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Extended HAUP法による 

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(1)

Extended HAUP法による 

コバルト錯体及びタンパク質単結晶の  光学活性(旋光性及び円二色性)測定 

Measurement of optical activity

(circular birefringence and circular dichroism) for single crystals of cobalt complex and protein crystal

by the Extended HAUP method

2004 年 2 月

早 稲 田 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科

生 命 理 工 学 専 攻   脳 活 動 ハ イ テ ク 測 定 技 術 研 究

松木  亮 

(2)

【 目 次 】  

【 第 一 章 】 序 論... 4

1 ・ 1   研 究 の 目 的 と 意 義... 4

1 ・ 2   本 論 文 の 概 要 ... 6

【 第 二 章 】 結 晶 光 学 基 礎 事 項... 9

2 ・ 1   電 磁 光 学 的 基 本 事 項 ... 9

2 ・ 1 ・ 1   偏 光 ... 9

2 ・ 1 ・ 2   結 晶 内 の 光 波 の 伝 播... 11

2 ・ 2   光 学 活 性(旋 光 性 、 円 二 色 性) ... 15

2 ・ 2 ・ 1   旋 光 性 ... 16

2 ・ 2 ・ 2   円 偏 光 二 色 性 ... 18

2 ・ 3   ポ ア ン カ レ 球 に よ る 偏 光 表 示 ... 20

2 ・ 4   結 晶 中 で の 光 の 偏 光 状 態... 22

2 ・ 4 ・ 1   無 吸 収 非 活 性 結 晶... 23

2 ・ 4 ・ 2   無 吸 収 活 性 結 晶... 24

2 ・ 4 ・ 3   吸 収 非 活 性 結 晶... 29

2 ・ 4 ・ 4   吸 収 活 性 結 晶 ... 30

2 ・ 5   ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ルに よ る 取 り 扱 い... 32

2 ・ 5 ・ 1   部 分 直 線 偏 光 子... 34

2 ・ 5 ・ 2   直 線 位 相 子... 35

2 ・ 5 ・ 3   旋 光 子 ... 35

(3)

【 第 三 章 】 光 学 活 性 測 定 法 ... 37

3 ・ 1   HAUP法 の 概 略 ... 37

3 ・ 2   従 来 のHAUP法(Original HAUP) ... 40

3 ・ 2 ・ 1   HAUP原 理 (文 献9,19参 照) ... 40

3 ・ 2 ・ 2   HAUP測 定 法... 45

3 ・ 2 ・ 2 ・ 1   簡 便 法... 46

3 ・ 2 ・ 2 ・ 2   二 次 元 法 ... 46

3 ・ 2 ・ 3   系 統 誤 差 評 価 お よ び 楕 円 率kの 導 出 ... 48

3 ・ 3   拡 張HAUP法 (Extended HAUP) ... 49

3 ・ 3 ・ 1   HAUP原 理 (文 献12参 照) ... 50

3 ・ 3 ・ 2   HAUP測 定 法... 53

3 ・ 4   補 遺12 ... 55

【 第 四 章 】 Extended HAUP法 に お け る 実 験 デ ー タ 解 析 法... 57

4 ・ 1   偏 光 子 の 系 統 誤 差pを 光 学 不 活 性 物 質 で あ るLiNbO3を 用 い て 決 定 ... 58

4 ・ 2   光 学 活 性 物 質 で の 評 価 法... 59

【 第 五 章 】 光 学 活 性 測 定... 61

5 ・ 1   LiNbO3に よ る 偏 光 子 の 系 統 誤 差pの 評 価 ... 62

5 ・ 2   Tris-ethylenediamine Cobalt complex triiodide monohydrateの HAUP法 に よ る 測 定... 65

5 ・ 2 ・ 1   Tris-ethylenediamine Cobalt complex triiodide monohydrateに つ い て ... 65

(4)

5 ・ 2 ・ 2   (+)−[Co(en)3]I3・H2Oの 測 定 結 果 お よ び 解 析 結 果... 73

5 ・ 2 ・ 3   (−)−[Co(en)3]I3・H2Oの 測 定 結 果 お よ び 解 析 結 果... 76

5 ・ 2 ・ 4   (+)−[Co(en)3]I3・H2Oの 波 長 依 存 性 の 測 定 ... 78

5 ・ 2 ・ 4 ・ 1   X 軸 方 向 ... 78

5 ・ 2 ・ 4 ・ 2   Z 軸 方 向 ... 82

5 ・ 2 ・ 4 ・ 2   Y 軸 方 向 ... 86

【 第 六 章 】 LysozymeのHAUP法 に よ る 光 学 活 性 測 定. 90 【 第 七 章 】 ま と め ... 93

7 ・ 1   Tris-ethylenediamine Cobalt complex triiodide monohydrate .. 93

7 ・ 2   Lysozyme ... 97

7 ・ 3   課 題 と 展 望 ... 98

【 謝 辞 】 ...100

【 研 究 業 績 】 ...101

【 参 考 文 献 】 ...103

(5)

【 第 一 章 】   序 論

1 ・ 1   研 究 の 目 的 と 意 義

  タ ン パ ク 質 、DNAの よ う な 生 物 を 構 成 し て い る 生 体 高 分 子 は 、 そ の 一 次 、 二 次 、 三 次 構 造 な ど の 高 次 構 造 を も ち 、 そ れ に よ り 機 能 性 を 発 現 す る と い わ れ て い る 。 し た が っ て 、 生 体 高 分 子 の 構 造 を 解 析 す る こ と は 生 物 の 生 命 活 動 全 般 の 研 究 に お い て 非 常 に 重 要 な 位 置 を し め て く る の で あ る 。 こ れ ま で の 構 造 研 究 の 代 表 的 な 例 を あ げ る と 古 く は ミ オ グ ロ ビ ン1を は じ め 、 リ ゾ チ ー ム2、 ヘ モ グ ロ ビ ン 3等 のX線 結 晶 解 析や エ ラ ブ ト キ シ ンb等 のNMRに よ る 構 造 解 析 4が な さ れ て き た 。

ヘ モ グ ロ ビ ン は 酸 素 を 吸 着 、 放 出 す る こ と に よ り 体 内 に 酸 素 を 運 搬 す る 役 割 を 持 つ 。 ヘ モ グ ロ ビ ン の 酸 素 飽 和 曲 線 は 正 の ア ロ ス テ リ ッ ク 曲 線 を 描 く が こ れ は 最 初 に 結 合 し た 酸 素 に よ り 誘 起 さ れ た 他 の サ ブ ユ ニ ッ ト の 構 造 変 化 に 由 来 す る と い わ れ て お り、Perutz機 構 と も 言 わ れ て い る5, 6 , 7。 こ の こ と は オ キ シ ヘ モ グ ロ ビ ン お よ び デ オ キ シ ヘ モ グ ロ ビ ン の そ れ ぞ れ の 二 状 態 に お け るX線 結 晶 構 造 解 析 よ り 推 測 さ れ る 。 し か し こ の 二 状 態 間 の 電 子 状 態 の 遷 移 ダ イ ナ ミ ク ス を 推 測 す る 域 に は い ま だ に な い。 し た が っ て こ のPerutz機 構 も 二 つ の 静 状 態 の 現 象 論 的 記 述 に す ぎ な い 。 ま た 、 生 物 の 運 動 機 能 を つ か さ ど る 筋 肉 は 、 ア ク チ ン 、 ミ オ シ ン の 筋 繊 維 で 構 成 さ れ て い る。 そ し て こ の 筋 肉 に よ る 生 物 の ダ イ ナ ミ ッ ク な 運 動 は 実 は そ れ を 構 成 し て い る タ ン パ ク 質 で あ る ア ク チ ン 、 ミ オ シ ン の 構 造 変 化 、 す な わ ち 両 者 の 互 い の 滑 り 運 動 に よ っ て 引 き 起 こ さ れ て い る の で あ る 。 し か し な が ら こ の 滑 り 運 動 も 現 在 の と こ ろ 、 様 々 な 実 験 に よ っ て 議 論 が わ か れ る と こ ろ で あ り ダ イ ナ ミ ッ ク な 分 子 構 造 を 追 う こ と は で き な い で い る 。

こ の 様 に 生 体 高 分 子 の 構 造 と そ の 機 能 と は 密 接 に 関 連 し て い る に も か か わ ら

(6)

ず 、 現 在 の と こ ろ 現 象 論 的 な 解 析 に と ど ま り 、 二 状 態 間 に お け る 電 子 状 態 な ら び に 電 子 状 態 遷 移 を 記 述 す る ダ イ ナ ミ ク ス は 未 解 明 の ま ま で あ る 。

生 体 高 分 子 は 分 子 量 が 非 常 に 巨 大 で あ る と い う 特 徴 の ほ か に キ ラ リ テ ィを 持 つ も の が 大 部 分 で あ り 、 光 学 活 性 を も つ と い う 大 き な 特 徴 が あ る 。 こ れ はX線 構 造 解 析 やNMR、 そ の 他 従 来 の 構 造 解 析 と は 別 な 観 点 か ら の 分 子 構 造 に 由 来 す る 電 子 の 摂 動 的 知 見 8 が 得 ら れ る 可 能 性 が あ り 、 機 能 と の 相 関 を 推 測 す る こ と が で き る 可 能 性 を 秘 め て い る 。

