東 ア ジ ア に お け る 環 境 政 策 と環 境 マ ネ ジ メ ン ト 韓国企業の調査 リポー ト(2)
金 恵 林1)・ 山 田 修 嗣2)
Environmental Policies and Management in East Asia
—Research Reports on South Korean Companies (2) —
Hae-Lim Kim and Shuji Yamada
第2部 韓国の環境問題 現代 自動車の環境政策 を中心 として
1.調 査 の 背 景 と 目的本 調 査 で 、 韓 国 蔚 山(ウ ルサ ン)市 に あ る現代(ヒ ョン デ)自 動 車 を対 象 と した の は、 い くつ か の理 由 が あ る 。
ま ず 、 現 代 自動 車 は韓 国有 数 の 大 企 業 で あ り、 現代 グ ル ー プ(チ ェ ボ ル=財 閥)の 中心 企 業 と して の 位 置 づ け が あ る 。 さ らに 、 同社 の蔚 山 市 に お け る ポ ジ シ ョ ン も きわ め て重 要 で あ り、 納 税 ・寄付 ・地 域 貢 献3)を 通 じた 市 政 へ の 、 雇 用 を通 じた住 民 の 生 活 へ の 、密 接 か つ ウ ェ イ トの大
きい存 在4)と な っ て い る。
また 、 同社 蔚 山 工 場 が あ る 蔚 山 市 は 、 港 湾 都 市 釜 山(プ サ ン)の 北 部 に位 置 す る100万 人 都 市 で あ る 。 と な りの 温 山(オ ンサ ン)市 と と も に 、 大 規 模 な工 業 団 地 が 形 成 さ れ て きた 。 い わ ば 、 韓 国 の 重 点 的 な工 業 開 発 地 域 と して 、 韓 国 の 発 展 を支 えて き た場 所 で あ る。 しか し、 温 山市 で は 1970年 代 後 半 か ら発 生 した公 害 被 害(い わ ゆ る温 山病)5)が 、 大 規 模 な 住 民 運 動 の 引 き金 とな っ た 。 さ ら に は 、 蔚 山市 か ら北 西100kmほ どの 都 市 大 邱(テ グ)市 で は 、1990年 代 初 頭 に韓 国 で も 最 大 規 模 の環 境 事 件 とな った 洛 東 江(ナ ク トン川)フ ェ ノ ー ル 汚 染6)が 発 生 して い る。 こ う し た 地 理 的 ・歴 史 的 背 景 を もつ た め に、 蔚 山 市 に お い て も環 境 対 策 が 重 視 され て い る 。
これ ら を前 提 に、 ヒア リ ン グ の報 告 と ま とめ をお こ な い 、 韓 国 企 業 が環 境 対 策 を どの よ う に と ・ らえ 、 推 進 し よ う と して い るか を描 い て い く。企 業 担 当 者 に直 接 話 を聞 く機 会 は まれ で あ り、 そ の よ う な 報 告 書 も少 な い た め 、 実 態 の 紹 介 に主 眼 を お くの が 本 論 の 目 的 で あ る。 幸 い な こ と に 、 現 代 自動 車 を訪 問 す る 日 に、 蔚 山発 展 研 究 院(UlsanDevelopmentInstitute=UDI)7)の 招 きを 受
け 、 蔚 山 市 の 環 境 政 策 課 との懇 談 会 をお こ な う こ とが で きた。 この と きの情 報 を追 加 的 に掲 載 し て 、 企 業 を取 り巻 く社 会 環 境 も概 観 した い 。
2.蔚 山 市 ・環 境 政 策 課 、 蔚 山発 展 研 究 院 所 員 との 意 見 交 換 ・)
まず 、 蔚 山市 の 概 要 を お さ え る た め に 、UDIで の 意 見 交 換 を 要 約 す る 。
蔚 山 市 の 環 境 対 策 は、 政 策 的 な整 備 は 進 め られ て い る が 、 環 境 問 題 は 依 然 と して 残 っ た ま まで あ る 。 韓 国 全 体 で も、 規 制 の 実 効 性 や 政 策 遂 行 時 の 問 題 が 指 摘 され て い る(李 、1998:250)。
た と え ば ・ 燃 料 の消 費 が 多 く、 と くにSOx(SO 、)の 排 出 削 減 が 懸 案 と な っ て い る ほ か 、NOxや 粒 子 状 物 質(PM)も 多 く、 光 化 学 オ キ シ ダ ン ト も課 題 に あ げ ら れ て い る。
韓 国 の規 制 に つ い て み る と、 直 接 的 規 制(排 出 制 限 な ど ダ イ レク トに 企 業 を規 制 す る も の)が 多 い 。 しか しこ れ か らは 、 間接 的規 制(企 業 誘 導 型 、 イ ンセ ン テ ィ ブ ・シス テ ム の導 入 な ど)を 増 や し た い と同 市 担 当 者 は 考 え て い る 。 まず は 、 産 ・官 ・学 ・市 民 の共 同 プ ロ ジ ェ ク トに よ る 規 制 づ く りを模 索 し、 こ れ が ダ メ な ら また行 政 が 指 導 す る体 制 へ 戻 す とい う具 合 に、 と にか くす す
め て み よ う とい っ た勢 い が感 じら れ る 。
この ほ か の環 境 問 題 に、 上 水 対 策 が あ る 。 同市 は54項 目の 上 水 検 査 をお こ な っ て お り、水 道 水 は十 分 に基 準 を満 た して い る とい う。 だ が 、 市 民 は め っ た に水 道水 を飲 ま ず 、 基 準 を満 た して い な い の で は な い か とい う不 安 を抱 え て い る ら しい9)。こ れ は フ ェ ノ ー ル汚 染 の 誤 認 が あ る か ら だ と、 あ る 市 担 当 者 は考 え て い た 。 同 氏 は 、 釜 山市 上 水 の 取 水 場 で トリハ ロ メ タ ンが 確 認 され た の で 、 これ を追 跡 した ら あ る工 場 が 発 覚 した とい う説 明 を加 え た 。 つ ま り、 フ ェ ノー ル は継 続 的 に排 出 され た の で は な く、 一 時 的 に排 出 さ れ て しま っ た との 認 識 に た ち 、 一 過 性 の 「事 件 」 だ と の見 方 を して い た の だ っ た。 しか し、 市 民 の 問 で は、 い まな お 再 発 の危 機 感 は払 拭 され て い な い 。
もち ろ ん、 一 過 性 の事 件 だ か ら とい っ て 、 そ れ が 許 さ れ る わ け で もな い 。
こ う した状 況 か ら推 察 され る の は 、 蔚 山 市 とそ の 市 民 は(そ の 周 辺 地 域 を含 め て)い くつ か の 重 大 な 公 害 や被 害 を経 験 して しま っ た こ と に よ り、 環 境 問題 へ の 認 識 が 高 ま っ た の で は ない か と い うこ とで あ る 。 む しろ 、 産 ・官 ・学 ・市 民 の連 携 に よ る環 境 対 策 に乗 り出 す きっ か け が う ま れ た の も、 こ う い った 歴 史 的 背 景 が あ る か らで あ ろ う。 さ ら に指 摘 さ れ る べ きは 、 「安 全」 とい う 実 態 は 、 「安 心 」 や 厂信 頼 」 とい う各 認 識 主 体 の 心 理 的 作 用 が 基 盤 と な っ て 成 立 す る と い う こ と で あ る 。 そ して 、対 策 や 政 策 に求 め ら れ る もの も、 この よ う な心 理 的 作 用 を促 す よ うな 、情報流 通 に も とつ く 「わ か りや す さ」 で あ る と考 え ら れ る 。 こ こ に、 「連 携 」 を模 索 す る 、 蔚 山市 の 対 応 の 意 義 が 見 い だ され る。
