2020年度 須磨学園中学校入学試験
国 語
第 3 回
(注 意) 解答用紙は、この問題冊子の中央にはさんであります。まず、解答用紙を取り出して、 受験番号シールを貼り、受験番号と氏名を記入しなさい。 1.すべての問題を解答しなさい。 2.解答はすべて解答用紙に記入しなさい。 3.字数制限のある問題については、記号、句読点も1字と数えること。 4.試験終了後、 解答用紙のみ提出し、問題冊子は持ち帰りなさい。一
次の文章を読んで、後の設問に答えなさい。 ■ 注1 西 さいじょうひでき 城 秀 樹 が 死 ん だ。 六 十 三 歳 さい だ っ た ── と い う ニ ュ ー ス を 聞いたら、 朝 あさおか 丘 雪 ゆき 路 じ が死んだ、星由里子が死んだというニュー スも続いて、テレビの『 徹 てつ 子 こ の部屋』は 追 ついとう 悼 番組が立て続けに な っ た。 な ん で こ ん な に 人 が 死 ぬ ん だ ろ う と 思 っ た ら、 平 成 三十年の五月は、平成が終わる「最後の一年」に 突 とつにゅう 入 した時期 だった。 今 きんじょう 上 天皇の退位はあらかじめ決まっていて、なんとな く平成は自動的に終わるもんだと思っていたけれど、人が立て 続けに死んで行くニュースに接して、改めて「あ、一つの時代 が終わるんだ」と思った。 七 年 前、 東 日 本 大 だいしんさい 震 災 が 起 こ っ た 二 〇 一 一 年 に も 人 が 死 ん だ。有名人が立て続けに死んだというのではなくて、年老いた 親の世代が死んで行った。私の父親が死んだ。友人の父親、あ るいは母親が死んだ。やたらと 葬 そうしき 式 の通知、年賀状辞退の通知 が 届 い た。 「 な ん か、 今 年 葬 式 多 く な い?」 と 友 達 に 言 っ た ら、 「多いよね」という答が返って来た。 ■ ア 意外と人は「時代の終わり」というものに 敏 びんかん 感 なのかもしれ ない 。大 地 じ 震 しん と大 津 つ 波 なみ と原発事故があって、何万人もの人間が ほ ぼ 一 いっしゅん 瞬 に し て 命 を 奪 うば わ れ た。 そ こ か ら 再 ス タ ー ト す る た め の、 「 第 二 の 戦 後 」 だ と 言 う 人 も い た。 そ れ が「 戦 後 」 な ら、 多くの人の死がその下にはある。どんな理由を付けても、東日 本大震災が「一つの時代の終わりを示すものである」というこ とには(多分)ならないだろう。でも、その年に地震や津波の チ ョ ク セ ツ 的 な 被 ひ 害 がい に 遭 あ わ ず に、 「 寿 じゅみょう 命 」 と い う 形 で 死 ん で 行った人達は、何万人もの人の死、大地の 浸 しんしょく 蝕 と 汚 お 染 せん に「時代 の 終 わ り 」 を 感 じ 取 っ て、 「 終 わ っ た 」 と 思 っ て 死 ん で 行 っ た んじゃないのかと、思う。 多 分、 人 は ど こ か で 自 分 が 生 き て い る 時 代 と 一 体 化 し て い る。 だ か ら、 昭 和 の 終 わ り 頃 ごろ に、 実 に 多 く の 著 名 人 が 死 ん で 行ったことを思い出す。 昭和天 皇 注2 崩 ほうぎょ 御 の一九八九年 矢 ⌇ や つ 継 ⌇ ぎ ⌇ 早 ⌇ ばや とでも言いたいような具 合に、大物の著名人が死んで行った。一部だが、天皇崩御の一 月後に 手 て 塚 づか 治 おさ 虫 む が死に、翌月には東急の 五 ごとうのぼる 島昇 、翌月には 色 いろかわ 川 武 たけひろ 大 、松下 幸 こう 之 の 助 すけ 、五月には 春 か す が 日 一 いっこう 幸 、 阿 あ べ 部 昭 あきら 、六月になって 美 み 空 そら ひばり、二世 尾 おのえしょうろく 上松緑 、七月は 辰 たつ 巳 み 柳 りゅうたろう 太郎 、森 敦 あつし 、八月に 矢 や 内 ないはら 原 伊 い 作 さく 、 古 こ 関 せき 裕 ゆう 而 じ 、九月は谷川 徹 てつぞう 三 、一月おいて十一月が 松田優作、十二月が 開 かいこうたけし 高健 。