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取説 No.IB-3230D 三菱ホイスト 形名 S2 形 (1/2~60t) 取扱説明書 この取扱説明書は ご使用になる設備責任者に必ず渡してください この取扱説明書は ご使用になる設備責任者および作業者は必ずお読みください

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全文

(1)

三菱ホイスト

形名

S2 形(1/2~60t)

取扱説明書

☆ この取扱説明書は、ご使用になる設備責任者に必ず渡してください。

☆ この取扱説明書は、ご使用になる設備責任者および作業者は必ずお読みください。

取説 No.IB-3230D

(2)

安全のために必ず守ること

■誤った取扱いをした場合に生じる危険とその程度を 次の表示で区分して説明しています。

!

危険

回避しないと、死亡又は重傷を招く差し迫った危険な状況を示す。

!

警告

回避しないと、死亡又は重傷を招くおそれがある危険な状況を示す。

! 注意

回避しないと、軽傷または中程度の傷害を招くおそれがある危険な状況及び 物的損害のみの発生するおそれがある場合を示す。

1.取扱い全般について

!

●製品寿命時間を管理し、寿命時間に達する前に全面オーバホール、又は機器の更新を実施する。

●取扱説明書及び注意銘板の内容を熟知しない人は運転しない。

●法定資格のない人は、絶対にクレーン操作、玉掛け業務を行わない。又、行わせない。

!

●作業開始前の点検や定期自主検査を必ず実施する。

!

●取扱説明書は製品廃棄まで保存し、常時閲覧できる場所に保管する。

2.据付、取り付けについて

!

●横行及び走行のレール端には必ずストッパを取り付ける。

●ホイストを設置する場所に十分な強度があることを確認する。

!

●据付は、専門業者、専門知識のある人以外絶対行わない。

●ホイストに雨や水がかかるなど、規定以外の環境には据付しない。

●必ずアース工事を行なう。また、アースのほかに漏電遮断器を電路に取り付ける。

3.運転と操作について

●使用前にブレーキの動作を確認し、ブレーキが正常に作動しないときは運転しない。

●損傷を受け、異音や異常振動がする場合には運転しない。

●ワイヤロープに次の異常があるときは絶対に運転しない。

・キンク、形くずれ、腐食があるもの

・規定より素線の断線、磨耗が大きいもの

●宙づりした荷を電気溶接しない。

●ワイヤロープに溶接機のアースを接続しない。

●ワイヤロープに溶接用電極を絶対に接触させない。

●フックの外れ止め金具が破損したままでは絶対に使用しない。

●本体やトロリをストッパや構造物に衝突させない。

●ワイヤロープが、ドラムに正常に巻き取られていない状態では使用しない。

●押ボタンスイッチの指示と違う方向に動くときは直ちに運転をやめる。

※誤動作、異常動作によりけがをする恐れがある。

■絵表示の説明

禁止を示す。

(してはいけないこと)

!

指示を示す。 (必ずしなければならないこと) 必ずアース工事を行う。

!

警告

!

注意

!

危険

!

危険

!

警告

!

危険

(3)

●定格荷重を超える荷は、絶対に吊らない。

※定格荷重はフックブロックの銘板に表示している。

●吊った荷に人は乗らない。

また人の乗る用途には絶対使用しない。

●つり荷の下に入らない。

●つり荷の動く範囲に人がいるときは、運転しない。

●人の頭上を超えて荷を運搬しない。

●荷を吊ったまま運転位置を離れない。

また常時荷を吊った状態では使用しない。

●運転中は荷から気をそらさない。

●荷やフックブロックを揺らせるような運転はしない。

●過巻リミットスイッチを、常時使って止める使い方はしない。

●斜め引きをしない。

※荷の真上にホイストを移動させてから吊り上げる。

●地球つり(建屋構造物に引っ掛ける操作など)をしない。

●巻下げ時、下限を超えて運転しない。

※ワイヤロープがドラムに 2 巻以下になる状態や逆巻したものは使用しない。

●安全を考慮しない状態での、吊り荷の反転作業はやらない。

※反転作業は、反転専用の機器を使用して行う。

●使用前に押ボタンの動作を確認し、押ボタンが円滑に動作しないときは運転しない。

●定格電圧以外では使用しない。

●プラッキング(急逆転)や過度のインチング(寸動運転)をしない。

●吊り荷をほかの構造物や配線などに引っ掛けない。

●押ボタンケーブルを他のものに引っ掛け、強く引っ張らない。

●負荷時間率、始動頻度を超える使用は絶対にしない。

●本体に取り付けられた、警告及び注意表示の銘板やラベルを外すことや不鮮明なまま使用しない。

●操作後、押ボタンを離すときは、自然に吊り下がった位置まで戻し、人や物にぶつけない。

!

●使用前に下フックが円滑に回転することを確認する。

●玉掛け用具はフックに正しく掛ける。

●巻上げは、ワイヤロープが張ったところでいったん停止する。

●押ボタンの回りにじんあい、砂などがたい積しないよう常に清掃する。

●操作後、押ボタンを離すときは、自然に下がった位置まで戻し、人や物にぶつけない。

●作業に対し揚程が十分であることを確認する。

●運転位置から離れる場合は必ず電源を切る。

4.保守・点検、改造について

●各部部品は使用限界を超えて使用しない。

●製品及び附属品の改造は絶対しない。

●純正部品以外は絶対使用しない。

!

●保守・点検修理を実施する前に必ず電源を遮断する。

●保守・点検修理は、事業者が定めた専門知識のある人が行う。

●保守・点検修理をするときは、必ず空荷(吊り荷が無い)状態で行う。

●保守・点検で異常箇所があったときは、そのまま使用せず直ちに補修する。

●ブレーキライニングは磨耗限界を超えて使用しない。

!

●保守・点検、修理を実施するときは、作業中の表示(『点検中』や『通電禁止』など)を必ず行う。

●モータ・ブレーキ部、制御部分は高温となっている場合があるので、保守・点検、修理を実施する時は 十分に冷却されていることを確認して実施する。

●ブレーキギャップ量は適正な調整値にする。

!

警告

!

注意

!

危険

!

警告

!

