二 期限後申告及び修正申告等の特例
1 国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例
① 国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例 第六章第四節一1①《国外転出をする場合の譲渡所得等の特例》に規定する国外転出の日の属する年分の所得税につき 確定申告書を提出し、又は決定を受けた者(その相続人を含む。)は、当該確定申告書又は決定に係る年分の総所得金額の うちに同⑥本文(同⑥(1)の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用がある同⑥に規定する有価証券等に係る譲渡 所得等の金額が含まれていることにより、当該国外転出の日の属する年分の所得税につき一1(一)から同(四)まで又は同 2(一)から同(四)まで《修正申告》の事由が生じた場合には、第六章第四節一1⑥(一)から同(三)までに掲げる場合に該 当することとなった日から4月以内に限り、税務署長に対し、修正申告書を提出することができる。(法151の2①) ② ①の規定による修正申告書の提出があった場合における国税通則法の規定の適用 ①の規定による修正申告書の提出があった場合における国税通則法の規定の適用については、第十二章一8《国税の更 正、決定等の期間制限》中「法定申告期限」とあり、及び同法第72条第1項《国税の徴収権の消滅時効》中「法定納期限」 とあるのは、「第十章第七節二1①《国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例》の規定により修正申告書を 提出した日」とする。(法151の2②)2 非居住者である受贈者等が帰国をした場合等の修正申告の特例
① 非居住者である受贈者等が帰国をした場合等の修正申告の特例 第六章第四節一2①《贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例》に規定する有価証券等又は同 ②に規定する未決済信用取引等若しくは同③に規定する未決済デリバティブ取引に係る契約を贈与、相続又は遺贈により 非居住者に移転をした日の属する年分の所得税につき確定申告書を提出し、又は決定を受けた者(その相続人を含む。)は、 当該確定申告書又は決定に係る年分の総所得金額のうちに同⑥前段(同⑥(1)の規定により適用する場合を含む。)の規定 の適用がある当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額若しくは雑所得の金額、当該未決済信用取引 等の決済による事業所得の金額若しくは雑所得の金額又は当該未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額若し くは雑所得の金額が含まれていることにより、当該贈与の日又は相続の開始の日の属する年分の所得税につき一1(一)か ら同(四)まで又は同2(一)から同(四)まで《修正申告》の事由が生じた場合には、第六章第四節一2⑥(一)から(三)まで に掲げる場合に該当することとなった日から4月以内に限り、税務署長に対し、修正申告書を提出することができる。(法 151の3①) ② ①の規定による修正申告書の提出があった場合における国税通則法の規定の適用 ①の規定による修正申告書の提出があった場合における国税通則法の規定の適用については、第十二章一8《国税の更 正、決定等の期間制限》中「法定申告期限」とあり、及び同法第72条第1項《国税の徴収権の消滅時効》中「法定納期限」 とあるのは、「第十章第七節二2①《非居住者である受贈者等が帰国をした場合等の修正申告の特例》の規定により修正申 告書を提出した日」とする。(法151の3②)3 相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があった場合等の修正申告の特例
① 有価証券等の譲渡をした場合 居住者が相続又は遺贈により取得した第六章第四節一1①《国外転出をする場合の譲渡所得等の特例》に規定する有価 証券等の譲渡をした場合において、当該譲渡の日以後に当該相続又は遺贈に係る被相続人の当該相続の開始の日の属する 年分の所得税につき、同⑥本文(同一1⑥(1)の規定により適用する場合を含む。②において同じ。)若しくは第六章第四 節一2《贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例》の⑥前段(同⑥(1)の規定により適用する場 合を含む。②において同じ。)の規定の適用があったこと又は5①《遺産分割等があった場合の修正申告の特例》の規定に よる修正申告書の提出若しくは第八節二6《遺産分割等があった場合の更正の請求の特例》の規定による更正の請求に基 づく更正(当該請求に対する処分に係る不服申立て又は訴えについての決定若しくは裁決又は判決を含む。以下①、②及 び同5②《相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があった場合等の更正の請求の特例》において同じ。)