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音 楽 科 教 育 に お け る 器 楽 指 導 の 本 質 と 意 義 に 関 す る 研 究
一音楽によるコミュニケーションの成立を目指したアンサンブルの学習とその指導ー
教科・領域教育専攻 芸術系コース(音楽) 浅 田 期 太
はじめに
教育の目的は人格の完成であり,人間形成で ある。その中において,音楽科教育は,蜘昌,
器楽,創作,鑑賞の幅広い活動を通し,それぞ れの特性を生かしながら,豊かな情操を養うこ とを目指している。そして,若器集においては,
特に,アンサンブルは他者との密接なコミュニ ケーションに基づいて演奏が展開されることな どがその特性として着目されてきた。しかしな がら,これまでの
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髭紺旨導に関する研究の多く は,楽器,楽曲等や方j去論に関するものであり,人間形成に関わる器鱗導の本質と意義を明ら かにする研究は,あまりされてこなかった。そ こで,本研究は,音楽科教育における若様アン サンプルの学習を音楽によるコミュニケーショ ンの過程として捉え直し,ここから若長樹首導の 本質と意義につして検討することを目的とする。
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若髭輔導の歴史的変遷学校教育の中で,器楽指導が本格的に開始さ れたのは,戦後からである。終戦直後には,そ れまでの唱歌中心の指導から脱却するため,器 楽指導に関する研究が盛んに行われた。しかし ながら,数年が経っと,戦麦から始まった器楽 指導の反省と批判が行われるようになり,さら には,社会総兄の変化から,道徳教育の必要性 が訴えられるようになったことも重なり,梯青 偏重の指導に陥っていた器楽指導は,次第に,
影を港め,形骸化してしまった。
指 導 教 員 長 島 真 人
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器楽指導の糊生器楽指導に関する先行研究から器繍導の特 性について記述しているものを調べ整理する と,以下の 7 点にまとめられる。①lf'~特立,歌 唱と並び自己表現の重要な手段である。②歌唱 に比べ,各楽器の広い音域や多彩な音色強弱 の自在性,表現技巧の多様性などに基づく幅広 い表現の可能性がある。③特に,アンサンブル は他者との密接なコミュニケーションに基づい て演奏が展開される。錦撲は,人間の本能的 な興味,関心に基づく「遣長刊の延長であり,
学習意欲を高め,主体的な活動を促す。⑤客観 的に楽音構造を捉えることができる。⑥身体詩句 動作を伴って,人間の内面に働きかける。⑦歌 唱,創作,鑑賞との関連を持ち,それらを総合 して,音楽の学習全体の深まりを実現する。本 研究では,このうち,
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点目の特性に着目する。3 .
音楽によるコミュニケ}ションの過程 音楽は,集団の共同感情を創設する文化のー っとして,つまり,シンボノレとして共有され,コミュニケーションの媒体として活用されてき た。ここで行われている音楽によるコミュニ,ケ ーションの過程について,
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ブルーマーが提 唱したシンボリック棺互作用論やその背景の諸 論を視鹿に捉え直すと,その過程は,音楽とし1うシンボルを中心においた他者,作曲者,状況 と文脈,そして,自己との相互作用から成り立 つ倉践的なものであること湖麗認される。した
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がって,音楽科の授業では,シンボリック相互 作用が生じるような授業の仕掛けが必要である。
その仕掛けは,以下の3点である。①子どもた ちが探究の対象になる音楽に主体的に働きかけ,
音楽をシンボルとして解釈し,その結果として 心の内に形成される音楽の意味に基づいて,音 楽的な表現行為を展開していける授業の仕掛け。
②子どもたちの心の内に形成される音楽の意味 が,共に音楽の美しさを見つめている糊市や他 の子どもたちとの棺互作用によって導き出され るように,音楽としづ「もの」の栴主だけでは なく,共有体験をしている他君の栴生や作曲者,
表現行為を行っている場の状況と文脈にも意識 が向けられる授業の佐掛け。制覇突の過程が「自 己jとの対話によって展関されることから,
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との対話を通して,自分なりに音楽の意味 を形作れる授業の仕掛け。4 .
音楽によるコミュニケーションと若能義アン サンプルここまで学術的な視座を基に,音楽によるコ ミュニケーションの過程について明らかにした が,これを器機奏の学綿句な見地からと郊祭 の器楽演奏に関わる人々の言葉から検討する必 要がある。そこで、,以下の三つの観点をもって,
検討した。①シンボ、ノレとして成立している音楽 の意味に基づいた器楽アンサンプルの特也② 器楽アンサンプルにおいて生じる他者,作曲者,
状況と丈脈への意識。領繰アンサンプルにお いて生じる自己への意識。検討の結果,若忠義ア ンサンプノレは,シンボ、リック相互作用が生じる ような音楽によるコミュニ,ケーションの過程を 最も強く意識させることが裾忍された。
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音楽によるコミュニケーションの成立を目 指した器楽指導の学習指導過程ここまでの研究によって明らかにした器楽
指導の学習論に基づいて,シンボリック棺互作 用が生じるような器楽アンサンブルを扱う学習 指導を行うためには,以下の
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点について留意 する必要がある。①子どもたちに演奏に対する あこがれを抱かせ,理想的な音楽のイメージを 持たせながら,その模倣を促すこと。②子ども たちが音楽の形式的特徴をよりどころにして,シンボノレで、ある音楽を適切に解釈し,自分なり の音楽の意味を形作れるように促すことo
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舗の指さしによって,子どもたちが,他者,作 曲者,状況と文脈,そして,自己に意識を向け,
自身の中に形成された音楽の意味を,より渋練 された音楽の意味として再形成できるように促 すこと。④教師が適切な指さしが行えるように,
子どもたちの学習の状況と文脈を意図的に設定 すること。⑤郡市の指さしの内容を,子どもた ちに対して言語的な受け応えを求めるものから,
徐々に,音紺句な受け応えを求めるものに変え ることによって,子どもたち自らが,他者,作:
曲者,制兄と文脈に対して音紺ヲに,そして,
ほとんど無意縦令に反応できるように促すこと。
以上の点に留意しながら,具体的な教材を用 いて器楽アンサンプノレを扱う学習指導の履開を 考察していく必要がある。
おわりに
本研究を通して,若斡指導では,器楽アンサ ンプノレを行うことによって,他者との音楽によ るコミュニケーションカ河足され,音楽が象徴す る感情の世界の分かち合いを通して,豊かな情 操を養うことができることが確認された。今後 の課題は,本探究で得られた器楽指導の学習論 を基礎におきながら,音楽によるコミュニケー ションの過程をより詳細に検討する研究や,器 楽指導の評価の在り方や,耕オ選択の仕方とし1
った研究をしていく必要がある。