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SURGICAL TREATMENT OF URETHRAL STRICTURE Takeo Inoue, Takao Osada, Akihiko Hirano and Kazunari Tanaka Department of Urology, St. Marianna University S

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尿道狭窄の手術的療法

東 洋 医 科 大 学 泌 尿 器 科 教 室 (主 任:井 上 武 夫 教 授)

(横浜市民病院) 松

SURGICAL

TREATMENT

OF URETHRAL

STRICTURE

Takeo Inoue, Takao Osada, Akihiko Hirano and Kazunari

Tanaka

Department of Urology, St. Marianna University School of Medicine

(Director:

Prof. T. Inoue)

Shuzi Fukushima,

Shunsuke Matsuoka

and Teruaki Iwamoto

Department of Urology, Yokohama Municipal Hospital

Between April 1966 and March 1971, we treated 54 cases of urethral stricture.

Among these cases,

2 pediatric cases were found, in whom the stricture was caused by traffic accidents.

Traumatic and gonococcal cases were found at about the same frequency and they together

compos-ed 75% of all the cases.

The result of the internal urethrotomy was good in 46% of the cases, but when it was evaluated

after further observation, the percentage was found to be lower than before. This is because the

oper-ation was not a radical one and not aimed at removing the scars. The operoper-ation, however, was the

least destructive and indicated for the senile and poor-risk patients.

Intubated urethrotomy was performed 15 times and its result was good in 73%. The operation

is recommended as an easy, one-stage operation which has the advantage of leaving no foreign materials,

being applicable for long strictures and forming no dead space.

Michalowski and Modelski methods have the disadvantage of impossible dilatation of the urethra,

but should be resorted on when other methods fail to accomplish their purposes.

It is emphasized that the selection of the operative methods depends on the site and degree of the

strictures, but in general, the least complicated procedure should be the first choice.

まえが き

昭和41年4月 よ り昭和46年3月 迄 に我 々は尿道狭窄54

例を治療 した. 失敗 と反省を繰 り返 しつつ, 治療方法 も

種 々変化 して きた. この5年 間の経験 を もとに して, 各

種手術方法 を検討 し, 我 々の 日頃の考 えをのべ る.

統計

(1)年令:6才

か ら81才に及ぶ. 10才以下の2例 は交

通 外傷に よる. 骨盤骨折 に

ご伴 う後部尿道損傷か ら狭窄 と

な り, 悲 しい一生を送 るか もしれ ない学童の症例は近代

の特 徴 か も しれ ない. 外 傷 性 狭 窄 は20∼40才 の 青壮 年 にご 多発 す る が, 学 童 のみ な らず 老 人 に も時 にみ られ る. あ らゆ る年 代 の歩 行 者 にこみ とめ られ る. 即 ち道 路 を歩 行 す る者 は すべ て交 通 外 傷 にごよる尿 道 損 傷, 尿 道 狭 窄 の危 検 が あ る. 淋 疾 性 狭 窄 は40才 以 上 に 多 い. これ は い つ の時 代 に も 同 じ様 で あ る. (1表) (2)狭 窄 の基 礎 疾 患:外 傷 性21例, 淋 疾 性2Q例 で両 者 ほぼ 同数 で, 合 計 で75%を しめ て い る. この二 者 につ

