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(1) ドル円 日銀の金融緩和による円安期待の終焉 サマリー 8 月のレビュー 8 月のドル円は月間レンジが ~ の 2 円 37 銭と総じて小動き 米主要株価指数が史上最高値を更新するなどした一方 新興国起点のリスク回避の流れから ドルと並び円も強含み そのしわ寄せでクロス

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1 為替相場の見通し 2 予想レンジ 3 マーケットカレンダー 4 為替相場推移表

1. 為替相場の見通し

(1)ドル円(内田) 日銀の金融緩和による円安期待の終焉 ... 2 8 月のドル円は月間レンジが 109.78~112.15 の 2 円 37 銭と総じ て小動き。米主要株価指数が史上最高値を更新するなどした一方、 新興国起点のリスク回避の流れから、ドルと並び円も強含み、そ のしわ寄せでクロス円が大きく下落した。依然、米経済は好調を 維持しているが、米長期金利上昇の追い風が乏しい上、リスク回 避もドル円の上昇を阻む。日銀の緩和強化後も日本の期待インフ レが低迷する中、円は底堅く推移しそう。この為、ドル円の上値 は重く、クロス円の続落に要注意。依然としてドル円が緩やかな 下落傾向を辿るとの基本観を維持。 (2)ユーロ(井上) 米欧通商協議とイタリア予算審議の行方に注目 ... 8 (3)英ポンド(亀井) 「合意なき離脱」懸念から下値不安が燻る ... 10 (4)豪ドル(井野) 政治リスクが上値を抑える ... 13 (5)カナダドル(石丸) 一時的な物価の上振れと束の間の楽観 ... 14 (6)人民元(橋本) 一旦下落一服も燻り続ける下落リスク ... 15 平成 30(2018)年 8 月 31 日

GLOBAL MARKETS RESEARCH

チーフアナリスト 内田 稔

シニアアナリスト 橋本 将司、亀井 純野、 井野 鉄兵、石丸 伸二

アナリスト 井上 雅文

三菱 UFJ 銀行

A member of MUFG, a global financial group

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日銀の金融緩和による円安期待の終焉 (1)ドル円 8 月のドル円は月間レンジが 109.78~112.15 の 2 円 37 銭と総じ て小動き。米主要株価指数が史上最高値を更新するなどした一方、 新興国起点のリスク回避の流れから、ドルと並び円も強含み、その しわ寄せでクロス円が大きく下落した。依然、米経済は好調を維持 しているが、米長期金利上昇の追い風が乏しい上、リスク回避もド ル円の上昇を阻む。日銀の緩和強化後も日本の期待インフレが低迷 する中、円は底堅く推移しそう。この為、ドル円の上値は重く、ク ロス円の続落に要注意。依然としてドル円が緩やかな下落傾向を辿 るとの基本観を維持。 8 月のドル円は 111.83 で寄り付いた後、同日 112.15 の月間高値を 記録した。前月末、日銀は「強力な金融緩和の枠組み強化」にて、 ゼロ%とする長期金利の誘導目標に関し、「上下にある程度変動し うるもの」と修整。記者会見で黒田総裁は、それまでの「倍程度」 と 0.2%程度まで長期金利上昇を容認する姿勢を示した1。しかし、 低金利長期化を謳うフォワードガイダンス2も導入した為、市場では 改めて日銀のハト派スタンスが意識され、為替市場では円安の反応 がみられた。もっとも、金融緩和の長期化に関しては、既に 16 年 9 月に導入したオーバーシュート型コミットメント3にて確約済みと言 え、さほど真新しさがあったわけではない。加えて、月初から米中 貿易摩擦の激化が嫌気されており、ドル円はほどなく失速。その後、 リスク回避の流れが強まる中、逆にじりじりと値を下げた。 また、不安定なトルコ情勢を踏まえ、ユーロ圏の金融機関に対す る悪影響を指摘した英紙報道を受けて、市場の懸念が強まった。ユー ロドルがサポートとして意識された 1.15 ドルを下抜けすると、これ に連れてユーロ円も下げ足を速めた。また、トランプ大統領が共和 党支持者らを前に改めてFRBの金融政策の正常化を批判していたと の報道も追い討ちとなり、ドル円は 21 日に月間安値 109.78 まで反 落した。 ただ、この間も米国の株式相場は概ね底堅く推移しており、その 同じ 21 日に、ザラ場ベースで米S&P500 指数が 2 月の高値を更新し た。こうした動きが、リスクオフの緩和と間接的なドルへの支援材 料となり、ドル円の続落に歯止めがかかった。その後も、トランプ 大統領のいわゆるロシアゲート問題が蒸し返される場面もみられた が、パウエル議長講演(24 日)がややハト派とみられたこと4、米墨 間のNAFTA(北米自由貿易協定)交渉が合意に至る見通しとなった ことなどから、総じてリスク回避の緩和へとつながった。この為、 1 8/8 公表の「主な意見」では、許容範囲として、ゼロ%±0.25%程度との見方も示された。 2 日本銀行は、2019 年 10 月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、 現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。 3 日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付 き量的・質的金融緩和」を継続する。 4 パウエル議長は緩やかな利上げ継続スタンスを示した一方、インフレ圧力が高まる兆しはみられない、などとした。 サマリー 8 月のレビュー

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その後も堅調に推移する米国の株式相場を横目にドル円は底堅く推 移。依然として低迷する米長期金利に上値追いの勢いこそ鈍かった ものの、ドル円は 29 日に戻り高値 111.83 を記録した。もっとも、 月末にかけ、改めて米国が対中追加制裁関税を課すとの見方が強ま ると、米株式相場が反落し、これに連れてドル円も反落。結局、111 円近辺で越月する見込みとなっている(第 1 図)。 第 1 図:過去 3 ヶ月のドル円相場 (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 8 月の米ドルは、トルコリラ情勢を嫌気したユーロ売り(ドル買 い)の流れを受け、ドル指数でみて一時 2017 年 6 月以来の水準を回 復した(第 2 図)。但し、その局面を除けば、概ね高値圏でのもみ 合いに終始。良好な経済のファンダメンタルズと企業業績を背景に 堅調に推移する米株式相場がドル選好を後押ししたが、依然として 長期金利の低迷が続く中、長短金利差は一段と縮小した5。金利面で の追い風が乏しかったことから、4 月以降のドル高に対する一服感 も見て取れる(第 3 図)。 第 2 図:ドル指数 第 3 図:米長短金利差(10 年国債と 2 年国債の金利差) (資料)Bloomberg より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 (EUR、JPY、GBP、CAD、SEK、CHF に対するドルの名目実効相場。ウェイトは順 にそれぞれ 57.6%、13.6%、11.9%、9.1%、4.2%、3.6%) (資料)Bloomberg、NBER より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 5 過去 3 回の長短金利差逆転後、約 1 年半前後で景気後退に突入した為、長短金利差逆転を景気後退入りのシグナルと警戒す る見方がある。その一方、金融危機後の FRB による国債買い入れなどによって、長期金利が押し下げられている為、足もと の長短金利差の縮小をあまり重視すべきではないとの見方に分かれている。 108.0 110.0 112.0 114.0 6 7 8 9 (円) (月) 85 90 95 100 105 16 17 18 (年) ドル高 ドル安 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18 (%) (年) 景気後退期 2年 10年 10年-2年 材料の整理 ①ドル、高値もみ合いも やや失速気味

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もっとも、そのドル指数は金利との相関が薄れた一方、株式相場 との相関は高まっている(第 4 図)。この為、株式相場が堅調に推 移する限り、ドルも底堅さを維持しよう。米S&P500 指数の予想株価 収益率(予想PER)をみると、好調な企業業績を映じ、急落した今 年の 2 月ほどの割高感はない(第 5 図)。ただ、米トランプ政権は、 中国に対し、追加制裁関税を賦課する可能性が高い。米企業業績へ の悪影響が懸念され、株式相場が軟調に推移するようであれば、為 替市場でのドル高にも変調をきたす可能性がありそうだ。 第 4 図:ドル指数と金利、株価との移動相関(40 営業日平均) 第 5 図:米 S&P500 株価指数の予想 PER