注意

(4)

目 次

製品の確認と法的規制について

··· 1

着荷時の点検 ··· 1

ホイストの適用区分 ··· 1

法令による規制について ··· 2

据付方法

··· 3

据付けおよびストッパの取付工事 ··· 3

アース工事と漏電遮断器の取付 ··· 3

電気配線 ··· 4

I 形鋼への取付 ··· 6

押ボタン高さの調整 ··· 7

試運転

··· 8

無負荷試運転 ··· 8

負荷試運転 ··· 8

ブレーキの保守、点検 (1/2t~5t)

··· 9

巻上電磁ブレーキ ··· 9

横行電磁ブレーキ ··· 11

ブレーキの保守、点検 (7.5t~60t)

··· 12

巻上電磁ブレーキ ··· 12

横行電磁ブレーキ ··· 14

ワイヤロープの保守、点検

··· 15

減速部の構造および分解・組立 (1/2t~5t)

··· 16

減速部の構造および分解・組立(7.5t~60t)

··· 20

運転状態出力(OLM 基板)

··· 21

OLM 基板の表示及び設定

··· 22

異常検知機能

··· 25

保守と点検

··· 26

日常点検 ··· 26

月例点検 ··· 27

年次点検 ··· 29

給 油 ··· 30

主要部品の使用限度 ··· 31

一般故障と対策 ···

33

展開接続図 ···

37

巻上本体構造図

··· 40

(5)

製品の確認と法的規制について

着荷時の点検

着荷時は次の確認を行ってください。

(1) ご注文の仕様のものか。(銘板でご確認ください)

(2) 輸送中の事故等による機体の損傷はないか。

(3) 電気部品の絶縁抵抗が低下していないか。(500V メガーにて測定し、1MΩ以上あれば合格です)

※メガーテスト要領

電源は切り離してください。

ホイスト受電端子 R-S-T 間を短絡します。

ホイスト本体とホイスト受電端子 R-S-T の各接触器を順次手動投入しながら 500V メガーにて測定します。

このホイストに関するご連絡の際は、形名と製造番号、製造年(銘板に記入のもの)をお知らせください。

(形名および製造番号、製造年は控えておき、後日のお問い合わせ等にご活用ください)

ホイストの適用区分(黒塗部分)

標準機種適用表

つり上げ装置 等の使用 時間 区分

800 時間 未満

800 時間 以上 1600 時間 未満

1600 時間 以上 3200 時間

未満

3200 時間 以上 6300 時間 未満

6300 時間 以上 12500 時間 未満

12500 時間 以上 25000 時間 未満

25000 時間 以上

常 態 と し て 定 格 荷 重の 50%未満の荷 重の荷をつるクレー

A A A B C D E

常 態 と し て 定 格 荷 重の 50%以上 63%

未満の荷重の荷を つるクレーン

A A B C D E F

常 態 と し て 定 格 荷 重の 63%以上 80%

未満の荷重の荷を つるクレーン

A B C D E F F

常 態 と し て 定 格 荷 重の 80%以上の荷 重の荷をつるクレー

B C D E F F F

適合機種

E 形 R 形 UR 形

S2 形 U2 形 HU2 形

S2 形 特殊品 U2・HU2 形 特殊品

本格クレーン

※①A 級、B 級などの記号は、クレーン構造規格の適用群を示します。

②許容される負荷時間率および始動回数は下記表によります。

(注)12m を越える揚程のホイストについては適用群が C 級となる機種があります 許容負荷時間率と始動回数

E 形

R 形 UR 形 U2 形(7.5 t~)

HU2 形

S2 形 U2 形(~5 t) 負荷時間

率(%) 25 25 40 始動回数

(回/時) 150 250 400

※始動回数は最も使用の激しい 1 時間の回数とします。

※負荷時間率 25%ED、始動回数 250 回/時を超える場合は専用 設計となりますのでご照会ください。

クレーンの種類と適用群

発電所用クレーン、分解点検用クレーン A

機械および組立工場用クレーン A

一般工場用クレーン B-D

天井クレーン(バケット付、マグネット付) D-F

レードルクレーン E-F

装入クレーン F

鍛造クレーン F

一般用橋形クレーン(フック付) B-C

※負荷時間率= × 100 最も使用のはげしい 1 時間の作業中

モータに通電されている時間の合計(分) !

注意

(6)

法令による規制について

●ホイストを人の乗る用途に絶対に使用しない。

※落下によりけがをする危険があります。また、法令上、ホイストは人が乗る用途の昇降装置としては使用できない。

●取扱説明書および注意銘板の内容を熟知しない人は運転しない。

●法定資格のない人は、絶対にクレーン操作、玉掛け業務を行わない。また、行わせない

ホイストを使用する場合、労働安全衛生法および関連の政令や省令の規制を受けます。詳しくは、関連の政令や省令 をご覧の上、適用事項は必ず守ってください。要点を次に示します。

1.設置のための届け出

このホイストをクレーンあるいは簡易リフトとして使用する場合は、「クレーン等安全規則」に基づき、下表により所轄の 労働基準監督署に設置報告書または設置届の提出が義務付けられています。

クレーン等の

種 類 容 量

クレーン製造者 クレーン等の使用者

製造許可 設置届

性能検査 設置報告 保守の義務

ク レ ー ン 吊上げ 荷 重

3t 以上 ○ ○ ○

1/2t 以上

3t 未満 ○ ○

簡 易 リ フ ト 積 載 荷 重

1/4t 以上

1t 未満 ○ ○

●クレーンの製造許可において、ホイスト式クレーンの場合はホイストメーカとクレーンメーカの共同申請が必要です。

●クレーン、簡易リフトとする場合、クレーン構造規格、簡易リフト構造規格の適用を受けます。

●使用時は「クレーン等安全規則」の適用を受けます。

2.運転従事者の資格

吊上げ荷重が 0.5t 以上の玉掛け作業およびホイストの運転に従事する時は、労働省令に定めるところにより、

下表による資格が必要です。

操作方法 吊上げ荷重

0.5t 未満 0.5t 以上 5t 未満 5t 以上 跨線テルハ

免 技 特 一般の者

免 技 特 免 技 特

床上操作 免 技 特 免 技

遠方操作または運転室(台)付 免 技 特 免

クレーン等安全規則適用条文 - 第 21 条・第 22 条

玉掛け 吊上げ荷重

0.5t 未満 0.5t 以上 1t 未満 1t 以上 玉掛け業務 免 技 玉 職 特

一般の者 玉 職 特 玉 職

クレーン等安全規則適用条文 - 第 221 条・第 222 条

免…クレーン運転免許の所持者 特…事業者よりクレーンおよび玉掛けに関する特別教育を受けた者 職…職業訓練法にて、訓練を受けた者 技…床上操作式クレーン運転技能講習修了者

玉…玉掛け技能講習修了者

!

警告

(7)

据 付 方 法

据付けおよびストッパの取付工事

レールの設置、据付けに関しては、ご購入された店、または弊社 にご相談のうえ、必ず専門店による工事を依頼してください。

(3t 以上の工事は、製造許可の資格が必要です)

横行距離が長くて I 形鋼を継ぐ必要がある場合は、相互のレール ができるだけ完全に合うよう溶接し、溶接後は継目、特に車輪およ びガイドローラの転送面は平滑に仕上げてください。継ぎ板を使用 される時は I 形鋼の上面および下面に取付けてください。I 形鋼両端 には逸走防止のためストッパを設けますが、そのストッパ-に常時ホ イストを衝突させて止めるような運転は絶対避けてください。なお、

ストッパ-面には衝撃を緩和させるためにゴム等を必ず取付けてくだ さい。

ダブルレール形についても同様ですが、ストッパは車輪径の半分 以上の高さのものを使用してください。

●据付けは、専門業者、専門知識のある人以外絶対に行わない。

※感電やフックブロック落下などによりけがをする恐れがある。

●ホイストに雨や水がかかるなど、規定以外の環境には据付けしない。

!