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い で結 核 性 が第3位 を しめ て い る. 諸 家 の 統 計 と大 体 一 致 して い る. (3)狭 窄 部 位:外 傷性21例 中, 前 立 腺 部9例, 球, 膜 様 部10例 で, 半 数 は前 立 腺 部 が しめ, 多 くは 骨 盤 骨 折 に 伴 うも ので, 治 療 の困 難 を暗 示 して い る. 淋 疾 性 は20 例 で あ るが, 球, 膜 様 部14例, 広 範 囲3例 で あ る. 広 範 囲 にご及 ぶ 場 合 に は 従 来 の手 術 で は成 績 が あ が らず, 手 術 方 法 に工 夫 を要 す る. (2表) (4)観 察 期 間:6ヵ 月 以上 か ら最 長5年6ヵ 月 に 及 ぶ. 1年 以 上2年 迄62. 9%, 2年 以 上3年 迄40. 7%で あ る. 外 傷 か ら狭 窄 発 生 迄 は1∼2年 以 内 が 多 い とい わ れ て い るか ら, 術 後2年 以 上 を安 定 した 時 期 とみ る と, 2年 以 上40. 7%は, 安 定 期 に入 つ た もの が半 数 以 下 を示 し, この 種 の 疾 患 の 手 術 予 後 の統 計 と して は観 察期 間 が 短 い. (3表) (5)治 療 方 法 と成 績:成 績 の判 定 は 術 後6ヵ 月 以 上 と した. 手 術 例 で は排 尿 困 難, 尿 路 感 染 な く, 尿 道 拡 張 を必 要 と しな い もの を 良 好 と した. 保 存 的 治療 で は, 3 ヵ 月 以上 の間 隔 で尿 道 拡 張 を 行 な うもの を 良 好, 3ヵ 月 以 内 に 拡 張 を 必 要 とす る も の を不 良 とした. 45例, 83% に 手術 が 行 な わ れ て い るが, 66%, 20例 が 良 好 で あ る. 保 存的 及 び手 術 例 を 含 め る と, 良 好35例, 77%と な つ て い る. (4表) 手 術 方 法 と成 績 各種 の 術 式 を 行 な つ て い るが, 回 数 の多 い3∼4の 術 式 に つ い て の べ る. 表 は 手 術 を 回 数 で示 し症 例 数 で は な い. 同 一 例 で 数 回 の 手 術 を うけ た 場 合 もあ るか らで あ る が, 多 くは症 例 数 と一 致 して い る. 内 尿道 切 開 術 は13回 行 な い, 良 好 は46%と 半 数 以下 で あ る. Intubated urethrotomyは15回 行 な い良 好 は73% (11回)で 好 成 績 で あ る. 表1年 令 分 布 表2疾 患 と狭 窄 部 位 表3観 察 期 間;狭 窄 例54例 表4治 療 と予 後;狭 窄 例 表5手 術 術 式 と予 後;狭 窄 例

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図1金 子某. 第二 次 手 術 完 了 直 後 図2菊 地 某. 第二 次 手 術 完 了 後

図3片 岡 某. 2回. 内尿 道 切 開 術 に 失 敗

図4片 岡 某. Intubated Urethrotomyに こ 成 功

図5矢 野 某. Intubated Urethrotomy失 敗, 術 後.

