「農研機構」は国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネームです。
メタン発酵・バイオマス利用技術 2
−バイオガスプラントを支える「消化液の液肥利用」
平成28年度「茨城自然エネルギーコーディネータ養成」プログラム
中村真人
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門
本日の内容
1. メタン発酵消化液とは 2. 消化液の成分
3. 消化液の肥料としての特徴
4. 消化液の液肥利用の事例
1.メタン発酵消化液とは
食品廃棄物
メタン発酵とは,嫌気性微生物の働きにより,家畜ふん尿等の有機物からメタン(
CH
4)を回収する技術で,得られるメタンは再生可能エネルギー.
実用化レベルに達しているバイオマスエネルギー化技術.
家畜排せつ物や食品廃棄物等の水分の多い原料にも利用可能.
生成物は,バイオガス(CH
460%+ CO
240%
)と消化液(液肥).家畜排せつ物
メタン発酵・メタン発酵消化液とは
メタン発酵槽
発電機やボイラー等 の燃料として利用
バイオガス
(
メタン濃度60%)
消化液(液肥)
メタン発酵を取り巻く環境
1999
家畜排せつ物法施行(家畜排せつ物の不適切な処理の禁止)2007
肥料価格高騰(堆肥等に含まれる肥料成分の有効活用を推進)2012
電力の固定価格買取制度開始(メタン発酵の場合,調達価格39
円+
税/kWh
, 期間20
年)2012
バイオマス事業化戦略(メタン発酵の導入を推進)2015
食料・農業・農村基本計画(消化液等の副産物の有効活用による農業生産コ ストの削減等を促進)2015
家畜排せつ物の利用の促進を図るため の基本方針(家畜排せつ物のメタン発酵、焼却、炭化等によるエネルギー利用を 一層推進する)
2016
バイオマス活用推進基本計画(バイオガス プラントなどの設備の普及と低価格化を目 指す)輸入肥料原料の単価の推移
(農林水産省ホームページより)
0 10 20 30 40 50 60 70 80
2003 2005 2007 2009 2011 2013
尿素 りん鉱石 塩化加里
消化液の輸送
消化液の貯留
河川放流
液肥利用の場合
排水処理の場合
排水処理
農地に散布 作物の栽培 散布車の輸送
固液分離装置
消化液
消化液の液肥利用と排水処理
排水処理は高コスト
河川等へ
排水処理
放流(活性汚泥法)
固液分離装置
労務費
薬品費
(凝集剤等)
電気代 発電機
メンテナンス その他
メンテナンス 消耗品費
その他
メタン発酵施設の支出割合
(消化液排水処理型)
出典:中川悦光( 2003 )
メタン発酵槽
0 5 10 15 20 25
液肥利用 プロセス 排水処理 プロセス
温室効果ガス排出量(kg-CO2eq. /消化液1t)
液肥利用における温室効果ガス排出量は,排水処理よりも少ない .
液肥利用の方が GHG 排出量が少ない
消化液の輸送
消化液の散布
N
2O
土壌からの
N
2O
散布車の輸送消化液の液肥利用と排水処理
消化液
排水処理 河川等へ放流消化液の輸送 圃場に散布 消化液を液肥利用する場合
消化液を排水処理し,河川放流する場合
液肥利用 排水処理
長 所
消化液に含まれる窒素,カリウム等の肥料成分を 有効利用でき,化学肥料使用量を削減できる.農家の意向や天候に左右されず,安定的に 処理できる.
短 所
散布するための十分な農地面積の確保が必要.輸送・散布に要する労力が大きい.
凝集剤などの薬品の使用量が多く,多大な コスト・エネルギーがかかる.
作物の栽培
農村地域では,液肥利用を採用することにより,コストの削減や資源の有 効利用が図れる可能性.
固液分離装置
メタン発酵槽
消化液の貯留
メタン発酵プラント
生ゴミ
農地
家畜排せつ物
食品廃棄物
食品工場・スーパー 家庭
消化液(液肥) 畜産農家 バイオガス
(
メタン濃度60%)
メタン発酵を中核とした資源循環システム
電気・熱
消化液の輸送・散布機材
液肥散布車による施用(3種類の車両と2名の人員)
消化液の貯留
流し込み施用(
1
種類の車両と1
名の人員)・水田限定.
