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っている磁束を とすれば二次コイルの両端に生ずる電圧 e は, d e N (3) dt = 2 両辺を積分して, t t= t = 2 = 0 t= 0 2 t 0 edt N d N ( ) (4) ただし, t および 0 はそれぞれ時刻 t および時刻 0 における磁束である すなわち, t

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(1)

B-5.磁性材料の特性試験

1. 実 験の 目的 磁 性 材 料 の B-H 曲線,ヒステリシス曲線について学び,エプスタイン装置を用いて, け い 素 鋼 板 の 鉄 損 を 測 定 す る 。 こ れ ら の 実 験 を 通 し て 磁 性 材 料 の 特 性 に つ い て , 更 に 実 際 の 電 気 機 器 で 磁 性 材 料 が ど ん な 使 い 方 を さ れ て い る か に つ い て 理 解 を 深 め る 。 2. 直流 B- H 曲線 とヒ ステ リシ ス曲 線の測 定 (2-1)理 論 磁 性 材 料 を 用 途 別 に 分 け る と 、透 磁 率 の 高 い 軟 磁 性 材 料(soft)と保 磁力の高い硬質磁性 材 料(hard)に 分 け る こ と が で き る 。 軟 磁 性 材 料 は わ ず か な 外 部 印 加 磁 界 に よ っ て 大 き な 磁 束 密 度 が 誘 導 さ れ る こ と か ら 、 高 透 磁 率 材 料 と も 呼 ば れ 、 変 圧 器 や 電 動 機 、 発 電 機 な ど の 鉄 心 に 用 い ら れ 、 で き る だ け 磁 化 率 の 高 い 、 そ し て ヒ ス テ リ シ ス 損 の 小 さ な 材 料 で あ る こ と が 望 ま し い 。 こ れ の 代 表 的 な 材 料 と し て は 純 鉄 、 軟 鋼 、 珪 素 鋼 、 パ ー マ ロ イ 、 ソ フ ト フ ェ ラ イ ト な ど が あ る 。 こ れ に 対 し て 保 磁 力 が 高 く(8kA/m 以上 )、 磁 石 特 性 を 示 す 材 料 を 硬 質 磁 性 材 料 ま た は 高 保 磁 力 材 料 や 永 久 磁 石 材 料 な ど と 呼 び 、 磁 束 密 度 、 保 磁 力 が と も に 大 き く 、 ヒ ス テ リ シ ス 曲 線 で 囲 ま れ る 面 積 の 大 き い こ と が 望 ま し い 。 こ れ の 代 表 的 な 材 料 と し て M K 鋼 、 新 K S 鋼 、 焼 入 硬 化 型 磁 石 、 ア ル ニ コ 、 酸 化 物 磁 石 、 希 土 類 磁 石 な ど が あ り 、 音 響 機 器 、 通 信 機 器 、 各 種 計 測 器 、 電 気 機 器 、 コ ン ピ ュ ー タ ー な ど に 使 用 さ れ て い る 。 磁 界 H=N1 I [A / m] l ・ ・ ・(1) 磁 束 密 度 = 2 8 2 ×10 [T] N B AN ・ ・ ・(2) l:平均磁路長 [m] ,N2 :磁 束 計 の 指 示 値[Mx]( マ ク ス ウ ェ ル ),A:断面積[m ] ,2 1 N :1 次コイルの巻数, N :2 2 次コイルの巻数,I:励磁電流[A] 図 1 は直流 BH 曲線とヒステリシス曲線の測定の説明図である。バイポーラ電源は つ ま み を 回 す だ け で , 出 力 電 圧 を + に も - に も 連 続 的 に 変 え る こ と が で き る 電 源 装 置 で あ る 。 測 定 試 料 の 磁 性 材 料 は リ ン グ 状 で あ り , 一 次 コ イ ル N と二次コ イル1 N を一様に2 巻 い て あ る 。 磁 束 計 の 原 理 は , 本 質 的 に は 電 磁 誘 導 の 法 則 の 応 用 で あ る 。 す な わ ち , 磁 性 材 料 を 通 バ イ ポ ー ラ 電 源 エ レ ク ト ロ ニ ッ ク 磁 束 計 測 定 資 料 I 1 N N2 図 1 直流B -H曲線とヒステリシス曲線の 測 定 の 説 明 図 b a B 0 H H c d f e B 図 2 ヒステリシス曲線 説明図

