1.は
じ め に 粒状体 の流動が工学的に取 り扱われだ したのは,農
産 物貯蔵用サイロや鉱石貯蔵用のオアービンの設計・ 管理 においてであった。ところが近年になって工業の発達に 伴ない,粒
状体を取 り扱 うさまざまな分野で重力流動が 積極的かつ合理的に利用されるようになった。 たとえば,土
木工学に関連する分野においても,鉱
工 業原料や農産物の大容量バ ラ積運搬に伴なう貯蔵・ 積込 み・ 運搬等のか一 ミナル施設,セ
メン トや砕石製造プラ ントにおける原料や製品の流動プロセス,地
盤改良工法 における生石灰粒や種々の地盤改良材の撹伴・ 圧入機, シール ド機をはじめ地下空洞開削に伴なう大型掘削機や ず り連搬・ 搬 出機,お
よび公害防止に伴なう工場廃ガス 処理用移動層式浄化装置,等
々新技術の開発や装置の大 型化 と流動過程の連続処理や 自動化が進め られている。 このように粒状体の重力流動の利用が身近なものとな るにつれ,流
動現象に関する種 々の基本的な問題点が指 摘さ浄るようになった。この方面 の研究は,従
来粉体工 学の一部門としてなされてきたが,粒
状体 の力学的特性 を十分に考慮 しているとはいい難 く,未
解決の問題 も少 な くない。そ こで土質力学的な観点か ら粒状体 の変形・ 流動特性を考察 し,そ
の結果をもとに理論解析のための 基礎式の構成 か ら検討することが必要である。 ところで,従
来の上質力学においては破壊す るまでの 強度 (耐力)と
変形挙動の解 明がほとんどであって,本
課題 のような破壊後の応力∼変形速度関係,つ
まり流動岩 質 粒 状 体 の 重 力 流 動 に 関 す る 基 礎 研 究
英 虫呂* /1ヽ 西 正良酵 (1978年 5月 31日 受 理)
Mass Flow of Rock‐
五ke Granular
ヽこate alsby
Hid∞ KIYAMA and Masao KoNISHI
(Rece ed May 31,1978)
Recently, 1low by gravity has been, or is exPected tO be applied Positively and rationally in every type of processing granular materials.Under the cir― cumstances, various questions are raised on fundamental conditions of the mass flow, and any suitable methods oE the analysis have not been established yet.
It seems thus necessary that stress―strain rate chararteristics of granular ma― terials should be clarified on the basis of soil mechanics, and that the Funda― mental equations basic to the solution of mass£ low shonld be reFined by using
the results obtained.
In this study, an attempt oF extention of the current inethod in soil mech― anics is discussed in relation to analytical method of mass flow,and some pr―
oblems in such extention are indicated. By exPerimental model studies, summ― aries of gravitational flow of granular sand are observed, and characteristic
stress distributions in the sand of the flow state are examined.
山 木
214 現象そのものを対象 とした研究1)'2),3)は極めてまれであ る。したがって
,本
研究ではまず既存の上質力学的手法 を岩質粒状体 の重力流動に拡張す る方法 とその問題点を 明らかにし,つ
いで模型実験によって粒状体 の重力流動 の概観を得るとともに,流
動解析に必要な二,三
の基礎 的事項について考察を加えるこにする。2.塑
性流動に関する基礎理論 2・1
概説 従来
,上
の塑性力学的解析は,上
が全般せん断破壊 ( 極限)状
態にあるものとして応力場 (すべ り線場)を
構 成するところの,い
わゆる極限解析 の手法を用いるのが 普通である。 これによれば,応
力場 (すべ り線場)に
引 続 き解析され る速度場 も塑性降伏条件を表わす ところの 強度定数 σや φによって定まり,両
者の特性曲線網は一 致することになる。さ らに,この種の速度場の構成にお いては,流
動時の応力状態が塑性降伏開始時のそれ と等 しい と仮定 し,す
べ り線に治う速度成分を解析すること がよく行なわれる。事実 こうした考え方が,サ
イロの設 計やオアービンの設計において久 しく用い られてきた。 これに対 し,最
