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大阪 平 11 不 3 平 命令書 申立人 大阪電気通信産業合同労働組合 被申立人 被申立人 被申立人 財団法人電気通信共済会財団法人電気通信共済会西地域事業本部財団法人電気通信共済会電報事業本部西日本統括事業部 主文 1 被申立人財団法人電気通信共済会は 申立人に対し 下記の文書を

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大阪、平11不3、平12.5.26 命 令 書 申立人 大阪電気通信 産業合同 労働組合 被申立人 財団法人電気 通信共済 会 被申立人 財団法人電気 通信共済 会西地域事業 本部 被申立人 財団法人電気 通信共済 会電報事業本 部 西日本統括事 業部 主 文 1 被申立人 財団法人 電気通信共済 会は、申 立人 に対し、 下記の文 書を速やか に手交しなけ ればなら ない。 記 年 月 日 大阪電気 通信産業 合同労働組合 執行委 員長 A 殿 財団法人電気 通信共済 会 会長 B 当財団法人が 行った 下 記の行為は、 大阪地方 労働委員会に おいて、 労働 組合法第7条 第2号及 び第3号に該 当する不 当労働行為で あると認 められ ました。今後 このよう な行為を繰り 返さない ようにいたし ます。 記 ⑴ パートタ イム職員 の平成 10年度の時間給 引上げに関す る団体交 渉 にお いて、多数派 の組合に 対しては、平 成 10年3月25日に回答 し団 体 交 渉を 経て同年4月24日に妥 結したのに対 し、貴組 合に対しては 、合理的 理由 もなく同年5月 12日に至るまで、一 切の提 案 及び交渉 をしなかったこと。 ⑵ パートタ イム職員 の平成 10年度の時間給 引上げ、同年 夏季及び 年 末一 時金に関する 団体交渉 において、貴 組合から 要求のあった 経営状況 を説 明する資料を 合理的理 由もなく一切 提示しな かったこと。 2 申立人の 、被申立 人財団法人電 気通信共 済会西地域事 業本部及 び被申立人 財団法人電気 通信共済 会電報事業本 部西日本 統括事業部に 対する申 立ては、 いずれも却下 する。 理 由 第1 認定し た事実 1 当事者等 (l) 被申立人 財団法人 電気通信共済 会(以下 「財団法人 」 という) は、肩 書地に本部を 置き、東 西二つの地域 事業本部 の下、東地域 に 19、西地域

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に30の支部を 設置し、 西日本電信電 話株式会 社、東日 本電 信電話株 式会 社等(以下、 これらを 併せて「NT T」とい う)の職員や 家族、退 職者 等の福利厚生 事業等の 公益事業及び 一般事業 として電報の 受付、公 衆電 話の保守点検 などの受 託業務を行う 財団法人 である。その 職員は、 財団 法人のいわゆ るプロパ ー職員(以下 「プロパ ー職員」とい う)の他 、N TTからの出 向職員 、パートタイム の職員( 以下「パ ート職員 」と いう) 及び準職員( 嘱託職員 )で構成され 、関西地 区内の職員数 は本件審 問終 結時、パ ート職員 及び 準職員( 嘱託職員 )を 除いて約 540名、パー ト職員 の数は約770名である 。 ⑵ 被申立人 財団 法人 電気通信共済 会西地域 事業本部(以 下「西地 域 事業 本部」という )は、財 団法人の下部 組織であ り、被申立人 財団法人 電気 通信共済会電 報事業本 部西日本統括 事業部( 以下「電報 事業部」と いう) は、財団法人 の事業部 である。 なお、西 地域事業 本部は、財団 法人の機 構改革に伴い 、平成 11年1月 18日に、本件 申立て時 の財団法人近 畿支部( 以下「近畿支 部」とい う) を包括して設 置された 財団法人西地 域事業移 行本部が、さ らに同年 4月 1日に現在の 名称に変 更されたもの である。 また、電 報事業部 は、平成 11年1月18日に近畿支部電 報サー ビ ス事業 部(以下「電 報サービ ス事業部」と いう)が 現在の 組織に 変更され 、平 成12年4月1 日に名称 変更されたも のである 。 ⑶ 申立人大 阪電気通 信産業合同労 働組合( 以下「組合 」 という) は、昭 和45年に結成 され、西 日本電信電話 株式会社 に勤務する労 働者と財 団法 人に勤務する パート職 員等で構成さ れ、その 組合員数は、 本件審問 終結 時44名である 。なお、 財団法人 に勤 務する者 のうち、組合 員である こと を公表してい る者は5 名で、いずれ もパート 職員である。 ⑷ 財団法人 には 、組 合のほかにN TTから の出向職員が 所属する N TT 労働組合、プ ロパー職 員と関連会社 職員が所 属する全国電 気通信共 済会 労働組合、パ ート職員 によって組織 された地 区毎のパート ユニオン が存 在し、組合以 外はいず れも情報産業 労働組合 連合会に加盟 している 。関 西地区におい て財団法 人のパート職 員が所属 する労働組合 は組合及 びパ ートユニオン で、審問 終結時におけ る組合員 数は、組合が 5名(公 表者 のみ)、 パートユ ニオ ンが約 430名である。 情報産業 労働組合 連合会に加盟 している 各労働組合は 、同連合 会近畿 地方協議会を 窓口とし て財団法人と 「団体 交 渉方式に関す る協定」 を締 結し、団体交 渉 (以下 「団交」と い う)を行 っている(以 下、情報 産業 労働組合連合 会を「多 数派組合 」という )。なお、財 団法人の 職員 で多数 派組合が組織 している 人数は、約 940名であ る。 2 財団法人 と組合の 団交の経過 ⑴ 平成9年10月1日 、NTTの電 報受付業 務の委託先は 、NTT の 関連 企業・団体の 再編に伴 い、これまで の株式会 社NTT エミ シォン( 以下