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pull through法 は6回 行 ない, 4例 が 良好 で あ る. 不 良 の2例 は 技 術 の 未 熟 を 感 じ て い る. Michalowski, Modelski法(以 下M, M法 とす る)は4例 に行 な い2 例 が 良好 で, 他 の2例 は不 明 で あ る. 良好2例 の1例 は 後 述 す るが, 最 近 尿 閉 と なつ た. (5表) 症 例 (1)金 子 某. 13才 瓦昭 和38年, 4才 の時, 交 通 事 故 にこて, 骨 盤 骨 折, 尿 道 損 傷 を うけ, pull through法 を行 な わ れ た が, 狭 窄 とな つ た. 先 天 性 か, 手 術 に よる もの か 不 明で あ るが 陰 茎 の 短 縮 が あ り, pull through, 端 々吻 合 も不 可 能 と 思 わ れ た ので, 昭 和40年M, M法 の第 一 次 手 術 を 行 ない, 1年 後Crawford法 に て尿 道 を新 設 し た, 年1回 尿 路 感 染 を 併 発 す る程 度 で 極 め て順 調 に経 過 し, 小 学 校 も無 事 卒 業 とい う頃, 昭 和47年3月, 突 然 尿 閉 とな つ た. 陰 嚢, 大 腿 部 に 発 赤, 浮 腫 もあ り, 尿 浸潤 が 考 え られ た の で, 直 ちにCrawford法 で作 つ た 尿道 を 約7cm切 開 した 瓦予 想 の 如 く, 狭 窄 部 は第 一 次手 術 時 の 会 陰 痩 と新 設 尿 道 の 境 界 部 に あ つ た. 現 在 は会 陰 痩 と し て い るが, 近 日, Crawford法 で再 び尿 道 を新 設 す る予 定 で あ る. (1図) (2)菊 地 某, 18才. 13才 の時 交通 事 故 で, 骨 盤骨 折, 尿 道 損 傷 を うけ た. 某 病 院 に てM, M法 の第 一 次 手 術 が 行 な わ れ た が, 会陰 痩 が 狭 窄 とな り膀 胱 痩 を 設 置 さ れ て 紹 介 され た. 昭和43年10月, M, M法 の第 一 次手 術 を 再 度 行 ない, 直 線 ブ ジ-No.23∼24が 入 る大 い さに 会 陰 痩 を作 つ た. 6ヵ 月後 狭 窄 の現 わ れ な い こ とを 確 認 して, 昭 和44年3月 第 二 次 手 術 をCrawford法 に て 行 な つ た. 3年 後 の昭 和47年4月 現 在, 狭 窄, 尿 路 感 染 もな く順 調 であ る. (2図) (3)片 岡 某 瓦22才. 昭 和34年, 鉄 棒 よ り落 下 して, 会 陰 部 を 挫 傷 し, 尿道 狭 窄 とな つ た. 昭 和38年, 某 病 院 に て, Johanson手 術 を う け た が, 尿 道 末 梢 端 と, Denis Brown法 で造 設 され た尿 道 の境 界 部 に狭 窄 を 生 じ, 週1回 の尿 道 拡 張 を うけ て いた. 毛 髪 を核 と した 結 石 を 形 成 し, 時 に は 毛 髪 が2∼3cm外 尿 道 口か ら飛 び 出 した. 昭 和43年7月, 昭 和44年11月 の2回, 内尿 道 切 開 術 を 行 なつ た が, 前 回 のJohanson手 術 に よ る 死 腔 の ため, ネ ラ トン留 置 が で きず 失 敗 し, 1ヵ 月2回 の尿 道 拡 張 を 必 要 と した. 次 にIntubated Urethrotomyを 行 なつ た. 狭 窄 部 は 振 子 部 に あ るの で, 尿 道 迄 の皮 下 組 織 が 少 な い の で, 皮 切 は 陰 茎 腹 面 中 央 よ り側 方 にず らして, 軟 部組 織 の多 い 所 を 選 ん だ. 皮 下組 織 の 少 ない 所 は 尿 道 痩 を形 成 し易 い か らで あ る, 癩 痕 を 切 除 し, ネ ラ ト ンを 留 置 し, 軟 部 組 織 で ネ ラ ト ンを 被 覆 した. 排 尿 困 難 は 全 く消 失 し, 尿 道 は 著 明に 拡 張 し, 順 調 と なつ た. (3, 4図) (4)矢 野 某, 27才. 膜 様 部 狭 窄 に 対 しIntubated Urethrotomyを 行 なつ た. ネ ラ トン抜 去 と同時 に尿 閉 と な り, 尿 道X線 に て 全 く同 じ所 に 同 じ形 の狭 窄 が み とめ られ た. 直 ち に 再 手 術 を 行 な い, 以 後 順 調 とな つ た. 本 例 は 後 述 す るが, 技 術 の ミスに よ る もの で あ る. (5図) (5)桜 井 某. 42才, 淋 疾 性, 球, 膜 様 部 の 狭窄, Intubated Urethrotomyを 行 なつ た. 術 後 全 く尿 道 拡張 は しな か つ た が, 1年 目尿 道 計 測 で は 全 く正 常 で あつ た. 現 在, 術 後4年 で あ るが 極 め て 順 調 で あ る. (6, 7 図) 考 按 我 々は 少 数 例 で は あ るが, 2∼3の 手 術 を 中 心 に, 一 つ 一 つ を 反 省 しな が らや つ て きた. 失 敗 もあ つ た が, 一 方 貴 重 な 経験 も得 た. こ こに 紹 介 し, 考 按 して み る. 1. 手 術 方 法 と成 績 i内 尿 道 切 開 術:本 法 を 始 め た 動 機 は, 先 輩 よ り簡 単 で 合 併 症 もな く, 良 成 績 を あ げ うる手 術 だ と推奨 され た の で 追 試 し よ うと した か らで あ る. 2年 前, 11例 の2年 間 の観 察2)を 発 表 し, 7例 が良 好 で あ つ た. そ の 後2例 を 追 加 し13例 とな つ た が, 良好 は 6例 とな り50%以 下 とな つ た 瓦 本 法 は, メ ー ゾ ンネ ー ブ氏 刀 で 襖 状 に 切 開 され た線 維 面 に, ネ ラ トン留 置 期 間 中 に, 尿 道 粘 膜 が 再 生 して, 尿 道 が 拡 張 す る訳 で あ るが, 癩 痕 の切 除 を 行 な わ ず12時 の 図7桜 井 某. Intubation Urethrotomy成 功