(2)

3 炭素鋼の B-H 曲線およびヒステリシス曲線の測定回路 バ イ ポ ー ラ 電 源 デ ィ ジ タ ル メ ー タ + - エレクトロニック 磁束計 - + 入 力 出 力 Y軸 X軸 X-Y レコーダ 測 定 試 料 分 流 器 ※ 摺動抵抗器 1 N N2 - + I ※ 分 流 器 の 抵 抗 r×電 流 =ディジタルメータの読み v っ て い る 磁 束 を と す れ ば 二 次 コ イ ル の 両 端 に 生 ず る 電 圧e は, = 2 d e N dt ・ ・ ・ ・(3) 両 辺 を 積 分 し て , = = = 2 = 2 0 0 0 ( ) t t t t t edt N d N ・ ・ ・ ・(4) た だ し , tお よ び 0は そ れ ぞ れ 時 刻t および時刻 0 における磁束である。すなわち, = 0t0= ならば,時刻 t における磁束0 tは , = 0 2 1 t t N edt ・ ・ ・ ・(5) と な り ,e を積分して磁束が求められる。磁束計の中身は積分器である。 図 2 に示すように,磁化されていない(消磁された)磁性材料に加える磁界 Hを 0 か ら 増 加 ( 図 1 の一次コ イルの電流を 0 からプ ラスへ)すると,磁性材料中の磁束密度 B は 磁 界 を 増 加 す る に つ れ て , 曲 線 0a を描いて増加する。これを直流 BH 曲 線 と い う 。 ま た ,a 点から磁界を減少すると,磁束密度は曲線 ab を描いて減少 し,0a とは別の経路 を た ど る 。 磁 界 が 0 に なっても磁束密度は 0 にならない。磁界 0 の 時の磁束密度 0b を 残 留 磁 束 密 度 と い う 。 さ ら に 逆 方 向 に 磁 界 を 加 え る (1 次コイルの電流を 0 からマイナ ス に す る ) と 磁 束 密 度 は bcd の曲線をたどる。残留磁気を打ち消して磁束密度を 0 にす る た め に 必 要 な 磁 界0c を保 磁力 という。d 点から磁界を増やしていくと,磁束密度は defa の 経 路 を た ど っ て 曲 線 が 閉 じ る 。こ う し て で き る 曲 線 を ヒ ス テ リ シ ス 曲 線 と い う 。B-H 曲 線 と ヒ ス テ リ シ ス 曲 線 は 磁 性 材 料 の 特 性 を 表 す 重 要 な 曲 線 で あ る 。 (2-2)使 用 機器 炭 素 鋼 の 測 定 バ イ ポ ー ラ 電 源 ,分 流 器 ,エ レ ク ト ロ ニ ッ ク 磁 束 計 ,摺 動 抵 抗 器 ,デ ィ ジ タ ル メ ー タ , X-Y レコーダ け い 素 鋼 板 の 測 定 バ イ ポ ー ラ 電 源 ,分 流 器 ,エ レ ク ト ロ ニ ッ ク 磁 束 計 ,摺 動 抵 抗 器 ,デ ィ ジ タ ル メ ー タ , X-Y レコーダ (2-3)結 線

(3)