今となっては「 誰 だれ 、この人?」と 言われそうな人も多いが、死んだ時は「え ?! あの人も死んだ の?」と言われるような大物達だった。 昭和天皇 の 注3 享 きょうねん 年 は八十七で、当時としては(そして今でも多 分) 高 こうれい 齢 だった。しかしだからと言って、昭和という時代の終 わりと共に世を去った人達がすべて高齢だったというわけでは ない。手塚治虫は六十歳、美空ひばりは五十二歳で死に、松田 優 作 は 四 十 歳 だ っ た。 当 時 は「 早 過 ぎ る 死 」 の よ う に 思 わ れ た。しかし 、 イ 今になって引いて見れば 、この人達は自分の仕事 をやり 遂 と げて死んだのだ。 やり遂げて、その 年 ねんれい 齢 で死んだ。時代 を b ニナ い、五十代六十 代で死んで行った昭和の人達を思うと、その死がなんだか 潔 いさぎよ く 思 え る。 私 は も う 七 十 に な っ た。 七 十 過 ぎ て ま で 現 げんえき 役 作 家 を やっている人は、昭和の頃にはそういなかった。それ以前に、 ある程度の地位 を c カクホ して、そのまま「えらい 隠 いんきょ 居 」みたい な感じで生きていた。私なんか、もう才能が 涸 か れて「どうした ら い い の か 分 か ら な い 」 状 態 に な っ て い て も 不 思 議 は な い の に、 ど う い う わ け か、 頭 は 若 い。 「 い つ ま で 若 い ん だ ろ う?」 と思うと、少しいやになる。 二度の 脳 のうこうそく 梗塞 を 患 わずら い、苦しいリハビリに 励 はげ んで、でも六十三 歳の西城秀樹は「ヤングマン」だった。無理して若 振 ぶ っている のではなく、六十三歳でも「ヤングマン」のままでいた。平成 がスタートした時、西城秀樹は三十三歳だった。それから三十 年たっても、 彼 かれ は【 Ⅰ 】変わらない。彼だけではない。彼 と共に「 新 しん 御 ご 三 さん 家 け 」と言われた野口 五 ご 郎 ろう と 郷 ごう ひろみも、六十を 過ぎて老いてはいない。 ■ ウ 平成の三十年は不思議な時間だ 。多くの人があまり年を取ら ない。たいしたことのない芸能人が、古くからいるという理由 だけで「 大 おお 御 ご 所 しょ 」と呼ばれる。年を取らず、成熟もしない。昔 の 時 間 だ け が【 Ⅱ 】 続 い て い る。 平 成 の 時 代 を 輝 かがや か せ た 「 平 成 の ス タ ー」 で あ る 安 あ 室 むろ 奈 な み え 美 恵 や 小 こ 室 むろ 哲 てつ 哉 や は、 平 成 が 終 わ る前に消えようとしている。平成は短命だが昭和は長い、とい うのではないだろう。昭和は、その後の「終わり」が見えなく てまださまよっている ── としか思えない。 三十年という期間がどれくらいかと言えば、終戦の一九四五 年 か ら 注 4 オ イ ル シ ョ ッ ク で 経 済 が マ イ ナ ス 成 長 を 記 録 す る 一九七五年までが三十年。その前年に東京タワーが完成し、年 が 明 け れ ば 皇 太 子 時 代 の 現 天 皇 の 結 けっこんしき 婚 式 が あ り、 豊 か さ へ ス タートする一九五九年か ら 注 5 バブルの一九八九年までが三十年。 三十年は「そういう期間」だ。 (橋本 治 おさむ 「人が死ぬこと」による) 注 1 西 城 秀 樹 … 「 ヤ ン グ マ ン 」 な ど の ヒ ッ ト 曲 で 知 ら れ る 歌 手 。 以 下 、 出 て く る 人 名 は す べ て 芸 能 人 や 有 名 人 で あ る 。 注2 崩御 ……… 天皇・皇后の死をいう尊敬語。 