埼玉県のマスコット
「コバトン」
研究報告書 第383号 彩の国
埼玉県
平成26年度 学校体育担当調査研究報告書
「体力向上を目指した効果的な指導方法と授業改善に関する調査研究(2/2 年次)」
~「体つくり運動」領域を通して~
Ⅰ 主題設定の理由 ・・・・・・・・・・ P 1
Ⅱ 研究の目的 ・・・・・・・・・・ P 2
Ⅲ 研究の仮説と仮説検証の手立て ・・・・・・・・・・ P 2
(1)研究の仮説 ・・・・・・・・・・ P 2
(2)仮説検証の手立て ・・・・・・・・・・ P 2
Ⅳ 研究の内容 ・・・・・・・・・・ P 3
(1)平成 25 年度の実践
手立て①:体系的な運動種目の選定
手立て②:発達の段階に応じた学習過程の編成
(2)平成 26年度の実践
手立て③:各校種の教員、児童・生徒に応じた学習資料の作成
①動画資料 ・・・・・・・・・・ P 5
②体つくり運動のねらいの体系シート・・・・・・・・・・ P 7
③運動の効果・効用シート ・・・・・・・・・・ P 8
④「体つくり運動」ステップ表 ・・・・・・・・・・ P12
⑤教師用指導シート ・・・・・・・・・・ P13
⑥児童・生徒用学習ノート ・・・・・・・・・・ P33
Ⅴ 研究のまとめ ・・・・・・・・・・ P36
研究協力委員名簿 ・・・・・・・・・・ P37
- 目 次 -
1
Ⅰ 主題 設 定 の 理 由
現 行 学 習 指導 要 領 は , 平 成 2 3 年度 小 学 校 , 平 成 2 4 年度 中 学 校 , そ し て 平 成2 5 年 度 高 等 学校 に おい て 順次 実 施 され て いる 。 小・ 中 ・ 高の 各 校種 の 体育 ・ 保 健体 育 の 最 終 目標 は , 「豊 かな ス ポー ツ ライ フ の 実現 」 であ る 。 平 成 2 0 年1 月 の 中 央 教 育 審 議 会の 答 申 に お い て , 学 習指 導 要 領 等 の 改 善 が 示さ れ た 。 そ の 中で 体 育科 ・ 保健 体 育 科の 基 本方 針 は , 「 小 学校 , 中学 校 及び 高 等 学校 を 通じ て ,体 育 科 ,保 健体 育 科に つ いて は , その 課 題を 踏 まえ , 生 涯に わ たっ て 健康 を 保 持増 進 し , 豊 かな ス ポ ーツ ライ フ を実 現 する こ と を重 視 し改 善 を図 る 。 」と 示 され て いる 。 ま た , 「 学習 し たこ と を 実生 活, 実 社会 に おい て 生 かす こ とを 重 視し , 学 校段 階 の接 続 及び 発 達 の段 階 に応 じ て指 導 内 容を 整理 し ,明 確 に示 す こ とで 体 系化 を 図る 。 」 とさ れ てい る 。 答 申 で 指 摘さ れ た 課 題 と は , 「 体育 で は , ① 運 動 す る 子ど も と そ う で な い 子 ども の 二 極 化 が ある こ と, ② 子ど も の 体力 の 低下 傾 向が 依 然 深刻 で ある こ と , ③ 運 動へ の 関心 や 自ら 運 動 する 意欲 , 各種 の 運動 の 楽 しさ や 喜び , その 基 礎 とな る 運動 の 技能 や 知 識な ど ,生 涯 にわ た っ て運 動に 親 しむ 資 質や 能 力 が十 分 に図 ら れて い な い例 も 見ら れ るこ と , ④学 習 体験 の ない ま ま 領域 を選 択 して い るこ と 」 であ る 。 そ し て , これ ら の 課 題 を 解 決 す るた め に , 「 体 力 の 向 上に つ い て は , 心 身 と もに 成 長 の 著 し い時 期 であ る こと を 踏 まえ , 「体 つ くり 運 動 」の 学 習を 通 して , 体 を動 か す楽 し さや 心 地 よさ を味 わ わせ る とと も に ,健 康 や体 力 の状 況 に 応じ て 体力 を 高め る 必 要性 を 認識 さ せ , 「 体 つく り運 動 」以 外 の領 域 に おい て も , 学 習し た 結 果と し てよ り 一層 の 体 力の 向 上を 図 るこ と が でき るよ う にす る 。」 と 示 され て いる 。 改善の具体的事項では「体つくり運動」について各校種で次のように示されている。 小学校 「体つくり運動」については,一層の充実が必要であることから,すべての学年において 発達の段階に応じた指導内容を取り上げ指導するものとし,学習したことを家庭などで生 かすことができるよう指導の在り方を改善する。 