(2-4)実 験 方法

(2-4-1)炭 素 鋼の BH 曲 線 お よ び ヒ ス テ リ シ ス 曲 線 の 測 定 バ イ ポ ー ラ 電 源 の 設 定

* ① 図 3 のように結 線する。

* ② バ イ ポ ー ラ 電 源 の AMPLIFIER・POWER SUPPLY 切替スイッチを POWER SUPPLY に し て ,METER スイッチ・POWER スイッチ・OUTPUT スイッチをONにする。 * ③AMPLITUDE つまみを調節してディジタル電圧計の指示値を 0.05mV 以下にする。 試 料 の 消 磁 * ④ 測 定 試 料 を 取 り 外 し て , 図 5 のように 結線する。 * ⑤VR(単相誘導電圧調整器)を最小目盛の位置にして KS(開閉器)を閉じ,VR を 調 節 し て ,交 流 電 圧 計 の 指 示 値 を 0A→5A→0A と変化させ,KS を開く。これを 3 度繰り返す。 試 料 の セ ッ ト * ⑥ 測 定 試 料 を セ ッ ト し 直 し て , も う 一 度 図 3 のように結線する 。 そ の 他 の 計 器 の 設 定 * ⑦ 磁 束 計 のSHORT スイッチを押して右に回しロックする。測定レンジを 1 ×103Mx にする。 ⑧ 磁 束 計 のPOWER スイッチを ON にする。( 指 針 が 大 き く 振 れ ,数 秒 後 に0 になる。) ⑨X-Y レコーダの POWER スイッチを ON にする。 ⑩X-Y レコーダの Y 軸レンジ(下のつまみ)を 0.25mV/cm に する。(上のつまみは 中 央 ) バ イ ポ ー ラ 電 源 デ ィ ジ タ ル メ ー タ + - エレクトロニック 磁束計 - + 出 力 入 力 Y 軸 X 軸 X-Y レコーダ 測 定 試 料 摺動 抵抗器 1 N N2 - + 図 4 けい素鋼板の B-H 曲線およびヒステリシス曲線の測定回路 A VR N1 測 定 試 料 N2 + KS AC 100V 分 流 器 ※ I ※ 分 流 器 の 抵 抗 r×電流 =ディジタルメータの読み v KS:開閉器 , VR:単相誘導電圧調整器 図 5 消磁回路

(4)

⑪X-Y レコーダの Y 軸,X 軸の INPUT スイッチを MEAS にする。

⑫X-Y レコーダの X 軸レンジ(下のつまみ)を 5mV/cm にす る。(上のつまみは中 央 )

⑬X-Y レコーダの TIME BASE の MEAS スイッチを押す。 * ⑭X-Y レコーダの CHART スイッチを HOLD 側にする。 * ⑮ 磁 束 計 の ZERO ADJUST つまみで指示値を 0 にあわせる。 * ⑯SHORT スイッチのロックをはずす。 * ⑰X-Y レコーダの Y 軸,X 軸 POSITION つまみでペン先の位置を記録紙の中央に 合 わ せ て ,PEN スイッチを DOWN 側にする。 測 定 * ⑱ バ イ ポ ー ラ 電 源 の AMPLITUDE つまみをま わし ,電 流計の 指示値 を 0A→+5A →0A→-5A→0A→+5A と変化させる。( こ の 操 作 で B-H 曲線とヒステリシス曲線 が 得 ら れ る 。)

* ⑲X-Y レコーダの PEN スイッチを UP 側にし,CHART スイッチを RELEASE 側に す る 。 * ⑳X-Y レコーダの記録紙を引き出しカットする。 * ○21バ イ ポ ー ラ 電 源 のAMPLITUDE つまみを左にまわし,電流計の指示値を 0 にする。 2 番目以降の人は*印の操作のみを行う。 (2-4-2)け い 素鋼板の BH曲 線 お よ び ヒ ス テ リ シ ス 曲 線 の 測 定 バ イ ポ ー ラ 電 源 の 設 定 * ① 図 4 のように結 線する。