・時間がかかる.
・畑地にも施用できる.
・3種類の車両が必要.
消化液
消化液の液肥利用の利点
耕種農家
• 肥料コスト削減,散布労力低減
• 減化学肥料栽培
地域
• 廃棄物処理コストの削減
• 資源循環型農村の実現,イメージ向上
• 環境対策(悪臭防止等)
プラント
• 運転コスト削減
• 地域貢献
システムがうまく機能するとWin-Winの関係を築ける
液肥利用を採用するための前提条件
消化液の成分が液肥利用に適するものか?
・・・消化液の肥料成分が一定濃度以上であること
・・・含まれる重金属や塩分等の成分含有量が少ないこと
十分な農地面積を確保できるか?
・・・原料 10t/ 日のプラントでできる液肥で農地約 100ha 必要
地域の窒素バランスは健全か?
・・・地域の家畜ふん尿などの発生量・農地への施用量などと のバランスを考慮
無理な使い方をせず,適した場面にのみ使う
(あらゆる場面で使える肥料ではない).
• 原料の選定
• 液肥の肥料特性・作物への適性の把握
• 液肥の導入計画の策定(啓蒙活動,先進農家にお ける栽培試験等)
• 液肥の適正な価格設定
• 液肥の輸送・散布計画の策定
• 地域住民対応
• 液肥を使った農産物の付加価値向上対策
・・・他に懸念事項があれば要検討 資源循環システムを実現するために
取り組むべき事項
先進地区の事例,既往の研究成果が参考になる
2.消化液の成分
消化液の成分(共通する特徴)
含水率
(%) pH EC
(S/m)
懸濁物質
SS (%)
窒素
T‐N (%)
アンモニア 態窒素
NH
4‐N (%)
硝酸態 窒素
NO
3‐N (%)
リン酸
P
2O
5(%)
カリ
K
2O (%)
全炭素
T‐C (%)
95.8 7.7 2.0 2.0 0.35 0.18 0 0.12 0.40 0.96
窒素のうち,
アンモニア態 窒素の割合が
約
50%
固形分を 含む 水分が
多い
乳牛ふん尿が原料の例
原料による消化液成分の違い(肥料成分)
原料の種類は,消化液の肥料成分濃度に影響する.
• 原料が含水率の高い野菜残渣や汚泥の場合,また,畜舎の洗浄水な どを一緒にメタン発酵槽に投入している場合には,消化液の肥料成分 濃度は低くなる.
• 家畜排せつ物や生ごみを主原料の場合は全窒素が 0.3 %程度と比較的 高濃度の消化液が得られ,液肥利用に有利である.
液肥利用を前提とするならば,高含水率原料を避けることや洗浄水の 混入を避けることが望ましい.単位 施設
A
施設B
施設C
施設D
施設E
施設F
施設G
施設H
施設I
主な原料 乳牛
ふん尿
乳牛 ふん尿
豚ぷん尿
(洗浄水含 む)
生ごみ
食品加工 残渣
・生ごみ
野菜加工 残渣・乳牛
ふん尿
浄化槽汚 泥,し尿,
生ごみ
し尿,浄 化槽汚
泥
し尿・浄 化槽汚
泥
含水率
% 93.9 95.9 98.3 98.2 97.6 97.5 99.7 99.5 96.9
窒素
% 0.33 0.34 0.13 0.27 0.16 0.18 0.19 0.13 0.18
アンモニア態窒素
% 0.15 0.17 0.073 0.16 0.096 0.080 0.16 0.11 0.067
硝酸態窒素
% 0 0 0 0 0 0 0 0 0
リン酸
% 0.22 0.12 0.061 0.073 0.055 0.093 0.019 0.033 0.12
カリ% 0.35 0.39 0.059 0.14 0.23 0.31 0.11 0.048 0.046
原料による消化液成分の違い(塩分,油分)
塩分濃度の高さが懸念される生ごみを原料とした消化液でも,上限値※であるナトリウム濃度が
0.39%
以下(消化液施用量5t/10a
の場合)を大きく下回っており,液肥利用に支障がない.
