平成 17 年度 日本自転車振興会補助事業
オープンソースソフトウェアの標準化調査研究 成 果 報 告 書
平成 18 年 3 月
財 団 法 人 日 本 規 格 協 会
情報技術標準化研究センター
目 次
1 序文··· 1
2 委員会構成··· 2
2.1 本委員会··· 2
2.2 WG1··· 3
2.3 WG2··· 3
3 平成17年度の活動経緯··· 4
3.1 本委員会··· 4
3.2 WG1··· 4
3.3 WG2··· 4
4 オープンソース・ソフトウェアに関する標準化調査研究本委員会活動報告··· 6
4.1 はじめに··· 6
4.2 情報産業から見たOSSの意義と影響··· 9
4.3 2005年度の委員会活動··· 9
4.4 2006年度の活動について··· 10
5 オープンソース・ソフトウェアに関する標準化調査研究委員会WG1活動報告··· 12
5.1 WG1の目的と方針··· 12
5.2 2004年度の検討結果··· 12
5.2.1 OSSの定義··· 12
5.2.2 必要なファンクションの定義とマッピング··· 12
5.3 2005年度の検討状況··· 14
5.3.1 OSS開発プロジェクトとその運営··· 14
5.3.2 検討の進め方··· 15
5.3.3 Software Freedom Law Center について··· 16
5.3.4 PostgreSQL について··· 17
5.3.5 Zope について··· 20
5.3.6 Eclipse について··· 23
5.3.7 KDE について··· 27
5.3.8 デスクトップディストリビューションについて··· 29
5.3.9 デスクトップOSS関連の標準化動向··· 31
5.4 マップ分析と今後の可能性··· 32
5.4.1 マップ分析··· 32
5.4.2 今後の可能性··· 34
6 オープンソース・ソフトウェアに関する標準化調査研究委員会WG2活動報告··· 35
6.1 調査・研究の目的と方針··· 35
6.2 地方公共団体の電子化への取り組み··· 36
6.2.1 地方公共団体の状況··· 36
6.2.2 地方公共団体の電子化への取り組みとOSS··· 37
6.2.3 地方公共団体における電子化対象業務··· 38
6.2.4 OSSに対する地方公共団体の認識··· 40
6.3 OSSによる地方公共団体システムの実現と維持··· 45
6.3.1 ソフトウェアの供給の流れ··· 47
6.3.2 ハブ機構が備えるべき機能··· 47
6.3.3 共通機能··· 49
6.4 今後の計画··· 51
附属資料··· 52 WG1附属資料
1)Software Freedom Law Center:Introducing SFLC 2)Software Freedom Law Center:GPL3
3)オープンソースの統合開発環境:Eclipseの概説 4)KDEプロジェクトについて
WG2附属資料
1)地方公共団体におけるOSS利活用アンケート調査
2)GIS紹介:地質調査業界におけるWeb-GISの普及活動について 3)GIS紹介:リスク対応型地域管理情報システム
1 序文
セキュリティ向上や開発・保守コストの削減のためにオープンソース・ソフトウェア(OSS)の利用が 海外では急速に進んできている。しかしながら,国内では市場に占める割合も小さく,開発環境の整備も 今一歩の状態である。その理由は,OSSに対する様々な不安(品質,サポート),事業化への開発者の不 安,ライセンス問題などが解消されていないためである。 本委員会では,これらの不安を払拭するため に,OSS関連技術の標準化を通して,問題点の洗い出し・解説を行う。既存の基本ソフトウェアを主体 とするオープンソース・ソフトウェアに加えて,アプリケーションソフトウェア(業務ソフトウェア)を 調査研究対象とし,アプリケーションソフトウェア製品を共有する仕組みなどを検討し,提案していく事 にした。特に,官公庁や自治体では,業務ソフトウェアの共同開発が実験的に実施されており,こうした 活動とも協調し,調査研究を進めていく予定である。将来的には,海外の動向・普及状況を調査し,国内 普及への施策の提案も行う。
2 委員会構成
委員会は,当初本委員会だけで開始し,オープンソース・ソフトウェアについて種々の検討を行い,そ の結果,2つのWGに分かれて,それぞれのテーマに沿って,さらに調査研究を行っている。
2.1 本委員会
委員長 大場 充 広島市立大学 情報科学部 幹事 長野 宏宣 ロンドベルテクノロジー株式会社 委員 有賀 貞一 株式会社 CSK
委員 五十嵐 篤志 藤沢市役所 企画部
委員 井上 賀博 財団法人地方自治情報センター 研究開発部 委員 川田 俊尚 三菱電機株式会社 社会環境事業部
委員 菊田 昌弘 株式会社シナジーインキュベート
委員 小出 信介 富士通株式会社 プロダクト事業推進本部
委員 小林 勝哉 NTT コムウェア株式会社 オープンソースソフトウェア推進部 委員 塩谷 和範 株式会社SRA先端技術研究所
委員 滋賀 賢治 広島市役所 情報政策部 委員 醍醐 恵二 浦安市役所 経営企画部 委員 高島 史郎 内閣府経済社会総合研究所
委員 野村 茂豊 株式会社日立製作所 情報通信グループ 事業戦略本部 委員 日向野 伸弘 埼玉県庁 総務部
委員 藤本 憲司 日本電信電話株式会社 NTT サイバースペース研究所 委員 吉田 稔 西宮市役所 情報政策部
経産省 堀坂 和秀 経済産業省 産業技術環境局
事務局 山形 薫 財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター 事務局 田村 由佳里 財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター 関係者 稲葉 昭一 ゼッタテクノロジー株式会社 e-Japan本部 関係者 小松 誠 株式会社メディアフロント
関係者 関川 誠 オープンソース・ジャパン株式会社 関係者 矢野 広一 ターボリナックス株式会社
関係者 山田 寛之 NTT コムウェア株式会社 オープンソースソフトウェア推進部 関係者 山本 重明 株式会社大和総研 システムソリューション事業本部
2.2 WG1
主査 小林 勝哉 NTT コムウェア株式会社 オープンソースソフトウェア推進部 幹事 野村 茂豊 株式会社日立製作所 情報通信グループ 事業戦略本部 委員 有賀 貞一 株式会社 CSK
委員 大場 充 広島市立大学 情報科学部
委員 小出 信介 富士通株式会社 プロダクト事業推進本部 委員 小松 誠 株式会社メディアフロント
委員 塩谷 和範 株式会社SRA先端技術研究所 委員 関川 誠 オープンソース・ジャパン株式会社 委員 長野 宏宣 ロンドベルテクノロジー株式会社
委員 山田 寛之 NTT コムウェア株式会社 オープンソースソフトウェア推進部 委員 矢野 広一 ターボリナックス株式会社
経産省 堀坂 和秀 経済産業省 産業技術環境局
事務局 山形 薫 財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター 事務局 田村 由佳里 財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター 関係者 菊田 昌弘 株式会社シナジーインキュベート
2.3 WG2
主査 菊田 昌弘 株式会社シナジーインキュベート 幹事 高島 史郎 内閣府経済社会総合研究所 委員 五十嵐 篤志 藤沢市役所 企画部
委員 稲葉 昭一 ゼッタテクノロジー株式会社 e-Japan本部 委員 井上 賀博 財団法人地方自治情報センター 研究開発部
委員 大場 充 広島市立大学 情報科学部
委員 川田 俊尚 三菱電機株式会社 社会環境事業部 委員 小松 誠 株式会社メディアフロント
委員 滋賀 賢治 広島市役所 情報政策部 委員 醍醐 恵二 浦安市役所 経営企画部