近 Jenike(1961)つ は流動状態にある 粒状体の塑性ポテ ンシャルと nOrmalityの 原理 をもと に,一
つの流動規準を提案 した。すなわち静的破壊に対 するモール・ クーロン規準 (以下,
塑性降伏条件 と 呼び
, YLと
略記する)を
修正 した effeCt e yield10CuS(以下
,
塑性流動条件 と 呼 び, EYLと
略記す る)の
存在を明 らかにし,そ
の傾斜角 φ¢によって規定 木山英郎 。小西正郎 :岩質粒状体 の重力流動に関する基礎研究 され る流動規準を用いて流動時の応力場や速度場を解析 できることを示 した。 この理論に従えば,流
動状態にある粒状体 の応力特性 曲線は,塑
性降伏 (流動開始)状
態での応力特性曲線, つまりすべ り線とは一致せず,さらに速度特性曲線は一 般にはそのいずれ とも一致 しない。か くして,流
動開始 時における応力場や加速度場 (従来,速
度場 と呼ばれて きたものに対応する)と定常流動時の応力場や速度場 と は明瞭に区別される。以下,
この章では Jenikeの 理 論1)を中心に,流
動開始時および定常流動時における応 力場 と速度場の基礎方程式をまとめて示す ことにする。 2,2 塑性降伏 (流動開始)時
の応力場と加速度場1)塑
性降伏条件 流動開始状態を規定する塑性降伏条件に,モ
ール・ ク ーロン規準を仮定した場合,
せん断強度Tは
次式で与 え られ る。T=じ
十 σ tan φ(1)
ここに,σ はせん断面に作用する直応力,ひ は粘着力, φはせん断抵抗角である。通常の安定解析等において用 い られる,や
φ の値は,初
期条件 として初期間隙比 と 含水比を規定 した試料についての直接せん断試験 の結果 か ら決定される。 Jenikeに よれば, 堆積された粒状体 の流動開始条件 を検討す る場合には,堆
積された状態で作用 した圧密応 力の関数 として ο,φ を決定する必要があるとしている。 この場合には初期条件として適当な圧密応カ レベルを選 ♂ C可 イ
(囁 ,C呂ェ)―
C成"
∫ぅノ
豹
∫〕定 し,これを先行載荷 した後 の試料について
,そ
の圧密 応力以下の垂直荷重下でせん断試験を行 うという方法が とられる。その結果,各
圧密応カ レベル毎にそれぞれ降 伏曲線YLが
決定され る(詳細 は後 出Fig。2参
照)。 塑性降伏条件 としてι,φ が与えられれば,Fttg.1に 示 す ように,そ
のときの主応力 σl,σ3'馬
は平均換算 応力 σ=(σ
二十σ3)/2+θ
cOt φ を用いて次式で表 わされ る。 σl=σ
(1+Sin
φ)一 θ cOC φl
乳三 子iI了 及1)あ
Υitcttφl…
・例 ただし, 3次元軸対称問題において現われる周方向主応 力 島 はHarr Karmanの
仮定に よって,
圧 縮破 壊のときに ´=1で
最大主応力 σlに等 しく,伸張破 壊 のときに ´―-1で
最小主応力 σ3に等 しいものと仮 定する。上式をFig.と の円柱/平
面直角座標に関する 応力成分 砦 ,σz,T″
で表わす と,次
式を得る。張
:hi:郁
綱可
瑠
l⑭
ここに,ωは最大主応力σlと を軸のなす角である。2)応
力場 (すべ り線場)の
基礎式 粒状体 の微小要素に作用す る応力成分のつ り合い条件 は,円
柱/平
面直角座標において次式で与え られる。争 十
箸 十
η
⊆
笠
デ
垂
生
=0
幹 十
拳
+η
荒
言
二
=γ ・… … … …・(3) ただ し,物=0の
場合は 2次 元平面歪状態を,初=
場合は 3次 元軸対称応力状態を示す。 塑性降伏条件式 (2a)と 応力のつ り合い条件式 よ り,応
力場の基礎方程式 として次式を得る。 (1+Snφ cos2お器十
d■φ
d42ω評
-2σ dnφ d■ 2ω勢
+2σ
dnψ cOS2ω詐
=佛 dnφ dn2ω器十
(l dnφ
∞
s2)舒
+2σ sin φ COS2ω 審 +2σ sin φ Sl■2ω
許 =♂ ″
ただし
,gz=γ
―
″孝
Sinφ
Sin2ω,島
=″
子
Sinφ
(ヵ+COSω
) 上式は σ と の を未知数 とする双曲型微分方程式であっ て,特
性曲線の方 向はつざのように求 まる。 琴=Й
n〔 雄(孝
―+)〕
… …9
このことは周知のように応力の特性曲線の方向がすべ り 線 の方向と一致することを示す。3)加
速度場の基礎式 等方性 の 条件 とひずみ速度ベク トルのnormalityの 原理 とか ら加速度場の基礎式が導かれる。これが従来塑 性力学的解析において一般 に速度場 とされてきたもであ るが,Jenikeが 指摘 したように,流
動開始時において速 度は 0で あるので,初
期加速度を用いて論 じられ るべ き であろう。 さて, Shieldの理論 (195砂3)にしたが って,ま
ず ひずみ速度ベク トルの normalitvの 原理か ら,主
ひず み速度は次式で表わされ る。'lfЦ
f乳
監 島僻
の(1+
nの
l④
ここに,え ,μ はスカラーである。上式か ら,λ と μ を消去す ると, ど1+亀
+(ε
ェー ε3)Sinφ十靱εα(1+力Sin φ)=0
(7) 一方,等
方性 の条件は,ク,υ をそれぞれ ″,坊
向の速 度成分 とすれば次式で与え られ る。協
n2ω=(乎
+乎
)/(署
