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第2子誕生後1か月時における母親のとらえた第1子の反応

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J. Jpn. Acad. Mid., Vol. 18, No. 2, pp. 9-20, 2004. 12

第2子 誕生 後1か 月時 にお け る

母 親 の とらえた第1子 の反応

Mother's

interpretation

of the

elder

child's

reaction

to a one-month-old

sibling

保 田 ひ と み(Hitomi BODA)* 抄 録 目 的 第2子 誕 生後1か 月 時 にお け る母 親 の と ら えた第1子 の 反 応 に つ い て,母 親 が 第1子 の どの よ うな 感 情 の表 れ で あ る と理 解 して い るか につ い て 明 らか に す る。 対 象 お よび 方 法 妊 娠36週 以 降 に健 康 な 第2子 を出産 した母 親15人 に対 し,産 後1か 月 健 診 以 降2か 月未 満 の 時 期 に, 半構 成 的 面 接 を行 い 質 的 に分 析 した 。 結 果 第2子 誕 生 後1か 月 時 にお け る母親 の とらえ た第1子 の 反 応 は,【 第2子 へ の 反応 】,【母 親 ・親 密 な人 へ の 反 応 】 お よ び 【第1子 自身 の 反 応 】 の3つ の 対 象 別 に分 類 され た 。 【第2子 へ の 反 応 】 に は,[い た わ る存 在 で あ る こ との理 解 困難 な言 動],[か わ いい ・気 に な る とい う感 情 な どに伴 った興 味 ・関 心3,[恪 気]の3つ の 反 応 が,【 母 親 ・親 密 な人 へ の反 応 】 に は,[離 れ る こ とへ の 不 安],[ぴ っ た り くっつ い て いた い言 動3,[気 を引 く言 動]の3つ の 反 応 が,【 第1子 自身 の反 応 】 に は,第1子 自身 に[成 長 的行 動] の1つ の 反 応 が 抽 出 され た 。 結 論 母 親 は実 に よ く第1子 を観 察 し,理 解 し よ う とし てお り,第2子 へ の興 味 ・関心 を単 に好 意 的 だ と判 断 せ ず,第1子 が 示 す 攻 撃 的 な反 応 も,第1子 の 年 齢 や 立 場 を理 解 した 上 で 当然 な 反 応 だ と肯 定 的 に と ら えて い た 。 よ って,母 親 へ の 攻 撃 的 な反 応 も,第1子 もこれ まで どお りに母 親 に 甘 えた い の だ と理 解 で きれ ば,母 親 は戸 惑 い を感 じ る こ とが な く,さ ら に,第1子 も,自 己 の成 長 的 な 行 動 に よ り,褒 め ら れ,か つ,望 め ば母 親 が 手 伝 っ て くれ る と安 心 す れ ば,健 康 的 な母 子 関 係 を育 む と考 え る。 キ ー ワー ド 第2子 誕 生,第1子 の反 応,出 産 後1か 月,母 親 Abstract Purpose

The purpose of this study is to clarify the mother's interpretation of the elder child's

reac-*山 口 大 学 医 学 部 保 健 学 科(Faculty of Health Sciences

, Yamaguchi University School of Medicine)

2004年3月26日 受 付2004年11月10日 採 用

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第2子 誕 生 後1か 月 時 にお ける母 親 の と らえた 第1子 の 反応

tion towards his/her one-month-old sibling as well as the mother's understanding of the emo-tional manifestations of her first child.

Method

The present study included fifteen women who gave birth to a healthy second child after 36 weeks of gestation. Semi-structured interviews were conducted with the 15 women during a one-month period, beginning at the newborn's one-month check-up and ending at the sec-ond month after birth. The data was analyzed qualitatively.

Results

According to the mothers, each child's behavior can be classified into three categories : their reaction to the newborn sibling, their reaction towards their mother and other intimate people, and their reaction towards themselves.

The first category shows three types of speech and behavior that indicate the first child's difficulty in understanding the presence of his/her sibling with patience, interest or concern toward his/her sibling that are accompanied by the feelings of affection and awareness, and jealousy of his/her sibling.

The second category also shows three types of speech and behavior that indicate the first child's uneasiness in regards to parting from his/her mother, desire to draw closer to his/her mother, and to further attract the closely related.

The third category shows one type of speech and behavior that indicates the first child's self-awareness and maturing behavior.

Conclusion

The mothers were making an effort in observing and understanding their children's feel-ings, speech, and behaviors after the arrival of the newborn. The mothers didn't recognize only one affectionate reaction in their elder child's behavior towards his/her sibling. The mothers also viewed their first-borns' aggressive reactions towards the new baby, their mother, and others close to the child. But the mothers viewed this behavior as natural because they understood their children's age and the situation surrounding the birth of a new sibling.

Consequently, the results of the study indicate that when the mother understood the confu-sion felt by the elder child and their reactions then the elder child would want to depend on his/her mother like before the arrival of the newborn.

It also indicated that if the elder child had security then the child would understand that his/her mother would praise him/her for his/her self-growth and maturity. The mother will also give her child a helping hand when the child wants because the elder child often lends a helping hand to his/her mother. Mother and child have a strong healthy relationship .

Key Words birth of a second child, reaction of the first child, one month after delivery , mothers I緒 言 新 しい家 族 を受 け入 れ る こ とは,す べ て の 家 族 構 成 員 が新 しい 役 割 を担 う こ とに な り,そ の 役 割 に 適 応 す る ま で に は そ れ ぞ れ の 家 族 構 成 員 に さ ま ざ ま な 反 応 や か か わ りの 変 化 が 見 られ る 。 特 に 第 1子 の 反 応 で は,同 胞 葛 藤 を 起 こ す(天 冨,1983, 1984),成 長 が 促 さ れ る(Dunn et a1.,1981, 1982;Nadelman et al.,1982),そ し て 母 親 を よ 10 日本 助 産学 会 誌 第18巻 第2号(2004.12)