従 来 の 光 学 活 性 の 測 定 法 で は 異 方 性 の あ る 場 合 に は 光 学 活 性 に 比 べ て10〜 103ほ ど 大 き い 複 屈 折 が 存 在 す る た め 測 定 は 不 可 能 と さ れ 、 従 っ て 通 常 は 溶 液 状 態 に お い て 測 定 さ れ て き た。 し か し な が ら 、1983年 に 単 結 晶 の 旋 光 性 の 測 定 を 可 能 に す る 装 置HAUP(High Accuracy Universal Polarimeter) 9が 開 発 さ れ た 。 こ れ ま で に も リ ゾ チ ー ム 10を は じ め 、 様 々 な 無 機 結 晶 の 測 定 に 成 功 し て い る 実 績 が あ る11。 し か し な が ら 、1983年 に 開 発 さ れ たHAUPは 吸 収 を 考 慮 し て お ら ず 、 円 二 色 性 や 線 二 色 性 を 示 す 領 域 、 あ る い は 試 料 に は 適 用 さ せ る こ と が で き な か っ た 。 そ こ で 、1996年 に 、 吸 収 の あ る 領 域 を 含 め て 旋 光 性 お よ び 円 二 色 性 の 測 定 を 可 能 と す るExtended HAUP法 が 開 発 さ れ た 12 。Extended HAUP法 に 対 し て 、 初 期 に 開 発 さ れ た 方 法 をOriginal HAUP法 と 呼 ぶ 。

本 研 究 は 最 終 的 な 目 標 と し て は 前 述 の よ う に 、 こ の 光 学 活 性 に 着 目 し 、 生 物 の 様 々 な 機 能 を つ か さ ど る タ ン パ ク 質 の 二 次 構 造 、 特 に α-helix、 と キ ラ リ テ ィ と の 関 連 を 光 学 活 性 で 調 べ 、 分 子 構 造 と 電 子 の 摂 動 的 知 見を 得 る こ と を 大 き な 目 的 と す る 。 そ れ に は α-helixが 光 学 活 性 を 示 す 紫 外 領 域 で の 測 定 が 必 要 で あ る 。 し か し な が ら 、 現 段 階 で はExtended HAUP法 の 原 理 は 導 出 さ れ た が そ れ に よ る 実 測 経 験 が 不 十 分 で あ り 、 光 学 活 性 を 測 定 す る 上 で い く つ か の問 題 点 が あ る 。 そ こ で 本 研 究 は 最 終 的 目 標 に 向 け て の 基 礎 的 研 究 の 位 置 づ け に あ り 、 そ の 遂 行 の た め に 可 視 領 域 で 円 二 色 性 を 示 す ト リ ス エ チ レ ン ジ ア ミ ン コ バ ル ト

(7)

錯 体 お よ びLysozyme単 結 晶 を 使 用 し 、 今 後 の タ ン パ ク 質 単 結 晶 の 紫 外 領 域 で の 測 定 に 向 け て の 第 一 歩 と し た 。

本 研 究 で 使 用 す る ト リ ス エ チ レ ン ジ ア ミ ン コ バ ル ト 錯 体 ヨ ウ 化 物

((+) -[Co(en)3]I3・H2Oま た は(−)-[Co(en)3]I3・H2O)は ヨ ウ 化 物 の 他 、 種 々 の 塩 よ り な る ト リ ス エ チ レ ン ジ ア ミ ン コ バ ル ト 錯 体 群 の う ち の 一 つ で あ る 。 ト リ ス エ チ レ ン ジ ア ミ ン コ バ ル ト錯 体 は そ の 絶 対 構 造 が X 線 構 造 解 析 に よ り 初 め て 明 ら か に さ れ た 物 質 で も あ る 13。 ト リ ス エ チ レ ン ジ ア ミ ン コ バ ル ト 錯 体 群 は 古 く か らNujor法 やKBr法 に よ り 固 体 粉 末 で の 可 視 領 域 で の 円 二 色 性 測 定 が な さ れ 、 そ の 構 造 と の 議 論 も さ か ん に 行 わ れ て き て い る 代 表 的 な 物 質 群 の う ち の 一 つ で も あ り14, 15 , 16, 17、 今 後 、 構 造 と 光 学 活 性 と の 議 論 を 進 め る 上 で 大 変 有 用 な 物 質 で あ る 。 ま た 、Lysozymeは 古 く か ら 研 究 さ れ て き て い る 代 表 的 な タ ン パ ク 質 の 一 つ で あ り 、 結 晶 化 法 、 結 晶 デ ー タ な ど 測 定 の 際 に 必 要 と な る 予 備 知 識 の 蓄 積 が 豊 富 に あ る タ ン パ ク 質 で あ る 。

Lysozymeで の 測 定 で タ ン パ ク 質 単 結 晶 のHAUP測 定 法 を 確 立 し た 後 は 可 視 領 域 に ヘ ム に よ る 円 二 色 性 を 示 す 18、 ヘ モ グ ロ ビ ン を 用 い た 測 定 が 考 え ら れ 、 そ の た め の 弾 み と し て い き た い 。

1 ・ 2   本 論 文 の 概 要

第 二 章 で は 研 究 を 行 う 上 で 必 要 な 基 礎 的 な 電 磁 光 学 的 現 象 に つ い て 述 べ て あ る 。 さ ら に 光 学 活 性 と い う 現 象 が 実 際 ど の よ う な現 象 で あ る か を 説 明 し て い る 。 さ ら に 偏 光 状 態 を 、 ポ ア ン カ レ 球 を 用 い た 視 覚 的 な 偏 光 表 示 お よ び ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル 表 示 を 用 い た 解 析 的 な 偏 光 表 示 の 二 例 を 示 し 、HAUP法 の 理 論 を 理 解 す る 上 で 参 考 に で き る よ う に し て あ る 。

  第 三 章 で はHAUP法 の 概 略 を 説 明 し て あ り 、 吸 収 を 含 め な いOriginal HAUP 法 と 吸 収 を 考 慮 し たExtended HAUP法 の 両 方 の 説 明 が し て あ る 。 本 研 究 に お

(8)

い て 、 旋 光 性 お よ び 円 二 色 性 の 測 定 に は 後 者 のExtended HAUP法 を 用 い て い る 。HAUP法 の 最 大 の 特 徴 は 装 置 の 光 学 系(偏 光 子 お よ び 検 光 子)の 系 統 誤 差 を 考 慮 す る こ と に よ り 初 め て 単 結 晶 の 光 学 活 性 の 測 定 を 可 能 に し て い る と い う 点 で あ る 。Original HAUP法 とExtended HAUP法 で は 実 験 系 は 全 く 同 じ で あ る が 吸 収 を 含 め る か 否 か に よ る 原 理 式 の 違 い が あ る だ け で あ る。 そ し て 両 者 と も 実 験 系 の 系 統 誤 差 を 考 慮 し て 初 め て 異 方 性 単 結 晶 の 光 学 活 性 測 定 を 可 能 に し て お り 、 そ の 理 由 を 含 め て 説 明 し て い る 。

  第 四 章 で はExtended HAUP法 に よ る 系 統 誤 差 お よ び 光 学 活 性(旋 光 性 お よ び 円 二 色 性)を 決 定 す る た め の 実 験 デ ー タ 解 析 法 の 拡 張 を 提 案 し て い る 。

Extended HAUP法 で は 測 定 原 理 式 中 に 試 料 の 吸 収 の 効 果 も 含 ま れ る た め 、 吸 収 の 効 果 を 含 め な いOriginal HAUP法 に 比 べ て 測 定 原 理 式 が 複 雑 に な り 、 Extended HAUP法 で はOriginal HAUP法 で 用 い ら れ て い た 従 来 の 解 析 法 を 使 用 す る 事 が で き な い と い う 問 題 点 が あ る 。 そ こ で 、 こ こ で はExtended HAUP 法 の 測 定 原 理 式 に 重 回 帰 分 析に よ る 最 小 二 乗 法 を 適 用 さ せ て 系 統 誤 差 お よ び 光 学 活 性 の 未 知 パ ラ メ ー タ を 決 定 す る と い う 方 法 を 提 案 し て い る 。

  第 五 章 で は 第 四 章 で 新 た に 拡 張 さ れ た 解 析 法 を 用 い てExtended HAUP法 に よ る 実 際 の 試 料 を 用 い た 光 学 活 性 測 定 の 実 験 結 果 と そ の 解 析 結 果 が 述 べ ら れ て い る 。 こ こ で は 、 ま ず 最 初 に 光 学 不 活 性な 物 質 で あ る リ チ ウ ム ナ イ オ ベ イ ト (LiNbO3)の 実 験 デ ー タ お よ び 解 析 結 果 を 示 し て い る 。 リ チ ウ ム ナ イ オ ベ イ ト を 用 い た 測 定 に よ り 光 学 系 の 一 つ で あ る 偏 光 子 の 系 統 誤 差pを 決 定 し た 。 後 に 続 く 光 学 活 性 物 質の 測 定 に は リ チ ウ ム ナ イ オ ベ イ ト を 用 い て 決 定 さ れ た 偏 光 子 の 系 統 誤 差pは 不 変 で あ る と い う 仮 定 の 下 に 実 験 を し て い る 。 実 際 にExtended HAUP法 で 光 学 活 性 を 測 定 す る た め ト リ ス エ チ レ ン ジ ア ミ ン コ バ ル ト錯 体 ヨ ウ 化 物 を 試 料 と し て 用 い 、Extended HAUP法 に よ り 旋 光 性 お よ び 円 二 色 性 の 測 定 を 試 み た 。 こ の 錯 体 は 過 去 に 可 視 領 域 で 単 結 晶 の 光 軸 方 向 で 円 二 色 性 の 測 定