3蔚 山市の概況
ウル サ ン
3‑1.蔚 山 に お け る産 業 の 概 要
蔚 山 は1996年12月31日 に 法 律 第5243号 一 「蔚 山 広 域 市 設 置 に 関 す る 法 律 」 一 が 公 表 さ れ 、 1997年7月15日 に 基 礎 自治 体 か ら広 域 市 に昇 格 さ れ た工 業 都 市 で あ る 。 人 口 は 、1962年 に 同 地 域 が 「蔚 山工 業 セ ン ター」 と して指 定 さ れ て 以 来 、 持 続 的 に増 加 し、2002年 現 在 で は100万 人 を 突 破 し て い る。 〈表1>に 示 され て い る よ う に 、1995年 以 来 の工 業 都 市 と して の 発 展 状 況 は 、 そ れ を表 す産 業 指 標(1997年 の外 換 危 機 の場 合 を 除 い て)の 推 移 か ら も見 て 取 れ る。
蔚 山 の主 要 産 業 は 自動 車 産 業 で あ る。 そ れ 以 外 に は 造 船 、 石 油 化 学 が 戦 略 産 業 と して 蔚 山 の経 済 を支 え て い る 。 と くに 自動 車 産 業 は、 景 気 回 復 に伴 う耐 久 材 消 費 の 増 加 、特 租 税 の引 き下 げ な
〈表1>蔚 山の人 口お よび 主要生 産指 標
区分 人 口 製造業
業体数
製造業 従業員数
製造業 生産額
製造業 付加価値
輸 出額 (通関)
輸 入額 (通関)
単位 人 社 人 億 ウ オ ン 億 ウ オ ン 百万 ドル 百万 ドル
1995 969,196 967 144,901 416,339 143,499 14,906 17,694
1996 .・.:: 1,006 144,645 455,085 148,616 15,969 20,363
1997 1,013,070 994 138,016 531;945 194,535 17,1 .82 20,407
1998 1,018,068 886 121,657 530,793 198,248 16,581 13,724
1999 1,027,280 1,185 126,812 585,871 224,980 18,274 15,593
2000 1,044,161 1,324 131,771 691,324 229,619 22,493 22,352
2001 1,060,378 1,440 135,180 747,071 250,791 22,084 19,858
2002 1,070,277 一 一 一 一 24,434 20,014
出所:産 業研 究 院(2002)『 東南 圏超 広域 圏 ク ラス ト構 築 のた めの妥 当性 調査 』
ど に よ る 内需 増 加 が 予 想 され 、 ま た 、 世 界 経 済 の 沈 滞 に よ って 中小 型 車 生 産 の相 対 的 な増 加 、 国 産 車 の 品 質 お よ び ブ ラ ン ドイ メ ー ジ の 改 善 、 現 代 ワ ー ル ドカ ー な ど新 車 投 入 な ど に よ り、 輸 出 も 堅 調 に伸 び て い くと予 想 され る 。 この よ う に 自動 車 産 業 を は じめ と して 戦 略 産 業 を育 成 した こ と に よ っ て 、 地 域 経 済 の 活 性 化 に は成 功 して きた と評 価 され るが 、 ひ ず ん だ産 業構 造 に よ る負 の 側 面 も否 め ない 。 つ ま り、 国 内外 の い ず れ に お い て も供 給 過 剰 の状 態 に あ る 、 い わ ば発 展 段 階 にお け る成 長 後 半 期 な い し成 熟 段 階 に到 達 した 業 種 が 、 蔚 山 の多 くの 産 業 部 門 を 占め てい る か らで あ る。 そ の ため 、 バ ラ ンス の とれ た 地 域 発 展 の た め に は、 産 業 間 の 連 携 効 果 を生 か せ る産 業 構 造 へ の転 換 が 求 め られ る状 況 で もあ る とい え よ う。
もち ろ ん、 蔚 山 を本 拠 地 と して い る 多 くの大 企 業 は経 済 的 に 自立 性 が 高 く、 ま た そ の た め 、 地 域 経 済 の 堅 実 さ にお い て も全 国 で 上 位 を 占 め て い る半 面 、既 述 した よ う に、 自動 車 、造 船 、 石 油 化 学 な ど大 規 模 の設 備 を有 す る伝 統 的 な製 造 業 中 心 の 産 業構 造 の ま まで あ る た め 、 地 域経 済 全 体
が 製 造 業 の景 気 に連 動 さ れ や す い 面 も見 逃 せ な い 。 と くに 問 題 に な る の は 、 この よ う な 産 業 は 、 多 量 の 物 理 的 で 化 学 的 な資 源 を投 入 しな け れ ば な らな い た め 、 騒 音 や公 害 な どの 環 境 問 題 の原 因
に な り うる し、 そ れ が 、 地 域 問題 と して の 否 定 的 な 面 を帯 び ざ る を得 な い の で あ る。
こ の よ う な負 の 部 分 を克 服 しつ つ 、21世 紀 に お け る 「産 業 首 都 」 の 建 設 と グ ロ ー バ ル 経 済 の 拠 点 都 市 と して 蔚 山 を育 成 す る た め に 、 長 期 的 に は 東 北 ア ジ ア の経 済 拠 点 都 市 と して 発 展 す る た め に 、 知 識 産 業 を基 盤 とす る 先 進 国 型 産 業 構 造 の 実 現 を め ざ し、 そ して 、 大 企 業 一 中小 企 業 間 の 均 衡 発 展 、 さ ら に は成 長 一 輸 出 一雇 用 創 出 の た め の 持 続 的 な努 力 が 注 が れ て い る。
と くに 、 オ ー トバ レ ー(autovalley)造 成 、 精 密化 学 総 合 支 援 セ ン ター 建 立 な ど、21世 紀 プ ロ ジ ェ ク トを本 格 的 に推 進 し、 戦 略 産 業 育 成 イ ン フ ラ構 築 お よび 地 方 産 業 構 造 高 度 化 の支 援 な どを 通 じて 伝 統 的 な主 力 産 業 の 核 心 的 な力 量 の極 大 化 と高 付 加 価 値 を志 向 し、 革 新 的 な 中小 お よ び ベ ンチ ャ ー企 業 の育 成 な どの た め の総 合 支 援 体 制 の 構 築 とベ ンチ ャ ー タ ウ ン造 成 を 通 じた 知 識 集 約 的 、 高 付 加 価 値 産 業 を本 格 的 に育 成 しよ う と多 大 な る施 策 と努 力 が行 わ れ て い る 。
3‑2.蔚 山 地 域 に お け る産 業 団地 の 現 況
〈表2>の よ う に、 蔚 山 地 域 に は 国 家 産 業 団 地 が2ヶ 所 、 地 方 産 業 団 地 が1ヶ 所 、 農 工 団 地 が4
〈表2>蔚 山 の 産 業 団 地 現 況(2003.7)
団地 お よび施 設名
項 目
規模(坪) 主要誘致業種 入住企 業 数(稼
働 中の企業 数) 従事者 その他
蔚 山尾 浦国家 産 業 団地 13,980 自動 車、造 船 X11 460 87,999
温 山国家 産業 団 地 5,173 石 油 化 学 系 列(92.4.30、
21社 入 住 完 了) 144 144 9,941
