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(1)

STAR Japanese Conference 2013

筒内燃焼シミュレーションによる

スパークプラグの着火性予測手法の開発

日本特殊陶業株式会社

研究開発センター 吉崎 博俊 七田 貴史 津荷 俊介 杉本 典康 プラグ事業部 技術部 中山 勝稔

(2)

発表内容

1.会社紹介

2.背景

3.技術構築

4.スパークプラグの電極形状による着火性

5.投入エネルギによる着火性

6.エンジン条件による着火性

7.まとめ

(3)

発表内容

1.会社紹介

2.背景

3.技術構築

4.スパークプラグの電極形状による着火性

5.投入エネルギによる着火性

6.エンジン条件による着火性

7.まとめ

(4)

日本特殊陶業株式会社

設立 :1936年(創立77年) 資本金 :47,869百万円 従業員数 :単独5,881名、連結12,563名(2013年3月) 売上 :3,027億円(連結、2013年3月期) 本社 :愛知県名古屋市 研究開発拠点:小牧工場(愛知県小牧市) など 海外生産拠点:アメリカ、ブラジル、フランス、タイ など 【航空機】 イグナイタプラグ 【自動車】 スパークプラグ グロープラグ 【ロケット】 イグナイタプラグ 【レース】 (二輪/四輪) レース用プラグ 【パソコン】 オーガニックIC パッケージ 【携帯電話】 水晶デバイスSAW フィルタ用パッケージ 【工場】 切削工具 (セラミック/超硬) 【家庭】 医療用 酸素濃縮器 【自動車】 酸素センサ 排気温センサ 【森村グループ】

(5)

発表内容

1.会社紹介

2.背景

3.技術構築

4.スパークプラグの電極形状による着火性

5.投入エネルギによる着火性

6.エンジン条件による着火性

7.まとめ

(6)

スパークプラグについて

エンジンの燃焼室に顔を出すように取り付けられ、 ガソリンと空気の混合気に火を着ける役割。

(7)

ガソリンエンジンの高効率化 ・高EGR ・成層(希薄)燃焼 ・筒内流動強化 ・高着火スパークプラグ

開発の背景

『筒内燃焼シミュレーション』

による着火性予測手法の

開発に着手。

開発期間の短縮と試作コスト低減 ・現象把握 ・やり直し低減 ・試作レス

スパークプラグの着火性評価は・・・ 実機試験が主体で、 設計段階での予測が困難 Ni Ir SPE Ni……Nickel Ir……Iridium

SPE…Square Platinum Electrode DFE…Double Fine Electrode

PSPE…Projected Square Platinum Electrode

DFE PSPE

様々な形状のスパークプラグ

(8)

開発目標

① ・プラグ仕様(電極形状) ・投入エネルギ による着火性を予測可能(相対評価)とする。 ・エンジン条件 ② 設計現場での活用を意識し、高い精度を追求するよりも計算時間を重視。 ⇒計算負荷が大きい ・・・・設計活用への障害 使用ソフト: 熱流体;STAR-CD、詳細化学反応;DARS-CFD、エンジンモデル;es-ice (CD-adapco社) の連成計算。 ・エンジンモデル…ピストン、バルブの移動 ・失火現象の再現…吸熱反応を含む詳細化学反応

(9)

発表内容

1.会社紹介

2.背景

3.技術構築

4.スパークプラグの電極形状による着火性

5.投入エネルギによる着火性

6.エンジン条件による着火性

7.まとめ

(10)

筒内燃焼 (自動車用エンジン) 筒内燃焼 (簡易形状エンジン) ↑可視化エンジン 詳細反応燃焼 +熱引き+流れ (定容チャンバ) 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年~ 筒内燃焼計算時間*:2週間 (Power6 4.7GHz×4) 定容チャンバ :設計仕様絞り込み 筒内燃焼 :確認計算 という使い方を想定。 13万セル 16万セル 22万セル 2日 (Xeon3.46GHz×8) 計算時間に目処 ⇒筒内燃焼に一本化 ハードウエアの進化 モデル化・計算条件 の改良 *吸気弁開~圧縮上死点まで計算