(9)

が な さ れ て お り 、Extended HAUP法 で 得 ら れ た 測 定 結 果 と 比 較 し や す い と い う 利 点 が あ る 。 コ バ ル ト 錯 体 単 結 晶 の 独 立 し た 三 方 向 か ら の 測 定 に 成 功 し 、 旋 光 性 と 円 二 色 性 の 測 定 に 成 功 し た 。 ま た 、 そ の う ち の 一 方 向 に 関 し て は 波 長 514.5nmの と こ ろ で キ ラ リ テ ィ が 反 対 で あ る 物 質 に 関 し て も 測 定 に 成 功 し 、 旋 光 性 と 円 二 色 性 の 符 号 が そ の キ ラ リ テ ィを 反 映 し て 逆 と な り 、 そ の 大 き さ も ほ ぼ 一 致 す る 事 が 確 か め ら れ た。 単 結 晶 で の 円 二 色 性 を 含 め た 光 学 活 性 の 測 定 で キ ラ リ テ ィ を 反 映 し た 結 果 が 得 ら れ た の は こ の 物 質 の み な ら ず 初 め て の 事 で あ る 。 ま た 、 過 去 に 、 同 様 な コ バ ル ト 錯 体 で 、 塩 が 異 な る 物 質 の 単 結 晶 光 軸 方 向 円 二 色 性 測 定 の 報 告 が あ る が 、 本 研 究 で 測 定 さ れ た コ バ ル ト 錯 体 ヨ ウ 化 物 の 円 二 色 性 と 大 き さ の オ ー ダ ー お よ び 符 号 が 一 致 し て い る こ と も 確 認 で き た 。 ま た 、 単 結 晶 の 円 二 色 性 の 測 定 で 独 立 な 各 方 向 の 波 長 依 存 性 の 平 均 値 と 溶 液 で の 波 長 分 散 の プ ロ フ ァ イ ル が 一 致 す る こ と が 確 認 で き た が 、 こ れ も 初 め て の こ と で あ る 。

  第 六 章 で はExtended HAUP法 を 用 い た 、 ヘ モ グ ロ ビ ン 単 結 晶 の 光 学 活 性 測 定 の 実 験 結 果 を 示 し て い る 。 タ ン パ ク 質 の α-helixに 関 す る 光 学 活 性 は200nm 付 近 の 紫 外 領 域 に 現 れ る が 、 現 在 の と こ ろ そ の 波 長 領 域 の 連 続 光 の レ ー ザ ー が な い た め 可 視 光 領 域 で 連 続 光 を 出 す レ ー ザ ー を 用 い て 実 験 し た 。 ヘ モ グ ロ ビ ン は コ バ ル ト 錯 体 と 同 様 に 可 視 領 域 で も 円 二 色 性 を 示 し 、 こ の 実 験 を 通 し て Extended HAUP法 を タ ン パ ク 質 単 結 晶 で 測 定 す る 際 の 問 題 点 を 検 証 し 、 解 決 方 法 を 提 案 す る 。 こ こ で 蓄 え ら れ た 知 見 を 、 測 定 波 長 を 紫 外 領 域 に す る こ と で タ ン パ ク 質 の α-helixと 光 学 活 性 と の 関 連 を 研 究 す る 上 で の 礎 に す る 。

  第 七 章 で は 本 研 究 で 得 ら れ たExtended HAUP法 に よ る 光 学 活 性(旋 光 性 お よ び 円 二 色 性)測 定 の 成 果 を ま と め 、 さ ら に 、 本 研 究 に よ り 明 ら か に さ れ た Extended HAUP法 を 用 い た タ ン パ ク 質 単 結 晶 の α-helixに 関 連 す る 光 学 活 性 を 測 定 す る た め の 問 題 点 と 課 題 を ま と め て い る 。

(10)

【 第 二 章 】   結 晶 光 学 基 礎 事 項

こ こ で は 研 究 を 行 う 上 で 結 晶 中 の 電 磁 波 の 伝 播 お よ び 偏 光 に つ い て 理 解 す る の に 必 要 な 基 礎 的 な 電 磁 光 学 的 現 象 に つ い て 述 べ て あ る 。 さ ら に 光 学 活 性 と い う 現 象 が 実 際 ど の よ う な 現 象 で あ る か を説 明 し て い る 。 さ ら に 偏 光 状 態 を 、 ポ ア ン カ レ 球 を 用 い た 視 覚 的 な 偏 光 表 示 お よ び ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル 表 示 を 用 い た 解 析 的 な 偏 光 表 示 の 二 例 を 示 し 、HAUP法 の 理 論 を 理 解 す る 上 で 参 考 に で き る よ う に し た 。

2 ・ 1   電 磁 光 学 的 基 本 事 項

2 ・ 1 ・ 1   偏 光

  光 は 電 場 と 磁 場 が 直 交 し 交 互 に 振 動 し て い る 電 磁 波 で あ る 。Maxwellの 方 程 式 を 解 く こ と に よ り 光 を 記 述 で き る 。 一 般 的 な 形 式 と し てε1ε2を そ れ ぞ れ X 軸 、 Y 軸 方 向 の ベ ク ト ル と す る と 電 場 の 複 素 表 示 は

E = (ε1 + ε2)ei (kr – ωt )   と あ ら わ せ る 。

ま た 、 実 空 間 で の X 、 Y 座 標 を 成 分 表 示 す る と 一 般 的 に は 位 相 差 δ を 用 い て x = a cos( kx rxωt), y = b cos( ky ryωt + δ)

と あ ら わ せ る 。

こ こ で 具 体 例 と し て 電 場 ベ ク ト ル の X 、 Y 成 分 の 位 相 差 を δ と し 電 場 ベ ク ト ル を 次 の よ う に 定 義 す る と 偏 光 状 態 は 下 の 図 の よ う に な る 。

(11)

-10 -7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5 10

-15 -10 -5 5 10 15

-10 -7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5 10

-15 -10 -5 5 10 15

x = cos(t)

y = 10 cos(t + δ)

  

-10 -7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5 10

-15 -10 -5 5 10 15

-10 -7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5 10

-15 -10 -5 5 10 15 δ= 0

δ= 1/2π δ= 3/4π

δ= π δ= 5/4π

δ= 1/4 π

-10 -7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5 10

-15 -10 -5 5 10 15 -10 -7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5 10

-15 -10 -5 5 10 15

(12)

  図 2-1 か ら わ か る よ う に 、 二 つ の 独 立 し たε1ε2の 大 き さ が 異 な り 、 角 速 度 が 等 し く 位 相 差 が ゼ ロ を 合 成 す る と 直 線 偏 光 が 、 位 相 差 が あ れ ば 一 般 的 に は 楕 円 偏 光 が 得 ら れ る 。 特 別 な 場 合 と し てε1ε2の 大 き さ が 等 し く δ=π/2 ま た は − π/2な ら ば 円 偏 光 と な る 。 こ こ で は 光 の 入 射 方 向 に 対 し て 見 た 円 偏 光 が 時 計 回 り の も の を 右 円 偏 光 、 反 時 計 回 り の も の を 左 円 偏 光 と 定 義 す る 。   ま た 逆 に 、 大 き さ の 等 し く 、 角 速 度 が 等 し い 左 右 円 偏 光 を 合 成 す る と 直 線 偏 光 が 得 ら れ る 。 大 き さ が 異 な れ ば 一 般 的 に は 楕 円 偏 光 が 得 ら れ る 。

2 ・ 1 ・ 2   結 晶 内 の 光 波 の 伝 播

  結 晶 は 原 子 の 規 則 正 し い 配 列 に よ り 構 成 さ れ る 。 外 部 か ら 光 が 入 射 す る と 各 原 子 は 局 所 場 の 作 用 に よ っ て 振 動 的 に 分 極 し 結 晶 内 に 新 し い 場 を 形 成 す る 。 物 質 中 の 電 束 密 度 をDと す る と 物 質 中 の 電 束 密 度 は

D =ε0E + P = [ε] E (2 ・ 1 ・ 1) -10 -7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5 10

-15 -10 -5 5 10 15

δ= 3/2π δ= 7/4π

-10 -7.5 -5 -2.5 2.5 5 7.5 10

-15 -10 -5 5 10 15

図 2-1   位 相 差 の 変 化 と 偏 光 の 関 係

(13)

  と あ ら わ せ る 。[ε]は 誘 電 率 で テ ン ソ ル 量 で あ る 。 溶 液 の よ う な 非 晶 質 で 均 質 な 物 質 中 で は[ε]は ス カ ラ ー 量 と な る 。

  異 方 結 晶 中 の 光 の 伝 播 はMaxwellの 方 程 式 に よ っ て 記 述 さ れ る 。Maxwellの 方 程 式 は

∇ ×H = ∂D

∂t  (2 ・ 1 ・ 2)

∇ ×E = - ∂B

∂t (2 ・ 1 ・ 3)

∇ ・D = 0 (2 ・ 1 ・ 4)

∇ ・B = 0 (2 ・ 1 ・ 5)

  と 書 き 表 せ る 。   こ の 解 と し て

D = D0exp i( k・r – ωt) (2 ・ 1 ・ 6) B = B0exp i( k・r – ωt) (2 ・ 1 ・ 7) E = E0exp i( k・r – ωt) (2 ・ 1 ・ 8) H = H0exp i( k・r – ωt) (2 ・ 1 ・ 9)   と す る こ と が で き る 。 (2 ・ 1 ・ 2)、(2 ・ 1 ・ 3) 式 よ り 常 に

