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メチルメタンスルホネート (MMS) を用いた雄生殖機能および次世代発生に及ぼす影響に関する研究

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Academic year: 2021

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Title メチルメタンスルホネート (MMS) を用いた雄生殖機能および次世代発生に及ぼす影響に関する研究( 内容の要旨 ) Author(s) 栗山, 和也 Report No.(Doctoral Degree) 博士(農学) 甲第373号 Issue Date 2005-03-14 Type 博士論文 Version URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/2714 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本掴)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 栗 山 和 也 (長野県) 博士(農学) 農博甲第373号 平成17ヰ3月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物生産科学専攻 信州大学 メチルメタンスルホネート(MMS)を用いた雄生殖 機能および次世代発生に及ぼす影響に関する研究 主査 信州大学 教 授 辻 井 弘 忠 副査 信州大学 教 授 浜 野 光 市 副査 静岡大学 教 授 高 坂 哲 也 副査 岐阜大学 教 授 土 井 守 論 文 の 内 容 の 要 旨 近年,内分泌撹乱物質いわゆる環境ホルモンと呼ばれる化学物質が雄性生 殖機能に対する影響が問題化されている。また,その評価の重要性が増して きている。このような状態にあって,特に精子形態異常発現メカニズムと雄 由来の次世代発生に及ぼす影響に関して,より多くのデータの蓄積が求めら れている。そこで本研究は,医薬品の安全性試験に多用されるラットを用い, アルキル化剤で変異原性物質として知られるメチルメタンスルホネート (MMS)を経口投与した後,√経時的に交配・剖検を行い,精子形態異常の 観察と雄性生殖機能に対する経時的な影響を明らかにすると共に,精子形態 異常の検出に有効な指標形態異常発現のメカニズムと優性致死作用が次世代 発生に対する影響について検討を行った.ものである。 MMSを雄ラットに5日間連続経口投与した後,5週目までの回復期間中に発現 する精子形態を観察した。その結果,Tailless精子など精子形態異常の発現の経時 的な変化を捉えた。そしてMMS投与によって生殖細胞に生じた遺伝的損傷が原因 であると推察した。さらに,優性致死作用に関してMMS投与後,精子形態を経時 的に調べたところ,精子形態異常は,減数分裂前め精母細胞期から精子細胞前期 の塵殖細胞と判断され優性致死作用の標的細胞は,中期から後期精子細胞およ び初期の精巣上体内輝子であることを明らかにした。 MMS投与後,優性致死作用と精子運動性に対する影響が最も顕著に認められた Week2において,受精卵の観察を行い,受胎率・着床率の減少が遺伝的な要因に 起因する優性致死作用であることを確認した。さらに,MMS投与後の雄ラットと の交配で得た妊娠ラットの採卵検査を行った結果,多くの卵子が2細胞期以前の

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段階で発育を停止,あるいは退行していることをつきとめた。このことは,卵割 が初期の段階から阻害されることを明らかにした。また,ほぼ全例が不妊となっ たWeek2において,受精卵に染色体異常が発現し,発育分化が阻害された結果, 優性致死の発現に帰結したと結論づけた。 これらの結果を総合して,MMS投与によって精子形態異常は,MMSの投与に よって生じたプロタミンのアルキル化に起因した配偶子の染色体異常によると推 察した。 本研究で得られた成果は,今後,環境ホルモンと呼ばれる化学物質が雄性生 殖機能,特に精子形態異常発現に関する研究に寄与するものである。 審 査 結 果 の 旨 本研究は強力なアルキル化剤で,優性致死作用および精巣毒性を発現することが知られて いるメチルメタンスルホネート(MMS)を雄動物に投与し,精子形態異常の観察と生殖機能 に対する影響の経時的な評価を通じて,精子形態異常の検出に有用な指標,形態異常発現の メカニズムと優性致死作用が次世代発生に及ぼす影響について研究を行った。 第2章では,MMSを雄ラットに5日間嘩続経口投与した後,5過日までの回復期間中に 発現する精子形態を観察した。その結果,亀山es$.精子など精子形態異常の発曳の経嘩的な 変化を捉えた。そしてMMS投与によって生殖細胞に生じた草伝的損傷が原因と考えた。 第3章では,優性致死作用一に関すろ経時推移を調べたところ,椅子形態異常は,減数分裂 前ゐ精母細胞期から藤子細胞前廟あ生殖細胞と判廃され,優性致死作用の標的細胞は,中期 から後期精子細胞および初期の精巣上体内精子であることを明らかにした。 第4章では,優性致死作用と精子運動性に対する影響が最も顕著に認められたWeek2にお いて,受精卵の観察を行い,受胎率・着床率の減少が遺伝的な要因に起因する優性致死作用で あることを確認した。 第5章で軋MMS投与後の雄ラJトとの交配で得た妊娠ラットの採卵検査を行った結果, 多くの卵子が2細胞期以前の段階で発育を停止,あるいは退行していることをつきとめた。こ のことは,卵割が初期の段階から阻害された。ほぼ全例が不妊となった.Week2において,受 精卵に染色体異常が発現し,発育分化が阻害された結果,優性致死の発現に帰結したと結論づ けた。 本研究において,認められた優性致死作用の発現は,MMSの投与によって生じたプロタミ ンのアルキル化に起因した配偶子の染色体異常によると推察した。 以上について,審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文とし て十分価値あるものと認めた。

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-108-基礎となる学術論文 1.Atime・COurSeCharacterizationofmalereproductivetoxicityinratstreatedwith Metylmethane8ulphonate(MMS) JournalofTbxicologicalScience,inpress2005 KazuyaKURIYAMA,RyoheiYOKOI,KazuoKOBAYASHI,SatoshiSUDA, MorimichiHAYASHI,ShigenariOZAWA,JunjiKURODA,andHirotadaTSUJII 2.Evaluationoftesticulartoxicityandspermmorphologyinrat8treatedwith Metylmethanesulphonate(MMS) JournalofReproductionandDevelopment51;2005.iripress Ka2;uyaKURnAMA,MorimichiHAYASHI,RyoheiYOKOI,T白uyOShiKITAMURA, Ka2;uOKOBAYASHI,JunjiKURODA,andHirotadaTSUJII

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