楕円曲線を通じた
Brumer と Lecacheux の 5 次多項式族の研究
小柴将和
新潟大学大学院自然科学研究科博士前期課程
数理物質科学専攻
概要
群Gに対してG生成的多項式とは基礎体を含むような体上のG-拡大(ガロア群として Gを持つような体)すべてをパラメーターの特殊化によって実現する多項式である. 生成 的多項式が与えられたとき次のような問題が考えられる「生成的多項式の異なる変数の特 殊化は, いつ同型な分解体を与えるか」(同型問題), また,「同型な分解体を与える変数の 組が無限に存在するか」(無限族の構成). その問題に対して, Brumer [Bru](1995年)によ り構成されたD5 生成的多項式(以降Brumer多項式と呼ぶ)については, 付随する楕円 曲線の有理点を用いた木田, 陸名, 佐藤[KRS](2010年)の研究結果がある.
筆者は木田, 陸名, 佐藤 [KRS]による研究結果を参考に, Lecacheux によって構成され たF20 生成的多項式(以後Lecacheux多項式と呼ぶ)についても同様の結果が得られるか についてフリーの計算ソフトウェア[Sage]を用いて計算を行い考察した. その結果, 楕 円曲線の2倍写像を用いることでLecacheux多項式の最小分解体が同型であるパラメー ターの組を構成ができた. 本論文ではその構成についての解説を目標にしている.
第1章では, 楕円曲線について, 必要な基本事項についてまとめた. 証明とより詳しい 内容に関しては, Silvermanによる楕円曲線の教科書である[Sil]を参照.
第2章では, 2.1節, 2.2節については[佐藤]に基づき, 1章で定義した同種写像を具体 的に構成するV´eluの公式について証明を与えた. さらに同種写像により与えられる体の 拡大について定義し, そのガロア群について考察を行った. 2.3節ではV´eluの公式につい
て[Sage]上での実装と具体的な楕円曲線の計算例をみる.
第3章では, 3.1節, 3.2節についてはLecacheuxの論文[Lec](1998 年)に基づき楕円 曲線の同種写像を用いたBrumer多項式と Lecacheux多項式の構成法を紹介する. 3.3
節ではBrumer 多項式と Lecacheux多項式に関する同型問題について星, 三宅の結果
[HM](2010年)を紹介する. 3.4節では付随する楕円曲線を定義し, その有理点により特 殊化されたLecacheux多項式の最小分解体について具体例を計算していく. 3.5節では
Lecacheux多項式の最小分解体が同型となるパラメーターの組を楕円曲線の2倍写像を
用いて構成し, 同型を与えていることを証明する.
謝辞
主指導教官である星明考先生には, 学部をあわせて3年間の研究室でのセミナー, また 本学位論文をまとめるにあたり, 多大なるご指導を賜り深く感謝いたします. 星研究室の 金井和貴先輩, 長谷川寿人先輩, 同期の小川紘平君にはセミナーを進める中や, 議論を通じ て多くのことを学ばせていただきました. 小島研究室の長峰孝典先輩には折りに触れ, 多 くの助言を頂きました. また, 父母には学部, 修士を通じて多くの面で支えていただきまし た. ここに感謝の意を表します.
目次
1 楕円曲線 1
2 V´eluの公式 5
2.1 V´eluの公式の証明 . . . . 5
2.2 同種写像から生じる体の拡大 . . . . 10
2.3 計算機におけるV´eluの公式の実装と計算例 . . . . 13
3 Brumer 多項式とLecacheux 多項式について 17 3.1 Brumer多項式の構成 . . . . 18
3.2 Lecacheux 多項式の構成 . . . . 21
3.3 多重分解多項式による体の同型の判定. . . . 22
3.4 Lecacheux 多項式の同型の判定 . . . . 25
3.5 楕円曲線の2倍写像を用いたLecacheux多項式の同型族の構成 . . . . 31
1
楕円曲線この章では, 楕円曲線についてのSilvermanによる標準的な教科者である[Sil]の第1 章から第3章にある楕円曲線, モーデル・ヴェイユ群, 同種写像を定義とそれらに関する 命題を復習する.