開発の経緯

(11)

確立した技術

② 3Dスキャンによる

エンジン現物のモデル化

エンジン現物 3D-CAD 計算メッシュ 3D スキャン

③ 火花移動モデル

④ ガソリン代替反応メカニズム

計算負荷が低く、 反応速度特性がガソリン と比較的近い燃料を探索 →エタン(C2H6)を選定、 更に簡略化も実施 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 空気過剰率λ 火炎伝播速度[ m / s] エタン ヘプタン オクタン ガソリン 相当 実測値の多変量解析により 移動量予測式を作成

① PIVによる

筒内流動の可視化

筒内流動計算の検証

(12)

② 3Dスキャンによる

エンジン現物のモデル化

エンジン現物 3D-CAD 計算メッシュ 3D スキャン

確立した技術 ①

③ 火花移動モデル

④ ガソリン代替反応メカニズム

計算負荷が低く、 反応速度特性がガソリン と比較的近い燃料を探索 →エタン(C2H6)を選定、 更に簡略化も実施 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 空気過剰率λ 火炎伝播速度[ m / s] エタン ヘプタン オクタン ガソリン 相当 実測値の多変量解析により 移動量予測式を作成

① PIVによる

筒内流動の可視化

筒内流動計算の検証

(13)

PIVによる筒内流動の可視化

Base Verification Test

Cylinder No. 1 1

Displacement Vol. 66cm2 66cm2

Bore×Stroke 41×50mm 41×50mm

Compression Ratio 3 or 4 4

Valve Train OHV 2valve OHV 2valve

Valve Diameter 14/14mm(In/Ex) 11/9.5mm(In/Ex)

Spark Plug Position Side Center

予備検討:流量係数の検証 ⅰ.エンジン条件による筒内流動の強さ ⅱ.接地電極方向による火花ギャップ間流速 ヘッド シリンダ(Allガラス) ピストン スパークプラグ 両者ほぼ一致 計算モデル Air IN (4kPa) OUT(大気開放) 使用ソフト: STAR-CD,es-ice 流量係数 実際の流量 理論流量(流路抵抗なし) = 筒内流動計算に 求められること を再現できる 対象エンジン:市販の可視化エンジンをベースにヘッドとバルブを新規作成 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0 1 2 3 4 5 Valve Lift [mm] C o ef fi ci en t o f F lo w [ -] Calculation Experiment 流量係数 [ -] 計算 実験

(14)

PIV測定装置

PIV (Particle Image Velocimetry;粒子画像流速計)

実験装置 レーザシート光に照らされたトレーサ粒子を 高速度カメラで撮影し,トレーサ粒子の濃淡 パターンを画像処理することで,2次元の 速度ベクトルを得る手法。 Air IN トレーサ IN スパークプラグ 排気 レーザ シート 光源 高速度カメラ 高沸点(300℃)のオリーブオイルを使用 計算モデル Intake (Air,大気圧) 使用ソフト: STAR-CD,es-ice Exhaust (大気圧) 壁面:断熱 スパークプラグ (バルブ,ピストン駆動)

(15)

PIV結果(例)

燃焼室全体:動画

150rpm

(16)

PIVと計算の比較(燃焼室全体)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 360 450 540 630 720

crank angel [deg]

流速 [ m /s ] 流速 UW 流速 UW 多項式 (流速) 多項式 (流速) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 360 450 540 630 720

crank angel [deg]

流速 [ m /s ] 0 1 2 3 4 5 6 7 8 360 450 540 630 720

crank angel [deg]

流速 [ m /s ] BTDC360 (吸気) 180 (圧縮) TDC BTDC360 (吸気) 180 (圧縮) TDC BTDC360 (吸気) 180 (圧縮) TDC 地点(f) 地点(e) 地点(a) 計算 500rpm 計算 150rpm PIV 500rpm(近似曲線) PIV 150rpm(近似曲線)

crank angle [deg] crank angle [deg] crank angle [deg]