(資料)Bloomberg より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 (資料)Bloomberg より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成

年初来、円の名目実効相場は上昇している(第 6 図)。主要通貨 の中でも円は今年に入り、最も強含んでいる。円高の一因として、 「リスク回避」が挙げられる。但し、VIX指数は 2 月をピークに低 下している為、それだけではないだろう。 ほかにも日本の期待インフレの低迷(実質金利の上昇)が円高要 因とみられる。日銀が「強力な金融緩和の枠組み強化」を決定した 後も、日本の期待インフレは大きく低下。日銀が押し下げを狙う予 想実質金利はむしろ上昇した(第 7 図)。 第 6 図:円の名目実効相場 第 7 図:円の予想実質金利 (=名目金利-予想物価上昇率)

(資料)BIS より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 (資料)Bloomberg より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 (名目金利は 10 年国債利回り、予想物価上昇率は 10 年ブレークイーブン・インフレ 率でそれぞれ代用) -1 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 (月) S&P500指数 米長期金利 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18 (倍) (年) (ITバブル) 75 80 85 90 95 100 16 17 18 (年) (円高) (円安) -0.6 -0.55 -0.5 -0.45 -0.4 -0.35 -0.3 -0.25 -0.2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 (%) (月) ②あまり意識されていな い「円最強

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また、配当金に対する円転需要も円高要因として挙げられよう。 円安材料と指摘される活発な対外直接投資や証券投資だが、結局、 世界最大の対外純資産と日本への資金還流(潜在的な円転需要)と なって跳ね返る。実際、年間約 20 兆円もある第一次所得収支(黒字) の内、7 割~8 割は円転されると見込まれる。その殆どが円転される 貿易収支の黒字と合わせ、対外投資から生じる円売り需要をかなり 吸収しているとみられる。リスク回避姿勢が和らいだ場面では、投 機筋の円売りにより、円安気味に推移することはあっても、そうし た動きがトレンドとして定着するのは難しいだろう。 9 月以降も、市場のリスク回避姿勢を高めそうな材料は多い(第 1 表)。先述した通り、リスク回避が強まったり、和らぐ場面のいず れにおいても、ドルと円が同じ方向に動く為、ドル円の値動きは抑 制されそうだ。但し、リスク回避の場合、「円高>ドル高」となり 易く、ドル円にもいくらか下押し圧力が加わろう。また、円もドル も強い為、クロス円の下げ幅が広がる可能性が高く、ドル円への重 しとなろう。このほか、リスク回避の流れが、米国の株式相場の軟 化に波及する場合もドル円への下押しとなりやすい点に要注意だ。 一方、リスク回避が和らぐと、「円安>ドル安」となりやすく、 ドル円はいくらか強含もう。ただ、そもそもドル安でもあり、ドル 円の上値追いは限定的となりそうだ。 第 1 表:リスク回避に波及しそうな材料と展開 ① トルコ・アルゼンチン情勢 通貨安に歯止めがかからず、他の新興国通貨安へと波及する場合 ② NAFTA(北米自由貿易協定) 再交渉 メキシコとは合意に至ったもののカナダとは決裂する場合(8/31 が事実上の交渉期限) ③ 米国の対中追加制裁関税 米国が対中輸入 2,000 億ドルに追加制裁関税発動を決めた場合。市場は発動を織り込み 切れていないとみられ、米国の株式相場にも下押し圧力が加わるおそれあり。 ④ 日米貿易協議 FFR 9 月の日米首脳会談(日程未定)で今後の方向性が話し合われる見通しだが、そこで米国 が対日圧力を強める場合 ⑤ 自民党総裁選 大方の予想が「安倍三選」となる中で、実際には石破氏が当選した場合。海外勢は一旦、 日本株の持ち高を圧縮する公算大。 ⑥ 英国の EU 離脱協議 EU との交渉に進展がみられず、合意のないまま離脱期限を迎える「無秩序離脱」リスクが 意識される場合。 ⑦ イタリアの予算審議 イタリアの予算審議を通じて、同国の拡張的な財政路線が嫌気される場合。伊国債の利 回りが大幅に上昇する可能性が高い。 ⑧ トランプ政権による相場かく乱 トランプ大統領が FRB の利上げ路線やドル高をけん制する場合。また、いわゆるロシア ゲート問題で何らかの動きがみられる場合。 ⑨ 北朝鮮情勢の不安定化 米国との非核化プロセスが進展せず、米朝とも態度を硬化させる場合。 (資料)三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 9 月のFOMCでは、2015 年 12 月以来 8 度目となる政策金利の引き 上げが見込まれている。ただ、これは織り込み済みの為、市場の反 応は鈍いとみられる。市場の注目は、政策金利の見通し(いわゆる ドットチャートやその中央値)、パウエル議長の記者会見に集まろ ③ドル円の方向感出にく く、クロス円の下落に 注意 ④日米の金融政策

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う。現在、米国の潜在成長率は 1.8%程度とみられている。一方、9 月の利上げ実施後の実質FF金利(=FF金利-インフレ率)は概ねゼ ロ%近辺であり、両者の差(170~180bp程度)が、まだ緩和効果と して残る計算だ。史上最高値圏にある株式相場、第 2 四半期の実質 GDPの伸びが 4.2%(前期比年率換算)を記録したことなどに照らし、 FOMCは今後も緩やかな利上げを継続する姿勢を示そう。一方、パ ウエル議長は、24 日の講演でインフレ加速の兆候はみられないとし た。実際、米国では食品とエネルギー価格を除いたコアのPCEデフ レータでさえ、原油価格の影響を受けているようだ(第 8 図)。そ の原油価格は 7 月上旬を高値に横ばい圏での推移が続いており、次 第に物価への押し上げ効果は和らぐ可能性が高い。また、失業率が 4%を割り込むなど、その逼迫が指摘される労働市場でも、目立った 賃金上昇圧力は確認されていない。足もとの貿易摩擦の影響が、米 経済に与える影響も見通しにくい為、FOMCは概ね前回 6 月に示し た見通しを維持するのではないか(第 2 表)。この為、総じてFOMC 前後でドルの方向性が大きく変わるわけではないとみる。 第 8 図:米コア PCE デフレータと原油先物相場(前年比) 第 2 表:FOMC(6 月)で示された今後の見通し (下段は 3 月)

(資料)Bloomberg より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 (資料)FRB より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 FF 金利加重平均値を除き、全て中央値 一方、本邦では、強力な金融緩和の枠組み強化を決定した後も、 長期金利は安定的に推移している。この為、日銀は 9 月の金融政策 決定会合でも、現状の金融政策を維持し、様子見姿勢を維持しよう。 物価に関する展望レポートもなく、こちらも無風での通過となりそ うだ。 足もとでは、今後とも利上げ継続を示唆するFRBと、低金利継続 を示唆する日銀との間における金融政策のスタンスの違いは大きい。 しかし、米国では物価の伸びが加速しない限り、FOMCが中立水準 とみる 2.875%まで利上げを進めた後、利上げを小休止するとのシナ リオが浮上しかねない6。一方、日銀は過度な低金利や平坦すぎる利 回り曲線による副作用を是正する為、長期金利の弾力化に踏み切っ た。つまり、余程のことがなければ、追加緩和は見込みづらい。逆 6 当方は、2018 年 9 月、12 月、2019 年 3 月の利上げを予想。6 月以降は不確実性が高いと予想している。 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4 14 15 16 17 18 (%) (%) (年) WTI(右) コアPCEデフレータ 2018 2019 2020 Lon ge r Ru n 実質GDPの伸び 2.8 2.4 2.0 1.8 (3月) 2.7 2.4 2.0 1.8 失業率 3.6 3.5 3.5 4.5 (3月) 3.8 3.6 3.6 4.5 PCEデフレータ 2.1 2.1 2.1 2.0 (3月) 1.9 2.0 2.1 2.0 コアPCEデフレータ 2.0 2.1 2.1 -(3月) 1.9 2.1 2.1 -FF金利中央値 2.375 3.125 3.375 2.875 (3月) 2.125 2.875 3.375 2.875 FF金利加重平均値 2.242 2.958 3.308 2.866 (3月) 2.192 2.917 3.325 2.866