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第2子 誕 生 後1か 月時 にお け る母 親 の と らえた第1子 の反 応 くい た わ る よ う に な る(小 島 他,2001)な どが 報 告 され て い る。 親 の第1子 へ の か か わ りの 変 化 に つ い て は,第1子 とか か わ りが 深 い母 親 に焦 点 が 当 て られ て い る ものが 多 く,母 親 と第1子 の遊 び の減 少(Kendrick et al,1980;小島 他,2001), 第2子 出産 後0∼1か 月 に お け る母親 の第1子 に 対 す る関 心 の増 大(江 守,2001),そ して上 の子 の 要 求 が 多 い場 合 には対 応 しきれず振 り回 され る(片 桐,1996)な どが報 告 され て い る。 また,産 褥1 か 月 時 に受 けた い ・必 要 な褥 婦 の ニ ー ズ の 第1位 は第1子 の 保 育 施 設 とい う報 告 もあ る(神 谷 他, 1995)。 これ らの こ とか ら,経 産 婦 の 中 で も特 に第2子 を出 産 した 母 親 の 産 後1か 月 時 に お け る援 助 の 要 は,第1子 に関 す る こ とだ と理 解 で き る。 母 親 が 求 めて い る第1子 に関 す る援 助 の 手 立 て を得 るた め に は,母 親 が 第1子 を どの よ うに理 解 し て い る か を知 る こ とが 前 提 とな る。 また,親 が 子 ども を わ か る に は,親 自身 が 子 ど もの表 して い る意 味 を 察 し,子 ど も と時 間 や 空 間 を共 有 す る こ とが 重 要 で あ る(大 久 保,1996>こ とか ら も,母 親 が 第2 子 の誕 生 後 に第1子 が 示 す さ まざ ま な反 応 を,第 1子 の どの よ うな感 情 の表 れ で あ る と と らえて い るの か を明 らか にす る こ とが必 要 で あ る。 しか し, これ まで に報 告 され て い る第1子 の反 応 は,行 動 面 に焦 点 を 当 て た もの で あ り,第1子 の感 情 を理 解 し よ う と した もの で は な い。 そ こで,本 研 究 で は第2子 誕 生 後1か 月 時 に お け る母 親 の と らえ た第1子 の反 応 に つ い て,母 親 が 第1子 の どの よ う な感 情 の 表 れ で あ る と理 解 し て い るか につ いて明 らか に す る こ とを 目的 とす る。 II研 究 方 法 1.研 究 デ ザ イ ン 本 研 究 は,Strauss et al.(1990/1999)お よ び Holloway et al.(1996/2001)を 参 考 に し た帰 納 的 な質 的 記述 研 究 で あ る。 2.調 査 期 間 2002年4月25日 ∼2002年9月12日 3.研 究 対 象 北 陸 地 方 の2つ の 総 合 病 院 で,妊 娠36週 以 降 に 健 康 な第2子 を 出産 し,第2子 の1か 月 健 診 を受 けた 後,2か 月未 満 の母 親15人 で あ る。 4.調 査 方 法 お よ び 分析 方 法 デー タ収 集 は,半 構 成 的 面 接 を用 い,対 象 者 の 承 諾 を得 て テ ー プ録 音 また は面 接 内容 を記 録 して 逐 語 録 を作 成 した。 本 研 究 で 用 い る第1子 の反 応 は,第2子 の誕 生 後1か 月 の 間 に第1子 に現 れ た 変 化 で あ る と母 親 が感 じた り,理 解 した もの で, 第1子 が 表 した 身 体 的 ・行 動 的 ・感 情 的 な現 象 で あ る と定 義 した 。 面 接 内容 は,面 接 導 入 時 に,第 1子 と母 親 の背 景 につ い て聴 取 した後 で,「 第2子 が 生 まれ た 後 か ら1か 月 の 間 に,母 親 か ら見 て第 1子 が 変 わ った と思 うこ と」 や,「 その こ とにつ い て 母 親 が第1子 の気 持 ち を どの よ う に理 解 した か」 な どを中 心 に質 問 した 。 面 接 の時 期 は,母 親 が 育 児 の 手 助 け を最 も求 め て い る第2子 誕 生 後1か 月 前 後 の 時 期(服 部 他,1991;神 谷 他,1995)に 設 定 した 。 第1子 は,年 齢 が 第2子 の 誕 生 に反 応 を 示 す2歳 以 上(天 冨 他,1981;大 月 他,2002) で,語 りの 中 に空 想 が減 少 し(岡 本 他,2000),自 律 的 な行 為 が とれ るよ うにな る5歳(岩 田,2001) 未 満 の 健 康 な幼 児 を選 定 した。 デー タ の分 析 は,第1子 の示 す 反 応 とそれ に対 す る母 親 の 理 解 に焦 点 を 当 て て デ ー タ を部 分 に分 け,コ ー ド名 を付 け,類 似 性 と相 違 性 を比 較 しな が らカ テ ゴ リー を抽 出 した。 デ ー タの 真 実 性 を得 るた め に,母 親 の承 諾 が 得 られ た場 合 に は文 章 化 した 面 接 内容 を返 送 し,電 話 で 面 接 内 容 に相 違 が な いか を確 認 した。 確 認 が 得 られ た の は,テ ー プ 録 音 の 承 諾 が 得 られ な か っ た2人 の 母 親 を含 み, 15人 中13人 で あ っ た。 また,デ ー タ分 析 の信 頼 性 と妥 当 性 を得 る た め に,母 性 看 護 学 の 複 数 の教 官 か らス ーパ ーバ イ ズ を受 け な が ら,抽 出 さ れ た カ テ ゴ リー の検 討 を重 ね た。 5.倫 理 的 配 慮 研 究 目的 と方 法,研 究 へ の 参 加 や 途 中 で の 中 断 の 決 定 は母 親 の 自 由意 志 を尊 重 す る こ と,研 究 と 母 親 が 受 けて い る医 療 サ ー ビス は 関係 が な い こ と, 研 究 協 力 を拒 否 して も母 親 へ の不 利 益 は ない こ と, 日本 助 産 学会 誌 第18巻 第2号(2004.12) 11

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第2子 誕 生後1か 月時 にお け る母親 の とら えた第1子 の反 応 母 親 の プ ライバ シー を保 護 す る た め に 固有 名 詞 は 匿 名 に す る こ と,そ して 研 究 成 果 は公 表 す る予 定 で あ る こ と を母 親 に説 明 し て承 諾 を得 た 。 III結 果 対 象 の背 景 は表1に 示 した 。 母 親 の年 齢 は26歳 か ら35歳 で,平 均 年齢 は29.9歳 で あ った 。 第1子 の年 齢 は2歳0か 月 か ら4歳0か 月 で,平 均 年齢 は2歳7か 月 で あ った 。性 別 は男 児 が10人,女 児 は5人 で あ った 。 母 親 の退 院 後,第1子 と同 居 し た もの は13人,別 居 した もの は2人 で あ っ た 。 面 接 を行 った 場 所 は,家 庭 が12人,病 院 の外 来 が2 人,大 学 内 が1人 で あ り,第1子 の 同伴 が あ った もの は2人 で あった 。 面 接 時 間 は20∼90分 で あ り, 平 均 時 間 は54分 で あった。 母 親 の全 員 が,看 護 者, 家 族,知 人 そ して育 児 雑 誌 な どか ら第2子 の 誕 生 に伴 い,第1子 が退 行 現 象 を起 こす こ とや 第2子 に倍 気 す る とい う情 報 を得 て お り,で き る だ け第 1子 に か か わ る よ う に気 を配 って い た 。 第2子 誕 生後1か 月 時 にお け る母 親 の と らえ た 第1子 の反応 は,表2に 示 した。 以 下,第1子 の反 応 の 大,中,小 の カ テ ゴ リー に は 【 】,[], 〈 〉,母 親 と第1子 の言 葉 に は 「 」,研 究 者 が 状 況 を説 明 す るた め に補 った 内 容 に は(),事 例 に は 番 号,そ して 人 名 に は ア ル フ ァベ ッ トの記 号 を用 い た 。 第1子 の反 応 は,第2子 に 向 け られ る 【第2子 への 反 応 】,母 親 や 父 親,祖 父母 そ して保 育 園 の保 育 士 な ど,第1子 と親 密 な 関 係 に あ る(以 下,母 親 ・親 密 な人 とす る)に 対 して 向 けられる 【母 親 ・ 親 密 な人 へ の 反 応 】,第1子 自身 に向 け られ る 【第 1子 自身 の 反 応 】 の3つ の 大 カ テ ゴ リー が 抽 出 さ れ た 。 以 下 に実 際 の事 例 を用 い て,そ れ ぞ れ の カ テ ゴ リー の 内 容 を説 明 した 。 1.第2子 へ の 反 応 第1子 は,【 第2子 へ の反 応 】 と し て,[い た わ る存 在 で あ る こ との 理 解 困 難 な 言 動],[か わ い い ・気 に な る とい う感 情 な ど に伴 っ た 興 味 ・関 心],[恪 気]な どの 反 応 を 示 した 。 こ こ で い う [恪 気]と は,ね た む こ とや焼 き もち を焼 くこ とを 意 味 す る。 1)[い た わ る存 在 で あ る こ との 理 解 困 難 な言 動] 第1子 は初 め て第2子 に会 った 時 や,第2子 が 弟 ・妹 で あ る こ とが 理 解 で きな い う ち は,第2子 を不 思 議 に思 い,ま た,お もち ゃだ と認 識 して,お も ち ゃ の よ う に扱 う反 応 を示 した 。 母 親 は,第1 表1対 象 の背 景 12 日本 助産 学 会 誌 第18巻 第2号(2004.12)