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「エミシォン 」 という )から財団法 人に変更 された。これ に伴い、 従来 エミシォンに 雇用され ていたパート 職員は、 同日より財団 法人 に お いて 引き続き雇 用されることになった。パー ト職 員の雇用期間 は1年 以 内で、 必要に応じて 更新され ている。 ⑵ 平成9年10月 13日、組合は財団 法人 に対 し、組合員が 財団法人 の職員 中に存在する ことを表 明するととも に、団交 申入れ書を送 付するこ とを 電話で伝えた 。 ⑶ 平成9年10月 16日、組合は近畿 支部長あ てに分会の結 成通知 書 、組合 の要求書及び 団交申入 れ書を郵送し た。 ⑷ 平成9年10月 30日、組合と近畿 支部との 間において、 団交の事 前折衝 が行われ、組 合は上記 ⑶記載の要求 書に対す る回答を求め るととも にパ ー ト 職 員 に 関 す る 就 業 規 則 等 の 提 示 を 求 め た 。 こ れ に 対 し 財 団 法 人 は 、 「労使の信頼 関係の構 築が必要で、 団交ルー ルを策定する 必要もあ る。 就業規則は早 急に渡す 」旨回答した 。この他 、年末一時金 、慶弔制 度等 が議題となっ た。 なお、以 下、組合 と近畿支部と の 交渉は 、パート職員 の労働条 件等に ついての交渉 である。 ⑸ 平成9年11月 25日、組合は近畿 支部に対 し、年末一時 金及び年 末年始 出勤に関する 要求書を 提出した。 ⑹ 平成9年12月2日 、財団法人は 、上記 ⑶ 及び⑸記載の 組合要求 に対し 就業規則等を 提示する と書面で回答 した。 ⑺ 平成9年12月4日 、団交協定の 締結等を 議題とした第 1回団交 が開か れた。財団法 人は、上 記 ⑷記載の事 前折衝後 、エミシォン と組合が 締結 していた団交 協定と同 じ内容の団交 協定案を 組合に提示し 、締結を 求め ていたが、同 協定案の 財団法人側の 当事者名 が近畿支部長 ではなく 、電 報サービス事 業部長で あったことか ら、組合 は団交の席上 、同部長 では 権限がないと して、同 協定案の締結 を拒否し た。 また、こ の団交に おいて、財団 法人から 組合に対し就 業規則が 提示さ れたが、組合 は就業規 則の組合に対 する提示 が 遅く、かつ 細則が示 され ていないとし て抗議し た。 ⑻ 平成9年12月 18日、組合は近畿 支部に対 し、年末年始 特別手当 に関す る要求書を提 出し た。 ⑼ 平成10年1月 22日、慶弔規定等 を議題と して団交の事 前折衡が 行われ た。 ⑽ 平成10年2月5日 、慶弔規定の 細則の早 急な整備や特 別手当の 計算方 法等を議題と して、第 2回団交が開 かれた。 ⑾ 平成10年2月 19日、組合は労働 条件に関 する要求書を 提出した 。要求 内容は、年度末手 当を 一律 10万円支給するこ と、賃金 を引き上 げる こと、 定期昇給制度 を設ける こと、財団法 人の経営 内容を明らか にするこ とな どであった。