E⊥B、H⊥D   が 成 り 立 つ 。

  (2 ・ 1 ・ 6)式 か ら(2 ・ 1 ・ 4)式 の X 成 分 に 関 す る 計 算 は Dx = D0xexp i( k・r – ωt)

∵ ∂Dx

∂x  = ikx・Dx = i(k・D )x

  従 っ て(2 ・ 1 ・ 4)式 は

∇ ・D = i(k・D ) = 0

(14)

∵  D⊥k (2 ・ 1 ・ 1 1)   同 様 に(2 ・ 1 ・ 5)式 よ り

B⊥k (2 ・ 1 ・ 1 2)

  が 常 に 成 り 立 つ 。

  (2 ・ 1 ・ 1 1)、(2 ・ 1 ・ 1 2)式 よ り ポ イ ン テ ィ ン グ ベ ク ト ルS = E×Hを 考 慮 し 、 結 晶 中 の 光 の 伝 播 の 様 子 を 図 示 す る と

  と な る 。

  (2 ・ 1 ・ 2)、(2 ・ 1 ・ 3) 式 は そ れ ぞ れ

i(k×H ) = - iωD (2 ・ 1 ・ 1 3) i(k×E ) = iωB (2 ・ 1 ・ 1 4)

  と な り 、(2 ・ 1 ・ 1 4)式 にB =μ0Hを 適 用 し て(2 ・ 1 ・ 1 3)式 よ り μ0ω2D = - k×(k×E )

θ

θ D E

B , H

k = ka

S = E×H 等 位 相 波

図 2-2   結 晶 中 の 波 面 法 線 方 向と エ ネ ル ギ ー の 伝 播 方 向

(15)

  よ っ て

μ0ω2D = E (k )2 – k (k・E ) (2 ・ 1 ・ 1 5)   と な り 、(2 ・ 1 ・ 1 5)式 にk = kaを 代 入 す る と

D = 1 μ0 k2

?2 {E – a (a・E )} (2 ・ 1 ・ 1 6)

  と な る 。 真 空 中 の 光 速 度c02 = 1

ε0μ0  、 物 質 中 の 光 速 度c = k

ω  を 利 用 す る と(2 ・ 1 ・ 1 6)式 は

D =ε0( co

c )2{E – a (a・E )}

  と な る 。co

c = nは 屈 折 率 で あ る 。 し た が っ て

D =ε0n2{E – a (a・E )} (2 ・ 1 ・ 1 7)

  と な る 。 こ れ は 結 晶 の 誘 電 率[ε]が 与 え ら れ て い る と き、a方 向 に 等 位 相 波 面 の 法 線 方 向 が 向 い て い る 平 面 波 の 屈 折 率 を 与 え る 式 で あ る 。 誘 電 率[ε]が 対 角 成 分 の み 存 在 す る 座 標 系 の と き(2 ・ 1 ・ 1 7)式 は 成 分 ご と に

Dx0n2{ Dx

ε1 − (E・a )ax}

Dy0n2{ Dy

ε2 − (E・a )ay}

Dz0n2{ Dz

ε3 − (E・a )az}   と 書 き あ ら わ せ る 。 さ ら に

Dx =−(E・a )ax

1

e0n2 −1 e1

、Dy =−(E・a )ay

1

e0n2 −1 e2

、Dz =−(E・a )az

1

e0n2 −1 e3

  と な り 、 ま た 、D⊥aよ り

(16)

a・D = axDx + ayDy + azDz = 0

∵ a x 2

1

e0n2 −1 e1

+ a y 2

1

e0n2 −1 e2

+ a z 2

1

e0n2 −1 e3

= 0

  と 書 き あ ら わ せ る 。   ま た

c1 = 1 ε1μ0

、c2 = 1 ε2μ0

、c3 = 1 ε3μ0

cn = 1 ε0μ0

1 n =

c0

n c0: 真 空 中 の 光 速 度 、cn: 媒 質 中 の 光 速 度

  を 用 い て a x 2

cn2−c1 2 + a y 2

cn2−c2 2 + a z 2

cn2−c3 2 = 0 (2 ・ 1 ・ 1 8)

と な る 。(2 ・ 1 ・ 1 8)式 をFresnelの 法 線 方 程 式 と い う 。 こ の 式 か ら わ か る よ う に 媒 質 中 の 光 速 度cnの 解 が 二 つ 存 在 す る 。 こ の こ と は 異 方 性 結 晶に 入 射 さ れ た 光 は 、 進 行 方 向 が 同 じ で 電 気 変 位 ベ ク ト ル の 偏 り お よ び 速 度 が 異 な る 二 つ の 平 面 波 に わ か れ て 伝 播 す る と い う こ と を 示 し て い る 。 す な わ ち 、 二 つ の 平 面 波 に 対 す る 媒 質 の 屈 折 率 が 異 な る と い う こ と で あ り 、 こ の 差 を 複 屈 折 、 LB(Linear Birefringence)、 と 呼 ぶ 。

2 ・ 2   光 学 活 性(旋 光 性 、 円 二 色 性)

  光 学 活 性 と い う 現 象 は 、 光 学 異 性 体 の 存 在 す る 分 子 の 片 方 の 異 性 体 の み か ら 成 る 物 質 を 光 が 通 過 し た と き に 現 れ る 現 象 の こ と で あ る 。 光 学 活 性 に は 旋 光 性 と 円 二 色 性 の 二 つ の 性 質 が あ る 。 前 者 は 左 右 円 偏 光 の 屈 折 率 の 差 、 後 者 は 吸 収 率 の 差 に 起 因 し て 現 れ る 現 象 で あ る 。

(17)

光 学 異 性 体 の 具 体 例 と し て ア ミ ノ 酸 を 考 え る 。 ア ミ ノ 酸 は α 炭 素 原 子 を 中 心 に ア ミ ノ 基 、 カ ル ボ キ シ ル 基 、 水 素 原 子 、 側 鎖 が 結 合 し 、 下 の 図 の よ う に 光 学 異 性 体 が 存 在 す る 。 こ こ でRは 側 鎖 を あ ら わ す 。

  ア ミ ノ 酸 の な か で グ リ シ ン は 側 鎖 がHな の で 光 学 異 性 体 は 存 在 せ ず 、 従 っ て 光 学 活 性 も 示 さ な い 。 ま た 、 タ ン パ ク 質 を 構 成 す る ア ミ ノ 酸 は す べ てL-ア ミ ノ 酸 か ら で き て い る。 さ ら に タ ン パ ク 質 の 場 合 、 二 次 構 造 が α-helix構 造 と い っ て 螺 旋 構 造 を と る こ と が あ る が 、 タ ン パ ク 質 は そ の 螺 旋 構 造 に 起 因 す る 光 学 活 性 を 示 し タ ン パ ク 質 の 構 造 と 機 能 そ し て 電 子 状 態 を 論 じ る う え で 重 要 に な っ て く る 。

2 ・ 2 ・ 1   旋 光 性

  旋 光 性 は 左 右 円 偏 光 の 屈 折 率 の 差 に 起 因 す る 現 象 で あ る 。 左 右 円 偏 光の 屈 折 率 の 差 に よ り 、 光 学 活 性 物 質 に 直 線 偏 光 が 入 射 さ れ た と き光 学 活 性 物 質 を 通 過 し 出 て く る 光 が 、 入 射 さ れ た も と の 直 線 偏 光 か ら あ る 角 度 回 転 さ れ て 出 て く

C O O H

N H2

H R

C O O H

R

N H2

H

Cα Cα

図 2-3   ア ミ ノ 酸 の 光 学 異 性 体

a) L型 ア ミ ノ 酸   b)D型 ア ミ ノ 酸

a) b)

(18)

る 。 こ こ で は 吸 収 を 考 え な い で 説 明 す る 。

2 ・ 1 で も 述 べ た よ う に 直 線 偏 光 は 大 き さ が 等 し く 、 角 速 度 が 等 し い 左 右 円 偏 光 を 合 成 し て 得 る こ と が で き る 。 光 の 入 射 方 向 に 対 し て 観 察 さ れ る 偏 光 状 態 を 図 示 す る と 2 ・ 1 ・ 1 で の 定 義 よ り 下 図 の よ う に な る 。

  左 右 円 偏 光 に よ り 合 成 さ れ た 直 線 偏 光 の 試 料 通 過 前 の 偏 光 状 態 が 図 の よ う で あ る と す る と 、 左 右 円 偏 光 の そ れ ぞ れ の屈 折 率 が 異 な る た め 試 料 を 通 過 中 に 左 右 円 偏 光 に 位 相 差 が 生 じ る 。 こ れ を 円 複 屈 折 と い い 、 あ る い はCB(Circular Birefringence)と も い う 。 左 右 円 偏 光 の 角 速 度 を ω 、 右 円 偏 光 の 試 料 中 の 通 過 速 度 をVR、 左 円 偏 光 の 試 料 中 の 通 過 速 度 をVL、 試 料 の 厚 さ をdと す る と 試 料 通 過 前 後 の 左 右 円 偏 光 の 位 相 差 ρ は

ρ=ωd( 1

VL − 1 V ) 試 料 通 過 前

L(左 円 偏 光)

R(右 円 偏 光) ρ

L(左 円 偏 光) R(右 円 偏 光)

試 料 通 過 後

図 2-4   光 学 活 性 試 料 通 過 前 後に お け る 左 右 円 偏 光 の 位 相 差 に よ る 偏 光 の 変 化

(19)