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第2子 誕生 後1か 月 時 にお け る母親 の と らえた 第1子 の反 応 表2第2子 誕生後1か 月 時 にお ける母 親 の と らえ た第1子 の反 応 子 の年 齢 に応 じた反 応 だ と肯 定 的 に とらえ てい た。 (1)〈 弟 ・妹 に つ い て 理解 困 難 な 言 動 を表 す 〉 第1子 は母 親 か ら第2子 が,小 さな赤 ち ゃ ん で あ り,弟 ・妹 で あ る と説 明 され て も,初 め て会 っ た時 に は不 思 議 そ うな顔 を して,「 ふ ∼ ん」 とい う 感 じで 聞 い て い た り(③),母 親 の入 院 中 は,「 マ マの 赤 ち ゃ んや ね」 と言 った(⑤)。 母 親 は,第1 子 が 弟 ・妹 に つ い て理 解 す るの は まだ無 理 だ と受 け止 め て い た(③ ⑤)。 (2)<お もち ゃの よ うに扱 う> 3歳 代 の第1子 は初 め て第2子 と会 っ た時 に, お もち ゃ だ と認 識 し,う れ しそ うに い きな り第2 子 に触 り,激 し く揺 す っ た 。 この 反 応 は母 親 の 退 院 当初 まで続 いた(⑬)。2歳 代 の第1子 は第2子 誕 生 後1か 月 の時 点 で も,第2子 が 寝 てい るベ ビー ベ ッ ドを激 し く揺 ら した り,そ の上 で 楽 し そ う に 飛 び 跳 ね た 。母 親 は第1子 の表 情 か ら この 反 応 を 遊 び と理 解 し,恪 気 と区 別 して い た 。 そ し て,第 1子 は 第2子 と遊 び た いが,第1子 の 年 齢 で は力 加 減 が わ か らな いだ けだ と肯 定 的 に 受 け止 め て い た(④)。 2)[か わ いい ・気 に な る とい う感 情 な ど に伴 った 興 味 ・関 心] 母 親 は第1子 が 第2子 に興 味 ・関 心 の反 応 を示 日本助 産学 会誌 第18巻 第2号(2004.12) 13

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第2子 誕 生 後1か 月 時 に お け る母 親 の と らえ た第1子 の反 応 す と と ら えて いた が,こ れ らの 反 応 は第2子 に対 し真 に好 意 を表 して い る と受 け止 め て い る母 親 と, 単 に母 親 ・親 密 な人 の行 動 を模 倣 した いだ けだ と 受 け止 め て い る母 親 が い た。 (1)〈 声 をか け る 〉 第1子 が 第2子 に初 め て会 っ た 時 は,喜 び,感 激 して,あ るい は珍 し そ うに,「 か わい い,か わ い い 」(① ⑭),「 赤 ち ゃ ん,赤 ち ゃん」(⑦ ⑧ ⑳)と 声 をか けた 。 母 親 は第1子 が第2子 を理 解 し,受 け入 れ て い る とと らえて い た(⑧)。 しか し,退 院 後2∼3週 間 ま で は 第2子 に,「 ど こ見 て い る の?」,「 何 して い る の?」 と声 を か けて い た 第1 子 の 母 親 は,関 心 は あ るが 好 意 が あ るわ けで は な く,大 人 の行 動 の模 倣 だ と理 解 して い た(⑪)。 (2)<見 に行 く> 最 初 は第2子 に関 心 を示 さ な か っ た第1子 が, 毎 日保 育 園 の 帰 りに母 親 を見 舞 う とい う 日課 を通 して,徐 々 に,「 お母 さ ん とFに 会 い に行 く」 と言 う よ う に な った 。 母 親 は,以 前 よ り第1子 が 第2 子 を気 にす る よう になった と受 け止 めていた(⑨)。 (3)〈 触 りたが る 〉 第1子 は,「 わ あ一,か わ い い」 と言 って,第2 子 の頭 やお な か を触 った り(⑦),母 親 の行 動 を模 倣 して キス を した り(④ ⑧ ⑪),第2子 の上 に覆 い 被 さっ て,「 は い,ど うぞ」 と自分 で授 乳 を しよ う と した(⑤)。 母 親 は,第1子 が 第2子 をか わ い が って い る反 応 だ と理 解 して い た(④ ⑤ ⑦ ⑧ 〉。 (4)〈 母親 に第2子 の 様 子 を知 らせ る 〉 第1子 は第2子 が 泣 い て い る と,「 泣 い て い る」 (⑧⑨ ⑫ ⑬),「 お なか す いた って」(⑧ ⑨),「 足 出 て る」 な ど と言 った り(⑦ 〉,第2子 が溢 乳 をす る とす ぐに母 親 に知 らせ に来 た(⑫ ⑬ ⑮)。 母 親 は第 1子 が母 親 に第2子 の 様 子 を知 らせ る こ とが,自 分 の役 割 で あ る と思 って いる と とらえていた(⑨)。 (5)〈 か わ いが る 〉 第1子 は第2子 の 泣 き を母 親 に伝 え た 後 も,母 親 が す ぐに 来 られ な い場 合 に は,ベ ビー ラ ッ ク を 揺 ら した り,自 分 で抱 こ う と した。 母 親 は,第1 子 が第2子 をか わ いが っ て あ や そ う と して くれ て い る と受 け止 めて いた(⑧)。 一 方,母 親 が 第2子 の授 乳後 に 排 気 を させ て い る と,第1子 も傍 に来 て第2子 の 背 中 を一 緒 に優 し くた た くが,そ の う ち,た た き方 が 強 くな っ て い く こ とか ら,第1子 は母 親 の行 動 を模 倣 した い だ け だ と と らえ て い る 母 親 もい た(⑮)。 3)[恪 気] 母 親 は第1子 が 常 に第2子 に恪 気 す る の で は な く,第1子 が 第2子 の誕 生 に戸 惑 いが あ る場 合 や, 皆 の 関 心 が 第2子 に 向 い て い る と感 じた 時,第2 子 が優 遇 さ れ て い るの を見 た 時,そ して 第1子 の 生 理 的 欲 求 が強 い状 況 な どで,特 に第2子 に恪 気 す る と理 解 して い た 。 そ して,こ れ らの状 況 で は 第1子 が 寂 し さや 怒 りを感 じ,当 然 起 こ る反 応 だ と肯 定 的 に と らえ て い た 。 (1)〈 第2子 を 無視 す る 〉 母 親 の病 室 で皆 が第2子 の話 をす る と,第1子 は 聞 い て い な い よ うな 振 りを した り,他 の 話 を始 め た。 母 親 は,第1子 が 皆 の 関 心 が 第2子 に 向 い て い る と感 じて お り,あ ま り第2子 の 話 を して ほ し くな い と思 っ て い るの で は な い か と理 解 して い た。 また,「 最初 は,(母 親 と同様 に)上 の 子 に も 戸 惑 い が 見 られ た」 と,第1子 の戸 惑 い を受 け止 め て い た(⑤)。 (2)〈 第2子 への 授 乳 に抵 抗 す る 〉 第1子 は第2子 の授 乳場 面 を見 る と,第2子 の 頭 をた た い た り,乳 房 か ら引 き離 そ う と して頭 を 強 く押 しや った 。 この 反 応 は,第2子 誕 生 後1か 月 ご ろ まで 続 い た。 母 親 は第1子 が 授 乳 場 面 を 見 た とた ん に起 こす 反 応 で あ る こ とか ら,情 報 を 得 て い た恪 気 だ と と ら えて い た(⑮)。 (3)〈 第2子 優 先 に対 して 悋 気 す る 〉 第1子 は食 事 中 に母 親 が 第2子 を構 う と,途 中 で食 べ な くな った り,物 を投 げた(⑥)。 また,普 段 は悋 気 し な くて も水 分 が 欲 しい 時 は待 て ず,怒 り(⑬),眠 い時 に第2子 の世 話 の た め に待 た され る と暴 れ た(①)。 母 親 は,第1子 が 自分 よ り第2 子 が優 遇 され た と感 じた こ とや,生 理 的 な欲 求 は 自制 で きな い と理 解 し,第2子 優 先 に対 して 第1 子 が怒 り,悋 気 す るの は当 然 だ とと らえてい た(① ⑥ ⑬)。 (4)〈 第2子 か ら母 親 ・親 密 な 人 を遠 ざ け る 〉 第1子 は第2子 の 授 乳 場 面 を見 る と,第2子 を 置 い て 自分 を抱 くよ う に要 求 した(⑥)。 また,特 に大 好 き な祖 母 が第2子 を あ や す と,そ れ を阻 止 す るた め に祖 母 を強 く押 した り,父 親 に も第2子 を抱 か な い よ う に要 求 した 。 母 親 は,第1子 が 母 14 日本助 産 学会 誌 第18巻 第2号(2004.12)

