第4回 REITのバリュエーション指標
SMBC日興証券株式会社
エクイティ・マーケティング部
2020年6月
投資口価格の評価
予想分配金利回り
投資口上昇=分配金利回り低下 LTV上昇=一口当たり分配金 増
投資口低下=分配金利回り上昇 LTV低下=一口当たり分配金 減
FFO 不動産運用によって生み出されるキャッシュフロー
FFO倍率 投資口価格の割高(割安)を図る指標の一つ
FFO倍率 高=割高
FFO倍率 低=割安
AFFO 調整FFOのこと。FFOから各種コスト等を考慮した指標
NAV ネットアセットバリュー。ファンドの純資産のこと。
NAV倍率 投資口価格と投資口1口あたりのNAVを比較 NAV倍率=1倍が目安
投資口価格の評価 ①
予想分配金利回り(利回りから見た投資尺度)
予想分配金利回り(%)=
1口当たりの予想分配金(年換算)
投資口価格
×100
• 一般的にREITの予想分配金利回りは上記のように計算します(厳密に運用日数を考慮する場合もあります。)。
• 投資口価格が上昇するほど予想分配金利回りは低下し、投資口価格が低下するほど予想分配金利回りは上昇
します。
• 一般的に予想分配金利回りが高いほど割安と考えられますが、投資法人の規模やスポンサーの知名度、投資対象
等によって利回り水準は異なりますので、類似銘柄で比較するのが有効です。
• 一般的にレバレッジ(有利子負債の比率)を上げると分配金は増え利回りは上昇しますが、財務の安定性は低
下します。
• REITの予想分配金利回りと10年国債利回りの推移を比較することで、REITが買われすぎているのか、売られすぎ
ているのかを判断する目安になります。
投資口価格の評価 ②
キャッシュフローから見た投資尺度
• FFO(ファンズ フロム オペレーション)は、不動産運用によって生み出されるキャッシュフローのことで、REITの当期
純利益に減価償却費を加え、不動産の売却損益を差し引いたものです。
• FFOはREITが不動産賃貸事業等からどれだけの現金を稼いだかを示しています。
• 通常の株式では株価と1株当たりの利益とを比較するPERで株価の割高・割安の判断することが多いですが、REIT
の場合には投資口価格と一口当たりのFFOを比較するFFO倍率で、投資口価格の割高、割安を判断します。
• 一般的にはFFO倍率が高いほど割高、低いほど割安であると考えられます。
• AFFO(アジャスト ファンズ フロム オペレーション)は調整FFOともいわれています。
• AFFOはFFOに経常的な管理・修繕コストと借入金元本返済額の調整を加えたもので、ファンドが保有する不動産
のキャッシュフローをより正確に表しているといえます。
FFO = 当期利益+減価償却費-不動産の売却損益
FFO倍率(倍) =
1口当たりのFFO
投資口価格
AFFO = FFO-経常的な管理・修繕コスト-借入金元本返済額
投資口価格の評価 ③
純資産価値からみた投資尺度
• NAV(ネット アセット バリュー)とは、不動産ポートフォリオの市場価値から負債を引いた純資産のことです。
• 通常の株式では株価と1株当たりの純資産を比較するPBRがバリュエーション指標として知られていますが、REITの
場合には投資口価格と投資口1口当たりのNAVを比較するNAV倍率がそれに相当します。
• PBRは貸借対照表上の純資産ベース、NAV倍率は時価評価ベースの純資産である点が異なります。
• 一般的にはNAV倍率が高いほど割高、低いほど割安であると考えられます。
NAV(ネットアセットバリュー) =
不動産ポートフォリオの市場価値 - ファンドの負債
NAV倍率(倍) =
投資口1口当たりのNAV
投資口価格
J-REITの財務指標
J-REITの投資物件から見た主な評価指標 概要
NOI 賃貸収入から賃貸費用を差し引いた不動産純営業収益
Capレート 不動産投資収益率のこと(還元利回り)
好立地など人気物件は低Capレート
不人気物件は高Capレート
インプライドキャップレート 投資家の不動産要求利回り 物件取得時のCapレート>インプライド
キャップレートがベスト
LTV 資産全体に占める借入金の割合=レバレッジ
