―
熱 収 支 法 に よ る 蒸 発 散 量 の 推 定 ―一
明
* 野 友 久 ・ 塩 見 文 (鳥取大学農学部農業水利学研究室) 智男 (鳥取大学農学部付属砂丘利用研究施設水文かんがい部門)
Evapotranspiration in a Sand Dune Arca
―
Estimation of EvapotranspiratiOn by thc Encrgy Balancc
ヽIcthOd_
Tomohisa YANO and Funllaki SIIoMI
(D砂″ 紘 ¢″チげ ″″を″ゲο″ クJT7 D″αゲ″τ ♂β生 ゲ″π″ガ箸
,力
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陽 ο″秒 げ 4gガ じ夕婉 ″ο
,駒
サ紗 ゲ助 ゲク″sり)hreasurements on evapOtransPiratiOn and weather conditions in the TottOri sand dunes during sunimer, 1972, indicated th2t under conditions of high air temperature, strong lvind and large pressure deficit, evapotranspiration 私たas generally great and changed remarkably with relatively constant net radia― tion, and that daytime latent heat flux exceeded the difference between net radiation and sOil heat llux resulting frOm advective heating. Downward llux of sensible heat was verified by measurements of the alr temperature prOfile near the crOP surttace, indicating there was inversiOn of temperature within the first 30 cm Of the croP surface. In order to 2void hOrizontal diver― gence of water vapor and heat llux, it is cOnlmonly stated that the ratio of measurement height tO fetch should be l : 100 0r less. Though the fetch was 10 to 30 m in our £ield, estimates Of evapotransPiration by thettenergy balance method comparatively agreed 、vith evaPotranspiration as measured by a f10at_ ing lysimeter by locating the temperature and humidity sensOrs as close to the surtace as POsSible.
矢 長 緒 砂丘地の夏は
,湿
潤気候下にあ りなが ら,他
の地域に 比較 して高温・ 乾燥の気象環境にあり,乾
燥地の蒸発散 量に匹敵す るような大 きな蒸発散量が しばしば生ずる。 熱収支法,傾
度法,組
み合せ法などの気象要素によって 蒸発散量を推定す る方法は,砂
丘地内の圃場 と周囲の裸 鳥取大学農学部研究報告XXⅥ
*八
千代エ ンジエア リング(株 )1974
地 との水分および熱環境の違いによる周辺効果が著 しく 影響するために
,十
分な精度が得 られ難い。著者 らは, すでに報告を行 なった昭和46年度の測定1)と同様に,同
一作物をやや広 く植栽 した圃場の中央にライシメーが一 を設けて蒸発散量を実測 し,微
気象観測を行なって,主
として熱収支法により蒸発散量を算定 し,実