●横行および走行のレール端には必ずストッパを取付ける。

※ホイスト落下などによりけがをする恐れがある。

●ホイストを設置する場所に十分な強度があることを確認する。

※ホイスト落下などによりけがをする恐れがある。

アース工事と漏電遮断器の取付

漏電による万一の感電事故を防ぐため必ずアースすると共に電路に漏電遮断器を取付けてください。

アースは電気設備技術基準および内線規定に従い、C 種接地工事または、D 種接地工事としてください。

(電源が 400V 級の場合は、C 種接地工事とし、接地抵抗は 10Ω以下としてください)

○電動横行型ホイストの場合

I 形鋼またはレールを上記により接地し、転送面は塗装しないようにしてください。

○懸垂形ホイストの場合

取付部の塗料やサビをよく落として、C 種または D 種接地を満足する鉄骨構造物に取付けてください。

(本体が絶縁されないよう注意ください)

木造物に取付ける場合は直径 2.6mm 以上のアースを本体に接続し、接地工事を行ってください。

●必ずアース工事を行う。また、アースのほかに漏電遮断器を電路に取付ける。

●アースは C 種接地工事あるいは D 種接地工事を行う。

●アースおよび漏電遮断器の取付工事は、電気設備技術基準および内線規程に従う。

※万一漏電した場合の感電事故を防ぐため。

!

危険

!

警告

!

警告

(転送面) 滑 ら か に 仕 上

塗装不要 緩衝材

レール

ダブルレール ストッパ- 支 持 間

I形鋼

緩衝材 ストッパ-

(8)

電気配線

電気工事は電気設備技術基準、および内線規程に従ってください。

給電方式として、トロリ方式または給電ケーブル方式があります。

1.トロリ方式

感電等の危険を防止するため、絶縁トロリ方式としてください。絶縁トロリは種々の物が市販されておりますので、

適切な容量、仕様のトロリ線を選定してください。

2.給電ケーブル方式

ケーブル給電方式とする場合は、必ず規定のキャブタイヤケーブルを使用してください。

○途中で接続したりせず、必要長さのケーブルを使用し、制御箱内端子に直接接続ください。

○端子接続部に、ケーブルの張力が直接加わらないよう適切な方法でケーブルを保持してください。

ケーブルサイズは、電圧降下を起さないように、給電距離によって、サイズを選定してください。

給電用キャブタイヤケーブル許容長さ ホイスト

容 量

(t)

モ ー タ 容 量 kW

(60Hz 時)

キャブタイヤケーブル許容長さ(m) 3 心線の場合を示す 導体の公称断面積(mm2

1.25 2 3.5 5.5 8 14 22 30 38 50 1/2 1.2 39 62 115 179

1 2.4 25 40 75 117 (165)

2 3.5 ― 21 39 61 (86) (152)

2.8 4.9 ― ― 28 44 (62) (86) (170) 3 5.3 ― ― 28 44 (62) (62) (170)

5 7.5 ― ― ― 35 (49) (87) (135) (182)

7.5 10 ― ― ― ― 45 80 124 (167) (211)

10 12 ― ― ― ― 35 61 95 (128) (161) (206) 15~ 20 ― ― ― ― ― 37 58 (78) (99) (126)

(注)(1)上表は 200V 級の場合、変圧器-ホイスト間の電圧降下を 10%に抑えた場合です。

400V 級の場合はこの 4 倍となります。

(2)上表の値は、ホイストの巻上モータのみで選定しておりますので、ホイストクレーンでご使用の場合は、クレーン走行モータ分 を加味する必要があります。

(3)巻上モータが標準と異なる場合は(起動電流、力率が変わることがあります)ご照会ください。

(4)変圧器容量が 3EIsに比べて小さい時は、変圧器内の電圧降下を見込む必要があります。

(5)許容長さ( )内のケーブルサイズを使用の場合は、ケーブル出口穴の追加加工、圧着端子変更または端子台変更の必要が あります。

(9)

3.内部配線

電源用・操作用ケーブルの制御箱内への接続は、 下図により端子台に接続ください。

<1/2t~5t>

Control box

Power supply cable

Terminal board

Traveling operation cable

<7.5t~30t>

端子台

走行操作用ケーブル 電源用ケーブル

制御箱

(10)

I 形鋼への取付け

電動横行形に適用する I 形鋼の適用範囲は下の表に示す通りです。ただし、ローヘッド形の場合、I 形鋼は 2 本組み合わせとなります。(詳細は外形寸法図を参照下さい。)

容量(t) I 形鋼の大きさ(mm) 高さ×幅×厚さ

150×75×5.5 200×100×7 250×125×7.5 300×150×8 300×150×11.5 400×150×12.5 450×175×13 600×190×13

1/2t

1/2t 高揚程

1t

2t

2.8 (3)t

5t

7.5t

10t

15t

20t

出荷時は、◎印の I 形鋼に合わせて調整しておりますので○印の I 形鋼使用の場合には、ご使用される I 形鋼に合わせ てスペーサの位置を変更してください。

※印の I 形鋼を使用するには、別売りのアタッチメントが必要です。また、-印の I 形鋼は使用しないで下さい。

ガイドローラ(フランジ付車輪の場合はフランジ内側)と I 形鋼とのスキは、片側約 2.6mm(フランジ付車輪は約 4.6mm)に 調整してください。(次図参照) なお、I 形鋼の幅は公差があり、又乗せ替えの場合は摩耗していることも考えられますので、

必ず現物に合わせて調整願います。

※スキは必ずレール全長にわたってチェックください。又、曲線横行部分がある場合はスキを広目にセットしてください。

又、スペーサ及び座金はワクの両側に同じ枚数だけ入れ、片側には偏らないようにしてください。

次にホイストは、I 形鋼の一端からさしこんで取付けるのが最も簡単ですが、一般的には横行側板を両側に開いて 取付けます。割ピンを抜き溝付ナットをゆるめると横行側板は両側に開きます。

締付は溝付ナット方式を用いていますが、ピンと溝付ナットの溝を合わせる場合必ず締め込んで調整ください。

(ゆるめて合わせない!)