* ② バ イ ポ ー ラ 電 源 のAMPLIFIER・POWER SUPPLY 切替スイッチを POWER SUPPLY に し て ,METER スイッチ・POWER スイッチ・OUTPUT ス イ ッ チを ON に す る 。 ③AMPLITUDE つまみを調節してディジタル電圧計の指示値を 0.05mV 以下にする。 試 料 の 消 磁 * ④ 測 定 試 料 を 取 り 外 し て , 図 5 のように 結線する * ⑤VR を最小目盛の位置にして KS を閉じ,VR を調節して,交流電圧計の指示値を 0A→5A→0A と変化させ,KS を開く。 試 料 の セ ッ ト * ⑥ 測 定 試 料 を セ ッ ト し 直 し て , も う 一 度 図 4 のように結線する 。 そ の 他 の 計 器 の 設 定 * ⑦ 磁 束 計 の SHORT ス イ ッ チ を 押 し て 右 に 回 し ロ ッ ク す る 。 測 定 レ ン ジ を 3×104Mx にする。 ⑧ 磁 束 計 の POWER スイッチを ON にする。( 指 針 が 大 き く 振 れ ,数 秒 後 に 0 になる。) ⑨X-Y レコーダの POWER スイッチを ON にする。 ⑩X-Y レコーダの Y 軸レンジ(下のつまみ)を 0.25mV/cm にする 。(上のつまみは 中 央 )

⑪X-Y レコーダの Y 軸,X 軸の INPUT スイッチを MEAS にする。

⑫X-Y レコーダの X 軸レンジ(下のつまみ)を 1mV/cm にす る。(上のつまみは中 央 )

(5)

* ⑭X-Y レコーダの CHART スイッチを HOLD 側にする。 * ⑮ 磁 束 計 の ZERO つまみで指示値を 0 にあ わせる。SHORT スイッチのロックをは ず す 。 * ⑯X-Y レコーダの Y 軸,X 軸 POSITION つまみでペン先の位置を記録紙の中央に 合 わ せ て ,PEN スイッチを DOWN 側にする。 測 定 * ⑰ バ イ ポ ー ラ 電 源 の AMPLITUDE つまみをま わし ,電 流計の 指示値 を 0A→+1A →0A→-1A→0A→+1A と変化させる。( こ の 操 作 で B-H 曲線とヒステリシス曲線 が 得 ら れ る 。)

* ⑱X-Y レコーダの PEN スイッチを UP 側にし,CHART スイッチを RELEASE 側に

す る 。 * ⑲X-Y レコーダの記録紙を引き出しカットする。 * ⑳ バ イ ポ ー ラ 電 源 のAMPLITUDE つまみを左にまわし,電流計の指示値を0にする。 2 番目以降の人は*印の操作のみを行う。 (2-5)結 果 3. エ プス タイ ン装 置に よる 交流 B- H 曲 線と 鉄損 の測 定 諸 元 試 料 1 試 料 2 諸 元 試 料 1 試 料 2 材 質 リ ン グ 内 径 (cm) 1 次コイル巻数 リ ン グ 外 径 (cm) 2 次コイル巻数 平 均 磁 路 長 (cm) 直 径 (cm) 断 面 積 (cm2 表 1 測 定 試 料( 炭 素 鋼 )諸 元 諸 元 試 料 1 試 料 2 諸 元 試 料 1 試 料 2 材 質 外枠寸法タテ×ヨコ(cm) 1 次コイル巻数 内枠寸法タテ×ヨコ(cm) 2 次コイル巻数 平 均 磁 路 長 (cm) 積 厚 (cm) 断 面 積 (cm2 表 2 測定試料(けい 素鋼)諸元 交 流 電 源 装 置 磁 束 電 圧 計 エプスタイン装置 試 験 片 の 積 み 方( 無 方 向 性 ) 図 6 交 流 B-H 曲線測定の説明図 図 7 エ プ ス タ イ ン 装 置 の 鉄 心 の 構 成

(6)