中学校 「体つくり運動」については,心身ともに成長の著しい時期であることを踏まえ,体を動 かす楽しさや心地よさを味わわせるとともに,健康や体力の状況に応じて体力を高める必 要性を認識させ, 学校の教育活動全体や実生活で生かすことができるよう指導内容を改善 し,取り扱う時間数の目安を示すこととする。 高等学校 「体つくり運動」については,生徒の運動経験,能力,興味,関心等の多様化の現状を踏 まえ,体を動かす楽しさや心地よさを味わわせるとともに,健康や体力の状況に応じて自 ら体力を高める方法を身に付けさせ,地域などの実社会で生かせるよう指導の在り方を改 善する。 こ の よ う に「 体 つ く り 運 動 」 は 体育 ・ 保 健 体 育 に お い て現 行 学 習 指 導 要 領 の 骨子 と も 言 う べ き運 動 領域 で ある 。 「 体つ く り運 動 」は , 小 学校 か ら高 等 学校 ま で 12 年 間継 続 して 履 修 する 唯一 の 運動 領 域で あ る 。小 学 校か ら 高等 学 校 まで , 体の 柔 らか さ 及 び巧 み な動 き を高 め る ため の運 動 ,力 強 い動 き 及 び動 き を持 続 する 能 力 を高 め る運 動 を全 学 年 で学 習 し , 自 己の 体 力 を高 める 仕 組み を 学ぶ 。 ト レー ニ ング で はな く , 発達 の 段階 に 応じ て , 各校 種 の教 員 が創 意 ・ 工夫 する こ とに よ って , 体 育に お ける 課 題が 解 決 され , 体育 ・ 保健 体 育 の目 的 であ る 「豊 か な スポ ーツ ラ イフ の 実現 」 が 可能 に なる と 考え る 。 一 方 , 小 ・中 ・ 高 等 学 校 の 「 体 つく り 運 動 」 の 授 業 の 現状 に は 様 々 な 課 題 が 残る 。 各 校 種 の 教員 に 「体 つ くり 運 動 を進 め るに あ たっ て の 課題 」 を挙 げ ても ら っ たと こ ろ , 以 下の よ う な意 見を 得 た。2 校種 課 題 小学校 体育担当の専門教員が少なく,学級担任が体育を指導することが大多数を占める。その ため,体つくり運動のねらいや体系が把握されずに,授業が展開されるので,体力を高め るねらいが分からず,ただ運動を進める学習がみられる。 中学校 小学校とは違い,保健体育科の教員が指導するが,部活動の指導と同様に体力を高める 運動がトレーニング的になり,学習計画を立てるまでの能力が高まらずに終わる学習がみ られる。 高等学校 昨年度から新学習指導要領が実施されたが,まだその趣旨が浸透していない様子がみら れる。また,目標にみられる目的に適した運動の計画や自己の体力や生活に応じた運動の 計画を立てることができず,実生活に役立てる計画に至らない学習がみられる。 こ れ らの 課 題を 解 決 する に は , 各 校種 の 教 員が 体 つく り 運動 の 意 義や 体 系を 知 り, そ の 発達 の段 階 に応 じ た適 切 な 学習 課 題と 運 動を 児 童 ・生 徒 に提 供 し , 指 導 しな け れば な らな い 。 また 先の 課 題に も あげ た よ うに , 児童 ・ 生徒 自 ら が運 動 の意 義 を知 る と とも に ,自 ら 実践 す る 姿勢 を育 成 しな け れば な ら ない 。 その 際 ,学 校 だ けで な く , 家 庭, 地 域 との 連 携も 必 要と 考 え る。 そ こ で, 小 学生 か ら 高校 生 まで 共 通に 運 動 でき る 「体 つ くり 運 動 」の 運 動種 目 を選 定 し ,誰 もが 自 分で 運 動で き る よう に なる 資 料を 作 成 し , 教 員用 資 料や 児 童 用学 習 ノー ト を提 供 す るこ とで , 体つ く り運 動 に おけ る 各校 種 での 課 題 を解 決 し , 豊 かな ス ポ ーツ ラ イフ を 形成 す る 授業 が展 開 でき る と考 え , 本テ ー マを 設 定し た 。
Ⅱ 研究 の 目 的
本研 究 では ,小・中・高の 各 校種 で 系統 性 の ある 指 導が 可 能と な る 学習 資 料の 作 成を 通 し て , 児童 ・ 生徒 の 体力 の 向 上を 目 指し た 「体 つ く り運 動 」の 実 践研 究 を 目的 と する 。Ⅲ 研究 の 仮 説 と 仮 説 検 証の 手 立 て