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第2子 誕 生後1か 月時 に お け る母 親 の とら えた第1子 の反応 親 だ けで な く,大 好 き な祖 母 や 父 親 も第2子 に取 られ た 気 が す るの か と,第1子 の寂 しい思 い を推 し量 って い た(⑬)。 2.母 親 ・親 密 な人 へ の 反 応 第1子 は,【 母 親 ・親 密 な 人 へ の 反 応 】 と して, [離 れ る こ とへ の不 安],[ぴ っ た り くっつ い て いた い言 動],[気 を 引 く言 動]な どの 反応 を示 した 。 1)[離 れ る こ とへ の 不 安] 母 親 は第1子 が母 親 の入 院 や退 院後 の別 居 生 活 に よ り,寂 しい 思 い を して い る こ とや,寂 し さ を 我 慢 して い る気 持 ち を受 け止 め て い た。 また,母 親 の不 在 中 に 父親 と過 ごす 時 間 が長 くな っ た第1 子 が,こ れ まで以 上 に 父親 と親 密 に な っ た と感 じ て い た。 そ の た め,第1子 が母 親 や父 親 との別 離 を拒 み,不 安 を示 す と と ら えて い た 。 (1)<泣 く> 産 後 の 療 養 の た め,母 親 が 第1子 と3週 間別 居 して い た場 合 に は,第1子 に元気 が な くな り,保 育 園 で も泣 い た 。 そ して,週 末 は母 親 と一 緒 に過 ご して い て も夜 中 に必 ず 泣 い て起 き,些 細 な こ と で もす ぐ に泣 くよ う にな った 。母 親 は,「(第1子 が)母 親 と離 れ てい て,寂 しか った のだ ろ う」 と, 母 親 を希 求 して いた気 持 ち を受 け止 めていた(③)。 また,母 親 の入 院 中 に 父親 の世 話 を受 け て い た第 1子 は,出 勤 す る父親 の後 追 い を して泣 く よ うに な っ た。 母 親 は第1子 が ほ とん ど父親 と一 緒 に過 ご し,父 親 に も甘 え る よ うに な っ た た め,父 親 と の別 離 を拒 む よ う にな っ た と理 解 して い た(⑮)。 (2)〈 気 を張 りつ め る 〉 第1子 は面 会 が 終 わ り母 親 と別 れ る時 にな る と, す ご く泣 い た。 母 親 は第1子 が泣 か な い よ うに, 見 送 りの途 中 で姿 を消 す と,翌 日 に は,「 手 をつ な いで行 こ う」 としっか り言 った 。母 親 は,「 気 を張 りつ め て い る様 子 が,痛 い ほ どわ か っ た」 と,第 1子 の 気 持 ち を受 け止 め て い た(⑤)。 2)[ぴ っ た り くっつ い て い た い 言 動] 母 親 は,第1子 が 母 親 ・親 密 な人 が 第2子 を抱 く,世 話 をす る な どの場 面 を見 た 時 に,第1子 自 身 も寂 し くて甘 え たい と感 じ,母 親 ・親 密 な人 に, [ぴ った り くっつ い て いた い言 動]の 反 応 を示 す と と らえ て い た 。 また,母 親 は この 反 応 に よ って, 第1子 が 母 親 への甘 えを抑 制 し,利 発 な行 動 を とっ て い た こ とに気 づ く場 合 もあ った 。 (1)〈 だ っ こ を求 め る〉 第2子 の授 乳 が 終 わ る と第1子 は,「 マ マ 」 と 言 っ て,母 親 に抱 きつ い て きた.母 親 は,「 寂 しい ん だ と思 う。 一 生 懸 命 我 慢 して待 って い る のが わ か る」 と,第1子 の 気 持 ち を理 解 して い た(④)。 また,第1子 は祖 母 が 第2子 を 抱 い て あや す姿 を 寂 しそ うな顔 で 凝 視 し て い た後 で,母 親 に だ っ こ を求 め た 。 母 親 は,「(第1子 が)私 も抱 い て ほ し い と(祖 母 に)目 で 訴 え て い る の が わ か る」 と, 第1子 の気 持 ち を受 け止 め て い た(③)。 (2)〈 べ っ た りす る 〉 母 親 の退 院後,母 親 にべ った りす る行 動 が 一 時 治 ま り,聞 き分 けが よい 行 動 を とっ て い た第1子 は,1∼2週 間 が過 ぎた こ ろか ら,「 自分 が 一 番, 自分 を優 先 して ほ しい 」 とい う よ う に,再 び べ っ た り して きた。 母 親 は第1子 が い つ まで も一 緒 に 家 に い る第2子 に疑 問 を もつ よ う にな り,「 我 慢 し て い た こ とが爆 発 した 」 と理 解 し,第1子 が母 親 へ の甘 え を我 慢 して い た こ と に気 づ い た(⑩)。 (3)〈 お っ ぱ い を欲 しが り,飲 む 〉 第1子 は入 院 中 に は授 乳 の た び に変 な顔 を して お り,退 院後 は授 乳 を求 め何 時 間 で も泣 き続 けた。 母 親 が 断 乳 を諦 め て第1子 に授 乳 す る と,幸 福 で 満 足 そ うに母 乳 を飲 ん だ。 そ して,そ の後 も授 乳 の た び に お っ ぱ い を欲 しが り,飲 み続 け て い た 。 母 親 は第1子 が 断乳 後 も時 々 乳 房 に触 れ て,母 親 との つ なが りを感 じて い た こ と を思 い 出 し,第1 子 に過 度 の我 慢 を させ ていた こ とに気 づ いた(⑧)。 3)[気 を引 く言 動] 母 親 は第1子 が 自分 だ け に注 が れ て いた 愛情 が, 第2子 へ も注 が れ て い る こ と に気 づ い て い る と受 け止 め て い た。 そ の た め,第1子 は 自分 も寂 し く て甘 え た い,か わ いが って ほ しい,気 を引 きた い, 褒 め られた い な どと思 い,[気 を引 く言 動]を 示 す と肯 定 的 に と ら えて い た 。 しか し,<泣 い て訴 え る 〉,〈 だ だ を こね る 〉,〈 反 発 す る 〉 な ど,特 に母 親 へ 向 け られ る攻 撃 的 な反 応 が 持 続 す る場 合 に は,母 親 は第1子 の気 持 ちが 理 解 で きな くな り, 第2子 の誕 生 以 外 に,第1子 の反 抗 期 や 性 格,環 境 の変 化 な どの影 響 も考 え,戸 惑 っ て い た 。 (1)<今 まで 自分 で で きて いた こ とを しな くな る> 第1子 は トイ レへ 行 く時 に,「 マ マ,つ い て 来 日本助 産 学会 誌 第18巻 第2号(2004.12) 15