  と な り 、 試 料 通 過 後 の 偏 光 状 態 は 試 料 通 過 前 と 比 べ て 角 度 ρ 回 転 し た 図 の 状 態 に な る 。 こ の 現 象 を 旋 光 性 と い い 、 単 位 長 さ あ た り に し た 旋 光 角 の 大 き さ 、 ρ/dを 旋 光 度 と い う 。 入 射 方 向 に 対 し て 観 察 し た と き 旋 光 性 が 時 計 回 り の も の を 右 旋 性 、 反 時 計 回 り の も の を 左 旋 性 と 定 義 す る 。 ま た 、 右 旋 性 の 時 の ρ を 正 と す る 。 円 偏 光 の 定 義 が 物 理 と 化 学 で は 逆 で あ る の で 注 意 す る 。 2 ・ 1 ・ 1 の 定 義 は 化 学 の 定 義 に の っ と っ て い る 。

旋 光 性 が 存 在 す る 物 質 中 の 電 束 密 度 は(2 ・ 1 ・ 1)式 に 旋 回 ベ ク ト ルGと 電 場 ベ ク ト ルEと の ベ ク ト ル 積 の 項 が 付 加 さ れ た も の と な り 、 次 の よ う に 表 さ れ る 。

D = [ε] E + i( G×E ) (2 ・ 2 ・ 1) こ れ は 結 晶 の 誘 電 率 が 複 素 数 で

] = [ε] + i[μ] (2 ・ 2 ・ 2)

と 表 さ れ 、[μ]が 反 対 称 で 実 数 の 場 合 、 活 性 無 吸 収 を 表 し(2 ・ 2 ・ 1)式 の 形 が 導 か れ る 。[ε]は 対 称 テ ン ソ ル で あ る 。

2 ・ 2 ・ 2   円 偏 光 二 色 性

  円 偏 光 二 色 性(円 二 色 性)は 左 右 円 偏 光 の 吸 収 の 差 に 起 因 す る 現 象 で あ る 。 CD(Circular Dichroism)と も い う 。 円 二 色 性 に よ り 、 入 射 さ れ た 左 右 円 偏 光 に よ り 合 成 さ れ た 直 線 偏 光 は 光 学 活 性 物 質 を 通 過 し て 出 て く る と き 楕 円 偏 光 と な っ て 出 て く る 。 円 複 屈 折(CB)が な い と し て楕 円 偏 光 の 主 軸 の 回 転 は な い と す る と 円 二 色 性 に よ る 偏 光 状 態 の 変 化 は 図 の よ う に な る 。

(20)

  右 円 偏 光 の 大 き さ をAR、 左 円 偏 光 の 大 き さ をALと す る と 楕 円 偏 光 の 楕 円 率k は 楕 円 率 角 η を 用 い て 次 の よ う に 定 義 さ れ る 。

k = tanη= AL−AR

AL+AR (2 ・ 2 ・ 3)

  左 右 円 偏 光 の 吸 収 係 数 を そ れ ぞ れ κRκLと す る と こ れ ら を 用 い て(2 ・ 2 ・ 3)式 か ら

k = AL−AR

AL+AR =

exp(− κL d

2 )−exp(− κR d 2 ) exp(− κL d

2 )+exp(− κR d 2 )

=

1−exp{−(κR − κL)d 2 } 1+exp{−(κR − κL)d

2 } L(左 円 偏 光) R(右 円 偏 光)

試 料 通 過 前 試 料 通 過 後

図 2-5   光 学 活 性 試 料 通 過 前 後に お け る 左 右 円 偏 光 の 強 度 差 に よ る 偏 光 の 変 化

(21)

? 1

2 (κR − κL)d 2−1

2 (κR − κL)d

(2 ・ 2 ・ 4)

  (2 ・ 2 ・ 4)式 の 分 母 は(κR − κL)が 十 分 小 さ い の で 2 と 近 似 で き る 。 さ ら に 、 楕 円 率 角 η が 十 分 小 さ い 場 合 、tanη ?η と お け る の で  

  η ? 1

4 (κR− κL)d [rad]

  右 回 り 楕 円 率 を 正 と 定 義 す る の で

η ? 1

4 (κL− κR)d

  ? k (2 ・ 2 ・ 5)

  の 関 係 が 導 か れ る 。

  円 二 色 性 が あ る 場 合 、(2 ・ 2 ・ 2)式 の 反 対 称 成 分[μ]が 複 素 数 で あ り 、 す な わ ち 旋 回 ベ ク ト ルGが 複 素 数 で あ る 場 合 で あ る 。 こ の 時 、(2 ・ 2 ・ 1)式 は

D = [ε] E + i( G? ×E ) (2 ・ 2 ・ 6)

  と 表 さ れ る 。 一 般 的 に 線 二 色 性 、LD(Linear Dichroism)、 も 存 在 す る な ら (2 ・ 2 ・ 5)式 の[ε]も 複 素 数 で あ る 。

2 ・ 3   ポ ア ン カ レ 球 に よ る 偏 光 表 示

  光 の 偏 光 状 態 や 、 媒 質 中 に 伝 播 す る 光 の 偏 光 状 態 の 変 化 を 記 述 す る 場 合 、 ポ ア ン カ レ 球 を 用 い る と 視 覚 的 に そ の 様 子 を 理 解 す る こ と が で き る 。 方 位 角 θ 、 楕 円 率 η の 偏 光 は ポ ア ン カ レ球 上 で は 経 度 2 θ 、 緯 度 2 η の 座 標 点(2θ,2η) で 表 さ れ る 。 ま た 、 ポ ア ン カ レ 球 の 半 径 は 1 に と る 。 方 位 角 お よ び 楕 円 率 角 の 正 負 は そ れ ぞ れ 旋 光 性 の 左 右 、 円 偏 光 の 左 右 に 対 応 す る 。 2 ・ 4 で は ポ ア ン カ

(22)

レ 球 上 の 点 をHAUP法 で 採 用 さ れ る も の と 同 一 で 定 義 す る 。 す な わ ち 、 入 射 光 の 進 行 方 向 か ら 直 線 偏 光 を 向 か え る よ う に 見 た と き 、 光 学 弾 性 軸 の 進 相 軸 を 基 準 に と り 方 位 角 θ が 時 計 回 り の と き 正 と す る 。 そ の 様 子 を 図 に 示 す 。

  ま た 、 光 の 電 界 ベ ク ト ル の 先 端 が 進 行 方 向 に 垂 直 な 面 内 で 時 間 と と も に 時 計 回 り 回 転 し て い る 状 態 を 左 回 り と し 、 正 と 定 義 す る 。 以 上 の 定 義 に 従 い 、 偏 光 状 態 の ポ ア ン カ レ球 上 で の 様 子 を 図 に 示 す 。 左 右 円 偏 光 の 定 義 が 2 ・ 1 ・ 1 の 定 義 と 逆 で あ る の で 注 意 す る 。

θ 進 相 軸

遅 相 軸 直 線 偏 光

図 2-6   結 晶 の 光 学 弾 性 軸 と 入 射 直 線 偏 光 の 方 位 角 と の 関 係

(23)

  Xは 鉛 直 方 向 の 直 線 偏 光 を 、Yは 水 平 方 向 の 直 線 偏 光 を 表 し て い る 。 ま た 、L は 左 回 り の 円 偏 光 を 表 し 、 下 半 球 の 極 点 は 右 円 偏 光 に 対 応 し て い る 。Pは 方 位 角 θ 、 楕 円 率 角 η の 左 回 り 楕 円 偏 光 を 表 し て い る 。

2 ・ 4   結 晶 中 で の 光 の 偏 光 状 態

  2 ・ 4 で は 結 晶 中 を 伝 播 す る 光 の 偏 光 状 態 が ど の よ う に な っ て い る の か を ポ ア ン カ レ 球 を 用 い て 結 晶 の 特 性 を 場 合 わ け し て 説 明 す る 。 ポ ア ン カ レ 球 を 用 い る こ と に よ り 視 覚 的 に 偏 光 状 態 を 理 解 す る と 同 時 に 複 屈 折 と 吸 収 は ポ ア ン カ レ 球 上 で は 同 様 な 操 作 で 記 述 す る こ と が で き る と い う 利 点 が あ り 、 結 晶 中 の 偏 光 状 態 を 解 析 的 に 理 解 す る よ り も 直 感 的 に わ か り や す い と い う利 点 が あ る 。 ま た 、

P

X

Y L

2η O

図 2-7   ポ ア ン カ レ 球 に よ る 偏 光 表 示

(24)

Original HAUP法 で は ポ ア ン カ レ 球 を 用 い て 原 理 式 を 導 出 し て い る の で そ の 理 解 の 手 助 け に も な る 。

2 ・ 4 ・ 1   無 吸 収 非 活 性 結 晶

  結 晶 中 のMaxwellの 方 程 式 を 計 算 の 便 宜 上CGS単 位 系 を と っ て 書 き 表 す と 次 の よ う に な る 。

∇ ×H = 1 c

∂D

∂t

∇ ×E = -1 c

∂B

∂t

∇ ・D = 0

∇ ・B = 0

  2 ・ 1 ・ 2 の 時 と 同 様 に 次 の ベ ク ト ル 方 程 式 が 得 ら れ る 。 D = n2{E−(E・s)s} (2 ・ 4 ・ 1)