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⑿ 平成10年2月 27日、財団法 人は組合 に対 し、上記 ⑾記載の 要求 のうち、 年度末手当 については「エミシォンからの移行 時の経緯 に基 づき支払 う」、 その他の項目 について は「応じられ ない」又 は「財団法人 の責任に おい て対応する」 旨書面で 回答した。 ⒀ 平成10年3月 11日、第3回団交 が開かれ 、その席上組 合は、賃 上げが 実施できない 根拠とな る近畿支部の 経営状況 についての資 料の提示 を要 求したが、財 団法人は 「それについ ては回答 できない。賃 上げはで きな い」と答えた 。 なお、財 団法人は 、組合が求め る上記の 資料を本件申 立て時ま で組合 に提示してい ない。 ⒁ 平成10年4月8日 、就業規則、 精勤手当 等を議題とし て第4回 団交が 開かれたが、 賃上げに 関しては継続 論議とし 次回団交で交 渉するこ とと なった。 ⒂ 平成10年4月 24日、財団法人 は多数派 組 合と、近畿 支部の大 阪 、奈良、 住吉の各営業 所に勤務 するパート職 員の時間 給を 10円引き上げるこ とで 妥結した。な お、多数 派組合は、同 年3月 10日にパート職 員の賃上 げ要 求書を提出し 、3月 25日に財団法人 より回答 を受け、3月 31日及び 4月 7日に団交を 開催して いた。 ⒃ 平成10年5月 12日、第5回団交 が開かれ た。この席上 財団法人 は、大 阪、奈良、住 吉の各営 業所に勤務す るパート 職員の時間給 を 10円引き上 げる予定であ る 旨述べ た。これに対 し組合は 、この提案が 多数派組 合と 同年4月24日に既に妥 結していた内 容と同一 であったこと から、両 労働 組合への提案 に時間差 があるのは労 働組合間 差別であると 抗議した 。財 団法人はこれ に対し、 多数派組合と の妥結後 最初に開催さ れる団交 の場 で提案すれば よいと考 えていた旨回 答し、引 上げ額の根拠 等の詳細 に関 しては、次の 団交にお いて説明する と約束し た。 ⒄ 平成10年5月 15日、組合は近畿 支部に対 し夏季一時金 及び電報 受付端 末のキー操作 ができな い者(以下「 無技者」 という)の訓 練に関し て要 求書を提出し 、回答期 限を 5月25日とした。 ⒅ 平成10年5月 18日、第6回団交 が開かれ た。財団法人 からパー ト職員 の賃上げに関 する回答 があり、「全国 電気通信 共済会労働組 合本部か ら財 団 法 人 に 対 し て 情 報 産 業 労 働 組 合 連 合 会 産 業 別 最 低 賃 金 と し て 、 810円 (時間給)の 要求があ り、これを べ ースにそ の時点での基 本賃金 800円に ついて、10円アップを 検討すること とした。 必要原資は、 レクリエ ーシ ョン施策に要 する経費 の振替に加え 、経営努 力により確保 する」旨 の文 書が組合に渡 された。 しかし組 合は、こ の内容は多数 派組合と の妥結内容を 一方的に 押し付 けるものであ り、また、収支決算等の 根拠資料 の提示もない と反発し た。 なお、第6回 団交にお いては、賃上 げ問題の ほか、雇用保 険や春闘 関係 について交渉 がなされ た。

