキュラムを「アプローチカリキュラム」、小学校入学時や中学校 入学時の一定期間に行う特別なカリキュラムを「スタートカリキュラム」という。

 これまで、区では、保育園・幼稚園・小学校・中学校の円滑な接続と「小1問題」「中 1ギャップ」の未然防止を図るため、各学校・園が連携した教育課程の改善、相互交流の 充実に努めてきました。また、幼児・児童・生徒の交流活動、教員相互の情報交換、合同 研修等を実施したほか、「文京区保幼小中連携推進プロジェクトチーム」を組織し、就学前 教育から小学校教育へ、小学校教育から中学校教育へ、子どもたちがスムーズに移行期に おける生活へ適応していけるよう、連携プログラムを作成しました。

 また、連携カリキュラムの検討にあたり、都のモデル事業「就学前教育プログラム及び 就学前教育カリキュラム実証研究事業」を実施しました。現在、「アプローチカリキュラム・ スタートカリキュラム15の手引き」に基づき、各学校・園での連携の取組を進めています。

(20)

【今後の方向性】

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】

○円滑な接続の実現に向け、幼児・児童・生徒、教職員、保護者等の相互交流の機会の 充実を図ります。

○地域で子どもを育てる意識を醸成するため、地域とのかかわりをもつ取組を進めます。

○子どもたちの「育ち」と「学び」の適時性と連続性を重視した教育活動が展開される よう、教育課程の改善・充実を図ります。

○教員・保育士間の相互理解を深め、連携教育に携わるすべての人が目的意識を共有し、 共通の方法で指導にあたることができるよう、研修・連携体制を整備します。

1 円滑な接続・連携・交流

2 保 ・ 幼 ・ 小 ・ 中の連携カリキュラムの検討

○地域ごとに9つの連携推進ブロックを編成し、ブロック内の保育園、幼稚園、小学校、 中学校間で、入学後の適応状況や生活指導等に関する情報交換や交流・連携に関する 協議を行っていきます。また、国立・私立の学校・園との交流・連携も視野に働きか けていきます。

○連携推進ブロック内の各学校・園での行事交流や学習交流、児童会活動や生徒会活動 における交流も進めていきます。また、合同避難訓練や職場体験、ボランティア活動 等を実施し、幼児・児童・生徒同士のかかわりを深めていきます。

○教員・保育士が、異校種の保育や授業を参観し、研究協議や研修会を合同で実施する ことなどにより、相互理解を図ります。

  

○保育園・幼稚園と小学校の保護者、また、小学校と中学校の保護者が交流する機会を 入学前に設定し、経験者からアドバイスを受ける機会を設けるなど、保護者の支援と 不安解消に取り組みます。

(再掲あり→P50)

(21)

3 地域と連携した取組

○地域と連携し、地域団体が主催する行事等を、幼児 ・ 児童 ・ 生徒と地域の方々との交 流の機会として活用し、「あいさつ」や「声かけ」を積極的に行うなど、学校・家庭・ 地域が一体となった取組を進めます。

(22)

 【現状・課題】

 特別支援教育は、障害のある子どもたちの自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援 するという視点に立ち、子どもたち一人ひとりの教育的ニーズを把握し、その持てる力を 高めるため、適切な指導及び必要な支援を行うものです。

 さらに、特別支援教育は、障害のある子どもたちへの教育にとどまらず、障害の有無や その他の個々の違いを認識しつつ、様々な人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の 基礎となるものでもあります。

 これまで区では、個別指導計画等により個に応じた指導に努めるとともに、モデル事業 として通常の学級に在籍する特別な支援が必要な児童・生徒への個別指導や特別支援学級 の交流及び共同学習を行ってきました。モデル事業の検証結果を踏まえ、「特別支援教室」 構想のモデル事業としての特別支援教育専門指導員の派遣や固定制特別支援学級設置校へ の交流及び共同学習支援員の配置事業を行ってきました。さらに、「文京区交流及び共同学 習ガイドライン」の策定に向け、平成24年度に素案を作成し、試行・検証を進め、平成 26年2月にガイドラインを策定しました。

 近年、特別支援学級に在籍している児童・生徒が増加する傾向にあり、通級による指導 を受けている児童・生徒も増加しています。加えて、通常の学級に在籍する発達障害の幼児・ 児童・生徒への支援の必要性も高まってきています。そうしたニーズに対応するためには、 専門的な教育を受けた教員の確保、組織的・継続的な支援体制の整備、障害に対する幼児・ 児童・生徒の理解促進、区民への啓発などをさらに進めていく必要があります。

 また、国では、中央教育審議会の「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」において、 平成24年7月に「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム16構築のための

特別支援教育の推進(報告)」を取りまとめました。その後、平成26年1月には、我が国 においても国連の「障害者の権利に関する条約」を批准し、既に効力が生じています。今後、 特別支援教育の推進にあたっては、「障害者の権利に関する条約」や関係法令に則るととも に、国や都の動向も注視しながら、取組を進めていく必要があります。

(5)特別支援教育

16……「インクルーシブ教育システム」とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大 限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に 学ぶ仕組みのこと。

<文京区立小・中学校の特別支援学級の児童・生徒数> 特別支援学級(固定・通級)児童数

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度

人 特別支援学級(固定・通級)生徒数

100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 人

固定生徒数 通級生徒数

72

82

92

81

87

65

70 70

80 83

固定児童数 通級児童数

36

33

37 38 38

13 14

21

(23)