(1 ) 研究 の 仮説 小 ・中 ・ 高 等 学 校の 体 育 ・保 健 体 育 学 習で 系 統 性の あ る 有 効 な資 料 を 作成 す れ ば , 発達 の 段階 に 応じ た 体 力の 高 め方 が わか り , 体力 を 向上 さ せる こ と がで き る。 (2 ) 仮説 検 証の 手 立 て ① 小学 校 ,中 学 校 ,高 等 学校 の 全児 童 ・ 生徒 が 「体 つ くり 運 動 」の 学 習に お いて , 共 通に 運 動で き る 体系 的 な運 動 種目 を 選 定す る 。 ② 選定 し た運 動 種 目を 小 ・中 ・ 高, 各 校 種の 目 標に 応 じた 学 習 過程 に 取り 入 れる 。 ③ 小・ 中 ・高 , 各 校種 の 児童 ・ 生徒 に 応 じた 学 習資 料 ,教 員 用 指導 シ ート , 児童 ・ 生 徒 用 学 習 ノ ー ト 等 を 作 成 し , 各 校 種 の 目 標 に 応 じ た 「 体 力 を 高 め る 」 ね ら い や 運 動 方 法 を 児 童 ・ 生 徒 が 理 解 し , 各 自 に 応 じ た 「 体 つ く り 運 動 」 を 実 践 で き る よ うに す る。3
Ⅳ 研究 の 内 容
(1 ) 平成 2 5年 度 の 実践 昨年 度 の実 践 で は 仮 設 検証 の 手立 て ① ,② ま でを 終 了し た 。 手立 て ① 小 学校 , 中 学校 , 高等 学 校の 全 児 童・ 生 徒が 「 体つ く り 運動 」 の学 習 に おい て , 共通 に 運動 で きる 体 系 的な 運 動種 目 を選 定 す る。 手 立 て① の 目的 を 達 成す る ため の 選定 基 準 は以 下 のと お りで あ る 。 ⅰ 埼 玉 県内 の 児 童・ 生 徒が ど の時 間 に おい て も容 易 に取 り 組 める も の ⅱ 各 学 校で 準 備 ,用 意 でき る もの ⅲ 校 内 だけ で な く , 家 庭で も 取り 組 め るも の 小 学校 か ら高 等 学 校ま で の児 童 ・生 徒 が 体の 柔 らか さ ,巧 み な 動き , 力強 い 動き , 動 きを 持 続 する 能 力を 高 め る動 き ,こ れ ら学 習 指 導要 領 に記 載 され て い る4 つ の動 き のね ら い を教 師 , 児童 ・ 生徒 が と もに 理 解し つ つ , 意 欲 的に 運 動で き る種 目 を 選定 し た。 こ のコ ン セ プト は 、 「い つ でも , ど こで も ,だ れ でも 」 で ある 。 体つ く り運 動 の 趣旨 は ,小 学 校で は 学 校だ け で なく , 家庭 で も 家族 と 一緒 に 行え る こ と , 中 学校 , 高等 学 校 では 自 分の 生 活に 必 要 とす る 運 動計 画 を立 て 実 践す る こと で ある た め ,学 校 の体 育 館や 校 庭 です る こと に 限定 さ れ る研 究 で は一 般 化で き な いと 考 えた 。 体 力 を高 め る運 動 は 難し い 技能 を 必要 と し ない 。し か し ,高校 生 には で きる が 小学 生 には でき な い運 動,ま た高 校生 に は簡 単 すぎ る 運 動な ど は選 定 から 排 除 し ,小学 生 から 高 校生 ま でど の 授業 で も行 え,継続 す るこ と を討 議 の 柱と し ,2 0の 種 目を 選定 し た。以下 ,20 の 運動 種 目で あ る。 運動のねらい運動の種類
具体的な動き(例)
A 体 の 柔 ら か さ を 高 め る た め の 運 動 1 長座 長座 し た状 態 でボ ー ル を体 の 周囲 で 回す 2 ブリッジ ブリ ッ ジし た 状態 か ら 様々 な 動き を 入れ る 3 腰部 の捻転 二人 組 背中 合 わせ で ボ ール を 操作 す る 4 タオルエクササイズA 振り 回 した り ,体 の 周 辺で 操 作し た りす る 5 股関 節 の運 動 四股 , ソー ラ ン節 , お んぶ ス クワ ッ ト 等 を す る B 巧 み な 動 き を 高 め る た め の 運 動 6 長縄 長縄 で 様々 な 跳び 方 を 行う 7 ボール運 動 ペア で ボー ル を投 げ た り、 捕 った り する 8 ラダー