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に、長期金利がさほど上がらなければ、副作用の是正効果も見込み にくいことから、今後も緩和姿勢を維持しつつ、より柔軟に長期金 利の上昇を容認する姿勢へと転じる可能性が低くない。こうしてみ ると、日米の金融政策の格差は、ここしばらくの間が最も広く、時 間の経過とともにその差は縮まると見込まれる。足もとでは、既に 名目実効相場での円高が進んでいるが、次第にドル円についても、 緩やかなペースながら、ドル安円高圧力が増していく可能性が高い のではないか。この為、ドル円が四半期毎に 1 円程度の極めて緩や かなペースながら、徐々に軟化するとの従来見通しを維持する。 第 3 表:各四半期毎の予想レンジと期末予想値 9 月 10 月~12 月 1 月~3 月 4 月~6 月 USD/JPY 108.0~113.0 106.0~112.0 104.0~111.0 103.0~110.0 期末予想値 110.0 109.0 107.0 106.0 (予想レンジは四半期中を通じた高値と安値の予想。期末中央値は各四半期末のニューヨーク 17 時時点の予想値) チーフアナリスト 内田 稔

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(2)ユーロ 米欧通商協議とイタリア予算審議の行方に注目 今月のユーロドル相場は 1.1689 で寄り付くと、「ユーロ域内の金 融機関が保有するトルコ向け債権をECBが懸念」との報道をきっか けに、一旦下値を試す展開となった。ユーロドルは、5 月以降のサ ポートラインとみられた 1.15 を割り込むと下げ足を早め、昨年 6 月 以来となる 1.1301 まで軟化した。 但し、その後は全体像が判明するに連れ、市場での過度な警戒感 が和らいだ(第 2 図)。加えて、米長期金利も低迷が続く中、ドル 高も続かず1、ユーロドルは 1.17 台前半まで反発した。もっとも、イ タリアの財政悪化の懸念が重石2となり、ユーロドルは 1.16 台半ばで 方向感に欠ける展開が続いている。 一方、ユーロ円は 130.70 で寄り付いた後、大きく乱高下した。ト ルコ情勢の悪化などから、リスク回避の流れが強まる中、ドル高と 円高を受け、総じてクロス円の下げ幅が広がる中、ユーロ円も 5 月 以来の安値 124.91 まで下落した。リスク回避的な流れが和らいだ場 面で 130 円台後半まで反発したものの、月末にかけ、改めて米中貿 易摩擦の激化が嫌気されると、再び 129円台半ばまで反落している。 第 1 図: ユーロドル相場の推移 第 2 図:与信に占めるトルコ向け与信の割合

(資料)Bloomberg より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (資料)BIS より、三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成

足元のユーロ圏経済は底堅さを保っている。欧州連合統計局が 14 日に発表したユーロ圏の第 2 四半期実質GDP改定値は、前年比プラ ス 2.2%(第 1 四半期はプラス 2.5%)となり、速報値の同プラス 2.1% から上方修正された。 また、IHSマークイットが 23 日に発表したユーロ圏の 8 月購買担 当者景気指数(PMI)は 54.4 となり、前月の 54.3 から小幅に上昇し た。この結果を踏まえ同社は、「ユーロ圏の 2018 年第 3 四半期の経 済成長率は前期と同程度が見込まれる」とコメントした。 1 20 日、トランプ大統領は FRB の金融政策の正常化を批判した。また、中国と欧州が自国通貨を操作していると非難した。 24 日、パウエル FRB 議長は米経済が力強い成長を遂げているとした上で、段階的な利上げを進めていくとの認識を示した。 2 28 日、イタリアのディマイオ副首相は、景気対策の為に財政赤字が EU 規則(国内総生産の 3%以内)を突破する可能性に言及した。 これに対し、イタリアのトリア財務相は、ディマイオ副首相の発言を否定し、EU の規則を違反する計画はないと明言した。29 日、イタリ ア政府が国債の価格下落と格下げを防止する為に、ECB に支援を要請すると関係者の話が報じられた。 1.120 1.140 1.160 1.180 1.200 6 7 8 9 (ドル) (月) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 スペイン フランス イタリア 米国 英国 ドイツ 日本 (%) 対外与信に占めるトルコ向け与信の割合 国内を含む与信全体に占めるトルコ向け与信の割合 8 月のレビュー ユーロ圏で緩やかな経済 成長が続く (2018 年第 1 四半期末時点)

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このようにユーロ圏で緩やかな経済成長が続いていることを受け、 ECBは、6 月決定の方針に沿って金融政策の正常化を進めていくと みられる。9 月の理事会で、資産購入策に関しては、購入額(現在 は毎月 300 億ユーロ)を 10 月から毎月 150 億ユーロに減額し、年内 で新規の資産買い入れを打ち切ることを確認しよう。 但し、利上げ時期を巡るフォワードガイダンスの議論には、新た な進展はなさそうだ3議論の中心は、スタッフ見通しを踏まえつつ、 保護主義によるユーロ圏経済へのリスク検証に留まり、新たな手掛 かりには乏しい会合となる公算が大きい。 先述の通り、トルコ情勢を巡る域内金融機関への懸念が和らいだ 上、投機筋のユーロロングポジション(ネット)も解消した。この 為、ユーロドルの下値不安はかなり後退したといえそうだ。 また、ECB がインフレ見通しを巡る不透明要素として挙げていた EU と米国との通商問題に関しても、協議進展への期待から目先の不 安が幾分後退している4。自動車関税の取扱いが再び取り沙汰される 可能性は残るが、米欧貿易摩擦による景気減速懸念が後退すれば、 緩やかな経済成長が続くとの見方に傾こう。その際、ECB の金融政 策の正常化への期待も徐々にではあるが、高まっていくと考えられ る。ドイツ国債の利回りにもいくらか上昇圧力が加わり、ユーロへ のサポート材料となりそうだ。 一方、9 月にイタリアで予算審議が本格始動する。この為、財政 を巡る先行き不透明感の高まりが改めて意識され、伊独間の国債利 回りのスプレッドは月を通して拡大傾向をたどった。イタリアの財 政悪化が嫌気され、ドイツ国債に資金が流入すると、これがドイツ 国債の利回り低下を通じてユーロドルを下押しする。米FRBは当面、 段階的な利上げを継続する方針を示しているだけに、ドルも底堅く 維持しそうだ。この為、ユーロドルの上値も当面の間、重いとみら れ、しばらく方向感に乏しい時間が続きそうだ。また、市場のリス ク回避姿勢が再び強まれば、ドル高、円高が進むとみられ、8 月同 様、特にユーロ円の軟化に警戒を要そう。 予想レンジと期末予想値 9 月 10 月~12 月 1 月~3 月 4 月~6 月 EUR/USD 1.14~1.20 1.14~1.24 1.16~1.26 1.20~1.30 期末予想値 1.16 1.18 1.20 1.24 EUR/JPY 124.5~131.5 123.0~132.0 123.0~132.0 124.0~133.0 期末予想値 127.6 128.6 128.4 131.4 (予想レンジは四半期中を通じた高値と安値の予想。期末予想値は各四半期末のニューヨーク 17 時時点の予想値) アナリスト 井上 雅文 3 ECB が 23 日に公表した理事会の議事要旨(7 月 25~26 日開催分)によると、政策金利のフォワードガイダンスに関して、 「十分な正確性と、適切な柔軟性とのバランスがうまくとれている」と理事会メンバーが現在の政策効果に満足していたこ とが判明している。 4 30 日、欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)は、EU が関税撤廃対象に自動車を含めて交渉する用意があると発 言した。一方、トランプ大統領は EU が提示した自動車関税撤廃案を拒否する意向であると報じられた。 9 月の ECB 理事会はサプ ライズなし 9 月見通し ユーロドルは底堅さを 増す 今後のリスク要因は、 イタリアの予算審議 ユーロ円の軟化に警戒を 要す