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み1ヵ 所 切 開 す るた め に, 尿 道 粘 膜 の 全 く存 在 しな い癩 痕 部 を 切 開 した た め に 拡 張 しな か つ た り, 又 癩 痕 が 再 び 収 縮 して, 狭 窄 とな つ た りす る こ とも あ ろ う. 癩 痕 の 少 な い 症 例 にごは適 して い るが, 癩 痕 の 強 い 症 例 に は再 発 も 多 く, 観 察 期 間 が長 くな れ ば, 成 績 も低 下 す る と考 え ら れ る. 我 々 は 切 開 を 深 く して, よ り効 果 を大 き くす る た め に, 刃 の高 さ を既 製 の7. 0mmか ら, 7. 5mに して 使 用 し てい る. 12時 以 外 に3時, 9時 を 切 開 した方 が 効果 が大 きい. メ ー ゾ ンネ ー ブ氏 刀 で は 困難 で あ るが, Otis尿 道 刀 は 適 して い る. 我 々 は経 験 が 浅 く, Otis尿 道 刀 に よる成 績 を 出 して い な い が, 外 国 で は 広 く使 用 され て い る様 で あ る. Gray and Biorn(1968)1)は71例 にOtis尿 道 刀 にご よ る内 尿 道 切 開 を 行 な い, 51例 は 術 後 尿 道 拡 張 の 必 要 は なか つ た との ぺ て い る.

Katz, A. S. and Keith, W. (1971)6)は, 1966年 来 の 80例 を 観 察 した. Otis尿 道 力 で34F迄 切 開 し, 3週 間 留 置 カ テ ー テ ル を お く. 48%優 秀, 16%満 足, 36%不 満 足 で 良 好 な成 績 を あげ, 出血 等 の合 併 症 もみ とめ て い な い とい う.

一 方 反 対 す る者 もあ り, Tanagho, E and Lyon, R. P. (1971)14)は犬 の 動 物 実 験 か ら, 尿 道 の組 織 は32F以 下 の切 開 で は変 化 を示 さな い が, 45Fにご切 開 す る と, 全 層 を 切開 し筋 肉 は 線 維 で 置 換 され 癩 痕 化 す る とい う. 一 方 ゾ ンデ や 拡 張 器 に よ る拡 張 は, 組 織 学 的 変 化 を 示 さず 内 尿 道 切 開 術 は 外 傷 だ とい つ て い る. メ ー ゾン ネ ー ブ氏 刀 に よ る7. 5mの 刃 の 切 開 は22∼23 Fで 外 傷 に は な らな い と思 うが, そ れ だ け に 効 果 も少 な い. 35F位 に 思 い切 り切 開 した 症 例 を経 験 して 追試 した い. 効 果 が 永 続 的 で な い症 例 もあ り得 る とい う欠 点 を もつ て い るが, 簡 単 な 手 術 で あ るた め, 侵 襲 の 大 きい 手 術 の で きな い 老 人, poorriskの 症 例 に は最 適 であ る. 適 応 に 制 限 が あ る が, 充 分 役 立 つ 術 式 で あ る. ii Itubated Urethrotomy 本 法 は, 井 上, 平 野4)が 昭 和43年 に 紹 介 した. 6例 中 5例 に 成 功 した が, そ の 後 症 例 を 重 ね, 現 在15例 とな り, 11例 は 良好 で あ る. 本 術 式 の要 点 を の べ る と, 狭 窄 部 癩 痕 を 切 除 し, 狭 窄 部 尿 道 を 正 確 に縦 にご, 健 康 な 尿 道 粘 膜 迄 充 分 に 切 開 す る. 失 敗 した 症 例4は, 尿 道 を 縦 に 切 開 した が, 実 は 尿 道 外 の搬 痕 組 織 を縦 にご切 開 し, ネ ラ トンを留 置 した もの と思 う. 必 ず 尿 道 粘 膜 の帯 状 の連 絡 を確 認 す る. 癩痕 に よ る連 絡 で は粘 膜 は再 生 し ない か ら, そ れ らを 切 除 し, 改 め て 健 全 な 粘 膜 にこし て, 端 々を1∼2針 縫 合, 半 環 状 に し て尿 道 の連 絡 を 作 る. 太 す ぎな い ネ ラ ト ンを 留 置 す る. (8, 9図) 本 法 の 長 所 は1)手 技 が 簡 単 で あ る. 2)one stageの 手 術 で あ る. 3)異 物 を 残 さぬ. 4)広 範 囲 の狭 窄 に利 用 で き る. 5)死 腔 形成 が な い. 等 で あ る. 図8Intubated Urethrotomyの 手 技 図9後 壁 の み 縫 合 し. 前 壁 は 開放 す る.