なお、上架後無負荷状態で一度ナットを緩め、

締付ボルトとワクのボルト穴の間にスキがないよう にして再締付を実施ください。

締付ボルトとワクのボルト穴にスキがありますと、

車輪の浮き上り、ホイスト本体の傾きの原因となりま す。

適用 I 形鋼最小幅 適用 I 形鋼中間幅 適用 I 形鋼最大幅 座金

スペーサ 横行側板

ワク

ガイドローラ 横行側板

2.6mm (1.6mm~3.6mm)

車輪

4.6mm (3.6mm~5.6mm)

I 形鋼

溝付ナット ピ チ円締付ボルト

割ピン

(11)

押ボタンスイッチ高さの調整

押ボタンはワイヤロープで吊下げられ、その上端はクリップでネジ締めされていますので、ワイヤロープのクリップ止め 位置をかえて、押ボタンスイッチを最も作業に適した高さに調整してください。

調整後余ったケーブルは、たるませないよう、結束バンド等で固定ください。

ただし、放電抵抗器等の発熱部分にはケーブルを近づけないようにしてください。

ケーブルリール等重量物を 直接つり下げないで下さい。

※1/2t の場合は巻上歯車箱側

押ボタンスイッチ高さ調整

クリップ

ケーブル

クリップ

押ボタンスイッチ

調整

(12)

試 運 転

無負荷試運転

まず㊤の押ボタンスイッチを押してフックが巻上がるかどうか確かめて下さい。もし、巻下がる場合は、電源線 3 本の うち R 相と T 相(つまり接地相でない相)を入替えてください。同一トロリ線で 2 台以上のホイストを運転する場合は必ず トロリポールと電磁接触器間の配線を入替えてください。押ボタンスイッチでの接続替えは避けてください。

ワイヤロープの逆巻き等により、万一㊦ボタンを押してフックが巻上がれば、

リミットスイッチの 2 段まで動作します。

この動作後は㊤を押しても㊦を押してもホイストは 動かなくなりますので下記要領にて復帰させてください。

(1) レバー部分とリミットスイッチ間を連結している接続棒を 外してください。

(2) 制御器箱の横から出ている軸を時計方向に回してリミット

スイッチを復帰させます。その際ウデは軸につけたままにしておいてください。

(3) ㊦の押ボタンを押し寸動運転で徐々にフックを下げます。

(4) 組立は分解を逆に行ってもらって結構です。

押ボタンの東西は、制御器箱からホイストを見た場合の方向を示します。(右図参照) 最後に無負荷で全長にわたり運転し異状の有無を確認してください。

負荷試運転

(イ) 定格負荷運転

定格の荷重をつり、まず巻上げ、巻下げを行いブレーキの効き具合を確かめ、つぎに全長を走行させて I 形鋼やトロリ 線に不具合のないことを確かめてください。ついで特性試験、性能試験を行います。

(ロ) 過負荷試験

定格の 125%の負荷をつり、数回上下してみます。

ホイストは出荷の時、125%の過負荷運転を行ったうえ納入しておりますので間違いはないのですが、この試験によ り、I 形鋼やその他の工事の試験もできますので、安全上の見地からお勧めいたします。ただし、この試験はあくまでも 各部の機械強度を確かめるためのもので、性能試験は定格荷重で行います。

(ハ) 横行ブレーキの調整(横行が商用運転の場合)

横行停止時、ブレーキが効きすぎると荷振れを起こし、効かないと惰行して危険です。

横行モータの鋼板製カバーをあけ、内部のボルトを回し、荷振れしない最適の強さに横行ブレーキを調整ください。

●逆相を直す時、押ボタンスイッチ部分で接続替えを行わない。

※リミットスイッチが動かなくなり、ワイヤロープ切断によるつり荷落下で けがをする恐れがある。

!

警告

東(右) (左)西

制御器箱 走行

(13)

ブレーキの保守、点検 (1/2t~5t)

巻上電磁ブレーキ

巻上モータの端面に位置し、荷重の停止、保持を行います。

1/2t は電磁ブレーキ箱内に突出たモータ軸の先端にブレーキ板がインボリュートスプラインにて噛み合わされています。

1t~5t はブレーキ歯車がモータ軸に噛み合わされています。

な お 、 1 / 2 t ~ 5 t に は ブ レ ー キ 板 が 摩 耗 し て も 鉄 心 間 の ギ ャ ッ プ を 常 に 適 正 に 保 つ 自 動 調 整 機 構 を 備 え て い ま す の で 調 整 の 必 要 は あ り ま せ ん 。 も し ブ レ ー キ の 効 き が 甘 く な り 停 止 時 に 荷 重 の ス ベ リ 量 が 多 く な り ま し た ら ブ レ ー キ 板 の 摩 耗 限 界 で す の で 、 ブ レ ー キ 板 を 交 換 し て 下 さ い 。

〔1/2t~5t 分解、組立およびブレーキ板交換要領〕

(1)固定鉄心の端面にネジ締めしているフタを外し圧縮コイルバネを取ります。その際ボルトは均等に緩めてください。

また、パッキンを損傷しないように外してください。

注意!フタがパッキンにより固着してネジを緩めても外れない場合は、ボルトを完全に外す前に衝撃を与え、

取外してください。バネ力によるフタの飛出しを防止できます。

(2)フタを止めていたボルトを利用して、可動鉄心と圧力板を仮締めします。

注意!仮締めをしないと調整リングの落下や 2 個の押バネ(調整リングが落ち易くするための小さいバネ)を 紛失する場合があります。

(3)固定鉄心を外します。その際、パッキンを損傷しないように外してください。

ブレーキコイルは固定鉄心の中に収められています。

注意!このパッキンは「水の浸入」と「電磁石の磁束漏れ」を防止するものです。万一、破れた場合は交換してください。

使用しないで組立てた場合、パッキン厚み分(t=0.8mm)吸引ギャップが狭くなり、ブレーキがロックしてモータを 焼損する危険性があります。また、磁束漏れによりブレーキの応答性が悪くなります。

(4)仮締めした可動鉄心、調整リング、圧力板を外すとブレーキ板、制動板が取出せます。

注意!ブレーキ板交換の際は電磁ブレーキ箱内をきれいに清掃してください。

特に、制動板裏面および電磁ブレーキ箱接触面、圧力板・制動板のガイド部(耳部)の摩耗粉を除去してください。

(14)

(5)新しいブレーキ板をモータ軸またはブレーキ歯車にはめ合わせます。

ブレーキ板を手で軽く左右に回してガタがない事を確認してください。

注意!ブレーキ板を新品に交換してもガタが大きい場合はブレーキ歯車が摩耗しています。このまま使用すると起動、

停止時の衝撃でブレーキ板歯車の損傷が早くなりますのでブレーキ歯車の取替えが必要です。ブレーキ歯車と モータ軸はインボリートセレーションにてきつく噛み合わされています。ブレーキ歯車を抜く場合は、抜き工具を 用意して分解してください。(2 個の抜きネジ(サイズ M8)が空いています。)

組込みの際は、内径溝部にモリ PS グリース No.2 を充填してください。

(6)調整リングを圧力板偏心溝の深い方(UP 側)へ押バネを挿入してはめ込み、その上から可動鉄心を当てて、

組立ボルトで締上げてください。組立ボルトはフタ用締付ボルトをご使用ください。

(7)そのまま一体の状態でブ電磁レーキ箱へ挿入しますが、調整リングは必ず上方に位置していることを確認して組込んで ください。こうしないと自動調整機構が働きません。