  こ こ でnは 結 晶 中 を 伝 播 す る 光 波 の 進 行 方 向 に お け る 屈 折 率 を 、sは 結 晶 中 の 光 波 の 進 行 方 向 で あ る 。 ま た 、sは

D・s = 0

  の 関 係 が あ る 。 ま た 、(2 ・ 1 ・ 1)式 よ りDとEの 関 係 は

E = [a]D (2 ・ 4 ・ 2)

  と も 表 せ る 。[a]は テ ン ソ ル 量 で あ り 、 屈 折 率 テ ン ソ ル と も い う 。

  い ま 、 結 晶 中 の 波 面 法 線 方 向 をZ軸 に と る と(2 ・ 3 ・ 2)式 はDz = 0よ り Ex = a11Dx + a12Dy (2 ・ 4 ・ 3)

Ey = a21Dx + a22Dy (2 ・ 4 ・ 4)   と な る 。 さ ら に 、sx = sy = 0な の で(2 ・ 4 ・ 1)式 よ り

Dx = n2Ex、Dy = n2Ey

(25)

  こ れ を(2 ・ 4 ・ 3)、(2 ・ 4 ・ 4)式 に 代 入 し てEを 消 去 す る と (a11−1

n2 ) + a12 Dy

Dx = 0 (2 ・ 4 ・ 5) a21 + (a22−1

n2 ) Dy

Dx = 0 (2 ・ 4 ・ 6)

  (2 ・ 4 ・ 5)、(2 ・ 4 ・ 6)式 か らnに 関 す る 固 有 方 程 式を 解 く と 固 有 値 は 二 つ あ り 、 二 つ の 固 有 偏 光 に 対 す る 屈 折 率 を 与 え る 。

1 n2 = 1

2 {a11 + a22± (a11−a22)2 + 4 a12 2 } (2 ・ 4 ・ 7) つ ぎ に 、Dy/Dx = Zお き 、nを 消 去 す る と(2 ・ 4 ・ 5)、(2 ・ 4 ・ 6)式 は

(Z−1 Z ) =

a22−a11

a12 (2 ・ 4 ・ 8)

  の 形 に 書 き 表 さ れ る 。(2 ・ 4 ・ 8)式 を 満 た す 固 有 偏 光 の 解Zは 実 数 で 二 つ あ る 。 二 つ の 解 の 積 は − 1 で あ る た め こ の 固 有 偏 光 は 互 い に 直 交 し 、 そ の 方 向 は 光 波 の 進 行 方 向 に 対 し 屈 折 率 楕 円 体 を 垂 直 に 切 断 し た 切 断 楕 円 の 主 軸 方 向 で あ る 。 い ま こ の 方 向 を 新 し く 座 標 軸 に と る と(2 ・ 4 ・ 7)式 は

1

n2 = a11、a22   と な る 。

次 に 、 屈 折 率 楕 円 体 の 主 軸 方 向 を 座 標 軸 に と り 、(2 ・ 1 ・ 1)、(2 ・ 4 ・ 1)式 よ りDを 消 去 し 、 屈 折 率 を 求 め る 。 た だ し こ こ で は 誘 電 率 テ ン ソ ル 及 びE に つ い て の 式 と な る 。

n211 、 ε22

  と な る 。 当 然 の 事 な が ら 、 固 有 偏 光 の 屈 折 率 の 大 き さ は 誘 電 率 テ ン ソ ル の 主 直 径 の 大 き さ の 二 乗 根 で あ る 。

2 ・ 4 ・ 2   無 吸 収 活 性 結 晶

  光 学 活 性 結 晶 内で のDとEの 関 係 は 旋 回 ベ ク ト ルGを 導 入 し て(2 ・ 2 ・ 1)式

(26)

の よ う に 表 せ た 。

D = [ε]E + i( G×E )

  そ れ と 双 対 な 関 係 式 と し て 活 性 ベ ク ト ルΓを 導 入 し て

E = [a]D−i(Γ×D ) (2 ・ 4 ・ 9)

  と も 表 せ る 。 こ こ でGとΓの 関 係 は [a](G×E ) = Γ×{[ε]E }   な る 関 係 が あ る 。 こ れ よ り

ai jσjklGk = σi j kΓjεkl

  と 書 き 表 せ る 。 こ こ で 、 σi j kは 巡 置 換 テ ン ソ ル で あ る 。   XYZ軸 を 屈 折 率 楕 円 体 の 主 軸 に 取 る と

Gz = εx x

ay y  Γy = εx xεy yΓz = nxny Γz

  と な り 、X、Y成 分 に 関 し て も 同 様 で あ る 。

  2 ・ 4 ・ 1 の 無 吸 収 非 活 性 結 晶 の 場 合 と 同 様 にZ軸 を 波 面 法 線 方 向 に と り 、 そ の 時 の 固 有 偏 光 を 求 め る 。(2 ・ 4 ・ 1)、(2 ・ 4 ・ 9)式 よ り(2 ・ 4 ・ 5)、

(2 ・ 4 ・ 6)式 と 同 様 な 次 式 を 得 る 。 (a11−1

n2 )Dx + (a12 + iΓ3) Dy = 0 (2 ・ 4 ・ 1 0) (a21 −iΓ3) Dx + (a22− 1

n2 ) Dy = 0 (2 ・ 4 ・ 1 1)   こ こ で(2 ・ 4 ・ 1 0)、(2 ・ 4 ・ 1 1)式 よ りnを 消 去 し 、 さ ら に

Z = Dy

Dx 、? = a12 + iΓ3、?* = a21 −iΓ3

  と お く と(2 ・ 4 ・ 1 0)、(2 ・ 4 ・ 1 1)式 は Z?−1

Z ?* = (a22−a11) (2 ・ 4 ・ 1 2)   と な る 。 解Zは 複 素 数 で あ り 、 解Zは そ れ ぞ れ

Z1 = tanη ・eiφ、Z2 = −cotη ・eiφ   と お け る 。 た だ し こ こ で φ は

(27)

tanφ= −Γ3

a12

  で あ る 。 二 つ の 解 の 積 は − 1 で あ る か ら 独 立 な 偏 光 で あ り 、 そ れ ぞ れ の 固 有 偏 光 はZが 複 素 数 で あ る の で 楕 円 偏 光 と な る 。 こ こ で 、 座 標 軸 を 屈 折 率 楕 円 体 の 主 直 径 方 向 に と れ ばa1 2 = 0、 φ=− π/2と な り 、 固 有 偏 光 は 主 直 径 方 向 の 楕 円 軸 を 持 つ 楕 円 偏 光 で あ り 、 楕 円 率 は|tanη|で 与 え ら れ る 。 こ の と き 、 (2 ・ 4 ・ 1 2)式 は

(tanη − 1

tanη )Γ3 = a22−a11   こ れ よ り

tan2η= −2Γ3

1

ny 2 − 1 nx 2

(2 ・ 4 ・ 1 3)

  同 じ く 座 標 軸 を 屈 折 率 楕 円 体 の 主 軸 方 向 に と る と(2 ・ 2 ・ 1)、(2 ・ 4 ・ 1)式 よ り(2 ・ 4 ・ 1 0)、(2 ・ 4 ・ 1 1)式 と 同 様 な 式

11−n2)Ex−iG3Ey = 0 (2 ・ 4 ・ 1 4) iG3Ex + (ε22−n2)Ey = 0 (2 ・ 4 ・ 1 5)

  が 得 ら れ る 。(2 ・ 4 ・ 1 4)、(2 ・ 4 ・ 1 5)式 の 固 有 方 程 式を 解 く と 最 終 的 に 次 の 解 が 得 ら れ る 。

n12 = 1

2 { nx 2 + ny 2 + (nx 2−ny 2)2 + 4G32 } (2 ・ 4 ・ 1 6) n22 = 1

2 { nx 2 + ny 2− (nx 2−ny 2)2 + 4G32 } (2 ・ 4 ・ 1 7)   n1、n2が 固 有 偏 光 に 対 す る そ れ ぞ れ の 屈 折 率 で あ る 。 こ こ でnx、nyは そ れ ぞ れ 旋 光 性 が な い 場 合 の 複 屈 折 を 表 し て い る 。

  こ こ で 、LBが な い 場 合 、 す な わ ち 等 方 的 な 物 質 で あ る 時 の 屈 折 率nR、nLは (2 ・ 4 ・ 1 6)、(2 ・ 4 ・ 1 7)式 でn0 = nx = ny と お い て 次 の よ う に 表 さ れ る 。

(28)

nR = n0 + G3

2n0 、nL = n0− G3

2n0 し た が っ て 、 旋 光 能 ρ は

ρ= 1 2

2?

λ ( nR−nL) = ? λ

G3

n0 (2 ・ 4 ・ 1 8)

  と な る 。 こ こ で 、 無 吸 収 活 性 結 晶 を 通 過 し た 光 の 単 位 長 さ あ た り の 位 相 差 Δ0は(2 ・ 4 ・ 1 6)、(2 ・ 4 ・ 1 7)、(2 ・ 4 ・ 1 8)式 よ り

Δ02 = (2?

λ )2( n1−n2)2 ? (2?