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本 邦 で は 岩 崎5)の報 告 が あ る. や や 観 察 期 間 の短 い も の も含 ま れ て い るが, 14例 に行 な い, 全 例 が 順 調 で, 極 め て 良好 な 成 績 を 得 て い る. 本 法 の理 論 も さ る ことな が ら, 彼 の技 術 の す ぐれ た事 に も よる と思 う. 彼 の経 験 に よる と, 狭 窄 部 癩 痕 が 短 い場 合, 必 ず し も正 常 尿 道 粘 膜 で橋 渡 しを 作 ら な くて も成 功 す る様 に思 わ れ る とい う. Singh, M. (1967)13)に よ る と, ウ ガ ン ダは 貧 乏 国 で あ る た め, 入 院 を短 くす る様 にご, 尿 道 狭 窄 にごはone stage の手 術 を 行 な つ てい る. 経 験 上, 狭 窄 部 を切 開 してお く と, 上 皮 が 再 生 して 適 当 な 内径 の尿 道 が で き る ことを し り, そ の 後, こ の考 え に従 つ て や つ て い る. 15ヵ 月間 の 観 察 で, 10人 中9人 にご成 功 して い る. Intubated Urethrotomyを 経 験 上 し り, 術 式 と してや つ て い る の で あ る. 留 置 カ テ ー テ ル は感 染 を助 長 して 有害 で あ る か, カ テ ー テ ル を使 用 しな い場 合 は ど うか, 留置 カ テ ー テ ル の最 少 必要 日数 を 確 定 した い等 の た め に, 平 野 は動 物 実 験15) を 行 な つ た. そ れ に よる と, カテ ーテ ル は感 染 を助 長 し た り, 尿 道 粘 膜 の再 生 を妨 げ た りしな い, 又 カ テ ー テ ル を使 用 しな い 場 合 は再 生 粘 膜 が 尿道 腔 内 に飛 び 出 して管 腔形 成 にご不 利 で あ る こ と, 粘 膜再 生 は, 粘 膜 欠 損 の範 囲 と無 関 係 で, 4∼6週 間 で完 成 す る こ とが 判 明 した. 我 々 は 経 験 上, カ テ ー テ ル 留置 を3∼4週 や つ て い た が, 動 物 実 験 よ り, 4∼6週 間 と標 準 が確 立 され た. 片 岡 某 は 尿 道 外 傷 に て端 々 吻 合 を うけ, 狭 窄 発生 のた め, Johanson法 を うけ た. 狭 雍 の再 発, 毛 髪 を核 とせ る 結 石 形 成 の た め, 内 尿 道切 開 術 を2回 うけ たが 失 敗 し, 最 後 にごIntubated Urethrotomyに て 成 功 した. 4 種, 5回 の手 術 を うけ, 各種 手 術法 の長 所, 短 所 が よ く 現 れ て い る. 2回 の 内 尿道 切 開 術 の失 敗 は, Johanson法 に よ る死腔 のた め, ネ ラ トン留 置 が で きな か つ た 点 を原 因 と考 え て い た が, Intubated Urethrotomyの 際 に み る 所 で は, 多 量 の癩 痕 を 切 除 しな い 点 も原 因 の 一 つ で あ る.