【今後の方向性】

【個別の施策/平成26年度から30年度までに取り組むこと】

○通常の学級に在籍する発達障害等の幼児・児童・生徒を含め、特別な支援が必要な幼 児・児童・生徒一人ひとりの能力と可能性を最大限に伸ばし、自立して社会参加する ことができるよう、児童・生徒の理解を十分に踏まえ、個別の教育的ニーズに応じた 支援体制の充実を図ります。

○共生社会の実現を目指し、インクルーシブ教育システム構築も見据え、学習指導要領 等や改正障害者基本法の趣旨に基づく「交流及び共同学習」を推進し、障害のある子 どもと障害のない子どもが可能な限り共に教育を受けられる環境を整えていきます。

○障害のない子どもたちが、障害を正しく理解・認識し、人間の多様性を理解した上で 共に成長し、共に社会生活を送っていけるよう、交流や体験的活動等を通した障害理 解教育を進めます。

○特別な支援が必要な幼児・児童・生徒の指導に携わる教員の専門性向上等のための支 援の充実を図ります。

○区との連携を図りながら、共生社会や特別支援教育に対する区民の理解促進に努めま す。

1 個に応じた支援の充実

○特別支援学校のコーディネーターや心理職、専門療法士等の専門家による助言、保護 者の協力なども得て、各学校・園で個別指導計画を作成し、個に応じた指導の充実を 図ります。

  

○特別な支援が必要な幼児・児童・生徒に対し、学校生活だけでなく、家庭生活や地域 での生活も含め、教育・医療・福祉などの関係機関が連携し個別の教育支援計画を作 成し、長期的な視点に立って一貫した支援を行います。

(24)

3 「交流及び共同学習」の推進

4 相談・支援体制の充実

○東京都特別支援教育第三次推進計画に基づく今後の都の特別支援教室のあり方及び平 成23年度~25年度に実施した区特別支援教室モデル事業の検証結果を踏まえ、通 常の学級に在籍する特別な支援が必要な児童・生徒に対し、より効果的な指導支援を 行います。

○通常の学級に在籍する発達障害等の児童・生徒に対する支援を大学生等のボランティ アやNPO法人との協働等により行います。

○「交流及び共同学習支援員」を特別支援学級設置校に配置するとともに、国のモデル 事業を活用して「合理的配慮協力員17」の派遣を行うなど、全校体制でガイドライン

に基づく交流及び共同学習の更なる推進を図り、共生社会の形成に向けたインクルー シブ教育システム構築を見据えた取組を進めます。

○特別な支援が必要な幼児・児童・生徒の就学・就園にあたっては、保護者の意見を可 能な限り尊重しながら、個々のニーズや専門的見地からの意見等を踏まえて適切な助 言や情報の提供を行うため、医師、学識経験者、国・都の特別支援学校校長、区の特 別支援学級設置校校長、区立幼稚園園長、区立保育園園長などで構成される「文京区 特別支援教育相談委員会」(旧「文京区就学(園)相談委員会」)において、学校・園 における教育的配慮、有効な指導方法等適切な支援の検討及びその連携に関すること などを行います。

○学年進行や児童・生徒の学習状況の変化により必要な場合は、随時「文京区特別支援 教育相談委員会」(旧「文京区就学(園)相談委員会」)で検討し、適切な教育環境で 学習できるように支援していきます。

○区の子育て関連組織及び国・都の特別支援学校校長、医師、学識経験者などで構成さ れる「特別支援教育連携協議会」において、支援の継続や関係機関相互の情報共有など、 区の課題を可視化しながら、支援体制の構築を図っていきます。また、平成27年度 の新教育センター開設に合わせ、区の「乳幼児発達支援連絡会」と整理統合し、「特別 支援連携協議会」として連携・協力体制を強化し、乳幼児期からの切れ目のない支援 を行います。

○幼児・児童・生徒の障害や人間の多様性についての理解促進を図るとともに、区と連 携して保護者をはじめとした区民への障害理解についての啓発活動を進めます。

17……「合理的配慮」とは、「障害のある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保する

ために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子どもに対し、その状況に応 じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」である(中央教育審議会報告より)。「合理的配慮協力員」とは、 「交流及び共同学習」における「合理的配慮」の提供にあたり、学校内外・関係機関との連絡調整、特別支援教育コーディ

ネーターのアドバイザー、保護者の教育相談対応の支援などを行うもの。

参照

関連したドキュメント

たとえば、市町村の計画冊子に載せられているアンケート内容をみると、 「朝食を摂っています か 」 「睡眠時間は十分とっていますか」

年度まで,第 2 期は, 「日本語教育の振興」の枠組みから外れ, 「相互理解を進 める国際交流」に位置付けられた 2001 年度から 2003

う東京電力自らPDCAを回して業 務を継続的に改善することは望まし

三宅島では 1995 年から 2000 年まで、東京都三宅村の施設で当会が業務を受託している

北区で「子育てメッセ」を企画運営することが初めてで、誰も「完成

 このような状況において,当年度の連結収支につきましては,年ぶ

しかしながら、世の中には相当情報がはんらんしておりまして、中には怪しいような情 報もあります。先ほど芳住先生からお話があったのは

○国は、平成28年度から政府全体で進めている働き方改革の動きと相まって、教員の