交 流 磁 界 ' 1 [A/m] ' c N H I l = ・ ・ ・(5) 交 流 磁 束 密 度 ( 波 高 値 ) 2 ' [T] 4.44 ' f V B fN A = ・ ・ ・(6) 磁 束 =B A' ' [Wb] 試 料 の 実 効 断 面 積 ' ' 4 ' m A lD = 実 効 磁 路 長 l =' 0.94 m 試 料 の 長 さ l =0.28 m 試 料 の 質 量 m =' (H-14) (H-18) 試 料 の 密 度 D =' (H-14) (H-18) 一 次 コ イ ル 巻 数 N = 回1 二 次 コ イ ル 巻 数 N = 回2 一 次 コ イ ル 電 流 I =c 磁 束 電 圧 V =f 周 波 数 f = (3-1)理 論 図 6 は交流 B-H 曲線の測定の説明図である。交流電源装置は出力電圧を 0~240V, 周 波 数 を 0~500Hz の 範囲で変化できるものを用いる。25 cm エプ スタイン装置は,幅 3 cm 長さ 28 cm の短冊状に切断した試料を図 7 のように挿入して積み上げるように工夫さ れ , 試 料 の 全 周 に 同 じ 巻 数 の 1 次コイルと 2 次コイルをできる限り同一条件になるよう に 巻 い て 変 圧 器 を 構 成 し た , 磁 性 材 料 の 測 定 装 置 で あ る 。 磁 束 電 圧 計 は 電 磁 誘 導 に よ っ て 二 次 コ イ ル に 現 れ る 電 圧 を 測 定 す る 。そ の 電 圧 の 実 効 値 は B'を磁束密度の波高値としVf =4.44fN A B2 ' '(V)となり,磁束密度 B'を求めることができる。 交 流 の 1 サイクルご とに B-H はヒステリシス曲線を一周する様に変化する。磁界 H' を 変 化 す る と , ヒ ス テ リ シ ス 曲 線 の 大 き さ が 変 わ る 。 交 流 磁 化 曲 線 は H'を変化させて, 図 2 の a 点を多数プロットしたものに相当する。交流では,後で述べるうず電流などの 影 響 で , ヒ ス テ リ シ ス 曲 線 の 形 が 直 流 の 時 と は 異 な る の で , 直 流 磁 化 曲 線 と は 一 致 し な い 。 ま た , 周 波 数 に よ っ て も 変 化 す る 。 鉄 損 に つ い て 図 8 のように鉄心に コイルを巻いて直流電圧を供給したとき,電力計の指示値はコイ ル の 抵 抗 に よ る ジ ュ ー ル 損 失 を 表 す 。 図 9 の ように,交流電圧を供給して,直流の場合 と 同 じ 電 流 を 流 す と , 電 力 計 は ジ ュ ー ル 損 失 分 よ り も 大 き な 値 を 示 す 。 こ れ は 交 番 磁 界 に よ っ て , 鉄 心 の 中 で エ ネ ル ギ ー 損 失 を 生 じ た た め で , こ れ を 鉄 損 と 言 う 。 こ れ に 対 し て コ イ ル の 抵 抗 に よ る ジ ュ ー ル 損 失 を 銅 損 と 呼 ぶ 。 鉄 損 は , ヒ ス テ リ シ ス 損 と う ず 電 流 損 と に 分 け ら れ る 。 ヒ ス テ リ シ ス 損 は ヒ ス テ リ シ ス 曲 線 の 面 積 と 周 波 数 に 比 例 し , う ず 電 流 損 は 電 磁 誘 導 に よ っ て 鉄 心 中 を 流 れ る 電 流 に よ る ジ ュ ー ル 損 失 で あ り , 周 波 数 の 2 乗に比 例する。

(7)