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(3)英ポンド 「合意なき離脱」懸念から下値不安が燻る 8 月のポンド相場は月初に対ドル 1.31 台前半の高値圏で寄り付い た後、月央にかけて下落した。その理由としては、イングランド銀 行(BOE)が大方の予想通り利上げを実施し、次のイベントとして、 EU離脱交渉を巡る先行き不透明感の高まりが意識されたことが挙げ られる。また、トルコに端を発する市場のリスク回避姿勢の強まり も一因となった。ポンドは一時 1.26 台後半と、2017 年 9 月以来の安 値水準まで下落した。しかし、その後は市場のリスク回避姿勢が幾 分和らいだことに加え、7 月小売売上高が事前予想、前月実績をと もに上回る強い結果となったことを契機に反発した。29 日にはバル ニエEU首席交渉官が「他のどの第三国とも交わしたことがないよう な相互関係を英国に提供する用意がある」と述べたことが好感され (詳細後述)、1.30 台前半まで値を戻している(第 1 図)。 ポンドは対ユーロでもEU離脱協議を巡る先行き不透明感の高まり から軟化した。月初 0.89 台前半で寄り付くと、0.88 台後半までユー ロ安・ポンド高が進む場面もみられたが、その後反落した。月末に かけては昨年 9 月以来となる 0.90 台後半までユーロ高・ポンド安が 進んだ後、前述のバルニエ氏の発言を受けて、0.89 台後半に値を戻 している。対円では、月初に 147 円台前半の高値圏で寄り付くと、 月央にかけて安値 142 円台後半まで下落した。その後、月末辞典で は 144 円台後半まで値を戻して推移している。 第 1 図: ポンドドル相場の推移 (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 9 月のポンド相場も、EU離脱協議の進展に注目が集まり、神経質 な値動きが続くとみている。 ポンドは、前述のバルニエ氏発言を好感して反発したが、「合意 なき離脱」のリスクが和らいだとみるのは時期尚早だろう。 英国とEUが合意を目指しているのは、①EU離脱に伴う諸問題に ついての協定案1をまとめること、②将来の関係についての政治的宣 言、の 2 点である。8 月 29 日のバルニエ氏の発言は、②について前 1 アイルランドと北アイルランドの国境管理問題について、法的に機能するバックストップを含めた離脱協定案。 1.240 1.260 1.280 1.300 1.320 1.340 1.360 6 7 8 9 (GBP/USD) (月) 8 月のレビュー EU 離脱協議を巡る先行 き不透明感から神経質な 値動きが続く

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向きな姿勢を示したものと受け取れる。だが、バルニエ氏は「英国 の譲れない一線は尊重する」と英国に理解をしつつも、「選り好み ができる単一市場はない」と「いいとこ取り」を改めてけん制した。 加えて、①の鍵となるアイルランドと北アイルランドの国境管理問 題については、具体的な進展がみられない。そうした中、バルニエ 氏は 8 月 30 日に「EU離脱については(合意なき離脱を含めた)あ らゆる選択肢に備える必要がある」と、合意なき離脱のリスクが依 然残ると示唆した。 このほか、「最終段階に入った」とされる英国とEUの交渉は、10 月下旬まで週次で継続される予定だ。だが、英国・EU双方とも、10 月中に合意に至らない可能性に言及し始めている。このため、11 月 の緊急EU首脳会議召集や、12 月 13 日~14 日のEU首脳会議まで期限 を延長して交渉が続けられることを想定しておきたい。ただし、10 月中との交渉期限は、元々2019 年 3 月末の英国のEU離脱期限から欧 州議会などでの批准手続きに必要な時間を逆算して設定された経緯 にある。そのため、たとえ合意に至る場合も、その時期が遅くなる に連れて、市場の無秩序な離脱への警戒感が高まりやすい点に留意 が必要だ。 9 月のEU離脱協議を見る上で、重要な日程を整理しておく(第 1 表)。①4 日からの英国議会の再開、②20 日の非公式EU首脳会議、 ③23 日~26 日の労働党党大会、④30 日~10 月 3 日の保守党党大会、 である。①、③、④はいずれも英国の国内政治イベントである。特 に④については、昨年はメイ首相が同大会の演説で咳をしたことか ら進退問題に発展したことも記憶に新しい。「合意なき離脱」の懸 念が高まる中で、メイ首相の去就を巡る議論の再燃など、政局リス クが高まりやすい。②については、現時点ではテーマが公表されて いないものの、10 月の交渉期限に向けて、あるいは、11 月までの期 限延長も視野に、首脳レベルでの協議が続くとみられる。8 月のバ ルニエ氏の発言にみられるように、EU側が英国との交渉姿勢を和ら げるかどうかが注目される。鍵を握るのは、独仏首脳とみられるが、 楽観できる材料は現時点ではあまりなさそうだ2 当方のメインシナリオでは、英国とEUの年内合意を見込んでおり、 ポンドは次第に持ち直すと予想している。だが、9 月に関しては、8 月のBOEによる利上げのような支援材料も見出しにくく、EU離脱協 議を巡る先行き不透明感からポンドは神経質な値動きが見込まれ、 下値不安が燻ろう。 2 マクロン仏大統領は、休暇中の 8 月上旬にメイ首相と会談した。その際に、メイ首相は膠着した EU 離脱交渉を打開すべく 支援を求めたが、8 月 28 日にマクロン大統領は「EU の結束が英国との密接な関係に勝る」と、支援を拒否した。また、独 連邦外務省は翌 29 日に「われわれは単一市場を縮小したり、特別の規則を設けたりはしない」と英国を特別扱いする意向 がないとした。

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第 1 表: EU 離脱交渉関連イベントスケジュール (資料)BOE より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 シニアアナリスト 亀井 純野 日付 内容 2018年8月2日 BOE金融政策委員会、四半期インフレ報告 2018年8月3日 メイ首相とマクロン仏大統領が非公式会合を開催 2018年8月16~17日, 21~22日 英国とEUの離脱交渉 2018年8月31日 英国とEUの離脱交渉 2018年9月4日 英国議会が夏期休会明け 2018年9月13日 BOE金融政策委員会 2018年9月13日 ECB定例理事会 2018年9月13日 英国議会が党大会のため休会(~10月8日) 2018年9月20日 EU首脳会議(非公式) 2018年9月23~26日 労働党党大会 2018年9月30~10月3日 保守党党大会 2018年10月9日 英国議会が党大会後再開 2018年10月18~19日 EU首脳会議 2018年10月中 EUが想定する英国との交渉終了時期 2018年10月25日 ECB定例理事会 2018年11月1日 BOE金融政策委員会 2018年11月6日 英国議会が11月の休会(~11日) 2018年11月12日 英国議会が再開 2018年11月中旬 英国秋季財政報告 2018年12月13~14日 EU首脳会議 2018年12月20日 BOE金融政策委員会 2018年12月20日 英国議会がクリスマス休会(~2019年1月6日) 2018年12月~2019年1月 英国議会がEUとの離脱及び離脱後の協定案についての採決を実施 2019年1月7日 英国議会がクリスマス休会明け 2019年2月1日 BOE金融政策委員会、四半期インフレ報告 2019年3月21~22日 EU首脳会議 2019年3月29日 英国がEUを離脱 2020年12月31日 移行期間が終了(予定)

