理学療法学 第
20
巻第8
号487〜492
頁 (1993
年 )報 告
腰 部
の
痛
み
への
運
動療 法
*白 井
誠
1)米 谷 諭
1)中塚久美子
1)守
屋 智 里
t)高 橋
誠
2) 要旨 この研究の 目的は,
腰部痛を主 訴と しReactive
pain と診 断さ れ た症例に対して,
我々が考案し実 施した運動療法の有効性を検索することであ る。 この運動療 法は,
腰 部周 囲の筋過緊 張を筋伸張運動に て抑制することを 症例に学習さ せ ることを目的と した。 運動 療法の継続によ る疼痛の変化と,
こ の特 異 的効 果を示す た めの一
回の運動療 法に よ る客観 的効果を検討し た。 客観的評 価は,
単位時間あ た りの.
lt
肢変換運動回数を測定し た。 その結果, 運動 療法の継続に よ り19
例 中16
例が疼痛軽 減し, そ して,45
例に対す る一
回の運動療法に おい てE
肢変換運動 回数は正常 化をみ た。 キー
ワー
ド 腰 痛 症,
筋 過 緊 張,
運 動 療 法1 .
は じ め に い わ ゆ る腰 痛症に対す る 運動療法で は,
腰痛体操を主 体と し た筋力増強訓練と関節可動域訓練が行わ れ る こ と が多いL−
3)。 こ の運 動 療 法は直 接 痛み を軽 減 す るこ と が 目的で な く,
腹 筋をは じ め とする体 幹 筋の強 化と軟 部 組 織の ス トレッ チン グに主 眼 を お くことが 目的であ る3)。 そのため,
患 者の訴え る疼 痛に対 して,
十 分に対 応 して い るとはいえ ない。
我々 は, 腰痛症にお け る腰部周 囲筋群の筋緊張の異常 性に着 目し,
これらの改善を目的に筋伸張運動を行って い る。 その結 果, 疼痛 軽減の 効果を得るこ とが多い。 こ の運動療法の実際,
臨床成績 効 果判定につ い て検 討し た。’
MovementTherapy for Low Back Pain
P
石川病院理学診療 科
Makoto Shirai
,
RPT,
Satoru Maitani、
RPT,
KumikoNakatsuka
,
RPT,
Chisato Moriya,
RPT :Dept.
of Phys・
ical Therapy
,
Ishikawa Hospitalz)
リハ ビリテ
ー
ショ ン メ デ ィカ ル サー
ビ スMakoto Takahashi
,
RPT :Rehabilitation Medical Serv−
ice (受付日1992年4月6日/受理 口1993年7月6凵)
H
.
運 動療法
と臨床成
績 (1 )対 象対象は腰部痛を主訴と し
, Reactive
pain4)と診断さ れ た 19例とした。 その内 訳は,
男 性 8例,
女 性 11例,
平 均年齢38.
2 (12−
56) 歳であっ た。
(2
) 運 動 療 法の実 際 Reactive pain の原 因 とな る筋 過 緊 張の抑 制 と過 緊 張 筋の伸 縮 性5)の獲 得 を 日的に運 動 療 法 を行っ た。
1,
評 価 腰部周囲筋群の 過 緊 張部を問診 運 動 検 査,
触診によ り評価し たS)。 1) 問診 :疼痛部 位を閙診する。 そ して,
そ の部位に 関連 する筋を特定す る。 2) 運 動 検 査 :特 定し た筋に対して,
運 動痛を誘発 す る。 運 動 痛は,
伸 張 痛,
収 縮 痛,
短 縮 痛 を診る。
3) 触 診 :闇診ま た は運 動 検 査に よ り推 定さ れた筋を 触 診 し,
圧 痛 部 位ま た は疼 痛 過 敏 部 位 を評 価 する。
これ らの評 価により,
過 緊 張 筋 を特 定 する。
2.
方 法 過緊 張 筋 群を自動 運 動 (Active
movement )に て,
伸縮を繰り返 し な が ら伸張す るこ と を基本と し た。 原 則 として以下の3
方 法を組み合わ せ実施し た。488 理学療法学 第
20
巻第8
号 図1
腰 部 脊 柱 起 立 筋 群・
腰 方 形 筋・
殿 筋 群・
大 腿 筋膜張 筋の伸 張 1 ) 腰部脊柱起 立筋群・
腰方形筋・
殿筋群・
大 腿 筋 膜 張 筋の伸 張 (図1
) 治 療 肢 位 :膝 立て臥 位 運 動 内容 :まず,
膝 立て臥 位にて骨 盤 後 傾の運 動 を行 わせ る。 こ の運 動が困難な場 合は, 腰背部の可動性を他 動 運 動 (Passive movernent )にて獲 得 する。 次に,
重 力にまか せ て骨盤を回旋させ る よ うに両膝を一
側に倒 す。 左右に倒し,
左右差を患者に確認さ せ る。 左右差が なく 図2 腰 部 脊 柱 起 立 筋 群の伸 張 1 な る よ う に,
繰り返 し伸張運動を行わ せ る。 可 動 性の増 加に伴い一
.