委員 長野 宏宣 ロンドベルテクノロジー株式会社 委員 日向野 伸弘 埼玉県庁 総務部
委員 藤本 憲司 日本電信電話株式会社 NTT サイバースペース研究所 委員 山本 重明 株式会社大和総研 システムソリューション事業本部 委員 吉田 稔 西宮市役所 情報政策部
経産省 堀坂 和秀 経済産業省 産業技術環境局
事務局 山形 薫 財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター 事務局 田村 由佳里 財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター
関係者 小林 勝哉 NTT コムウェア株式会社 オープンソースソフトウェア推進部
3 平成 17 年度の活動経緯
3.1 本委員会
第1回 2005年4月26日(火)
・今年度の活動計画について
・自治体へのアンケート結果報告
第2回 2005年11月1日(火)
・Eclipse へのヒアリング
・各WGの活動状況報告
・IPAの「OSS実証実験」公募報告
第3回 2006年2月22日(水)
・今年度の活動状況報告 ・今後の検討方針について
3.2 WG1
第1回 2005年6月07日(金)
・今年度の活動計画について ・Software Freedom Law Center へのヒアリング
第2回 2005年7月29日(金)
・PostgreSQL へのヒアリング
第3回 2005年9月29日(金)
・Zope へのヒアリング
第4回 2005年11月1日(火)
・Eclipse へのヒアリング
第5回 2006年1月24日 ・KDE へのヒアリング ・今年度の報告書について
3.3 WG2
第1回 2005年5月25日(水)
・今年度の活動計画について ・実証実験対象システムについて
第2回 2005年6月22日(水)
・自治体へのアンケート結果纏めと報告 ・OSACについて報告
・GISについて
第3回 2005年7月20日(水)
・「電子自治体実現に向けたオープンソースソフトウェアの活用のための基盤整備実証実験」について ・WebGISについて
第4回 2005年10月5日(水)
・GIS紹介:地質調査業界におけるWeb-GISの普及活動について ・GIS紹介:リスク対応型地域管理情報システム
第5回 2005年11月1日(火)
・今年度の報告書について
4 オープンソース・ソフトウェアに関する標準化調査研究本委員会活動報告
4.1 はじめに
オープンソースソフトウェア(OSS)は,歴史的に見ると,以下のような流れの中で誕生すべくして誕 生した,新しい形式と供給体制をもったソフトウェアであると言える。それは,単に一時的な現象ではな く,今後も継続的に存在し続けるであろう普遍的なソフトウェアの形であると同時に,そのようなソフト ウェアを供給・利用・改善してゆく,基本的な機構の1形態になると予想される。
歴史的に見れば,当初ソフトウェアはIBM等のハードウェアメーカによって開発され,ハードウェア と一体で供給されていた。その典型が,IBMのシステム360とOS360の開発と市場への投入であ った。それ以後,米国法務省によって対IBM独占禁止法裁判が提訴されるまで,ソフトウェアの供給は,
ハードウェアとのバンドルで行われるのが商習慣として定着していた(図1)。このような状況は,我が国に おいても違いはなかった。
図1 アンバンドリング以前のソフトウェア供給
米国法務省による独占禁止法裁判によって,IBMはその企業分割を回避するため,自社が開発したソ フトウェア製品をハードウェアから独立した,採算性のある製品として市場へ投入するアンバンドリング 制度を導入せざるをえない状況に追い込まれた(図2)。これによって,採算性を度外視したソフトウェア製 品の開発と販売や,ハードウェア製品と同じように品質保証に関する責任が発生し,実現性の低い開発計 画の発表や,無償のソフトウェア提供に歯止めがかけられ,市場における公正な競争が求められた。また,
それまでの慣習であったソースコードの配布は,このことをきっかけとして停止された。
IBMのアンバンドリング制度導入により,米国市場においては,ハードウェア市場からは完全に独立 した,ソフトウェア市場が形成され,コンパイラ製品の開発やライブラリ管理システム等の開発に特化し たソフトウェア企業の誕生と市場参入を促進した。さらに,1980年代に入ると,パーソナルコンピュ ータ市場が誕生し,そのソフトウェア市場も誕生し,マイクロソフトなどのソフトウェア企業が大きく成 長するきっかけとなった。
ハードウェア市場 ハードウェア市場
メーカメーカ メーカメーカ システム
インテグレーション システム
インテグレーション
ユーザ ユーザ
ソフトウェア・ハウス ソフトウェア・ハウス
ソフトウェア+サービス ソフトウェア+サービス
ハードウェア
+ 基本ソフトウェア
図2 アンバンドリング以降のソフトウェア供給
一方で,米国においては1970年代後半から,大学を中心としてUnixの利用が一般化し,さらにNSF の支援でカリフォルニア大学バークレー校による改良版であるBSD版が無償配布されるに至って,さらに 普及した。このとき,アテネ・プロジェクトで開発されたウィンドシステムやemacsなども組み込まれて 配布された。BSD への支援が停止されて以降も,GNU による無償ソフトウェアの配布は,今日まで継続 されている。このGNUによるソフトウェアの配布に際して導入された新しい概念がGPLのライセンスで あり,従来のメーカやソフトウェア会社による有償かつオブジェクトコードのみの配布とは,正反対のあ り方が存在しうることを示した。
現在,一般的に OSS と称されるソフトウェアの多くは,この GNU のライセンスの概念を一般化した OSIのライセンス定義に従った,オペレーティングシステムやデータベース管理システム等に代表される 基本ソフトウェアである。これは,特定組織に固有の問題解決を目的としたアプリケーションソフトウェ アの開発と異なり,工学的に設計・開発方法が確立したソフトウェアであり,開発や保守において開発者 間および開発者とユーザ間の密なコミュニケーションを絶対的な条件としないソフトウェアである。この ような基本ソフトウェアの分野において,OSSは今後一般化すると予想される(図1.3)。
しかしながら,個別の問題解決に供するアプリケーションソフトウェアの開発に,同様なOSSの枠組み が適用可能であり,かつ有効に機能するかどうかは,ソフトウェア工学において未知の課題である。仮に,
問題そのものが多くの組織において共通の問題であっても,アプリケーションソフトウェアの開発におい ては,個別のユーザのニーズを反映するカストマイゼーションの機構が重要となる。そのような機構の開 発には多額の研究資金の投入が必要であり,その資金の回収においては当該ソフトウェアの有償配布が必 要であるとともに,その機構を排他的な知的所有権で保護し,競争力を維持することが市場経済の原則に 適合する。
このような現実にもかかわらず,アプリケーションソフトウェアのOSS化は,社会的な意義が高い。特 に,アプリケーションソフトウェアの中でも,より一般性の高い,オフィスワーク用ソフトウェアスイー トや,情報共有のためのソフトウェア類,情報セキュリティ保護のためのソフトウェア類等は,適用分野
ソフトウェア市場 ソフトウェア市場
メーカ企業 ユーザ
コミュニティ
ソフトウェア市場 ソフトウェア市場
メーカ企業
メーカ企業 ユーザ
コミュニティ ユーザ コミュニティ
ソフトウェア・ハウス サービス ソフトウェア・ハウス
ソフトウェア・ハウス サービス システム・インテグレータ サービス システム・インテグレータ
システム・インテグレータ サービス
が広く,かつシーズとなる技術が成熟化しつつある。また,多くのユーザによる利用が期待できることか ら,開発者グループが多くのユーザグループからのフィードバックを受け,ユーザとの協力を基盤とした プロセスによって当該ソフトウェアを成熟化させることが期待できる。それによって,ソフトウェアの調 達コストを劇的に低減することも可能である。
