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倫理 政治 経済 問 3 センの引用文を読み その内容が正しく理解できているかを問うた 正答率は標準的であった 問 4 19 世紀以降の社会主義思想の流れについて正しく理解できているかを問うた 正答率はやや低かった 問 5 二つの欲求が対立し選択に迷う葛藤状況に関しては多様な考えや理論があり それを

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Academic year: 2021

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1 問題作成の方針 平成24年度大学入試センター試験から新設された「倫理、政治・経済」は、「倫理」及び「政 治・経済」の全ての領域を出題範囲とし、「倫理」及び「政治・経済」との共通問題と、科目独自 の問題を組み合わせて作成するという方針で作成した。配点は、倫理分野と政治・経済分野に各 50点を配点し、合計100点満点とし、問題構成は、倫理分野及び政治・経済分野ともそれぞれ大問 3題、全体で大問6題とした。 倫理分野は、昨年度と同じく、各大問全てにリード文を置くことにした。リード文は3題とも、 「倫理」と共通のものである。設問のほとんどは「倫理」の設問と共通のものにし、必要に応じて 若干の「倫理、政治・経済」独自の設問を作成することとした。倫理分野の問題作成に当たって基 本方針としたのは、「倫理」の問題作成の方針に述べたとおり、「高等学校の段階における基礎的な 学習の程度を判定する」という大学入試センターの目的と、「良識ある公民として必要な能力と態 度を育てる」という高等学校学習指導要領(以下「学習指導要領」という。)における「倫理」の 目標の二つである。これらに留意しつつ、高等学校で得られた基礎知識を踏まえて、人間としての 在り方、生き方、さらには、現代に生きる人間の倫理的課題等について深く考えさせる問題の作成 に努めた。 政治・経済分野は、第4問を政治と経済の融合問題、第5問を経済の問題、第6問を政治の問題 とした。このうち第5問と第6問は「政治・経済」との共通問題であり、第4問は、小問は「政 治・経済」と共通だが、リード文は「倫理、政治・経済」のために作成されたものである。作問の 基本方針は、「政治・経済」と同じである。高等学校段階における基礎的な学習の達成程度を判定 することを基本とした上で、さらに現代の政治経済の主体的な考察を奨励するために時事問題も加 えた。全体的には、いわゆる基礎的知識の習得度を問う問題のみに偏ることを避け、できる限り総 合的な理解力、論理的な思考力、それらに基づく応用力を試すことを目指した。 2 各問題の出題意図と解答結果 第1問 リード文では、フェアトレード・コーヒーを購入しようとしている二人の大学生が、対 話を通じて、現代の自由主義貿易体制の背景に、貧困や環境破壊等の問題があることを確認 し、こうした問題に対応するための一つの方法としてのフェアトレードの意義についての議論 を通じて、我々の日常的商品購入がもつ倫理的な意義に思い至る過程を描いた。それによって 受験者にも、日常的世界の活動が国際経済と連動して国際協力に結び付いていることの倫理的 意味を理解してもらうことを目指した。 問1 苦しむ人々への支援に関する様々な思想や実践についての理解を問うた。正答率は標準 的であった。 問2 青年期の人格形成についてのオルポート、マズロー、エリクソンの考えを区別し、就職 活動という青年期の身近な問題と対応づけて理解できるかを問うた問題。正答率は高かっ た。