―
等
)…
9
ここで速度 ク,♂ は初期加速度 ',う に比例するとみな せるから,式
(ηと18)より加速度場に関する次の基礎式を 得る。 1の :考tan2の :豊 ― :学争
一
詈
孝
tan2ω
=0
号
考
(cos2ω
+dnの
十
:寺(cOs2ω
―
載
nの十
η
争
(1+々 Sinφ
)COS2ω=0
上式 よ り特性曲線の方向は,216
琴
= tan〔
ω±
(キ
ー
1多―
)〕 t101 とな り,初
期加速度の特性曲線は,応
力 の特性曲線 と同 様にすべ り線 と一致す ることがわかる。 2・3
定常流動時の応力場と速度場1)塑
性流動条件 流動状態 にある 粒状体 の 塑性力学的特性値 として, Jenikぎ)は e:fect e yield angle(前述のeffect eyidd locusの
傾斜角)φ ヮを提案 した。すなわち,流
動状態にある各点の主応力間に次式の関係が存在すると いう事実 をもとに φ¢が定義された。 σ1/σ3=(二
十Sin φヮ)/(1-Sin φ,) 11
-方
, 流動時における normalityの 原理を満足する ためには,主
応力空間において静水圧軸 とともに拡大す る降伏曲面 に加えて,今
一つ静水圧軸に交叉する限界曲 面の存在を仮定する必要がある。 このことは最初 Dru― Ckerら (1955)4)に よって指摘され,球
状キャップが 木山英郎 。小西正郎 :岩質粒状体 の重力流動に関す る基礎研究 仮定されたのに始 ま り,Shieldら (1959)1)はこれ を 静水圧軸に 直交 す る板状 キャップに簡略化 して 用い, Roscoeら (1963)4)に よって 3次 元状態図の形でまと め られ,降
伏曲面 に限界状態線の存在することと,そ
れ に続 く状態境界面 (錘紡型キ ャップ)の
存在が定義さ浄 た。 Jenikeつ は上記 Shieldの板状キャップを 2次 元降伏 条件 として具体化 し,各
圧密応カ レベルごとのYLに
は 限界状態 に 対応 する 終端点Eが存在することを仮定 し た。Fig。2に
示す ように, この点Eにおいて, nOrm― alitvの 原理が成立することは,ひ
ずみ速度ベク トル ε の方向 にある範囲の自由度を付与 することと同等であ る。したが って粒状体の流動が点Eの状態で生ずるとす れば,nOrmalityの 原理を満足させつつ,
定常流動中 において生ずる体積変化,
つま り膨張しつつ流動 する か,体
積変化なして流動するか,あ
るいは収縮 しつつ流 動す るかのいずれか一つを無理な く表わ し得ることとな る。なお流動開始時には εはYL上
に存在 し,体
積膨 張すなわちダイ レイタンシーを示す。 (Sv,cv)3 (Sy,■v)2具体的な点 Eの 位置は
,
各 レベルで 先 行圧密 した試 料*)に対する降伏曲線 αL(1),YL(2),etc・
)と, その圧密応力 σ7を
鉛直荷重 とす るせん断時 の応力状 態 ((σン,T7)1'(σ
7'T7)2,etC,)を
表わすモール 円との接点 として規定され る。 さらに,点
Eで流動する粒状体 の主応力間には式住Jの 関係が存在することか ら,このモール円は原点を通る傾 斜角 φ,の 直線EYLに
接するとい う条件が導かれる。 したが って,φ¢は各YLの
限界状態を表 わすモール円 に接する共通接線の傾きとして,静
的なせん断試験によ って ',φ と同時に決定され ることになる。2)流
動時応力場の基礎式 流動条件式 (■)を
平均主応力3=(σ
l+σ3)/2を
用いて表わす と次式のようになる。 …,・・"…12 +2吾 dntt cos2ω器
+2}dntt dn2ω
舒
=♂″
こ
こ
に
,院
=γⅨ
l+5)β一
η
tt sintt sin2ω働
=η
ttSinφ9(力十
cos2ω
) 上式よ り特性曲線の方向は次式のように求 まる。字れ
n辟
±
(孝
―÷
)〕……鯛
3)速
度場の基礎式 速度場の基礎式は,連
続の条件 と等方性の条件 とか ら 構成され る。連続 の条件は,″,Z方
向の変位速度を ″, υとおいて次式で表わされる。ぢ
静
(γの十
号
(γの
=詐
十
署十η
子十
了
ギ
÷
(署
υ
十
器
D=010
-方
,等
方性 の条件 は,前
節の式偲)で与え られる。 これ らの 2っ の式か ら,特
性曲線の方 向はつぎのよう に決定される。'T/JZ=tan(ω
± π/4) lη
上式か ら明らかなように,速
度場の特性曲線は応力場の 特性曲線式10とは異な り,またこれ らは先に求めた流動 開始時の応力場や加速度場 の特性曲線 とは一般に異なっ ている。3,
円管内の砂の塑性降伏状態の数値解析例 3・1
解析条件 前章に述べた応力場や速度場の基礎方程式は,そ
れぞ れの特性曲線に沿 って成 り立つ 微分関係 の形 に 変換 さ れ,そ
浄 らは数値積分による解析が可能である。一例 と して,この章では,鉛
直円管内の砂の塑性降伏状態にお ける応力場の解析結果を示す。 この場合,基
礎式(41は,特
性曲線 (すべ り線)式
15)に σl=び (1+Sin
φ夕) σ3=σ (1 Sin
φヮ) σα=F(1+″
Sin φ。) ここに,力=1は
収縮流動状態,そ=-1は