ラ ダ ー を 使 っ た い ろ い ろ な ス テ ッ プ を す る 9 バランス運動 ケン ケ ンと び ,ジ グ ザ グ走 , スキ ッ プ等 を す る 10 ダッシュ いろ い ろな 姿 勢か ら ダ ッシ ュ を行 う C 力 強 い 動 き を 高 め る た め の 運 動 11 スクワット おん ぶ スク ワ ット や 空 気 イ ス 等を 行 う 12 手押し車 二 人 組 で 手 押 し 車 を し な が ら ジ ャ ン ケ ン 等 を す る 13 腹筋 一 人 , 二 人 組 で ボ ー ル 操 作 等 し な が ら 腹 筋 を 行 う 14 背筋 ボー ル やタ オ ルを 使 っ て背 筋 を行 う 15 タオルエクササイズB タオ ル を使 用 して 握 力 を高 め る D 動 き を 持 続 す る 能 力 を 高 め る た め の 運 動 16 短縄 短縄 で 様々 な 跳び 方 を 行う 17 サーキット 二人 組 で様 々 な運 動 を 繰り 返 す 18 追い抜き走 時間 や 本数 を 決め て 追 い抜 き 走を 行 う 19 シャトルラン 正し い 動作 で シャ ト ル ラン を 行う 20 エアロビクス 10 種 類の エ アロ ビ ク ス体 操 をす る4 手立 て ② 選 定し た 運 動種 目 を各 校 種の 目 標 に応 じ て学 習 過程 を 編 成す る 。 本 研 究で は 各校 種 に おい て ,ね ら いに 応 じ た体 つ くり 運 動が 取 り 組め る 学習 過 程を 以 下 のよ うに 考 えた 。 (例 1 )1 つ のね ら い の運 動 を 3 時 間の ま と まり と して 集 中的 に 実 施し , 学習 内 容の 習 熟 を 図る 学 習過 程 の 作成 例 (本 研 究で は , 小学 校 と中 学 校の 学 習 過程 と して 採 用) 時 間 ・ 時 数 1 2 3 4 5 6 7 8
5
オ
リ
エ
ン
テ
ー
シ
ョ
ン
まとめ
発表会
10
15
A 体 の 柔 ら か さ を 高 め る た め の 運 動 ( 手 立 て ① 1 ~ 5 ) B 巧 み な 動 き を 高 め る た め の 運 動 ( 手 立 て ① 6 ~10)20
25
30
C 力 強 い 動 き を 高 め る た め の 運 動 ( 手 立 て ①11~15) D 動 き を 持 続 す る 能 力 を 高 め る た め の 運 動( 手 立 て ①16~ 20)35
40
45
(例 2 )4 つ のね ら い の運 動 を 1 時間で実施し,運動種目や難易度などを段階的に学習し , 習熟 を 図る 学 習 過程 の 作成 例 (本 研 究 では , 高等 学 校の 学 習 過程 と して 採 用) 時 間 ・ 時 数1
2
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まとめ
発表会
10
A 体 の 柔 ら か さ を 高 め る た め の 運 動 ( 手 立 て ① 1 ~ 5 )15
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B 巧 み な 動 き を 高 め る た め の 運 動 ( 手 立 て ① 6 ~ 10)25
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C 力 強 い 動 き を 高 め る た め の 運 動 ( 手 立 て ① 11~ 15)35
40
D 動 き を 持 続 す る 能 力 を 高 め る た め の 運 動 ( 手 立 て ① 16~ 20)45
50
小 学 校の 体 つく り 運 動の 学 習は , 運動 の ね らい に 応じ て 取り 組 む こと そ のも の が, 学 習 のね らい と なる 。 そこ で 2 0種 類 すべ て の運 動 に 取り 組 み , 運 動を 通 し て体 つ くり 運 動が 学 べ るよ うに 例 1で 学 習過 程 を 考え た 。 中 学 校の 学 習は , 体 つく り 運動 の ねら い を 理解 し ,自 ら の生 活 に 応じ た 計画 を 立て る こ とが 学習 の ねら い であ る 。 4つ の 種類 の 運動 を 偏 りな く 学習 し ,そ こ か ら自 分 に合 っ た運 動 の 計画 を立 て られ る よう 例 1 で学 習 過程 を 考え た 。 