振り返って我が国の市場を見ると,ソフトウェア市場は依然として成熟化していない。このことは,我 が国の情報サービス産業が依然として,パッケージ開発販売よりも,個別システムの受託開発業務に大き く依存している事実に現れている。これは,パッケージが存在しないのではなく,米国IBMのACSやド イツSAPのERPパッケージ,そして米ロータスのノーツのように,汎用性の高いパッケージを独自開発 して市場へ投入するのではなく,特に大手ベンダーにおいては準汎用パッケージを開発し,それを人手で 改造する受託ソフトウェア開発サービスとして提供することが,地方公共団体を含め,我が国のユーザの 個々のニーズに適合していたからであろう。
そのような準汎用パッケージのカストマイゼーションを効率的に実施する組織として,日本のソフトウ ェア工場は誕生し,成熟化した。国内人件費が相対的に安価であった1980年代末までは,そのような アプリケーションソフトウェア開発は,経済合理性が高く,高い品質のソフトウェアを,比較的効率的に 開発するための方式として,世界的にも高く評価された。しかし,国内人件費が世界で最も高い国内で,
当時と同様な方法を採用することは,高コスト構造を生み出す原因のひとつとなり,合理的ではない。
我が国の情報産業育成の観点からも,特に地方に誕生した多くのITベンチャー企業が,基本ソフトウェ アであれ,アプリケーションソフトウェアであれ,そのようなOSSを活用し,大手ユーザの情報戦略に基 づいた新しい情報環境整備等の調達に参入可能な機会を創出することには重要な意義ある。各地の市場で ITベンチャー企業が大手ベンダー企業との競争に参入することは,ITベンチャー企業と大手ベンダー企業 の両者間で切磋琢磨する関係が生じ,産業全体の活性化につながることが期待できる。
図3 OSSのソフトウェア供給
オープンソースソフトウェア委員会では,以上のような認識に立ち,基本ソフトウェアを中心としたOSS と,アプリケーションソフトウェアを中心としたOSS の2 つの種類のソフトウェアを視野に入れ,特定 OSSに関するコミュニティの中核となる,ソフトウェアの保証・配布・維持・成熟化するための機構とし
システム・インテグレータ
ソフトウェア・ハウス
ユーザ コミュニティ Linux
開発者
コミュニティ
ハブ機構
システム・インテグレータ
ソフトウェア・ハウス
ユーザ コミュニティ Linux
開発者
コミュニティ
ハブ機構
てのOSSハブ機構の機能や役割等を,調査研究してきている(図3)。
4.2 情報産業から見た OSS の意義と影響
OSSが各国において社会的に認知され,その活用が様々な分野で研究された結果,OSSのソフトウェア ユーザ視点での利点として,ベンダーロックインの解消とソースコードが開示されることによるセキュリ ティ検証のし易さが認識された。昨年度の調査研究成果として報告したように,英国政府においてはベン ダーロックインの解消による国内IT産業の育成が期待され,ドイツにおいてはソースコードが開示されな い市販ソフトウェアのセキュリティ問題解消策として期待されている。
国内においても,長崎県の電子自治体構築や庁内情報システム調達にOSSの利活用を義務付けた事例な どが報告され,その成果が多くの地方公共団体から注目されている。長崎県が公表している結果によれば,
OSSの利活用を義務付けることにより,大手ソフトウェアベンダーからのロックインを事実上解消したこ とと,地元IT業者の調達への参入機会が増大している。これは,特定大手ソフトウェアベンダーが供給す る基本ソフトウェアを利用した場合,そのような調達に参加できる企業が,資金力の豊かな一部の大手シ ステムインテグレータに限定されるからである。
地方公共団体や大手ユーザにおけるOSS利活用の機運が拡大するに従って,インターネット用サーバの
構築にLinux等の基本ソフトウェアを利用する事例が増加するとともに,大手メーカ系ベンダーや大手シ
ステムインテグレータにおけるOSSへの対応が進んでいる。また,2006年1月には財団法人情報処理 振興事業協会(IPA)にオープンソースソフトウェアセンターが設立され,地方公共団体における OSS 活用 のベストプラクティス研究や,OSS 評価等に関する調査活動等に着手している。この IPA における OSS 調査研究・実証実験には,大手メーカやシステムインテグレータも参画している。
地方公共団体においては,現在,情報化投資の適正化を狙いとして,レガシーシステム見直しが進展し ており,OSSを活用したシステムへの移行も重要な選択肢の1つとして,慎重に検討がなされている例が 多い。このような例においては,長崎県の事例に学び,ベンダーロックインを解消し,地域ITベンダーの 育成を同時に狙った例も少なくない。そのような背景もあって,各地にOSSの普及や利活用を目的とした 地域企業コンソーシアム等の団体の組織化も進みつつある。
4.3 2005 年度の委員会活動
2005年度の委員会活動は,前年度の予備調査・研究活動の成果である報告書の提案を受けて,本委員会 の下に基本ソフトウェアを中心とした既存OSSに関する調査研究を,開発者,ユーザの代理でユーザ組織 に導入するシステムインテグレータ,そして特定OSSを特定のユーザ層の目的に合わせてパッケージとし て提供するパッケージングベンダーの視点から企画・実施するWG1 と,アプリケーションソフトウェア を中心とした新しいOSSに関する調査研究を,地方公共団体等のOSSを実際に利用することが期待され るユーザの視点から企画・実施するWG2との分担によって実施した。
特にWG1においては,既存のOSSとして広く認知されているいくつかのソフトウェアを選定し,その コミュニティの中核組織であるハブ機構としての団体等のヒアリングを実施して,ハブ機構としての組織 の使命や機能等を分析した。その過程で,Linux のパッケージングベンダーの事例をヒアリングし,課題 等について分析した。また,オープンソースソフトウェアの利用において議論のある,知的所有権の問題 について,米国の専門家団体のヒアリングを実施して,問題の分析を行った。その結果,ソフトウェアの クリアリングハウス機能としてのハブ機構の重要性を再確認した。この調査研究成果については,上述し たIPAのOSSセンターとの間での,意見交換等を通して,情報提供を行った。
WG2においては,昨年度末から継続して,特に電子自治体の構築や地方公共団体内部の情報化に焦点を 絞り,中国地方5県と本委員会の委員を派遣している団体を対象に,アンケート調査を実施した。その結 果,地方公共団体におけるアプリケーションOSS導入ニーズがあること,OSSの利用に関する一部費用負 担を多くの団体が考慮していること,とは言えOSSの利活用についてその責任の所在の不明確性に不安の あることなどが,判明した。このアンケート調査結果に基づき,WG2においては兵庫県西宮市が開発した 統合地図情報システム等を基礎とした地方公共団体における OSS 利活用とハブ機構の実証を目的とした 実験を,広島県に設立されたOSS関連企業コンソーシアムとの連携でIPAへ提案した(結果は不採択)。さ らに組織の境界を超えた知的作業支援環境の構築と OSS としての供給を目標とした地域新生コンソーシ アム事業申請を経済産業省へ提案し,審査中である。
以上のように,2005年度の本委員会の活動は,主としてOSS普及のための現状の問題点の整理と,OSS ハブ機構が提供すべき機能と,開発者およびユーザのコミュニティの役割について検討してきた。特に,
親委員会における議論においては,OSSの社会的意義に関する議論と,各コミュニティの役割等について 突っ込んだ議論が展開された。その結果,OSSを従来のソフトウェア市場における供給者と需要者の対立 的な構図を基礎に捕らえることが,必ずしも妥当でないことが理解された。