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⒆ 平成10年5月 25日 、財団法 人は組 合に対 し上記 ⒄ 記載の要求 について、 一時金に関し ては エミ シォンの支払 基準に準 じて支払うこ とを検討 中で あり、無技者 訓練に関 しては現時点 で実施す る考えはない 旨回答し た。 ⒇ 平成10年5月 26日、組合は近畿 支部に時 間給引上げの 根拠と財 務資料 等の提出を求 める要求 書を提出した 。 (21) 平成10年6月 12日、第7回団 交が開か れ た 。夏季手 当に関し て 財団法 人は、「賃金に 関する 事項に ついて 、団 交の 席で回答はす るが 、論 議した り資料を提示 する気は ない」と述べ た。 (22) 平成10年8月6日 、電報受 付端末の 新機 材導入等を議 題として 第8回 団 交 が開 か れ た 。 また 財 団 法 人 は 、 65歳 定年 制 の 導入 を 考 え て いる 旨 述 べた。 (23) 平成10年10月 20日、電報サー ビス事業 部 から組合に対 し、満 65歳以上 の パ ート 職 員 と は 新た な 雇 用契 約 を 締 結 しな い 旨 の提 案 ( 65歳 定年 制 ) が文書でなさ れた 。同 文書には 、提案の理 由 として、「 ⑴職 員の定 年が 60 歳 で ある 、 ⑵ 準 職 員は 65歳 まで で あ る 」 こと 及 び 多数 派 組 合 と 締結 し た 労働協約で、 雇用年齢 を 65歳までと している ことが挙げら れていた 。 同日、主 に 65歳定年制を議題と して第9 回団交が開か れた。組 合側は この内容は既 に財団法 人が多数派組 合と労働 協約を締結し ている内 容と 同じで、多数 派組合と の妥結内容を 一方的に 押し付けるも のだとし て反 発した。 ほかに新 機材導入 後の無技者の 取扱いに 関して交渉が もたれ、 組合は 無技者を対象 に研修を 行うよう要求 し、財団 法人は組合要 求を聞き おく とした。 (24) 平成10年11月6日 、組合は 、新機 材導入 後の無 技者の 取扱いに ついて の 要 求書 及 び 、 65歳定 年 制 は多 数 派 組 合 との 合 意 内容 を 押 し 付 ける も の であるから即 時撤回す るよう求める 申入書を 近畿支部に提 出した。 (25) 平 成 10年 11月 18日 、 財 団 法 人 は 組 合 に 対 し 上 記 (24)記 載 の 要 求 の う ち 、 65歳定年制の 提案につ いては撤回す る考えは ないと回答し た。 同日、組 合は 近畿 支部に年末一 時金と年 末年始の出勤 に関する 要求書 を提出し、回 答期限を 12月1日とし た。 (26) 平成10年12月1日 、財団法 人は組合に対 し上記 (25)記載の要 求について、 年 末 一時 金 や 年 末 年始 出 勤 に関 す る 組 合 の要 求 に は応 じ ら れ な いと 文 書 で回答した。 (27) 平成10年12月 11日、年未一 時金と 65歳定 年制を議題と して第 10回団交 が 開 かれ た 。 年 末 一時 金 に 関し て 組 合 は 経営 状 況 につ い て の 資 料を 示 す よ う 要求 し た が 、 財団 法 人 は「 業 績 が 悪 い。 資 料 につ い て は 今 まで の 話 の 中 で言 っ て い る ので 、 こ の場 で は 返 事 でき な い 」と 回 答 し 、 資料 は 提 示 し なか っ た 。 ま た、 65歳 定年 制 に 関 し て、 財 団 法 人 は 就 業 規 則に 明 示 する意思はな いと回答 した。 3 請求する 救済の内 容