λ )2{(nx−ny)2 + G32

nxny } = δ2 + (2ρ)2 (2 ・ 4 ・ 1 9)

  と な る 。 た だ し 、 こ こ で δ は 線 複 屈 折LBに よ る 位 相 差 で あ り 、(2 ・ 4 ・ 1 9)式 を 導 く に あ た り、G3 < < nxnyで あ り 、n0 = nxny が 成 り 立 つ と し た 。 さ ら に 、(2 ・ 4 ・ 1 3)式 をGを 用 い て 書 き 表 す と

tan2η= G3

Δnn0 (2 ・ 4 ・ 2 0)   と な る 。 た だ し 、 こ こ で Δnは 線 複 屈 折(nx−ny)で あ る 。

(2 ・ 4 ・ 1 9)、(2 ・ 4 ・ 2 0)式 よ り 線 複 屈 折 に よ る 位 相 差 δ と 円 複 屈 折 に よ る 位 相 差2ρ の 合 成 位 相 差 Δ0は 図 2-8 の よ う な 幾 何 学 的 関 係 が あ る 。

ま た 、 固 有 偏 光 は ポ ア ン カ レ 球 上 で は 図 2-9 の よ う に 表 さ れ る 。

し た が っ て 、 線 複 屈 折 と 円 複 屈 折 を 持 つ 厚 さdの 結 晶 を 通 過 す る こ と に よ る 偏 光 の 変 化 は ポ ア ン カ レ 球 上 で はO P2回 り に 角 度 Δ0dの 回 転 と し て 表 現 す る こ と が で き る 。

(29)

δ

2 ρ Δ

0

2 η

Y δ

2ρ Δ0

P2

P1

X

L

R O

図 2-8   光 学 活 性 物 質 の 位 相 差 Δ0と 複 屈 折 に よ る 位 相 差 δ お よ び 光 学 活 性 に よ る 位 相 差 ρ と の 関 係

図 2-9   ポ ア ン カ レ球 上 固 有 偏 光P1、P2と 合 成 位 相 差 Δ0

(30)

2 ・ 4 ・ 3   吸 収 非 活 性 結 晶

  吸 収 非 活 性 結 晶で は 線 二 色 性LDが 存 在 す る 。 こ の と き 誘 電 率 テ ン ソ ル は 複 素 数 と な り(2 ・ 1 ・ 1)式 は 次 の よ う に 表 さ れ る 。

D = [ε̲ ]E (2 ・ 4 ・ 2 1)

  ま た 、[ε̲ ]の 逆 行 列[ã]を 用 い て

E = [ã]D (2 ・ 4 ・ 2 2)

  と も 表 さ れ る 。 吸 収 の あ る 場 合 、 屈 折 率 は 複 素 数 で n= n−iκ

  と 表 さ れ 、 κ は 吸 収 係 数 で あ る 。

一 般 に 屈 折 率 の 主 軸 と 吸 収 の 主 軸 が 一 致 し な い 場 合 、 偏 光 は 伝 播 と 共 に 状 態 が 変 わ っ て ゆ く 。 し か し 吸 収 に よ っ て 強 度 は 減 少 す る と し て も 状 態 そ の も の は 不 変 の 固 有 偏 光 は 存 在 す る 。 い ま 、 伝 播 方 向 をZ方 向 に と る と(2 ・ 4 ・ 5)、 (2 ・ 4 ・ 6)式 と 同 様 に 次 の 式 が 得 ら れ る 。

11− 1

n 2 ) + ã 12 Dy

Dx = 0 (2 ・ 4 ・ 2 3) ã 21 + (ã 22− 1

n 2 ) Dy

Dx = 0 (2 ・ 4 ・ 2 4)   (2 ・ 4 ・ 7)式 を 求 め た と き と 同 様 に

1

n 2 = 1

n2 + i2κ n3

= 1

2 {ã11 + ã 2 2± (ã 1 1−ã 2 2)2 + 4 ã 1 2 2 }

  ま た 、(2 ・ 4 ・ 2 3)、(2 ・ 4 ・ 2 4)式 か らn を 消 去 し 、z = Dy / Dxと お く と そ の 解 は 二 つ あ り 複 素 数 と な る 。 ま た 、 そ れ ぞ れz1、z2と お く とz1z2*は − 1と な ら な い 。 し た が っ て 、 こ の 場 合 、 固 有 偏 光 は 楕 円 偏 光 で 楕 円 の 形 状 は 互 い に 直 交 し 、 ポ ア ン カ レ 球 上 で は 対 心 点 に な ら ず 独 立 で な い 。 ま た 、 二 つ の 固 有 偏 光 の 電 気 ベ ク ト ル 先 端 の 回 転 方 向 は 等 し い 。 図 2-1 0 に ポ ア ン カ レ 球 上 に お け る 固 有 偏 光 の 位 置 を 示 す 。P2、P1が 固 有 偏 光 の 位 置 で あ り 、P2はP1

(31)

対 心 点P1 aの 赤 道 に 関 し て 対 称 な 点 で あ る 。Xr、Yrは 屈 折 率 楕 円 体 の 主 直 径 方 向 、Xk、Ykは 吸 収 楕 円 体 の 主 直 径 方 向 を 表 す 。

  こ の と き 、 偏 光P1は 単 位 距 離 伝わ る 間 に 複 屈 折 に よ っ てR’へ 、 ま た 二 色 性 に よ りR’’へ 移 る 。

2 ・ 4 ・ 4   吸 収 活 性 結 晶

吸 収 活 性 の 場 合 、(2 ・ 2 ・ 2)式 の 反 対 称 成 分[μ]も 複 素 数 を と り 、 同 時 に 旋 回 ベ ク ト ルGも 複 素 数 と な る 。 こ の 時 、 左 右 円 偏 光 の 吸 収 が 異 な る 円 二 色 性 と い う 現 象 が 現 れ る 。

P2

P1

Xr Yr

Xk Yk

P1a

δ

2φ 2ψ

R’

R’’

図 2-1 0   複 屈 折 と 線 二 色 性 が あ る 結 晶 の 固 有 偏 光 ポ ア ン カ レ 球 を 横 か ら 見 た 図 で 極 は 上 下 Xr、Yr: 屈 折 率 の 主 軸 、Xk、Yk: 吸 収 の 主 軸 、P1、P2: 固 有 偏 光 、 ◎ 印 は 前 半 球 面 、 × 印 は 後 半 球 面 の 点 を 表 す

(32)

複 屈 折 と 旋 光 は 一 括 し て 広 義 の 複 屈 折 と 同 値 に 取 り 扱 わ れ る 。 さ ら に 、 線 二 色 性 と 円 二 色 性 も 合 成 し て 同 値 の 二 色 性 と し て 扱 え る 。 固 有 偏 光 は 複 屈 折 と 二 色 性 の 合 成 操 作 の 際 の 不 動 恬 と し て 求 め る こ と が で き る 。 そ れ は こ れ ら の 現 象 が 線 形 で 、 あ る 微 結 晶 を 通 過 す る 際 の 偏 光 状 態 の 変 化 を 取 り 扱 う 場 合 、 偏 光 の 作 用 子 が 交 換 か つ 結 合 可 能 な 重 ね あ わ せ と し て 取 り 扱 え る か ら で あ る 。

図 2-1 1 の ポ ア ン カ レ 球 は 吸 収 活 性 結 晶 で の 偏 光 状 態 を 表 す 。 こ こ で は 固 有 偏 光 が ど の よ う に 求 ま る か を み て み る。 ま ず 、 円 二 色 性 と 線 二 色 性 と に よ る

D1

P1

Xl

Yl

Xb Yb

B2

2 R’ 2?

R’’

D2

B1

P2

Xc

Yc

図 2-1 1   線 複 屈 折 、 旋 光 性 、 線 二 色 性 お よ び 円 二 色 性 が あ る 結 晶 の 固 有 偏 光

(33)

固 有 偏 光 を 考 え る 。Xc、Ycは 円 二 色 性 の 固 有 偏 光 で 円 偏 光 、Xl、Ylは 線 二 色 性 の 固 有 偏 光 で 直 線 偏 光 で あ る 。 二 色 性 の 固 有 偏 光 をD1、D2と 表 す と 、 そ こ で は 円 二 色 性 に よ る 状 態 変 化D1R’と 線 二 色 性 に よ る 状 態 変 化D1R’’と は 絶 対 値 が 等 し く 方 向 が 相 反 す る こ と が必 要 と な る 。 図 2-1 1 の よ う に 角 距 離XlD1を2 ? と し 、 線 二 色 性 に よ る 吸 収 をK、 円 二 色 性 に よ る 吸 収 を2Σ と す る と

Ksin2? = 2Σcos2?

tan2? = 2Σ K

  の 関 係 が あ る 。 複 屈 折 と 旋 光 も 同 様 な 関 係 が あ っ た 。 合 成 し た 固 有 偏 光D1

お よ びB1か ら 考 え た 位 相 差 Δ お よ び 二 色 吸 収 α は 次 式 で 与 え ら れ る 。 Δ= δ2 + (2ρ)2

α= K2 + (2Σ)2

  こ の よ う に 吸 収 と 複 屈 折 と は ま っ た く 同 じ よ う な 考 え 方 で 合 成 で き る 。

2 ・ 5   ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル に よ る 取 り 扱 い

  ポ ア ン カ レ 球 に 比 べ て 直 感 的 な 理 解 は 難 し い が 、 光 学 系 が 複 雑 に な っ て く る と 解 析 的 な 計 算 を 用 い た ほ う が 便 利 で あ る 。Extended HAUPは ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル を 用 い て 原 理 式 を 導 出 し て い る の で 理 解 す る う え で の参 考 程 度 に ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル に つ い て 説 明 す る 。

  光 がZ軸 方 向 を 進 ん で い る と き 電 場 ベ ク ト ル はXY平 面 上 に あ る 。 そ の 状 態 を

E =

 

