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戦間期日本企業の資金調達、資本コスト、資本構成:最適資本構成理論からみた1930年代における企業財務

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Academic year: 2021

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図表 1 トレードオフ理論における資本構成と資本コスト して必要となる法的な費用など直接的なコストのほか、倒産が予想されることによ り売上げが減少したり、資金調達が困難化してより高い金利でなければ借入や社債 の発行・借換えができなくなるという間接的なコストが挙げられる。一方、株主資 本コストは負債比率の上昇とともに、財務リスクの増加を映じて上昇していくこと から、負債の資本コストと株主資本の資本コストをあわせたトータルの資本コスト は、負債比率が低い間は低下するものの、ある水準を超えると上昇に転じる 11
図表 2 トレードオフ理論における資本構成と企業価値 コストのトレードオフ関係から最適資本構成が決定されるため、最適資本構成のト レードオフ理論と呼ばれている。 資本構成のエージェンシー理論では(図表 3 ) 13 、負債と株主資本の双方に逓増的 に高まるコストが存在し、両者のトレードオフによって 0% と 100% の間に最適な負 債比率(資本構成)が存在すると考える。すなわち、企業において、株主は経営者に 株主の利益を高めるべく業務の執行を委ねており、両者は株主をプリンシパル(委 託者)、経営者をエージ
図表 3 エージェンシー理論におけるエージェンシー・コストと資本構成 れている。 最適資本構成の理論の前提は、現在においても必ずしも厳密な意味で成立してい るわけではないが、こうした枠組みを用いることによって、企業財務が効率的に行 われているかどうかという点や、コーポレート・ガバナンスをはじめとするさまざ まな制度的要因が、資本コストおよび企業価値へどのような影響を与えているかと いう点を分析することが可能となる 15 。このため、最適資本構成の理論は、企業の資
図表 4 東邦電力の資金調達プロセス( 1923 〜 37 年度) (単位:千円) 時 期 (年度) A B C D E A〜E株金払込 社債発行 社債発行額 社債償還額 借入金 積立金償却金合計 徴収額 償還差額 (うち外債)(うち外債) 純増額 純増額 1923〜27 4,205 12,765 22,116 (10,616) 9,351( 251) –1,839 901 1,232 17,264 1928〜31 4,158 8,645 19,242 ( 5,742) 10,597 ( 5,872) 91
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