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(4)豪ドル 政治リスクが上値を抑える 豪ドルの対ドル相場は、8 月上旬こそ 0.74 を挟んだ水準で概ね横 ばい圏での値動きが続いたものの、中旬以降は一段安の展開となっ た。特に、10 日にトルコリラが急落すると、豪ドルも連れ安となり、 断続的に下げ幅を拡大。15 日には昨年 1 月以来の安値となる 0.7203 まで下落した。米中通商協議再開などもあって、21 日にかけて 0.73 台後半まで反発するも、今度は国内政治の混乱から 23 日には再び 0.72 台前半に急落。翌 24 日には反発したが、0.73 台半ばまでで上値 は重く、本稿執筆時点では 0.72 台半ばまで押されている。 エネルギー政策を巡り、ターンブル首相が与党自由党内で急速に 求心力を失い辞任に追い込まれた。党内からの辞任要求を受けて 8 月 21 日に急遽実施された党首選では辛くも勝利を収めたものの、複 数の閣僚が辞任するなど混乱が続き、結局辞任に追い込まれた格好 だ。党内保守派最右翼と目されるダットン前内務相が後継首相と有 力視されたことで、移民政策の厳格化や対中国政策の強硬化の懸念 が強まり、株安、豪ドル安が進行した。24 日の出直し党首選では、 下馬評を覆し、ターンブル政権で財務相を務めたモリソン氏が勝利。 同日中に首相に就任し、政策スタンスの急変が回避されたとの見方 から、国内金融市場の動揺も一服した。もっとも、国内政治情勢は 来年 5 月までに実施される総選挙まで、豪ドル相場の上値を抑える 材料となりそうだ。世論調査が示唆するように、次期総選挙では野 党労働党が政権を奪取するとの見方が優勢となるなか、モリソン新 政権が支持を回復できるかは不透明感が高い。そのため、来年前半 にかけての豪ドル予想レンジを下方修正するのが妥当だろう。翻っ て、先月号で指摘の通り、短期金利は上昇しやすい環境が続き、8 月 29 日には地場銀が住宅ローン金利の引き上げを発表した。この動 きを受け、仮に 9 月 4 日の準備銀理事会で低金利政策の副作用への 言及がなされると、利上げ観測が高まり、豪ドルが持ち直す可能性 に留意が必要だ。 第 1 図: 二大政党支持率 第 2 図: 政策金利と 3 か月物、6 か月物銀行間金利

(資料)The Australian より三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (資料)RBA、豪金融市場委より三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 シニアアナリスト 井野 鉄兵 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60

Jan-13 Jul-13 Jan-14 Jul-14 Jan-15 Jul-15 Jan-16 Jul-16 Jan-17 Jul-17 Jan-18 Jul-18 (%) 保守連合(自由党+国民党+他) 労働党 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4 2.6 2.8 3

Jan-15 Jul-15 Jan-16 Jul-16 Jan-17 Jul-17 Jan-18 Jul-18 (%)

3か月物 6か月物 政策金利

8 月のレビュー

来年の総選挙に向けて首 相交代

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一時的な物価の上振れと束の間の楽観 (5)カナダドル 8 月のカナダドル(対米ドル相場)は途中弱含みながらも上昇し た。サウジアラビアとの関係悪化1やトルコリラの急落を背景に月半 ばに掛けては軟調に推移したが、17 日に発表された消費者物価指数 (CPI)が市場予想を上回るとカナダドル高の流れへと傾斜(詳しく は後述)。その後、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の発言 やNAFTA再交渉を巡る米国とメキシコの大筋合意を手掛かりにカナ ダドルを買う動きが強まり、28 日には 1 米ドル=1.288 カナダドルと 6 月 6 日以来の水準まで上昇している。 7 月のCPIは前年比+3.0%と前月(同+2.5%)からプラス幅を拡大さ せ、中銀のインフレ目標(同+1.0~+3.0%)の上限に達した(第 1 図)。 もっとも、内訳を見ると航空輸送(同+28.2%)やエネルギー(同+14.2%) が押し上げの主因であるため、一時的な振れという側面が大きい。 実際、コアCPI2は同+2.0%近傍での推移が続いており、安定感が窺え る。景気指標がまちまちであることも踏まえると、差し当たり中銀 がインフレに対する警戒を強める必要性は低いだろう。 中銀が漸進的な利上げ方針を維持する状況下、カナダドルは上昇 基調を辿ると予想する。ただし、年内残り 1 回の利上げはすでに織 り込まれているため、上昇の勢いは限られそうである(第 2 図)。 むしろ、NAFTA再交渉を巡る楽観的なムードの後退など、当面は カナダドル売りの材料に注意を要する。確かに協議は前進したが、 トランプ大統領がカナダに対する圧力を弱めた訳ではない。また、 サウジアラビアとの対立について同氏が口を挟む可能性も排除でき ず、引き続きトランプ・リスクがカナダドルの重石となるだろう。 第 1 図: 消費者物価指数の推移 第 2 図: 市場の政策金利見通し (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (注)金利先物の価格から算出。 (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 シニアアナリスト 石丸 伸二 1 8 月 2 日、カナダのフリーランド外相が 7 月にサウジアラビアが人権活動家を逮捕したことを批判。サウジアラビアは 5 日 にカナダとの貿易・投資取引の凍結を発表し、7 日には中銀と年金基金によるカナダ資産の売却方針が報じられた。 2 カナダ中銀は物価の基調を示すコア CPI として加重平均、トリム平均、共通成分の 3 指標を採用している。 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 10 11 12 13 14 15 16 17 18 加重平均 トリム平均 共通成分 CPI (前年比、%) (年) インフレ目標 1%~3% 1.53 1.72 1.79 1.50 1.54 1.69 1.71 1.45 1.50 1.55 1.60 1.65 1.70 1.75 1.80 1.85 7/11 9/5 10/24 12/5 2018 2018年8月29日時点 2018年7月30日時点 (%) 8 月のレビュー 一時的に上振れするも物 価の基調は安定 利上げが漸進的であるた めカナダドル高の勢いは 限定的 トランプ・リスクが重石 に

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(6)人民元 一旦下落一服も燻り続ける下落リスク オンショア人民元(以下、人民元)の対ドル相場は、月初 6.8220 で寄り付いた。同日に月間高値 6.7862 をつけたが、米国が中国から の輸入品 2,000 億ドル相当へ賦課する予定の制裁関税の税率を、当 初の 10%から 25%に引き上げることを表明したことなどを材料に、 前月からの下落の流れが継続、3 日に 6.9 手前まで下落した。同日夜 に中国人民銀行が、金融機関が顧客との人民元売り外貨買い予約取 引を行なう際に外貨リスク準備金の積み立てを義務付けることを表 明。すると、翌週にかけて 6.8 台前半での保ち合い推移となったが、 トルコリラの急落によりグローバルに新興国通貨売りドル買いの流 れが強まると、人民元も下落を再開し、15 日に月間安値 6.9340 をつ けた。もっとも 16 日に中国人民銀行による一部オフショア人民元流 動性の引き締め措置が実施されると、人民元は反発に転じた。22 日 ~23 日にワシントンで開催された米中次官級通商協議が目立った成 果も無く終了すると、一時下落方向へ推移したものの、24 日に中国 人民銀行が人民元基準値の設定に際して反循環的要素を導入して人 民元安抑制を図るスタンスをみせると人民元は急騰し、人民元高の 流れが続いた。月末にかけては、企業によるドル買い需要などもあ り、人民元は再び反落し、本稿執筆時点では 6.83 近辺で推移してい る(第 1、2 図)。 第 1 図 : 人民元対ドル相場(2018 年 7 月 1 日~8 月 31 日) 第 2 図 : 人民元対ドル相場(2005 年以降) (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (注)8 月 31 日午前 11 時 00 分時点 (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 8 月の人民元対ドル相場は、当初前月からの下落が継続したが、 月半ばに一服して反発地合いに転じた。安値(6.9340)では 16 年末 につけた直近最安値(6.9666)のすぐ手前まで下落したが、月後半 の反発により結果的には下に行って来いの展開となった(第 1 図)。 値動きからすると、6 月後半から然程大きな押し目も無く下落して 来たが、漸く流れに変化がみられて来た。この間、ドルの名目実効 レートは月前半にさらなる上方動意をみせた後、月後半には反落し ており、こちらは上に行って来いの形となっていた(第 4 図)。今 月の人民元対ドル相場の動きは、こうしたドルサイドの動きを反映 6.55 6.60 6.65 6.70 6.75 6.80 6.85 6.90 6.95 18/07 18/08 (CNY) 今月 (CNY) ドル高人民元安 6 6.5 7 7.5 8 8.5 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 (CNY) ドル高人民元安 8 月のレビュー 6 月中旬から続いて来た 人民元下落の流れに変化 の兆し