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組合が請求 する救済 の 内容の要旨 は、次の とおりである 。 ⑴ 多数派組 合との差 別的取扱いの 禁止 ⑵ 誠実団交 応諾 ⑶ 謝罪文の 手交 第2 判 断 1 西地域事 業本部及 び電報事業部 の被申立 て人適格 不当労働 行為救済 命令の名あて 人とされ る使用者は、 法律上独 立した権 利義務の帰属 主体であ ることを要す ると解す べきであって 、西地域 事業本 部及び電報事 業部は財 団法人の組織 上の構成 部分にすぎず 、不当労 働行為 救済命令の名 あて人た る法律上独立 した権利 義務の帰属性 主体とは 認めら れない。した がって、 西地域事業本 部及び電 報事業部に対 する本件 申立て は、労働委員 会規則第 34条第1項第 6号によ り却下する。 2 団交につ いて ⑴ 当事者の 主張要旨 ア 組合は、 次のとお り主張する。 財団法人 は、組合 との間におい て一定の 回数の団交を 開催して きた が、組合と多 数派組合 との間で提案 時期、提 案内容、団交 開催時期 に おいて差別的 取扱いを 繰り返してき た。財団 法人は、交渉 力に差の あ る 労 働 組 合 間 に お い て 対 応 を 異 に す る の は 当 然 で あ る と 主 張 す る が 、 組合は交渉力 の違いを 問題としてい るのでは ない。同一時 期・同一 内 容の提案を行 い、いず れの労働組合 とも十分 協議を尽くす といった 複 数の労働組合 存在 下に おける平等取 扱いがな されなかった ことを問 題 にしているの である。 また、組 合と財団 法人との団交 では、資 料提示を行わ ず、多数 派組 合 と の 決 定 を 不 動 の も の と し た 上 で 、 組 合 の 要 求 を 聞 く こ と も な く 、 多数派組合と の妥結内 容の通知・押 付けに終 始する不誠実 な交渉が 繰 り返されてい る。 財団法人 は、少数 派組合たる申 立人組合 に対して「組 合否認 」、「組 合嫌悪」の態 度で臨ん できた。また 、不当労 働行為が成立 するため に は、組合の弱 体化を図 るという明白 な意図を 要するとの財 団法人の 主 張は、新たな 要件を設 けるもので、 その主張 自体失当 であ る。 以上のとおり財団 法人の行為 は、いずれも不当労働 行為に該 当 する。 イ 財団法人 は、次の とおり主張す る。 財団法人 は、組合 との団交に途 切れるこ となく対応し 、団交を 拒否 した事実はな い。組合 と多数派 組合 とは、組 合員数や従来 の労使交 渉 の経緯、交渉 力に差が あるため、合 理的な範 囲内で対応を 異にする こ とはむしろ当 然である 。財団法人が 異なる内 容の回答をし たという な らともかく、 いずれの 労働組合にも 同一内容 で対応してお り、何ら 差 別的な取扱い を行った ことはない。 また、財 団法人は 申立人組合と の団交の 中で、組合 の 意見にも 十分

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に耳を傾けて きた。団 交のはじめか ら結論を 押し付けよう としたこ と はない。組合 と多数派 組合との間の 交渉力の 差により、交 渉の結論 が 多数派組合の 意見に結 果的に集約さ れていっ ただけであり 、それを も って不 誠実 な団交 と言 われる筋合 いはない。財団法人 が組合 を差別 し、 その弱体化を 図るとい う明白な意図 を有しな い限り、合理 的な範囲 内 での取扱いの 違いまで 不当労働行為 と言われ るものではな い。 なお、組 合の求め るような抽象 的、一般 的な救済内容 では、た とえ それが認めら れたとし ても、その適 合性の判 断が当事者に 委ねられ る ことになり、 さらに紛 争を招来する ことは必 至であって、 申立て自 体 失当である。 以上のと おり、財 団法人 に不当 労働行為 はない。 ⑵ 不当労働 行為の成 否 ア 組合は、 提案時期 、 交渉開催時 期に関し て多数派組合 と比べ 組 合を 差別的に取り 扱ったこ と、団交にお いて、多 数派組合との 妥結内容 を 押し付け組合 の意見を 聞こうとしな かったこ と、団交の中 で提案や 回 答の根拠とし て組合の 要求する資料 の提示を 行わなかった こと、が 不 誠実団交及び 支配介入 の不当労働行 為に該当 すると主張す るので、 以 下検討する。 一般に企 業内に複 数の労働組合 が存在 す る状況にあっ ては、使 用者 はいずれの労 働組合と の関係におい ても誠実 に団交を行う ことが義 務 付けられてお り、各労 働組合に対し て中立的 態度を保持し なければ な らない。 他方、併 存する労 働組合間の組 織人員に 大きな開きが ある場合 、各 労働組合の使 用者に対 する交渉力、 すなわち その団結行動 の持つ影 響 力に大小の差 異が生ず るのは当然で あり、多 数派の労働組 合の交渉 力 の方が使用 者の意思 決 定に大きな影響力をもたらすことは否定 できず、 使用者が各労 働組合の 組織力、交渉 力に応じ た合理的、合 目的な対 応 をすることは 、中立義 務に反するも のでは な い。 イ そこでま ず、組合 と財団法人と の団交に おける提案時 期及び 交 渉開 催時期につい てみると 、前記第1.2(13) な い し ( 16) 及 び ⒅ 認 定 の と お り、①平成10年3月11日の第3回団 交におい て、財団法人 はパート 職 員の賃上げは できない と答えたこと 、 ②一方 、パート職員 の賃上げ に 係る多数派組 合と財団 法人との交渉 について は、平成 10年3月 10日に 要求書が提出 され、3 月 25日に回答 がなされ た後、3月 31日及び4 月 7日の団交を 経て、4 月 24日に大阪 、奈良、 住吉の各営業 所に勤務 す るパート職員 の時間給 を 10円引き上 げること で 妥結してい ること、 ③ 財団法人は、 4月8日 の第4回団交 において 、組合に対し パート職 員 の賃上げに関 する回答 ・説明を行わ なかった こと、④財団 法人は平 成 10年5月12日の第5回 団交において 、既に多 数派と妥結し た内容と 同 一の提案を組 合に行い 、組合が両労 働組合へ の提案に時間 差がある の