IN EX 5mm 5mm TDC (a) (b) (c) (d) (e) (f) 高流速、バルブ開閉による変動が大きい吸気行程ではPIVのばらつきが大きい が、おおまかな流速レベルは一致。圧縮行程では良く一致。 エンジン回転数による流速(エンジン条件による筒内流動の強さ)を再現できた。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 360 450 540 630 720

crank angel [deg]

流速 [ m /s ] 0 1 2 3 4 5 6 7 8 360 450 540 630 720

crank angel [deg]

流速 [ m /s ] 0 1 2 3 4 5 6 7 8 360 450 540 630 720

crank angel [deg]

流速 [ m /s ] BTDC360 (吸気) 180 (圧縮) TDC BTDC360 (吸気) 180 (圧縮) TDC BTDC360 (吸気) 180 (圧縮) TDC 地点(d) 地点(c) 地点(b)

crank angle [deg] crank angle [deg]

crank angle [deg]

(17)

PIVと計算の比較(火花ギャップ間流速)

実測と計算ともに (速) 90deg ≧ EX方向 > IN方向 (遅) 接地電極方向による火花ギャップ間流速を再現できた。 150rpm、圧縮行程のみ、n=3の平均 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 540 600 660 720 crank angel [deg]

流速 [ m /s ] 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 540 600 660 720 crank angel [deg]

流速 [ m /s ] 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 540 600 660 720 crank angel [deg]

流速

[

m

/s

]

接地電極 EX方向 接地電極 90deg 接地電極 IN方向

計算 PIV(プロットと近似曲線) BTDC180 120 60 TDC BTDC180 120 60 TDC BTDC180 120 60 TDC P IV ( BT DC30deg)

crank angle [deg] crank angle [deg] 接地電極:金属→透明アクリル crank angle [deg]

シート光をギャップ間まで透過

IN EX IN EX

(18)

① PIVによる

筒内流動の可視化

筒内流動計算の検証

確立した技術 ②

③ 火花移動モデル

④ ガソリン代替反応メカニズム

計算負荷が低く、 反応速度特性がガソリン と比較的近い燃料を探索 →エタン(C2H6)を選定、 更に簡略化も実施 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 空気過剰率λ 火炎伝播速度[ m / s] エタン ヘプタン オクタン ガソリン 相当 実測値の多変量解析により 移動量予測式を作成

② 3Dスキャンによる

エンジン現物のモデル化

エンジン現物 3D-CAD 計算メッシュ 3D スキャン

(19)

3Dスキャンによるエンジン現物のモデル化

自動車用エンジン: 一般購入品であるため、CADを保有していない 3Dスキャンデータから CAD、メッシュを作成 3Dスキャンの懸念事項: ・エッジが鈍る ・スキャン誤差による面の微小なズレや歪み,隙間が生じる など CADやメッシャ上で修正 可能なレベルであった。 エンジン現物 計算結果 3D スキャン 3D-CAD Assy-CAD 表面メッシュ 計算メッシュ モデル化~計算の流れ 計算 実測(TDC点火)と突合せて 比熱比等を調整 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 -360 -270 -180 -90 0 Crank Angle [degATDC]

筒内 圧 [M P a] 計算 実測 300 400 500 600 700 800 900 1000 -360 -270 -180 -90 0 Crank Angle [degATDC]

筒内 温度 [ K ] 自動車用エンジンを モデル化できた

(20)

② 3Dスキャンによる

エンジン現物のモデル化

エンジン現物 3D-CAD 計算メッシュ 3D スキャン

① PIVによる

筒内流動の可視化

筒内流動計算の検証

確立した技術 ③

④ ガソリン代替反応メカニズム

計算負荷が低く、 反応速度特性がガソリン と比較的近い燃料を探索 →エタン(C2H6)を選定、 更に簡略化も実施 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 空気過剰率λ 火炎伝播速度[ m / s] エタン ヘプタン オクタン ガソリン 相当

③ 火花移動モデル

実測値の多変量解析により 移動量予測式を作成

(21)