注3 享年 ……… 死んだときの年齢。 注4 オイルショック … 原油の生産国が価格を値上げしたた め、世界的に起こった不景気のこと。 注5 バブル …… 経済が実力以上に 泡 あわ (=バブル)のように ふくらんだ好景気の状態のこと。 ■ aの設問 問 一 【 Ⅰ 】・ 【 Ⅱ 】 に 入 る 語 と し て 最 も 適 当 な も の を 後からそれぞれ一つずつ選び、番号で答えなさい。 【 Ⅰ 】 1 かなり 2 さして 3 よほど 4 いかにも 【 Ⅱ 】 1 やはり 2 もっと 3 ただ 4 いっそう 問二 「矢継ぎ早」 ( 〰 〰 〰線部)と同じような意味を表す慣用 句として最も適当なものを次の中から一つ選び、番号で答 えなさい。 1 高をくくる 2 息つく暇もない 3 火に油をそそぐ 4 取りも直さず 5 かたずを飲む 問 三 「 意 外 と 人 は『 時 代 の 終 わ り 』 と い う も の に 敏 感 な の か も し れ な い 」( 線 部 ア ) と あ り ま す が、 筆 者 が こ の ように考えるのはなぜですか。その理由を説明したものと して最も適当なものを次の中から一つ選び、番号で答えな さい。 1 有名な芸能人たちは、あらかじめ決まっていた平成の終 わりに合わせるように立て続けに亡くなったと筆者は感じ ているから。 2 年老いた親の世代が、大地震と大津波の被害に遭って大 勢亡くなっていったのが、時代の終わりを感じさせると筆 者は思ったから。 3 七年前に何万人もの人が亡くなった大津波と大震災は、 平成という時代の終わりを示すものであると筆者はとらえ ているから。 4 平成が終わる最後の一年に寿命をむかえた人々が多かっ たのは、平成が自動的に終わることを示していると筆者は 思ったから。 5 大きな災害と大勢の死を目の当たりにして、時代の終わ りを感じ取って亡くなっていった人々が大勢いたと筆者は 考えているから。 問四 「今になって引いて見れば」 ( 線部 イ )とはどうい うことですか。その説明として最も適当なものを次の中か ら一つ選び、番号で答えなさい。 1 令和の時代に突入してからあやふやな記憶をたどると 2 時間の経過にともなって当時のおどろきが色あせると 3 七十歳で作家として現役を続けている立場から見ると 4 時を経てその時のことを冷静に振り返って考察すると 5 頭は若いままの状態で昔の出来事をふり返ってみると 問五 「平成の三十年は不思議な時間だ」 ( 線部 ウ )とあ りますが、なぜ筆者はそう考えるのですか。その理由を説 明したものとして最も適当なものを次の中から一つ選び、 番号で答えなさい。 1 三十年というのは、一般的に世の中に大きな影響を与え る出来事や何かしらの変化があるはずの期間なのに、平成 の三十年間は昔の時間がずっと続いているから。 2 三十年というのは、一般的に人々の印象に残るような大 き な 出 来 事 が 連 続 し て 起 こ る 期 間 の は ず な の に、 平 成 の 三十年間は何の連続性もない時代だったから。 3 三十年というのは、一般的に人が何かをなし遂げるのに 十分な時間のはずだが、平成の三十年は有名な人々でさえ も何かをなし遂げたようには見えないから。 4 三十年というのは、一般的に人々が年をとったと自覚す る の に 十 分 な 期 間 だ が、 平 成 の 三 十 年 間 に は い つ ま で も 人々を若く輝かせる力があったから。 5 三十年というのは、一般的に多くのスターを生むのに十 分な期間だが、平成の三十年は古くからいるというだけで 大御所と呼ばれる芸能人しかいないから。 問題は、裏面に続きます。
一