中立的な市場を介した需要と供給のマッチングは,従来型の企業によるソフトウェア供給においては妥 当性が高いが,開発者コミュニティにおける技術者間コラボレーションにおけるソフトウェアの開発と,
ユーザコミュニティによる真剣なソフトウェア成熟化への貢献は,従来の市場を介したソフトウェアの供 給と利用とは異質なものである。それは,両コミュニティへの参加者が,対象ソフトウェアの成熟化を共 通の目的として,それぞれの役割を認識し,効果的にコラボレーションする協調的な構図を基礎として捕 らえられるべきものである。
従って,OSSハブ機構は単に従来のソフトウェア製品における市場の役割を置き換えるだけでなく,従 来の市場を介したソフトウェア製品の供給では,企業内部で実施されていた品質保証やプロジェクト管理,
さらに要求管理や版管理等を担う。さらに,従来の市場を介した供給では例外的であった,ユーザの開発・
保守に対する貢献を組織化する機能も,ハブ機構が担うこととなる。ユーザコミュニティと開発者コミュ ニティとの対話は,従来の市場を介したソフトウェア製品の供給では,開発者とユーザとの間にはOSSの ような密な情報交換は存在せず,苦情処理やアンケート調査のみが代替手段であった。
OSSにおいては,開発者コミュニティがソフトウェアを開発してハブ機構に登録すればプロジェクト完 了とする,マーケットアウト型の開発ではなく,開発者コミュニティが公開したソフトウェアをユーザコ ミュニティが場合によってはテスト・評価し,導入前に開発者コミュニティにフィードバックする協調的 開発プロセスが必要不可欠である。さらに,開発完了後においてもユーザコミュニティは,ソフトウェア を成熟化させるために必要となる改善・改良を提案し,開発者コミュニティと蜜に連携して,成熟化のプ ロセスが確実に機能するよう働きかけることが,当該OSSの普及に必要不可欠となる。
4.4 2006 年度の活動について
本委員会における2006年度の活動に関するこれまでの議論において,取り組むべき課題として検討され たテーマは,以下のとおりである。
本委員会における研究成果の移転促進活動 OSSハブ機構の成熟化プロセスの調査研究活動 OSSハブ機構モデルの実証活動
本委員会における研究成果の移転促進とは,これまでの本委員会における調査研究活動の成果を,報告書
として出版し,一般に公開するだけでなく,説明会や講演会等の機会も活用し,より広く多くの開発者や ユーザにOSSの正確な知識を提供することを意味する。またこの活動には,各地域に誕生したOSSの利 用や普及を目的とした企業コンソーシアム等との連携を密にすること,IPAに設立されたOSSセンターと の連携を密にすることを含む。
OSSハブ機構の成熟化プロセスの調査研究とは,今年度の研究成果を踏まえ,OSSハブ機構としてのべ ストプラクティスをより深く分析し,OSS の成熟化がどのようにして実践されうるかを検討し,特定の OSSハブ機構がベストプラクティスとして満足すべきいくつかの基本的条件を洗い出すことを目標とする 活動である。このことは,国内で新たなOSSを開発し,そのハブ機構を設立・運営するために参考となる。
今年度にWG2で実施したアンケート調査からも,OSSの利活用には期待も大きいが,そのリスクに対す る不安もあり,十分な利活用がされないままになっている。そのような現状を改善するためにも,重要な 課題である。
OSSハブ機構モデルの実証とは,本委員会においてこれまで研究してきたOSSハブ機構のモデルを,特 定分野のOSSに特化した形態で実際に整備・運用し,その実現可能性と実現上の問題点を明らかにするこ とを目的として,実証実験を企画・実施する活動である。基本ソフトウェアの分野では,既に社会的に認 知されたOSSハブ機構が存在し,適切に運営されている現実を考慮し,アプリケーションソフトウェアの 分野で,新たなOSSを対象候補として実験を実施することとなる。このためには,各地域に設立されつつ あるOSSの普及や利活用を目的とした企業コンソーシアム等との連携が必要不可欠である。
5 オープンソース・ソフトウェアに関する標準化調査研究委員会 WG 1活動 報告
5.1 WG1 の目的と方針
本WGは,ユーザの視点に立ち,OSSの円滑な利用にあたり課題となっている点を調査・研究し,その 解決の為に必要な事項について検討・提言を行うことを目的としている。
具体的には,OSSの流通,利用に関するファンクションのテンプレートマップを作成し,それぞれの関 係性やOSSを利用する際のリスク位置等を可視化することを当面の目標としている。
5.2 2004 年度の検討状況
5.2.1 OSSの定義
本WGにおいては,OSI(Open Source Initiative)によるOSS定義を基本に据え,議論を行った。
5.2.2 必要なファンクションの定義とマッピング
OSSの利用の普及と利用者・開発者間での情報交換や開発者と利用者の権利保護の為に,社会的に必要 と考えられるファンクションを表2のように仮に定義を行った。
表2 ファンクションの定義(仮)
また,この定義を元に,プロプラエタリソフトにおける各ファンクションの関係性やファンクション間 で流通する情報等とOSSの場合をそれぞれマッピングしたものが,図1,図2である。
図1 プロプラエタリソフト ファンクション テンプレートマップ
図2 OSS ファンクション テンプレートマップ
5.3 2005 年度の検討状況
5.3.1 OSS開発プロジェクトとその運営
運営という観点でOSS開発プロジェクトを見た場合,「特定の企業がソースコードを所有し,プロジェク トを運営しているもの」,「『開発NPO』により運営を分担しているもの」,「法人による運営分担を行って いないもの」,という三種類のグループに分けることが可能である。
まず,特定の企業がソースコードを所有し,プロジェクトを運営しているものとしては,次のようなOSS があげられる。運営している企業はサポートやコンサルティング,カスタマイズ等をビジネスとしている。
・MySQL :MySQL ABが運営
・JBoss :JBoss, Inc.が運営
一方,日本OSS推進フォーラムの人材育成WGが公開した「日本におけるOSS人材に関するレポート」に おいても指摘されている「開発NPO」によりオープンソース開発やマーケティングの方針策定等を分担す るプロジェクトについては,特に 2000 年以降にその動きは活発化している。代表的な開発NPOとその設 立年は次の通りである。
・KDE e. V. :1997年設立
・Apache Foundation :1999年設立
・GNOME Foundation :2000年設立
・Perl Foundation :2000年設立
・Python Software Foundation :2001年設立
・Mozilla Foundation :2003年設立
・Eclipse Foundation :2004年設立
・Plone Foundation :2004年設立
・Ubuntu Foundation :2005年設立
開発NPO毎に,その組織構造や運営権限の強さ,ビジネスに対する重視度合い等の特徴は異なっている が,概ねどの法人も「法人格」を持っているという特性を生かして開発者の法的保護や資産の管理を目的 に活動しながら,開発プロジェクトとエンドユーザにOSSを提供する企業とを結ぶような役割を果たして いる。
図3 開発NPOの位置付け(出典:日本OSS推進フォーラム「日本におけるOSS人材に関するレポート」)
日本にはこの様な開発NPOの例はまだそれほど多くないが,開発プロジェクトとエンドユーザを結ぶ役 割を持つ団体として,ユーザー会が結成されていてるプロジェクトが多い。
これらの開発NPOやユーザー会の果たしている役割は本委員会や本WGで検討しているテンプレートマ ップのファンクションと重なる点も多く,本委員会,本WGの問題意識は開発プロジェクトにおける問題 意識と比較的近いと推定される。