火花移動モデル (ユーザサブルーチン) 投入エネルギ

点火モデル

スパークプラグに投入した電気エネルギ の80%(効率80%と仮定)に相当するエンタルピ を火花放電領域に与える。 流れにより火花が移動するため、 火花移動モデルを開発した。 火花の移動 (可視化エンジン) 2mm ① 電極間に仮想的にバネで結ばれた粒子を配列。 ② 粒子は流れによる抗力、粒子の慣性力とバネ引力 で釣合う。 ③ 時々刻々と移動する粒子が存在する領域を エネルギ投入領域とする。 ① ② ③ 火花移動の考慮が 可能となった。 ※放電現象を解くものではなく、粒子の抗力係数やバネ定数等を調節して 所望の移動量に合わせ込むモデルであるため、エンジン内での移動量を 予め把握しておく必要がある。 可視化エンジンで各種条件での移動量を測定、 多変量解析により移動量予測式を作成した。 0 0.5 1 1.5 2 Time [ms] 投入 エ ネ ルギ ( 実測 ) [W ]

(22)

火花移動の影響

定容チャンバモデルにおける検証

火花移動を考慮する影響を確認 ・ 針金電極 ・ 主流速:5m/s 0.0E+00 2.0E-11 4.0E-11 6.0E-11 0 0.001 0.002 0.003 0.004 time (s) O Hラ ジ カ ル総量 (k g) 火花移動なし 火花移動あり OHラジカル総量の推移 断面温度分布 (放電 1ms後) 火花移動なし 火花移動あり 温 度 分 布 5000K 300K 火花移動あり・なしで燃焼速度が変化する。 火花移動の考慮が必要なことを確認した。

(23)

② 3Dスキャンによる

エンジン現物のモデル化

エンジン現物 3D-CAD 計算メッシュ 3D スキャン

① PIVによる

筒内流動の可視化

筒内流動計算の検証

確立した技術 ④

③ 火花移動モデル

実測値の多変量解析により 移動量予測式を作成

④ ガソリン代替反応メカニズム

計算負荷が低く、 反応速度特性がガソリン と比較的近い燃料を探索 →エタン(C2H6)を選定、 更に簡略化も実施 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 空気過剰率λ 火炎伝播速度[ m / s] エタン ヘプタン オクタン ガソリン 相当

(24)

燃焼反応メカニズム

燃焼反応の扱いは、下記2つに大別される 総括単段反応 (火炎伝播モデル含) 反応物と最終生成物のみの取り扱い 素反応を含む多段反応(詳細化学反応) 中間体化学種を経由した生成物過程を解く 素反応の経路図 削減 例) プロパン燃焼(4化学種) C3H8 + 5O2 → 3CO2 + 4H20 例) プロパン燃焼(156化学種) C3H8 + O2 ⇔ C3H7 + HO2 C3H7 + OH ⇔ C2H5 + CH2OH ・・・・・・・・ H2 + H2O ⇔ 2H + H2O H + O2 ⇔ O + OH 反応メカニズムの簡略化 詳細化学反応計算は、計算時間が膨大に なるため、寄与の小さい化学種を削除する 手法を採った。 失火の再現には、吸熱反応を含む詳細化学反応が必要 (東京大学の中谷辰爾准教授(当時、大阪府立大 助教)よりアドバイス)

(25)

ガソリンの詳細反応メカニズム

主成分であるヘプタン(n-C7H16)やオクタン(i-C8H18)で代用 計算時間が膨大 (構成原子数が多いと計算負荷が大きくなる傾向) ⇒メカニズムの簡略化 燃料 簡略化後 燃焼計算 計算時間 化学種数 反応式数 プロパン(C3H8) 29 140 定容チャンバ 2~4日 ヘプタン(n-C7H16) 44 394 筒内(エンジン) 数週間~1ヶ月以上? 計算負荷が低く、 反応速度特性がガソリンと比較的近い燃料 で代替 ※使用ソフト:DARS 代替燃料:構成原子数の少ない炭化水素系燃料を中心に検討

(26)