測値 との比 較を行なった。 観 測 方 法 蒸発散量の実測は,砂
丘利用研究施設内の圃場におい て,フローティングライシメーター (土壌 槽1,2×1.2m,深
さ0,9m)を
用いて行 なった。供試作物はオーチ ャー ドグラスとケ ンタッ キ ー31フェスクの2:1混
植 で,周
辺効果をなるべ く少な くするために, ラインメー ター内だけではな く, ラインメーターを中心にして16× 20mに対 して植栽 した。蒸発散量の測定は昭和47年5月 か ら10月まで行ない, とくに, 8月 中旬か ら9月 上旬に かけて,晴
天 日を対象 として9日間の集中気象観測を行 なった。観測時間は 8時 か ら18時までの10時間であ り, 観測 内容は,示
差幅射計による植被面の純放射量 (高さ1,2m),
地 中熱流板および曲管ガラス温度計による地 中熱伝達量 (深さ 3側),ァ
スマ ン型通風乾湿計による 乾 。湿球温度 (植被下,20,30,40,50clll), ロビンソ ン小型風速計による風速 (高さ50cm)で ある。観測は1 時間 ごとに行ない,蒸
発散量および純放射量は 1時 間あ た りの値を 自記紙か ら読みとり,風
速は各時刻の10分間 平均風速を とった。集 中観測時の生育状態は,草
丈約40 Caであったが,圃
場全体にわた って倒伏 してお り,葉
面 積指数は 4∼ 5で ぁった。カ ン水については,砂
丘地で は根群域の砂 の有効水分量が小 さいので, 日蒸発散量の 多少 と降雨の分布によっては土壊水分の不足を生 じやす く,そ
れが蒸発散量に影響を与えるおそれがある。 した が って,カ ン水は前 日までの 日蒸発散量,降
水量,テ
ン シオメーターに よる土壌水分張力をみながら,生
育に適 する水分状態を保つ ようにひんばんに行なった。 結 果 と 考 察 1・ 観 測 結 果 集中観測 により得 られた熱収支項および蒸発散量 と各 気象要素 との関係をFig。1ぉ
よび 2に 示す。 ここで , 気温(T),飽
瑳(d)お
よび風速(u)の
測定高は50 Cm(植被面上30cm)で ある。気象要素の測定高を通常行 なわれ る高さより低 くしたのは,前
年度の結果か ら, と くに温度お よび湿度は植被面に近い高さで変化が著 しい ことを考慮に入れたためである。潜熱伝達量(LE)は
蒸発散量の実測値(E「め に蒸発の潜熱 (L=580 ca1/g) を 乗 じ て 言「算 した。顕熱伝達量 (つ は,植
被面にお ける熱収支式Rn=LE+A+S(R.:純
放射量, Si
地 中熱伝達量)よ
り逆算 したものである。なお,地
中熱 伝達量の値は,深
さ3 cmに埋設 した熱流板に よる実測値 12 17 18 19 23 24 25 4 E絲 智需 琺制
:誌ギ認呈
ゴ
モ
総 吊 捻
u T d ET
(m/s)(℃)(れ)(mm) 6 30 12 Vap5r pressure 400 300 200 ︵ ∽ 砦 〓 Φ 引 \ ヽ ︻ ︶ O o 日 ヽ 一o や 、 勒 H O E 国 く ヽ 、 、 、 、 、 ト/
Aug, s ept. 12 17 18 19 23 24 25 4 5露駕 璃
1霧
誌
鞘
驚綿
18品
鴻鷲き
が
,熱
流板 と砂 との大 きな接触抵抗のためか,過
小に示 されたので,つ
ざに示す方法に より地 中熱伝達量を推定 した。熱伝導理論に よれば,地
中熱伝達量 Sと 地表面で の貯熱量S。との間にはつざの関係がある2)。S=α
S。+β
(Ts―Ts) (1〕
ここで,Ts i地
表面温度,Ts:平
均地温, α および β:土壌の熱伝導率, 体積熱容量などの熱的特性の関数 である。 ここでは, So の実測値 と前年度におけるSお よびSoの実測値を用いて 1式 に よって Sを 推定するこ とを試みた。すなわち,地
表面温度 と平均地温の差は時 間ごとに変化す るので,前
年度における 1時 間 ごとのS と So の関係を検討 した ところ, Fig。3の
よ うに, 両者の間にほぼ直線関係がみ られたので,最
小二乗法に より α な らびに β (Ts―Ts)を