問六 本文の内容に合致しているものを次の中から一つ選び、 番号で答えなさい。 1 平成は短命であったため、人々があまり年をとらないま ま過ぎていった期間で、六十三歳の西城秀樹でさえ、死ぬ まで「ヤングマン」でいつづけることができた。 2 一つの時代が終わるときに、多くの人が死ぬのは平成だ けではなく昭和でも見られたが、昭和で亡くなった人たち は自分の役割を十分に果たしてから亡くなった。 3 五十代や六十代で死ぬことが潔いと考えるようになった 筆者は、自分もそうなりたいと望むようになり、平成まで 現役作家でいたことを後悔している。 4 元号が変わるのは一般的に天皇が崩御したときだが、平 成はあらかじめ天皇が退位する時が決まっていて、自動的 に元号が変わったため、筆者は時代の変化を感じた。 5 どんなに短くても一つの時代が終わるときには必ず、地 震や津波などの天変地異か大きな事件があり、そこからの 再スタートを「第二の戦後」だと筆者は考えている。 問七 線部 a ~ c のカタカナを漢字で答えなさい。 a チョクセツ b ニナ(い) c カクホ
オクフェスというイベントでたまたま知り合って意気投合 した東京大学の男子学生であるつばさと、水谷女子大学の学 生である 美 み 咲 さき は、友人たちを置いて二人だけでオクフェス会 場 を 抜 ぬ け 出 し た。 次 の 文 章 は そ れ に 続 く 場 面 で あ る。 読 ん で、後の設問に答えなさい。 桟 さんばし 橋 まで出ると、ちょうど水上バスが出るところだった。 「この船、乗ろう」 「水上バスって書いてあるよ」 「だって海に浮かんでんだから船だろ」 「うん、船だね」 つばさと美咲は大笑いした。水上バスじゃなく船。 可 お か 笑 しく もないことが、やたら可笑しい。 「どこ行くの、この船?」 「知らない。乗ろう」 つ ば さ も ビ ー ル で 気 分 が 高 こうよう 揚 し て い た 。 美 咲 も 高 揚 し て い た 。 行き先を確かめもせず、つばさはチケットを二枚買って、一 枚を美咲に 渡 わた した。 「どこに行くのか知らないなら、乗る」 美咲はつばさより先に乗船した。 「いーね、そのノリ」 「いー? このノリ」 ■ ア 二人は笑い、ごく自然に手をつなぎ、デッキに立った 。 二 人 は、 ご く 自 然 に、 互 たが い を、 苗 みょうじ 字 で は な く、 名 前 で 呼 び 合った。つばさくん、美咲ちゃん。可笑しくもないことで何度 も笑う二人は、ちゅばさくん、みさちん、など と a 呂 ろ 律 れつ がまわら ない ことがあり、それがまた、よけいに可笑しく、そのうち、 ツーくん、サキちゃんになった。 ■ 注 1 おりしも太陽が 沈 しず みきる寸前で、海は、オレンジ色の昼と、 紺 こんいろ 色 の夜が、重なり合っている。 「 到 とうちゃく 着 先 が 注 2 シェルブールってことはないよな」 つまらぬ 冗 じょうだん 談 だった。美咲に言ったつもりさえないほど。ひ とりごとに近かった。 環 かんきょう 境 エネルギーについて学 ぶ 注 3 工学部の学 生だから、原子力産業 拠 きょてん 点 の 注 4 フラマンヴィルのある 港 こうわん 湾 都市名 は日常的に耳にするものだった。が、美咲からは、 「すごーい。やっぱり東大だ」 ■ b 予想だにせぬ 感 かんたん 嘆 が出た。 美 咲 に す れ ば、 鉄 鉱 石 を 積 み 荷 す る 港 湾 都 市 シ ェ ル ブ ー ル は、 「 注 5 月 夜 の バ ル コ ニ ー」 と 同 様 の、 コ マ ー シ ャ ル が 見 せ て く るような非日常の、異国フランスの都市名だった。 ■ 注 6 赤レンガ倉庫から出るたんなる水上バスがシェルブールなど に行くわけがない。それをわざと「到着先がシェルブールって ことはないよな」とつばさが言ったのは、文学的な情感のある ギャグだと感じた。 (きっと、森 鴎 おうがい 外 とか 夏 ⌇ 目 ⌇ 漱 ⌇ そうせき 石 ⌇ とか三島由紀夫とか全部読んで るんだ) そ う 思 っ て の 「 イ す ご ー い 。 や っ ぱ り 東 大 だ 」 と い う 感 嘆 だ っ た 。 