ガソリン代替反応メカニズム

※反応メカニズムの出典 メタン(CH4):U.C.BerkeleyのGRI-Mech3.0、 それ以外 :ローレンス・リバモア国立研究所 0次元反応解析(着火遅れ時間) 反応速度 (着火遅れ時間) ガソリンに近い ※着火遅れ時間;初期温度から 200K上昇するまでの時間と定義 空気過剰率に対する 感度(傾きの正負)が ガソリンと異なる エタン(C2H6) プロパン(C3H8) エタノール(C2H5OH) 1次元層流火炎 伝播速度解析 エタン(C2H6), プロパン(C3H8)は はガソリンと同等の 反応速度 (火炎伝播速度) 特性を持つ 反応速度は総じて、 エタン≧ヘプタン>オクタン≧プロパン エタン、プロパン共にガソリンと近い 反応速度を示す。 より計算負荷の低いエタンを採用 簡略化後:24化学種,106式 速← →遅 着火遅れ時間 [ m s] 空気過剰率λ (初期温度:1500K,0.2MPa) 温度 [ K] (初期温度:1500K,空気過剰率:1.66) 火炎伝播速度 [ m /s] 空気過剰率λ (雰囲気温度:400K,0.2MPa) ガソリン 相当 ガソリン相当

(27)

筒内燃焼計算結果

新気濃度分布 (吸気~圧縮行程) 100 [%] 86 火花の移動 (エネルギ投入領域) OHラジカル濃度分布 (燃焼活性度) 0.14 [%] 0 自動車用エンジン:1600rpm,軽負荷,λ =1.5 スパークプラグ:DFE

(28)

筒内燃焼計算結果

実測との比較 自動車用エンジン:1600rpm,軽負荷 スパークプラグ:DFE 使用ソフト:STAR-CD,es-ice,DARS リーン領域では、筒内圧、質量燃焼 割合ともに良く一致している。 着火性評価に重要である燃料濃度に よる変化を精度良く再現できている。 失火現象(リーン限界)の再現 λ =2.4で完全に失火する現象 を再現できた。 λ =2.0前後では、燃焼反応は 進行しているが、ほとんど仕事 をしていない。 (エンジンでは失火判定となる) 自動車用エンジン:1600rpm,軽負荷 スパークプラグ:Ir 筒内圧 [ MPa ] OH ラジ カ ル総質量 [ kg] 完全失火 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 Crank angle [ATDCdeg]

筒内圧 [M P a ] 計算 実測 0 10 20 30 40 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 Crank angle [ATDCdeg]

質量燃焼割合 [%] 計算 実測 λ 1.6 λ 1.5 λ 1.6 λ 1.5

(29)

発表内容

1.会社紹介

2.背景

3.技術構築

4.スパークプラグの電極形状による着火性

5.投入エネルギによる着火性

6.エンジン条件による着火性

7.まとめ

(30)

電極形状による着火性

計算条件: 点火直後の火炎 (λ 1.6、1000[K]の等値面) DFE Ir PSPE SPE 直列4気筒 1500cc 自動車用エンジン 1600rpm、軽負荷 計算結果: SPE SPE IrIr PSPE PSPE DFE DFE Zoom 接地電極の形状のみが異なる4種類のスパークプラグの着火性を評価する。 中心電極 接地電極

DFE…Double Fine Electrode

PSPE…Projected Square Platinum Electrode SPE…Square Platinum Electrode

(31)

計算結果: 質量燃焼割合 ※縦軸に「OHラジカル発生量」 ,「質量燃焼割合」,「火炎体積」の いずれの評価指標をとっても同様の結果となった。

実機試験結果: リーンリミット

(優) DFE > PSPE > SPE > Ir (劣)

比較的燃料が濃い場合は差が見られないが、燃料を薄くしていくと、 λ 1.5でIrが脱落、λ 1.6でSPEが脱落、λ 1.7でPSPEが脱落。

⇒(優) DFE > PSPE > SPE > Ir (劣) という序列が再現できた。 しかし、「効率的ではない」、「定量的に評価したい」

4種類のプラグの着火性評価

0 5 10 15 -30 -20 -10 0 Crank Angle [degATDC]