 

Ex

Ey =

 

 

axexpi(ωt + φx) ay expi(ωt + φy)

= expi(ωt + φx)

 

 

ax

ay expiδ (2 ・ 5 ・ 1)

(34)

  た だ し 、 δ=φy− φxで あ る 。 ま た 、Zに 関 す る 項 はX、Y成 分 に 関 し て 共 通 で あ る の で 省 略 し て あ る 。(2 ・ 5 ・ 1)式 の よ う な 表 示 を 考 案 者 の 名 を と り ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル と い う 。

  さ ら に 、 多 く の 場 合 、 波 動 の 絶 対 位 相 は 問 題 に し な い の で次 の よ う に も 表 す こ と が で き る 。

E =

 

 

ax

ay expiδ (2 ・ 5 ・ 2)

  (2 ・ 5 ・ 2)式 の 形 を 整 え て

E =

 

 

ax exp−id 2 ay expid

2

と す る こ と も で き る 。 さ ら に 規 格 化 し て

E =







ax



ax 2 + ay 2

exp−id 2 ay

ax 2 + ay 2

expid 2

  と 表 す こ と が で き る 。 こ れ を 基 準 化 ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル と い う 。

  基 準 化 ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル を 用 い て 代 表 的 な 偏 光 状 態 が ど の よ う に 表 さ れ る か を 示 す 図 が 2-1 2 で あ る 。

(35)

  偏 光

 

 

Ax

Ay は 偏 光 素 子 を 通 過 し て 状 態 が 変 化 し

 

 

A'x

A'y と な る 。 偏 光 素 子 は こ

の 変 換 を 行 う2×2の 行 列 に よ っ て 表 さ れ る 。 2 ・ 5 ・ 1   部 分 直 線 偏 光 子

  よ り よ く 透 過 す る 特 性 偏 光 に 対 す る 振 幅 透 過 率をp1、 よ り 減 衰 さ れ る 特 性 偏 光 に 対 す る 振 幅 透 過 率 をp2と す る 。 透 過 特 性 偏 光 の 振 動 方 向 がX軸 方 位 と 一 致 す る よ う に 素 子 の 方 位 を と れ ば 、 入 射 偏 光 は 次 の よ う に 変 化 す る 。

 

 

Ax

Ay

 

 

p1Ax

p2Ay

  こ の 変 換 を 行 う 行 列 は 部 分 直 線 偏 光 子 の 変 換 行 列 を 表 す か ら 、 そ れ をUと す

 

 

1

0

 

 

0 1

1 2

1 2

 

 

1 i

1 2

 

 

i 1

図 2-1 2   ジ ョ ー ン ズ ベ ク ト ル に よ る 表 示 と 偏 光 状 態

(36)

る と

U =

 

 

p1 0 0 p2   と 表 さ れ る 。

2 ・ 5 ・ 2   直 線 位 相 子

  進 相 軸 方 位 がX軸 に 一 致 し た 直 線 位 相 子RΔを 通 過 す る こ と に よ り 入 射 光 は 次 の よ う に 変 化 す る 。

 

 

axexpiφx

ayexpiφy

 

 

axexpi(φx + Δ) ayexpiφy

  こ の 変 換 を 行 う 行 列 と し て 直 線 位 相 子 は 次 の よ う に 表 さ れ る 。

RΔ =

 

 

expiΔ 0 0 1

絶 対 位 相 は 問 題 に し な い の で形 を 整 え て 次 の よ う な 形 式 が 一 般 的 に 用 い ら れ る 。

RΔ =

 

 

expi? 2 0 0 e x p−i? 2

2 ・ 5 ・ 3   旋 光 子

  偏 光 状 態 の 方 位 を θ だ け 回 転 さ せ る 素 子 を 考 え る 。 こ の 素 子 を 通 過 し た 後 の X、Y成 分A’x、A’yは 回 転 前 のX、Y成 分Ax、Ayを 用 い て 次 の よ う に 表 さ れ る 。

A’x = Axcosθ − Ay sinθ A’y = Axsinθ + Ay cosθ

こ の 変 換 を 行 う 行 列 と し て 旋 光 子 行 列Tθは 次 の よ う に 表 さ れ る 。

Tθ =

 

 

cosθ −sinθ sinθ c o sθ

(37)

2 ・ 5 ・ 4   方 位 の 回 転 し た 素 子

  素 子Mの 軸 方 位 が0で な く 、X軸 か ら θ 傾 い て い る 場 合 を 考 え る 。

  あ る 偏 光 を 方 位 θ の 素 子 に 通 す こ と は 、 素 子 に 入 射 す る 偏 光 状 態 と 方 位 の 回 転 し た 素 子 と を 一 体 と 考 え て 、 素 子 の 方 位 が0と な る ま で − θ 回 転 さ せ 、 方 位 を − θ 回 転 さ せ た 入 射 偏 光 を 方 位0の 素 子 に 通 し 、 素 子 通 過 後 に 再 び 状 態 を θ 回 転 さ せ て 元 の 方 位 に 戻 す こ と と 等 し い 。

  こ れ を 式 で 表 せ ば 次 の よ う に な る 。 Mθ = Tθ M0 T− θ

  例 と し て 、 方 位 θ の 部 分 偏 光 子Pθを 求 め る 。 Pθ = Tθ P0 T− θ

=

 

 

cosθ −sinθ sinθ c o sθ

 

 

p1 0 0 p2

 

 

cosθ s i nθ

−sinθ c o sθ

  =

 

 

p1cos2θ+ p2sin2θ (p1−p2) sinθcosθ

(p1−p2)sinθcosθ p1sin2θ+ p2cos2θ (2 ・ 5 ・ 3)   方 位 θ の 完 全 直 線 偏 光 子 行 列 は(2 ・ 5 ・ 3)式 でp2 = 0と お き 、 便 宜 上 p1 = 1と お い て 次 の よ う に な る 。

Pθ =

 

 

cos2θ s i nθcosθ sinθcosθ sin2θ

減 衰 す る 特 有 偏 光 成 分 を 完 全 に 阻 止 す る 偏 光 子 を 完 全 偏 光 子 と 呼 ぶ 。

(38)

【 第 三 章 】   光 学 活 性 測 定 法

  こ こ で は 、 結 晶 の 光 学 活 性 を 測 定 す る 方 法HAUP(High Accuracy Universal Polarimeter)に つ い て 説 明 す る 。

  1983年 に 小 林 ら9に よ っ てHAUPが 開 発 さ れ た 。 こ の 測 定 法 の 特 徴 は そ れ ま で の 光 学 活 性 測 定 法 で は 無 視 さ れ て き た系 統 誤 差 の 存 在 を 考 慮 し 、 そ の 影 響 が 光 学 活 性 測 定 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す と い う こ と を明 ら か に し た こ と で あ る 。 そ し て 系 統 誤 差 を 考 慮 し た 光 学 活 性 測 定 原 理 式 を 導 出 、 そ の 原 理 式 を 用 い て 光 学 活 性 の 一 般 的 測 定 法 を 開 発 し た 。

  本 章 はHAUPの 測 定 法 に 関 し て 3 ・ 1 お よ び 3 ・ 2 と 二 つ に 分 け て 説 明 し て い る 。 前 者 は 、 こ のHAUPが 開 発 さ れ た 当 初 の 測 定 法 で こ れ は 吸 収 を 含 め な い 場 合 の 測 定 法 で あ る 。 後 者 は 小 林 、 朝 日 ら12に よ っ て1996年 に 従 来 のHAUP法 を 改 良 し 、 吸 収 を 含 め た 場 合 のHAUP原 理 式 を 用 い た 測 定 法 で あ る 。 前 者 を Original HAUP法 、 後 者 をExtended H A U P法 と 呼 ぶ 。 本 研 究 で は 光 学 活 性 物 質[Co(en)3]I3・H2O (Tris-ethylenediamine Cobalt complex triiodide monohydrate)は 測 定 波 長 領 域 で 吸 収(線 二 色 性 、 円 二 色 性)を 有 す る の で 測 定 に はExtended HAUP法 を 用 い て 研 究 を す す め た 。

3 ・ 1   HAUP法 の 概 略

  従 来 のHAUP法 お よ びExtended HAUP法 共 に 装 置 の 光 学 系 な ら び に 考 慮 す る 系 統 誤 差 は 同 じ で あ る の で こ こ で 説 明 す る 。

  装 置 の 光 学 系 は 以 下 の 図 の よ う な も の で あ る 。

図 5 -2   (a)  H 2 1 の 実 験 値 と 計 算 値 の 比 較  (b) θ 0 の 実 験 値 と 計 算 値 の 比 較   ● ,   実 験 値 ;  ○ , 計 算 値
図 5 - 5   (+) -[Co(en) 3 ]I 3 ・H 2 Oの 分 子 構 造
図 5 - 6   (+) -[Co(en) 3 ]I 3 ・H 2 O 結 晶 の a軸 方 向 か ら み た 結 晶 構 造
表 5 - 1   (+ ) − [Co(en) 3 ]I 3 ・ H 2 Oの 結 晶 デ ー タ 20 結 晶 デ ー タ   格 子 定 数   a = 8.4086 [Å ]  b = 11.2321 [Å ]  c = 18.7217 [Å ]  結 晶 系   斜 方 晶 系   空 間 群   P2 1 2 1 2 1  a b c 図 5-9  (+) -[Co(en)3]I3・H2O 結 晶 の 結 晶 外 形 と 結 晶 軸 との 関 係
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参照

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