膨張流動状態 を表わす。上式を応力成分 CrF'σZ'Tz″ について 書き直す と次式を得 る。 σ,華 丁(1-Sin
φσ cOS 2ω) σz=F(1+Sin
φ,cos 2ω) Tィ″=丁
(sin φヮ Sin 2ω) また, 粒状体 の単位体積重量 γ は先行圧密応力の関 数であ り,流
動中の γ はそのときどきの平均主応力 σ の関数 と仮定 して次式で表わされる。 γ=γO(1+7)β
≡ γO号βlo
これ らの式を応力のつ り合い条件式131に用いて,つ
ぎ (1+dntt cOs2か器十
Sntt d■2ω等
-2δ d■ぃ■
2ω警
+2岳 dn tt cOs2ω詐
=多
dntt dn2ω器
+(l dn
φ
9 cos2ω │ (12a). 防
一効
*)一
面せん断験試において,Jenikeのせん断箱を用いて行なわれる。 (σ7'T7)を
求めた後,このせん断荷重のT7の
約95%,っ
ま り れを先行圧密 と呼ぶ)し
た試料に引続き,そ
れ以下の鉛直荷重 σ″ 求める。なお, このときの最高圧密応力は Fig.2の σl(1),σょ(2) これは適当な鉛直荷重 σ7で
せん 断して (σ7'0°95T7)で
先行載荷 (ここではこ (<σ7)で
せん断試験を 実施 してYLを
,……,で
表わされ る。木山英郎 。小西正郎 :岩質粒状体 の重力流動に関する基礎研究 沿 って成 り立つ K6tterの 方程渕側に改める。つまり, 第一すべ り線,JT/Jg=tan(ω+μ
)に
沿つて,端
生
2σ tanφ
器
=γ 解 一 η手続nЛ Pcosl騰河+∞
試 に 河] 第二 すべ り線,わプ″=tan(ω― μ)に沿 って,器
1-2〔ヌ
tanφ
三
子
`│ =一γ
解
+η
;争tanφ
[′cos(ω―
μ
)Fig.4は
半径方向の応力分布 の一例を示す。 また,Fig.5は
管中心軸上および管内壁面上 の深さ ① 方 向 の応力分布の一例を示す。以上の結果か ら,鉛
直円管内の砂の流動開始時の状態 に想定 した全般塑性降伏状態の応力場の 特徴をまとめるとつぎのようである。(i)い
ずれの深さにおいても,鉛
直応 仕0
カ 鍵 は中心軸か ら壁面に向ってしだい に減少する分布を示す。とくに壁面近傍 における減少が急激である。 (ii)水 平応力 名 は壁面に近づ くにつ れて,や
や減少の傾向を示すが,断
面上 ほぼ均等とみなし得る。 十cos(ω +μ)] ここに,
μ=π/4-φ
/2で
ぁる。上式を差分表示す る ことによって,円管内の砂の 自由表面 および管壁での境 界条件を考慮すれば,所
要のすべ り線網 とその格子点で の応力状態を逐次計算によって決定できる。 計算に用いた じ,φ の値は,後
述する実験に用いた砂 のそれを参考に,ο=0,φ
室31°,43° ,55° の 3例 と, 粘着力を有する場合 として,θ=7.2g/cM,φ=43° の一 例を計算 した。墜面せん断抵抗角 φ″には実測値 φ″=
10° を用いた。 これ らの φ の値が標準的なせん 断試験 における値 よ りも大 きい値を用いているのは,流
動現象が通常の安定 解析等で取扱 う応力域 より低い応力域で生 じ,この域で は,VLが
上に凸な曲線になることを考慮 したものであ る。同様に,小
さな θの値を導入 したのも,このよう な低応力では解析結果に微妙な影響を与えることが予想 されるためである。なお,これ ら低応力域における σ, φの実験的検討を急いでいるが,既
製のせん断試験機の 設計範囲外のため,測
定精度に問題があ り未だ成功 して いない。先にHg.2で
示 した,
先行圧密状態に応 じたYLの
存在の検証 とともに今後の課題である。 3・2
解析結果 解析の結果得 られたすべ り線網を F増・3に
示す。同 図に見 られるように,解
析に当っては半径方向座標 ″, 鉛直方向座標 々,
および応力 σをそれぞれ管半径 と単 位体積重量で無次元化 して一般性を持たせた。ただ し, 以下の応力分布 の表示は,実
験結果 との比較を容易にす るために,管
半径 と単位体積重量に実測値を代入 して絶 対値で示す。,
Cii)一方,せ
ん断応力 Tz′は上記二者 と異な り,壁
面 に向 って しだ いに増加する分布を 示す。しか し, 壁面 近傍においてはゃは り急激に減少 し,壁
面せん断抵抗角 φ″ によって定まる値,つ
ま り(Tzュ),=(σ
″)丁・ tan φ″ になる。 ∈V)い
ずれの応力成分も深さとともにほぼ放物線状に 増加 し,管
直径の 3∼5倍の深さで定常状態に達するも のと思われる。(V)応
力分布に与える砂 のせん断抵抗角 φ の 影響は 著 しく,φ の増加 とともに鉛直応力 σ々は増加 し,水
平 応力 σ″および壁面せん断応力Tzォ は逆に減少する。4.実
験 概 要 4・1
実験装置 粒状体 の重力流動の模型実験を行な うために,Fig.6
に示す装置を試作 した。流動管には内容 13.94clll,外径 14.98 ca,高 さ200 cIIのアクリル円管を使用 した。排出 回は傾斜角60度のノズル形状とし,ノ ズル径は1,0,1.6 2.2,2.8 clllの 4種 類を用いた。 流動中の粒状体がアク リル円管内壁面 に作用する応力 を検 出するため,円
管外壁面上に電気抵抗線 ひずみゲー ジ (ゲ…ジ長81111,ク ロス型)を