高 等 学校 の 学習 は , 自己 の ねら い に応 じ て ,健 康 の保 持 増進 や 調 和の と れた 体 力の 向 上 を図 るた め の継 続 的な 運 動 の計 画 を立 て 取り 組 む こと が 学習 の ねら い で ある 。 そこ で 運動 を 継 続的 に取 り 組め る よう に 例 2で 学 習過 程 を考 え た 。5 ( 2 )平 成 26 年 度 の実 践 昨年 度 まで の 研究 成 果 と課 題 を踏 ま え , 本 年 度は 手 立て ③ に取 り 組 んだ 。 手 立 て③ 小・ 中 ・ 高, 各 校種 の 児童 ・ 生 徒に 応 じた 学 習資 料 , 教員 用 指導 シ ート , 児 童・ 生 徒 用学 習 ノー ト 等を 作 成 し, 各 校種 の 目標 に 応 じた 「 体力 を 高め る 」 ねら い や 運動 方 法を 児 童 ・ 生 徒 が理 解 し, 各 自に 応 じ た「 体 つく り 運動 」 を 実践 で き るよ う にす る 。 ① 小 ・中 ・ 高の 児 童 ・生 徒 に応 じ た 映 像 資 料 小 ・ 中・ 高 の児 童 ・ 生徒 が すぐ に 活用 で き るよ う に , 体 育の 特 性 を生 か し , 各 20 種 の運 動を 映 像に し て配 信 す るこ と を検 討 した 。 本 年 度第 1 回の 調 査 研究 委 員会 で は , 映 像 撮影 の 内容 に つい て 共 通理 解 を図 っ た。 ア 児童 生 徒の 撮 影 では , 視聴 す る者 が 分 かり や すい よ うに 前 , 横か ら 撮影 す るこ と 。 イ 撮影 時 間を 3 0 秒 程 度 とし , コン パ ク トに ま とめ る こと 。 上 記 を基 と して , 5 月か ら 7月 に かけ て , 研究 委 員の 所 属校 で 撮 影し た 。 その 際 ,課 題 とな っ た のが 児 童生 徒 のプ ラ イ バシ ー の保 護 であ る 。 今回 の 資料 は ,セ ン ター ホー ム ペー ジ から の 発 信で あ り , 場 合に よ っ ては 国 外で も 視聴 す る こと が 可能 と なる 。 そ こで 研究 委 員の 所 属校 長 に 連絡 し ,撮 影 対象 の 児 童・ 生 徒の 保 護者 か ら の撮 影 承諾 を 得て , 撮 影に 至っ た 。以 下 ,撮 影 映 像の 一 覧で あ る。
6 映 像 は家 庭 でも 視 聴 する こ とが で きる 。 小 学校 学 習指 導 要領 解 説 では 学 習し た こと を 家 庭な どで 生 かす と 記載 さ れ てい る 。小 学 生が 家 庭 で視 聴 する こ とで , 自 己の 体 力課 題 につ い て 家庭 で解 決 でき る 取組 が 容 易で あ ると と もに , 保 護者 と 共に 運 動す る こ と の よ さも 効 果と し て 期待 され る 。 中 学 生, 高 校生 は 反 転学 習 とし て 利用 す る こと も 考慮 し てい る 。 家庭 で 視聴 し て運 動 内 容を 把握 す るこ と で, 保 健 体育 の 時間 で は , 個 や グル ー プで 話 し合 っ て 課題 を 設定 , 解決 す る 等, 主体 的 な学 び が展 開 さ れる こ とも 期 待で き る 。 ま た ,第 2 期埼 玉 県 教育 振 興基 本 計画 に あ る「 協 調学 習 」 に お い ても , 本年 度 ,戸 田 市 立笹 目中 学 校に お ける 保 健 体育 科 の授 業 にお い て ,本 資 料が 活 用さ れ た こと も 追記 す る。 ② 発 達 の 段 階 に 応 じ た 「 体 つ く り 運 動 」 の ね ら い 体 系 シ ー ト 本 シ ー ト は ,小 学 生 ,中 学 生 ,高 校 生 が 体 つ く り 運 動 に 取 り 組 む 目 的 を 記 載 し た も の で あ る 。 小 , 中 , 高 , 各 校 種 の 教 員 に 向 け , そ れ ぞ れ の 発 達 の 段 階 に 応 じ た 目 的 を 一 覧 に す る こ と で 体 系 が わ か る 。小 学 校 の 教 員 で あ れ ば ,中 学 校 や 高 校 で ど の よ う な 授 業 が 展 開 さ れ る の か ,学 習 に 見 通 し を も つ こ と が で き る 。