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第2子 誕 生 後1か 月 時 に お け る母親 の と らえ た第1子 の反 応 て」 と言 い,行 か な い と何 度 で も呼 び に くる よ う に な っ た 。 母 親 は,第1子 が 実 家 に い る時 か ら甘 え ん坊 に な って い た と振 り返 り,寂 し い気 持 ち の 表 れ で あ る と受 け止 め て い た(②)。 (2)<赤 ち ゃん を真 似 た 行 動 を と る> 第1子 は,赤 ち ゃ ん の 泣 き真 似 や 足 を バ タバ タ す る真 似 や指 しゃぶ りを した 。 母 親 は これが 赤 ち ゃ ん返 りか と思 い,「(第1子 は)結 構 我 慢 して い る と思 っ て い た の で,我 慢 させ る よ り,そ うや って (甘 えた い感 情 を)出 せ れ ば い い」 と,安 心 して い た(⑬)。 (3)〈 愛 情 の 確 認 を す る 〉 第1子 は寝 る前 や母 親 が怒 った 時 に,「J君(自 分)の こと好 き?」 と母 親 と父親 に聞 くよ うになっ た 。 母 親 は,第2子 が常 に母 親 に抱 か れ て い る た め,第1子 が寂 し く不 安 に な り,愛 情 の確 認 を す る よ うに な った ので は な いか と とらえて いた(⑬)。 (4)〈 自 己顕 示 欲 を示 す 〉 第1子 は母 親 との会 話 の 中 で,「 僕 は 自転 車 に乗 れ る け ど,Hち ゃん は乗 れ な い もん ね」 と言 い, 第2子 と 自分 を比 較 した 。 母 親 は第1子 が第2子 と比 較 し,自 分 が 優 位 で あ る こ と を母 親 に認 め ら れ る と満 足 して い る と と らえ て い た(⑪)。 (5)〈 母 親 の 手 伝 い を す る〉 第1子 は,実 家 に い る時 か らお む つ 交 換 を手 伝 お う と した。 母 親 は褒 め る と第1子 が うれ し そ う な顔 を す る こ とか ら,褒 め られ るの が 一 番 うれ し い よ うだ と理 解 していた(③)。 一 方,第1子 が2 歳 代 の場 合 に は第1子 の 理 解 度 か ら判 断 し て,お む つ交 換 の手 伝 い をす る反 応 は,ま ま ご との延 長 だ と と ら えて い る母 親 もいた(⑩)。 (6)〈 泣 い て 訴 え る 〉 第1子 は禁 止 され て い る行 動 を わ ざ とす る よ う に な り,母 親 に しか られ る と,最 初 は笑 っ て い る が本 気 で 怒 られ る とす ぐに泣 くよ うに な った 。 母 親 は,第1子 が 寂 し いの か反 抗 期 な の か と第1子 の 気 持 ち を模 索 し,し か られ る と第1子 が 寂 しそ うで,抱 くとす ぐに機 嫌 が 直 るこ とか ら,「や は り, 寂 しい の だ ろ うか … …」 と,第1子 の 気 持 ちが と ら え きれ ず に戸 惑 っ て い た(⑧)。 (7)<だ だ を こ ね る> 2歳 代 の 第1子 は,反 抗 期 と第2子 の誕 生 が 重 な り,1回 泣 き出 す と泣 きや まな か った 。 そ して, 第1子 が 泣 い て い る時 に母 親 が 第2子 を構 う と, 澗 癩 を起 こ し そ れ を引 きず った 。 母 親 は,「(第1 子 が)感 情 を 自 己 コ ン トロ ー ル で き な い状 態 で あ る こ とが一 番 大 変 だ 」 と困 惑 していた(⑩)。 また, お もち ゃ屋 で お もち ゃ を欲 しが り泣 い て 暴 れ る第 1子 の 母 親 は,自 分 の 意 志 を通 す 性 格 が さ らに ひ ど くな った と理 解 して い た(⑭)。 (8)〈 反 発 す る 〉 第1子 は,「(保 育 園 に)行 きた くな い 」 と言 っ た り,食 事 を摂 る こ とや お も ち ゃ を 片 付 け る こ と も,「 や だ もん 」 と反 発 す る ように なった 。 母 親 は, 第2子 の 誕 生 以 外 に,保 育 園 へ の通 園 が 始 ま り, 第1子 の 環 境 が変 化 し た こ と も影 響 して い るの で はな いか と考 え,第1子 の 気 持 ち を と ら え よ う と して い た(⑫)。 3.第1子 自身 の 反 応 【第1子 自身 の 反 応 】 として,第1子 は第2子 の 誕 生 を機 会 に,新 し く何 か が で き る よ う に な る と い う,[成 長 的 行 動]を 示 した。 1)[成 長 的 行 動] 母 親 は第2子 の誕 生 後 に,と第1子 が 何 で も 自分 で す る よ う に な っ た こ とや,第2子 を大 切 に して い る こ と,そ して状 況 を見 て我 慢 す る よ うに な っ た こ とな どか ら,第1子 が[成 長 的 行 動 〕 を示 す よ うに な った と と ら えて い た。 また,第1子 は褒 め られ る とさ らに成 長 的 行 動 を示 す と同時 に,こ の 時期 の 成 長 過 程 に お い て は,母 親 の援 助 もま た 求 めて い る と理 解 し て い た。 (1)〈 自分 で す る よ うに な る 〉 第1子 は第2子 誕 生 後,何 で も自分 で す る よ う にな っ た。 母 親 は第1子 の 変 化 が 著 しい こ とか ら, 第2子 の誕 生 が 影 響 して い る と と ら え て い た 。 ま た,第1子 は褒 め られ る と喜 び,さ ら に 自分 で す る よ うに な る とも理 解 して い た(⑤)。2歳 代 の第 1子 は な ん で も自分 でや っ てみ る よ うに な った が, 必 ず途 中 で,「 で き な い 」 と言 っ た 。 母 親 は,「 兄 ら し くな っ たが,少 し は手 伝 って ほ しい と思 っ て い る」 と理 解 して い た(⑦)。 (2)〈 第2子 の 存 在 を人 に知 らせ る 〉 第1子 は来 客 者 に,「 見 て見 て,D」 と,第2子 を紹 介 して か ら,「 座 っ て,だ っ こ」 と言 い,母 親 が 第1子 に い つ も教 え て い る抱 き方 を伝 え て いた 。 16 日本 助 産学 会 誌 第18巻 第2号(2004.12)