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倫理、政治・経済 問3 センの引用文を読み、その内容が正しく理解できているかを問うた。正答率は標準的で あった。 問4 19世紀以降の社会主義思想の流れについて正しく理解できているかを問うた。正答率 はやや低かった。 問5 二つの欲求が対立し選択に迷う葛藤状況に関しては多様な考えや理論があり、それを正 しく理解しているかを問うた。正答率はやや高かった。 第2問 問1 董仲舒の引用から、古代中国における天人相関説に基づく自然観(天譴論)を読み取ら せる。正答率は高かった。 問2 源信の思想を理解しているかを問うた。正答率は標準的であった。 問3 賀茂真淵の著作の書名を問うた。正答率は低かった。 問4 様々な源流思想分野に説かれる、他者との関わり方について問うた。正答率は低かっ た。 問5 二宮尊徳の思想についての基本的な理解を問うた。正答率はやや低かった。 問6 南方熊楠の思想について問うた。正答率は高かった。 問7 日本における自然観の変遷を理解し、リード文全体の趣旨が把握できているのかを問う た。正答率は高かった。 第3問 西洋近代思想における想像力についての捉え方を、創造的活動における働きを中心にた どることによって、人間精神の働きやその可能性に関する理解を深めることを意図した。第3 問については、得点率は標準的であった。 問1 キリスト教思想における様々な欲望の捉え方についての理解を問うた。正答率は低かっ た。 問2 トマス・モアの『ユートピア』執筆の意図を問うた。正答率は標準的であった。 問3 ストア派についての基本的な知識を問うた。正答率は標準的であった。 問4 カントの思想と著作に関する基本的な理解を問うた。正答率はやや低かった。 問5 ゲーテの芸術創作に関する考えについての理解を問うた。正答率は高かった。 問6 ルソー、キルケゴール、デューイの思想に関する理解を問うた。正答率は標準的だっ た。 問7 リード文の趣旨を問い、人間の想像力の働きと、人間と現実との関わりについての理解 を問うた。正答率は高かった。 第4問 リード文は、「グローバル化と日本の政治・経済」をテーマとして取り上げ、グローバ ル化によって日本が直面する様々な課題について認識を深められるような内容とした。その内 容を踏まえながら、日本における事象だけでなく国際的な事象についても、政治・経済に関す る基本的な知識の理解及び思考力を問うことを全般的な出題意図とした。各設問では、国内並 びに国際的な政治・経済に関する正確な知識や論理的な思考力とともに、現代的な問題につい ての関心も問うこととした。 問1 行政の仕組み及び行政活動を担う公務員に関する制度について、基本的な理解を問う た。正答率は低かった。

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問3 近年の日本における経常収支構造の変化についての理解について、図から読み取る力を 問う設問とした。正答率は低かった。 問4 公害問題及び環境保護に関する裁判例、法制度についての基本的な理解を問うた。 問5 EU(欧州連合)の基礎知識について問う設問とした。 問6 重要な国際条約であり、今日の国際問題で焦点ともなる難民問題の基礎知識を問うた。 第5問 近年の金融恐慌に関連するグローバル化の問題や格差の問題を踏まえながら、非営利的 な部門の経済活動の意義にも言及しつつ、現代の金融・経済問題を多角的な視点から分析する 必要性について受験者に留意してもらうことを基本方針としている。金融・経済についての基 本的な設問を配置しながら、図表やグラフの読み取り問題を組み合わせることで、受験者の思 考力を問う工夫を凝らしている。 問1 日本の年金制度、及びその現状と問題についての、基本的な知識を問う問題である。正 答率は低かった。 問2 家計、企業、政府からなる経済の循環に関する基本的な知識を問う問題である。正答率 は妥当であった。 問3 所得格差の実態について図表から読み取る思考力を問う問題である。正答率は高かっ た。 問4 日本の金融政策に関連する基本的な知識を問う問題である。正答率は低かった。 問5 国際貿易を例にとって、需給曲線の性質についての知識と理解を問う問題である。正答 率は高かった。 問6 日本の株式会社に関する制度、及びその運営に関する基本的な知識を問う問題である。 正答率は妥当であった。 問7 企業や組織の多様性についての基本的な知識を問う問題である。正答率は妥当であっ た。 第6問 明治憲法から日本国憲法への憲法体制の転換と、日本国憲法の下における戦後政治の展 開と課題を論ずるリード文を踏まえ、政治制度に関する基本的な知識及びそれに関する推論能 力を様々な角度から問うことを意図した出題である。 問1 近年、天皇や皇室制度に対する社会的関心が高まっていることを受けて、明治憲法下と 現行憲法下における天皇の地位・権限の違いなどに関する基本的理解を問うもの。正答率は やや低かった。 問2 国民主権原理の具体化である国民投票・住民投票や、選挙制度に関する基本的な理解を 問うもの。正答率はやや高かった。 問3 選挙制度について、簡単な事例問題を解くことを通じて、小選挙区制と比例代表制の特 徴を理解してもらうことを意図した。正答率は妥当であった。 問4 明治憲法下の帝国議会と日本国憲法下の国会を比較し、議院の構成と権限、内閣との関 係について知識を問う問題である。正答率は低かった。 問5 グラフの読み取りと平成に入ってからの政治の動きを組み合わせた問題である。それぞ