レバレッジ 高(借入金 多)
利益率(利回り) ↑
財務の安定性 ↓
J-REITの財務指標 ①
• 投資した物件の賃貸収入から賃貸費用を差し引いた金額がNOI(不動産純営業収益)です。
• NOIを物件の購入価格で割るとCapレート、つまり不動産の投資収益率が求められます。
• 不動産物件の質とCapレートに次のような関係があります。
① 好立地や最新設備の人気物件は購入価格が高くなり低Capレートとなる。
② 人気のない物件は購入価格が低いため高Capレートとなる。
低Capレートでも人気物件なら安定した賃貸収入が期待できます。一方、高Capレートでも人気のない物件ならば将
来借り手がいなくなってしまい、賃貸収入が減ってしまうリスクが考えられます。
Capレート = NOI÷ 物件の購入価格
NOI = 賃貸収入 - 賃貸費用
NOI(Net Operating Income) (不動産純営業収益)
J-REITの財務指標 ②
• J-REITに対する投資判断指標として、 またJ-REITの不動産投資運用における一種のハードルレートとしての意味
をもつ指標です
• J-REITが外部成長(物件の組入れ)をする際、このインプライドキャップレートよりも高い利回りの物件を組み入れ
る必要があります。
• J-REITは「投資口価格上昇→インプライドキャップレート低下→利回りが低いハイグレード物件の取得が可能→投
資口価格上昇」となるのがベストです。
• J-REITの投資口価格が上昇しないと、インプライドキャップレートが低下せず、外部成長する際に地方などのグレード
が低く利回りが高い物件しか購入できないことになり、悪循環になります。
インプライドキャップレート = NOI÷REITの買収価格(時価総額+ネット有利子負債+敷金・保証金)
インプライドキャップレート (投資家の不動産要求利回り)
J-REITの財務指標 ②
レバレッジ(LTV(Loan to Value))
レバレッジとは資産全体に占める借入金の割合のことです。
借入金に支払う金利よりも高い利益をあげることができるのならば、借入金を増やしたほうが利益率を上げ
ることが出来ます。これをレバレッジ効果といいます。 “レバレッジ”とは“てこ”という意味です。
営業利益 5 5
支払利息 -0.6 -1.8
当期利益 4.4 3.2
利回り 5.50% 8.00%
借入金
20
借入金
60
自己資本
40
自己資本
80
たとえばこんな場合…
(単位:億円)
[前提条件]
不動産 :100億円
賃料収入 :5億円
借入金利息 :3%
当期利益は100%分配
レバレッジ (低)
レバレッジが高くなると(借入金が多くなると)
利益率(利回り) →上がる
財務の安全度
→下がる
当期利益
自己資本 ×100=利回り
→利回りに借入金は影響しない
(高)
ホテル型J-REITの主な指標
• 一般的に、OCC(客室稼働率)を重視すると、ADR(平均客室単価)が下がり、利用客室数が増加しても売
上が伸びないということが起きます。また、ADR(平均客室単価)を重視すると、OCC(客室稼働率)の伸びが
鈍化するということが起きます。
• OCC(客室稼働率)とADR(平均客室単価)がどちらも高いレベルにあることが理想ですが、両者はトレードオフ
の関係にあります。
• そこで、OCC(客室稼働率)を見ながらADR(平均客室単価)を見ることができる指標として、RevPARが用い
られるようになりました。
• RevPARは、客室価格やその稼働率から換算するもので、経営状態を判断するための重要な基準の1つと考えら
れています。
ADR(Average Daily Rate)
(平均客室単価)
ADR = 客室売上÷ 販売客室数
RevPAR(Revenue Per Available Room)
(販売可能な客室1室あたりの売上を表す値)
RevPAR = OCC(客室稼働率)× ADR(平均客室単価)
【金融商品取引法第37条(広告等の規制)にかかる留意事項】
【金融商品取引法第37条(広告等の規制)にかかる留意事項】
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