質量燃焼割合 [%] 0 5 10 15 -30 -20 -10 0 Crank Angle [degATDC]

質量燃焼割合 [%] 0 5 10 15 -30 -20 -10 0 Crank Angle [degATDC]

質量燃焼割合 [%] 0 5 10 15 -30 -20 -10 0 Crank Angle [degATDC]

質量燃焼割合

[%]

燃料:濃 燃料:薄

(32)

参考文献: 『均質希薄混合気SI燃焼方式(HLSI)の研究』,園ら(本田技術研究所),自技会 2012年秋季大会 実機試験による着火性評価では燃料濃度(空気過剰率λ )を薄くしていき、 筒内圧のばらつき(COV)が規定値に達したλ をリーンリミットとする。 ・・・シミュレーションはばらつかない。→別の指標で置き換えられないか? ※一般に、燃焼限界は温度と強い相関があり、おおよそ1000[K]以上になると急激な燃焼反応が進行 すると言われているため、妥当な評価と考える。 参考文献ではしきい値は1150[K]としているが、筒内圧から算出した温度であるため誤差を含むことと、 条件や判定値によっても異なると推測される。 「上死点時の筒内温度とリーンリミットには強い相関がある」ことから、 筒内温度に しきい値を設けて、その温度になるときのλをリーンリミットとした。

着火性評価指標の検討

(33)

600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 Excess Air Ratio λ

Cy linder T em per at ur e @ T D C [K ] DFE PSPE SPE Ir Criteria Lean Limit 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 Excess Air Ratio λ

Cy linder T em per at ur e @ T D C [K ] DFE PSPE SPE Ir Criteria Lean Limit 上 死 点 時 の 筒 内 温 度 [K ] 空気過剰率 しきい値 リーンリミット 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 Excess Air Ratio λ

Cy linder T em per at ur e @ T D C [K ] DFE PSPE SPE Ir Criteria Lean Limit 600 700 800 900 1000 1100 1200 1300 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 Excess Air Ratio λ

Cy linder T em per at ur e @ T D C [K ] DFE PSPE SPE Ir Criteria Lean Limit 上 死 点 時 の 筒 内 温 度 [K ] 空気過剰率 しきい値 リーンリミット 実機試験 計算結果 しきい値を900[K]とすると、実機試験と 良い相関が得られた。 妥当性については、今後、様々な条件 で実績を積んで確認していく。 良い相関

TDC筒内温度を指標とした着火性評価

※しきい値が900[K]とやや低めなのは、試験の評価条件やその判定基準の影響も考えられるが、計算 の燃焼速度を実測に合わせ込むために、筒内温度をやや低めに補正している影響も考えられる。 1.6 1.62 1.64 1.66 1.68 1.7 DFE PSPE SPE Ir リーンリミット λ 1.5 1.55 1.6 1.65 1.7 DFE PSPE SPE Ir リーンリミット λ Good Good

(34)

電極形状により着火性差が生じる要因

点火直後の火炎 (λ 1.6、点火後1degCA、1000[K]の等値面) DFE Ir PSPE SPE 1.6 1.62 1.64 1.66 1.68 1.7 DFE PSPE SPE Ir リーンリミット λ Good Good 相関あり 極初期の火炎が電極に触れる面積が小さい 熱損失が小さい 着火性が良い 0 5 10 15 20 DFE PSPE SPE Ir プラグへの熱損失 [mJ] プラグへの熱損失[mJ](放電期間中) Good プラグへの熱引き(熱損失)が 着火性に大きく影響することを 確認できた。

(35)

発表内容

1.会社紹介

2.背景

3.技術構築

4.スパークプラグの電極形状による着火性

5.投入エネルギによる着火性

6.エンジン条件による着火性

7.まとめ

(36)

計算結果(TDC筒内温度を指標とした着火性評価)