Fig.6に示す位置に貼 付 した。これ ら40点のひずみ測定には,デ
ィジタル 自動 ひずみ測定装置 (共和電業製ASB-55B,SD-50A)を
使用 した。 これと並行 して 土圧計(共
和電業製 BE―2KD,BEttKC)を
砂 とともに流動させ,粒
状体 中の鉛 直ならびに水平方向 の 応力 を フラッ トベ ッ ドレコーダ 触 河電機製 F Type 3052)に連続記録 した。 アク リ ル管外壁面上に賠付 したひずみゲージの測定値か ら,内
じ
=O
σ=0
φ =43。φ=55°
(b) (C)
Fig,3 Sli,lines じ=7.2g/cM φ=43。 (d)220 木山英郎 。小西正郎 :岩質粒状体 の重力流動に関する基礎研究 壁面に作用する砂の応力 (鳴),,(Tz.),へ の換算は, 内圧を受ける厚肉円管と仮定して行なった。すなわち, アクリル外壁面上の鉛直および円周方向直ひずみ ε7' 鈴
,同
点の応力を(鳴 )0,(σθ)0と すれば,傷 潟
=巧
―イ
管れ 三
善
∈汀つり
針
「
汐 カ
=ど
(ε7+フ
8fr) ここに,″。,″ゲはアクリル管 の外半径および内半径, ど, フはアクリル管のヤング率およびポアソン比であっ て実測値 ガ=2.79x104 kg/c置,ク=0,436を用いた。な お,式
10の第二式で深さ方 向の積分が表われるのは,ア
ク リル管の鉛直荷重に対 し上端 自由,下
端支持 としたた めである。 4・2
試料 岩質粒状体 の試料 として
,本
実験ではまず鳥取市賀露 海岸産 の海砂を使用 した。試料は水洗い したのち, 2 11ull フルイでぶ るい分けし,通
過 したものを気乾状態で用い た。その物性をTeble Iに
示す。Table I Saコ nple properies
Hg.4滓
響
;s in'lattcュ
em state O=0,H35粕糀
i耕
℃¶
3也静∫
heォ
a s sample water content speci£ic gravityunit weight in a dense
state
unit weight h a loose
state
angle Of internal friction
cohesion
angle of wall friction
η(%) G∫ γ (g/c這) γ (g/cl) φ(°) θ(g/cd) φ〃(°) sand O.28 2.60 1.616 1.670 38 0 10 4・
3
実験方法1)静
止状態の砂中の応力測定 静止状態における砂中の応力分布を知 ることは,貯
蔵 庫に作用す る堆積圧の問題 として,従
来か ら数多 くの実 測結果が報告されてお り,そ
の理論的取扱い方法の確立Fig.6 AP,aratus for mass flow とともにこの分野における基本的課題 となっている。一 方
,先
の理論解析で示した全般塑性降伏状態,つ
まり流 動開始時の応力分布 の測定も,貯
蔵庫における試料排出 時の閉塞現象等を解明す る上で重要である。 本研究では以下に述べ る方法で,静
止状態における砂 中の中心軸上鉛直応力(σな)ひ と水平応力(時 )ε , およ び内壁面上の水平応力 (σ,)す とせん断応力 (Tz″)Fの
Strain
gage
Hopper
Variabte port
openning
AcК
yt resin pipe
Nozzte
test of rock■ike glanular materials
分布を測定 した。すなわち
,静
止状態 としては,砂
をホ ッパーか ら自由落下によって 自然堆積させた状態,お
よ びノズルを開いて排出流動させて後の静止状態の二種類 とした。中心軸上の応力成分は砂中に埋設 した土圧計に より,管
内壁面上の応力成分はアク リル管外壁面上のひ ずみゲージにより計測 した。2)流
動状態の砂中の応力測定十
︰
.︲
+
⋮
︲
ギ
+
⋮
上
↓
︲
+I
+1
二干
222 流動実験は 流動管に 試料を 一定高 さ (ヘッ ド
)打
ま で充填 した後,下
部 ノズルを開き重力流動を開始 し,同
時にヘ ッ ドを一定に保つ ように上部 ホ ッパーの開閉弁を 調節 して試料を連続的に供給 した。 ひずみゲージの測定は流動開始後 1分 間隔で,流
動停 止 まで5∼30分間継続 した。砂中応力測定用の土圧計の 投入は,流
動開始後 2∼ 3分 経過 した とき,試
料上面 中 心付近に投入 し,下
端排出口に達す るまで測定を継続 し た。 上記 の応力測定 と同時に,壁
面流速,流
量および単位 体積重量を測定 した。壁面流速 クどは流動中,ア
クリル 管に貼付 したスケールで,一
粒子に注 目して一定長さ当 りを流過す る時間を計測 して求めた。 流量Oは
,一
定 時間にノズルより流出す る重量を測定 して求 めた。流動 時の単位体積重量 γ は,
流動停止後アク リル管内に詰 まっている試料の重量を計 り,管
容積で除 して求めた。 5。 実験結果と考察 木山英郎・ 小西正郎 :岩質粒状体 の重力流動に関する基礎研究Hg.7ョ
驚
s潔
鷲
i認
Υ
ttlttr速
ぎ
Л
l at 5。1
静止時堆積圧 静止時の砂中の応力分布 の 実験結果 の 一例 として,Fig,7は
ひずみゲージか ら求めた 管内壁面に作用す る 水平応力 (σ,),お
よびせん断応力(壁面摩擦力XTzr)∫ の分布を示す。Fig.8は