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倫理、政治・経済 れのグラフが衆議院・参議院のどちらに対応するか、それぞれの選挙が行われた時期にどの ような出来事があったかという点で高校での学習を問う問題とした。正答率は低かった。 問6 司法積極主義と司法消極主義のそれぞれの根拠論を素材として、裁判所の違憲立法審査 の役割について考えさせる論理問題。正答率は低かった。 問7 日米安全保障条約についての知識を問う問題である。1 2 は条約の歴史について、 3 4 は内容について質問している。正答率は妥当であった。 3 出題に対する反響・意見についての見解 第1問 「受験者と年齢的にも近い大学生のコーヒーについての会話をとおして、生産者の自立 支援の在り方について、『公正』の観点から様々な問題があることを気付かせようとするリー ド文からはメッセージ性を感じ取ることができる」というコメントをいただいた。受験者に人 類の福祉を自分たちの身近な問題として考えてもらいたいという出題者の思いはある程度伝 わったのではないかと考えている。リード文と設問を有機的に密接に結び付けることを心掛け たが、リード文のメッセージ性と設問の一定の難易度を両立させることについては今後も検討 していく必要があるだろう。また、統計資料を扱う問題についても、受験者の負担に十分に配 慮する一方で、リード文の理解をさらに深められるような作題が求められる。現代社会の諸問 題についての出題は、教科書に記載されている内容が多くはないため、出題を工夫することが 難しいが、枝葉末節を問うことなく、現代社会についての理解を適切に問うための出題を今後 とも心掛けていきたい。 問1 苦しむ人々への支援に関する、日本思想を含む様々な思想や実践についての理解を問う 出題である。選択肢を増やすなどの工夫により、易しすぎることのないよう心掛けたが、お およそ予想どおりの正答率であった。 問2 青年期の発達についての基本的な知識と受験者にも身近な問題である就職活動を結び付 ける問題であり、「成熟」、「階層構造」、「拡散」のキーワードに着目すれば具体例を識別で きるように記述したため、正答率は高く平易な設題となった。 問3 センの引用資料の理解を問う問題で、「リード文の内容とも関連して極めてメッセージ 性の高いもの」との評価もいただいた。正答率は標準的であったが、リード文の理解を深め る上で有益であったと思われる。 問4 19世紀以降のドイツ、イギリスの社会主義思想の変遷についての出題で、正答率はや や低かった。文章の構成により誤答を選択した受験者がいたのではないかとのコメントをい ただいたが、今後は読みやすい文章を心掛けたい。 問5 葛藤の概念は様々にあり、シュプランガーは「接近―回避」の葛藤状況を記述したが 「境界人」とは別の概念であり、性格類型論は分類であるため葛藤状況は起きない、また防 衛機制は葛藤による緊張への反応であり選択肢の記載は因果関係が逆になっている。こうし た区別を読み取って、受験者は正しく区別していたものと理解できる。 第2問 本問題では、日本における先人たちの「自然」をめぐる思索について時代順に分析する ことで、高校生に、先人たちの思索を踏まえた上で、それらを手掛かりとして現在の自然観の 問題点について考えもらうことを目指した。その点については、「日本の自然観から始まる根