以下K を体とする.
定義 種数1 の非特異曲線E, 点O ∈ E の組(E, O)を楕円曲線 (Elliptic curve)と 呼ぶ. E がK 上定義されていて, O ∈ E(K)であるとき, E はK 上定義されるといい, E/K と表す.
命題 1.1 [Sil, III, 3.1.] E をK 上定義された楕円曲線とする.
1. 次をみたすx, y∈K(E)が存在する. 写像
ϕ:E −→P2, ϕ= [x, y,1]
はE/K から曲線C :Y2+a1XY+a3Y =X3+a2X2+a4X+a6(ai ∈K) (この形 の方程式をワイエルシュトラス方程式と呼ぶ)への同型写像でかつϕ(O) = [0,1,0]
を満たす. x, yをEに対するワイエルシュトラス座標と呼ぶ.
2. 1.での意味で E に対して得られた任意の二つのワイエルシュトラス方程式は, 次
の線形変換により移る.
X =u2X′+r, Y =u3Y′+su2X′+t (u∈K×, r, s, t ∈K).
3. 逆に任意のワイエルシュトラス方程式により与えられるような非特異曲線はK 上 定義され, O= [0,1,0] (無限遠点)との組であるような楕円曲線である.
前の命題により任意の楕円曲線はワイエルシュトラス方程式により与えられる平面曲線 と同型ということが分かった. 以降, 楕円曲線といった場合はワイエルシュトラス方程式 により定義される平面曲線のこととする.
定義 E :y2+a1xy+a3y =x3+a2x2+a4x+a6 (ai ∈K)上の点P = (x1, y1), Q= (x2, y2)に対して, 次のように演算を定義する :
• −P = (x1, −y1−a1x1−a3),
• P +Q= (λ2+a1λ−a2−x1−x3, −(λ+a1)x3−ν−a3).
また, λ, ν は以下のように定める:
• x1 =x2のとき, λ= y2−y1 x2−x1
, ν = y1x2−y2x1 x2−x1
,
• x1 ̸=x2のとき, λ= 3x21+ 2a2x1+a4−a1y1 2y1+a1x1+a3
, ν = −x31+a4x1+ 2a6−a3y1 2y1+a1x1+a3
. さらに, 整数倍をnP =P +P +· · ·+P (n個の和)で定義する.
この演算は実際に図で考えてみるとよい. 任意の楕円曲線と直線は必ず3点で交わり, これらをP, Q, RとすればP +Q+R=Oが成り立つ.
上で定めた加法によって, E(K)はアーベル群を成す(このとき無限遠点Oが単位元と なる). この加法は有理点に関して閉じており,E 上のK 有理点全体もアーベル群をなす. 定義 E をK 上の楕円曲線とするとき, E 上のK 有理点全体をE(K)と書きモーデル・
ヴェイユ群(Mordell–Weil group)と呼ぶ.
定理 1.2 (Mordell–Weil [Sil, VIII. 6.7.]) E(K)は有限生成アーベル群である. すなわち E(K)≃Z⊕r⊕G
ただしGは有限群である. GはE(K)のねじれ部分なので, E(K)tors と書くことにする. K =QのときのE(K)のねじれ部分の構造はMazurにより完全に決定されている. 定理 1.3 (Mazur [Sil, VIII. 7.5.]) E(Q)torsは次のいずれかと同型である :
Z/mZ, ただし 1≤m≤12, m̸= 11, Z/2Z⊕Z/2mZ, ただし 1≤m≤4.
楕円曲線はねじれ部分群の構造により, 次の表にあるような楕円曲線と同型であること がKubert [Kub]によって示されている.
1. {0}:y2 =x3+ax2+bx+c ; ∆(a, b, c) =−4a3c+a2b2+ 18abc−4b3−27c2 ̸= 0.