土圧計に よって計測された, 中応軸上の鉛直応力 (鳴)σ,水
平応力 (σァ)じ,
およ び管壁近傍の水平応力 (」″)ど を示す。ただ し,上
圧計 の場合 (F進.8)は
ホ ッパーか ら砂を供給 した 自然堆 積状態での測定値を示 し,ひ
ずみゲージの場合 (Fig.7)は
これに排出による流動を行なわせた後の静止状態 での測定値を示 してい る。 これ らの結果か らつざのことがいえる。(1)土
圧計による中心軸上の (勇 )じ ,(σr)じ は,深
さ とともに放物線状に増加 し,Z=40∼
60 cmより深い位 置での増加は極めて微少 となる。一方,壁
面近傍 の水平 応力 (鳴)Jは (σ″)じ とよく似た分布形状を示すが, z=40∼50 cm深さ以上では,ほ
ぼ完全に一定値16∼18g/ cdを維持す る。H58深
璃盤と
鮒臀
Sea踏
考
燎孟ζ
Xェ
簾
s∈i)ひずみゲージか ら求めた管内壁面に 作用す る水平 応力 (σ″),の分布は上記 十 「 計によるのとよ く一致 し てい る。一方,(Tォ )Fは
2=叩
∼50cmの深さで 一定値 に達 し,そ
の大きさは 3∼4g/c置である。 (iii)以上のことか ら,
壁面での応力状態は 管直径の 約3倍の深さではぼ一定値に達 し,両
者の比 (T″F):/ (σ″)チ は壁面摩擦角の実測値か ら得たtanφ″=0・176に 近い値を示す。 (iV)一方,
管中心軸上の応力状態は 壁面上 よりも少 し遅れて定常状態に達するが,
この地点 での 鉛直応力 (σを)σ と土被 り圧 γだ との比率は0,67(ただ し,Z=
40cm)で あり,もちろんこの比率は深さとともに減少す る。また中心軸上の(ゲ″)。 と(鳴)ど の比で与えられ る静止土圧係数は 0.29でぁる。 この値は,試
料の φ=
38° とした場合のランキンの主働土圧係数rf4=(1_
Sin φ)/(1+Sin φ)=0・24に
近い。(V)な
お,これ らの実験結果は厳密な意味での流動開 始時の応力状態を求めたものではないが,先
の全般塑性 降伏状態に対す る理論解析の結果 と比較す ることによっ て,中
心軸上の応力 (σz)σ ,(σ″)θ の分布,お
よび壁 面近傍 の応力 (σ″),,(Tzァ)丁 の分布の性状が両者でよ く一致 していることが認められ る。 5。2
円管内重力流動の概観1)流
速布分 流動時の応力分布の測定に先立ち,円
管内の流速分布 の概略を知るための実験を実施 した。この場合,流
動管 には外径 13.82cm,内 径 12.54cn,高 さ187cmの塩化 ビ ニール円管を縦に2分 割 したものを用いた。 実験は試料充填後,試
料頂部 に着色砂を層状に入れ, ヘ ッドを一定に保 って流動を開始する。所定の時間試料 を流動させた後流れを止め,振
動を与えないように円管 を水平に設置 し,片
側の半円管 とその部分 の砂を取 り除 いて,円
管の中心軸を通 る縦断面に現われる着色砂層の 写真撮影を行なった。 流動時間を種々変化させて実験を繰返 し,得
られた着 色砂層の代表的位置 における形状を示 したのがFig,9
である。一般に粘性流体の管内流動においては,入
口近 くの助走域 と呼ばれる流体分布がしだいに成長 している 領域 と,あ
る程度の深さにおいて流速分布が一定に達 し た定常域 と呼ばれる領域 とに分けられる。本実験におい ても,試
料頂部か らz≡55cmの点 までの領域 と,そ
の地 点か ら排出国の影響で クレーターを形成 し始める2峯 140clllまでの領域がそれ らに相当す る。 この定常域に おいては,Fig.9の
着色砂層 の形状に 見 られるように,中
心部に速度一定 のコアーを形成 してFig.9 FIow pattern observed by using a cOl― oured sand iayer as tracer
224 木山英郎 。小西正郎 :岩質粒状体 の重力流動に関する基礎研究 お り
,一
方壁面近傍の着色砂層は壁面 に近づ くにつれて 先細 りとなり壁面に接す る部分 では 完全に 消失 してい る。このことか ら壁面 に接す る粒子の速度が壁面 との摩 擦抵抗 のため相当小 さ く,内
側粒子 との間に著 しい速度 勾配を生 じていることが推測され る。 これ らの事実は, 壁面における流速は実用上 0と 見なし,そ
こから中心軸 に向って適当な粘性係数 η′のもとに速度勾配に応じた せん断応力の分布を呈 し,や
がて塑性降伏値 ″ に達し て流速一定のコァーを生じていると解釈することができ る。すわち,Bingham流
体の円管内栓流 として解析す ることの可能性を認め られ る。なお, 定常域に関 してBingham流
体 的取扱 いが可能であるとすれば,助
走域につ いても OldrOyd(1947)5,に よって行 なわれた塑性境界層理論を展開す るこ とによって理論解析が可能 となろう。2)流
速および単位体積重量 流動実験において,応
力測定 と同時 に壁面流速,流
量,単
位体積重量の測I
定を実施 した。実験条件 は ノズル径 DⅣ=1.0,1.6,2.2,2,8clllの 4種 類 を用い,
それぞれに対 しヘ ッ ド 打=
200,180,160crlの 3水 準を採用 した。 れ らの実験結果をまとめてFig。 lo (a)∼(C)に示す。ここに,平