梅谷地方産業団地 167,961 一 一 一 一
サ ンブ ッ ク産 業 団地 40,000 機 械 、 金 属 、 電 子 、 化 工 10 10 1,147
斗 西農 工 団地 38,941 機 械 、 金 属 、 化 工 15 15 968
斗 東農 工 団地 20,415 機 械 、 化 工 4 4 228
ダ ル チ ョ ン農 工 団 地 :.1 機 械 、金 属 、非 金 属 、化 学 84 84 1,500
出所:産 業研 究 院(2002)『 東 南 圏超 広域 圏 クラス ト構 築 のた めの妥 当性 調査 』
ヶ所 あ り、 地 方 産 業 団 地 で あ る梅 谷 地 方 産 業 団 地 は現 在 造 成 中 で あ る こ とが わ か る。 蔚 山尾 浦 国 家 産 業 団 地 は、1962年1月27日 に蔚 山 特 定 工 業 地 区 と し て公 布 さ れ て か ら、 韓 国 工 業 化 の 核 心 的 な 地 域 と して 石 油 化 学 、 自動 車 、 造 船 工 業 を 中心 とす る 国 内 に お い て 最 大 の工 業 団 地 と して 急 速 な発 展 を成 し遂 げ て きた 。 ま た 、 温 山 国 家 産 業 団 地 は1993年3月29日 、 温 山 非 鉄 金 属 団 地 の 建 設 原 則 が 決 定 さ れ て 以 来 、 非 鉄 金属 、 石 油 科 学 な どの産 業 が 急 速 に発 展 して きた 。
しか し、 尾 浦 や 温 山 国 家 産 業 団 地 にあ る大 規 模 の 事 業 所 には 、 大 気 、 水 質 、 有 害廃 棄 物 な ど各 種 の環 境 汚 染 排 出 施 設 が 集 中 して い る 。 地 域 内 の 環 境 汚 染 物 質 の 大 部 分 は この 産 業 団 地 か ら排 出
さ れ て い る の で 、 蔚 山 の 環 境 悪 化 を改 善 す る た め に は こ の 地 域 へ の公 共 部 門 の 投 資 だ け で な く、
個 別 企 業 が 環 境 親 和 的 な経 営 体 制 を構 築 す る こ とが何 よ り も重 要 で あ る 。
金 丁 勗 「韓 国 、 蔚 山 一温 山 コ ン ビナ ー トにお け る 多 国 籍 企 業 の 持 つ 環 境 的 側 面 」 や 金 政 鉉 の 日 本 環 境 会議 に お け る報 告 に よれ ば、 韓 国 最 大 の コ ン ビナ ー ト地 域 で 、 温 山 病 と呼 ば れ る 重 金 属 複 合 汚 染 と 思 わ れ る疾 病 と、 大 気 汚 染 に よる 農 産 物 へ の 被 害 が 発 生 して い る 。 政 府 は 、 汚 染 地 の 8400世 帯(3万7600人)の 住 民 を非 汚 染 地 域 へ 移 転 させ た 。 こ の コ ン ビ ナ ー トは、 朴 政権 の 時 代 に 日本 の援 助 な ど に よ っ てつ く られ た もの で 、 海外 直 接 投 資 の 内75 .2%は 日本 によ り、125工 場 中31工 場 が 多 国籍 企 業 で あ り、 そ の 総 売 上 高 は この 地 域 全 体 の34%を 占 め て い る 。 温 山病 は ま だ 因 果 関係 や 治 療 法 につ い て、 よ く解 か っ て い ない 。 他 地 域 へ 移 転 させ られ た住 民 の 中 に は 、漁 業 な ど の生 業 を失 い 、新 しい 地 域 で 職 業 が 安 定 せ ず 、 再 び 汚 染 地 域 へ 帰 っ て くる もの もい る と い
う(金丁 勗 、1991)。
韓 国 の 環 境 政 策 に お け る全 般 的 な特 徴 の 一 つ は 、 政 策 を 実行 す る さい に見 られ る強 制 性 で あ る。
こ の よ う な指 摘 は 、 韓 国 の権 威 主 義 的 な 行 政 シ ス テ ム を考 え る 時 に は常 に存 在 す る 問 題 で あ り、 国家 が 国 民 や 政 策 対 象 者 との 合 意 を導 出 す る た め の 意 見 収 斂 過程 や シ ス テ ム な どは 全 く存 在 し な い ま ま 、 政 府 関係 者 に よっ て 決 定 され た 制 度 や 政 策 を一 方 下 向 式 に指 示 す る と い う形 を とる よ う な、 社 会 制 度 の あ り方 へ と関 わ る問 題 で も あ る 。 この よ う な韓 国 の 環 境 政 策 の 特 性 を制 度 的 な側 面 か らみ る と 、 まず 、 政 府 や 官 僚 の 技 術 主 義 的 ・権 威 主 義 的 な 態 度 や 大 企 業 を は じめ とす る特 権 階 層 と癒 着 した制 度 の 運 用 、議 会 お よ び 政 党 の形 式 的 な活 動 、環 境 問 題 の専 門 運 動 団 体 を 中心 と す る様 々 な環 境 関連 の 社 会 集 団 の 脆 弱 性 な どの よ うな 、 社 会 シ ス テ ム に お け る構 造 的 な 特 性 が 環
〈表3>年 度別 企業体 環境 投資 実績 (単位:億 ウ ォ ン) 年度 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001
投資額 2,958 5,438 2,698 2,696 1,822 1,651 2,096
出 所:蔚 山 広 域 市(2002)『 環 境 白 書2002』
境 政 策 の 発 展 を妨 げ る要 因 と して 作 用 して い る とい え よ う。
温 山 国 家 産 業 団 地 か ら引 き起 こ さ れ た 温 山 病 の被 害 が 公 表 され る よ う に な り、 蔚 山 地 域 の 環 境 問題 の 深 刻 性 が 浮 き彫 り に な っ た。 こ う した 問題 に た い して 地 域 環 境 運 動 が 活 性 化 し、 し だ い に 企 業 の環 境 問 題 へ の 取 組 み も本 格 化 して い っ た 。 〈表3>に み られ る よ う に 、2001年 度 に お け る 企 業 の環 境 改 善 投 資 実 績 は、IMF以 降 の 漸 進 的 な景 気 回復 を背 景 と し、 前 年 度 よ り27%も 増 加 した2,096億 ウ ォ ン とな って い る 。 この よ う な企 業 の 環 境 投 資 は 、 主 に 老 巧 化 し た汚 染 防 止 施 設 を改 善 し、 環 境 親 和 的 な生 産 体 系 を構 築 す る こ とに 集 中 して い る 。
3‑3.蔚 山 地 域 に お け る環 境 政 策
蔚 山 ・尾 浦 お よ び 温 山 国 家 産 業 団 地 は1962年 に 造 成 され て以 来 、1986年3月18日 に は大 気 特 別 対 策 地 域 と して 指 定 さ れ た こ と もあ り、厳 しい 特 別 排 出許 容 基 準 が 適 用 され て きた。 そ の た め 、 低 硫 黄 油 使 用 及 び 排 出事 業 所 の 環 境 改 善 投 資 誘 導 な どの 政 策 を推 進 して い る。 しか し、工 団 か ら 排 出 され る汚 染 物 質 に た い す る 住 民 の苦 情 処 理 は 、 政 府 の業 務 に属 して い るの で 、 自治体 で は処 理 で きな い 事 情 も あ り、行 政 へ の 不 信 だ け が 増 してい く要 因 に も な っ て い る。