(8)次に固定鉄心を取付けますが、吸着面と中央部のギャップ(スキ)が 0.1mm~0.3mm の範囲にあることを確認して 組込みます。もしギャップ(スキ)が 0.1mm 以下 0 近くになっているようでしたら固定鉄心を交換します。

注意!ギャップ(スキ)が 0.1mm 以下 0 近くなると、ブレーキ作動遅れが発生して制動距離が長くなります。

(9)(6)項で使用した組立ボルトを取外してバネを入れ、フタをします。この際も分解と同様にボルトを均等に締付けてください。

保守のポイント

(1)ブレーキ板摩耗の確認

ブレーキ箱の斜め上面に点検用の窓が設けられており、ゴム製のフタを取外す とブレーキ板が見えます。ブレーキ板 1 枚の厚さが概略右図以上であることを確 認ください。ブレーキ板の厚さが右図以下となっていれば、ブレーキ板を取外し て、

右図によりライニングの片面の残り寸法を確認ください。

使用状況によっては、摩耗量が両側均一にならないことがありますので、

必ず両側とも測定してください。

摩耗限界はライニング片面厚さが 0.5mm です。

この近くになりましたらブレーキ板を交換してください。

ライニング部断面図

注)このライニング磨耗限界は機械的使用限界で す。インバータ運転の場合は『年次点検』に記載 の寸法に従って下さい。

1/2t-7.8mm以上 1t-6.3mm以上 2、3、5t-5.0mm以上

(15)

(2)固定鉄心の吸着面と中央部とのギャップ(スキ)の確認 正常値は 0.1mm~0.3mm です。

(3)圧力板、調整リングの落下段付部角の面取り値確認 正常値は C0.2 以下です。

(4)ブレーキ歯車を分解した場合の内周部へのグリース封入 対象は 1t~5t です。

(5)電磁ブレーキ箱と固定鉄心、固定鉄心とフタ間の パッキン挿入忘れがないか確認

パッキンが損傷していれば新品と取替えてください。

(6)摩耗ゲージの確認

圧力板、制動板の摩耗限界ゲージ(溝または段付)が見えなくなっていたら、新品のブレーキ板に交換しても ギャップが広くなるため、すぐに調整リングが落下するようになります。部品寿命ですので新品と交換してください。

(1/2t は制動板がありませんのでブレーキ箱の交換となります)

横行電磁ブレーキ

ブレーキギャップの調整は不要です。また、ブレーキトルクは適正な惰行量 が得られるようなブレーキ力(モータトルクの 50%)に設定されていますが、

荷重条件などにより、ブレーキ力を変える必要がある場合には、

次のように調整します。

ブレーキカバーを外すと、中心に調整ボルト(六角ボルト)が見えます。

ブレーキトルクは、この調整ボルトを右に回すと大きくなり、左に回すと小さく なります。(調整範囲は、モータトルクの 0~100%です)

月例点検時には固定鉄心を取外し、ライニング厚さを確認するとともに、

ライニング摩耗粉等の清掃を行ってください。ブレーキ板は厚さが 5.5mm 以下 になると、ブレーキの吸引ができなくなることがあります。この近くになっていま したらブレーキ板を交換してください。

直流電磁ブレーキ 固定鉄心部分

端子台

(16)

ブレーキの保守、点検 (7.5t~60t)

巻上電磁ブレーキ

巻上モータの端面に位置し、荷重の停止、保持を行います。ブレーキカバーはキャッチクリップ方式で、簡単に開閉できま す。

月例点検時には、必ず下記によりブレーキギャップの確認、調整、およびブレーキ板の摩耗状況の確認を行ってください。

〔7.5t~60t 分解、組立およびブレーキ板交換要領〕

(1)端面のカバーをとり、電磁ブレーキ箱と電磁石箱との締付ボルトを外しますと、電磁石組立として取出せます。

可動鉄心、レバー等の可動部分は支点となるピンを外せば容易に分解できます。

(2)電磁石組立部分は押え金を外しますと、コイル、座ゴム、固定鉄心、緩衝ゴムと順々に取出せます。

(3)圧力板、マサツ板(10t:1 枚、7.5t、15t~30t:2 枚)、ブレーキ板(3 枚)を取出します。

ブレーキ歯車はモータ軸に噛合わされています。ブレーキ歯車を抜く場合は、C 形止メ輪を外して手前に 引き出すと抜けます。なお、固い場合もありますので抜き工具を準備して下さい。

2 個の抜きネジ(サイズ M8)があいています。

組込みの際は、内径溝部にモリ PS グリース No.2 を充填して下さい。

新しいブレーキ板をモータ軸にはめ合わせます。ブレーキ板を手で軽く左右に回してガタがないことを確認して下さい。

もしガタが大きい様でしたら部品の取替えが必要です。

(4)組立は分解と逆におこなって下さい。

交流電磁ブレーキコイル接続替え 赤:60Hz タップ

(17)

保守のポイント

1.ブレーキ板摩耗の確認

ブレーキ箱の斜め上面に点検用の窓が設けられており、ゴム製のフタを取外す とブレーキ板が見えます。ブレーキ板 1 枚の厚さが概略右図以上であることを確 認ください。ブレーキ板の厚さが右図以下となっていれば、ブレーキ板を取外し て、

右図によりライニングの片面の残り寸法を確認ください。

使用状況によっては、摩耗量が両側均一にならないことがありますので、

必ず両側とも測定してください。

摩耗限界はライニング片面厚さが 0.5mm です。

この近くになりましたらブレーキ板を交換してください。

2.ブレーキギャップ(スキ)の確認

(1) ブレーキカバーを開くと電磁石組立が見えます。

(2) 下図で示す可動鉄心と固定鉄心とのギャップ(スキ)をゲージと比較します。

ギャップ(スキ)がゲージの段付きの範囲であれば適正です。

(3) 可動鉄心の端がゲージの範囲より出ている場合は、調整ボルトによりギャップ(スキ)を適正に設定してください。

3.ブレーキギャップ(スキ)の調整

ギャップ(スキ)の調整は、まずフックブロックを床まで降ろしてから実施してください。

フックブロックの重みで巻き下がる恐れがあります。

(1) 調整ボルトに付いている回り止めの中心を押し、両側を手前に引き広げるようにして回り止めを取り外しください。

(2) ギャップ(スキ)をゲージと比較し、ギャップ(スキ)が適正となるまで調整ボルトを調整します。

調整ボルトをねじ込みますと、固定鉄心と可動鉄心のギャップ(スキ)は小さくなります。

工具なしで調整ボルトをねじ込む時は、可動鉄心を固定鉄心に接触するまで押し込んだ状態で調整ボルトを回します。

この状態では工具なしで簡単に回すことができます。

(3) 調整終了後は、調整ボルトに回り止めを装着します。回り止めが確実にセットされていることを必ず再確認して下さい。

(4) 電磁石組立が 2 コある機種は、それぞれについて同様に調整します。

※ 使用頻度が高い場合は、点検の間隔も短めに設定してください。

注)このライニング磨耗限界は機械的使用限界で す。インバータ運転の場合は『年次点検』に記載 の寸法に従って下さい。

5.0mm以上

ライニング部断面図

(18)