高 校 の 教 員 で あ れ ば 既 習 の 事 項 が わ か り , 指 導 に 役 立 た せ る こ と が で き る と 考 え る 。 ( 7 ペ ー ジ ) ③ 運 動 の 効 果 ・ 効 用 シ ー ト 本 シ ー ト は , 各 教 員 , 児 童 ・ 生 徒 向 け に , 各 運 動 が も た ら す 効 果 及 び 日 常 生 活 や 他 の 運 動 に も た ら す 効 用 を 記 載 し た 。こ れ ま で の 体 つ く り 運 動 の 授 業 で 教 師 が 一 方 的 に 指 導 し , 児 童 ・ 生 徒 は 黙 々 と 運 動 を 行 う 授 業 も み ら れ た 。 そ の 課 題 に 対 応 す る た め に ,「 な ぜ そ の 運 動 を 行 う の か 」 ,「 そ の 運 動 を 行 う と ど ん な 効 果 が あ る の か 」 , ま た 「 他 の 運 動 の 基 礎 づ く り と 成 り 得 る の か 」等 を 理 解 す る こ と で ,学 習 へ の 意 欲 が 高 ま る と 思 わ れ る 。 ( 8 ペ ー ジ ~ 1 1 ペ ー ジ ) ④ 「 体つ く り運 動 」 ステ ッ プ表 昨 年 度選 定 した 2 0 種目 の 運動 を 一覧 に し たも の であ る 。児 童 ・ 生徒 用 ノー ト と表 ・ 裏 の1 枚と し て活 用 する こ と をね ら いと し たい 。 ( 12 ペ ージ ) ⑤ 教 員用 指 導シ ー ト 本 シ ー ト は ,主 に 体 育 を 専 門 と し な い 教 員 が 多 い 小 学 校 で 利 用 す る こ と を 想 定 し て 作 成 し た 。各 運 動 の ね ら い や 運 動 の 行 い 方 ・ 留 意 点 ,気 付 か せ た い 動 き の 質 を 高 め る ポ イ ン ト ( コ ツ ) , 児 童 へ の 発 問 例 , 達 成 目 標 例 , 運 動 の 工 夫 を 記 載 し , ダ ウ ン ロ ー ド し て 活 用 す る こ と で , 初 め て 高 学 年 を 担 任 す る 教 員 で も 利 用 で き る こ と を 想 定 し て 作 成 し た 。 ( 1 3 ペ ー ジ ~ 3 2 ペ ー ジ 参 照 ) ⑥ 児 童・ 生 徒用 学 習 ノー ト 小学 校 児童 用 ,中 学 校 生徒 用 ,高 等 学校 生 徒 用に そ れぞ れ 発達 の 段 階に 応 じた 学 習カ ー ド を 作成 し た。 小 ・中 ・ 高 等学 校 で児 童 ・生 徒 が ,各 時 間の 目 標に 応 じ た「 体 つく り 運動 」 の 授業 が達 成 でき た か、 授 業 終末 で 振り 返 るこ と を 想定 し て作 成 した 。( 3 3 ペ ー ジ ~ 3 5 ペ ー ジ 参 照 )
7
小学校 低学年
体つくり運動のねらい
・最も基本的な動きを運動遊びとして楽しく経験することによって,動きのレパートリーを増やし,動きを広げることを目 指しています。 ・運動遊びとして多様な動きを経験しながら,体を動かす心地よさを味わい,自然に基本的な動きを身に付けていくこと を目指します。 ・低学年で経験し,身に付けた基本的な動きを繰り返し経験したり,新しい運動を行ったりすることによって,基本的な 動きのレパートリーをさらに広げていくとともに,無駄な動作を少なくし,より安定した動きができることを目指します。 ・「○○しながら~する」という2つ以上の基本的な動きを組み合わせた運動を経験することによって,巧みに動いたり, より滑らかに動いたりすることができるようにし,動きを質的に高めていくことを目指します。小学校 中学年
小学校 高学年
高等学校 入学年次の次の年次以降
中学校 第 3 学年~高等学校 入学年次
中学校 第 1 学年~第 2 学年