側 の下 肢を交 差し,
さ らに回 旋 させ伸 張 する。 疼痛が増強し ない範 囲で,
最大限に 自動運 動に て伸 張 す る。 運 動を繰 り返 す 中で,
必 ず 患者自身に左 右 差,
伸 張 感を確認さ せ る。2
) 腰 部 脊 柱 起 立 筋 群の伸 張 (図2
) 運 動 内 容 :骨 盤を前後 傾さ せ腰背部を伸張する。 1 ) で全 体 的な可 動 性 を獲得した後に施行 する。 は じめに,
椅 坐 位で坐骨を転がすよ う に前後に重 心移動を行わ せ,
自動 的(automatic )7}8) に骨盤前後 傾運動を さ せる。 重 心移動だ けで困難な場合は
,
胸椎 仲展・
屈 曲運 動 を行 わ せ,
骨盤 前後傾連動を誘 導 する。
自動 的に前 後 傾 運動 を繰り返しで き た ら,
後 傾 時に腰 背 部の伸 張 感 を意 識さ せる。 前 後 傾の可 動 性が増 加 する のを確 認させ なが ら, 自動 運 動に て繰 り返し腰 背 部を伸 張 す る。
3) 腰 部 脊 柱 起 立 筋 群・
殿 筋 群・
ハ ム ス ト1丿ン グス の 伸 張 (図3) 治 療 肢 位 :長 坐 位 運 動 内容 :1),
2)の運 動で伸 張 性を獲 得し た 後に,
積極的に腰 背部 を伸張する場 合に行う。 足 先を同側手で 把持し膝伸展運動を行い, 腰 背 部・
殿 部・
大 腿 後 面 を伸 張 する。
こ の際に痛み を増強し ないよ うに膝伸展範囲を 調節させ る。 膝屈 曲 時に は全 身 的に リラ ッ クスさ せ る。 伸張性が増加 して き たのを確 認さ せ な が ら,
足 先の把 持 する部分を多 くさ せ る。 図3
腰 部 脊柱起立 筋 群・
殿 筋 群・
ハ ム ス ト リング スの仲 張腰部の痛みへ の運 動 療 法 489 3
.
訓練の進め方 1セ ッ ト :上 述の3
方 法を組み合 わせ15− 20
分 間を, 1日2セ ッ ト (午 前・
午 後 ) 行っ た。3
方 法の組み合わ せは,
過 緊 張 筋の伸 張 性が大きい運 動を中心に行っ た。 過 緊 張 筋 群の伸 張 感,
可 動 性の左右 差,
仲 張 性の増 加 度 を患 者に常に意 識 させ,
運 動 後の効 果を自 己評 価さ せ た、
運動後の効果が患者 自身で確認できて くれ ば, 1セ ッ ト の内容を少な く し習慣と な る よ うに行っ た。 (3
) 臨 床成績 1.
筋 過 緊 張 部の評 価 :過 緊 張 部は,
腰 部 脊 柱起 立筋 群,
腰 方 形 筋,
殿 筋 群,
大 腿 筋 膜 張 筋,
ハ ム ス ト リング ス に多 く認め た。 2.
疼 痛 評 価 :疼 痛を誘 発 する運動は,
全例と も腰推 後 屈 運 動 ま たは後 屈 位で あっ た。3.
治 療 結 果 :19例 中 16例が,
患 者の主 観 的 評 価に て疼痛軽 減の効 果を認め た。 治療日数は,
平均 15.
4 (3−−
40)目で あっ
た 。 皿.