5.3.2 検討の進め方
2004年度に検討し,作成したファンクションテンプレートマップの,各ファンクションをどのようなプ
レーヤーが担っているかについてケーススタディを行うため,具体的な個別のOSS関係者等にヒアリング を実施した。それに加え,複数OSSの組み合わせという観点から,これまでサーバ関連の組み合わせと比 べてあまり研究のされていない「デスクトップ環境」に着目し,同様にファンクションテンプレートマッ プのケーススタディを実施した。ヒアリングにあっては前条で言及した開発NPOやユーザー会等に着目し た。
ヒアリングを行ったOSS等とヒアリング日時は以下の通りである。なお,ヒアリング内容やそれに基づ き作成したテンプレート上での位置付けはヒアリング時の各社/団体の考え方や仕組み等であり,最新の内 容であることを保証するものではない。
・Software Freedom Law Center :2005年6月7日 ・PostgreSQL :2005年7月29日
・Zope :2005年9月29日
・Eclipse :2005年11月1日
・KDE :2006年1月24日
5.3.3 Software Freedom Law Center について
(1)Software Freedom Law Center 概要
Software Freedom Law Centerは2005年2月,オープンソース・ソフトウエアに法的支援を提供するため にNew York市に本拠を置き発足した米国NPOである。米コロンビア大学教授で弁護士でもあるEben Moglen 氏が責任者を務め,その他OSDLのGeneral CounselであるDiane Peters氏,MITの人工知能研究所およびWorld Wide Web Consortiumの研究者であるDaniel Weitzner氏,スタンフォード大学法学部教授Lawrence Lessig氏ら がメンバーとなっている。オープンソース推進団体Open Source Development Labs(OSDL)が設立資金として 400万ドルを拠出した。
(2)Software Freedom Law Center ヒアリング内容(Eben Moglen氏)
1993年Free Software Foundationができ,OSSはワールドワイドの非営利サプライチェーンを形成するよう になった。OSSの基幹系への適用率も高い成長率で進んでいることから,OSSがビジネスの根幹に関わっ てきているといえる。したがって単なるFreeという側面だけでは,研究が不足しているといえる。
SFLCの立場としては,米国のNPOの形態であり,カスタマも非営利団体としており,法律面の支援を行 っている。SFLCのサービスとしては事務局事務,ライセンス研究(オープン特許,組合せ加工,など), リスクアセスメント,戦略マネジメント,といったところである。SFLCのカスタマはFSF,Samba,Wine, などがあり,今後はNetBSDやPostgreSQL,Ploneなども交渉を進めていく予定でいる。
ニューヨークのコロンビア大学ロースクールでは正規の教育コースとして講座をもっているが,米国以 外ではエクステンションについて相談に応じることはできる。ファンドはNPOとしてニュートラルにやっ ている。パテントとの関係はについては,アセスメントとライセンスの考え方で整理が必要と考えており,
OSSのパテントプールについては,プールするにしても小さなプールでは意味がないと考えている。大き なOSSのムーブメントの中で,取組んでいくことが重要といえる。
NPOという立場では,各クライアントとは守秘契約のうえで活動している。各団体との連携という立場 では,今後各国と緊密な連携を進めたい。しかし,現在の活動よりももっと大きなOSSのムーブメントを 作っていく仕事をしていきたい。
IPイシューに関するソリューションについては,ブラックダック・ソフトウェア社がビジネスとして活
動しているが,マサチューセッツ工科大学のマイニング技術も活用して連携して研究をしているようだ。
図4 SFLCのテンプレートマップ上での位置付け(ヒアリングを元に作成)
5.3.4 PostgreSQL について
(1)PostgreSQL概要 [概要]
PostgreSQLは,カリフォルニア大学バークレー校のデータベース研究プロジェクトの中で生まれた RDBMS(Relational Database Management System)である。多くのUNIX系プラットフォームで稼動し,完全な ソースコードが公開されていて商用目的もふくめて無償で利用することができる。またVer.8.0 からは
Windowsにもネイティブに対応した。その特徴としては,
・クライアント/サーバアーキテクチャ
・SQL92に準拠
・複数のアイソレーションレベルをサポートした,完全なトランザクション
・行ロックのほか,Multi Version Concurrency Control(MVCC)による高度な同時アクセス制御
・オブジェクト指向機能(テーブル定義の継承,ユーザ定義データ型,可変長配列)
・ユーザ定義関数(C言語,SQL言語による)
・ 豊富なプログラミングインターフェース(C,C++,Perl,Tcl,Python,ruby,PHP,ODBC,JDBC)
・日本語化,国際化対応 等である。
[歴史]
カリフォルニア大学バークレー校においてPostgreSQLの最初のバージョンである「Postgres」が開発され,
その後 Version4まで開発が続いた。その後の開発やメンテナンスはボランティアの手によって行われるこ ととなった。Version 4の次は5ではなく,その出荷年にちなんでPostgres95と命名された。
Postgres95以降は,現在のコアなメンテナであるMarc Foumier氏が中心となって開発が行われ,再びバー
ジョンを付加した名称を与えられることとなった。また,1996年の終わりには,PostgreSQLという名称に 変更された。
日本においては,Postgres95のころから,普及活動が行われてきた。Linuxが普及しだした1998年頃に,
バージョン6が公開され,また,Slackware Linuxを改良したPlamo LinuxにPostgreSQLがパッケージ化され て配布されたことなども重なって,PostgreSQLの普及が本格的となった。
[日本PostgreSQLユーザー会]
日本におけるPostgreSQLの普及,発展を主な目的とした非営利,中立のユーザ・グループであり,1999 年に任意団体として設立された。2006年にはNPO(特定非営利活動法人)として法人格を持ち,新たなスタ ートを切った。
(2)日本PostgreSQLユーザー会 ヒアリング内容(片岡 裕生氏,永安 悟史氏)
PostgreSQLの開発はカリフォルニア大学バークレー校で始まり,1995年頃Postgres95としてメーリング リストでグローバルに開発され始めた。基本的にはメーリングリストで開発の決定がされている。CVS サーバなどのインフラ関係は基本的にはスポンサー企業に提供してもらっている。コアチームの就業状況 については頻繁に所属企業が変るため把握していないが,レッドハットやSRAなどのメジャーな開発者 がいる。開発のロードマップ自体は,あくまでも目標であって,コミットではない。大まかなリリースサ イクルは決まっているが,リリースされる機能は結果的に変動がある。実際には,項目としてやるべきも のは決めているが「いつまでに」と言う約束はしていない中でも,リリース間隔がほぼ決まっているので 多くの開発者は次期リリースに間に合うように開発を進めている。次期バージョンに盛り込むべき機能に ついて最初の一声をあげるのは開発コア・メンバーであるBruce Momjian氏である。メーリングリストに対 して半年前にフューチャーリリース計画を流し,仕掛をそれぞれ出してもらう。その中でどれができそう かをメーリングリストで議論して決める。メーリングリストでの決定要件は反対意見が無い事。このよう な合議の前提があるため中には決定まで数週間を要したケースもある。他の開発プロジェクトでみられる ような投票や役員による決定ではない。テクニカルなディスカッションはコアメンバ10数名とコミッター 30名程度で行われる。それぞれコアチームとメジャーディベロッパーともいわれる。開発プロジェクトと して,一つの運営ポリシーがあるのかどうかは不明であり,それぞれの開発者がそれぞれ思惑を持って活 動していると思われる。日本人の開発者はパッチを送るレベルであれば6,7人,コミット権のあるレベ ルであれば1,2人と思われる 。