した が っ て 、 地 域 社 会 の 環 境 問 題 を解 決 す る た め に は 、 国 家 レベ ル だ け で な く 自治体 の 首 長 や 地域 社 会 の行 政 に よる環 境 改 善 業 務 が 要 求 さ れ る。 この よ う な こ とか ら、 自治 体 は排 出事 業 所 の 管 理 権 限 を地 方 自治 体 へ 一 元 化 す る こ と を 要 求 し て い る 。2001年7月11日 の 第ll次 地 方 移 譲 推 進 委 員 会 で は 、 大 気 、 水 質 、 有 害 化 学 物 質 関 連37個 単 位 事 務 を地 方 自治 体 に委 任 す る とい う 内 容 の 決 定 及 び 立 法 予 告 が で き、 同 年 に は 管 理 権 委 任 決 定 に伴 う事 後 措 置 を環 境 部 へ 申 し立 て た 。
も し国 家 産 業 団地 にあ る事 業 所 が 地 方 自治 体 に委 任 され る場 合 、 地 方 自治 体 の あ ら ゆ る環 境 問 題
〈表4>中 央 お よび地方 自治 時代 事務 現 況
区 分 環境部 地 方 自 治 団体 『
大気 環境 保全 法 第54条
・工 団内 排 出業 所
・工 団内 非 酸埃 事業 場
・工 団外 排 出業所
・工 団外 非 酸埃事 業 場
・自動 車 排 出ガス
水 質環境 保全 法 第55条 ・工 団 内 排 出業 所 ・工 団外 排 出業 所
騒音 ・振 動 規正 法 第19条 一 ・工 団内外 排 出業所
廃 棄物 管 理法 第58条 ・指 定廃 棄物 処 理業
・指定廃 棄物 管 理 ・指定 廃棄 物 以外 の廃 棄物
有 害化 学 物質 管理 法 第34条 ・工 団内 排 出業場 ・工 団外 排 出業所
土壌環 境 保全 法 第11条 ・土 壌 測 定 網(全 国)
・工 団 内外
土 壌汚 染誘発 業所
・土 壌測 定網(地域) 地下 生活 空 間 空 気 質管 理法 ・地 下駅舎 、地下道商店街空気の質管理
出 所:蔚 山 広 域 市(2002)『2002市 政 白 書 』
は 自治 団 体 が 責 任 を もっ て 解 決 す る た め の 施 策 の樹 立 と、 体 系 的 な環 境 管 理 方 案 を模 索 す る こ と が で きる よ う に な っ た 。 また 、 公 団か ら排 出 さ れ る 環 境 汚 染 物 質 に よ る 苦 情 な どを迅 速 に処 理 し て 、 市 民 の 環 境 行 政 に た い す る不 信 を積 極 的 に解 消 す る よ う に な っ た 。 そ して 、 万 一 の 環 境 汚 染 事 故 が 発 生 した 場 合 、 自 治体 が 即 座 に処 理 し、 被 害 を最 小 にす る 。 さ らに 、 地 域 に所 在 す る企 業 と して は 、 時 間 と費 用 が 節 約 され 、 結 果 的 に は企 業 の競 争 力 を高 め ら れ る の が利 点 とい え よ う 。
蔚 山 は 、 経 済 開 発5ヵ 年 計 画 が 始 ま っ た1962年 に特 定 工 業 地 区 と して指 定 され 、 自動 車 、 造 船 、 石 油 化 学 な ど の工 場 が あ い つ い で 設 立 され 、 急 速 な発 展 と と もに 国 家 の経 済発 展 に核 心 的 な役 割
を果 た して き た 。 しか し、 こ う した 工 団 で は化 石 燃 料 を多 量 に使 用 し た り、 また 環 境 保 全 にた い す る企 業 の 不 徹 底 さ の た め 、 環 境 汚 染 は 深 刻 に な っ た 。90年 代 に入 っ て か ら は 、 市 民 の 環 境 に た い す る認 識 が 高 ま りつ つ あ り、95年 に は約2千 億 ウ ォ ンを投 資 す る な ど様 々 な分 野 にお い て 環 境 改 善 の た め に力 を 入 れ る よ う に な っ た。
蔚 山 市 が 環 境 分 野 に 投 資 した 予 算 は 、1995年 か ら1997年 まで は 環 境 汚 染 防 止 施 設 の 設 置 に 重 点 を お い て い た が 、1998年 か ら は 自然 環 境 の破 壊 を最 小 化 し、 地 域 住 民 の 生 活 の 質 を 向 上 す る た め の 、 各 種 施 策 と環 境 基礎 施 設 を確 保 す る た め につ か わ れ る よ うに な っ た。
〈表5>蔚 山広域 市環境 予 算 投 資現 況 (単位:億 ウ ォ ン)
年度
区分 1997 1998 1999 2000 2001
蔚 山予算総額 8,822 6,877 8,610 .. 10,120
環 境予 算 (総予算 対比%)
1,819 (ZO.62)
1,657 (24.09)
2,218 (25.76)
2,445 (27.58)
2,475 (24.60)
出 所:蔚 山 広 域 市(2002)『2002市 政 白 書 』
〈表6>は 、2001年 に蔚 山市 が投 資 した 分 野 別 投 資 実 績 で あ る 。 分 野 は 大 気 、 悪 臭 、 水 質 に 限 定 した 。 土 壌 汚 染 に対 して は検 査 が不 十 分 で 、 そ の 汚 染 程 度 が どの くらい で あ る の か もま だ 明 確
に知 られ て い ない 。
〈表6>分 野 別投 資実 績 (単位:億 ウ ォ ン)
合計 大気 悪臭 水質 その他
2,096 1,145 286 258 407
出所:蔚 山広域市 環境 政 策課(2002)「 内部 報告 書」
1995年 民 選 に よ る 地 方 自治 の 時 期 か らの 環 境 改 善 投 資 実 績 を年 度 別 に見 た の が 〈表7>で あ る 。
〈表8>で は 個 別 企 業 の 環 境 改 善 投 資 額 を年 度 別 に 示 した 。 これ らが 、 蔚 山市 にお け る 自 治 体 と 産 業界 の 環 境 対 策 の概 況 で あ る 。
〈表7>民 選以 降の 市の環 境 改善投 資 実績 (単 位:億 ウ ォ ン)
合計
19,359
1995年 2,958
1996年 5,438
1997年 2,698
1998年 2,696
1999年 1,822
2000年 1,651
2001年 2,096 出 所:蔚 山 広 域 市(2002)『2002市 政 白書 』
〈表8>産 業体 環境 予算 投資 現況 (単位:億 ウ ォ ン)
年度
区分 1997 1998 1999 2000 2001
投資額 2,698 2,697 1,822 1,651 2,096
参加業体数 196 233 236 :1 427
出 所:蔚 山 広 域 市(2002)『2002市 政 白書 』
4.現 代 自 動 車1°)の 環 境 対 策 4‑1.コ ンセ プ ト
訪 問 し た現 代 自動 車 ・蔚 山 工 場 は 、 年 間145万 台 の 生 産 能 力 を有 し、 工 場 の 敷 地 は150万 坪 と い う大 工 場 で あ る 。 同 社 全 生 産 台 数 の57%は 輸 出用 で、 輸 出 先 の 第1位 は ア メ リ カで あ る 。 日本
向 け販 売 もす で に 開 始 さ れ て い る が 、 出荷 量 は ま だ 生 産 台 数 の1%以 下 とい う状 況 で あ る")。
同社 の 環 境 対 策 の きっ か け は 、 は じめ 、 法 律 の 遵 守 に あ っ た 。 しか し、 今 で は も っ と進 ん で 対 応 を す る よ うに な っ てお り、 よ りい っ そ うの 社 会 性 を考 慮 して い る 。 こ う した社 会 性 、 つ ま り対 策 展 開 の 根 拠 は、 環 境 対 策 を し な い と外 国 とは 貿 易 で きな い とい う危 機 感 が あ っ た こ とだ っ た 。
