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インドネシアの投資環境 2 工業団地 日系企業進出動向 2015 年のバタム島への FDI 総額 ( 実行ベース ) は 474 億ドルで 内訳は鉱業が 21% 機械が 19% 化学が 19% となっている 進出外資企業数は約 1,500 社 日系企業も 60 社以上が進出している 代表的な工業団地

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第 29 章 地域編⑤:バタム島

地域編⑤:バタム島

第29章

地域概要

1.

概要 (1) ①インドネシア国内における経済的地位 バタム島は、リアウ諸島州を構成する島の 1 つで、スマトラ島の西海岸中央付近、また、シン ガポールの南約 20km に位置する(図表 29-1)。バタム島の 2014 年の名目 GDP は 109 兆ルピア、 インドネシア全体の 1%程度の規模である。また、人口は 104 万人(2015 年)である。 シンガポールに隣接する地理的優位性から、バタム島はシンガポールへの輸出加工拠点として 発展してきた。1971 年に工業地域に指定され、当初、主に石油・ガス関連産業を中心に開発が始 まった。以後、1978 年にはバタム島全域が保税地区に、2007 年には自由貿易地域(Free Trade Zone, FTZ)に指定された。 輸出型産業向けの恩典によりシンガポールや日本企業をはじめとする外資企業が多く進出した。 しかし、中国の台頭や最低賃金の高騰、行政手続きの重複等を背景に近年、競争力低下が懸念さ れていた。このような中、地方格差の是正や輸出産業強化を目指す現政権により、2016 年 3 月に 中央政府直轄の経済特区(KEK)に指定されている。 バタム島は、輸出産業にとって税務上の恩典などがあり、進出のメリットがある。一方で、バ タム島から他の関税地域に商品を販売する場合には付加価値税等を納付する必要があり、自由貿 易地域としてのメリットは少ない。ジャカルタを中心とするインドネシアの内需をターゲットと する業態にとっては、消費地から遠いこともあり、現在のところはまだ魅力は少ない。 図表 29-1 バタム島(地図) バタム島 ジャカルタ

(2)

インドネシアの投資環境

②工業団地・日系企業進出動向

2015 年のバタム島への FDI 総額(実行ベース)は 474 億ドルで、内訳は鉱業が 21%、機械が 19%、化学が 19%となっている。進出外資企業数は約 1,500 社、日系企業も 60 社以上が進出して いる。代表的な工業団地としては、島中央部に位置する Batamindo Industrial Park は、シンガポー ルのセムコープ社が開発・運営する工業団地であり、住友電装、セイコーエプソン、日伸工業等 日本企業も数多く入居している。 バタム島に進出している日本企業の業種では、電気・電子部品製造が多く、それらの企業はシ ンガポールを経由して日本やその他の国々に輸出している。また近年では、横浜ゴム(マリンホ ースや防舷材等の海洋商品の製造)や新日鉄住金エンジニアリング(石油・ガス開発海洋鋼構物 の加工)など海洋関連の事業会社の進出も進んでいる。 進出日系企業から見た事業・生活環境やコスト (2) 図表 29-2 には、バタム島に進出した場合のメリットと留意点を示している。 図表 29-2 バタム島に進出した場合のメリットと留意点 (出所)各種資料より作成 【恩典】 バタム島は、2016 年 3 月に中央政府直轄の経済特区となっている。これにより、バタム島の開 発・管理を行うバタムフリーゾーン監督庁(Batam Indonesia Free Zone Authority:BIFZA)も組織 改編が行われた。 バタム島は 2009 年から 70 年間自由貿易地域としての効力を有する。付与される恩典としては、 製造業者の輸入税、輸出税、付加価値税の免除、ワンストップサービスによる手続きの簡素化が 挙げられる。更に、投資額 500 億ルピア(約 4 億円)以上で従業員 300 人以上の企業に対しては 投資認可、承認書、納税者番号、外国人労働許可、外国人雇用計画、製造輸入業者番号など、事 業開始に必要な許認可を申請から 3 時間で発給するサービスも始まっている。 メリット 留意点 輸出産業向けに輸入関税や付加価値税免除など恩典 が用意されている。 経済特区としての恩典は輸出産業向けであり、国内 で製品等を販売する際には恩典が適用されない。 シンガポールから20kmと距離が近く、フェリーでも 30分~1時間程度と短時間での移動が可能。 ストライキの発生率が上がっている シンガポールからの通勤は難しいが、家族をシンガ ポールに居住させることができる。 日本人学校はない

(3)