日本PostgreSQLユーザー会としては「普及したい」というモチベーションからスタートし,「使えるよう
にしたい」が中心的な目標になっている。普及したい,ビジネスで使いたいという思いから,有効な利用 法や使う側が間違った使い方をしないような情報公開をしていきたい。現在,NPO化に向け申請中である が,何か新しいことを始める事を目的として,NPO化を行うわけではなく,任意団体であることの制約を 取り除くためにNPO化をすることが第一義である。
MySQLやFirebirdと比較はしていないが,PostgreSQLは早期から開発され,BSDライセンスという特徴 があり,成長が加速されたと考えている。他の国に比べて日本でPostgreSQLが普及しているのはライセン スの理解しやすさや,性能(スピードが出るようになってきた)事が大きいように思う。最近では,米国 でもかなり名前を聞くようになってきており,Greenplum社がBizgresプロジェクトを支援し,ビジネスに 活用している事例等のように PostgreSQLベースのベンチャーも 生まれてきている。ベンチャーのように
開発プロジェクトの外側で開発をする事の意味は,普通に開発プロジェクトでやろうとすると,プロポー ザルから始めて,メンバに理解をさせていく必要があり,比較的時間がかかる。リリースサイクルはほぼ 1年であり,何回か逃すと数年後になってしまう。実装してそれをみせると分かりやすい。すぐにビジネ スに必要な機能は,そのように先に開発をして検証しながら提示していく活動が有効と考えられる。ユー ザー会は開発プロジェクトの「日本支部」ではない。PostgreSQLに対する要望を取りまとめて,開発プロ ジェクトに送るというような活動はしていないし,予定していない。もしも要望があれば,要望を出すの ではなく,本気で個人の資格で顔の見える活動をして開発に参加することが大前提だと考えている。現在 の状況は英語の壁やデータベースアーキテクチャなどの基礎スキルの課題もあり日本からの十分な開発参 画ができていない。ユーザー会としては,「このようにしたい」と言う声を聞くことは少なく,「こういう ことで困っている」と言う声を聞くことが多い。ファンドについては,基本的に企業の寄付によるもので あり,個人会員はフリーでこれまでやってきた。今後もこれまでのスタンスを踏襲しながら,ありかたを 考えていきたい。
品質のコミットは基本的にはユーザ/SIerがすべきものと考えている。米国ではスパイクソースという品 質保証のベンチャーができた。LAPPやLAMPのような組合わせ検証を行っている。
知財については今まで問題となったことはない。PostgreSQL 8.0でI/Oのアルゴリズムがソフトウェア特 許に抵触する可能性があり,リリース前に問題部分を入れ替えた。明確な知財チェックの仕組みは持って おらず,気づいた人が指摘するという形になる。開発プロジェクトとしては知財リスクを負えない。
図5 PostgreSQL関連団体等のテンプレートマップ上での位置付け(ヒアリングを元に作成)
5.3.5 Zope について
(1)Zope概要 [概要]
Zope(Z Object Publishing Environment)は,オープンソースのコンテンツ・マネージメント・システム(CMS)
で,インストールするだけで面倒な設定を最小にしてすぐに実用的に機能する,いわゆるアウト・オブ・
ボックスなWeb統合環境である。Zopeには,最初からWebサーバー,Webアプリケーションサーバーとオ ブジェクト指向データベースが組み込まれており,またオブジェクト指向言語であるPythonを利用するこ とで,Webのアプリケーション環境がそのままフルオブジェクト指向のWeb開発環境となっている。
元々Zopeは,1995年に設立されたDigital Creation社(2001年にZope Corporationに社名変更)のCMSを1998 年にオープンソース公開したものである。
Zopeコミュニティは,Zope.org(http://www.zope.org/),日本においては日本Zopeユーザ会(http://www.zope.jp/) がある。
すでに,CMSとして国内外のポータルサイトで活用されており,特に海外では多くの大規模事例が報告 されている。(Zope.org 事例紹介ページhttp://www.zope.org/Resources/CaseStudies)
[特徴]
Zopeの最も大きな特徴は,Webアプリケーション開発に必要なものが全てパッケージされたオブジェク
ト指向なWeb出版開発環境である点が挙げられる。一般のWebシステムは,複数の異なるアプリケーショ ン(アプリケーションサーバ,DB,開発環境など)を組み合わせて構成するのに対して,Zopeは,サーバ ー・開発環境・コンテンツ管理・オブジェクト・データベースの全てを包含している。また,Zope環境で もスケーラブルな構成をとることも可能であるが,主要なWebサーバやリレーショナル・データベースと 接続することも可能であり,柔軟なCMSを構築することが可能となっている。
主な特徴をまとめると下記のとおりである。
・アプリケーションの開発生産性の高さ
・高い拡張性
・オープンソースでありベンダーロックインを排除
・活発な開発が行われている健全なグローバルコミュニティ
・多様な商用・オープンソース・プロダクトにより短期間での構築が可能 [プロジェクト]
Zopeの開発プロジェクトは,Zope.orgのDeveloper Zone(http://www.zope.org/DevHome/)で行われている。
現在,アクティブなコア・プロジェクトは,下記の5プロジェクトである。
・Zope 3 (Zope Component Architecture)
・Zope 2.9
・ZODB (Zope Object Database)
・DCOracle2
・ZEO Storage Replication [ライセンス]
BSDライクなOSI公認の「Zope Public Lisence」を採用しており,下記の5項目を遵守すればソースもバ イナリも,変更の有無に関わらず再配布と利用が許諾される。
・再配布する時には同じライセンスを添付
・ バイナリで再配布する時には同じライセンスを表示
・著作権保持者の名前を裏書きや利用促進目的で使わない
・サービスマークやトレードマーク利用の権利とは別
・ファイルを変更したら明記しファイル更新日時も変更する
(2)ゾープ・ジャパン株式会社 ヒアリング内容(山本 烈氏)
ZopeはZope.orgというWebサイトを中心に活動がされており,その運営は現在Zope corporationとZopeコ ミュニティが行っている。ZopeはZope corporationにより98年にOSS化されたWebアプリケーションプラッ トフォーム。Zope Corporationの役割は,サイトのホスティングとプロジェクトメンバーの一員としての 活動である。
Zopeを考える際,PloneとPythonを忘れてはいけない。3つのコミュニティはメンバーが重なりあって