ま た 、 同 社 の グ ロー バ ル戦 略 と して も、 地 球 環 境 に 目 を 向 け 、 配慮 して い る とい う ア ピー ル が 必 要 で あ っ た。 そ の た め 、 現 在(調 査 時 点)の 環 境 報 告 書 は韓 国 語 版 の み で あ るが 、2004年 か ら 英 語 版 を作 る 予 定 だ そ うで あ る。 今 は テ ス ト段 階 で 報 告 書 を配 布 して い る とい う。
地 球 環 境 へ の 対 応 に つ い て 、 工 場 の 管 理 チ ー ム が 担 当 して い る内 容 と して は、 具 体 的 な 話(設 計 や 公 害 防 止 な ど)が 中 心 で あ る 。全 社 レベ ル の 総 合 的 な 環 境 対 策 の企 画 は、 本 社 や研 究 所 の ほ
うが 担 当 して い る。 と くに工 場 ゆ え 、 車 をつ くる際 に汚 染 を発 生 させ な い こ と、 そ して 、 い い車 づ く りを 目指 す こ とが 目標 とな っ て い る。
外 国 む け で も韓 国 む けで も、環 境 対 策 な しで は しだ い に車 が 売 れ な くな る状 況 に あ り、 環 境 部 担 当E氏 は 、 工 場 は 工 程 の管 理 か ら廃 棄 まで の対 策 をす べ きだ と考 え て い る。 しか し、 蔚 山工 場 は あ ま り に大 きす ぎ て、 管 理 が 難 しい の が 問 題 だ とい う。
環 境 対 策 の 具 体 例 を い くつ か 聞 く と、 ① 法 律 の 管 理 基 準 よ り30%ほ ど高 く対 策 内 容 を 設 定 し て い る こ と、 ② 廃 棄 物 処 理 は 自社 の 焼 却 炉 で 安 全 に焼 却 して い る こ と、 ③ 廃 棄 物 の 分 類 を徹 底 し、
リサ イ ク ル を75%達 成 した こ と、④ ゴ ミ減 量 化 に た い して も努 力 中 で あ る こ とな ど を紹 介 して くれ た 。
4‑2.組 織
環 境 管 理 の 方 法 と して 、 同 社 は 、定 期 的 に 監査 を お こな い 環 境 経 営 シ ス テ ムの 実 行 に努 め て い る 。 また 、ISO14001の 遵 守 を うた い 、 こ れ ら環 境 改 善へ の 投 資 は環 境 報 告 書 に記 載 して い る。
同 社 の 目指 す 「環 境 親 和 製 品」 の 開発 に は 、 開 発 本 部 が研 究 に あ た っ て い る。 環 境 親和 型 の工 程 管 理 と技 術 開発 に つ い て は、 製 品技 術 本 部 が 担 当 して い る。 本 社 の企 画 室 に は 、環 境 型 経 営 戦 略 チ ー ム が あ り、次 世 代 環 境 車 両 開 発 な ど も平 行 して 進 め ら れ て い る 。
蔚 山工 場 で は、 「トヨ タ の報 告 書 を見 て シ ス テ ムづ く りを した 」 と語 ら れ る よ う に 、 日本 企 業 の 先 行 例 を積 極 的 に 導 入 して い る 。 も と も と同 社 は 、1970年 代 か ら 日本 の 三 菱 自 動 車 との 関係
が 強 く、 エ ンジ ンや シ ャー シの 技 術 供 与 契 約 を結 ん で き た。 そ の 後 も しば ら くは技 術 提 携 が つ づ い たが 、 現 在 で は 両 者 の 関係 は維 持 しつ つ も技 術 提 携 は な くな っ て い る 。 しか し、現代 自動車 の 関 係 者 は 「… 、 うち は三 菱 さ ん か ら勉 強 した わ け で す」 と語 っ て い る(塚 本 、2002:172‑175)。
こ れ らの状 況 か ら推 察 す る と、 日本 企 業 にた い して は経 営 に お け る 親 和 性(親 近 感)を も ち、 情 報 源 と して の 期 待 も も っ て い る と考 え られ る 。
工 場 に あ る環 境 支 援 セ ク シ ョン と して は 、 環 境 チ ー ム に25人 が 配 置 され 、 消 防 、 安 全 な ど を 中 心 に 、ISO支 援 作 業 な ど を担 当 して い る。 環 境 チ ー ム の仕 事 に は 、ISOの 運 営 、 汚 染 防止 シス テ ムの 管 理 と測 定 、 報 告 書 作 成(成 果 報 告)と そ の評 価 とい っ た仕 事 が 割 り当 て ら れ て い る。 ま た 、 エ ネ ル ギ ー チ ー ム と よ ば れ る 、 エ ネ ル ギ ー 管 理 、 温 暖 化 ガ ス抑 制 を推 進 す るセ ク シ ョ ンが あ る 。 さ らに 、 各 生 産 工 場 に は保 全 チ ー ムが お か れ 、 環 境 施 設 の 維 持 管 理 が す す め られ て い る。
4‑3.採 用 と教 育
同 社 は 、1983年 か らIMF受 け入 れ ま で は、 年 間500〜1000人 を採 用 して い た。 しか し、1998 年 以 降 は年 間200〜300人(人 数 は 必 要 に 応 じて 変 化 して い る)ま で 縮 小 し、経 営 の た て な お し
を は か っ た'2)。現 在 も、研 究 ・開発 部 門以 外 は 必 要 に応 じた採 用 と して お り、 社 内 の 平 均 年 齢 は 上 が っ て い る 。 今 後 は研 究 部 門 に焦 点 をあ わせ 、 年 間500〜1000人 規 模 の 人 員 募 集 を予 定 し、 各 種 開発 に乗 り出 す 方 針 で あ る 。
同社 の教 育 は 、 階 層 別 研 修 と して新 入社 員 、 年 次 研 修 、 役 職研 修 が あ り、 こ れ ら教 育 の た め の 専 門 セ ク シ ョ ンが 環 境 教 育 も担 当 して い る。 環 境 セ ク シ ョ ンの 人 が 昇 進 す る時 に も、 環 境 の 資 格 試 験 が あ る。 そ の他 、OJT(マ ン ツ ー マ ン指 導 で 、課 長 ク ラス や 勤 続5〜10年 程 度 の 人 が 教 え る) も 日本 企 業 と同様 にお こ な っ て い る。 こ う した体 制 化 で 環 境 管 理 が な され 、 人 材 の育 成 が 図 られ て い る 。
4‑4.ISOの 取 得 ・活 用
同社 に お け る 最 初 の 環 境 規 格 の 取 得 は 、1995年12月 で あ る13)。後 日、 韓 国 で も環 境 規 格 が ISO14001に 変 更 され た の を機 会 に、 同社 も1996年5月 に正 式 にISOを 取 得 した 。
こ う した 早 期 か らの 環 境 へ の取 り組 み に た い し、 国 家 か ら環 境 親和 産 業 と して 表 彰 され て い る 。 2002年12月17日 か ら2007年12月16日 まで の期 間 で こ れ が 有 効 と さ れ 、 す で に期 間 は3期 目 に 入 って い る との こ とで あ っ た。