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第2子 誕 生 後1か 月 時 にお け る母親 の と らえた 第1子 の 反応 母 親 は,第1子 が第2子 を大 切 に して い る と理 解 し,喜 び と第1子 にい とお しさを感 じて いた(⑧)。 (3)〈 人 形 を か わ いが る仕 草 をす る 〉 第1子 は 自分 のTシ ャ ツ をめ く り上 げ て,人 形 に授 乳 をす る仕 草 や,ぬ い ぐるみ を寝 か せ て添 い 寝 を した 。 母 親 は,以 前 は この よ うな行 動 が 見 ら れ な か った こ とか ら,第1子 が 母 親 の育 児 行 動 を 真 似 て,人 形 をか わ いが る仕 草 を して い る と と ら え て いた(⑨)。 (4)〈 我 慢 す る〉 第1子 は,第2子 の授 乳 中 に は母 親 に構 って も ら えな い こ とが わ か る と,2階 へ 上 が って1人 遊 び を した 。母 親 は,第1子 が 我慢 して い る と受 け 止 め ていた(①)。4歳 代 の第1子 は,第2子 の誕 生 後,「 我 慢 す る」 とい う言 葉 を使 い始 め,我 慢 で きる と,「僕,我 慢 で きた もん」 とうれ しそ うに言 っ た 。 母 親 は第1子 が 周 囲 の状 況 を理 解 して我 慢 す る よ うに な り,我 慢 で きる と喜 び を表 す と と らえ て い た(⑭). Ⅳ 考 察 第2子 の 出産 に 際 し,母 親 は第1子 との 関係 に 罪 を感 じ る と同 時 に,時 間 や仲 間 関係 や 関 心 に つ い て第1子 との あ い だ で成 立 して い る結 び付 きを 保 ち 続 け よ う とい う,意 図 的 な 努 力 が 見 られ る (Rubin,1984/1997)。 本 研 究 で も,す べて の母 親 が第2子 誕 生 後 の第1子 の反 応 を気 遣 い,第1子 の立 場 か ら理 解 しよ う と努 力 して いた。 ここで は, 対 象別 に抽 出 され た 【第2子 へ の 反応 】,【母 親 ・ 親 密 な人 へ の 反 応 】,【第1子 自身 の 反 応 】 が,第 1子 の どの よ うな感 情 の 表 れ で あ る と母親 が理 解 して い るか につ い て 考 察 す る。 1.第2子 へ の 反応 第1子 は第2子 に言 葉 をか け る,喜 ばせ るな ど ポ ジ テ ィブ な 反 応 を 示 す(Dunneta1,1981, 1982)と 報 告 され て い る よ う に,本 研 究 で も第1 子 は,第2子 に 〈声 を か け る 〉,〈 見 に行 く〉, 〈触 りた が る 〉,<母 親 に第2子 の 様 子 を知 らせ る 〉,そ して くか わ いが る〉 な ど,[か わ い い ・気 に な る とい う感 情 な ど に伴 った 興 味 ・関 心]の 反 応 を示 した 。 しか し,本 研 究 で は,母 親 は こ の反 応 が,必 ず し も第2子 へ の好 意 的 な反 応 とは判 断 せ ず,第1子 が 真 に第2子 に好 意 を示 して い る感 情 以 外 に,単 に 大人 の 行 動 の模 倣 を した い とい う 感 情 が あ る こ と も,第1子 の言 動 か ら識 別 して い た。 これ は,第2子 の 誕 生 に伴 い第1子 が 反 応 を 示 す とい う こ と を気 にか け なが ら,第1子 と時 間 と空 間 を共 有 した こ とが,母 親 の観 察 力 を高 め, 第1子 の感 情 の理 解 につ なが った と考 える。 また, この こ と は,本 研 究 の 他 の反 応 に お い て も同 様 の こ とが 言 えた 。 [恪気]の 反 応 は,母 親 が第2子 の誕 生 に よる第 1子 の 戸 惑 い や,皆 の関 心 が第2子 に向 け られ た り優 遇 され る時 に感 じ る寂 し さ,そ して 生 理 的 欲 求 を第2子 の 世 話 の た め に す ぐに満 た して も らえ ない 怒 りな どの 感 情 か ら起 こる 反応 で あ る と理 解 し て い た 。 そ の た め,[悋 気]の 反 応 に 見 られ る く第2子 を無 視 す る 〉,〈 第2子 へ の 授 乳 に抵 抗 す る 〉,〈 第2子 優 先 に対 して恪 気 す る 〉,〈 第 2子 か ら母 親 ・親 密 な人 を遠 ざ け る 〉 な どの攻 撃 的 な第1子 の反 応 は,先 行 研 究 で は ネガ テ ィブ な 反 応(DunnetaL,1981,1982;小 島 他,2001) や,否 定 的 反 応(天 冨,1983),陰 性 反 応(天 冨 他,1993)と 報 告 され て い るが,本 研 究 で は,母 親 は第1子 の立 場 や気 持 ち を理 解 す れ ば,当 然 出 現 す る反 応 で あ る と肯 定 的 に と ら え て い た。 また,第2子 は新 生 児 で あ り安 全 な環 境 が 必 要 で あ る。 しか し,実 際 の生 活 の 中 で は,〈 弟 ・妹 に つ い て理 解 困難 な 言 動 を表 す 〉第1子 が第2子 を い た わ る こ とは 困難 で,第2子 を お もち ゃ だ と 認 識 し,〈 お もちゃ の よ うに扱 う〉 な ど,[い た わ る存 在 で あ る こ との 理 解 困 難 な言 動 〕 の 反 応 を示 した 。特 に,〈 お もち ゃの よ う に扱 う 〉反 応 は, 第1子 が3歳 代 で も母 親 の 退 院 当初 まで 見 られ, 2歳 代 で は第2子 誕 生 後1か 月 の 時 点 で も持 続 し て い た 。 また,第1子 が2歳 代 の場 合 に は,跳 ね 回 った り,足 を踏 み な ら して大 声 で 笑 う な ど荒 っ ぽ い筋 肉 活 動 を好 ん だ り,細 か い 運 動 の 調 節 は神 経 系 の 未 発 達 の た め に限 界 が あ る(Gesell,1946/ 1975)。 しか し,母 親 は この よ うな第1子 の年 齢 に 応 じた 理 解 力 や運 動 能 力 を理 解 した 上 で,第2子 に対 す る荒 々 し く攻 撃 的 な この 反 応 を,第1子 は 第2子 と遊 び た い の だ と理 解 し,恪 気 の 感 情 と区 別 して肯 定 的 に と ら えて いた 。 日本 助産 学会 誌 第18巻 第2号(2004.12) 17