油分(粗脂肪)についてのデータ数が少ないが,いずれも低濃度であり,液肥利用に支 障がない.
生ごみを原料とする消化液でも,塩分や油分の含有率は低い.
消化液の成分は原料に由来するので,原料さえ問題なければ基本的に問題ない.
実際に想定する原料を見て判断してください.単位 施設A 施設B 施設C 施設D 施設E 施設F 施設G 施設H 施設I
主な原料 乳牛
ふん尿
乳牛 ふん尿
豚ぷん尿
(洗浄水 含む)
生ごみ
食品加工 残渣
・生ごみ
野菜加工 残渣
・乳牛ふん 尿
浄化槽 汚泥,し 尿,生ご
み
し尿,浄 化槽汚
泥
し尿・浄 化槽汚
泥
pH 8.03 7.66 7.79 8.04 8.08 7.48 8.55 9.60 8.38
EC S/m 1.97 1.96 0.82 2.05 1.49 1.43 1.68 1.00 0.78
塩化物イオン % 0.11 0.14 0.031 0.15 0.10 0.079 0.13 0.11 0.067
ナトリウム % ‐ 0.085 ‐ 0.15 0.11 ‐ ‐ 0.008 ‐
粗脂肪(油分) % ‐ ‐ ‐ 0.0018 0.0026 0.0025 ‐ <0.00005 ‐
※竹本(
2005
)を参考に設定.消化液と化学肥料・堆肥
消化液 化学肥料 堆肥
肥料の効き方 速効性 速効性 遅効性
土壌改良効果 堆肥に比べてかな り小さい。
なし あり
減化学肥料栽培 対象 対象外 対象
輸送・散布 メタン発酵施設が 行う(農家が自ら 行う必要なし)
.
農家が自ら行う
.
堆肥センターが行 う場合が多い.
3.消化液の肥料としての特徴
消化液を液肥として効率的に利用するには
消化液
アンモニア態 窒素(NH4
-N)
硝酸態窒素
(NO
3-N)
地下水へ溶脱田面水に溶けて 水路へ流出 脱窒(N2
)
肥料三要素(窒素、リン、カリウム)のうち、窒素が最も生育に影響.
→
消化液に含まれる窒素をうまく効かすことが重要. 消化液に含まれる窒素は、アンモニア態窒素と有機態窒素.
窒素は、環境条件(酸素の有無等)により、土壌中で形態変化.
畑作物の多くは「硝酸態窒素」を、イネは「アンモニア態窒素」を好んで吸収.
土壌の水分状態や消化液施用後の管理によって窒素の効き方が大きく異なる.
有機態窒素
アンモニア揮散
(NH
3)
肥料成分「窒素(
N
)」の土壌での動き土壌中の窒素の動き(畑地の場合)
消化液
アンモニア態 窒素
(NH
4-N)
硝酸態窒素
(NO
3-N)
地下水へ溶脱 有機態窒素
アンモニア揮散
(NH
3)
施用後にどの程度 がアンモニアとして
とぶか
作 物 に 吸 収 さ れ ず に 下 方 へ 移 動 す る 割 合 は ど の 程 度 , 地下水質に及ぼす 影響はどの程度か 有機態窒素のう
ち,どの程度が 無機化するか
施用直後に表 面 流 出 が 生 じ な い 施 用 量 は どの程度か
畑作物が好む硝酸 態窒素が多く土壌に
残る管理を
0 50 100 150 200 250
0 20 40 60 80
培養期間(日)
硝酸態窒素
アンモニア態窒素 消化液に含まれる窒素
消化液に含 まれていた 無機態窒素 短期的に無機 化する窒素 短期的には 無機化しない 窒素等
短期的に作 物が利用で きる窒素量.
消化液に含 まれる窒素 の
65%
程度消化液由来の無機態窒素量 (mgN/kg乾土)
培養期間と消化液由来の無機態窒素量の関係(30℃,畑地条件)
有機態窒素の 一部が無機化.
NH4-N+有機態窒素の無機化分=消化液に含まれている窒素の約6割程度
消化液に含まれる有機態窒素の無機化量
室内培養試験
消化液を施用した土壌におけるアンモニア揮散
消化液を施用すると消化液からアンモニアが揮散する.