審 査 ・認 証 取 得 に は 外 部 の コ ンサ ル テ ィ ン グが 入 り、 ス タ ッ フ総 勢11人 が10ヶ 月 か け て 取 得 した とい う 。 現 在 まで のISO維 持 費 用 は2000万 円程 度 で あ り、 か な りの額 の 投 資 を お こ な っ て い る が 、ISO認 証 の た め に設 備 の 変 更 は せ ず 、 シス テ ム変 更 の み お こ な っ た た め 、経営へ の大 き な負 担 と は な ら な か っ た 。
そ もそ も、ISOの 要 求 が 各 国 か ら寄 せ られ る と予 想 し、 前 もっ て と っ て お こ う とい う の が 理 由 ら しい 。 実 際 に 、 契 約 が 取 り交 わ さ れ た あ とで 、ISO認 証 を提 出せ よ とい わ れ て安 心 した こ とが あ っ た 。 そ の後 も提 出 の 要 求 が 多 い と思 っ て い た と こ ろ 、 あ ま り確 認 が 必 要 な 契 約 は多 くな い と い う。 た だ し、 協 力 業 態(米 国へ の 部 品輸 出 な ど)で はISOが 必 要 と され 、 社 内 で も取 得 の 意 義 は十 分 に確 認 され て い る 。
ISOの 社 会 的 な意 味 合 い と して 、 次 の2点 が 指 摘 され た 。 ま ず 、1点 目 に は 背 景 の 説 明 が 必 要 で あ る 。IMF体 制 の と き、 韓 国 は大 規 模 な産 業 再 編 を お こ な っ た 。 各 財 閥 と も、 自社 グ ル ー プ の
主 要 産 業 を 明確 に し、 重 点 的 に投 資 を し た の で あ る。 これ にか か わ り、 ① グ ル ー プ内 企 業 の 売却 や他 社 との提 携 の と き、 環 境 親 和 企 業 で な い と高 く売 れ な い 、 契 約 が 進 ま な い とい う こ とが あ っ た とい う。 ま た、 ② 生 活 者 ・消 費 者 が 、 環 境ISOを と っ て い な い と そ の企 業 経 営 に不 信 を い だ き 商 品 ・サ ー ビス を敬 遠 す る可 能 性 が 高 ま り、 さ ら に は そ の行 動 力 も相 当 な社 会 的 イ ンパ ク トとな る こ とが 、 同社 に は十 分 伝 わ っ て い た14)。これ らの事 情 か ら、ISO認 証 が 、 環 境 対 策 を対 外 的 に 説 明 す る 際 に意 味 を もっ て い た とい う。
4‑5.環 境 対 策 の 重 要 性 に つ い て
同 社 が 今 後 の 課 題 に あ げ て い る の は 、 まず 、 環 境 会 計 の 必 要 性 で あ った 。 そ れ は 、 競 争 力 を保 つ た め 、 ブ ラ ン ドカ を高 め る た め に必 要 と認 識 され 、 継 続 成 長 企 業 を 目指 す た め で も あ る15)。製 品 の 品 質 は もち ろ ん 、 環境 ・安 全(保 健)も キ ー ワ ー ドに加 え、 社 会 性 を備 え た企 業 で あ る こ と
を ア ピ ー ル す る必 要 が あ る。 そ こで 、2002年 に は 第1段 階 と して 、 世 界 の ラ イバ ル の 事例 も含 め て 環 境 経 営 水 準 の 把 握 、 そ の 実 行 方 法 、 体 系 的 シス テ ム構 成 を、 経 営 ・生 産 ・製 品 ご と に比 較 し て い る 。 さ ら に2003年 か らは 、 環 境 経 営 の 基 盤 造 り をす す め て きた 。 た と え ば 、 環 境 会 計 、 グ
リー ン購 入 、 廃 自動 車 リサ イ ク ル、ISOの 維 持 な どで あ る。
しか しな が ら、 エ コ ・フ ァ ン ドは韓 国 国 内 で は少 な く、 環 境 対 策 へ の 投 資 が 効 果 的 な資 金 獲 得 につ なが らな い も どか し さ も感 じて い る 。 外 部 か ら要 求 され て 動 くの で は、 経 営 的 に は遅 い 。 つ ま り、 前 もっ て 準 備 を完 了 してお くべ きだ との 考 えが 同社 に も あ る 。 け れ ど も韓 国 の 今 は、 ま だ マ ー ケ ッ トの 動 き を み な が ら準 備 して い る に す ぎ ない 。外 国 か ら紹 介 され た制 度 に よ って 、 さ ま
ざ ま な ジ ャ ンル の 対 策 が ま さ に試 験 中 で あ る と、 同社 は産 業 界 全 体 を見 渡 して い る 。
ヨー ロ ッパ で 取 り入 れ られ る よ うに な っ た 自動 車 リサ イ クル は、 韓 国 で も もち ろ ん 議論 さ れ て い る。 同社 も部 品 の リサ イ クル はす で に進 め 、 十 分 対 応 して い るが 、廃 棄 車 リサ イ クル は 中古 車 販 売 団 体 と廃 棄 業 者 か ら批 判 され 、 思 う よ う に進 展 して い な い 。 一 方 的 に メ ー カ ー が 実 施 す る活 動 は 、利 害 関係 者 の 反発 を招 き、 韓 国 で は不 買 運 動 も起 こ りか ね な い た め 、 躊 躇 して しま う面 も あ る ら しい 。 と は い え 、 リサ イ ク ル率 を上 げ る こ とに力 を入 れ 、 リサ イ クル ビ ジ ネ ス を盛 り上 げ る こ と も大 切 と考 え て い る。
4‑6.エ コ カ ー の 開 発
エ コ カ ー の 開 発 が 重 要 だ と はい っ て も、 そ の 商 品 が 当該 社 会 で 受 け 入 れ られ る条 件 が と と の っ て い な け れ ば 、 開 発 費 用 の ム ダ に な る。 韓 国 で は 、 車 は 家 族 単 位(4〜5人)で 移 動 す る もの で あ り、 そ の 時 の 快 適 さ を考 え る と、 低 燃 費 の小 型 ・軽 自動 車 の 販 売 促 進 は難 しい とい わ れ て い る そ う で あ る16)。つ ま り、 小 型 車 は 学 生 か 、 家 族 の セ カ ン ドカ ー と して で な い と ア ピ ー ル し ない 。 か ろ う じて 、 燃 費 の メ リ ッ トしか 消 費 者 に うっ た え られ な い 車 で は 、 商 品 戦 略 と して 成 り立 た な い の で あ る 。
そ こで 、 エ コ カ ー の コ ンセ プ トと して 、 韓 国 人 の 生 活 ・文 化 を考 慮 す る必 要 が 出 て くる。 韓 国 で は既 婚 女 性(主 婦)の 移 動 が 少 な い た め'7)、家 族 で1台 の 車 を持 ち 、(夫 が)み ん な を乗 せ れ ば そ れ で 十 分 だ とい う。 こ うい う理 由 で 、 大 型 車 が 好 まれ る傾 向が 現 在 も続 い て い る。省 エ ネ カ ー で あ っ て も
、 こ う し た好 み が 反 映 さ れ て 開 発 され て い る の だ ろ う。 技 術 的 に は 、 天 然 ガ ス 車 、 燃 料 電 池 車 、 ハ イ ブ リ ッ ドカ ー、 極 超 低 公 害 車 、 直 噴 エ ン ジ ン、 直 噴 デ ィ ー ゼ ル エ ン ジ ン な どが 研 究 され て い る。
視 線 を転 じて 、 同社 の輸 出 割 合 か ら考 えれ ば 、 エ コ カ ー は企 業 生 存 の 問題 で も あ る だ ろ う。 外 国 人 は燃 費 に も敏 感 で 、 輸 出 時 に こ う い っ た性 能 が 問 題 に な る とい う。ATOZと い う車 種(排 気 量 は1000CCの 小 型 車)は 、 リ ッ タ ー あ た り約18km〜21.5kmの 走 行 距 離(燃 費 性 能)を 実 現 し、