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していた面もある。しかし、人民元名目実効レートをみても、前月 までの急落が今月に入り一服して安値保ち合いに転じており、やは り相場の流れに変化が見え始めている(第 3 図)。こうした流れの 変化は、前月号で指摘した最近の人民元下落の 2 つの大きな要因、 すなわち①解決の目処が立たない米中通商摩擦と、②人民元急落に 対して中国当局が目立った対策を採っていないこと、のうち後者② について今月は大きな動きが見られて来たためだ。 第 3 図 : 人民元名目実効レート(2017 年以降) 第 4 図 : ドル名目実効レート(2017 年以降) (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (注)CFETS 公表の各通貨基準レートと通貨バスケット構成ウェイトに基づき作成 (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 中国当局は、8 月に入り相次いで人民元安抑制策を発動した。ま ず 3 日に金融機関が顧客と人民元売り外貨買い予約取引を契約する 際に、契約額の 20%相当を外貨リスク準備金として中国人民銀行に 無利子で 1 年間積み立てることを義務付けた(第 5 図)。この措置 により、対象金融機関にとって顧客より人民元売り外貨買い予約を 受けた際の取引コストが、今後この無利子準備金の機会費用分増加 することから、このコストが顧客向けレートにも一部織り込まれ、 顧客の人民元売り外貨買い取引を抑制する効果を持つ。 16 日には中国人民銀行の上海支店が、商業銀行に対して、自由貿 易試験区(FTZ)制度を通じたオフショアでの人民元預金・貸出業 務について、一部銀行間取引口座使用を禁止したと報道された。こ れを受け、オフショア人民元(CNH)のHibor1 ヶ月物などは小幅に 上昇(第 6 図)、オフショア人民元の流動性引き締まりとその売り 持ちコスト上昇が、オンショア人民元の上昇にも波及した。 さらに 24 日には、中国人民銀行が、毎朝現地時間 9 時 15 分に公 表される人民元基準値の計算に際して、人民元高要因となる反循環 的要素を導入することを表明した。現在人民元基準値は、内外 14 の 民間銀行が参照レート提示行として、一定の計算ロジックに従って 算出した基準値の推定値を人民銀行傘下の外貨取引センター(中国 外為中心、China Foreign Exchange Trade System:CFETS)に提出し、 CFETSはこれを元に毎日の人民元基準値を決定している。この計算 97 98 99 100 101 102 103 104 17/01 17/04 17/07 17/10 18/01 18/04 18/07 <2016年半ば以降のレンジ> (2017年初=100) 人民元高 2018/8/24:人民元安抑制のための反 循環的要素を再導入 2016/8/16:オフ ショア人民元の 流動性を一部引 き締め 2018/8/6:人民元売り外貨買い予約取 引について外貨リスク準備金積み立て を義務付け 2018/1/10:人民元安抑制のための反 循環的要素を中立化 2017/5/26:人民元安 抑制のための反循環 的要素を導入 2017/9/8:外貨リスク準備金積み立て 義務撤廃 87 89 91 93 95 97 99 101 103 105 17/01 17/04 17/07 17/10 18/01 18/04 18/07 ドル高 (ポイント) 今月 中国当局は 8 月に入り相 次いで人民元安抑制策 を発動~①外貨リスク準 備金 ②オフショア人民元流動 性の引き締め ③人民元基準値への非 循環的要素の導入

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ロジックに人民元高要因となる反循環的要素を入れることになり、 今後基準値に人民元高バイアスがかかることになって来よう(第 7 図)。 第 5 図: 8 月 3 日に中国人民銀行により公表された外貨リスク準備措置の概要 ①外貨リスク準備金の対象となる業務範囲 (1)オンショア金融機関が取り扱う顧客向け人民元先物売り取引 (2)オフショア金融機関が取り扱う、(1)と同様な取引に伴うオンショア銀行間外為市場で発生するカバー取引 (3)人民元売買代理行業務における(1)と同様な取引 ②2018 年 8 月 6 日より、外貨リスク準備金を 20%とする(調整前は 0%) (資料)中国人民銀行などより、MUFG バンク(中国)有限公司環球金融市場部作成 第 6 図 : オフショア人民元(CNH)Hibor1 ヶ月物 第 7 図 : 人民元基準値の計算ロジック概要 (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 実はこれらの措置は、今回初めて導入された措置ではない。外貨 リスク準備金は、2015 年 8 月の人民元切り下げ後に導入され、2017 年 9月に撤廃された。オフショア人民元の流動性引き締め措置も 2017 年初などに行なわれている。また、基準値計算ロジックへの反循環 的要素も 2017 年 5 月に導入された後、2018 年 1 月に撤廃(正確には 中立化)されている。前回これらの措置が導入された後の人民元相 場の推移をみると、外貨リスク準備金とオフショア人民元の流動性 引き締め措置は、相場の流れに然程大きな影響を与えたようには見 えない。2017 年 5 月の反循環的要素の導入後は人民元高に転じてい るが、この時はドルが下落トレンドに転じており、その影響が強かっ た可能性も排除できない。こうした措置は、それ自体の効果よりも、 当局によるアナウンスメント効果、すなわち市場の期待形成に影響 を与えられるかがより重要と考えられる。この点、今回の各種措置 は、人民元相場が対ドルで 1 ドル=7 人民元、名目実効レートで、均 衡水準に近いと推定される1 2016 年半ば以降形成して来たレンジの下 限といった節目を前に発動された。こうしたタイミングでの相次ぐ 発動により、少なくとも目先は節目の割り込みを防ぐという当局の スタンス・メッセージが、市場の期待・相場形成に一定の影響を与 えた可能性があろう。 1 IMF の年次評価によると、中国人民元は実質実効レートベースで、2015 年以降概ね長期的な均衡値に達しているとされてい る。 0 2 4 6 8 10 12 14 16 14/01 14/07 15/01 15/07 16/01 16/07 17/01 17/07 18/01 18/07 (%) (資料)CFETSより三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 通貨バスケット 価格の変化 各行独自係数 反循環的要素 前日終値 (前日16:30時点) 各行の基準値参考レート こうした人民元安抑制策 は市場の期待に一定の影 響を与えた可能性

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米中通商摩擦については、8 月も解決に向けた動きは依然として 見られなかった。1 日には米国が中国からの輸入品 2,000 億ドル(第 3 弾)に対する制裁関税の税率を、当初の 10%から 25%へと引き上 げることを表明(第 8 図)。7 日には米国が中国からの輸入品 160 億ドル(第 2 弾)への 25%への制裁関税賦課を 23 日から発動するこ とを決定した。すると翌 8 日に中国も同規模の米国に対する制裁関 税措置を決定し、23 日には予定通り両国が関税措置を発動した。22 日~23 日には王受文中国商務次官がワシントンを訪問してマルパス 米財務次官と通商協議を行なったが具体的な進展は見られなかった 模様だ。トランプ大統領は、中国との貿易戦争は無期限に行なうと の趣旨の発言を行なうなど、強硬姿勢が修正される気配はみられな い。中国は為替操作を行なっているとも発言しており、実際 22~23 日の協議でも為替問題が協議されたと報じられた。今後通商問題が 為替レートの議論に飛び火しないか一定の注意も必要になって来た。 第 3 弾の 2,000 億ドルへの 25%の制裁関税賦課については、パブリッ クコメント聴取期間が 9 月 6 日に終了するため、それ以降いつ正式 発動スケジュールが公表されても不思議ではない。 第 8 図 :米国による対中制裁関税措置 (資料) 三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 今月公表された中国主要月次指標は、総じて低調な内容となり、 中国経済が足元緩やかに減速する方向にあることを示唆する内容と なった(第 9 図)。通商摩擦の影響はまだ顕在化しておらず、7 月 分輸出(前年比)は引き続き底堅い伸びを示したものの、7 月分工 業生産(前年比)は前月から不変に止まると共に、7 月分社会消費 財小売額(前年比)や 7 月分固定資産投資額(年初来前年比)は軒 並み減速。特に後者は、1999 年の統計開始以来最も低い伸びとなっ 第1弾 340億ドル 第2弾 160億ドル 第3弾 2,000億ドル 第4弾 3,000億ドル 3月22日 4月3日 6月15日 6月18日 7月5日 7月6日 7月10日 8月1日 8月7日 8月23日 9月以降 中国からの輸入品500億ドルに25%の制裁関税賦課を 表明 対象品目案を公表 発動 発動を決定 発動を決定 10%の制裁関税検討を 指示 全輸入品への拡大示唆 対象品目案を公表 税率を25%に引き上げ 発動 発動へ 米中摩擦は依然解決の 見通しは立たず、引き続 き人民元安リスク 経済指標は中国経済が 緩やかに減速する方向に あることを示唆