Sleeve MethodはIntubated Urethrotomyと 全 く同 じで あ る. (10図)Madsen(1966)7)が 振 子 部 の 狭 窄 に 行 な い, Sleeve Methodと 名 づ け て い るが, MichalowSki

(1964)19)も 全 く同 じ方 法 を 彼 よ り2年 前 に 報 告 して い る. 振 子 部 の 多 発 性 狭 窄 に最 適 で あ る. 我 々 の1例 は結 核 性 狭 窄 で あ るが, 5年 後 良好 な経 過 を とつ て い る.

iii MichaloWski, Modelski法9)

本 法 は1962年 に 発 表 され た. (11, 12図)我 々 も 同 じ 原 理 の 手 術 を 全 く別 個 にや む な く行 なつ た1例 が あつ た

図10Sleeve Methodの 手 技

図11Michalowski und Modelski法 そ の1

図12Michalowshi und Modelski法 そ のII

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が, 彼 らの文 献 を よみ 大 い に 勇 気 づ け られ, 3例 の経 験 を 発 表 した3). そ の後1例 を 加 え た が, 長 期 観 察 し得 た の は2例 で, 5年7ヵ 月, 及 び3年 で あ る. 6年 の症 例 は 時 に 尿 路 感 染 を併 発 した が, 死腔 に結 石 形 成 もみ とめ られ な か つ た. 昭 和47年3月 突然 尿 閉 とな つ た. 尿 浸 潤 も疑 わ れ た の で緊 急 にご手 術 を行 なつ た. 以 前 よ り尿 道 ブ ジ ーは 会 陰 よ り中枢 にごは角 度, 死 腔 のた め 挿 入 不 能 で あ つ た. 今 回 も ブ ジ ー は会 陰 よ り入 らず, そ こに 狭 窄 発 生 あ りと推 定 して, 尿 道 を切 開 し狭 窄 を み とめ た. 本 法 の 欠 点 は, 尿道 拡 張 の不 能 な点 で あ る. 膀 胱 か ら会 陰 痩 迄 の 尿 道 が, Crawford法 で 設 置 した 尿 道 と90度 又 は そ れ 以 下 の角 度 で 曲 る ので, 硬 い 金属 ブ ジ ー は絶 対 に 膀 胱 迄 挿 入 で きな い. 第 一 例 を経 験 した 当 時, ドイ ツ よ り宮 崎 一 興 博 士 が, ゴ ム製 の ブ ジ ーを持 ち 帰 られ た. これ は 尿 道 を 絶 対 に 損 傷 しな い の で, か な り 強 力 に尿 道 拡 張 を試 み た が, 死 腔 を 通過 して, 会 陰部 を うま く曲 つ て膀 胱 に 挿 入 す る こ とは で きな か つ た. この 点 は, 毛 髪, 死 腔 形 成 以 上 に 大 きな 欠 点 で, 術 者 に とつ て不 安 で あ つ た. 狭 窄 が 現 わ れ た場 合, 如 何 に すべ き か 心配 で あ つ た が, 現 実 とな つ て きた. 「手 術 は 簡 単 を もつ て尊 し とな す」 が 近 頃 の私 の心 境 で あ る. 合 併 症 が お き た場 合, 複 雑 な手 術 は, 再 手 術, 修 復 が 困難 で あ る. 本 法 も, 会 陰 痩 とす る か, 再 度Craw-ford法 を行 な うか 以 外 に方 法 は な さそ うで あ る. Michalowski11)は1971年, 尿 道 狭 窄 の綜 説 を 発 表 し て い るが, 新 しい 方 法 や, 古 いPull through法 を 紹 介 し て い るが, 本 法 に つ い て は のべ て い な い. 10年 間 に い ろ い ろ の経 験 を し, 今 回 の 綜 説 に 本 法 を 入 れ な か つ た の で 3あ ろ うと推 察 した. 5年 以 上 順 調 に経 過 し, も う大 丈 夫 と考 え て い た矢 先 の 尿 閉 で, 大 い に反 省 させ られ, 尿 道 狭 窄 の手 術 法 の成 績 評価 は5年 の観 察 で は短 い と痛 感 した. 本 法 は 前 立 腺 部 尿 道 狭 窄 に対 す る手 術 法 で, あ らゆ る 方 法 に失 敗 し, 尿 路 変 更 の外 に 方 法 が ない 時 に行 な うべ き で あ る と考 え て い る. 貴 重 な手 術 法 で あ るが, 上 述 の 欠 点 も あ り, 安 易 に 行 な つ ては な ら ない と考 え た. こ の手 術 の手 技 は 既 にご発 表3)した が, 今 回 の 経 験 か ら 会 陰 痩 と末 梢 部 尿 道 を 連 絡 す るCrawford法 を 行 な うと き, 狭 窄 の 好 発 部 位 で あ る会 陰 痩 を 囲 む 皮 切 を 大 き く と り, 従 つ て, 帯 状 の皮 弁 も局所 的 な が ら大 き く して, 鋭 角 的 に 曲 る尿 道 の 角度 は か え られ な い が, 管 腔 を大 き く す る こ とで, 少 しで も狭 窄 を防 ぎ た い と感 じた. 2. 麻 酔 と尿 道 ブ ジ ー 金 属 ブ ジ ー も誘 導 ブ ジ ー も入 らず, 手 術 を行 な う こと に して, 腰 麻 を か け 念 のた め に 尿 道 ブ ジー を試 み た ら, うま く狭 窄 部 を 通 過 した の で 手 術 を 中 止 した り, 会 陰 部 に 皮 切 を 入 れ た 後 に 上 述 の 経 験 を して, 皮 切 を 縫 合 し て, 手 術 を終 了 した 症 例 も あつ た. 無 麻酔 で は ブ ジ ー の 成 功 し ない 例 も, 腰 麻 下 で は 容 易 に 入 る こ と もあ り, 皮 切 を 入 れ る前 にご, ブ ジ ーを も う一 度試 み て ほ しい. 3. 尿 道 狭 窄 の手 術 療 法 に対 す る考 え. 術 式 は 簡 単 な術 式 を 原 則 とす る. 複雑 な もの程, 不 成 功 にご終 り易 く, 再 狭 窄 にご対 す る修 復 が 困難 で あ るか らで あ る. (1)前 部 尿 道 狭 窄:Sleeve MethodかIntubated Urethrotomy. 次 がJohanson法 (2)球, 膜 様 部 狭 窄:Intubated Urethrotomy次 が Gil Vernet法12), Wells法.