耕耘するとアンモニア揮散は大幅に低減する.0 1 2 3 4
0 1 2 3 4 5 6
消化液を施用した土壌におけるアンモニア揮散
積算アンモニア揮散量 (kg NH3-N /10a)
消化液施用からの経過時間(日)
消化液施用後,速やかに土壌と混ぜると肥料成分を有効利用できる.
消化液施用後速やかに土壌と混ぜることができない場合は,肥料成分の 損失があることを考慮して,施肥設計を行う必要がある.施肥数時間の 揮散量が多い
(表面施用)
混和施用区
(表面施用後30分後に土壌と混ぜる)
消化液に含まれる窒素
アンモニアとして 揮散した窒素量※ 短期的には 無機化しない 窒素量等
短期的に作 物が利用で きる窒素量.
混和 施用
表面
施用 ※ 表面施用時のアンモニア 揮散量は風速,気温等の 気象条件により左右される.
表面施用区
(表面施用後土壌と混和しない)
消化液を施用した土壌におけるアンモニア揮散量
消化液施用量10kgN/10a
施用可能量(表面流出)
4t/10a
(12kgN/10a)
8t/10a
(24kgN/10a)
消化液表面施用 15 分後
表面流出 が発生
5t/10a程度が1回の施用量の限界.
消化液由来窒素の利用可能割合
アンモニア揮散 を抑制できる施 用方法の場合
(混和施用など)
※
表面施用時のアンモニア揮散 量は風速、気温、施肥から耕起 までの時間等により左右される。消化液に含まれる窒素
アンモニアとし て揮散するアン モニア態窒素※ 短期的には無機 化しない有機態 窒素(=肥料効果 がない窒素)
短期的(
1
カ月半 程度)に作物が利 用できる窒素量表面 施用の場合
35%
〜
5 0%
約
6 0%
地下への窒素の溶脱量
浸透水の水量と窒素濃度を 測定することにより測定.
浸透水
(単位cm)
28.6
100
6
ライシメータ断面図(青破線部分)
ライシメータ外観
地下への窒素溶脱量,作物への窒素吸収量
A
B
C
ライシメータ内 の水の動き
作物への吸収量
作物の収量とその窒素 含有量から測定.
ライシメータ
肥料を使った時の地下水質への影響を調べる試験装置
ライシメータによる試験方法
・ライシメータ上部(断面図中のA)で 施肥・栽培を行う.
・施肥された成分の一部は作物に吸 収され,一部は水に溶けてライシ メータ下部(断面図中のB)に移動し,
浸透水採取装置(C)にたまる.
・浸透水の窒素濃度を分析すること により,窒素溶脱量を把握できる.
・ライシメータを複数用意し,施用す る肥料を変えることにより,肥料間の 比較ができる.
施肥された窒素の動態(4年間の窒素収支)
消化液(混和施用)
の場合 硫安の場合
溶脱 44%
作物吸収 28%
(表層土壌
30cm
まで)への蓄積
11%
作物吸収33%
溶脱 47%
作物吸収量に対する溶脱の割合がほぼ等しい
(表層土壌
30cm
まで)への蓄積
2%
施肥された窒素の行き先
化学肥料の代わりに消化液を使っても,過剰施用しなければ地下水汚染の要因とはならない.
窒素の効き方(畑地の場合)
消化液
アンモニア態 窒素
(NH
4-N)
硝酸態窒素
(NO
3-N)
地下水へ溶脱 有機態窒素
アンモニア揮散
(NH
3)
耕耘により,ア ンモニアがとぶ
のを防ぐ
化 学 肥 料 の 代 わりに消化液を 使 っ て も , 地 下 水汚染の要因と はならない
有 機 態 窒 素 の20%程度が 無機化する
施用量が5t/10a を超える施用は 避ける
消化液に含まれる 窒素の 6 割程度が
利用可能。
土壌中の窒素の動き(水田の場合)
消化液
アンモニア態 窒素(NH4
-N)
硝酸態窒素
(NO
3-N)
地下水へ溶脱田面水に溶けて 水路へ流出 脱窒(N2
)
有機態窒素
アンモニア揮散
(NH
3)
耕耘により,ア ンモニアがとぶ
のを防ぐ
硝化(硝酸態窒素 に変化すること)防
ぐ管理方法は?