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第2子 誕生 後1か 月時 にお け る母 親 の とら えた第1子 の反 応 以 上 の こ とか ら,母 親 は実 に よ く第1子 を観 察 し,理 解 し よ う と して お り,第2子 へ の 関心 ・興 味 を単 に好 意 的 な 反 応 と も判 断 せ ず,攻 撃 的 な 反 応 も第1子 の 年 齢 や 立 場 を理 解 し た上 で,当 然 な 反 応 だ と肯 定 的 に と ら え て い る こ とが 明 ら か に な っ た。 2.母 親 ・親 密 な人 への 反 応 大 久 保(1996)は,親 に とっ て子 ど もが わ か れ ば 自信 を得 る こ とが で き るが,わ か らな け れ ば 不 安 にな る とい う両 価 性 を免 れ る こ とが で きな い と 述 べ て い る。本 研 究 で も,[気 を引 く言 動]の 反 応 の うち,〈 泣 い て訴 え る 〉,〈 だ だ を こね る 〉, 〈反 発 す る 〉 な ど,特 に母 親 へ 向 け られ る攻 撃 的 な 反 応 は,第1子 が寂 し さを感 じ,以 前 の よ う に 自分 も母 親 に甘 え た い とい う感 情 の表 れ で あ る と 母 親 が 理 解 して い て も,こ れ らの反 応 が い つ まで も持 続 す る場 合 に は,母 親 が第1子 の 気 持 ちが つ か めず に困 惑 し,第2子 誕 生 以 外 の 原 因 を模 索 し て 戸 惑 い を生 じて い た。 一 方,第1子 が,〈 今 ま で 自分 で で きて い た こ とを しな くな る 〉,<赤 ち ゃ ん を真 似 た行 動 を とる 〉 な ど,母 親 を煩 わ せ る よ うな[気 を引 く言 動]の 反 応 を示 して も,そ れ らが 赤 ち ゃん返 りだ と母 親 が理 解 で きれ ば,「 そ うや っ て(甘 え た い感 情 を)出 せ れ ば い い 」 とい う よ う に,不 安 は な く,む し ろ第1子 が 第2子 と同 じ よ う にか わ いが っ て ほ しい とい う感 情 を表 出 して い る こ とに安 心 して い た。 そ して,第1子 が <愛 情 の 確 認 を す る 〉,〈 自 己顕 示欲 を示 す 〉,〈 母 親 の手 伝 い をす る 〉な どの,[気 を引 く言 動]の 反 応 につ い て も,母 親 は,母 親 ・親 密 な 人 の 愛 情 を確 認 した い,認 め られ た い,褒 め られ た い とい う愛 情 を求 め る感 情 の表 れ で あ る と理 解 し て い た。 [ぴ った り くっつ い て いた い言 動]の 反 応 は,第 1子 が 母 親 や 父 親 との別 離 を拒 み,母 親 や 父 親 を 希 求 して表 した,〈 泣 く〉,〈 気 を張 りつ め る 〉 な どの,[離 れ る こ とへ の不 安]の 反 応 を充 足 させ るか の よ うに,こ の 反 応 と同 時 期 に現 れ,第1子 自身 が 納 得 す る まで続 い て い た 。 特 に,〈 だ っ こ を求 め る 〉,〈 べ っ た りす る 〉反 応 は,母 親 との 別 離 期 間 が 長 か っ た り,母 親 へ の 甘 え を抑 制 し利 発 な行 動 を示 した第1子 に強 く現 れた。 また,お っ ぱ い に触 れ る こ とで母 親 との つ な が りを感 じて い た第1子 は,断 乳 を強 い られ た こ とで,〈 お っ ぱ い を欲 しが り,飲 む 〉 とい う反 応 が 強 く現 れ た 。 土 居(2001)は,甘 え は相 手 が 自分 を受 け入 れ て 初 め て 成 立 し,甘 え の状 態 は 方 向 性 を も ち,子 ど もが親 に甘 え る場 合 が そ うで あ る と述 べ て い る。 ま た,甘 え は愛 情 表 出 を伴 う快 い気 分 で あ り,時 に は そ の よ うな気 分 を求 め る欲 求 を さ し,ま た感 情 的依 存 を意 味 す る こ とに な る と も述 べ て い る。 つ ま り,第1子 が 母 親 ・親 密 な人 に示 す反 応 は, 母 親 が理 解 して い た よ う に,第1子 が 第2子 の 誕 生 後 も,こ れ まで どお り,皆 に 甘 え た い とい う感 情 の表 れ で あ る と言 え る。 した が っ て,特 に母 親 へ 向 け られ る攻 撃 的 な 反 応 に つ い て も母 親 が 同様 に理 解 で きれ ば,母 親 は戸 惑 い を感 じる こ と は な い と考 え る。 3.第1子 自身 の 反 応 第2子 の 誕 生 に よ って,第1子 に成 長 的 な行 動 が 見 ら れ る よ う に な っ た(Dunneta1.,1981, 1982)と 報 告 され て い る よ う に,本 研 究 で も,母 親 は第2子 の 誕 生 が第1子 の[成 長 的 行 動]を 促 す機 会 にな っ て い る と と ら え て い た 。 特 に,< 自 分 で す る よ う に な る 〉の 反 応 で は,母 親 は 第1子 の一 番 の 喜 びが 褒 め られ る こ とだ と認 識 して お り, 第1子 へ の 賞 賛 は さ ら に第1子 の 成 長 を促 す と理 解 して い た 。 ま た,2歳 代 の第1子 の母 親 は,こ の時 期 の 第1子 の成 長 過 程 に は,母 親 に援 助 を求 め る甘 えの 感 情 が あ る こ と も理 解 し て い た 。 した が って,第1子 が望 ん だ 時 に母 親 が 援 助 す る こ と は,第1子 に安 心 感 を与 え,よ り第1子 の 成 長 を 促 す と考 え られ た。 さ ら に,母 親 は第1子 の,< 第2子 の 存 在 を人 に 知 らせ る 〉反 応 か ら は,第2子 を大 切 に して い る気 持 ちや,こ れ まで み られ な か っ た,〈 人 形 を か わ い が る仕 草 をす る 〉反 応 か ら は,母 親 の育 児 行 動 へ の関 心 を認 め て い た 。 これ らの 反 応 は,第 2子 へ の い た わ りの感 情 の め ば えで あ る と も言 え, 母 親 は第1子 に情 緒 的 な 成 長 も認 め た こ とで,喜 び と第1子 へ の い とお しさ を感 じて い た と考 える。 した が っ て,こ の よ うな 母 親 と第1子 の快 い 感 情 の 表 出 も また,第1子 に喜 び と安 心 感 を与 え,第 1子 の成 長 を促 して い る と推 測 され た 。 また,母 親 に とっ て は,家 族 が 増 え る こ とで, 18 日本助 産 学 会誌 第18巻 第2号(2004.12)

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第2子 誕 生 後1か 月 時 にお け る母親 の と らえた第1子 の反 応 子 ど もた ち が何 か を失 った り,我 慢 を し な けれ ば な らな い こ と に気 づ か せ,生 まれ て くる子 ど もを 受 け 入 れ さ せ る よ う に す る こ とが 課 題 で あ る (Rubin,1984/1997)。 したが って,第1子 が 第2 子 の た め に 自己 の欲 求 を抑 制 で き る よ うに な る こ と は,第1子 の 成 長 を示 す こ とに もな る。 本 研 究 で は,多 くの 母 親 か ら第1子 が <我 慢 す る 〉反 応 を示 す こ とが 語 られ,第1子 の成 長 を確 認 す る こ とが で き た。 た だ し,第1子 に過 度 の我 慢 を強 制 す る こ とは,か え っ て第1子 の成 長 を阻 む こ とに もな るた め,母 親 に は第1子 の欲 求 と我 慢 で き る 能 力 の 限界 を見 極 め る観 察 力 が必 要 だ と言 え る。 以 上 よ り,第1子 の 成長 を母 親 が認 め,賞 賛 し, 必 要 な時 に は援 助 す る こ とで,第1子 も,自 分 自 身 の成 長 的 な行 動 に よ り,褒 め られ,か つ,望 め ば母 親 は手 伝 っ て くれ る と理 解 し,安 心 す れ ば, 健 康 な母 子 関係 を育 む と考 え る。 4.看 護 へ の 示唆 Caplan(1961/1977)は,健 康 な 母 子 関 係 は, 母 親 が 子 ど もの 要 求 が何 で あ るか を知 覚 した こ と に根 本 的 に立 っ て,子 ど もの欲 求 を尊 重 し,彼 女 の能 力 の最 善 をつ くしそ の要 求 を満 た そ う と努 力 す る,そ う した 関係 で あ る と述 べ て い る。ま た, 母 子 相 互 の満 足 を含 む こ とが必 要 で あ る と述 べ て い る。本 研 究 の母 親 は,母 親 に 向 け られ る攻 撃 的 な第1子 の 反 応 が持 続 し困惑 して い た状 況 で も, 常 に第1子 の年 齢 や立 場 か ら第1子 の 気持 ち を理 解 し よ う と努 力 して い た。 しか し,結 果 的 に母 親 は第1子 の気 持 ち や 要求 が理 解 で きず,戸 惑 い を 生 じ,母 子 相 互 の満 足感 が得 られ な い状 態 を招 い て い た と言 え る。 以 上 の こ とか ら,第2子 を迎 え,こ れ まで の母 子 関 係 に戸 惑 い を感 じて い る母 親 と第1子 が健 康 な母 子 関 係 を育 め る よ うに す る た め に は,母 親 が 第1子 の感 情 を汲 み取 れ る観 察 力 を養 い,第1子 の 感 情 を肯 定 的 に受 け止 め,尊 重 して か か わ れ る 能 力 を高 め る た め の援 助 と,第1子 の感 情 に対 す る母 親 の解 釈 を支 持 す る た め の援 助 を併 合 して提 供 す る こ とが 重 要 で あ り,強 化 す る必 要 が あ る と 考 え る。 5.研 究 の 限界 と今 後 の 課 題 本 研 究 で 明 らか に な った 第1子 の 反 応 は,第2 子 の誕 生 後1か 月 時 に お い て母 親 が と ら え た もの で あ るが,第1子 の反 応 には第2子 の 誕 生 以 外 に, 第1子 の年 齢,性 格,そ し て環 境 の変 化 な どの 影 響 も考 え られ るた め,第2子 の誕 生 に よ って 現 れ た反 応 だ と限 定 す るには限 界 が あ る。 今 後 は,き ょ うだ い の誕 生 を迎 えて い な い同 年 齢 の児 の 特 徴 と 比 較 検 討 す る必 要 が あ る。 また,第1子 の 反 応 を よ く理 解 して い る母 親 が第1子 に ど の よ うに対 応 して い る の か に つ い て も記 述 的 帰 納 法 で明 らか に す る こ とが 必 要 で あ る。 V結 論 第2子 誕 生 後1か 月 時 に お け る母 親 の と らえ た 第1子 の反 応 を記 述 的帰 納 法 で検 討 した 結 果,第 1子 の反 応 は,【 第2子 への反 応 】,【母 親 ・親 密 な 人 へ の反 応 】 お よび 【第1子 自身 の 反 応 】 の3つ の対 象 別 に分 類 さ れ た。 【第2子 へ の反 応 】 に は, [い たわ る存 在 で あ る こ との 理 解 困 難 な言 動],[か わ い い ・気 に な る とい う感 情 な ど に伴 っ た興 味 ・ 関 心],[恪 気]の3つ の反 応 が,【 母 親 ・親 密 な人 へ の 反応 】 に は,[離 れ る こ とへの 不 安],[ぴ った り くっ っ い て い た い言 動],[気 を引 く言 動]の3 つ の反 応 が,【 第1子 自身 の 反 応 】 に は,[成 長 的 行 動]の1つ の反 応 が抽 出 され た 。 母 親 は実 に よ く第1子 を観 察 し,理 解 しよ う と して お り,第2子 へ の興 味 ・関 心 を単 に好 意 的 だ と判 断 せ ず,第1子 が示 す攻 撃 的 な反 応 も,第1 子 の年 齢 や立 場 を理 解 した上 で 当 然 な反 応 だ と肯 定 的 に と らえ て い た。 よ って,母 親 へ の攻 撃 的 な 反 応 も,第1子 も これ まで どお りに母 親 に甘 えた い の だ と理 解 で きれ ば,母 親 は戸 惑 い を感 じ る こ とは な く,さ らに,第1子 も,自 己 の成 長 的 な 行 動 に よ り,褒 め られ,か つ,望 め ば母 親 は手 伝 っ て くれ る と安 心 す れ ば,健 康 的 な母 子 関係 を育 む と考 え る。 謝 辞 本 研究 の遂行 に あた りご理 解,ご 協 力 をいただ きま したお母様 方 な らびに施 設 の看 護責 任者 の方々 に心か ら感 謝 申 し上 げ ます。 また,研 究 の指 導 を賜 りました 日本 助産 学 会誌 第18巻 第2号(2004.12) 19