4.可動鉄心と固定鉄心の確認

(1)各部の割れ等がないことを確認してください。

(特に、くまとりコイル)

(2)可動鉄心と固定鉄心を電磁石箱から取り外し、

お互いの吸着面をくっつけた状態で

中央脚部のギャップ(スキ)があることを確認してください。

ギャップ(スキ)がない場合はすぐに交換してください。

(3)可動鉄心、固定鉄心の吸着面に使用による極端な摩耗、

面荒れ等がないことを確認 してください。

横行電磁ブレーキ

ブレーキギャップの調整は不要です。また、ブレーキトルクは適正な惰行量が得られるようなブレーキ力に設定されています が、荷重条件などにより、ブレーキ力を変える必要がある場合には、次のように調整します。

ブレーキカバーを外すと、中心に調整ボルト(六角ボルト)が見えます。ブレーキトルクは、この調整ボルトを右に回すと大きく なり、左に回すと小さくなります。(調整範囲は、モータトルクの 0~100%です)。調整ボルトには、締め込み過ぎを防止するため のスペーサが付いています。

締め込み過ぎますと、ブレーキが吸引不良となりますので、このスペーサは必ず付けたまま調整ください。

ブレーキ板は長寿命に設計されていますが、月例点検時には固定鉄心を取り外し、ライニング厚さを確認するとともに、

ライニング摩耗粉等の清掃を行ってください。

ブレーキ板は厚さが 7mm 以下になると、ブレーキの吸引力がでなくなることがあります。

この近くになっていましたらブレーキ板を交換してください。

(19)

ワイヤロープの点検、保守

ワイヤロープは、日常点検で常に検査するとともに、月例点検時には、ロープ端末部、エコライザシーブ部およびドラム 巻取り部分を観察して、素線切れ、変形がある場合は、直ちにロープを交換してください。(予め交換用のロープを用意さ れておくことをお勧めします)

ロープ取替

2 本つりは、固定側のピンを抜きますと容易に外れます。

4 本つりは、つり手の上部に吊下げ用のネジがあいていますので、そのネジを利用してつり手を吊上げ、つり手軸を抜 きますと取外せます。

なお、2 本吊、4 本吊共に巻胴側はロープを全部巻解いてもらうと容易に取外すことができます。

※ワイヤロープ組立は強度上の重要部品です。交換の際には必ず純正部品をご使用ください。

※ロープカラミの手直し方法は「ワイヤロープのカラミ手直し方法」の項を参照下さい。

※ワイヤロープ交換時、ロープ固定端が巻胴から外れ易い構造となっていますので、ロープ固定端が巻胴から外れた際、

ワイヤロープが落下しないようひ

等で結びワイヤロープの落下防止を行ってください。

※ワイヤロープ交換の際、4 本吊固定側のエコライザシーブ軸への給油を行ってください。

また、交換後に吊手部(隠れている部分)のワイヤロープによじれがないことも確認してください。

フックブロック部は、シーブカバー両側のボルトまたはナットを緩めれば、カバーを取外すことができます。2 本吊の場合、

さらにフックシーブを取外してロープを交換します。再組立時は、取付ボルトおよび溝付ナットは確実に締付の上、4 本吊 の場合溝付ナットの割ピンを確実にセットしてください。

2 本吊固定側 4 本吊固定側

巻胴側

吊下げ用ネジ

つり手

シーブ軸

エコライザシーブ つり手軸

1/2t は M6 ネジ 1t~10t は M8 ネジ 15t~30t は M12 ネジ

(20)

減速部の構造および分解・組立 (1/2t~5t)

減速部分

1/2t~3t は単純 2 段減速、5t は単純 3 段減速で 5t の最終段を除き、ハスバ歯車を使用しております。

潤滑は油浴潤滑方式としております。軸受は、すべてボールベアリングとしております。

(1) 1/2t~3t 分解要領

① センサケースのフタを取外すと、第 1 歯車の軸端が見えます。この状態で RRS 基板を取外します。

② 巻上歯車箱と G カバーの締付ボルトを緩めると G カバーが外れます。(センサケースと共に外れます)

③ 第 4 歯車軸の C 形止メ輪を外します。

④ 第 2、3 歯車を取出します。このときハスバ歯車ですのでネジレ角に添うように回しながら取外してください。

(歯面に傷を付けないように十分注意してください)

⑤ 第 1 歯車を引出します。

⑥ 第 4 歯車を引出します。

(2) 5t 分解要領

① センサケースのフタを取外すと、第 1 歯車の軸端が見えます。この状態でエンコーダを取外します。

② 巻上歯車箱と G カバーの締付ボルトを緩めると G カバーが外れます。(センサケースと共に外れます)

③ 第 1 歯車を引出します。

④ 第 2、3 歯車を取出します。この時ハスバ歯車ですのでネジレ角に添うように回しながら取外してください。

(歯面に傷を付けないように十分注意してください)

⑤ 第 4 歯車軸の C 形止メ輪を外します。

⑥ 第 4 歯車を引出します。

第 4 歯車にあけられたネジ穴を利用して、ボルト(M14 ネジ)をねじこみ、歯車箱にあてて抜出してください。

⑦ 巻上歯車箱、G ブラケットと枠とを締付けているボルト(M14 ネジ)を緩めますと、歯車が取外せます。

この際、巻胴、G ブラケットがいっしょに外れてきます。当て物等にて、枠に巻胴と G ブラケットを残すように 作業してください。

(3) 組立(1/2t~5t)

① 組立は上記分解と逆に行いますが、G ブラケット(5t のみ)を締付ける前に G ブラケットと巻上歯車箱との合わせ面 およびGカバーと歯車箱の合わせ面は充分脱脂を行い液体パッキン(スリーボンド№1206D または№1104 等)を両面に 塗布します。(古いパッキン材は完全に取除いて作業してください)

※分解後は、オイルシールを新品に交換し、接触部はグリースを塗布してください。

また、組立時傷つけないようにご注意ください。

② 巻上歯車箱に注油してください。

「OIL」と書いた給油栓を外してオイルを油面が窓から確認できる範囲(目安としては油面計中央)まで注油してください。

油量は多すぎると油漏れの原因となりますので必ず下表を参照してください。

油量

t 数 1/2 1 2 2.8 3 5

油量(ℓ) 0.25 0.5 0.95 1.7 1.7 3.3

※なお、推奨オイルは下記の通りです。

ギヤー油 JIS 1 種 4 号相当 (IEC 1 種 2 号 クラスⅡ相当) シェルモーリナ S2BA220 (昭和シェル石油)・・・・・・使用オイル FBK オイル RO220(JX 日鉱日石エネルギー)