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は労働組合間 差別であ ると抗議した ところ、 財団法 人は多 数派組合 と の妥結後の団 交の場で 組合に提案す ればよい と考えていた と回答し た こと、⑤平成 10年5月 18日の第6回 団交にお いて、第5回 に引き続 き 上記④の内容 の提案と 、それに要す る原資の 説明を行っ た こと、が 認 められる。な お、前 記 第1.2(23)認定のとお りパート職員 の 65歳定年 制導入に関し て、財団 法人は提案理 由として 、財団法人の プロパー 職 員の定年が60歳、準職 員が 65歳であることと 併せて、多数 派組合と 既 に同内容の労 働協約を 締結している ことを文 書で示したこ とも認め ら れる。 これらの 事実から すると、パー ト職員の 時間給引上げ に関して 、財 団法人が初め て組合に 提案したのは 、平成 10年5月12日の第5回団 交 時であって、 3月 25日の多数派組合 への提案 から 48日後、また、4 月 24日 の 多 数 派 組 合 と の 妥 結 か ら 18日 後 で あ る 。 交 渉 時 期 に 関 し て は 、 上記認定のと おり多数 派組合と時間 給引上げ に関して 交渉 がもたれ た のは、平成10年3月31日と4月7日 の2回で あるのに対し て、組合 と の間では5月 12日と5 月 18日の2回 である。 賃上げは 労働条件 の基本的な事 項であり 、全く同一日 でなくと も合 理的な期間内 にすべての労働組合 に提案され、交渉されるべきである。 本件では、組 合は3月 11日の第3回 団交時よ り賃上げを要 求し、賃 上 げはできない 旨の回答 を受けていた 経過も併 せ考えると、 多数派組 合 との妥結後で ある5月 12日の第5回 団交に至 って初めて組 合に提案 さ れ た 賃 金 引 上 げ 提 案 及 び そ れ に 引 き 続 く 交 渉 は 遅 き に 失 す る 。 ま た 、 財 団 法 人 は 提 案 が 遅 延 し た 理 由 を 団 交 当 時 組 合 に 何 ら 示 し て お ら ず 、 本件審問にお いても遅 延理由につい て一切の 主張・立証を 行ってい な いことから、 その遅延 には合理的理 由がない と判断する。 これに多 数 派組合との間 では、提 案・ 交渉を重 ねつつ、 併行して行わ れた組合 と の団交の場で 、提案す る機会 があっ たにもか かわらず、こ れを行わ な かったという 事実を併 せ考えると、 このよう な対応の違い は、各組 合 の交渉力の差 によって 許容される合 理的な範 囲を超えたも のという べ きであって、 財団法人 の提案時期及 び 交渉開 催時期の遅延 は不誠実 な 団交態度の表 れという べきである。 なお、組 合は、提 案内容そのも のが多数 派組合と同じ であって 、こ れを押しつけ ようとし たものである とするが 、一般に使用 者が多数 派 組合と同一内 容で妥結 したいと考え ることを もって、直ち に不誠実 で あるというこ とはでき ない。しかし 本件にお いては、提案 時期等に 関 する多数派組 合との取 扱いにおいて 、合理的 な許容範囲を 超え、 不 誠 実団交である ことは前 述のとおりで ある。 ウ 次に、団 交におい て財団法人は 、組合が 求める資料を 提示して いな いとの組合主 張につい てみると、前記第 1 .2⒀、( 21) 及 び (27)認 定 の と おり、①第3 回団交に おいて、組合 は賃上げ ができない根 拠として 財