交 番 磁 界 で 使 用 す る 磁 性 材 料 は , う ず 電 流 損 を 極 力 少 な く す る た め に ,3~ 6%の けい 素 を 含 ん だ 厚 さ 0.2~ 0.5 mm の薄いけい素鋼板を何枚も重ねて使用するなどの工夫がさ れ る 。 け い 素 鋼 板 の 鉄 損 の 内 訳 は , 商 用 周 波 数 で は 一 般 に , う ず 電 流 損 が 80%,ヒステ リ シ ス 損 が 20%とされ る。 エ プ ス タ イ ン 装 置 に よ る 鉄 損 の 測 定 の 基 本 原 理 は 電 力 計 法 と 呼 ば れ , 図 9 と同じであ る が , 銅 損 を 除 い て 鉄 損 だ け を 測 定 で き る よ う に 工 夫 さ れ て い る 。 す な わ ち , 図 9 のコ イ ル に 生 じ る 電 圧 は ,巻 線 の 抵 抗 に よ る 電 圧 降 下 と 電 磁 誘 導 に よ る 電 圧 の 和 で あ る か ら , こ の 電 圧 と , コ イ ル に 流 れ る 電 流 か ら 電 力 を 算 出 す る と , 鉄 損 と 銅 損 の 和 を 求 め る こ と に な る 。 エ プ ス タ イ ン 装 置 の 2 次 コ イ ル に は 1 次コ イルと同じ磁束が鎖交するように工夫され て い る の で , 電 磁 誘 導 に よ る 電 圧 は 2 次コイルにも 1 次コイルと同じ値の電圧が現れ, 2 次電流は 0 と見なせるので,抵抗による電圧は 2 次コイルには生じない。従って,2 次 コ イ ル の 電 圧 と 1 次 コイルの電流から算出される電力は銅損を含まず,鉄損のみであ る 。 こ の 測 定 に 用 い る 電 力 計 は ,低 力 率 で も 正 確 な 測 定 が で き る も の で な け れ ば な ら な い。 (3-2)使 用 機器 交 流 BH 曲 線 の 測 定 ① 交 流 可 変 電 源( ) ④ デ ィ ジ タ ル 磁 束 電 圧 計( ) ② 交 流 電 流 ト ラ ン ス ジ ュ - サ( ) ( デ ィ ジ タ ル パ ワ ー ハ イ テ ス タ ) ③ エ プ ス タ イ ン 装 置( ) ⑤X-Y レコーダ( ) 鉄 損 の 測 定 交 流 可 変 電 源 装 置 ,エ プ ス タ イ ン 装 置 ,デ ィ ジ タ ル 磁 束 電 圧 計 ,X-Y レコーダ,ディ ジ タ ル パ ワ ー ハ イ テ ス タ デ ィ ジ タ ル 電 力 計 鉄 心 デ ィ ジ タ ル 電 力 計 鉄 心 図 8 直流の場合のジュール損説明図 図 9 交流の場合の鉄損説明図

(8)

(3-3)結 線 交 流 BH 曲 線 の 測 定 鉄 損 の 測 定 (3-4)実 験 方法 (3-4-1)交 流 BH 曲 線 の 測 定 ① 図 10 のように結線する。

* ② 交 流 可 変 電 源 装 置 の POWER スイッチを ON にし,OUTPUT LEVEL ツマミを 2 個 を と も 左 に 回 し ,INITIAL ツマミを 60Hz に して,SET ボタン(黄色)を押す。 ③ デ ィ ジ タ ル パ ワ ー ハ イ テ ス タ の POWER スイッチを ON にし,V12キ ー を 押 す 。( 二

番 目 の 人 は 押 さ な い )

* ④X-Y レコーダにグラフ用紙をセットして,POWER スイッチを ON にする。 ⑤X-Y レコーダの SERVO スイッチを ON にし,START,RESET スイッチを START

側 に す る 。

⑥X-Y レコーダの X 軸レンジを 0.5mV/cm にして,X 軸 TIME,OFF,MEAS スイ ッ チ を MEAS 側にする。

⑦X-Y レコーダの Y 軸レンジを 50mV/cm にして,Y 軸 OFF,MEAS スイッチを MEAS 側にする。 交 流 可 変 電 源 装 置 ト ラ ン ス ジ ュ - サ エ プ ス タ イ ン 装 置 Pc P0 Sc S0 入 力 出 力 デ ィ ジ タ ル 磁 束 電 圧 計 Y 軸 X 軸 X-Y レコーダ 図 10 交流 の B-H 曲 線測定回路 デ ィ ジ タ ル パ ワ ー ハ イ テ ス タ 交 流 可 変 電 源 装 置 エ プ ス タ イ ン 装 置 Pc P0 Sc S0 Y 軸 X 軸 X-Y レコーダ 入 力 電 圧 電 力 電 圧 デ ィ ジ タ ル パ ワ ー ハ イ テ ス 入 力 出 力 出 力 電 流 図 11 鉄損の測定回路