・教育活動全体や実生活で生かすことを目指し,これまで学習した運動の行い方や知識を参考に「ねらいに応じて, 健康の保持増進や調和のとれた体力の向上を図るための運動の計画を立て取り組むこと」を学習します。 ・自己の健康や体力の実態と実生活に応じて運動の計画を立て,取り組めるようにします。 ・運動を楽しく行う中で,体力の向上を直接のねらいとし,運動を通して学習します。 ・中学年までの「多様な動きをつくる運動遊び・運動」で身に付けた動きや動きの組み合わせをもとに,体力の必要性や 体力を高めるための運動の行い方を理解し,自己の体力に応じて体力つくりが実践できることをねらいとします。 ・体力を高める運動のねらいに応じた運動例をどの程度理解できているか確認します。 ・その上で,これまでの学習の状況や体力の状況を踏まえ,ねらいに応じて,体の柔らかさ,巧みな動き,力強い動き, 動きを持続する能力を高めるための運動を行うとともに,それらを組み合わせて簡単な運動の計画に取り組めるよう にします。 ・小学校から高等学校までを通してすべての生徒が学習する「体つくり運動」としての最終段階の学習を意識します。 ・自己のねらいに応じて,健康の保持増進や調和のとれた体力の向上を図るための継続的な運動の計画を立て取り 組めるようにします。8
運 動 の 効 果 と 効 用 ( 体 の 柔 ら か さ を 高 め る 運 動 )
体の柔らかさを高める運動では,体の各部位の(肩,体幹,手首,肘,股関節,足首など)可動範囲を広げる ことをねらいとして学習します。 各部位の柔らかさが高まると,様々な動きを習得しやすくなったり,巧みな動きが行いやすくなったりするこ とや,運動するときのけがの防止に役立ちます。運 動
運動の効果
運動の効用
長
座
・膝や腰の関節の可動範囲 を広げ,柔軟性を高めます。 ・走る,跳ぶ,蹴るなど様々な運動で大 腿部(太もも)を使います。 ・大腿部の筋肉は強い力を発揮するとと もに,けがをしやすい部位です。(特 に太ももの裏側) ・体の柔らかさを高めることで,脚のけ がの防止に役立ちます。 ブ リ ッ ジ ・ リ ン ボ ー ダ ン ス ・腰の関節の可動範囲を広げ, 腰を反る柔軟性を高めます。 ・背中の筋肉は姿勢良く立ったり,荷物 を持ち上げたり,背負ったりするとき に使う筋肉です。 ・腰は漢字のとおり,人の要です。 ・体の柔らかさを高めることで,全ての 運動のけがの防止に役立ちます。腰
部
の
捻
転
・腰を捻る動作で可動範囲を広 げ,柔軟性を高めます。 ・バットでボールを打ったり,ボールを 強く蹴ったりするとき,腰をひねりま す。 ・体の柔らかさを高めることで,しなや かにボールを打ったり,シュートを強 く蹴ったりすることやけがの防止に つながります。 タ オ ル エ ク サ サ イ ズ A ・肩関節の可動範囲を広げ, 肩の柔軟性を高めます。 ・肩の筋肉はボールを投げたり,ラケッ トを振ったりするときに使う筋肉で す。 ・この運動を続けて行うことで,肩の筋 肉が柔らかくなり,ボールを投げた り,打ったりする動作が滑らかになり ます。股
関
節
の
運
動
・膝関節や股関節の(特に大腿 部の裏側)可動範囲を広げ, 柔軟性を高めます。 ・走る,跳ぶ,蹴るなど様々な運動で大 腿部(太もも)を使います。 ・大腿部の筋肉は強い力を発揮するとと もに,けがをしやすい部位です。 (特に太ももの裏側) ・体の柔らかさを高めることで,脚のけ がの防止に役立ちます。9
運 動 の 効 果 と 効 用 ( 巧 み な 動 き を 高 め る 運 動 )
巧みな動きを高める運動では,人や物の動きに対応してタイミングよく動くこと,バランスをとって動くこと, リズミカルに動くこと,力を調整して動くことをねらいとして学習します。 巧みな動きが高まると,人や物の動きに対応してタイミングよく動くことや,バランスをとったり,リズミカ ルに動いたりすること,力を調整して動くことなど様々な運動につなげることができるようになります。運 動
運動の効果
運動の効用
長
縄
・長縄の回しての速さに合わせ てリズミカルに跳んだり,タ イミングを合わせて跳んだ りして調整力を高めます。 ・長縄をリズミカルに跳ぶことで各運動 に必要なリズム感を育てます。 ・回すスピードに合わせて跳ぶことで, 各運動に必要なタイミングをつかみ ます。ボ
ー
ル
運
動
・ペアの友達と気持ちを合わ せ,ボールの動きに合わせて 投げたり,捕ったりできるよ うにします。 ・投げ方や捕り方によって,バスケット ボールやハンドボール等のボール運 動につながります。 ・ボールや人数を増やして運動すること で,タイミングを合わせる学習になり ます。ラ
ダ
ー
・ラダーに合わせて素早く,リ ズミカルに移動できるよう にします。 ・リズミカルで細かく,素早いステップ は様々な運動に必要な動きです。特に ボール運動は不可欠な運動です。ラダ ーの学習で運動に慣れ,違う運動につ なげるようにしましょう。バ
ラ
ン
ス