美 咲 の 素 す 直 なお な 感 嘆 に 、 つ ば さ も 素 直 に 照 れ た 。 う れ し か っ た 。 「 ウ すごいって、そんな。なにが 」 「シェルブールっていうのが」 「なんで?」 「だって、シェルブールだなんて」 美咲は笑った。 ■ つばさは、ハッとした。 (笑うとなんてかわいい) オクフェス会場で感じた、軽い好感よりも、もっとダイレク トな好感がわきあがった。デッキに紺色の夜風が 吹 ふ いてくる。 「ここは、寒いね」 美咲は 鞄 かばん を開け、さっき 脱 ぬ いだトレーナーを着ようとした。 「あーっ、置いてきちゃった」 「 う う ん。 サ キ ち ゃ ん、 ち ゃ ん と 持 っ て た よ、 あ そ こ の 席 を たったときは」 もう 一 いっぱい 杯 ビールを買ってくると、ほかのみんなに言い、二人 は会場を抜け出したのだった。 「 バ ッ グ に ひ っ か け て た の が す べ り 落 ち ち ゃ っ た ん だ 、 き っ と 」 美咲は声をあげて笑った。 つばさも。 トレーナーを落としたら、ふだんな ら 注7 瑣 さ 末 まつ ながらもトラブル なのに、可笑しい。 「寒い? ……ていうか、寒いよね」 「ううん。……ていうか寒いかも」 ■ エ ならば船室に入ればよいのだ。だが入らなかった 。 ( 姫 ひめ 野 の カオルコ『 彼 かのじょ 女 は頭が悪いから』による) 注1 おりしも ……… ちょうどそのとき。 注 2 シ ェ ル ブ ー ル ……… フ ラ ン ス 北西 部 に あ る 港 湾 都 市 。 「 シ ェ ルブールの 雨 あまがさ 傘 」という有名な映画の 舞 ぶ 台 たい 。 注3 工学部の学生 ……… 機械や建築などの分野について大 学で専門的に学んでいる学生のこと。 注4 フラマンヴィル …… フランス北西部の地名。 注 5 月 夜 の バ ル コ ニ ー … つ ば さ は オ ク フ ェ ス 会 場 か ら ぬ け 出 す と き に 美 咲 に、 「 月 夜 の バ ル コ ニ ー」 に 行 こ う と わ ざ とかっこつけて言い、美咲を笑わせようとしていた。 注6 赤レンガ倉庫 ……… 横浜港にある歴史的建築物。 注7 瑣末 ……… ささいなこと。
二
二
の設問 問一 線部 a 、 b の本文中での意味として最も適当なも のを後からそれぞれ一つずつ選び、番号で答えなさい。 a 「呂律がまわらない」 1 礼 れい 儀 ぎ 正しくない 2 分 ふんべつ 別 がつかない 3 言葉がはっきりしない 4 年 ねんれい 齢 に合っていない 5 意識がはっきりしない b 「予想だにせぬ」 1 前から予想していたのとは別の 2 見た目からは予期できない 3 想像するのがむずかしくはない 4 予期さえできないほどの 5 昔から想像していた通りの 問二 「夏目漱石」 ( 〰 〰 〰線部)の作品として適当なものを次 の中から一つ選び、番号で答えなさい。 1 『銀河鉄道の夜』 2 『 坊 ぼっ ちゃん』 3 『トロッコ』 4 『走れメロス』 問三 「二人は笑い、ごく自然に手をつなぎ、デッキに立った」 ( 線 部 ア ) と あ り ま す が、 こ の と き の 美 咲 と つ ば さ について説明したものとして最も適当なものを次の中から 一つ選び、番号で答えなさい。 1 ビールを飲んで興奮が高まり、お互いに相手への好意を 表に出すことにためらいがなくなっている。 2 行き先が分からない船にあえて二人で乗ることで、非日 常の世界に入ったかのような気分を味わっている。 3 お互いに対して好意を抱いているのに、それを口に出す ことができないことをもどかしく思っている。 4 初めて二人きりになれて、行き先の分からない船に乗る ことを不安に思う余裕もないほど 緊 きんちょう 張 している。 5 以前から好意を抱いていた相手と二人きりで初めて船に 乗れたので、今までにないほど興奮している。 