いる。Ploneは2003年にOSS化されたZope上で動くコンテンツ管理システムであり,Plone Foundationによ り運営されるPlone.orgにおいてプロジェクトが活動している。Plone Foundationは2004年に設立された。
Zopeは本質的にはPythonのフレームワークである。PythonはPytohn.orgでプロジェクトが運営されており,
開発者は数千人いる。研究職が多いのが特徴。Python Foundationは2001年に設立された。
Zopeコミュニティの特徴は「参加者にプロが多い(仕事としてビジネスのために開発している。仕事と して使用している)」「確固たるコアなエンティティがある(IPの管理等)」という2点である。
品質保証は,技術的サポートという事であれば実施しているところがある。例えば,ゾープ・ジャパン はZopeとZope上のコンテンツマネジメントシステム(Vissible Source Software Licence:VSSLによる商用のソ フト)をパッケージして,その技術サポートを行っている。
Ploneとゾープ・ジャパンのビジネスは共にZope上のコンテンツマネジメントシステムであるが,競合
関係にある訳ではなく,シナジー効果がある関係と考えている。機能や複雑さ,規模により使い分けるべ
き。PloneとZope Corporationのコンテンツマネジメントシステムでは,データ互換性はあるといえばある
が,全く別のものである。どちらもZopeとZopeオブジェクトデータを使っているので読み書きはできて も,アプリケーションでの利用はできない。Zopeの扱えるデータタイプは,「オブジェクトデータベー ス:ZODB」としてどのようなものでも扱うことができる。Zope自体はプラットフォームであり開発者のた めのツールであるので,実際に扱うデータ等の特徴を出すのは上位のコンテンツマネジメントシステムで ある。Zopeは「言語+オブジェクトデータベース+Webアプリケーションサーバ+開発ユーティリティ」
で構成されており,カバーする範囲はたとえて言うなら,「PHP+リレーショナルデータベース+Apache+
開発ユーティリティ」のようなイメージである。
国内においては,日本Zopeユーザー会(JZUG)は2001年から活動している。メーリングリスト登録者は 1000人以上,イベントWGが20人程度,サーバーWGが7,8人程度。このWGメンバーがコアな活動 者であるが,Ploneでビジネスが立ち上がってきたため,コアな活動者が仕事で忙しくなり,思うように は活動が出来ていない。また,Plone研究会を2003年に設立した。実イベントを月に1回程度開催するた め顔の見える会として運営している。研究会メンバは50人,Web登録者が300人,メーリングリスト登録 者が140人程度である。JZUGとPlone研究会のコアメンバは8割ぐらいは重なっている。日本においても,
ビジネスと離れた会であってはいけないと考えている。日本の会では8,9割は仕事に直結するメンバー であり,メーリングリストでも仕事の話は歓迎である。プロに頼みたいユーザが安心して頼めるようなコ ミュニティでありたい。
“Foundation”の状況については,2004年にPlone Foundationがコンピュータアソシエイツ社のサポートを 受けてIP,トレードマーク,サービスマーク,ロゴ等のプロテクションを目的に設立された。Zopeについ ては,今年(2005年)から来年にかけてZope Foundationを設立予定。その目的はソフトウェアプロテクショ
ン(IP),ブランディング/マーケティング,トレードマーク,ライセンシング,Zope.orgのメンテナンス等。
Foundationの組織,運営等についてはEclipse Foundationをベースにしている。ただし,Eclipse程規模が大 きくないので,Eclipseでは「アーキテクチャ」「リクワイアメンツ」「プランニング」の各グループがお かれているが,Zopeでは「ソフトウェア」ひとつになりそうである。Foundationのメンバーの種類として は,現状Webに掲載されている「Strategic Developer」「Strategic Consumer」「Committing Member」「Associate Member」以外に「Solution Provider」が追加されるだろう。権利問題で争う必要が出た場合にはFoundation が法人として戦うことになる。元々「コミュニティ」というものは実態がなく,個々の開発者の総称とし てそのように呼んでいるだけである。この状態では訴訟を起こすにも,受けるにも,個人でやることしか できない。Foundationは法人格を持つ団体として組織を作り,ブランドの維持やIPの管理を行う事を目指 している。Foundationはデラウェア州のNPOとなる予定。
チェックインできるのはコミッターアグリーメント(ライセンスはZPLで,他の人のIPを侵害しないこと を宣言,等)を交した人だけである。これがソフトウェアを安心して使えることを保証する仕組みになる。
また,長期保証という観点では,ZPLは完全なオープンソースなので,万一,Zope Corporationが倒産した り不適切な会社に買収された場合でも,Zopeソフトウェアを誰かが引き継ぐことができる。Zope
Corporationが存在する今でさえ,誰かがZopeの別バージョンを勝手に作ることが出来る。
Zopeに関するビジネスアライアンスの状況は,ヨーロッパには「Zope Europe Association」という小規模 企業の共同受注の仕組みがある。Zopeをビジネスにしている企業で一社で大規模案件に取組む能力のあ る企業が無かったためである。日本には「Zope Japan Solution Alliance」と言うアライアンスがある。これ はヨーロッパとは性格が違い,情報流通により業界の底上げをするような仕組みである。
日本のマーケットを拡大するために重要なことはネームバリューのあるユーザーに利用してもらい,ユ ーザー自身が成功事例として発表してくれるのが一番効果的であり,マーケットのパイをバランス良く育 てていく必要があると考えている。
図6 Zope関連団体等のテンプレートマップ上での位置付け(ヒアリングを元に作成)
5.3.6 Eclipseについて
(1)Eclipse概要 [概要]
(a)目的
Eclipseは,エディタ,コンパイラ,デバッガなどプログラム作成に必要なツールがひとつのインタ フェースで統合して扱える,ソフトウェア作成のためのベンダーから独立したオープンな開発プラッ トフォームであり,アプリケーションプラットフォームである。
(b)設立,メンバー
2001年にBorland, IBM, MERANT, QNX Software Systems, Rational Software, Red Hat, SuSE, Together Soft, Webgainが,eclipse.org Board of Stewardsを設立。 2004年にEclipse Foundation Inc.を設立し,Eclipse
Platformの開発,管理,提供,普及を行なう非営利企業となった。100以上のメンバー会社を擁し,
企業の加盟料で運営され,スタッフは10名程度。
(c)特徴
・Java開発環境として,高い完成度にあり,デファクトになっている。
・機能が拡張可能(プラグイン・アーキテクチャの採用)
・Sネイティブで動作するGUIライブラリによる軽快な動作の実現
(プラグインとしてのStandard Widget Toolkit)
・複数プラットフォーム(Windows,Linux,Solaris8,AIX,HP-UX,Mac OSX)に対応
(d)サブプロジェクト
8つのプロジェクトの下に多数のサブプロジェクトを抱える。
以下は多数のサブプロジェクトのほんの一例である。
・Platform:Eclipseのコア機能
・Equinox - an OSGi framework:OSGiフレームワーク