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団法人の経営 状況につ いての資料の 提示を 要 求したが、こ れらの資 料 は結局提出さ れなかっ たこと、②第 7回団交 時の夏季手当 てに関す る 資料について 、財団法 人は団交の席 で「回答 はするが、論 議したり 資 料を提示する 気はない 」と述べたこ と、③第 10回団交時に 年末一時 金 に関して、組 合が要求 した経営実態 について の資料が提示 されてな い こと、がそれ ぞれ認め られる。 一般的に 使用者に は、組合が求 める資料 をすべて提示 する義務 まで はないが、使 用者は労 働条件をめぐ る提案を 行うに際して 、組合に 対 して自らの提 案の合理 性を示す資料 提示を行 い、誠意を持 って組合 の 説得にあたる ことが必 要である。こ れを本件 についてみる と、平成 10 年度の時間給 引上げ、 同年夏季及び 年末一時 金に関して組 合の要求 す る経営状況の 資料提示 は一切行われ ておらず 、財団法人か ら資料を 提 示できない特 段の事情 の疎明もない 。本件に 関して財団法 人は、合 理 的理由もなく 資料を一 切提示してお らず、団 交における誠 実な対応 や 組合説得の努 力を 行わ なかったもの と言うべ きである。 エ 以上から すると、 財団法人がパ ート職員 の時間給引上 げに係る 提案 時期及び交渉 開催時期 に関して、多 数派組合 に比べて組合 に対して 合 理的理由のな い 遅延を もたらしたこ と、また 、団交におい て提案や 回 答の根拠とし ての資料 の提示を合理 的理由も なく一切行わ なかった こ とについては 、誠実団 交義務違反で あるとと もに組合に 対 する支配 介 入であって、 労働組合 法第7条第2 号及び第 3号に該当す る不当労 働 行為である。 オ なお、財 団 法人は 、組合の弱体 化を図る という明白な 意図を有 して いない旨及び 組合の求 める救済内容 が一般的 ・抽象的であ る旨主張 す るが、財団法 人が組合 に対して行っ た具体的 対応は誠実団 交義務及 び 使用者の中立 義務に違 反し、このよ うな不誠 実な団交を継 続するこ と が、組合への 支配介入 に当たること は上記判 断のとおりで あり、財 団 法人の主張は 採用でき ない。 3 救済方法 組合は、将来にわたる差別的取扱いの禁 止及び誠実団交 応諾を求めるが、 主文のとおり 命じるの が相当である 。 以上の事実 認定及び 判断に基づき 、当委員 会は、労働組 合法第 27条及び労働 委員会規則第43条によ り、主文のと おり命令 する。 平成12年5月26日 大阪地方労働 委員 会 会長 田中 治 印

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【助 成】 公益財団法人日本財団 海と日本プロジェクト.

一般社団法人 葛西臨海・環境教育フォーラム事務局作成 公益財団法人 日本財団

高尾 陽介 一般財団法人日本海事協会 国際基準部主管 澤本 昴洋 一般財団法人日本海事協会 国際基準部 鈴木 翼

ケース③

(第六回~) 一般社団法人 全国清涼飲料連合会 専務理事 小林 富雄 愛知工業大学 経営学部経営学科 教授 清水 きよみ

★ IMOによるスタディ 7 の結果、2050 年時点の荷動量は中位に見積もって 2007 年比約3倍となり、何ら対策を講じなかった場合には、2007 年の CO2 排出量 8.4