決定 し,今
回の実測 値 S。 を用いて Sを 推 定 した。 この操作においては, 主 として土壌水分量の関数である 係 数 α と β および 表面温度 と平均地温の差が前年度 と同一 とみなしている 関係上,算
定値の精度は他の熱収支項の精度に比べると 低いが,Fig,1に
み られ るように絶対値が他の熱収支 項に比べて著 しく小 さいので,そ
の誤差は無視できると 思われ る。 ―の付加 的補給源 となっている。一般に, 日中における 温度の垂直分布は高 さ方向に温度が減少 し(テイ減),
夜間には逆に温度が増大す る(逆転)に
もかかわ らず, 日中に温度の逆転状態がみ られ る現象は, adveCt e heating と呼ば浄,
圃場周囲か らの熱エネルギーの移 流に よるものであ り,乾
燥地のカ ンガイされる圃場に よ く生 じる。 蒸発散量 と気象要素の関係は, Fig。2に
み ら/bる ように,全
体 的には気温,飽
差,風
速 ともに,蒸
発散量 に強い影響を示 してお り,気
温が高 く,飽
差な らびに風 速が大 きい条件のもとで,蒸
発散量が大 きくなると言え る。 しか しなが ら, これ らの気象要素に よって,潜
熱伝 達量 (蒸発散量)あ
るいは顕熱伝達量 (こ浄 と純放射量 および地 中熱伝達量によって蒸発散量を算定できる)を
定量的に算定す るのは困難である。すなわち,潜
熱お よ び顕熱伝達量はエネルギーの 移 動 現 象であり,これ ら は,移
動法則に よれば,表
面 と任意の高 さの湿度 (水蒸 気圧)あ
るいは温度差に伝達係数 (風速の関数)を
乗 じ た形で表現され るか らである。 これについては,後
で詳 しく述べ る。2.移
流と蒸発散量 移流,す
なわち熱および水蒸気の水平方向の流れは, 砂丘地のように,カ ンガイされた植生地の周囲に裸地が 存在する場合,相
対的に高温で乾燥 した周囲の空気が植 生地の上を通過す る際に,植
被面付近で蒸発に よる湿度 の増大お よび温度の低下による温・ 湿度分布の変化を生 じる (Fig.43))。 この結 果,植
被 面 付 近の温度逆 Wind directionFig.4.Schematic representation of adiuStment o三 air temperature and hunェidity proriles.
転
,す
なわち下向きの顕熱伝達量をもたらし,潜
熱伝達 量に対するエネルギーの補給源となり,し
たがって,大
きな蒸発散量を示すことになる。 このことは,後
に示す ︵ 砦 声 ヽぁ ︻︶ ∽ 2 SO(ly/hr)Fig。 3.Relation between soil heat flux(9 and heat storage 2t surface(S。) fOr a period l100-1200 during sunlmer,1971. 純放射量は
,晴
天 日を選んだためにあまり変化な く, 300∼4001y程 度であり,
地 中熱伝達量 も15∼401yで あるのに対 して,潜
熱伝達量は420∼64風 yの範囲で大 き く変化 している。熱収支式か ら計算 され る顕熱伝達量の 値は, したが って,常
に負の値,す
なわち大気か ら植被 面に向か う熱の流浄を示 し,蒸
発散に対する熱エネルギ温・ 湿度プロフィルの測定例
(Fig.5)に
より裏づけ られ,温
度分布は地上50cm以内に温度の 逆 転 層 が存在 し,そ
の層か ら植被面に対 して下向きの熱の流れがある ことを示す。他の測定結果もすべて同 様 な 傾 向を示し た。 移流に よる温・ 湿度プロフィルの変化については,風
洞実験,水
分 および熱の不連続変化あるいは表面粗度の 不連続変化の解析など色 々な観点か ら研究が行なわ浄て いるが,そ
れ らの結果を総合すると,測
定点 と圃場の風 上端における温・ 湿度差の90%が調整,確
立 されるに必 要な吹送距離 (フェッチ)は
,一
般に測定高の100倍と 言われている4)。 また,移
流による蒸発散量の変化につ いては,主
として乾燥地において理論的な らびに実験的 に研究が進め られているが,まだ定説 は得 られていない 現状である。3.熱