(9)

⑧X-Y レコーダの X 軸,Y 軸 POSITION ツマミで,ペン先をグラフ用紙の左角よ り 上 へ 3cm,右へ 4cm の位置にする。

* ⑨X-Y レコーダの PEN スイッチを押し,ペンを DOWN の状態にする。

⑩ 交 流 可 変 電 源 の OUTPUT スイッチを ON にし,OUTPUT LEVEL ツマミをゆっ く り 右 に 廻 し ,デ ィ ジ タ ル 電 圧 計 の 指 示 値 を 62V にする。( こ の 操 作 で 60Hz の交 流 曲 線 が 得 ら れ る )

* ⑪X-Y レコーダの PEN スイッチを押し,PEN を UP の状態にする。

* ⑫ 交 流 可 変 電 源 の OUTPUT LEVEL ツマミを左に廻し,ディジタル電圧計の指示値 を 最 少 に し て ,OUTPUT スイッチを OFF にする。

* ⑬ 交 流 可 変 電 源 の INTIAL ツマミを 50Hz にして,SET ボタン(黄色)を押す。 * ⑭X-Y レコーダの PEN スイッチを押し,PEN を DOWN の状態にする。

* ⑮ 交 流 可 変 電 源 の OUTPUT スイッチを ON にし,OUTPUT LEVEL ツマミをゆっく り 右 に 廻 し ,デ ィ ジ タ ル 電 圧 計 の 指 示 値 を 54V にする。( こ の 操 作 で 50Hz の交流

B-H 曲線が得られる)

* ⑯X-Y レコーダの PEN スイッチを押し,PEN を UP の状態にする。 * ⑰ グ ラ フ 用 紙 を 取 り 出 す 。 * ⑱ 交 流 可 変 電 源 の OUTPUT LEVEL ツマミを左に廻し,ディジタル電圧計の指示値 を 最 少 に し て ,OUTPUT スイッチを OFF にする。 2 番目の人からは*印の操作のみを行う。 (3-4-2)鉄 損 の測定 ① 図 11 のように結線する。

* ② 交 流 可 変 電 源 の POWER スイッチを ON にし,OUTPUT LEVEL ツマミを 2 個とも 左 に 廻 し ,INTIAL ツマミを 60Hz にして,SET ボタン(黄色)を押す。

③ デ ィ ジ タ ル パ ワ ー ハ イ テ ス タ の POWER スイッチを ON にし,V12キ ー と 2/0.2A

キ ー を 押 す 。(2 番目の人は押さない)

* ④X-Y レコーダにグラフ用紙をセットして,POWER スイッチを ON にする。 ⑤X-Y レコーダの SERVO スイッチを ON にし,START,RESET スイッチを START

側 に す る 。

⑥X-Y レコーダの X 軸レンジを 50mV/cm にして,X 軸 TIME,OFF,MEAS スイ ッ チ を MEAS 側にする。

⑦X-Y レコーダの Y 軸レンジを 5mV/cm にして,Y 軸 OFF,MEAS スイッチを MEAS に す る

⑧X-Y レコーダの X 軸,Y 軸 POSITION ツマミで,ペン先をグラフ用紙の左角よ り 上 へ 3cm,右へ 4cm の位置にする。

* ⑨X-Y レコーダの PEN スイッチを押し,ペンを DOWN の状態にする。

* ⑩ 交 流 可 変 電 源 装 置 の OUTPUT スイッチを ON にし,OUTPUT LEVEL のツマミを ゆ っ く り 右 に 廻 し ,デ ィ ジ タ ル 電 圧 計 の 指 示 値 を 60V にする。(こ の操作で 60Hz の 鉄 損 - 磁 束 密 度 「Pi-B」曲線が得られる) * ⑪X-Y レコーダの PEN スイッチを押し,ペンを UP の状態にする。 * ⑫ 交 流 可 変 電 源 装 置 の OUTPUT LEVEL ツマミを左に廻し,ディジタル電圧計の 指 示 値 を 最 少 に し て ,OUTPUT スイッチを OFF にする。 * ⑬ 交 流 可 変 電 源 装 置 の INTIAL ツマミを 50Hz にして,SET ボタン(黄色)を押す。