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とによって平均点を下げる設問を増やさないように求めたい」というコメントをいただいた。 個々の設問の難易度を含めて、今後の検討課題としたい。 問1 「董仲舒の『春秋繁露』からの引用文を読み、天災についての考え方として正しいもの を選ぶ、『倫理、政治・経済』独自の設問である。もちろんテキストの正確な読解が必要だ が、『天の思想』についての知識と理解も求められる、良質な資料文による問題である。選 択肢も練られている良問で、標準的な難易度の設問であった。」という評価をいただいたが、 予想以上に正答率は高かった。 問2 源信の思想についての理解を問う問題であり、「キーワードによる知識だけでは解くこ とができなかったであろう」というご指摘をいただいた。選択肢の工夫を認めていただき、 うれしく思う。 問3 賀茂真淵の著作についての知識を問うた。「石田梅岩、契沖、安藤昌益らの著作につい ての学習が十分ではない受験者にとっては難しい設問となった」という評価どおり、正答率 は低かった。 問4 標準的な難易度の設問を目指したが、結果的にはご指摘のどおり、やや難しい設問と なった。 問5 二宮尊徳の思想を問う問題であり、「やや難しい設問だが、キーワード的な知識を問う 問題や一問一答的問題にならないように工夫された良問であった」という評価をいただい た。作題に当たって工夫した点を認めていただき感謝したい。 問6 南方熊楠、柳田国男、折口信夫、田中正造の思想の説明の中から、南方熊楠の思想を選 ぶ問題であった。「標準的な難易度の設問」との評価をいただいたが、正答率はかなり高 かった。 問7 リード文の趣旨を問う問題であり、「平易な設問」という評価どおり、正答率はかなり 高かった。 第3問 リード文については、「理想を描き出す想像力の働きは、現実批判にも結び付いたと指 摘しているように、時代を単に追うのではなく、大きな流れをもっており、思想への導入とし ても練られた」ものであるとの評価をいただき、出題意図を理解してもらえてうれしく思う。 設問については、「全体に誤りの選択肢もそれぞれの思想内容が明確に描かれており、手堅く 作られている」とは評価していただいたものの、「著作に注目した設問が目立つ」というご指 摘については、今後工夫すべき点と考えられる。「全体に標準的な難易度の問題」との評価を いただいたが、そのとおりの得点率であった。 問1 「この設問は各文章の正誤判別も簡単とは言えない」というご指摘をいただいたが、そ の通り、正答率は低かった。正答の表現が受験者にとってなじみのないものであった点など については、今後の課題としたい。 問2 「誤りの選択肢の思想内容も明確であり、消去法でも解くことができる」ことから、「平 易な難易度の設問である」との評価をいただいたが、正答率は標準的なものであった。受験 者の基本的な理解が確認された出題であったと思われる。