収支法による蒸発散量の算定 熱収支法は,垂
直熱収支式 と顕・ 潜熱伝達量の拡散型 一次元移動方程式とを組み合せることによって,次
式の ようにあ らわ される。 この仮定のもとで,純
放射量 と地中熱伝達量のほかに, ある二点間の温度および湿度差を測定することに より, 潜熱伝達量, したが って蒸発散量を算定できる。 熱収支法により蒸発散量を推定する場合,砂
丘地にお いては,以
下に述べる理 由により植被面になるべ く近い 位置で温・ 湿度の測定を行な うことが必要である。前記 のように,温
度プ ロフィルは高 さ50cm程度あるいはそれ 以内に温度の逆転層が存在するので,そ
の層以下で温・ 湿度 コウ配を測定 しなければ正 しいボーエ ン比を得 るこ とはできない。つざに,実
験に用いた圃場は,主
風方向 (北向き)に 30m,南
向きに10mのフェッチしかないの で,垂
直 フラックスの仮定を満足 させ るためには,低
い 位置での測定が必要であ り, また, このことに よって熱 と水蒸気の拡散係数が等 しい とい う仮定に近づけること ができると言われている5)。 蒸発散量の計算にあた って, 3式の温・ 湿度 コウ配は 蒸発面での値を用いるのが厳密であ り,蒸
発面 は風速が 零 となる見かけ上の表面である地面修正量 Dと 表面粗度 Zo の和 とみなされる。この値 は風速 の対数分布則か ら 決定 され るが,一
般に草丈の 'る ∼3//4(この場合,13∼15 Crll)と言われている。 したが って, この値にもっとも近 ぃ20伽の高さと最高温度の生 じる高さの間の温・ 湿度 コ ウ配を使用す ることが望 ましい。 しか しなが ら,植
被 内 においても温・ 湿度の変化があ り,ま
た, 9月 5日 は20 Cnの高さに最高温度が生 じた ことな どか ら,測
定高は最 高および最低温度の生 じる高 さを とることに した。さら に,計
算にあたっては,一
時間 ごとの温・ 湿度の測定値 を用いて一時間あた りの潜熱伝達量を計算 し,そ
の値を Lガ=_J乎
=吾1許―
β=+=γ
瑶 絡 事 γ参0
ここで,β :ボ …エ ン比, γ :湿 度計定数,T:温
度,e:湿
度 (水蒸気圧), Z:高
さである。熱収支法にお ける仮定は, フラックスが垂直である(移流がない)こ
と,熱
と水蒸気に対する拡散係数が等 しいことであり,Table l.Ⅲ 正easured and estim2ted evaPotranspiration during sunimer,1972 (in mm/10 hrS)。
ET
measured estintated
ET
ETest
ETmea
普
iTurement ttstittt Aug, 12 17 18 19 23 24 25 Sept. 4 5 (mm) 8.07 8.76 10,34 11.11 7,73 7.37 7.27 9,34 7.31 (mlnD 10.61 8.59 11.48 11.34 7.64 8.54 7.00 7.43 6.97 1,31 0.98 1,11 1.02 0.99 1.16 0.96 0.80 0。95 (C・つ 20 20 20 20 20 0 0 0 0 (CInJ 40 40 50 50 40 40 50 30 20pressure (。)
劉卜
知
│u
20 25 30 25 30 T(°C),e(mb)
Fig. 5。 Air temperature and vapOr pressure prOfiles Of selected― days of surnrner, 1972, 合計す るのが望ましいが
,各
時間ごとの温・ 湿度プロフのであり,この誤差は温・ 湿度プロフィルの変化が大 き ィルには著 しいバ ラツキがあ り,:と きには どT/Zraの値
い ときに著 しいと考えられる。 8月12日においては
,後
が不定になることもあったので, ここでは,観
測時間のに示す別の観点による検討の結果を考慮に入れ ると
,む