・JDT - Java development tools:Java用開発環境
・PDE - Plug-in development environment:プラグイン開発環境
・CDT - C/C++ Development Tools
・GEF - Graphical Editor Framework
・WST - Web Standard Tools:Web向け標準ツール
(e)ライセンス
コードのアクセスおよび利用は,Eclipse Public License(EPL)に従う,すなわち各個人に再配布の権利 を与え業務での利用を認めている,またロイヤリティは不要である。
[Eclipse Japan WG]
(a)目的
Eclipse Foundation に加盟している日本企業が, 日本でのEclipseの普及啓蒙(研究会,勉強会,セミ ナーの開催)と, 企業レベでの導入・普及に必要な要件の議論を行なう。
(b)発起会社
NTTコムウェア株式会社(事務局), 富士通株式会社, 株式会社日立製作所, 日本電気株式会 社, 日本アイ・ビー・エム株式会社, 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社の6社。
(c)参加企業
自身が Eclipse Foundation に加盟しているか, その子会社であることが要件だが, 勉強会,セミナ
ーについては一般参加が可能。また,理事会承認により研究会の参加も可能。
[最近の動向]
(a)参加者
・利用者:2005年6月調査 回答85社のうち31社(約37%)利用(出典:Forrester Research)
・コミッタ:400人
・公開会合参加者:約1,000人
(b)主なリリース計画
Eclipse3.2のリリース(2006年6月)と同時リリースを予定しているもの
・Business Intelligence and Reporting Tools(BIRT):BIRT2.1リリース
・Eclipse Modeling Framework (EMF):EMF2.2リリース
・The Graphical Editing Framework (GEF):GEF3.2リリース
・The Eclipse Graphical Modeling Framework (GMF):GMF1.0完成版リリース
・The Eclipse Test & Performance Tools Platform (TPTP) Project:TPTP4.2リリース
・The Eclipse Web Tools Platform (WTP) project:WTP1.5リリース
・The Eclipse Visual Editor project:VEP1.2リリース その他のリリース
・Eclipse Communication Framework project:ECF1.0.0リリース 2006年2月。
・AspectJ Development Tools(AJDT):AJDT1.4リリース 2006年2月。
(c)今後のテーマ
・規模の拡大
・大規模開発チームでの導入を容易にする。
・拡張性の拡大
・組込開発:ターゲットOSに非依存なdebugging/profiling/loading
・Rich Clint Platform
・更に簡単に利用できるようにする。
・多言語サポート
・広範なコミュニティとの連携強化
-オペレーシングシステム間でのSWT 一貫性の改善 -Swing – SWT インターオペラビリティ
-JDTによるJ2SE 5 のサポート -基本WEBサービスツールの提供
(2)Eclipse Japan WGヒアリング内容(高木浩則氏,川島徹氏)
Eclipseとは無償で使えるOSSで「統合開発環境」であったが,現在は「統合開発環境」という枠を越え たものになっている。その特徴は「Java開発環境としての高い完成度」「Plug-inにより機能が拡張可能」
「OSネイティブで動作するGUIライブラリによる軽快な動作」「複数プラットフォーム対応」である。機 能としては「自動コンパイルとエラー表示」「コードアシスト機能」「メソッド,変数定義参照,JavaDoc 参照」「CVS連携,Ant連携」「デバック機能」「リファクタリング機能」等がある。ライセンスはEPLで あり,GPLでないことからビジネスを展開しやすいと言えるのではないか。VMについては自分でインス トールし,特定VMへ依存しない。言語のローカライズについてはEclipse側で仕組みが決まっており,文 字列を切り出して,別のテーブルをパックするイメージで実現している。開発者はコミッタが400人程い ると聞いている。規模感を計るための参考として,カンファレンス参加者は公開会合で1000名,メンバ 会合で100名規模である。
Eclipseは2.1以前は統合開発環境であったが,3.0以降はアーキテクチャを整理し,リッチクライアント
アプリケーションの開発/実行プラットフォームとなった。オンライントレード用のアプリケーション
(Eclipse Trader)など実際にリッチクライアントプラットフォーム(RCP)ベースのアプリケーションが生ま れてきている。RCPの保証を考えると,基本的には利用者にRCPアプリを提供する企業がアプリとプラッ トフォームをセットで提供するというモデルになると考えられる。開発環境という観点では,Eclipseは Java開発ツールの事実上のデファクトとなっている。 Eclipse Foundationは2004年に設立された,Eclipse の開発・管理,提供,普及を行う非営利企業であり,8つのトップレベルプロジェクト,50以上のサブ プロジェクトを抱える。企業の加盟料で運営されており,スタッフは10名程度。資金の大半はサーバ機 器類/サイト運営費等に使われているようである。加盟企業の「共存共栄」をめざしており,プラットフォ ームの周りでビジネスが動くという仕組みである。戦略についてはBoard of Directorsで決定されるが,
Strategic memberは1社1票を持っている一方,Add-in Provider memberは全体で3票しかもっておらず,
Strategic memberの影響力は強い。NOKIAがStrategic memberになったため,今後,携帯,組込み等の分野 のプロジェクトが起る可能性もあるかもしれない。開発環境からリッチクライアントプラットフォームと なったことで,アプリケーションレイヤのビジネス領域でキラーアプリケーションを一つしか持たない企 業にとっては脅威となる可能性もありうるようになった。戦略的に利用したい企業はStrategic memberに
なりトッププロジェクトを握るようにしていると考えられる。FoundationにはRedHat,Novellのような Linuxディストリビューターがが加盟しているが,EclipseとPlug-inをセットで販売するEclipse版ディスト リビューターのような存在もあり,代表的な企業としてはYOXOS,My Eclipseである。
Eclipse Japan WGはEclipse Foundation日本における加盟企業が設立。研究会/勉強会/セミナーを開催して いる。組織構造の中では「membership at large」の下位で「Subcommittee」との並びとなる。
Eclipse3.1の特徴は「J2SE5.0との統合」や「大きなパフォーマンス改善」等である。バージョン間での
互換性については,ソース自体は再コンパイルすれば使えるはず。Plug-inは2.0系と3.0系では互換性がな いため,提供側が直す必要がある。現状ではプラットフォームのメジャーバージョンアップが年に1度と 高く,またプラグインも沢山あるため,1社では検証作業が大変であると言う課題もある。
図7 Eclipse関連団体等ののテンプレートマップ上での位置付け(ヒアリングを元に作成)