投入エネルギ量の影響

一般的なフルトランジスタ電源である”Normal”に対し、 単位時間あたりのエネルギと持続時間を大幅に増加させた”High-Energy”の 着火性を検討。(スパークプラグはDFEを使用、着火性評価は前述の筒内温度を指標とした手法) 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 Time [ms] 投入エ ネ ルギ [ W ] High-Energy Normal 1.6 1.7 1.8 1.9 2 Normal High-Energy リーンリミット λ +0.05 投入エネルギを増やすと着火性が向上する実現象を再現。 リーンリミットλ の向上は+0.05であり、電極形状DFEとIrの差が0.04であったこと と比較すると、エネルギを大幅に増加した割には向上していないといえる。 理由①:既燃部にエネルギを投入しても未燃部に効率的に供給できない。 理由②:投入エネルギを熱エネルギとして扱っているが、電離等のプラズマ現象が影響。 理由③:詳細化学反応ソルバの反応速度リミット→温度上限約8000[K]。

(37)

発表内容

1.会社紹介

2.背景

3.技術構築

4.スパークプラグの電極形状による着火性

5.投入エネルギによる着火性

6.エンジン条件による着火性

7.まとめ

(38)

高流速場での検討

バッフル プレート 点火時期(中央断面) 吸気管断面の下半分を遮蔽するタンブルコントロールバルブ相当のバッフルプレート を設置することで、 高流速(高タンブル)場 を実現。 バッフル プレート [m/s] 流速ベクトル バッフル プレート なし 吸気行程(バルブ断面) バッフル プレート なし バッフル プレート あり 点火時期における 火花ギャップ間流速が 4→9[m/s] に向上。 通常流速 高流速

(39)

0 1 2 3 4 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 Time [ms] 火花 移動 量 [mm ] 高流速 通常流速

高流速場での火花移動

流動場では火花が移動する。高流速場では、火花移動量も大きくなる。 →前報で報告した ”火花移動モデル” と ”火花移動量予測式(実験式)” を 高流速場にも適用。 (予測式に合うように火花移動モデルのバネ定数や抗力係数などを設定) 火花移動量 3[mm]超で火花移動モデルが発散 →3[mm]程度で頭打ちとなるように設定 通常流速 高流速 エンジン条件の変更(筒内流動の強化)を再現できた。

(40)

計算結果(TDC筒内温度を指標とした着火性評価) 通常流速場”Normal-Flow”と高流速場”High-Flow”の着火性を比較。 (投入エネルギは”High-Energy”)

高流速場での着火性

高流速化でリーンリミットが大幅に向上。 しかし、この結果には「流れの影響」と「火花移動の影響」の両者が含まれている。 1.6 1.7 1.8 1.9 2 Normal-Flow High-Flow リーンリミット λ +0.24

(41)

「流れの影響」と「火花移動の影響」の分離

高流速場の計算に通常流速時の火花移動量を強制的に入力 →”High-Flow(Normal-Spark)” ・・・・実際には起こり得ない現象 計算結果(TDC筒内温度を指標とした着火性評価) 流れの影響が大きい。 数値シミュレーションは、実現象を模擬するだけでなく、実際には起こりえない 状態を作り出すことで、実験では困難な現象解明にも大いに役立つといえる。 1.6 1.7 1.8 1.9 2 Normal-Flow High-Flow (Normal Spark) High-Flow リーンリミット λ +0.17(流れの影響) +0.07(火花移動の影響)

(42)

発表内容

1.会社紹介

2.背景

3.技術構築

4.スパークプラグの電極形状による着火性

5.投入エネルギによる着火性

6.エンジン条件による着火性

7.まとめ

(43)

まとめ

 ①PIVによる筒内流動の可視化

②3Dスキャンによるエンジン現物のモデル化

③火花移動モデル

④ガソリン代替反応メカニズム

の技術を確立し、スパークプラグの着火性を予測する

筒内燃焼シミュレーション手法を開発した。

スパークプラグの電極形状だけでなく、投入エネルギや

エンジン条件による着火性も評価出来るようになった。

「流れの影響」と「火花移動の影響」を切り分ける筒内燃焼

シミュレーションのように、実験では実施困難な事項に対し、

数値シミュレーションの有効性を示すことが出来た。

参照

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