効 果 判 定 (1) 効 果 判 定につ い て上 述の臨床 成 績は
,
以 下の要 因により運 動療法の特異 的効果9)を 示して いないと考え られ る。・
治療 日数が数日以E
を経 過 して おり自然 回復の要素が 含まれ て い る。・
運 動 療 法のみで なく,
物 理 療 法,
薬 物 療 法 を併 用 して いる症例がある。・
対照群が設 定さ れてお ら ず,
プ ラセ ボ効果,
非 特 異 的 効 果を否定で き な い。・
効 果 判 定 指 標が疼 痛の 主 観的評 価であ る ため,
そ れを 筋 過 緊張の程 度と して評 価で き な い6)。 これ らの要 因に対して,
以 ドの こと を考慮し効果 判定 を行っ た。
・
臨 床におい て,
疼 痛を主 訴とする患 者に対し対照 群を 設 定 する の は困難であ る。 その た め,
正常値との比較に おい て効 果を示 す。・一・
回の運 動 療 法 前後で の変 化を,
特 異 的 効 果と して評 価 する。・
疼 痛 以 外の 筋 過 緊 張によ る影 響を,
筋 過緊 張の程度と して評価 する。 (2
) 対 象 1.
腰部痛を主 訴と し,
Reactive pain と診断された45
例 (以 下,
効 巣 判定群)を対象と した。 その内訳は,
男性22
例,
女 性23例,
平均 年 齢43.
0 (ll−
67) 歳で あっ た。 効果 判定 群は今囘の 本運動療 法の未 経験 者で あっ た。2 .IE
常 値の指 標と して健 常 者45例 (以 ド,
健 常 群 ) を対象と した。 その内訳は,
男 性 17 例,
女 性28
例,
平 均 年 齢43,
王 (17−
68) 歳であっ た。
ま た,
効 果 判 定 群と 健 常 群の平 均 年 齢は,
t検 定に て p<O.
Olで有 意 差 を 認 め な かっ た。 (3
) 方 法檜, 牛尾 ら 1°
−
17)が提 言する,
脊柱深部受容器起源の姿 勢反射機構を利 用し,
腰 部筋過緊 張を 評価す る。 評 価は 単位時間あ た りの ヒ肢変換運動回 数を測定し た。 上肢変換運動回数の 測定方法:椅坐位に て カ ウン ター
を大腿 前面に置き,
で き る だ け速く手 背と于掌で交互に 叩 くよ うに指導し測定し た。 測定値は, 10
秒間あ たり の回数を2回 測定し た最大値を採用し た。一
症例か ら左 右 上 肢の 2測 定 値 を採 用 した。 1.
効 果 判 定 群に対し上 述の運 動 療 法 前 後の上 肢 変 換 運 動 回 数 を 測 定 した。 運 動 療 法は 1セ ッ ト行っ た。
2.
健常群の上肢変 換運動回数を測定し た。 (4)結果 (以下,
測定値は平均値±標準偏差 を示す ) (表1
)1.
効果判定 群の運勁 療法前 後の上肢変換運勤 回 数は,
運動 療法前 :30.
2
±7.
4
回,
運動療 法後 :35.
0
± &4
回 と増 加 を示し,
t検 定に てp
<O.
01
で有意 差 を 認 め た。2.
健 常 群の上肢変 換 運 動 同 数は,35.
8
±7.
3
回と な り,
効 果判 定 群 運 動 療 法 前 測 定 値に比べ 同 数は多 く,
t 検 定に て pく 0,
01で有 意 差を認めた0 3,
健 常 群の測 定 値 と効 果 判 定 群 運 動 療 法 後 測 定 値は,
t検 定にて p< O.
O! で有 意 差を認めなかっ たロ
IV,
考 察 今 回の運 動 療 法は以 ドの5
つ の 特徴を持っ と考えて い る。 1,
過 緊 張 筋の収 縮 性 組 織に対 して能 動 的 抑 制5)を行 表1
上肢 変 換運動 回 数の比較 効 果 判 定 群 (n・
=
90) 健 常 群 運 動 療 法 前 運 動 療法後 (r1=90
) 平均 :ヒ 標 準 偏 差30.
2 ± 7.
4 35.
0
± 8,
435.
8 ± 7.
3 Ls *■ * * p<0,
01 −_
*
*
_
」 n・
S・
:not significantL
−一一
n.
s.
一一
一
」490
理 学 療 法 学 第20
巻第8
号 う。
:過 緊 張 筋を重 力を利 用し,
ゆっ く りと間接 的 伸 張6)を 行い リ ラ クゼー
シ ョ ンを はか る。 つ まり,
筋 過 緊 張の悪 循環を遮 断 する た めに,
侵 害 受 容 器の求心性情報 を減少さ せ る4)。2 .
過緊張筋の収 縮性・
非 収 縮 性 組 織の伸 縮 性 を高め る。
:能 動 的に過緊張筋を,
持続 的に,
繰り返 し伸 張運 動 を 行い,
仲 縮 性 (筋が弛 緩 し たり,
伸張 力により伸 張 し た りする能 力 ) を高める。
は じ めは自動的に行い,
そ して伸 張に よ る可 塑 性5) (伸 張 力 が 取 り去 られて も,
新 しい長い長さ が その ま まの状 態で残る性向)が高ま るに つ れて随 意 的に行っ てい く。
3 .