2. Z/2Z:y2 =x(x2+ax+b) ; ∆(a, b) =a2b2−4b3 ̸= 0.
3. Z/2Z×Z/2Z:y2 =x(x+r)(x+s) , r̸= 0, s ̸= 0.
4. Z/3Z:y2+a1xy+a3y =x3 ; ∆(a1, a3) =a31a33−27a43 ̸= 0.
これ以降はE(b, c) := y2 + (1−c)xy−by = x3−by2 , ∆(b, c) := (1−c)4b3−8(1− c)2b4−(1−c)3b3+ 36(1−c)b4+ 16b5−27b4としてb, cの関係式を決める事で得られる.
5. Z/4Z:E(b, c) , c= 0 , ∆(b, c) =b4(1−16b)̸= 0.
6. Z/4Z×Z/2Z:E(b, c) , b=v2 −1/16, v ̸= 0,±1/4, c= 0.
7. Z/8Z×Z/2Z:E(b, c) , b= (2d−1)(d−1), c= (2d−1)(d−1)/d,
d = (1−c)(8(1−c) + 2)/(8(1−c)−1), d(d−1)(2d−1)(8d2−8d+ 1)̸= 0.
8. Z/8Z:E(b, c) , b= (2d−1)(d−1), c= (2d−1)(d−1)/d,∆(b, c)̸= 0.
9. Z/6Z:E(b, c) , b=c+c2,∆(b, c) =c6(c+ 1)3(9c+ 1)̸= 0.
10. Z/6Z×Z/2Z:E(b, c) , b=t+t2, c= (8 + 2t)/((1−t)2−9),
∆(b, c) =t6(t+ 1)3(9t+ 1)̸= 0.
11. Z/12Z:E(b, c) , b=cd, c=f d−f, d=m+τ, f =m/(1−τ), (m= 3τ −3τ3−1)/(τ −1),∆(b, c)̸= 0.
12. Z/9Z:E(b, c) , b=cd, c=f d−f, d=f(f−1) + 1,∆(b, c)̸= 0.
13. Z/5Z:E(b, c) , b=c,∆(b, c) =b5(b2−11b−1)̸= 0.
14. Z/10Z:E(b, c) , b=cd, c=f d−f, d=f2(f−(f −1)2), f ̸= (f −1)2,∆(b, c)̸= 0.
15. Z/7Z:E(b, c) , b=d3−d2, c=d2−d,∆(b, c) =d7(d−1)7(d3−8d2+ 5d+ 1)̸= 0.
注意 E(b, c)はテイト正規型(Tate normal form)と呼ばれ(0,0)をねじれ部分群の生 成元としてもっている.
続いて, 2つの楕円曲線E1, E2が与えられたとき, 同型を少し弱めた同種という概念を 定義する.後の定理1.5で見るように,同種写像はE1, E2のモーデル・ヴェイユ群の準同
型写像になっている.
定義 E1, E2 は楕円曲線であるとする. 有理写像ϕ:E1 −→E2でϕ(O) =Oを満たすも のを同種写像(Isogeny)という.
ϕ(E1) ̸= O であるような同種写像 ϕ : E1 −→ E2 が存在するとき, E1, E2 は同種 (Isogenous)という
例 1.4 m∈Zに対して,
[m] :E −→E;P 7−→[m]P (m倍写像) は同種写像である.
同種写像に関して次のことが成り立つ.
定理 1.5 [Sil, III, 4.8.] ϕ:E1 −→E2 を同種写像としたとき次が成り立つ. ϕ(P +Q) =ϕ(P) +ϕ(Q)
系 1.6 [Sil, III, 4.9.] ϕ : E1 −→ E2 を零写像でない同種写像としたとき, Ker ϕ = ϕ−1(O)は有限群になる.
また, E の関数体K(E)と同種写像について次のような命題が成り立つ. 定理 1.7 [Sil, III, 4.10.] ϕ:E1 −→E2を零写像でない同種写像とする.
1. すべてのQ ∈E2 について, #ϕ−1(Q) = degs ϕ. さらにすべてのP ∈ E1 に対し て, eϕ(P) = degi ϕ.
ただし, ここでeϕ(P)は写像ϕの点P における分岐次数である. 2. 写像
Ker ϕ−→Aut(K(E1)/ϕ∗K(E2));T 7−→τT∗
は 同 型 で あ る. こ こ で τT∗ は T に よ る 平 行 移 動 の 写 像 で あ る (つ ま り
f ∈K(E1), P ∈E1に対してτT∗(f)(P) =f(P +T)で定まる写像).