(10)

* ⑭X-Y レコーダの PEN スイッチを押し,ぺンを DOWN の状態にする。

* ⑮ 交 流 可 変 電 源 装 置 の OUTPUT スイッチを ON にし,OUTPUT LEVEL ツマミをゆ っ く り 右 に 廻 し , デ ィ ジ タ ル 電 圧 計 の 指 示 値 を 55V にする。(この操作で,50Hz の 鉄 損 - 磁 束 密 度 「Pi-B」曲線が得られる) * ⑯X-Y レコーダの PEN スイッチを押し,ペンを UP の状態にする。 * ⑰X-Y レコーダのグラフ用紙を取り出す。 * ⑱ 交 流 可 変 電 源 装 置 の OUTPUT LEVEL スイッチツマミを左に廻し,ディジタル電 圧 計 の 指 示 値 を 最 少 に し て ,OUTPUT スイッチを OFF にする。 2 番目の人からは*印の操作のみを行う。 4. 特 性曲 線に つい て 今 回 の 実 験 で は , 各 種 の ト ラ ン ス ジ ュ ー サ ( 電 流 , 電 圧 , 電 力 ) や 直 流 分 圧 器 を 使 用 し て い る の で , 各 曲 線 の 縦 軸 と 横 軸 の 目 盛 は 下 記 の よ う に 計 算 し て 決 め る 。 (1)炭素鋼の B-H 曲 線

a)磁界 H「横軸」は(1)式で計算する。ただし,I は 1cm あた り 0.5A である。 b) 磁 束 密 度 B「 縦 軸 」 は ( 2) 式 で 計 算 す る 。 た だ し N2 は 1cm あ た り5 10× 4Mx

で あ る 。

2)けい素鋼板の B-H 曲線

a)磁界 H「横軸」は(1)式で計算する。ただし,I は 1cm あた り 0.1A である。 b)磁束密度 B「縦軸」は(2)式で計算する。ただしN2 は 1cm あたり150 10× 4Mx で あ る 。 (3)交流 B-H 曲線 a)磁界 H’「横軸」は(3)式で計算する。 た だ し ,I はc 60Hz の場合,1cm あたり 0.076A,50Hz の場合,1cm あたり 0.09A で あ る 。 b)磁束密度 B’「縦軸」は(4)式で計算する。 た だ し ,V はf 60Hz,50Hz 共 に 1cm あた り 5V である。 (4)鉄損-磁束密度曲線 a)縦軸「鉄損」は 60Hz,50Hz 共 に 1cm あ たり 0.5W である。 b)横軸「磁束密度 B’」は交流 B-H 曲線の計算と同様である。 5. 考 察お よび 検討 事項 (5-1)けい素鋼板を用いると,うず電流が減少するのはなぜか。 (5-2)厚い鋼材よりも,薄い鋼板を積み重ねた方が鉄損が減少するのはなぜか。 (5-3)磁性材料が使われている身近なものをあげ,その原理などを調べよ。 (5-4)高透磁率材料のヒステリシス曲線はどのような形が望ましいか。 (5-5)永久磁石材料のヒステリシス曲線はどのような形が望ましいか。

図 3 炭素鋼の B-H 曲線およびヒステリシス曲線の測定回路バ イ ポ ー ラ電 源デ ィ ジ タ ルメ ー タ+-エレクトロニック-磁束計+入 力出 力 Y軸 X軸 X-Y レコーダ測 定 試 料分 流 器 ※摺動抵抗器N1N2-+I※ 分 流 器 の 抵 抗r×電 流=ディジタルメータの読みvっ て い る 磁 束 をと す れ ば 二 次 コ イ ル の 両 端 に 生 ず る 電 圧e は,=2de Ndt・ ・ ・ ・(3)両 辺 を 積 分 し て ,==2==200tt t0(t)edt N

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