均流速 は流量を 管断面積 で 除 したものであ る。 この結果 か らつぎのことがいえ る。(1)壁
面流速ならびに平均流速 とも にノズル径 DⅣの約 2乗,つ
ま リノズ ル断面積にほぼ比例 して増加する。一 方,この実験範囲 ではヘ ッド 打 の差 による流速の違いは明瞭でない。 (li)い ずれの条件においても,壁
面 流速 と平均流速 とはほぼ等 しい。 この ことは,円管横断面上の流速分布は コ アー部が大部分を占め,速
度勾配を生 じている領域が極めて小さい こととを 示すものと思われる。 (lii)単位体積重量は,流
速が速 くな れば間隙が増加 し密度減を生ず るもの と予想 さ注たが,逆
に大部分がわずか なが ら増加の傾向を示 した。さ らに流 速には とん ど影響を与えなか ったヘ ッ ドの相違が,単
位体積重量に比較的大 きな変動を与えているが,規
則性は認 められなった。いずれにしろ,本
実験 5 0 5 0 1 1 0 3 出 ヽ E ∪ 浄 浄 ち P 留 ω ▼ 年 留 ω ︲ ・ 7 ︲ ・ 6 ︲ ・ 5︵
﹄
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︶
注
滓
や
至
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O
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や
r
c
づ
1.00
20
3.0diameterof mフ
zte DN(Cm)
(c)
Fig.1l Stress distribuions along the wall in steady state flow
範囲での単位休積重量の変化は1・50∼ 1.60g/cdの範 囲にあ り, 流速やヘ ッ ドによって直接規定され るの ではな く, それ らによって定まる砂中の応力状態に 依存す るもの と考え られ る。 5,3 流動時の応力状態
1)内
壁面上 の応力分布 実験条件は上述 したようにノズル径4種
類 とヘ ッ ド3水 準 の組合せ とし, 同一条件につき 3回 の試験 を行 な った。 アク リル円管外壁面上に貼付 したひず みゲージの計測結果か ら式10を用いて算 出した内壁 面上 の砂の応力分布を図示 したのがFig.11で
ぁ る。この結果, (i)ノ ズル径 とヘ ッドによってやや異なるが,Z=
60∼ 80cmの位置でせん断応力 (Tz.), が一定値に達 す るとともに,水
平応力 (び″)ゲ もほぼ一定値 に達 す る。したが って流速分布で認めたように,
この位 置か ら流れはほぼ定常域に入 ると考え られ る。 (ii)一方流動管下部においてノズル上方約 60cm付 近 より,せ
ん断応力, 水平応力 ともに減少の傾向を 示すのは, 先に指摘 したクレーターの形成位置に対 応 してお り, 排 出ロノズルの存在 による流動状態の H=140(cm) H=200(cm) ・ DN=10にm) ・ 。 DN=16 -――― E DN=22 -―― 。DN=28 -―
―226 変化範囲を示すものと考え られ る。 つぎに,(Tz.),,(σr)す の定常域 に お ける代表値 z=75,85,100cmの 3位 置における平均値を とり,これ らの値をノズル径 DⅣ に対 して図示 したのがFig。 12 である。図か ら, Cil)定常域における壁面水平 応力 (σ″
),が
ノ ズル 径,し
たが って流速の増加にあまり影響されない (幾分 減少の傾向が認められ る)の
に対 し,
壁面せん断応カ (TzT)ブ は流速に伴ない増加する。したが って,
両者の 比率(Tzァ),/(駒 )す は 一定ではな く,
流速 とともに (0.13∼0.20)か ら(0・35∼0.45)ま で増加 し,静
的な壁 面摩擦条件 T=σtan φ″(試料の場合tan φ″=0,176) では律 しき浄ないことを示 している。2)中
心軸上の応力分布 中心軸上の鉛直応力 (σz)。お よび水平応力 (σr)θ を上圧計を用いて測定 した結果の一例をFig,13に
示 す。 (σz),,(時
)σ は試料表面か ら深さZが
増す ととも に増加 し,あ
る深さで最大値を示 し,そ
の後一転 して減 少 し始める。 この応力の減少は,
流速一定 となる定常 域に達す るまでの 助走域 において 速度が漸増 するため に,上
部か ら流 した土圧計のコー ドが引張 られることに よるものと思われる。そのため試料の流動方向 の 圧力 (鳴)σ を検 出す る土庄計は直にこの 影響を受け,
一方 木山英郎・小西正郎 :岩質粒状体の重力流動に関する基礎研究 ︵推 望 J バ 、 伊 ︶ ■ つ ︶ \ ︵ド 0 ︶ Fig。 12 1.0 20 30DN(Cm)
諸鶏 総 写
董
庁
iCS al°ng the wJlin
(b) (c)
Fig.13 Stress distributions along he z_axis in steady state rゃ
w
(∫ x)。
流動方向に対 し直角な水平圧力 (σ
r),を
検 出す る土圧 計に対す るこの影響は少ない。た とえば測定結果におい て,(σ z)じ より(σァ)rの ば らつきが少 く,か