3. ϕが分離的であると仮定すると, ϕは不分岐であり, #Ker ϕ= deg ϕかつK(E1) はϕ∗K(E2)上ガロア拡大である.
命題 1.8 [Sil, III, 4.12.] E を楕円曲線, ΦをE の有限部分群とすると, 楕円曲線E∗ と Kerϕ= Φを満たすような同種写像ϕ:E −→E∗ が同型を除いて一意に存在する.
2 V´ elu
の公式1章の命題1.8は, 楕円曲線E とその有限部分群Φが与えられたとき, 同種である楕円 曲線E∗ と同種写像 ϕ : E −→ E∗ が同型を除いて一意的に定まることを主張している が, その証明は構成的ではない(証明については[Sil, III, 4.12.]を参照). この章では, E とΦが与えられた時に,E∗とϕの具体的な構成を与えるV´eluの公式[V´el]について佐藤 [佐藤]に基づき証明を与える. その後, フリーの計算ソフトウェアSage [Sage]上でV´elu の公式の計算例を紹介する.
2.1 V´elu の公式の証明
体k 上定義された楕円曲線を次で定義する:
E :y2+a1xy+a3y =x3+a2x2+a4x+a6 (ai ∈k).
元gx, gy ∈k(E)をそれぞれ次のように定める:
gx = 3x2+ 2a2x+a4−a1y, gy =−2y−a1x−a3.
また,E上の点Q̸=Oに対してx(Q), y(Q), gx(Q), gy(Q)をそれぞれxQ, yQ, gxQ, gyQ と略すことにする.
tQ :=
gxQ Q∈E[2]のとき
2gxQ−a1gQy それ以外の場合 , uQ := (gQy)2. 注意 楕円曲線の逆元の取り方から,
x−Q =xQ, y−Q =gyQ+yQ, g−xQ =gQx −a1gQx, g−Qy =−gQy. 従って,
t−Q =tQ, u−Q =uQ であることに注意する.
S ⊂Φを(Φ− {O})/{±1}の完全代表系とする. t := ∑
T∈S
tT, ω := ∑
T∈S
(uT +xTtT).
上の注意よりt, ω∈k はSの取り方によらない. ここで,
A1 :=a1, A2 :=a2, A3 :=a3, A4 :=a4−5t, A6 :=a6−(a21+ 4a2)t−7ω とする.
定理 2.1 (V´eluの公式[V´el]) 楕円曲線E とその有限部分群Φについて, E∗ :=E/Φと Kerϕ= Φを満たす同種写像ϕ:E −→E∗はそれぞれ次で与えられる:
E∗ :Y2+A1XY +A3Y =X3+A2X2+A4X +A6, X =x+ ∑
T∈S
( tT x−xT
+ uT (x−xT)2
) ,
Y =y− ∑
T∈S
( uT
2y+a1x+a3
(x−xT)3 +tT
a1(x−xT) +y−yT
(x−xT)2 + a1uT −gTxgTy (x−xT)2
) .
証明 E のワイエルシュトラス方程式を与えることと, 次の条件を満たすx, y ∈k(E)を 与えることは同値である.
条件
ordO(x) =−2, ordO(y) =−3, y2
x3(O) = 1;
ordQ(x)≥0, ordQ(y)≥0 if Q∈E(k)− {O}.
z =−xy とすると, ordO(z) = 1より, x, y をz により, 点Oの近傍でローラン展開する ([Sil, IV]参照).
x=z−2−α1z−1−α2−α3z− −α4z2−α5z3−α5z4− · · · , y=−x
z =−z−3+α1z−2+α2z−1+α3+α4z+α5z2+· · · . これをEに代入して係数比較をすると,
α1 =a1, α2 =a2, α3 =a3, α4 =a1a2+a4,
α5 =a2a3+a21a3+a1a4,
α6 =a21a4+a31a3+a2a4+ 2a1a2a3+a23+a6.