イネが好むアンモ ニア態窒素が多く 土壌に残る管理を
有 機 態 窒 素 の 20% 程 度 が 無機化する
窒素の効き方(水田の場合)
消化液
アンモニア態 窒素
(NH
4-N)
硝酸態窒素
(NO
3-N)
地下水へ溶脱田面水に溶けて 水路へ流出 脱窒
(N
2)
有機態窒素
アンモニア揮散
(NH
3)
耕耘により,ア ンモニアがとぶ
のを防ぐ
消化液施用後、
土壌を湿った状 態に保つことに
より、硝化抑え ることが可能
有 機 態 窒 素 の 20% 程 度 が 無機化する
消化液を使っても,
周辺水路の水質汚染 にはならない
消化液の利用場面
速効性で化成肥料を代替できる.
安価で提供される.
散布労力が節減できる.
減化学肥料栽培に利用できる.
散布車両が走行できる圃場条件が望ましい(あ る程度まとまった面積の圃場での基肥施用).
厳密な施肥設計は難しい.
このような特徴を踏まえた使い方を!
消化液に適した利用場面
○水稲の基肥・追肥利用.
○牧草地 .
○土地利用型の畑作物の基肥 .
○カバークロップ(地力増進作物)の基肥.
クロタラリア
出典:中央農研「カバークロップ導入 支援データベース検索システム」
4.消化液の液肥利用の事例
消化液を使用した農家の感想
コマツナ 枝豆
香取市における消化液の液肥利用
この液肥を肥料として,ほうれん草,コマツナ,枝豆,ブ
ロッコリーなどの栽培をしています.事前に土壌分析をして,
この液肥と鶏糞,微量要素肥料などを組み合わせて,施肥 をしています.液肥の肥料成分を考慮し施肥量を決めれば,
通常の肥料と同様に活用できると感じています.
輸送・散布作業を円滑に行うために(千葉県香取市)
消化液輸送車両用ステッカー
「廃棄物の投棄」ではなく,
「液肥の散布」.
明るい色のバキューム車 明るい色でイメージアップ.
消化液の輸送・散布作業は,バキューム車等を用いるなど見た目があま
りよくない.そのため,地域住民に不審を抱かれないための工夫を行うこと
により,作業を円滑に進められた.
京丹後市における消化液の液肥利用
排水処理から液肥利用への完全転換.
液肥利用者協議会の設立.
ブランド化,特別栽培米「環のちから」.
京丹後市の消化液の液肥利用量
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
2009 2010 2011 2012 2013 2014
液肥散布量(t)
液肥散 布車2台
目導入 液肥利用
者協議会 設立
排水 処理 中止
(消化液の肥料利用を伴うメタン化事業実施手引から引用)
京都府南丹市(消化液の流し込み施用)
宮城県南三陸町における液肥利用
(南三陸町バイオマス産業都市構想から引用)
消化液の液肥利用を前提として、メタン発酵施設を設置.
液肥利用の普及活動(説明会、試験栽培、見学会等)を行い、3年目に本
格利用に移行.
まとめ(日本におけるメタン発酵)
1.消化液の成分
家畜排せつ物や生ごみを主原料の場合は全窒素が0.3%
程度と比較的高濃度の消 化液が得られ,液肥利用に有利である.
液肥利用を前提とするならば,高含水率原料を避けることや洗浄水の混入を避ける ことが望ましい.
消化液の成分は原料に由来するので,原料さえ問題なければ基本的に問題ない.2.消化液の肥料としての特徴
消化液は速効性の肥料成分を含むため,化学肥料の代わりに利用できる.
消化液の場合、化学肥料施用の場合とは施用後のアンモニア揮散特性が大きく異 なる(消化液の方が揮散しやすい).そのため,適正な施肥設計のためには,アンモ ニア揮散量を考慮に入れる必要がある.
アンモニア揮散を抑制できれば,消化液に含まれる窒素の6
割程度は速効性成分と して利用できる.
水田での利用では、消化液施用後耕耘し、湛水状態にすれば移植30
日前施用で あっても、肥効は維持できる.3.消化液の液肥利用の事例