つ(勇 ). の最大値 (σz)σ,maェ よ り (島)じ の最大値 (σ″),,maXの
方が深い位置に現われ る事実 がそのことを 示 し ている。 したがって,本
実験では (σz)。 ,(び″)ひ ともに最大 値を示す地点までの値を採用 したが,(σ2)0に
は多少 の誤差をまぬがれないものと思われる。この点に配慮 し て,以
下に実験結果を考察す る。(1)ま
ず,中
心軸上の応力分布か ら定常域に達す る深 さをみ ると,水
平応力 (σ′)σ が最大値に達 した位置 と して,本
実験範囲では Z=40∼80cmとなる。これは壁面 応力状態か ら得 られたものとほぼ一致 し,管
径の約3∼ 5倍の深さとなる。 つぎに,この定常域における(σz),,(島
)ひ の値を ノズル径に対 し図示 したのがFig。 14でぁる。図か ら,Fig.14 Stress charaOteristics along the z_axis
in steady state fttow
(ii)両応力 ともノズル径の増加, すなわち流速の増加 とともにわずかなが ら減少の傾向を示す。ただ し
,鉛
直 応力にヘ ッ ド差による影響が強 く表われてい る点は今後 の検討が必要である。 ()同
図 (C)から静止時の土圧係数に対応す る流動 時の (水平応力)/(鉛直応力)の
値は0・4∼0,9の間に ある。前記 したように,本
試料に対す るランキ ンの主働 土圧係数の算定値は0・24でぁり,実
測 さ漁た静止圧係数 は 0.29で ぁった。一般に自然に堆積 した砂の静止土圧 係数は約 0・4∼0.5の間にあり,層
ごとによく締め固め た砂では約0・8まで増加 し得るといわれ るが,
流動時 の砂がこのような密な構造をとるとは考え られない。し たがって上記 の結果は,流
動時の砂が主働状態や 自然堆 積状態におけるよりも,鉛
直応力成分 に比 し水平応力成 分 の卓越 した流体的な応力状態にあることを示す。 一方,定
常域に お ける鈴直応力 (残)じ,maxと 上 被 り圧 γZとの比率を示 したのがFig。15で
ぁる。ここ ではZは
(σz)ひ,maxを 示 し た点の地表か ら の 深 さ をとった。定常域において,鉛
直応力 の値を一定 とみな せば,この比率は深さ Zの 増加 とともに減少す るか ら, 上記比率はその 最大 値 とみることができる。 図か ら, (つ (σz)び,m ax/γZの
値は実験条件 に よ っ て相当ば らついてお り,
明瞭な傾向は認められ ないが,
およそ 0.50∼0。70の間にある。残 りは壁面摩擦力によって支 持されていることになる。この値は静的堆積時の0.67 と比べ ると,流
動によって壁面摩擦力が増加す る分だけDN(Cm)
F増.15 Equ
alent鳥『
u視
す
1志ギ
earth pres_ ︵些 oも ィ さ て .o 令 ち ︶228 木山英郎・ 小西正郎 :岩質粒状体 の重力流動に関する基礎研究 小さ くなると考え られ るが明らかでない。流動時の中心 軸上の鉛直応力の測定精度の向上が望まれる。
6.結
論 砂の円管内重力流動について
,上
質力学的な観点か ら 基礎理論を検討す るとともに,模
型実験によって静止時 および流動時の応力分布の特徴を考察 した。その結果, つぎのような事実が明らかになった。(i)全
般せん断破壊状態を仮定 して数値解析 した結果 と実験で求めた 静止時堆積圧 の 分布 とはよい 一致を示 し,静
止状態か ら流動開始時にかけて応力状態は土質力 学的塑性解析が適用できる。 (ii)砂 の円管内重力流動において, 試料表面か らある 深さに達す ると速度分布は定常に達す るが,この定常域 においても,半
径方向に速度分布は一様でなく,壁
面近 傍で大きな速度勾配を有 してお り,中
央部に速度一定の コアーを有 している。 この形状はBingham流
体 の栓 流に酷似 している。 Cii)流 動時に壁面 に 作用 する水平応力やせん 断応力 も,流
速分布におけると同様 に,あ
る深さに達すると一 定値に達す る,この定常域に達する深さは管直径の 3∼ 5倍 の位置である。 ()上
記 の壁面 に直角に作用する水平応力は流速によ ってあまり影響されないのに対 し,壁
面せん断応力の値 は流速の増加 とともに増加する。したがって,静
的な壁 面摩擦条件 とはその性質を異にする。(V)流
動開始時の管中心軸上の水平応力か ら算定 され た静止土圧係数は0.29でぁるのに対 し,流
動時のそれ は0.4∼0.9と 極めて大きな値を示す。すなわち,流
動 時 の砂は鉛直応力の割に水平応力成分の卓越 した流体的 な応力状態にある。 以上 のように静止時の応力状態と流動時の応力状態 と は明らかに異なり,土
質力学的な塑性解析を適応す るた めには,塑
性降伏条件に代 る塑性流動条件を確立す る必 要 がある。あるいは速度分布の特徴か ら,Bingham流
体 に模 した流体力学的解析が適当かもしれない。ただ し その場合にもやはり砂の塑性流動条件を知 る必要がある 点は同様である。 参 考 文 献Jenike,Ao W.;Bulletin of the Univ.of Utah,
No. 108 , 1961
Molerus,0. I Powder Technology,12, pp.259 -275 , 1975