・決められたコースをバランス をとって,踏み外さないよう に移動します。 ・人は2本の足で立つ比較的不安定な動 物です。また運動の最中には片足立ち になることがあります。また,相手と ぶつかって倒れそうになることもあ ります。この運動を取り組むことで不 安定さを解消する手立てとなります。ダ
ッ
シ
ュ
・様々な姿勢から素早く移動で きるようにします。 ・ボール運動では場面によってダッシュ の仕方が変わります。立って普通に走 るだけでなく,スライディングしてか ら走る,ジャンプしてから走る,後ろ 向きから前向きになって走るなど,い ろいろな場面を考えてダッシュしま しょう。10
運 動 の 効 果 と 効 用 ( 力 強 い 動 き を 高 め る 運 動 )
力強い動きをを高める運動では,自己の体重を利用したり,友達や物などに対してそれを動かしたりすること によって,力強い動きを高めることをねらいとして学習します。 重いものを運ぶ,人を持ち上げるなど力強い動きを高めることがねらいです。運 動
運動の効果
運動の効用
ス
ク
ワ
ッ
ト
・大腿部(太もも)の前面部(大 腿四頭筋)の力強さを高めま す。 ・ジャンプ,キック,ダッシュなど脚を 使うほとんどの運動に必要とされる 筋肉です。 ・正しい姿勢で運動し,少しずつ負荷を 高めることで,筋力が高まります。手
押
し
車
・上腕(肩の周囲),前腕(肘 から手首にかけて)の力強さ だけでなく,大胸筋(胸)の 力強さを高めます。 ・この運動は腕の筋肉を高めますが,主 に胸の筋肉(大胸筋)を高める運動で す。平泳ぎの動作やボールを思いっ切 り投げる動作などで使う筋肉です。腹
筋
・腹直筋(お腹の筋肉)の力強 さを高めます。 ・腹筋は体のラインを整える筋肉ですか ら,よい姿勢づくりに役立ちます。 ・人が立つという動作の中心となる筋肉 です。背
筋
・腕を体に引き付ける動作,物 を引っ張るような動作で,強 い力を出すために,僧帽筋, 広背筋,大円筋などの大きな 筋肉の力強さを高めます。 ・上半身を支えるとても重要な筋肉で, スポーツではあらゆる動作の中心と なってはたらく筋肉です。 ・腹筋と対になってはたらき,姿勢をよ くする筋肉です。 タ オ ル エ ク サ サ イ ズ B ・手を握ったり,開いたりする 動作,手首の角度を変える動 作などを行うための筋肉の 力強さを高めます。 ・柔道やレスリングなどでは,相手をつ かんで引き寄せる力,野球やテニスで はバットやラケットを握る力や手首 を動かす力となります。11
運動の効果と効用(動きを持続する能力を高める運動)
動きを持続する能力を高める運動では,一つの運動または複数の運動を組み合わせて一定の時間に連続して行 ったり,一定の回数を反復して行ったりすることによって動きを持続する能力を高めることをねらいとして学習 します。 動きを続けていくことで回数や距離が伸びたり,呼吸が楽になったりするなどして動きを持続する能力を高め ることがねらいです。運 動
運動の効果
運動の効用
短
縄
・手軽で,跳べる場所があれば 誰にでもできる持続する能 力を高める運動です。 ・時間を決めたり,音楽のリズムやテン ポに合わせたりして跳ぶことで,楽し みながら持続する能力を高めること ができます。 サ ー キ ッ ト ト レ ー ニ ン グ ・様々なステーションで運動す ることにより,意欲を失わず に持続する能力を高めます。 ・それぞれのステーションで高める能力が変わ ります。 ①ぞうきんがけ…主に腕や足腰の筋肉を持続さ せる運動です。 ②馬跳び…主に脚の筋肉を持続する運動です。 ③手押し車…手押し車を参照 ④ももあげ走・ダッシュ…ダッシュを参照追
い
抜
き
走
・ラダーに合わせて素早く,リ ズミカルに移動できるよう にします。 ・持続する能力は遠泳やマラソン,サイ クリング,ウォーキング,ボートなど で能力を発揮します。有酸素運動は体 脂肪を燃やします。最低でも 20 分か ら 30 分続けて運動しましょう。シ
ャ
ト
ル
ラ
ン
・決められたコースをバランス をとって,踏み外さないよう に移動します。 ・持続する能力は遠泳やマラソン,サイ クリング,ウォーキング,ボートなど で能力を発揮します。有酸素運動は体 脂肪を燃やします。最低でも 20 分か ら 30 分続けて運動しましょう。エ
ア
ロ
ビ
ク
ス
・様々な姿勢から素早く移動で きるようにします。 ・持続する能力は遠泳やマラソン,サイ クリング,ウォーキング,ボートなど で能力を発揮します。有酸素運動は体 脂肪を燃やします。最低でも 20 分か ら 30 分続けて運動しましょう。12