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た。債務削減策のためのインフラ投資減少などによるものだが、通 商摩擦による予想外の景気下押しリスクが浮上する中、中国当局は、 構造改革は進めつつも、より景気支援に配慮する方向へ政策の軸足 をシフトしつつある。こうした中、本日発表された 8 月分製造業/非 製造業PMIは前月から小幅に回復しており、マインド面は依然底堅 さを維持していることを示唆する内容となった。 第 9 図 : 中国の主要経済指標推移 (資料) 中国国家統計局、Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (注)青色の部分は前月から伸び率が低下した項目 8 月に相次ぎ発動された人民元安抑制策は、市場が意識する節目 を前にしたタイミングであったこともあり、一先ず市場の期待形成 に一定の影響を及ぼしているようで、人民元相場は名目実効レート ベース、及び対ドルで一旦下げ止まった可能性がある。人民元が目 先再び 1 ドル=7 人民元などの節目に向かって下落する場合、追加の 人民元安抑制策への期待が相場を支えることが想定されると共に、 実際に当局が追加策を発動する可能性も十分にあろう。ドルは、8 月後半からリスク選好が回復する中で反落地合いにあるが、一部新 興国通貨が引き続き不安定に推移する中で、9 月は横ばい基調へ転 じて来るとみている。以上より 9 月の人民元の対ドル相場は、節目 の 1 ドル=7 人民元を前に踏み止まり、安値圏での保ち合い推移を予 想する。但し、米中通商摩擦は引き続き人民元安リスクとして燻り 続ける。中国からの 2,000 億ドルの輸入品に対する制裁関税賦課は 既にある程度市場に織り込まれていると思われるものの、正式発動 決定に市場が予想以上にネガティブに反応するリスクには念のため 留意しておきたい。その場合、1 ドル=7 人民元などの節目の維持が 試される状況となろう。米中摩擦の最終的な落しどころが見えない 中、年末に向けて 1 ドル=7 人民元割れも含めて再び下落圧力が高ま るリスクも依然みておく必要があろう。 予想レンジ 9 月 10 月~12 月 1 月~3 月 4 月~6 月 USD/CNY 6.60~6.99 6.70~7.05 6.70~7.05 6.75~7.10 CNY/JPY 15.5~17.0 15.1~16.7 14.8~16.4 14.6~16.2 シニアアナリスト 橋本 将司 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 実質GDP成長率(前年比:%) - -社会消費財小売総額(前年比:%) 9.4 - - 10.1 9.4 8.5 9.0 8.8 -固定資産投資(年初来、前年比:%) 7.2 - 7.9 7.5 7.0 6.1 6.0 5.5 -工業生産(前年比:%) 6.2 - - 6.0 7.0 6.8 6.0 6.0 -製造業PMI(インデックス) 51.6 51.3 50.3 51.5 51.4 51.9 51.5 51.2 51.3 非製造業PMI(インデックス) 55.0 55.3 54.4 54.6 54.8 54.9 55.0 54.0 54.2 輸出(前年比:%) 10.8 ▲ 2.8 12.6 12.1 11.2 12.2 -輸入(前年比:%) 4.6 14.4 21.5 26.0 14.1 27.3 -消費者物価(前年比:%) 1.8 1.5 2.9 2.1 1.8 1.8 1.9 2.1 -6.7 21.6 2017年 6.8 6.8 24.0 2018年 9 月の人民元相場は一旦 1 ドル=7 人民元で下げ止 まりも、先行き下落リス クは引き続き燻る

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予想レンジ 9 月 10 月~12 月 1 月~3 月 4 月~6 月 USD/JPY 108.0~113.0 106.0~112.0 104.0~111.0 103.0~110.0 EUR/USD 1.14~1.20 1.14~1.24 1.16~1.26 1.20~1.30 EUR/JPY 124.5~131.5 123.0~132.0 123.0~132.0 124.0~133.0 GBP/USD 1.245~1.345 1.270~1.380 1.330~1.450 1.360~1.500 EUR/GBP 0.870~0.930 0.860~0.930 0.840~0.920 0.830~0.920 GBP/JPY 138.0~148.0 137.0~151.0 139.0~152.0 140.5~154.0 AUD/USD 0.700~0.765 0.700~0.780 0.710~0.800 0.720~0.810 AUD/JPY 77.5~83.5 76.5~84.0 76.5~84.5 76.5~85.0 USD/CAD 1.25~1.34 1.24~1.35 1.22~1.33 1.19~1.31 CAD/JPY 82.0~87.0 81.0~87.3 80.6~87.5 80.4~87.5 USD/CNY 6.60~6.99 6.70~7.05 6.70~7.05 6.75~7.10 CNY/JPY 15.5~17.0 15.1~16.7 14.8~16.4 14.6~16.2 (1)ドル円 (2)ユーロ 90 100 110 120 130 14 15 16 17 18 19 (年) 1.00 1.10 1.20 1.30 1.40 1.50 14 15 16 17 18 19 (年) 対ドル 100 110 120 130 140 150 160 14 15 16 17 18 19 (年) 対円

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(3)英ポンド (4)豪ドル (5)カナダドル (6)人民元 (注) 網掛け部分は当面の予想レンジ (資料)Bloomberg より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 120 140 160 180 200 14 15 16 17 18 19 (年) 対円 1.10 1.30 1.50 1.70 1.90 14 15 16 17 18 19 (年) 対ドル 70 80 90 100 110 14 15 16 17 18 19 (年) 対円 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 14 15 16 17 18 19 (年) 対ドル 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 14 15 16 17 18 19 (年) 対ドル (( (( ( 75 80 85 90 95 100 105 110 14 15 16 17 18 19 (年) 対円 ( ( ( ( ( ( 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 14 15 16 17 18 19 (年) 対円 6.00 6.20 6.40 6.60 6.80 7.00 7.20 14 15 16 17 18 19 (年) 対ドル