第 29 章 地域編⑤:バタム島 ①インフラ・物流 【港湾】 港湾については、4 つの商港があり、その中で最大の Batu Ampar 港は、水深 6~12m、積載重量 3.5 万トンクラスのコンテナ船が入港可能である。 これらの商港の他に、シンガポールやマレーシア、他の国内港を繋ぐフェリーターミナルが 6 ヵ所ある(内、1 ヵ所は商港と併設)。 【空港】 バタム島には Hang Nadim 国際空港があり、ジャカルタを始めとする国内各都市との間で航空便 が就航している。ジャカルタからバタムまでの所要時間は 1 時間半で毎日数便が運航されている が、国際線はバタム‐クアラルンプール間のみである。 【電力】 バタム島には発電所が 46 ヵ所あり、電力供給は比較的安定している。停電はあまり発生してお らず、電力需給にも余裕がある。 【水道】 島内に大きな川や湖など天然の水源がないため、大規模な貯水池を作り、水道水を供給してい る。バタム島内で現在稼動している貯水池は 6 ヵ所ある。 【道路】 道路事情については、ジャカルタのような渋滞が発生することはなく、車での移動はスムーズ である。バタム島自体がそれほど大きくなく、各工業団地から港や空港までの所要時間も 30 分か ら 1 時間程度である。また、高速道路建設の計画もある。 ②労働事情 【人材】 外資企業が多く進出しており、職を求めてバタム島に移住する者も多く、バタム島の人口は増 加している。バタム島の人口は、2015 年で 104 万人であり、このうち労働力人口は 35 万人とな っている。あるニュースサイトに、日系メーカーの求人 150 人に対し、3,000 人以上の求職者が集 まるなどの記事が掲載されるなど、バタム島の一般ワーカーについては「買い手市場」となって いる。そのため、採用にあたっては「正社員」ではなく「契約社員」として最低賃金近辺での採 用が一般的であり、かつ、離職率も低い。

(4)

インドネシアの投資環境 する抗議活動が発生するなど、バタム島では、毎年のように労使紛争が起こっており、企業の生 産活動に影響が出ている。過去には複数の企業が労働争議により顧客への納品が遅れ、総額 2,000 万ドルの遅延損害金の支払う事態にもなっている。 【賃金】 バタム島の 2016 年の最低賃金は 300 万ルピアであり、2015 年から約 12%の上昇となった。こ の水準はジャカルタをやや下回るが、全国と比較すると 4 割ほど高い水準である。 ③生活環境 【食事】 インドネシア資本の大型スーパーマーケットやカルフール、コンビニエンスストアも進出して いる。外食でも、和食レストランが 5~6 軒あり、その他、世界的に有名なフライドチキンの店舗 も複数出店している。 【一般】 ゴルフ場も 6 ヵ所あり、単身者にとっては比較的住みやすいとの声もある。但し、インターナ ショナル・スクールはあるものの、日本人学校はなく、医療レベルも高いとは言えないことなど から、家族と共にバタム島に赴任する例は多くはないようである。シンガポールがすぐ近くであ ることから、家族はシンガポールに居住し、日本人駐在員のみ平日はバタム島に居住、週末にシ ンガポールに戻って家族と過ごすケースが多いと聞く。 図表 29-3 バタム島の工業団地 (出所)現地調査にて撮影

(5)

第 29 章 地域編⑤:バタム島

主要工業団地

2.

バタム島に立地する主要工業団地を以下の表にまとめた。

No. 工業団地名 Address (県/市) 総開発面積

1 Barelang Wood Industry Batam 100ha

2 Batamindo Industrial Estate (Batamindo Industrial Park)

Wisma Batamindo, Jl. Rasamala No.01,

Mukakuning, Batam 29433, Kepulauan Riau 320ha

3 Bintang Industrial Park ( Kawasan

Bintang Industri ) Jl. Brigjen Katamso - Tanjung Uncang, Batam 70ha

4 Cammo Industrial Park Cammo Building, Cammo Industrial Park Jl.

Letjen Soeprapto Pulau Batam 18ha

5 Citra Buana Industrial Park Citra Buana Building No. 1 Seraya, Pulau

Batam 29454 38ha

6 Executive Industrial Park Jl. Engku Putri, Complex Executive Industrial

Park Blok.1 No.1 Batam Centr 32ha

7 Kabil Integrated Industrial Estate

(Kawasan Industri Terpadu Kabil) Jln. Hang Kesturi Km. 4, Kabil - Batam 29467 520ha

8 Kara Primanusa Batam 15.26ha

9 Latrade Industrial Park Latrade Industrial Park - Tanjung Uncang

Batam 29422 35ha

10 Panbil Industrial Estate Panbil Plaza, Jl Ahmad Yani, Muka Kuning

Batam 29433 200ha

11 Puri Industrial Park 2000 Jl. Imam Bonjol Blok A No. 7-8-9 Komplek

Sakura Anpan - Kota Batam 24ha

12 Putri Selaka Kencana Batam 200ha

13 Repindo Jagat Raya Batam n.a.

14 Seafront Industrial City Batam 150ha

(6)

インドネシアの投資環境

No. 工業団地名 Address(県/市) 総開発面積

16 Taiwan International Park Taiwan International Park Kabil Centre, JL.

Hang Kesturi, No. 1, Batam 117ha

17 Thomas Technology Park Kelurahan Teluk Tering, Batam Kota -Batam

29461 15ha

18 Trisatu Utama Raya Batam 20ha

19 West Point Maritime Industrial Park Jl. Bukit Indah Raya III No. 57 Sukajadi - Batam 70ha

20 Wirajaja Industrial Park

Wiraraja Industrial Park, Jl. Wiraraja Blok A No 1,2,3,4,5 Punggur -Kabil, Batam (Free Trade Zone)

20ha

21 Tunas Industrial Estate Jl. Engku Putri Ruko 1A No. 10 Batam Centre,

Pulau Batam 64ha

22 Union Industrial Park Komp. Union Industrial Park Blok AA No.7-8

参照

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