問四 「すごーい。やっぱり東大だ」 ( 線部 イ )とありま すが、このときの美咲の心情について説明したものとして 最 も 適 当 な も の を 次 の 中 か ら 一 つ 選 び 、 番 号 で 答 え な さ い 。 1 船の到着先がシェルブールであるはずはないが、そのよ うにつばさがあえて言ったのだと感じ、その冗談のセンス の高さに圧倒されている。 2 船 の 到 着 先 が シ ェ ル ブ ー ル で あ る と、 つ ば さ が 冗 談 を 言ったのだと考え、ここでつばさをほめなければ関係が悪 くなると思って、感動したふりをしている。 3 場の雰囲気に合わせて、フランスの都市名を交えて文学 的な冗談を言えるような教養の高さをつばさが持っている のだと思い、つばさのかしこさにおどろいている。 4 美咲を笑わせるために、コマーシャルに出てくるような 異国の都市名を使ってつばさが冗談を言ったのだと思い、 そのようなつばさの優しさにうっとりしている。 5 つばさが、美咲が知らないような作家の作品に関連させ てわざとギャグを言ったのだと思い、それは学歴が高いつ ばさにしかできないことだと感心している。 問五 「すごいって、そんな。なにが」 ( 線部 ウ )とあり ますが、このときのつばさの心情を八〇字以上一〇〇字以 内で答えなさい。 問題は、裏面に続きます。問 六 「 な ら ば 船 室 に 入 れ ば よ い の だ 。 だ が 入 ら な か っ た 」 ( 線 部 エ ) と あ り ま す が、 な ぜ つ ば さ は 船 室 に 入 ら なかったのだと考えられますか。その理由を説明したもの として最も適当なものを次の中から一つ選び、番号で答え なさい。 1 美咲とのやり取りの中で、より美咲に好意を持ったつば さは、もっと美咲と一緒にいたいと思ったので、オクフェ ス会場に置いてきたトレーナーも取りに行かずに寒い思い をしてでも美咲といたいと思ったから。 2 美咲の笑顔に新鮮なときめきを覚えたつばさは、美咲に より強い好意を感じたことを自覚し、トレーナーを落とし たことさえも 愉 ゆ 快 かい だと思うほど気持ちが高ぶって、寒くて も美咲といたいと思ったから。 3 今まで美咲のことをなんとも思っていなかったが、笑顔 を 偶 ぐうぜん 然 目にしてかわいさに心ひかれ、トレーナーをなくし たことも可笑しく感じられるほど気分が高揚し、このまま もっと二人でいたいと思ったから。 4 自分のくだらないギャグに対して美咲がかわいく笑って くれたので心が満たされ、美咲が置いてきたトレーナーを 取 り に 友 人 の い る オ ク フ ェ ス 会 場 に 戻 もど る よ り も、 美 咲 と もっと二人でいたいと思ったから。 5 美咲の笑顔を見て好感を感じているということをなんと なく自覚して、トレーナーをなくしたことさえも可笑しく 感じられるほど美咲といるのが楽しいので、美咲と離れた くないと思ったから。 問七 本文の表現について説明したものとして 誤っている 0 0 0 0 0 もの を次の中から一つ選び、番号で答えなさい。 1 つばさの発言に対して、同じような言葉を使って返事を する美咲を 描 えが くことで、二人の親密さが増している様子を 表現している。 2 色を表す言葉を情景 描 びょうしゃ 写 の中で用いることによって、つ ばさと美咲がいる 状 じょうきょう 況 を、より具体的に読者にイメージさ せている。 3 短文を重ねたり、カタカナを用いたりすることで、文章 の中に軽快なリズムが生まれて、読者が文章を読み進めや すくなっている。 4 つばさの視点から描くところと、美咲の視点から描くと ころを混ぜることで、よりくわしく二人の心情の変化を表 現している。 5 フランスの都市名を文中に何度も登場させることで、ま るで外国の話であるかのような印象を効果的に読者にあた えている。