筋過緊張を筋伸 張に伴う伸張感で感 覚化する。
; 筋過緊張によ る疼 痛の訴え は,
局在性が乏 し く部 位 を 明 確にあ ら わすこと がで き ない 18)。 この症状が患者の不安 感を高め,
筋過緊張に悪影響を与えて い る と考え ら れ る19)。
これに対 して筋 過 緊 張を感 覚 化 することにより好 影響を促す。4 .
過緊張筋によ る異常姿勢1のを伸 張 運 動にて修 正 す る。 :患 老の示 す 疼痛回避姿勢に対して, 腰 部周 囲筋 群 の伸 張 性のバ ランスを高めるよ うに伸 張運動を行い修正 する。 患 者は,
「筋 過 緊 張に よ る異 常 姿 勢が筋 過 緊 張を 招く」 とい っ た悪 循 環に陥っ て い ると考え ら れ,
これ を 遮 断 する。
5.
過緊張筋を自己管理さ せ る。 1筋 過 緊 張に よ る疼 痛は,
患者個々に よっ て増 悪 する時 間 帯 が 異な る。
例 え ば,
起 床 時,
労 働 後の疲労 時な ど。 その た め時 閙, 場 所 を問わず 患 者 自 身が仲 張 運 動を行え るこ とが 重要 と考え る。
これ を 考 慮 し特 別な道 具 を 使 用せず,一
人で,
どこ で も仲張運動が行え るよ うに治療を進める。 そ して,
伸 張運動後の 効果が自己判定で きる ように指導する20)。
今回の治療対 象は腰部の Reactive pain と し, 治療 は腰 部 周 囲 筋群の 過緊張の改善を目的に行っ た。
筋 過 緊 張は上述の ご とく,
腰部, 殿 部, 下肢に認 め, これ らに 対して伸 張 運 動を行っ た。 臨 床で は,
筋過緊 張の聞題が 解 決し た後に,
各々の筋過 緊張の一
次 的問題 を考慮し治 療 を進めて い る。一
次 的 問 題が,
脊 椎構成体の 不安定 性 で ある場 合は代 償を目 的に筋 力 強化を行い,
不良姿勢で あ る場 合は姿 勢 矯 正,
生活指導を行っ てい る21〕。 し か し,
理 学 療 法で は筋 過 緊 張の一
次的問 題に対して無力な場合 が 多い21)。一
次 的 問 題が改善困難であっ て も, 患 者の訴 え る Reactive pain に対して運 動 療 法が有 効で あ れ ば 積 極 的に行 うべ きで ある と考え る。 臨 床におい て,
疼 痛に対す る 連動療法の特異 的 効 果を 示すことはL
述の ごと く困 難である。 そ こ で今 回は,
疼 痛の原因を定量化し, 正常 値,一
回の治療前後の値を比 較検討することで効果判定を 試み た。 筋 過 緊 張によ る二 次 痛は,
その.
註観 的疼痛の程度を筋過緊 張の程度と して 評価で きない6)。 その た めに,
筋過緊張の程度を客 観的 に評価する必要が あ り,
上 肢 変 換 運 動 を 測 定 した。 こ の 評価の背景は以 卜’
の通 りである。牛尾ら10)は
,
腰部痛を有するむ ち打ち損傷例に対して,
腰部過 緊張筋へ の プロ カイン注射に より平衡失調が軽快 する と述べ,
こ の平衡失調の一
指 標と して,
小脳症 状で ある上肢変換運 動を評 価して い る。 こ の小脳症状の出現 頻 度は,
こ の症 例 群におい て 91% であると報 告して い る。
こ れ らの こと は,
腰 部 筋 過 緊 張の症 状 と して平 衡 失 調を と ら え ることが できること, 腰 部筋過緊張の抑 制に よ り平衡失調が軽快すること,
平 衡失調の指標と して上 肢 変 換 運 動が評 価 指 標にな ること を示 す もの と考え られ る。
また
,
檜,
牛 尾 らle’
17)は,
こ の神 経 機 序 を頸 部・
腰 部 の深部受容器起源の姿勢 反射の問題と し て と ら えて いる。 っ ま り,
項 部や腰部の 脊柱起 立筋の過剰な 深部受容器の 興奮は, 求心性に中枢神 経系に伝え ら れ, これに対 応す る神 経 系の 異常を引き起 こす。 そ して,
遠 心路を介 して 四肢,
体 幹,
眼 球に平 衡 失 調をもたらす。 ま た,
こ の平 衡 失 調は,
原 因と なる筋へ の プロ カ イ ン注 射に よ る筋 緊 張の抑 制に よ り軽 快 する と述べて い る。
こ れ らの報告に基づき筋過緊張の程度を評価する。 す な わ ち,
運動 療 法 前 後の腰 部筋過 緊張に よ る平 衡 失 調の 程 度を評 価し,
腰 部の筋 過 緊張の程度と して判 断 する。 こ の平 衡 失 調の程 度は,
臨 床で簡 易に測 定・
定量化が可 能な上 肢 変 換 運 動 回 数 を 評 価 した。
こ の評 価の正 常 値 (健 常 群 ),
運 動 療 法 前 後の値 (効 果 判 定 群 )の比 較 検 討に よ り,
運 動 療 法 後に改 善を認め た。 これは効 果 判 定 群に平衡失 調が 存 在 す ること と,
そ の平 衡 失 調が運 動 療 法に よ り改善 すること,
つ ま りプ ロ カ イン注 射 と同 様の筋緊張抑制の効果が,
伸 張 運 動に よ り得ら れ ることを示唆する と考え る。 こ の効果を, 今回 の運動療法の特 異 的 効 果 として評価で きるの では ないか と考えて いる。 臨床では今 回の運 動 療 法 を継 続 的に実 施し,