(3)前 立 腺 部 狭 窄:Intubated Urethrotomy, 次 が pull-through法. 3∼4cm完 全 に癩 痕 で置 換 され て, 二 つ の 手 術 法 が 不 可 能 な場 合, Gil Vernet法, Wells法 を 試 み て も よい. 然 し, 前 立腺 部狭 窄 は, 深 部 で, 縫 合 操 作 を 行 な う 手 術 は 困難 で あ り, Gil Vernet法 も 不 可 能 な らば 最 後 にごM, M法 を 行 な う. 以 上 の順 序 で手 術 を行 な えば, 大 きな 失 敗 は な い と思 う. む す び (1)昭 和41年4月 よ り昭 和46年3月 迄 の5年 間 に治 療 した 尿 道 狭 窄54例 を 分 析 した. 外 傷 性狭 窄 は あ らゆ る 年 令 に 発 生 し, 交 通 事 故 が 大 い に 関 係 が あつ た. (2)内 尿 道 切 開 術 の 適 応, Intubated Urethrotomy の 優 秀 性, M, M法 の厳 重 な適 応 を のべ た. (3)狭 窄 部 位 に 応 じて, い か な る術式 を どん な 順 序 で選 択 す るか, 我 々の 考 え を の べ た. (本 論 文 の要 旨は, 第60回 日本泌 尿 器 科 学 会 総 会 で発 表 した.) 文 献

1) Gray, C. P, and Biorn, C. L.: J. Urol., 100, 653, 1968.

2) 平 野 昭 彦. 井 上 武 夫: 臨 泌, 25, 151, 1971. 3) 井上 武 夫, 平 野 昭 彦: 手 術. 21, 152, 1967. 4) 井 上 武夫, 平 野 昭 彦: 手 術. 22, 323, 1968. 5) 岩 崎 孝 史. 石 堂 哲 郎: 共 済 医 報, 20, 243, 1971. 6) Katz, S. A. and Waterhouse, K.: J. Urol.,

(8)

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10) Michalowski, E.:

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11) Michalowski, E.:

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12) 小 川 秋 実: 手 術, 25, 31, 1971.

13) Singh, M.: Proc. R. Soc. Med., 60, 871, 1967. 14) Tanagho, M. and Lyon, R. P.: J. Urol.,

15, 242, 1970.

15) 平 野 昭 彦: 泌 尿 紀 要 投 稿 中.

参照

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