(21)

巻上歯車箱 4G G カバー センサケース

RRS 基板 フタ

オイルシール

2G 3G

1G

センサケース RRS 基板

フタ

G カバー 巻上歯車箱 オイルシール

6G

オイルシール G ブラケット

1G

オイルシール 2G

3G 4G

5G

1/2t~3t

5t

センサケース内(RRS 基板)

(22)

横行部分

1/2t モノレール形、ローヘッド形

単純 2 段減速で、1 段目は歯車箱内グリース潤滑、2 段目はカバーにて防塵構造のグリース潤滑(モリ PS グリース No.2)です。最終第 4 歯車は、それぞれ車輪にボルトで固定されています。

点検時には歯車が滑らかに噛合うようグリースを塗布してください。

1t~3t モノレール形、ローヘッド形

単純 2 段減速で歯車は歯車箱内に密封されグリース潤滑となっています。

横行性能を良くするため、車輪のフランジをなくしガイドローラを設けています。

これはピンを抜くだけで容易に取外し可能です。

5t モノレール形、ローヘッド形

単純 2 段減速で、1 段目は歯車箱内グリース潤滑、2 段目はカバーにて防塵構造のグリース潤滑(モリ PS グリース No.2)です。最終第 4 歯車は、それぞれ車輪にボルトで固定されています。

2.8t~5t ダブルレール形

ダブルレール形も単純 2 段減速、歯車箱内グリース潤滑で、歯車箱は上部、下部に分割できる軸上減速機で分解組立 が簡単にできます。

グリースの量は下表の通りです。なお再組立時、横行側板と G ケース合わせ面には液体パッキン (セメダイン社ポスシールまたはスリーボンド社 N0.1206D)を塗布してください。

グリースの量

型 式

モノレール、ローヘッド ダブルレール

1/2t 低揚程 1/2t 高揚程

1 t 2t~3t 5t 2.8t~5t

1 段目 2 段目 1 段目 2 段目

量 (g) 歯面全周塗布 300

推奨グリース モリ PS グリース No.2

(住鉱潤滑剤)

アルバニア EP-2 (昭和シェル)

モノレール横行部

(23)

減速部の構造および分解・組立 (7.5t~60t)

巻上部分

大きな減速比を得る為、7.5t~20t は単式+複式、30t 以上は複式 2 段の遊星歯車機構となっております。

分解は構造図を参照して外側の部品より順次取り外します。分解、組立の際に特に注意しておくべき要点を下記に示しま す。

● 10t~20t の第 1 歯車軸は、第 2 歯車を取り外した後、引き抜いてください。

(第 2 歯車をセットしたまま無理に第 1 歯車を引き抜かないでください。)

又、組立時は第 1 歯車をセットした後第 2 歯車をセットしてください。

● 7.5t の第 5・6 歯車軸は、右図のようにバネピン式固定方法 となっておりますので針金などでピンを押し下げ先端を軸外径より 中へ入れてから軸を引き抜きます。

10t の後段および 15t、20t の第 5・6 歯車軸(30t は第 6・7 歯車軸)は ボルトでセットして舌付座金で回り止めをしております。

● 組立は分解と逆に行えば組立てることができますが、

特に下記の点に注意してください。

(1) 複式遊星歯車部分(歯車台に 2 個組になった歯車が

対称してついているもの―7.5t~20t の後段、30t 以上)の歯部に刻印 した印を中心に最も近い位置に一直線になるようにして内歯車と組立て てください。(右図参照)。

単式遊星歯車部分(上記以外)は、マーク合わせは不要で中心線が 一直線になるように組立て、手で軽く回転する様であれば充分です。

(2) バネピンや舌付座金によるセットを忘れないでください。

(3) 歯車台に歯車を組込む時、歯車の両側に入れるスペーサは 分解した時と同じ枚数にします。

(4) 中間軸がモータ側の接手に入らない場合は第 1 歯車軸を接手に 少しのぞかせて左右に軽く回すとスムーズに入ります。

(5) オイルシールはリップルを傷つけない様にグリースを塗って 軸を入れ込みます。

(6) 合わせ面には油が漏れない様にスリーボンド No.1104 などの 接着剤を塗布します。

(7) 7.5t 以上後段の遊星歯車は給油口からずらした位置に組込みます。

給油する際に油が歯車に当たりスムーズに入らないことがあります。

注 油 (分解組立時)

「OIL」と書いた給油栓をはずしてオイルを油面中央まで注油してください。

遊星歯車が給油栓の近くにある場合、油が入りにくいことがありますので、この時は少し上 又は下 の押ボタン を押して遊星歯車の位置をずらしてから注油ください。その他の部分は予めグリースを封入しておりますので改 めて注油される必要はありません。なお、オイルは 6 ヶ月後に 1 回、後は分解時に取替、グリースも分解時に入れ 替えるだけで十分です。

(24)

巻上減速用オイル

横行減速用グリース

なお、推奨オイルは下記の通りです。

ギヤー油 JIS 1 種 4 号相当

シェルモーリナ S2BA220 (昭和シェル石油)・・・・・・使用オイル FBK オイル RO220 (JX 日鉱日石エネルギー)

油面が窓から確認できる範囲(目安としては油面計中央)まで注油してください。

t 数 7.5 10 15 20 30 油量(ℓ) 2 4 6 8 10

歯車箱内 露出歯車

量(g) 300 歯面全面塗布

推奨グリース アルバニア EP-2

(昭和シェル)

モリ PS グリース No.2

(住鉱潤滑剤)

(25)

メンテナンス用始動回数

  カウンタ値(coun.) OUT3出力 50万回未満 1秒を1回 50万回以上 0.3秒を2回 100万回以上 0.2秒を3回

(26)
(27)
(28)
(29)

異常検知機能

異常時は OLM 基板上の 7 セグメント LED にエラー番号を点滅表示し、ホイストが停止します。

一度押ボタンから手を離してもう一度押すか、電源を遮断して原因を除去してから再度運転して下さい。

異常検知機能一覧表

名称 検知内容 処置 原因 再操作 表示

停電

(注 1)

交流電源 OFF(500ms 以上電源遮断) 瞬時停電(5~500ms 間電源遮断)

急停止 異常表示

停電

トロリ接触不良 可能

Er01

電源低電圧 電源電圧 160[Vac]以下 急停止 異常表示

電源容量不足

トロリ接触不良 可能

Er02

電源過電圧 電源電圧 50Hz 時 242[Vac]