疼 痛 軽 減 の効果を得ている。 この効果は, 上 述の一
回の運 動 療法 に よ る特異的 効果の積み重ね と考えて いる。一
回の運 動 療 法に よ る患者の変化を 適切にと らえ, その効果を積み 重ね る よ う に治 療 を進め ることが重 要 と考えて い る。
腰部の痛みへ の 運動療法
以
h
の こと より,
今回我々が 実施
した運 動 療 法は,
腰 部 周 囲 筋 群の Reactive pain に対 して 有効なもの で あっ た と考え ら れ た。
V
,
ま と め 腰 部痛を主 訴と し,Reactive
pain と診 断 され た症 例 に対 して,
筋 伸 張 運 動 を主 体 と した運 動 療 法 を施 行 した。
こ の運 動 療 法の継 続に よる疼 痛の変 化 と,
こ の特 異 的 効 果 を示 すた めの一
回の運 動 療 法に よ る客 観 的効 果 を 検 討 し た。 その結果,
今回の運 動 療 法は有 効であっ たと考え ら れ た。 本研究は平成2
年度社団法人日本理学療法⊥協会愛媛 県十会の助成を受けて実施し た もの で あ る。 文 献 1)大井淑雄, 博多節 夫編 :運 動 療 法,
リハ 医学 全 書 第7巻,
医 歯薬 出 版,
19了6.
2)Cailliet R :腰 痛 疲,
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医歯 薬 出版,
1972.
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」細田多 穂,
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協 同医 書 出版,
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一
一
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Vogelbachの運 動 療 法一
一
能 動 的モー
ビ ラ491
イ ゼ
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耳鼻臨床 66:17−−
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12) 牛 尾 信 也:小 脳 機 能 との関 連 から み た腰 部深 部 受 容 性 反 射 の 2っ の相.
耳鼻臨床 661 601−
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第5巻 」,
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第2版.
医学 書 院,
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Mathies H(eds)Muscle Spasms and Pain
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Thc Parthenon Pub.
492
ag#Mza\
eg
20gag
8rg
<Abstract>
Movement Therapy for Low Back Pain
Makoto SHIRAI, RPT, Satoru MAITANI,
RPT,
Kumiko
NAKATSUKA,
RPT,
Chisato MORIYA,RPT
Der)t.
ofPhysical
Thempy, lshihawaHOspital
Makoto TAKAHASHI,RPT
RehabilitationAttedicalService
This
study evaluated theecacacy of a movement therapy program designedby
theauthorsin
patients who suffered primarily from lumbar pain and werediagnosed
ashaving
reactivepain.
The
programis
intended
tohave
patientslearnhow
toinhibitexcessive muscle strain ofthe
lumbar
region through a series of muscle $tretching exercises.Changes
in
pain promptedby
continued movement therapy and objective effect of a single round of movement therapydesigned
to produceits
characteristic effect wereinvestigated.
For
objective evaluation, thefrequency
of arm recjprocation per unit time was measured. The resultsindicated
thatcon-tinued movement therapy al}eviated pain in 16of 19patients,Normalization of arm