があ ったことにより、次の(一)又は(二)に掲げる場合に該当し、かつ、当該居住者の当該譲渡の日の属する年分の所得税につき一《修正申告》1(一)から同(四)まで又は同2(一)から同(四)までの事由が生じた場合には、当該居住者(その相続人 を含む。)は、それぞれ次の(一)及び(二)に定める日から4月以内に、当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正 申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。(法151の4①) (一) 第六章第四節一1④ただし書の規定の適用により当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又 は雑所得の金額の計算上必要経費又は取得費として控除すべき金額が減少した場合 当該被相続人の所得税につき 1①《国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例》の規定による修正申告書を提出した日又は第八節 二3①《国外転出をした者が帰国をした場合等の更正の請求の特例》の規定による更正の請求に基づく更正があっ た日 (二) 第六章第四節一2④ただし書の規定の適用があったこと又は同③本文の規定が適用されないこととなったことによ り、当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費又は取得費 として控除すべき金額が減少した場合 当該被相続人の所得税につき2①若しくは5①の規定による修正申告書を 提出した日又は第八節二4①《非居住者である受贈者等が帰国をした場合等の更正の請求の特例》若しくは同6の 規定による更正の請求に基づく更正があった日 ② 未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引の決済をした場合 居住者が相続又は遺贈によりその契約の移転を受けた第六章第四節一1②に規定する未決済信用取引等又は同③に規定 する未決済デリバティブ取引の決済をした場合において、当該決済の日以後に当該相続又は遺贈に係る被相続人の当該相 続の開始の日の属する年分の所得税につき、同⑥本文若しくは第六章第四節一2⑥前段の規定の適用があったこと又は5 ①の規定による修正申告書の提出若しくは第十章第八節二6①の規定による更正の請求に基づく更正があったことによ り、次の(一)及び(二)に掲げる場合に該当し、かつ、当該居住者の当該決済の日の属する年分の所得税につき一1(一)か ら同(四)まで又は同2(一)から同(四)までの事由が生じた場合には、当該居住者(その相続人を含む。)は、それぞれ次の (一)又は(二)に定める日から4月以内に、当該決済の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当 該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。(法151の4②) (一) 第六章第四節一1④ただし書の規定の適用により当該未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引の決済による 事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上減算すべき利益の額に相当する金額が減少した場合 当該被相続人の所 得税につき1①の規定による修正申告書を提出した日又は第八節二3の①の規定による更正の請求に基づく更正が あった日 (二) 第六章第四節一2④ただし書の規定の適用があったこと又は同③本文の規定が適用されないこととなったことによ り、当該未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上減 算すべき利益の額に相当する金額が減少した場合 当該被相続人の所得税につき2①若しくは5①の規定による修 正申告書を提出した日又は第八節二4①若しくは同6の規定による更正の請求に基づく更正があった日 ③ 修正申告書の提出がないとき ①(一)及び同(二)又は②(一)及び同(二)に掲げる場合に該当することとなった場合において、修正申告書の提出がない ときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであった所得金額、所得税の額その他の事項につき更正を行 う。(法151の4③) ④ 修正申告書及び更正に対する国税通則法の規定の適用 ①又は②の規定による修正申告書及び前項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次の(一)から(三)まで に定めるところによる。(法151の4④) (一) 当該修正申告書で①又は②に規定する提出期限内に提出されたものについては、一4《修正申告の効力》の規定を 適用する場合を除き、これを第二節一2《期限内申告》に規定する期限内申告書とみなす。 (二) 当該修正申告書で①又は②に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、国税通則法第二章か ら第七章まで《国税の納付義務の確定等》の規定中「法定申告期限」とあり、及び「法定納期限」とあるのは「第 十章第七節二3①又は同②《相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があった場合等の修正申告の特例》 に規定する修正申告書の提出期限」と、同法第61条第1項第1号《延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例》中 「期限内申告書」とあるのは「所得税法第2条第1項第37号《定義》に規定する確定申告書」と、第十二章四7(4)
中「期限内申告書又は期限後申告書」とあるのは「第十章第七節二3①又は同②《相続により取得した有価証券等 の取得費の額に変更があった場合等の修正申告の特例》の規定による修正申告書」と、第十二章四1①、同③(二) 及び④(二)《過少申告加算税》中「期限内申告書」とあるのは「第二章第一節一表内37《定義》に規定する確定申 告書」とする。 (三) 第十二章四7(3)(二)及び同2《無申告加算税》の規定は、(二)に規定する修正申告書及び更正には、適用しない。
4 遺産分割等があった場合の期限後申告等の特例
① 遺産分割等があった場合の期限後申告等の特例 第二節三2《年の中途で死亡した場合の確定申告》①の規定による申告書の提出期限後に生じた5①に規定する遺産分 割等の事由(以下4において「遺産分割等の事由」という。)により第六章第四節一2①《贈与等により非居住者に資産が 移転した場合の譲渡所得等の特例》の規定が適用されたため新たに第二節三2①の規定による申告書を提出すべき要件に 該当することとなった居住者の相続人は、当該遺産分割等の事由が生じた日から4月以内に、当該居住者の死亡の日の属 する年分の期限後申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該期限後申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければ ならない。(法151の5①) ② 相続人による還付等を受けるための申告書の提出の特例 遺産分割等の事由が生じたことにより第六章第四節一2①の規定が適用されたため新たに第二節三2②の規定による申 告書を提出することができる要件に該当することとなった居住者の相続人は、当該遺産分割等の事由が生じた後に、当該 居住者の死亡の日の属する年分の同2②の規定による申告書を提出することができる。(法151の5②) ③ 相続人による確定損失申告書の提出の特例 第二節三2③の規定による申告書の提出期限後に生じた遺産分割等の事由により第六章第四節一2①の規定が適用され たため新たに第二節三2③の規定による申告書を提出することができる要件に該当することとなった居住者の相続人は、 当該居住者の死亡の日の属する年分の期限後申告書を提出することができる。(法151の5③) ④ 納税地の所轄税務署長による決定 ①の規定により期限後申告書を提出すべき者が当該期限後申告書を提出しなかった場合には、納税地の所轄税務署長は、 当該期限後申告書に記載すべきであった所得金額、所得税の額その他の事項につき決定を行う。(法151の5④) ⑤ ①の規定による期限後申告書及び④の決定に対する国税通則法の規定の適用 ①の規定による期限後申告書及び④の決定に対する国税通則法の規定の適用については、次の(一)及び(二)に定めると ころによる。(法151の5⑤) (一) 当該期限後申告書で①に規定する提出期限内に提出されたものについては、これを第二節一2《期限内申告》に規 定する期限内申告書とみなす。 (二) 当該期限後申告書で①に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該決定については、第十章第二節から第十二 章まで(編者注:国税通則法第二章から第七章まで《国税の納付義務の確定等》(通法15から同法74まで))の規定 中「法定申告期限」とあり、及び「法定納期限」とあるのは、「第十章第七節二4①《遺産分割等があった場合の 期限後申告等の特例》に規定する期限後申告書の提出期限」とする。 ⑥ 還付金の国に対する請求権の消滅 ①から③までの規定による申告書を提出することによる還付金の国に対する請求権は、遺産分割等の事由が生じた日か ら5年間行使しないことによって、時効により消滅する。(法151の5⑥)5 遺産分割等があった場合の修正申告の特例