こ の 要 求 に応 え てい る 。
4‑7.蔚 山市 民 の 意 識
同 社 社 員 は 、 会 社 が 変 わ ら な い と何 もか わ らず 、 環 境 面 や社 会 面 で の 配慮 ・貢 献 な どで も、 ト ッ プ の 意 識 の 変 化 が 重 要 だ と考 え て い る よ うで あ る 。 同社 は現 在 で も、 企 業 の社 会 貢 献 と して 、 社 会 的 弱 者 の 支 援二、 奉 仕 活 動 な ど、 蔚 山 市 に お け るか な りの 割 合 の 社 会 的 活 動 を実 施 して い る 。
こ う した 活 動 を お こな う理 由 は、 同 社 の 把 握 に よれ ば 、 蔚 山 市 民 は環 境 へ の 関心 が全 国 的 に み て も高 い か らで あ る 。 また 、 工 場 で も対 策 が う ま くい っ て い な い と、従 業 員 が 訴 え る ほ ど だ とい う。 つ ま り、 市 民 も従 業 員 も、 同社 の 経 営 に 目 を光 らせ て い る の で あ る 。 と くに従 業 員 は 、 日常 の 職 場 改 善 を実 施 して い る 主 体 で あ る が 、 作 業 に お け る 法 律 の 基 準 を ク リ ア ー して い て も な お 、
自 らの 健 康 ・安 全 を考 え、 さ らな る 要 求 を して くる そ うで あ る。 た だ し、他 国 の工 場 見 学 を した 際 、 担 当 者 が 「見 な か った こ とに し ま し ょ う」 とい う ほ ど、 自社 の ほ うが 進 ん で い た とい う こ と
もあ り、 対 策 に は 自信 を も っ て い る 。
なぜ 、 こ れ ほ ど まで に蔚 山市 民 の 環 境 問題 意 識 は高 い の か 。 そ れ は 、 蔚 山市 の発 展 と関 係 して い る よ うで あ る 。 以 前 の朴 正 煕(バ ク ・チ ョ ン ヒ)大 統 領 時 代 、 経 済 成 長 を は か るべ く第3次 経 済 開発 計 画 をす す め 、1973年 に 産 業 基 地 開発 促 進 法 を制 定 し、 蔚 山 ・温 山 な ど の工 業 団 地 を 開 始 した(具 、2001:181)。 しか し、 当 時 は都 市 整 備 も環 境 対 策 も無 計 画 だ っ た 。 そ の あ と、都 市 が 産 業 に 付 随 して 成 長 した た め 、 結 果 と して 総 合 的 に 汚 染 が 発 生 した の で あ る 。 こ う した 地 域 は 今 な お 、 諸 規 制 の効 果 が 十 分 で は ない 。 そ の た め住 民(市 民)は 被 害 意 識 が 強 く、 誰 で も環 境
に敏 感 に な っ て い る 。
問 題 は 、 何 もな い と こ ろ に 開 い た 公 団 の横 に、 住 宅 地 ・商 業 地 が 形 成 さ れ た経 緯 に あ る よ う だ。
そ こ で 、 も っ と規 制 をす る必 要 が あ る との結 論 に至 っ た よ うで あ る 。 市 の担 当 者 が さか ん に検 討 し、 蔚 山発 展 研 究 院 を設 立 して の 長 期 環 境 対 策 が 開始 され て い る 。
5.要 約 と含 意
こ れ ら一 連 の ヒ ア リ ン グ で 明 らか に な った こ とは 、 以 下 の通 りで あ る。
① 韓 国 企 業(現 代 自動 車)が 環 境 対 策 を 推 進 す る初 期 の 動 機 は 、 輸 出 を 優 位 にす す め 、 自社 の 競 争 力 を維 持 す る こ と にあ っ た。
② 実 際 の環 境 対 策 の 基 礎 は 国 際 規 格 に あ り、 ゆ え に特 徴 的 ・先 進 的 な対 策 を お こ な っ て い る わ け で は な い 。
③ 企 業 の経 営 モ デ ル 、 技 術 、 環 境 対 策 の 導 入 方 法 な どで 、 日本 の 影 響 力 が あ る程 度 確 認 さ れ る 。 た だ し、 日本 が 絶 対 的 な 先 導 約 を果 た して い る わ け で は な さそ う で あ る。
④ 社 会 的 な 環 境 意 識 の 向 上 は、 韓 国 で も、 企 業 の 環 境 対 策 を促 す 十 分 な き っ か け とな っ て い た 。
⑤ 自動 車 産 業 界 の 運 命 を担 う とま で 言 わ れ る エ コ カ ー の 開 発 は 、 技 術 優 先 の発 想 で は な く、 商 品 の 社 会 的 ・文 化 的 な 受 容 体 制 を考 慮 す る必 要 が あ る 。
⑥ 蔚 山 市 民 の 環 境 意 識 は 、 蔚 山市 の 発 展 と と も に形 成 さ れ て きた 。 そ の 根 底 に は 、 実 際 に被 害
に あ っ た危 機 意 識 が 大 き く関 係 して い る。
⑦ 自治 体 や 企 業 の み に任 せ るの で は な く、 蔚 山市 で は産 官 学 共 同 の 環 境 対 策 をふ ま え た街 づ く りが 模 索 され て い る 。
蔚 山 市 を代 表 す る巨 大 企 業 ・現 代 自動 車 の 環 境 対 策 は 、対 策 そ の もの か ら見 れ ば 、 さ ほ ど注 目 に値 す る 内容 は 見 つ か らな い か も しれ な い 。 しか し、 企 業 の 環 境 担 当者 の 目 を通 した環 境 問 題 の と ら え方 、 行 政 との 対 応 の仕 方 、 住 民 意 識 の 把 握 方 法 な どの情 報 は、 む し ろ新 しい知 見 を提 供 し て くれ る。 た とえ ば そ れ は 、 企 業 が 社 会 にお い て 単 独 で環 境 対 策 を進 め て い る わ け で は な く、 行 政 ・住 民 との バ ラ ンス を意 識 した 結 果 で あ っ た とい う こ とだ 。 上 に指 摘 した 、 そ う した 蔚 山 ら し
さ(一 部 韓 国 ら し さ)は 、 や は り継 続 的 に把 握 され るべ き課 題 で は な い か と考 え られ る 。
文 献
李 秀 撤(1998)「 韓 国 の 環 境 賦 課 金 制 度 」(環 境 経 済 ・政 策 学 会 編 『ア ジ ア の 環 境 問 題 』 東 洋 経 済 新 報 社 所 収)
蔚 山 広 域 市(2002)『 環 境 白書2002』
蔚 山 広 域 市(2002)『2002市 政 白書 』
金 一 中(1998)「 韓 国 の 環 境 規 制 に 関 す る 研 究 の 動 向 お よ び 国 際 交 流 の 推 進 方 策 」(環 境 経 済 ・政 策 学 会 編 『ア ジ ア の 環 境 問 題 』 東 洋 経 済 新 報 社 所 収)
金 丁 勗(1991)「 韓 国 、 蔚 山 一 温 山 コ ン ビ ナ ー ト に お け る 多 国 籍 企 業 の もつ 環 境 的 側 面 」(『公 害 研 究 』 1991年 夏 季 号 所 収)
具 度 完(1996=2001)『 韓 国環 境 運 動 の社 会 学 』 法 政 大 学 出版 局 現 代 自動 車(2002)『EnvironmentalReport2002』 現 代 自 動 車