平均値を用いて温・ 湿度プロフィルを作成 し, これによしろ20cmにおける温度測定誤差の可能性が強い。 って蒸発散量を算定 した。結果を
Table lに
示す。つぎに
,前
年度における測定結果 との比較を行なって これによると,No.1,6, 8を
除いて,算
定値 と実測値みた。前年度の植生状態は草丈10Cn,葉 面積指数 7.5で は かな りよく一致するが, とくに, 8月12日
(No.1)
ぁった。植被面直上部と50c14における温・ 湿度測定か ら は 算 定 値 の過大評価が著 しい。 8月12日および算定値算定 した蒸発散量は実測値に比べていずれも著 しく刀ヽさ と実測値がよく一致する8月19日
(No.4)の
温・ 湿度い値を示 した。前年度にぉぃては植被面上の温度分布の プロフィルを
Fig.5に
示す。プロフィルの曲線は各測詳細 な測定を行なっていないので
,デ
ータの裏づけはな 定値をなめらかにつなざ合せたものである。両者を比較いが
,植
生状態は前年度の場合がより繁茂 してお り, こ す ると, 3月12日においては温度分布の変化が著 しく,
の状態のもとでは,同
一の気象条件によって蒸発面の温 とくに20cllの温度が低い。 したが って,ま
ず考えられ る度はより低 く
,最
高温度の生 じる高 さもより低い位置に ことは20cmにおける温度測定誤差である。つざに,ボ
ーなることが考えられる。最近のデータ
*に
よれば,晴
天 エ ン比の計算にあた っては,蒸
発面の OT/0,の代 りに日における正午近 くの温度プロフィルは
,最
高温度が植 最高および最低温度の生 じる高さの ノT/力 を用いてい被面直上部か ら植被面上20cmの範囲で生 じることを示 し ることに よっても誤差が生 じることも考えられる。そこ
てぃ る。 したがって
,前
年度においては50cmの高 さでの で,湿
度プロフィルの高さ20cmにおいて接線をひくこと温・ 湿度測定が より小さい蒸発散量の算定値をもた らし によって得 られた 07防 と蒸発散量の 実 測 値から逆算
たものと推測される。 したボーエ ン比 とに よって高さ20cmにおける OT/∂
Zを
最後に
,溶
熱伝達量および顕熱伝達量を拡散型移動方 計算 し, 温度プロフィルに記入 した(Fig.5中
の 点程式で表現す る観点か ら検討を加えた。潜熱および顕熱 線)。 この操作は
,温
・ 湿度プロフィルにおける分布型伝達量は一次元拡散型方程式を積分 し
,積
分拡散係数を をフ リーハ ン ドで描いて作成 したので厳密なものではな風速 uの 関数 とみなすことにより次式の形式で与えられ いが
,OT/秘
(点線)の
代 りに 必T/ル (細い実線)を
用る。 いることに よって誤差を生 じる場合があることを示すも
Lβ
=デ
② (¢O― の(4〕
*昭
和48年8月 における観測結果 (未発表 )4=ど
の (To― T) (5〕 ここで,デ② および F⑫)は
風速 uの 関数を示 し,
添 字 0は 表面を意味す る。 4式 は表面 の水蒸気圧が飽和 し てい る場合の蒸発量の算定 に よく使われ る。前に述べた ように,潜
熱および顕熱伝達量は,そ
れぞれ風速 と湿度 および風速 と温度に依存す ることが上式に よって明らか である。気象要素に より蒸発散量を推定す る場合,実
用 的な見地か らはなるべ く簡単な方法,た
とえば,あ
る一 高度の気象要素に よって蒸発散量を推定できることが望 ましいが,表
面での値が一定でないために, とくに 日蒸 発散量などの短期間蒸発散量の場合,精
度 よく推定す る ことは困難である。 熱収支法において用いた温・ 湿度プロフィルに より,LEと u(e。 一e)ぉ ょ び Aと u CT― To)と の 関 係
を示すと
,Fig.6の
ようになる。ここで, eおよびT
の値は最高温度の生じる高さで,eOお
よびToは
20cmの LE∼u(ed―e)
A∼ u(T―馬) O°012345
u(e,一e),u(T」TO)
Fig.6.Relations between LE and u(ec― e),and between A and u(T―
To)during Summer,1972.