よってaiをαiによって表すことができる. 以上の議論をE∗ に対して用いる. E∗のワイ エルシュルトラス方程式を得ることと, 次の条件を満たすようなX, Y ∈k(E)Φ∩
k(E) を構成することは同値である.
条件
ordO(X) =−2, ordO(Y) =−3, Y2
X3(O) = 1;
ordQ(X)≥0, ordQ(Y)≥0 if Q∈E(k)−Φ.
E∗ をX, Y により得られる楕円曲線とするとordQ(X)≥0, ordQ(Y)≥0 (Q∈Φ)で あることから, ϕ:E −→E∗;x7→X, y 7→Y は同種写像でKer ϕ⊂Φなことが分かる. 一方でϕにより引き起こされる関数体の準同型写像ϕ∗ :k(E∗)−→k(E)の像ϕ∗(k(E∗))
について[k(E) :ϕ∗(k(E∗))] = #Ker ϕ, また, X, Y の取り方より, ϕ∗(k(E∗))⊂k(E)Φ. 以上より#Φ≥#Ker ϕである. したがって, Ker ϕ= Φなので E∗ が求めたい楕円曲線 であることが分かった.
あとは, 上の条件を満たすX, Y を具体的に構成し, E でしたようにX のZ = −XY に よる点Oの近傍でのローラン展開について計算をすればE∗ の係数がわかる.
実際, X, Y ∈k(E)を次のように取ればよい, X :=x+ ∑
T∈Φ−{O}
(x◦τT −xT), Y :=y+ ∑
T∈Φ−{O}
(y◦τT −yT).
ここで, τT は T についての平行移動 (すなわち, τT(P) = P + T である写像) とす る. X, Y が条件を満たすことは明らか. これを前の注意で述べたx−Q = xQ, y−Q = gQy +yQ, g−Q =gxQ−a1gQy, g−yQ =−gQ の関係式と, 和の公式から次の変形が得られる:
x◦τQ−xQ = gQx
x−xQ + gQy(y−yQ) (x−xQ)2 , y◦τQ−yQ =− a1gQx
x−xQ − (gQx +a1gQy)(y−yQ)
(x−xQ)2 − gyQ(y−yQ) (x−xQ)3 . 上の関係式を用いれば, X, Y について主張の形が得られる.
主張のX, Y の式のx, yにzでのローラン展開したものを代入すると
X =z−2−α1z−1−α2−α3z−(α4−t)z2−(α5−α1t)z3−(α6−α21t−α2t−ω)z4− · · · , Y =−z−3+α1z−2+α2z−1+α3+ (α4+t)z+α5z2+ (α6+α2t+ 3ω)z3+· · · .
したがって,
Z =−X
Y =z+ 2tz5+ 3α1tz6+ (4α21t+ 4α2t+ 3ω)z7+· · · . 以上が, べき級数の計算によりわかる. これを逆に解いて,
z =Z −2tZ5−3α1tZ6−(4α21t+ 4α2t+ 3ω)Z7+· · · .
よって
X =Z−2−α1Z−1−α2−α3Z
−(α4−5t)Z2−(α5−5α1t)Z3−(α6−6α21t−9α2t−7ω)Z4− · · ·.
これと, E∗ についてX をZ でローラン展開したものとの係数を比較して, α1 = A1, α2 = A2, α3 = A3, α4−5t= A1A3+ A4,
α6−6α21t−9α2t−7ω = A21A4+ A31A3+ A2A4+ 2A1A2A3+ A23+ A6. これを解くことにより, E∗の係数が求めらて, 主張の形になる.
注意 E上の不変微分
ω(x, y) = dx
−gy = dy gx
と, GX := 3X2+ 2A2X + A4−A1Y, GY :=−2Y −A1X −A3 としたときのE∗ 上の 不変微分
ω(X, Y) = dX
−GY = dY GX は一致する([Sil, IV]参照).
このことから, 次が成り立つ.
Gx =mgx+n(gy)2, Gy =mgy. ここで,
m= 1− ∑
T∈S
( tT
(x−xT)2 + 2uT
(x−xT)3 )
,
n= ∑
T∈S
( tT
(x−xT)3 + 3uT (x−xT)4
) .