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倫理、政治・経済 問3 ご指摘のとおり、個々の問うている事項は平易であるが、組合せ問題にしたことで、結 果として標準的な正答率となった。 問4 「やや難しい難易度の設問」という評価のとおり、正答率はやや低かった。カントの三 批判書のうち、「『判断力批判』に触れることは少ない」という指摘にある現状を反映したも のと推察されるが、カントの思想の全体的な理解を目指す上で、『判断力批判』へもより配 慮をしていただけると望ましいと考えられる。 問5 「自然の中の美しいものの相互の結び付きを発見することで芸術作品を生み出すという、 資料の趣旨を的確につかむことを求めるよくできた設問」という評価をいただき、出題意図 が理解されてうれしく思う。「標準的な難易度の設問」と評価されたが、正答率は高かった。 「やや読解力だけで解けてしまうきらいもある」と指摘された点を改善すべく、解答に際し て、思想の理解がより反映されるような工夫が必要と思われる。 問6 ルソー、キルケゴール、デューイの3人の思想を組み合わせで問う問題であり、「3人 の内2人の思想家が分かれば正解できる設問であり、難化しがちな組合せ問題であるが、標 準的な難易度の設問である」との指摘のとおり、正答率は標準的であった。受験者の基本的 な理解が確認された出題であったと思われる。 問7 「誤りの部分が明確であり標準的な難易度の設問」との評価であったが、正答率は高 かった。「それぞれの選択肢が、AだからBであるという、趣旨のまとめAとそこから下さ れる結論Bという構造になっており、受験者の判断を導く工夫がなされている」との評価を いただき、出題意図が理解されてうれしく思う。 第4問 リード文について、「多くの事象を網羅しようとし抽象的なものになっている」「1990年 代以後の日本社会の変化を振り返りつつ、現代日本社会を総合的に捉えなおして意義を考えよ うというリード文であり、高校生にとっては『政治・経済』を学ぶ意味を示した教育的配慮に 満ちた問題である」との評価を受けた。各設問については、全体的にやや易しい問題が多いと の評価であった。 問1 行政委員会についての知識を問う問題であり、難易度は標準的との評価であった。ただ し、正答率は低かったので、今後の課題としたい。 問2 国民と法の関わりについて問う問題であり、様々な角度から社会と関わりのある法制度 について問う良問であると評価された。難易度は標準的との評価であり、正答率は妥当で あった。 問3 日本の国際収支について問う問題であり、近年、貿易収支が赤字になったことや、経常 収支の黒字は所得収支が支えているという時事的な知識を、資料を用いて問う良問であると 評価された。難易度は標準的との評価であった。ただし、正答率は低かったので、今後の課 題としたい。 問4 環境保護についての法制度と裁判について基礎的な知識を問う問題である。難易度はや や平易との評価であり、正答率は高かった。 問5 EU(欧州連合)について基礎的な知識を問う問題である。難易度は平易との評価であ り、正答率は高かった。 問6 難民について問う問題である。難民の定義についてしっかりと学習していれば正答を導

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ローバル化によって引き起こされる諸課題を、リーマンショック以降の世界経済を題材に幅広 く指摘したリード文は、出題者の高い見識がうかがえる。各設問はやや平易な設問が多く出題 されている」との評価を受けた。 問1 時事的な選択肢もあるが、基礎的な知識を問う問題であるとの評価を得た。ただし、正 答率は低かったので、今後の課題としたい。 問2 基礎的な知識を問う標準的な問題であるとの評価を得た。 問3 各国の所得格差について問う資料を活用した問題である。単純に読み取るだけで正答を 導き出せる、やや平易な問題であるとの評価を得た。正答率は高かった。 問4 金融政策について問う問題である。マネーストックの正確な理解が求められている。基 準割引率及び基準貸付利率という語句は教科書で扱われているが、受験者にとってはなじみ の薄いものであったと思われるとの評価を得た。正答率は低かったので、今後の課題とした い。 問5 単純な知識だけではなく、需要曲線と供給曲線のどちらに影響するかを考えさせる、思 考力を問う良問であるとの評価を得た。 問6 日本における株式会社について、基礎的な知識を問う、標準的な問題であるとの評価を 得た。 問7 営利を目的としない経済主体の活動について問う問題である。誤文が明らかに正答と分 かるもので、やや平易な問題であるとの評価を得た。 第6問 「日本国憲法制定による変革と戦後の政治体制の課題に関する政治分野の問題である。 現在、憲法改正が議論になりつつあるなかで、制度改革を構想する場合も憲法の意義を忘れて はいけないというリード文は社会の課題を的確に捉えており、受験者にしっかりと読んでもら いたいものである。思考・判断や資料活用を問う設問がバランス良く配置されている。」との 評価を受けた。 問1 「3 は皇室典範の知識が必要であり、やや難しい問題である。」との評価があり、正答率 もやや低かったが、ただ、問うているのは日本国憲法の規定自体であるので出題自体に無理 はないものと考えられる。 問2 「国民主権について、基礎的な知識を問う、標準的な問題である。」との評価があり、正 答率はやや高かった。 問3 「選挙制度について問う問題である。資料を活用し、小選挙区制と比例代表制の場合を 比較させながら思考・判断させる非常に工夫された良問である。このように単に知識を問う だけではなく、知識を活用する問題を今後も出題していただくことを強く希望する」との指 摘を受けた。今後も知識を活用する良問の作成に向けて工夫したい。 問4 「帝国議会と国会について問う問題である。知識を問う問題であるが、明治憲法下の知 識がしっかりと身に付いていないと、やや難しい問題である。選択肢を増やす工夫がなされ ているが、明らかに不適当なものを除けばむしろ選択肢は少なくなっている。」との指摘を 受けた。明らかに不適当な選択肢を除いた問題の作成に向けて工夫したい。