産 業 研 究 院(2003)『 東 南 圏 ク ラ ス ト構 築 の た め の 妥 当 性 調 査 』 産 業 研 究 院 塚 本 潔(2002)『 韓 国 企 業 モ ノ づ く りの 衝 撃 』 光 文 社 新 書
注
1)蔚 山発 展 研 究 院 ・主 任 研 究 員 。 本 論3.担 当 。
2)文 教 大 学 国 際 学 部 ・専 任 講 師 。 本 論1.2.4.5.担 当 。
3)地 域 社 会 へ の 貢 献 と して 、 大 規 模 に は お こ な っ て い な い と しな が ら も、 次 の よ う な 例 が あ る 。 フ ラ ワ ー祭 り、 絵 の 大 会 、 公 園 づ く り、 学 校 教 育 へ の 貢 献 、 生 態 系 調 査 、
道 路 建 設 と寄 付(渋 滞 解 消 の た め)、 工 場 周 辺 の 土 ・水 汚 染 度 調 査(継 続 中)
4)蔚 山 市 約100万 入 の 人 口 の う ち 、20万 人 は 現 代 自 動 車 に 関 連 し た住 民 で あ る 。 従 業 員 ・そ の 家 族 ・パ ー トな どで、5人 に1人 は 関 連 して い る こ と に な る(ヒ ア リ ン グ よ り)。
5)温 山 病 と は 、 温 山 工 業 団 地 が 建 設 さ れ 、 企 業 が 操 業 を 開 始 した1970年 代 後 半 か らの 、 各 種 重 金 属 の 排 水 と大 気 汚 染 に よ る公 害 病 を さす 。1980年 代 の は じ め に は 集 団 的 な神 経 痛 と皮 膚 病 が 発 生 し、 地 域
に は深 刻 な漁 業 被 害 も も た ら した(具 、2001:181‑182)。
6)洛 東 江 フ ェ ノ ー ル 汚 染 は 、1991年3月 に発 生 した 。 斗 山(ド ゥサ ン)電 子 亀 尾(ク ミ)工 場 の フ ェ ノ ー ル 原 液 約30ト ン が 同 河 川 に流 出 し、 大 邱 市 浄 水 場 の 消 毒 過 程 で ク ロ ロ フ ェ ノ ー ル に 変 化 して 悪 臭 が 漂 っ た 。 こ の 水 道 水 が 家 庭 に も送 ら れ た こ と で 、 住 民 ・マ ス コ ミ ・市 民 団 体 ・政 府 を も巻 き込 ん だ 問 題 とな っ た(具 、2001:200)。
7)蔚 山 発 展 研 究 院(UlsanDevelopmentInstitute=UDI)は 、 蔚 山 市 が2001年 に設 立 し た研 究 機 関 で あ る 。 蔚 山 市 の 市 政 に た い し て 、 知 識 社 会 を 基 礎 と し環 境 に も 配 慮 した 都 市 形 成 に む け 、 効 果 的 な提 案 をお
こ な う の が 主 な役 割 で あ る(UDIパ ン フ レ ッ ト よ り)。
8)こ の 会 合 に は 、 蔚 山 市 か ら環 境 政 策 課 長A氏 、 同 課B氏 、C氏 の3名 が 、UDIか ら は 所 員 のD氏 が 参 加 した 。 発 言 者 の 特 定 を さ け る た め 、 名 前 は ア ル フ ァベ ッ ト表 記 とす る 。
9)し か し実 際 は 、 水 の 問 題 は水 道 管 の 古 さ に よ る か も しれ な い と も い わ れ て い る。 そ こ で 、 公 共 財(イ ン フ ラ)の 質 が 悪 い の で 、 公 共 財 へ の 投 資 を も っ と進 め る べ き(安 さ 優 先 に な ら な い よ う に)と い う 意 見 も 聞 か れ る と い う。
10)2003年3月11日 、 環 境 部E氏 へ の ヒ ア リ ン グ に も とつ く。 回 答 内 容 は企 業 や 市 を代 表 せ ず 、 あ く ま で 個 人 の 見 解 と し て 回 答 を して くれ た 。 同氏 の 意 向 に よ り、 名 前 を ア ル フ ァベ ッ ト表 記 と す る。
現 代 自動 車 は 、 本 社 が ソ ウ ル 、 工 場 が 蔚 山 、 牙 山(ア サ ン)、 全 州(チ ョ ン ジ ュ)に 、 研 究 所 が ナ ム サ ン、 マ ブ リ に あ る 。 塚 本(2002:183‑184、 同:193‑194)に よ れ ば 、2001年 の 世 界 販 売 台 数 は 255万 台 に 達 し、 韓 国 内 の 自動 車 生 産 能 力 は 年 間300万 台 とい う規 模 を有 す る 。1998年 に 起 亜(キ ア) 自動 車 を吸 収 合 併 、 韓 国 で は7割 の 販 売 シ ェ ア を誇 り、 韓 国 の 自動 車 産 業 と して は 唯 一 の 独 自(国 内) 資 本 企 業 で あ る 。
な お 、 こ の ヒ ア リ ン グ に お い て 、 新 羅 大 学 の 学 生 、 河 度 亨(ハ ・ ドヒ ョ ン)氏 の協 力(通 訳)を え た 。 彼 の 流 暢 な 日本 語 に よ り、 ス ム ー ス な 調 査 と な っ た 。 お 礼 を述 べ た い 。
11)同 社 の 本 格 的 な 日本 進 出 は1999年 で 、 日本 で は ヒ ュ ン ダ イ と発 音 さ れ て い る 。
12)韓 国 のIMF受 け 入 れ が 、 か え っ て韓 国 産 業 の 効 果 的 な 再 編 を促 し、 国 際 競 争 力 を 早 期 に復 活 させ た と す る見 解 は 、 よ く耳 に す る と こ ろ で あ る(塚 本 、2002:176‑178)。
13)こ の と き、 韓 国 内 で も ま だISO14000シ リ ー ズ は発 効 して い な か っ た 。 い わ ゆ るBS7750の 時 代 で あ る 。ISO14000シ リ ー ズ は 、 韓 国 で は 、1996年3月 、 日本 で は1996年9月 に 発 効 して い る が 、 同 様 に発 効 以 前 か ら取 得 に む け環 境 改 善 を お こ な っ て い た 企 業 は存 在 し た 。
14)先 に触 れ た フ ェ ノ ー ル 事 件 で も 、 韓 国 ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト協 同 組 合 連 合 会 が 斗 山 グ ル ー プ 製 品 の 不 買 を 決 定 し て い る 。 斗 山 グ ル ー プ 本 社 前 で 、OBビ ー ル の 廃 棄 大 会 ま で あ っ た と い う報 告 が あ る(具 、 Zoos:Zoo‐Zoi)0
15)こ こ で も ト ヨ タ の例 が 参 考 に さ れ た と い う。5年 ほ ど前 、"JustInTime"方 式 を取 り入 れ た こ とが あ る そ う で 、 当 初 は 生 産 の た め の 導 入 だ っ た が 、 今 で は 環 境 の た め で も あ る と して 高 く評 価 す る に い た っ て い る 。
16)小 型 車 が 受 け い れ られ な い 状 況 は 、 「乗 っ て い る車 に よ っ て 人 を 判 断 す る き らい が あ る 」 との 見 解 か ら も確 認 さ れ る(塚 本 、2002:179‑183)。 こ れ ら社 会 的 ・文 化 的 特 性 に も とつ く商 品 理 解 の 発 言 は 、 技 術 優 先 主 義 へ の 反 省 と して 興 味 深 い 点 で あ る 。
17)既 婚 女 性(主 婦)は 家 に い て 、 外 で 仕 事 を も た な い こ と が 多 い(多 か っ た)と い う理 由 に よ る 。