① 遺産分割等があった場合の修正申告の特例 相続の開始の日の属する年分の所得税につき第六章第四節一2①から同③まで《贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例》の規定の適用を受けた居住者について生じた次の(一)から(五)までに掲げる事由(以下①に おいて「遺産分割等の事由」という。)により、非居住者に移転した相続又は遺贈に係る同①に規定する有価証券等又は同 ②に規定する未決済信用取引等若しくは同③に規定する未決済デリバティブ取引に係る契約((一)において「対象資産」 という。)が増加し、又は減少したことに基因して、当該居住者の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき一1(一) から同(四)又は同2(一)から同(四)《修正申告》の事由が生じた場合には、その相続人は、当該遺産分割等の事由が生じ た日から4月以内に、当該相続の開始の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当 該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。(法151の6①) (一) 相続又は遺贈に係る対象資産について民法(第904条の2《寄与分》を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の 割合に従って非居住者に移転があったものとして第六章第四節一2①から同③までの規定の適用がされていた場 合において、その後当該対象資産の分割が行われ、当該分割により非居住者に移転した対象資産が当該相続分又は 包括遺贈の割合に従って非居住者に移転したものとされた対象資産と異なることとなったこと。 (二) 民法第787条《認知の訴え》又は第892条から第894条まで《推定相続人の廃除等》の規定による認知、相続人の廃 除又はその取消しに関する裁判の確定、同法第884条《相続回復請求権》に規定する相続の回復、同法第919条第2 項《相続の承認及び放棄の撤回及び取消し》の規定による相続の放棄の取消しその他の事由により相続人に異動を 生じたこと。 (三) 遺留分による減殺の請求に基づき返還すべき、又は弁償すべき額が確定したこと。 (四) 遺贈に係る遺言書が発見され、又は遺贈の放棄があったこと。 (五) (一)から(四)までに規定する事由に準ずるものとして(1)で定める事由が生じたこと。 (①(五)に規定する(1)で定める事由) (1) ①(五)に規定する(1)で定める事由は、次の(一)及び(二)に掲げる事由とする。(令273の2) (一) 相続又は遺贈により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと。 (二) 条件付の遺贈について、条件が成就したこと。 (「民法の規定による相続分」の意義) (2) ①(一)に規定する「民法(第904条の2《寄与分》を除く。)の規定による相続分」とは、民法第900条《法定相続 分》から第903条《特別受益者の相続分》までに規定する相続分をいうことに留意する。(基通151の6-1) (「その他の事由により相続人に異動が生じたこと」の意義) (3) ①(二)に規定する「その他の事由により相続人に異動が生じたこと」とは、民法第886条《相続に関する胎児の権 利能力》に規定する胎児の出生、相続人に対する失踪の宣告又はその取消し等により相続人に異動を生じた場合をい うことに留意する。(基通151の6-2) (「判決があったこと」の意義) (4) (1)(一)に規定する「判決があったこと」とは、判決の確定をいい、具体的には、次に掲げる場合の区分に応じ、 それぞれ次に掲げる日に判決があったこととなることに留意する。(基通151の6-3) ⑴ 敗訴の当事者が上訴をしない場合 その上訴期間を経過した日 ⑵ 全部敗訴の当事者が上訴期間経過前に上訴権を放棄した場合 その上訴権を放棄した日 ⑶ 両当事者がそれぞれ上訴権を有し、かつ、それぞれ別々に上訴権を放棄した場合 その上訴権の放棄があった日 のうちいずれか遅い日 ⑷ 上告審の判決のように上訴が許されない場合 その判決の言渡しがあった日 ② 納税地の所轄税務署長による決定 ①の規定に該当することとなった場合において、修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告 書に記載すべきであった所得金額、所得税の額その他の事項につき更正を行う。(法151の6②)
③ 3④の規定の準用 3《相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があった場合等の修正申告の特例》④の規定は、①の規定によ る修正申告書又は②の更正について準用する。この場合において、同④(一)及び(二)中「①又は②に規定する提出期限」 とあるのは「第十章第七節二5①《遺産分割等があった場合の修正申告の特例》に規定する提出期限」と、同号中「第十 章第七節二3①又は同②《相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があった場合等の修正申告の特例》」とある のは「第十章第七節二5①《遺産分割等があった場合の修正申告の特例》」と読み替えるものとする。(法151の6③)