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マーケットカレンダー 月 火 水 木 金 2018/9/3 4 5 6 7 日/法人企業統計(2Q) 米/ISM 製造業景気指数(8 月) 米/貿易収支(7 月) 米/ADP 雇用統計(8 月) 米/雇用統計(8 月) 建設支出(7 月) ユーロ圏/小売売上(7 月) ISM 非製造業景気指数(8 月) 独/鉱工業生産(7 月) 自動車販売(8 月)* 加/金融政策決定会合 製造業受注指数(7 月) 貿易収支(7 月) ユーロ圏/生産者物価指数(7 月) 中/貿易収支(8 月)[8 日] 豪/RBA 理事会 日/家計調査(7 月) 景気動向指数速報(7 月) 米・ボストン連銀総裁挨拶 米・クリーブランド連銀総裁討論会 米・ダラス連銀総裁講演 米・シカゴ連銀総裁講演 日・自民党総裁選告示 日・黒田日銀総裁講演 ユーロ圏財務相会合 米市場休場 米・シカゴ連銀総裁討論会 米・ミネアポリス連銀総裁講演 米・ニューヨーク連銀総裁談話 EU 経済・財務相理事会(~8 日) 10 11 12 13 14 米/消費者信用残高(7 月) 米/求人労働異動調査(7 月) 米/地区連銀経済報告 米/消費者物価指数(8 月) 米/小売売上(8 月) 中/消費者物価指数(8 月) 独/ZEW 景況指数(9 月) 生産者物価指数(8 月) 財政収支(8 月) 輸出入物価指数(8 月) 生産者物価指数(8 月) ユーロ圏/鉱工業生産(7 月) ユーロ圏/ECB 理事会 鉱工業生産(8 月) マネーサプライ M2(8 月)* 英/MPC(BOE 金融政策委員会、 ECB 総裁定例会見 設備稼働率(8 月) 日/GDP 改定(2Q) ~13 日) 英/MPC(BOE 金融政策委員会) 企業在庫(7 月) 国際収支速報(7 月) 日/法人企業景気予測調査(3Q) MPC 議事録 ミシガン大消費者物価指数 景気ウォッチャー調査(8 月) 日/機械受注(7 月) 速報(9 月) ユーロ圏/貿易収支(7 月) 中/鉱工業生産(8 月) 小売売上(8 月) 都市部固定資産投資(8 月) 米・アトランタ連銀総裁講演 米・セントルイス連銀総裁講演 米・アトランタ連銀総裁講演 欧州議会本会議(~13 日) 米・3 年債入札 米・10 年債入札 米・30 年債入札 17 18 19 20 21 米/NY 連銀景況指数(9 月) 米/証券投資収支(7 月) 米/経常収支(2Q) 米/フィラデルフィア連銀景況 ユーロ圏/製造業 PMI 速報(9 月) 日/日銀金融政策決定会合 住宅着工件数(8 月) 指数(9 月) サービス業 PMI 速報(8 月) (~19 日) 建設許可件数(8 月) 景気先行指数(8 月) 日/消費者物価指数(全国、8 月) ユーロ圏/EU 新車登録台数 中古住宅販売(8 月) (7、8 月) ユーロ圏/消費者信頼感指数 経常収支(7 月) 速報(9 月) 日/日銀金融政策決定会合 日銀総裁定例会見 貿易収支速報(8 月) 米・10 年 TIPS 債入札 日・自民党総裁選投開票 日市場休場 国連総会(~30 日) EU 首脳会議(非公式) 24 25 26 27 28 米/FOMC(~26 日) 米/FOMC 米/GDP 確報(2Q) 米/個人所得・消費支出(8 月) ケース・シラー住宅価格指数 FRB 議長定例記者会見 卸売在庫速報(8 月) シカゴ PM 景況指数(9 月) (7 月) 新築住宅販売(8 月) 製造業受注指数速報(8 月) ユーロ圏/消費者物価指数速報 FHFA 住宅価格指数(7 月) 耐久財受注速報(8 月) (9 月) CB 消費者信頼感指数(9 月) ユーロ圏/マネーサプライ M3 中/製造業 PMI(9 月) 日/日銀金融政策決定会合 (8 月) 日/日銀金融政策決定会合 議事要旨(7/30, 31 分) 欧州委員会景況指数(9 月) 主な意見(9/18, 19 分) 独/消費者物価指数(9 月) 完全失業率(8 月) 小売売上(8 月)* 消費者物価指数 (都区部、9 月) 鉱工業生産速報(8 月) 住宅着工戸数(8 月) 米・ニューヨーク連銀総裁講演 米・NABE 年次総会[29~2 日] 日・安倍首相の自民党総裁 米・2 年債入札 日・黒田日銀総裁講演 任期満了[30 日] 日市場休場 米・5 年債入札 米・7 年債入札 日・沖縄県知事選投開票[30 日] *印は作成日(8/31)現在で日程が未確定のもの (資料)各種報道等より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成

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為替相場推移表 平成 30 年 8 月

U$/円 U$/円 EUR/円 SF/円 £/円 A$/円

日付 寄付 高値 安値 終値 公表相場 公表相場 公表相場 公表相場 公表相場 8 月 1 日 111.83 112.15 111.39 111.72 111.84 130.74 112.89 146.64 83.02 8 月 2 日 111.64 111.74 111.31 111.64 111.73 130.25 112.60 146.58 82.70 8 月 3 日 111.71 111.85 111.11 111.29 111.81 129.53 112.26 145.57 82.31 8 月 6 日 111.23 111.53 111.17 111.40 111.24 128.59 111.83 144.62 82.24 8 月 7 日 111.34 111.48 110.99 111.37 111.32 128.65 111.69 144.10 82.23 8 月 8 日 111.35 111.44 110.84 110.95 111.45 129.28 111.97 144.23 82.76 8 月 9 日 110.90 111.17 110.71 111.06 110.91 128.70 111.61 142.75 82.36 8 月 10 日 111.09 111.13 110.51 110.93 110.92 127.90 111.61 142.39 81.77 8 月 13 日 110.63 110.95 110.11 110.73 110.56 125.89 111.16 141.04 80.48 8 月 14 日 110.65 111.31 110.59 111.16 110.78 126.29 111.45 141.33 80.54 8 月 15 日 111.26 111.43 110.44 110.75 111.40 126.33 111.93 141.61 80.52 8 月 16 日 110.58 111.12 110.46 110.89 110.61 125.44 111.33 140.45 80.03 8 月 17 日 111.01 111.05 110.32 110.50 110.89 126.08 111.15 141.03 80.51 8 月 20 日 110.49 110.68 110.02 110.07 110.56 126.41 111.13 140.88 80.79 8 月 21 日 109.95 110.55 109.78 110.32 109.90 126.63 111.20 140.83 80.75 8 月 22 日 110.12 110.62 110.03 110.54 110.20 127.58 111.96 142.24 81.15 8 月 23 日 110.59 111.32 110.55 111.31 110.78 128.12 112.55 142.81 81.04 8 月 24 日 111.37 111.49 111.10 111.24 111.51 128.72 113.02 142.80 80.87 8 月 27 日 111.29 111.34 110.94 111.06 111.20 129.36 113.16 142.97 81.59 8 月 28 日 111.14 111.35 110.95 111.19 111.23 130.04 113.56 143.43 81.75 8 月 29 日 111.15 111.83 111.13 111.68 111.23 129.94 113.85 143.04 81.65 8 月 30 日 111.69 111.75 110.95 111.00 111.76 130.76 115.09 145.58 81.63 8 月 31 日 111.06 129.56 114.70 144.56 80.59 月間平均 111.05 111.33 110.70 111.04 111.08 128.30 112.33 143.11 81.45

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照会先:三菱UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ チーフアナリスト 内田 稔 当資料は一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定のお客様のニーズ、財務状況又は投資対象に対応することを意図しておりません。 また、当資料は、適用法令上許容される範囲内でのみ利用可能であり、当資料の頒布を制約する法令が存在する地域の方によって利用されることを意図して おりません。当資料内のいかなる情報又は意見も、預金、有価証券、デリバティブ取引その他の金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨するもので はありません。 当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当行はその正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではなく、当 行、その子会社又は関連会社は、お客様による当資料の利用等に関して生じうるいかなる損害についても責任を負いません。ご利用に関しては、すべてお客 様御自身でご判断下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。 また、過去の結果が必ずしも将来の結果を暗示するものではありません。 当行は、当資料において言及されている会社と関係を有し、又はかかる会社に対して金融サービスを提供している可能性があります。当行のグループ会社 は、当資料において言及されている証券又はこれに関連する証券について権利を有し、又はこれらの証券の引受けを行っている可能性があり、また、これら の証券又はそのポジションを保有している可能性があります。 当資料の内容は予告なしに変更することがあり、また、当行、その子会社又は関連会社は、当資料を更新する義務を負っておりません。また、当資料は著 作物であり、著作権法により保護されております。当行の書面による許可なく複製又は第三者、個人顧客もしくは一般投資家への配布をすることはできませ ん。 (株式会社三菱UFJ銀行ロンドン支店のみに適用される情報開示) 株式会社三菱UFJ銀行(以下「MUFG Bank」)は、日本で設立され、東京法務局(会社法人等番号 0100-01-008846)において登記された有限責任の株式会社で す。 MUFG Bankの本店は、東京都千代田区丸の内二丁目 7 番 1 号(郵便番号 100-8388)に所在しています。 MUFG Bankロンドン支店は、英国会社登録所において、英国支店として登録されています(登録番号BR002013)。

MUFG Bankは、日本の金融庁によって認可及び規制されています。MUFG Bankロンドン支店は、英国プルーデンス規制機構より認可を受けており(FCA/PRA 番号 139189)、英国金融行為監督機構の規制とプルーデンス規制機構の限定された規制の対象となっています。英国プルーデンス規制機構によるMUFG Bank ロンドン支店の規制の範囲の詳細は、ご請求いただいた方にお渡ししております。

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