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倫理、政治・経済 問5 「国政選挙の投票率について問う標準的な問題である。参議院の投票率が衆議院より低 いこと、消費税が導入された時期、小選挙区制が導入された時期をしっかりと学習すること が受験者に求められている。」との指摘を受けた。今後も受験者に必要な知識を問う問題の 作成に向けて工夫したい。 問6 「違憲立法審査権について問う応用的な問題である。違憲立法審査権の積極的な行使に ついて各選択肢の内容から思考・判断させるやや難しい問題である。」との評価があり、正 答率も低かった。ただ、「じっくりと思考させたいという意図はよく理解できる」との評価 も得ており、今後も知識と思考を組み合わせる良問の作成に向けて工夫したい。 問7 「日米安全保障条約について、基礎的な知識を問う問題である。」との指摘を受けた。今 後も受験者に必要な基礎的知識を問う問題の作成に向けて工夫したい。 4 今後の作題に当たっての留意点 倫理分野と政治・経済分野それぞれの見解は、下記のとおりであるが、この科目の受験者の動向 を踏まえて、より一層の改善のため、この科目の作問の手順等について今後も検討する。 (倫理) 各方面からいただいた意見、指摘、評価などを参考にしながら、以下の諸点に留意して、今後の 問題作成に努める。 ⑴ これまで同様、分野別・時代別等においてバランスの取れた問題作成に努める。 ⑵ 基本的知識をもとにしながらも、変化する社会に対応できる理解力、思考力、応用力を問う問 題作成に努める。 ⑶ 評価の高いリード文に基づく設問は継承しつつも、さらにそれを洗練させるよう改善を重ね、 リード文に密接に関連した、受験者に深く思考させる設問の作成に努める。 ⑷ 公民間の得点差が適正な範囲を越えないように留意する。 (政治・経済) 各方面からの意見・指摘・評価を真摯に受け止めた上で、以下の諸点に留意して、今後の作問に 取り組みたい。 ⑴ 学習指導要領準拠の原則を誠実に遵守する。また、学習指導要領の改訂の方向も視野に入れ る。 ⑵ 公民教育への社会的要請に配慮し、大学入試センター試験の社会的な責任や影響力を考慮し、 公民教育の一環として現行の質を維持しつつ、さらに改善し向上させる。 ⑶ 教科書に準拠した基礎的知識の習得を促進する問題だけでなく、総合的な理解力・論理的思考 力・資料の読み取り力などを試す問題や時事問題を、適切なバランスで導入する。 ⑷ 現行の高等学校教育の範囲と水準に配慮しつつ、同時に、「政治・経済」の、高等学校教育に おける発展に貢献できる出題内容とする。また、高等学校教育の大学教育への接続にも配慮し、 受験者の、「政治・経済」分野における学習意欲の向上、正確な知識の習得、問題関心の涵かん養ような どを促す出題を目指す。 ⑸ 公民科内の科目間不公平が生じないように、得点目標値を念頭に置きながら、適切な難易度の 問題になるよう心掛ける。また、「政治・経済」内においても、政治・経済間の難易度のバラン

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伴う妥当な問題数、時事問題の適切な出題範囲、選択肢の適切な表現など、さらに検討・改善を 行う。

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