60Hz 時 253[Vac]以上

急停止

異常表示 過荷重巻下 可能

Er04

押釦不良 巻上/下信号同時入力 押釦入力回路故障

急停止 異常表示

配線ミス

OLM 基板故障 可能

Er11

始動不良 巻上下操作中にエンコーダからの 2 相信号が 0.5 秒以上認められない

急停止 異常表示

過荷重巻上

ブレーキ故障 可能

Er12

巻下中上昇 巻下運転中にフックが上昇した 急停止

異常表示 電源相接続不良 可能

Er13

巻上中下降 巻上運転中または停止中にフックが 下降した

急停止 異常表示

過荷重巻上

ブレーキ故障 可能

Er14

エンコーダ

(注 2)

エンコーダからの

2 相信号の片側が欠落した

急停止 異常表示

断線

エンコーダ故障 禁止

Er21

オーバスピード 最高回転数の 150%を超えた 急停止

異常表示 モータ断線 禁止

Er22

位置リミットオーバ カウンタオーバーフロー 急停止 異常表示

エンコーダ故障 OLM 基板故障 ノイズ

禁止

Er23

過荷重巻上

(注 3) 過荷重判定値を超えた 急停止

異常表示 過荷重 可能

(下操作)

oL

(注 1)瞬時停電のみ異常履歴に残ります。交流電源 OFF は異常履歴には残りません。

(注 2)エンコーダからの信号を読みとることで位置を検出していますので、信号が欠落すると位置検出機能の設定位置が ずれている可能性がある為、再度設定してください。

(注 3)異常履歴には残りません。

(30)

保 守 と 点 検

ホイストの点検項目を以下に詳細記述しておりますが,クレーン等安全規則(34 条・35 条・36 条)等により,日常点検を はじめとして定期自主検査が義務づけられています。従って保守点検は必ず実施してください。

日 常 点 検

毎日作業に着手する前に,取扱責任者がホイストを空荷のまま運転して,次の事項を確認します。

●製品および付属品の改造は絶対にしない。

●三菱純正部品以外は絶対にしない。

項 説明

1 歩行の安全の確認

2 ストッパにも気をつける

3

4

5

停止より高速(60Hz)への加速時間が1秒高速 (60Hz)より停止の減速時間が0.5秒,押ボタン から指はなした後のフックブロック移動距離が 50~80mm以内なら正常

7 荷重落下の防止

8 寿命を縮めたり,断線の原因になる

9

10

日 常 点 検 事 項

運転者の歩行範囲にある特別な障害物に気をつける

横行レールを床上から見渡し,異常はないか

ワイヤロープはドラムに正しく巻付けられているか

玉掛用具に異常はないか

全般に異常過熱,変色はないか

フックブロックのシーブは円滑に回転するか

フックは容易に回り,かつフックナットの止めに異常はないか ワイヤロープがシーブから外れることはないか

押ボタンが逆の場合,リミットスイッチが効かな い

押ボタンから指をはなした後のフックブロック 移動距離が20~50mm以内なら正常 (UR形の制動距離は巻下低速運転時 30mm以内,巻下高速運転時60mm以内なら 正常)

もし始動時間が1秒以上もかかったり,動きに 円滑さを欠くようなら故障である

リミットスイッチは確実に作動するか

平素と異なる音,においまたは振動はないか

ブレーキの効き具合はよいか

(UR形の場合は巻上高速から急停止が正常)

6 押ボタンの表示どおり円滑に動くか

●低速・高速が確実に動作するか

●低速・高速の切替えがスムーズか  通常と変わった点はないか

●停止時減速して停止するか  また停止距離は通常と同等か

巻上加速時間・減速時間が約0.3秒なら正常

:インバータU2形,UR形に適用

:インバータUR形に適用

!

危険

(31)

良否 不良内容 および処置

修理完 了月日 1

2

3

4

5

素線の 断線 摩耗の 状況

キンクの有無,形くずれ,腐食 ワク固 定部品金物,

ピン,シーブの状況 端末金 具入口の腐食 スラスト玉 軸受回転の状況 フックナットの回り止めの状況 シ ーブ損傷の 有無

シ ーブケース,キープ レート(名板) 等の損 傷,緩みの有無,吊りワイヤ 外れ止 め部 の状況

8 9 10 11

12 プリント基板の取付状態,外観異常の 有

13 取付状 態,外観異常の有無 内部に塵埃が侵入していないか 湿気,ガスによる腐食,変色は ない か 圧着端 子締付ネジの緩み

15

16 セグメント表示の点灯確 認 17

説 明 月 

項 点 検 項 目

金属外函ボタン接地線の断線 ,締付ネジ の緩みの有無,

押ボタンケーブル貫通部の 異常の有無

金属 外函の場合、漏電すれば感電するので,

内部 もざっと調べる 操作ボタンの状況

インタロックは完全か 引っ掛かって戻らないこと はないか

横行範囲内に障害物はないか 他の ものに接触しないか

レールの両端のストッパの変形,脱落および 取付ボルトの緩みの有無

過巻リミットスイッチレバーの動 作確認 ピン脱落で動作しないことはないか 調整 はよいか

6

1燃中素線数の10%未 満 直径 公称の7%以下

キンク,形くずれ、腐食がないこと 抜け止め,割ピン,摩耗など つけ根部分の油切れ,断線,腐食など ワイヤロープ

フックの亀裂,摩耗,変形の有無 目視 で目立つ程度の異常はないか

玉掛用具の異 常の有無 変形 ,伸び断線など

7

ナットの回り止めを傷める 割ピン,止めネジなどの脱落 損傷 ,溝の摩耗

締付 ネジの緩み 損傷 にも注意

ガタはないか,バネ効果の具合 フック

ブロック

回転センサ

R RS基板への塵埃の付着,腐食 はないか,

回転 軸に変形はないか,カバーを取外し目視 で確かめる

インバータ 取付 ネジの緩み

横行側板,ナットの緩み,割ピン脱落の有無 側板 の変形・開きを目視

I形鋼ま たはホイスト本体の接地 接地 点の点検,ネジ 緩みの有無目視

外部ケーブ ルの外観異常の有無 被覆 の損傷,変形 表 示

14 制御器箱

特にプリント基板注意

端子 台,プリント基板上端子台

無負荷試運転 日常 点検の2~6項の確認

月 例 点 検

ホイストの保守責任者が,ホイストに直接ふれて次の事項を確認し、不良個所を修理します。

実際は,安全上の重要性,保守上の難易,使用頻度の大小,消耗品か否か等によって各部分の点検時期を定めるのが 望ましいので,以下のように分類しています。

・・・・・・安全上重要で月 1 回は必ず点検する必要がある項目

A級

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※ 1 アンテナは本体に内蔵されています。アンテナ 付近を手で覆うと通信品質に影響を及ぼす場合が あります。 ※ 2 CE マーク、 FCC ID

USBフラッシュメモリーを使う 応     用 5 [0/実行(EXECUTE)]ボタンを、もう一度押し

2.画面説明 2-5.通知設定画面 Ⓐ Ⓑ Ⓒ このみまもり ID に関連し たスマホにみまもりタグが

0.01 mgおよび0.1 mgモデルの注意事項: 大気中での重量が20