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第2子 誕 生後1か 月時 にお け る母 親 の とら えた第1子 の反 応 金 沢 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 の 坂 井 明 美 教 授,田 淵 紀 子 助 教 授 に 謹 ん で 御 礼 申 し 上 げ ま す 。 な お,本 研 究 は,金 沢 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 修 士 論 文 の 一 部 に 加 筆,修 正 を 加 え た も の で あ る 。 文 献 天 冨 美 禰 子(1983),同 胞 葛 藤 に 関 す る 研 究 一 次 子 出 生 に 対 す る 長 子 の 反 応 と同 胞 関 係 ―,大 阪 教 育 大 学 紀 要 第 II部 門,31(2・3),175-187. 天 冨 美 禰 子(1984),同 胞 葛 藤 に 関 す る 研 究 一 次 子 出 生 に よ る長 子 の 反 応 と親 の 養 育 態 度 との 関 連 ―,大 阪 教 育 大 学 紀 要 第II部 門,32(2・3),145-157. 天 冨 美 禰 子,池 永 佳 司,岩 橋 多 加 寿 他(1993),幼 児 期 の 同 胞 葛 藤 一 次 子 出 生 に よ る 幼 児 の 変 化 ―,乳 幼 児 医 学 ・心 理 学 研 究,2(1),37-45. 天 冨 美 禰 子,水 野 幸 子,馬 場 敬 直(1981),弟 妹 出 生 に お け る 長 子 の 生 活 の 変 化 と反 応 に つ い て,小 児 保 健 研 究, 40(6),517-521. 岩 田 純 一(2001),〈 わ た し〉 の 発 達,乳 幼 児 が 語 る 〈わ た し〉 の 世 界,67,京 都,ミ ネ ル ヴ ァ 書 房. Caplan,G.(1961)/加 藤 正 明 監 修(1977),地 域 精 神 衛 生 の 理 論 と実 際,103-104,東 京,医 学 書 院. 土 居 健 郎(2001),続 「甘 え」の 構 造,68-69,94,東 京, 弘 文 堂. Dunn,J.Kendrick,C,,&MacNamee,R.(1981),The reactionoffirst-bornchildrentothebirthofa sibling:Mothers'reports,Journalofchildpsy-chology,22,1-18。 Dunn,J.,&Kendrick,C.(1982),siblings:Love,envy, andunderstanding,(pp.24-57),Cambridge,Mas-sachusetts:HarvrardUniversityPress. 江 守 陽 子(2001),第 二 子 出 産 後 の 母 親 の 二 児 に 対 す る 養 育 比 率 と 第 一 子 に 対 す る 態 度 の 変 化,母 性 衛 生, 42(1),60−67. Gese11,A.(1946)/周 郷 博 ・山 下 俊 郎 ・大 羽 綾 子 他(1975) ゲ ゼ ル 心 理 学 シ リ ー ズII学 童 の 心 理 学 ―5歳 か ら10 歳 ま で −,76,東 京,家 政 教 育 社. 服 部 祥 子,原 田 正 文(1991),乳 幼 児 の 心 身 発 達 と 環 境, 144-145,名 古 屋,名 古 屋 大 学 出 版 会. Holloway,I.,&Wheeler,S.(1996)/野 口 美 和 子 監 訳 (2001),ナ ー ス の た め の 質 的 研 究 入 門 研 究 方 法 か ら 論 文 作 成 ま で,東 京,医 学 書 院. 神 谷 整 子,大 沢 文 子,小 田 切 房 子 他(1995),母 子 保 健 に お け る助 産 婦 の あ り方 に 関 す る 研 究 産 後1か 月 ま で の ケ ア 及 び 支 援 に 関 す る褥 婦 の ニ ー ズ,平 成6年 度 心 身 障 害 研 究,308-313. 片 桐 麻 州 美(1996),褥 婦 の 退 院 後 の 生 活 イ メ ー ジ とそ の 形 成 に か か わ る 要 因 の 分 析,東 京 医 科 歯 科 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 修 士 論 文,1-7. Kendrick,C,&Dunn,J.(1980),Caringforasecond baby:Effectsoninteractionbetweenmotherand firstborn,DevelopmentalPsychology,16(4): 303-311. 小 島 康 夫,入 澤 み ち 子,脇 田 満 里 子(2001),第2子 の 誕 生 か ら1か 月 言 ま で の 母 親 一 第1子 関 係 と第1子 の 行 動 特 徴,母 性 衛 生,42(1),212-221. Nadelman,L.,&Begun,A.(1982),Theeffectofthe newbornontheoldersibling:Mothers'question. naires,InM.E.Lamb&B.sutton-smith(Eds.), Siblingrelationships:Theirnatureandsignifi-canceacrossthelifespan,(pp.13-37),Hillsdale, NJ:LawrenceErlbaumAssociates. 大 久 保 功 子(1996),初 め て の 子 供 を 持 っ た 夫 婦 の 出 産 後3 か 月 間 の 経 験 世 界 一 親 に な る と い う こ と(1)一,神 戸 大 学 医 学 部 保 健 学 科 紀 要,12,85-93。 大 月 恵 理 子,森 恵 美(2002),第2子 出 生 前 後 の 第1子 の 反 応 と家 族 の 認 知,母 性 衛 生,43(2),332-339. 岡 本 夏 木,麻 生 武(2000),年 齢 の 心 理 学0歳 か ら6歳 ま で,160,京 都,ミ ネ ル ヴ ァ書 房. Rubin,R.(1984)/新 道 幸 恵 ・後 藤 桂 子(1997),ル ヴ ァ ・ ル ー ビ ン 母 性 論,母 性 の 主 観 的 体 験,7,73-74,東 京,医 学 書 院. strauss,A.,&Corbin,J.(1990)/南 裕 子 監 訳(1999), 質 的 研 究 の 基 礎 グ ラ ウ ン デ ッ ド ・セ オ リー の 技 法 と 手 順,東 京,医 学 書 院. 20 日 本 助 産 学 会 誌 第18巻 第2号(2004 .12)

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