高さでの値を採用 した。 9月 5日 の場合は最高温度が20 Clllの高 さで生 じてい るので
,プ
ロットか ら除外 した。 こ れに よると,港熱伝達量はかな りのバ ラツキを有 し,顕熱 伝達量は異常値 1個 を除いて強い相関を示 している。 こ の異常値は 8月12日におけるものであり, この 日は,前
記のように,熱
収支法においても算定値 と実測値 との間 に大 きなへだた りがあり,高
さ20cmの温度測定値に誤差 があった可能性が強い。 この種の方法に よって蒸発散量 を推定す る場合,潜
熱伝達量,す
なわち蒸発散量を直接 気象要素か ら算定す るのではな く,顕
熱 伝 達 量を算定 し,そ
の値を用いて熱収支式から潜熱伝達量を推定する 方法を とるべきである。 これは,湿
度 よりも温度の測定 が より容易で精度 よく行なえることと,蒸
発散量に最大 の影響を及ぼす気象要素は純放射量であり, この値によ り蒸発散量の基底値 とも言 うべき値が決定 され,残
りの 変動分が顕熱伝達量 と地 中熱伝達量に依存す ると考え ら れ ることか らも合理的だと言える。 以上のように,主
として気象要素に よって蒸発散量を 推定す る目的で観測を行ない,検
討を加 えたが,現
在の 圃場の規模では,植
被面にで きるだけ近い高 さで温度お よび湿度の測定を行な うことが絶対条件 となる。 この場 合,微
小な温・ 湿度差の測定を余儀な くされ るので,検
出器の性能が重要である。 また,植
被面の不均―に より 圃場の代表的な値が得 られないなど,微
気象的方法によ る蒸発散量の推定に封 しては問題点が多い。一方,カ ン ガイ排水計画や蒸発散量の推定に広 く利用され る蒸発散 位 の観点か ら研究を行な う場合について,蒸
発散位は, 一般に,作
物の高 さが均―であり,完
全な被覆状態のも とで活発に生育 してい る低い緑色作物の広い耕地におい て,給
水が十分であることに よって主 として気象条件に より決定され る蒸発散量 と定義されている。 この中で, 広い耕地 とは,厳
密には移流がない ことを意味 し,砂
丘 地などのように,圃
場 と周囲の熱お よび水分環境の違い が著 しい場合は,圃
場は少な くとも 100mの オーダーの 長さを必要 とす る。 この蒸発散位はその地域の気候的特 性の指標 としても使われ,砂
丘地に対 してもその値を決 定す ることが必要である。 また,圃
場の規模による実際 の蒸発散量の違いについては,砂
丘地圃場に不可欠なカ ンガイの計画などに使用されるデータとして明らかにす ることが重要である。 このように,今
後, 日本の中で比 較的乾燥地の条件に近い砂丘地 と乾燥地域の水使用に対 して比較研究を進める上で,蒸
発散量 と微気象要素 との 関係を究明すべき問題 が多 く残されている。 結論 砂丘地の夏期において,カ ンガイに より上壌水分が比 較的高 く保たれ る場合の蒸発散量およびその気象要素 と の関係を見 出し
,気
象要素に よる蒸発散量の推定を行 な うために,前
年度に引き続いて, ラインメーが一により a こ く ︵ 国 口蒸発散量を実測 し
,同
時に微気象観測を行なって,つ
ぎ の結果を得た。1.牧
車 の蒸発散量は,晴
天 日において,蒸
発散に必 要なエネルギー補給源である純放射量か ら地中熱伝達量 を引いた値以外の付加的エネルギーを受け,著
しく大 き な値を示す。2.こ
の負の顕熱伝達量は大気から植被面に向か う熱 の流れを意味し,植
被面近 くで測定 した温度の垂直分布 により裏づけられ, これは周囲に存在する砂丘裸地から の水分および熱の移流に起因するものである。3.前
年度において,熱
収支法による蒸発散量の算定 値は実測値に対 して著 しい過小評価を示 したが,今
回は 温度および湿度の測定をできるだけ低い高さで行な うこ とによって比較的精度 よく算定 された。 この研究には昭和47年度文部省科学研究費補助金を受 けた。 ここに謝意を表す る。 文献
1.矢
野友久他 :鳥取大学農学部研究報告,25,109-117 (197の2.内
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(196の4. Tanner, C.B. : Cο2た ,οο. Eυ″ο″ク″S,i′クチゲο″
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